全球の都市における居住性評価指数gliの開発 - 東京...

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For further details, contact: Naoki Katayama, Ce-506, 6-1, Komaba 4-chome, Meguro, Tokyo 153-8505 JAPAN (URL: http://wtlab.iis.u-tokyo.ac.jp/ E-mail: [email protected]) Remote sensing of environment and disaster laboratory Institute of Industrial Science, the University of Tokyo, Japan 全球の都市における居住性評価指数 GLI の開発 堅山 直樹 1 ,竹内 渉 1 1 東京大学生産技術研究所 図4の割合をもとに,居住性指数(GLI: Global livability index)を作成し,これにより都市域の居住性を全球で均質に評価でき た。リモートセンシングで得られた土地被覆図を用いて全球の都市域における居住性指数の値を抽出し,その上位と下位を調べるこ とにより,大小含めた世界中の都市での居住性をランキングすることができた。この結果を表1と表2に示した。ヨーロッパやカナ ダの都市が上位を占め,居住性が最も高い都市はノルウェーのアルタで GLI 値 97.6 であった。下位の都市はアフリカや南アジアが占め,居住性が最も 低い都市はスーダンのハルツームで GLI 値 22.2 であった。また,居住性と 人口密度の関係を調べ るため,教師データ 97 都市において人口 密度と居住性指数の散 布図を図6に示した。 これより,居住性の低 い都市ほど多くの人々 が住んでいることが示 された。 本研究では,都市の居住性の要素として,環境・安全・豊かさの3カテゴリを選定した。環境は大気汚染と緑地環境,安全は自然 災害と平和度,豊かさは経済活動と発展度の計6つの要素をとりあげた。大気汚染はエアロゾル光学的厚さ (AOD),緑地環境は植 生指数 (NDVI),自然災害は国連による死亡リスク推定,平和度は世界平和度指数 (GPI),経済活動は夜間光の輝度 (VIIRS DNB), 発展度は人間開発指数 (HDI) のデータをそれぞれ用いた。次に目的変数として全世界の2万人以上からのアンケートに基づく客観評 価指標である RepTrak を選び,代表的な 97 都市を教師データとして最小二乗法を用いて多変量解析を行い指標間の重み付けを行 うことで,データの客観性とアンケートの主観性を組み合わせた独自の評価モデルを構築した。 モデル作成に使用した 97 都市と全球の都市域で指標をヒストグラム化したところ,教師データの充分な代表性も確認され,居住 性を全球にわたって空間的にくまなく定量化することに成功した。その結果,居住性には「安全」の要素が 50.2% で最も重視され ていることが明らかとなった。この手法により,アンケートを行わずとも大小全ての都市で居住性の評価が可能となり,ノルウェー 北部の都市アルタなど,アンケートでは得られない小都市の居住性が高いという結果が得られた。また居住性を全球において可視化 することで,居住性の高い地域と低い地域が地図上で視覚的に確認でき,これを人口密度と比較することで,居住性の低い場所ほど 多くの人が住んでいるという事実が発見できた。 多変量解析の結果,要素間の重みは図4に示したようになった。環境・安全・ 豊かさの3カテゴリの中では安全が最も重視されており,その割合は 50.2%, 次いで環境の 27.5%,豊かさの 22.3% となった。豊かさの中の「経済活動」 の要素では,夜間光の輝度だけでは都市ごとに優位な差が出ず,国ごとの指標 である発展度(人間開発指数)に 吸収される形で重み付けには含ま れない結果となった。 衛星観測で得られた土地被覆図 を用いて全球の都市域計 100 万 km 2 を抽出し,要素ごとのヒスト グラムを描くと図5に示したよう にヒストグラムのピーク位置や形 状がほぼ一致し,教師データの充 分な代表性が確認された。 環境 エアロゾル 光学的厚さ (AOD) 植生指数 (NDVI) 世界平和度 指数(GPI) 災害による 死亡リスク (UNDP) 夜間光輝度 (VIIRS DNB) 人間開発指数 (HDI) 大気汚染 緑地環境 平和度 自然災害 経済活動 発展度 安全 豊かさ 居住性 重み付け 人口分布 (LandScan) 居住性指数 (GLI) 都市の評判 (RepTrak) ※97 都市のデータを抽出し正規化 背景と目的 グローバル化と技術革新により,国境というボーダーはひと昔前と比べ格段に小さくなった。