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新商品・ソリューション・サービス解説 110 富士ゼロックス テクニカルレポート No.25 2016 新たなワークスタイルを支援するプリント サービス「Cloud On-Demand Print TM Cloud On-Demand Print: A Printing Service to Support New Working Styles スマートフォンやタブレットが普及し、ビジネス シーンにおいてもパソコンと同様にさまざまな業務 の中で利用されている。これに伴い、このようなモバ イルデバイスからドキュメントをプリントするニー ズも益々増えてきている。富士ゼロックスでは、街中 や移動先からのプリントや、企業間で複合機を共有し てプリントするといった、新しい働き方に対応し、業 務の円滑な進行を支援するためのクラウドサービス として、オンデマンドプリントサービス「Cloud On-Demand Print TM 」を提供している。本稿では、 「Cloud On-Demand Print」の機能やサービス提供 の取り組みを紹介し、クラウドサービスに起因するメ リットやデメリット、想定するワークスタイルのユー スケースについて説明する。 Abstract The presence of smartphones and tablets has increased significantly in recent years, and with the business environment being no exception, these mobile devices have come to be used across a wide range of work activities and interactions, just as with computers before them. Together with this spread in use, however, develops an increasing need to be able to print from these mobile devices. Fuji Xerox is responding to these emerging work needs—be they printing on the move or at one’s destination, or sharing the use of multifunction devices between businesses—through its provision of Cloud On-Demand Print TM , an on-demand cloud service designed to support smooth progress in business operations and interactions. This paper explains how the Cloud On-Demand Print TM service is provided and the features that it contains. It then discusses the merits and demerits associated with cloud services, and lastly, outlines several use cases from work styles we envisage will emerge from the use of this service. 執筆者 大門 一輝(Kazuteru Daimonソリューション・サービス開発本部 ソリューション開発部 第四SPF開発センター Solutions Platform Development IV, Solutions Development, Solution Service Development Group【キーワード】 クラウド、オンデマンドプリント、ワークスタ イル、モバイルワーク、インターネット、プリ ンター共有 Keywordscloud, on-demand print, work style, mobile work, Internet, printer sharing

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Page 1: Cloud On-Demand Print: A Printing Service to …...Cloud On-Demand Print: A Printing Service to Support New Working Styles 要 旨 スマートフォンやタブレットが普及し、ビジネス

新商品・ソリューション・サービス解説

110 富士ゼロックス テクニカルレポート No.25 2016

新たなワークスタイルを支援するプリントサービス「Cloud On-Demand PrintTM」 Cloud On-Demand Print: A Printing Service to SupportNew Working Styles 要 旨

スマートフォンやタブレットが普及し、ビジネス

シーンにおいてもパソコンと同様にさまざまな業務

の中で利用されている。これに伴い、このようなモバ

イルデバイスからドキュメントをプリントするニー

ズも益々増えてきている。富士ゼロックスでは、街中

や移動先からのプリントや、企業間で複合機を共有し

てプリントするといった、新しい働き方に対応し、業

務の円滑な進行を支援するためのクラウドサービス

として、オンデマンドプリントサービス「Cloud

On-Demand PrintTM」を提供している。本稿では、

「Cloud On-Demand Print」の機能やサービス提供

の取り組みを紹介し、クラウドサービスに起因するメ

リットやデメリット、想定するワークスタイルのユー

スケースについて説明する。

Abstract

The presence of smartphones and tablets has increased significantly in recent years, and with the business environment being no exception, these mobile devices have come to be used across a wide range of work activities and interactions, just as with computers before them. Together with this spread in use, however, develops an increasing need to be able to print from these mobile devices. Fuji Xerox is responding to these emerging work needs—be they printing on the move or at one’s destination, or sharing the use of multifunction devices between businesses—through its provision of Cloud On-Demand PrintTM, an on-demand cloud service designed to support smooth progress in business operations and interactions. This paper explains how the Cloud On-Demand PrintTM service is provided and the features that it contains. It then discusses the merits and demerits associated with cloud services, and lastly, outlines several use cases from work styles we envisage will emerge from the use of this service.

執筆者 大門 一輝(Kazuteru Daimon) ソリューション・サービス開発本部 ソリューション開発部

第四SPF開発センター (Solutions Platform Development IV, Solutions

Development, Solution Service Development Group)

【キーワード】

クラウド、オンデマンドプリント、ワークスタ

イル、モバイルワーク、インターネット、プリ

ンター共有

【Keywords】

cloud, on-demand print, work style, mobile

work, Internet, printer sharing

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新たなワークスタイルを支援するプリントサービス「Cloud On-Demand PrintTM」

