大磯コミュニティカレッジ設立趣意書 · *...

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Page 1: 大磯コミュニティカレッジ設立趣意書 · * 天才や秀才ではなく、自分の中にある未発見の第3の才能。 ** 寛容な精神を持ち良識ある行動ができる随所作主の人であること。
Page 2: 大磯コミュニティカレッジ設立趣意書 · * 天才や秀才ではなく、自分の中にある未発見の第3の才能。 ** 寛容な精神を持ち良識ある行動ができる随所作主の人であること。

大磯はその昔から多くの貴顕が競って居を構え、彼らの存在感が大きくなればなるほど大磯の知名度は高まり、

日本の地域社会としてはきわめて個性的なブランドをつくりあげてきました。この声望には、先人たちがいながらにして不断の

努力を尽くすことによって築き支えてきた文化的営為も含まれています。

私たちはこのことに注目し、あらためて先人たちに衷心からの敬意を表します。歴史はこのようにして始まったのです。

過去の経緯を踏まえ、大磯というコミュニティが維持してきた声望に、現在の私たちの持てる学術文文芸によっていかに

応えることが出来るかを考えたとき、ひとつの試みとして大磯コミュニティカレッジを構想するに至りました。

現代社会の特徴のひとつは情報社会というところにあります。さまざまな情報が文字通り交錯し、飛び交っています。

なかでも電気通信系の情報量は輸送系(雑誌新聞など)や空間系(口演、講義など)を圧倒的しています。情報の渦に巻

き込まれることなく、それらをいかに取捨選択し付き合えるかは、情報社会を上手に生きるために必要な知恵です。

ここでいう大磯コミュニティカレッジも情報にかかわる組織ですが、屋上屋を重ねることを意図しているのではありません。

大衆長寿時代は、情報と上手に付き合うには原則的な情報対応力が求められると考え、生活の現場近くで、

空き時間を活用して教室方式や小人数の演習方式などを駆使し、情報社会に対応しうる知識とそれらにもとづく考え方を

共に学び合おうというのが、提案したい基本的な考え方です。「知は力なり」なのです。

そこで、大磯コミュニティカレッジのことですが、いわゆる許認可を受けるカレッジではなく、手作りの民間の学びの場を

自称してカレッジと名乗っているのです。したがいまして、入学試験はもちろん、卒業資格もありません。

大衆長寿時代の学びの場なのです。「より深く、より広く、より楽しく」がこの学びの場のモットーです。

大磯コミュニティカレッジは、次のようなことを目指します。

1.このカレッジは、創才 * の発見展開を目的とします。

2.このカレッジは、学びを通してより良い市民であること ** を讃えます。

3.このカレッジは、共に学ぶことを通してコミュニティの活性化を目指します。

4.このカレッジは、深く広く学べるプログラムを一緒に工夫し、提供します。

5.このカレッジは、より深く広く学ぶため湘南コミュニティ大学 *** を設立します。

* 天才や秀才ではなく、自分の中にある未発見の第3の才能。** 寛容な精神を持ち良識ある行動ができる随所作主の人であること。*** 湘南各地域カレッジを統合することを視野に入れた、カレッジの連合組織体。

キーワード : コミュニティ 創才 情報社会  市民性  大衆長寿時代  知は力なり

大磯コミュニティカレッジ設立趣意書

 濱口晴彦(早稲田大学名誉教授)