一方でアジア・アフリカの 国々を中心に急激な人口増加が進んでおり,人口分布の格差は広がりつつある。このような状況の中,仕事や暮らしやすさを 求め,外国に移住する人は近年急速に増加しており,この傾向は今後より加速していくと予想される。そこで,人々が移住を する際の判断材料とするため,また各都市が自らの現状を分析し,政策につなげるための客観的な住みやすさの指標が提案さ れている。従来の「都市の住みやすさランキング 2 」は,①評価する都市が限定される,②統計データや標本調査などデータ自 体の信頼性に難がある,③調査に時間と費用がかかる, ④計算方法の公平性が低い,といった点に問題があった。 そこで本研究では,一部の都市で得られたアンケート結果 を衛星観測データや統計データで説明するモデルを作成す ることで,アンケート結果を空間的に拡張することを試み た。こうして時空間的に居住性を評価する手法として,居 住性指数 (Global Livability Index) を提案する。 使用データと手法 結果と考察 5 0 . 2 % 2 7 . 5 % 2 2 . 3 % 大気 汚染 6.9% 緑地環境 20.6% 自然災害 27.6% 平和度 22.6% 発展度 22.3% 居住性 参考文献 結論 指数値 頻度(ピクセル数) 指数値 頻度(都市数) %á|Fƒl ö100"km 2 ¤ハゲト 979el Üo vA ‘5• ッガコゲヒ !E|Fƒ &Œ.Ð ý0ハゲト ‘5•¯ゴGLI゚ハケT '.ãグ·Ûã z.ãグÖ<ã ミアラカヌフ 本研究では,都市の居住性に着目し,居住性を構成する要素を設定したうえでそれぞれを客観的な手法を用いて評価し,さらにア ンケート結果に基づく指標である RepTrak を用いて人々の主観も考慮しつつモデル化を行うことで,居住性を決定する要素間の重 み付けと居住性の定量化手法としての居住性指数(GLI)の開発に成功した。この結果,居住性を構成する「環境」「安全」「豊かさ」 の3カテゴリーの中では「安全」が最も重視されており,その割合は 50.2% となった。 居住性評価の結果,ヨーロッパ・オセアニア地域の居住性が高く,アフリカや南アジア地域の居住性が低いことが示された。これ はそれぞれ人口密度の低い地域,高い地域とちょうど一致しており,居住性と人口密度の関係を調べることで,居住性の低い場所に, より多くの人が住んでいることが示された。 土地被覆図を用いて都市域を抽出し,全球における大小全ての都市で居住性を比べると,居住性が最も高い都市はノルウェーのア ルタで GLI 値 97.6,居住性が最も低い都市はスーダンのハルツームで GLI 値 22.2 であった。これまでの統計データに依存した 居住性評価では選択した都市でしか評価ができなかったが,本研究における評価モデルを用いることで,小都市も含めた居住性の評 価が可能になった。 1) Baugh, Kimberlu, Hsu, Feng Chi, Elvidge, Chris, Zhizhin, Mikhail, 2013. Nighttime Lights Compositing Using the VIIRS Day-Night Band: Preliminary Results, Proceedings of the Asia-Pacific Advanced Network, 35, pp.70-86. 2) Economist Intelligence Unit: Global Liveability Ranking and Report August 2013, Economist Intelligemce Unit, 2013. 3) Engel-Cox, Jill A., Holloman, Christopher H., Coutant, Basil W., Hoff, Raymond M., 2004. Qualitative and quantitative evaluation of MODIS satellite sensor data for regional and urban scale air quality, Atomospheric Environment, 38, pp.2495-2509. 4) Institute for Economics and Peace: Global Peace Index 2013, Institute for Economics and Peace, 2013. 5) Justice, C.O., Townshend, J.R.G., Vermote, E.F., Masuoka, E., Wolfe R.E., Saleous N., Roy D.P., Morisette J.T., 2002. An overview of MODIS Land data processing and product status, Remote Sensing of Environment, 83(1-2), pp.3-15, 2002. 6) Levy, R. C., Remer, L. A., Mattoo, S., Vermote, E. F., and Kaufman, Y. J.: Second-generation operational algorithm: retrieval of aerosol properties over land from inversion of Moderate Resolution Imaging Spectroradiometer spectral reflectance, Journal of Geophysical Research, 112, D13211, doi:10.1029/2006JD007811. 7) Peduzzi, P., Dao, H., Herold, C., Mouton, F., 2009. Assessing global exposure and vulnerability towards natural hazard: the Disaster Risk Index, Natural Hazards and Earth System Sciences, 9, pp.1149-1159. 8) Reputation Institute: 2013 City RepTrak, Reputation Institute, 2013 図2:本研究全体のフローチャート 居住性を環境・安全・豊かさの3つに分け,さらにそれぞ れを大気汚染・緑地環境・平和度・自然災害・経済活動・発 展度の6つの要素に分けた。これらはそれぞれ,エアロゾル 光学的厚さ (AOD) 6 ,植生指数 (NDVI) 5 ,世界平和度指数 (GPI) 4 ,災害による死亡リスク (UNDP) 7 ,夜間光輝度 (VIIRS DNB) 1 ,人間開発指数 (HDI) を用いて,衛星観測と統計デー タに基づくモデルを組み合わせて評価した。人口の影響を取り 除くため,死亡リスクと夜間光輝度に関しては LandScan に よる人口分布データで割ることで,人口1人あたりの値とした。 教師データとして使用した世界 97 都市における値を抽出し, これらの値を正規化後,世界2万人以上からのアンケート調査 に基づく RepTrak 8 の値を目的変数として最小二乗法による多 変量解析を行い,要素間の重み付けを行った。 図1:本研究のイメージ図 図4:居住性評価モデルの重み付け結果 図5:全球都市域と教師データのヒストグラム比較 都市(国) GLI 環境 安全 豊かさ アルタ(ノルウェー) 97.6 26.5 48.8 22.3 ハーマル(ノルウェー) 96.8 25.7 48.8 22.3 ヴァドソー(ノルウェー) 96.6 25.5 48.8 22.3 ケロウナ(カナダ) 96.4 26.8 49.2 20.4 ビール(スイス) 96.3 26.2 49.7 20.4 都市(国) GLI 環境 安全 豊かさ ハルツーム(スーダン) 22.2 10.8 11.4 0 アトバラ(スーダン) 23.9 0 23.9 0 シェンディ(スーダン) 25.2 1.1 24.1 0 コルカタ(インド) 27.8 15.9 7.6 4.4 パトナ(インド) 29.1 17.1 7.6 4.4 人口密度 [/km 2 ] 居住性指数 表1:居住性の上位5都市 表2:居住性の下位5都市 図6:教師データにおける人口密度とGLI 図3:居住性全球マッ(拡大図は都市域以外をマスキング) 世界で最も住みにくい都市:ハルツーム(スーダン) 東京 (GLI:83.5) ニューヨーク (GLI:73.2) GLI:22.2 GLI:97.6 30 40 50 60 70 80 90 居住性指数 (GLI) ダッカ (GLI:34.1) コルカタ (GLI:27.8) コルカタ (GLI:27.8) ダッカ (GLI:34.1) 世界で最も住みやすい都市:アルタ(ノルウェー) メキシコシティ (GLI:64.3) サンパウロ (GLI:74.8) パリ (GLI:84.6) ヨハネスブルク (GLI:63.2) マニラ (GLI:52.6) マニラ (GLI:52.6)

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For further details, contact: Naoki Katayama, Ce-506, 6-1, Komaba 4-chome, Meguro, Tokyo 153-8505 JAPAN (URL: http://wtlab.iis.u-tokyo.ac.jp/ E-mail: [email protected])

Remote sensing of environment and disaster laboratory Institute of Industrial Science, the University of Tokyo, Japan

全球の都市における居住性評価指数GLI の開発

堅山 直樹 1,竹内 渉 1

1 東京大学生産技術研究所

図4の割合をもとに,居住性指数(GLI: Global livability index)を作成し,これにより都市域の居住性を全球で均質に評価できた。リモートセンシングで得られた土地被覆図を用いて全球の都市域における居住性指数の値を抽出し,その上位と下位を調べることにより,大小含めた世界中の都市での居住性をランキングすることができた。この結果を表1と表2に示した。ヨーロッパやカナ

ダの都市が上位を占め,居住性が最も高い都市はノルウェーのアルタで GLI値 97.6 であった。下位の都市はアフリカや南アジアが占め,居住性が最も低い都市はスーダンのハルツームで GLI 値 22.2 であった。また,居住性と人口密度の関係を調べるため,教師データ97 都市において人口密度と居住性指数の散布図を図6に示した。これより,居住性の低い都市ほど多くの人々が住んでいることが示された。

本研究では,都市の居住性の要素として,環境・安全・豊かさの3カテゴリを選定した。環境は大気汚染と緑地環境,安全は自然災害と平和度,豊かさは経済活動と発展度の計6つの要素をとりあげた。大気汚染はエアロゾル光学的厚さ (AOD),緑地環境は植生指数 (NDVI),自然災害は国連による死亡リスク推定,平和度は世界平和度指数 (GPI),経済活動は夜間光の輝度 (VIIRS DNB),発展度は人間開発指数 (HDI) のデータをそれぞれ用いた。次に目的変数として全世界の2万人以上からのアンケートに基づく客観評価指標である RepTrak を選び,代表的な 97 都市を教師データとして最小二乗法を用いて多変量解析を行い指標間の重み付けを行うことで,データの客観性とアンケートの主観性を組み合わせた独自の評価モデルを構築した。

モデル作成に使用した 97 都市と全球の都市域で指標をヒストグラム化したところ,教師データの充分な代表性も確認され,居住性を全球にわたって空間的にくまなく定量化することに成功した。その結果,居住性には「安全」の要素が 50.2% で最も重視されていることが明らかとなった。この手法により,アンケートを行わずとも大小全ての都市で居住性の評価が可能となり,ノルウェー北部の都市アルタなど,アンケートでは得られない小都市の居住性が高いという結果が得られた。また居住性を全球において可視化することで,居住性の高い地域と低い地域が地図上で視覚的に確認でき,これを人口密度と比較することで,居住性の低い場所ほど多くの人が住んでいるという事実が発見できた。

多変量解析の結果,要素間の重みは図4に示したようになった。環境・安全・豊かさの3カテゴリの中では安全が最も重視されており,その割合は 50.2%,次いで環境の 27.5%,豊かさの 22.3% となった。豊かさの中の「経済活動」の要素では,夜間光の輝度だけでは都市ごとに優位な差が出ず,国ごとの指標である発展度(人間開発指数)に吸収される形で重み付けには含まれない結果となった。

衛星観測で得られた土地被覆図を用いて全球の都市域計 100 万km2 を抽出し,要素ごとのヒストグラムを描くと図5に示したようにヒストグラムのピーク位置や形状がほぼ一致し,教師データの充分な代表性が確認された。

環境

エアロゾル 光学的厚さ (AOD)

植生指数 (NDVI)

世界平和度 指数(GPI)

災害による 死亡リスク (UNDP)

夜間光輝度 (VIIRS DNB)

人間開発指数 (HDI)

大気汚染 緑地環境 平和度 自然災害 経済活動 発展度

※ ※ ※ ※ ※ ※

安全 豊かさ

居住性

重み付け

人口分布 (LandScan)

居住性指数 (GLI)

マッピング

居住性全球マップ

都市の評判 (RepTrak)

※97都市のデータを抽出し正規化

背景と目的グローバル化と技術革新により,国境というボーダーはひと昔前と比べ格段に小さくなった。一方でアジア・アフリカの

国々を中心に急激な人口増加が進んでおり,人口分布の格差は広がりつつある。このような状況の中,仕事や暮らしやすさを求め,外国に移住する人は近年急速に増加しており,この傾向は今後より加速していくと予想される。そこで,人々が移住をする際の判断材料とするため,また各都市が自らの現状を分析し,政策につなげるための客観的な住みやすさの指標が提案されている。従来の「都市の住みやすさランキング 2」は,①評価する都市が限定される,②統計データや標本調査などデータ自体の信頼性に難がある,③調査に時間と費用がかかる,④計算方法の公平性が低い,といった点に問題があった。そこで本研究では,一部の都市で得られたアンケート結果を衛星観測データや統計データで説明するモデルを作成することで,アンケート結果を空間的に拡張することを試みた。こうして時空間的に居住性を評価する手法として,居住性指数 (Global Livability Index) を提案する。

使用データと手法

結果と考察

安全 50.2%

環境

27.5%豊かさ

22.3%

大気汚染6.9%

緑地環境20.6%

自然災害27.6%

平和度22.6%

発展度22.3%

居住性

参考文献結論

指数値

頻度(ピクセル数)

指数値

頻度(都市数)

•!

•!

100 km2

97

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GLI

本研究では,都市の居住性に着目し,居住性を構成する要素を設定したうえでそれぞれを客観的な手法を用いて評価し,さらにアンケート結果に基づく指標である RepTrak を用いて人々の主観も考慮しつつモデル化を行うことで,居住性を決定する要素間の重み付けと居住性の定量化手法としての居住性指数 (GLI) の開発に成功した。この結果,居住性を構成する「環境」「安全」「豊かさ」の3カテゴリーの中では「安全」が最も重視されており,その割合は 50.2% となった。

居住性評価の結果,ヨーロッパ・オセアニア地域の居住性が高く,アフリカや南アジア地域の居住性が低いことが示された。これはそれぞれ人口密度の低い地域,高い地域とちょうど一致しており,居住性と人口密度の関係を調べることで,居住性の低い場所に,より多くの人が住んでいることが示された。

土地被覆図を用いて都市域を抽出し,全球における大小全ての都市で居住性を比べると,居住性が最も高い都市はノルウェーのアルタで GLI 値 97.6,居住性が最も低い都市はスーダンのハルツームで GLI 値 22.2 であった。これまでの統計データに依存した居住性評価では選択した都市でしか評価ができなかったが,本研究における評価モデルを用いることで,小都市も含めた居住性の評価が可能になった。

1) Baugh, Kimberlu, Hsu, Feng Chi, Elvidge, Chris, Zhizhin, Mikhail, 2013. Nighttime Lights Compositing Using the VIIRS Day-Night Band: Preliminary Results, Proceedings of the Asia-Paci�c Advanced Network, 35, pp.70-86.

2) Economist Intelligence Unit: Global Liveability Ranking and Report August 2013, Economist Intelligemce Unit, 2013.

3) Engel-Cox, Jill A., Holloman, Christopher H., Coutant, Basil W., Ho�, Raymond M., 2004. Qualitative and quantitative evaluation of MODIS satellite sensor data for regional and urban scale air quality, Atomospheric Environment, 38, pp.2495-2509.

4) Institute for Economics and Peace: Global Peace Index 2013, Institute for Economics and Peace, 2013.

5) Justice, C.O., Townshend, J.R.G., Vermote, E.F., Masuoka, E., Wolfe R.E., Saleous N., Roy D.P., Morisette J.T., 2002. An overview of MODIS Land data processing and product status, Remote Sensing of Environment, 83(1-2), pp.3-15, 2002.

6) Levy, R. C., Remer, L. A., Mattoo, S., Vermote, E. F., and Kaufman, Y. J.: Second-generation operational algorithm: retrieval of aerosol properties over land from inversion of Moderate Resolution Imaging Spectroradiometer spectral re�ectance, Journal of Geophysical Research, 112, D13211, doi:10.1029/2006JD007811.

7) Peduzzi, P., Dao, H., Herold, C., Mouton, F., 2009. Assessing global exposure and vulnerability towards natural hazard: the Disaster Risk Index, Natural Hazards and Earth System Sciences, 9, pp.1149-1159.

8) Reputation Institute: 2013 City RepTrak, Reputation Institute, 2013

図2:本研究全体のフローチャート

居住性を環境・安全・豊かさの3つに分け,さらにそれぞれを大気汚染・緑地環境・平和度・自然災害・経済活動・発展度の6つの要素に分けた。これらはそれぞれ,エアロゾル光学的厚さ (AOD) 6,植生指数 (NDVI) 5,世界平和度指数(GPI) 4,災害による死亡リスク (UNDP) 7,夜間光輝度 (VIIRS DNB) 1,人間開発指数 (HDI) を用いて,衛星観測と統計データに基づくモデルを組み合わせて評価した。人口の影響を取り除くため,死亡リスクと夜間光輝度に関しては LandScan による人口分布データで割ることで,人口1人あたりの値とした。教師データとして使用した世界 97 都市における値を抽出し,これらの値を正規化後,世界2万人以上からのアンケート調査に基づく RepTrak 8の値を目的変数として最小二乗法による多変量解析を行い,要素間の重み付けを行った。

図1:本研究のイメージ図

図4:居住性評価モデルの重み付け結果 図5:全球都市域と教師データのヒストグラム比較

都市(国) GLI 環境 安全 豊かさアルタ(ノルウェー) 97.6 26.5 48.8 22.3ハーマル(ノルウェー) 96.8 25.7 48.8 22.3ヴァドソー(ノルウェー) 96.6 25.5 48.8 22.3ケロウナ(カナダ) 96.4 26.8 49.2 20.4ビール(スイス) 96.3 26.2 49.7 20.4

都市(国) GLI 環境 安全 豊かさハルツーム(スーダン) 22.2 10.8 11.4 0アトバラ(スーダン) 23.9 0 23.9 0シェンディ(スーダン) 25.2 1.1 24.1 0コルカタ(インド) 27.8 15.9 7.6 4.4パトナ(インド) 29.1 17.1 7.6 4.4

人口密度 [/km2]

居住性指数

表1:居住性の上位5都市

表2:居住性の下位5都市

図6:教師データにおける人口密度とGLI

図3:居住性全球マップ(拡大図は都市域以外をマスキング)世界で最も住みにくい都市:ハルツーム(スーダン)

東京(GLI:83.5)

ニューヨーク(GLI:73.2) GLI:22.2

GLI:97.6

30 40 50 60 70 80 90

低 高居住性指数(GLI)

ダッカ(GLI:34.1)

コルカタ(GLI:27.8)コルカタ

(GLI:27.8)

ダッカ(GLI:34.1)

世界で最も住みやすい都市:アルタ(ノルウェー)

メキシコシティ(GLI:64.3)

サンパウロ(GLI:74.8)

パリ(GLI:84.6)

ヨハネスブルク(GLI:63.2)

マニラ(GLI:52.6)マニラ

(GLI:52.6)