富士ゼロックス テクニカルレポート No.25 2016 111

1. はじめに

かつて個人向けのデバイスであったスマート

フォンやタブレットは、爆発的に普及したため、

ビジネスユースにおいても単なるBYOD*1と

しての利用だけでなく、会社がパソコンの代わ

りに一括導入して、ソリューションを構築した

り、営業活動の機動力を上げたりするツールと

して、使用されるようになった。これに伴い、

モバイルデバイスを用いたプリント機能に対す

る要望やプリント枚数も年々増加している。

スマートフォンやタブレットの最大のメリッ

トは、持ち歩きのしやすさである。そのため、

オフィス内での閉じた業務用途よりも、他社と

の協業や社外でのテレワークなどのような、場

所に依存しない多様な働き方において、より大

きな効果を発揮する。このようなモバイルワー

クに対して、どこからでもプリントできるサー

ビスを提供する場合、移動が困難なパソコンで

のプリント機能をそのままモバイルデバイスに

提供しても、ユースケースに合わない部分があ

る。モバイルデバイスの特性を活かすためには、

移動する先々で簡単に近くの複合機やプリン

ターが選べ、プリントできるような環境の提供

が必要である。

本稿では、富士ゼロックスが2015年5月よ

りサービス提供している、インターネット上の

クラウドサーバーを使ったオンデマンドプリン

ト サ ー ビ ス で あ る 「 Cloud On-Demand

PrintTM」について、機能やセキュリティーへの

取り組みを説明する。また、2013年2月から

提供を開始している店舗向けプリントサービス

である「Public Print®」との違いや関連性につ

いて、活用する場合のユースケースを交えて説

明する。

2. 「Cloud On-Demand Print」の

概要

「Cloud On-Demand Print」はその名が示

すように、クラウドサーバー上で提供している

*1 BOYD:「Bring Your Own Device」の略で、従業員が

私物のスマートフォンやタブレット等を持ち込んで業務

で使用すること

オンデマンドプリントサービスである。プリン

トしたいデータを事前にサーバーに蓄積(アッ

プロード)し、必要に応じてオフィス内やコン

ビニエンスストアなどにある当社の複合機から

プリントするためのサービスである(図1)。

「Cloud On-Demand Print」の特徴は、複

合機の設置(設定)が簡単で、かつユースケー

スに合わせて出力先や連携を柔軟に組み合わせ

る こ と が で き る 点 で あ る 。「 Cloud

On-Demand Print」の構成は、大きく分けて

次の3種類に分類できる。

クラウドサーバー上で稼働しているサー

バー本体

クライアント側で使用されるWeb UIまた

は専用アプリケーション

複合機側に設置される専用UI

次にそれぞれについての機能を簡単に説明する。

2.1 サーバーの基本機能

① データセンター

「Cloud On-Demand Print」が稼働してい

るデータセンターは東京都内にあり、非常時

のアクセスのしやすさや停電の起こりにくい

環境を確保している。加えて、地震による液

状化や水害などの自然災害や、火災による延

焼といった施設周辺の環境においても、最も

安全なレベルを達成している。日本データセ

ンター協会制定のデータセンターファシリ

ティスタンダードの基準では、ティア3に該

当する。

サービスの状態監視はデータセンターの現地

スタッフが行っているが、サービスそのもの

X社(他社拠点) netprint等A社 本店

富士ゼロックスダイレクト認証基盤

Windows用プリントツール

ファイルアップロード

プリント

iOS用アプリケーション

Android用アプリケーション

Web UI

Cloud On-Demand Print

(インターネット)

A社 支店1 A社 支店2

図1 Cloud On-Demand Printの概略 Overview of the Cloud On-Demand Print service

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新たなワークスタイルを支援するプリントサービス「Cloud On-Demand PrintTM」

112 富士ゼロックス テクニカルレポート No.25 2016

の設置や運用は当社が直接行っている。

② アカウント認証基盤

「Cloud On-Demand Print」サービスは、

お客様のユーザーアカウント情報を直接保有

しない。それらは、当社が提供する各種イン

ターネットサービスのポータルサイトである

「富士ゼロックスダイレクト」の共通アカウ

ントとして保持される(ユーザー登録は無償)。

このため、Webブラウザーからの利用であれ

ば、各サービス間でシングルサインオンが可

能である。

③ テナント

「Cloud On-Demand Print」におけるテナ

ントとは、サービス利用契約の単位である。

1つのテナントに登録できる(ログインして

アクセスできる)最大ユーザー数がライセン

ス料金体系に反映される。また、ライセンス

されたユーザー数に応じて、そのテナントへ

アップロードして蓄積できるファイルの上限

数が決まる。

テナントに登録するユーザーの種類には、「管

理者」と「一般ユーザー」の2種類がある。「管

理者」は、「一般ユーザー」の機能に加え、そ

のテナントのユーザー登録や設定変更ができ

る。テナントには複数台の複合機を関連づけ

ることができ、テナントに登録されたユー

ザーと、関連づけられた複合機が1つのオン

デマンドプリントサービスの範囲となる。

1つの複合機は1つのテナントにしか関連づ

けられないが、ユーザーは複数のテナントに

所属することができる。複数のテナントに所

属した場合は、ログイン後に操作したいテナ

ントを選択する。

④ ファイルアップロード

「Cloud On-Demand Print」におけるプリ

ン ト は 、 PDF や XPS ( XML Paper

Specification)、XDW(DocuWorks®)ファ

イルなどさまざまな書式のドキュメントをク

ラウドサーバーにアップロードし、それを複

合機側で直接プリントする方式を取っている。

JPEG や PNG 等 の 画 像 フ ァ イ ル や

Microsoft® Office文書(Word、Excel®、

PowerPoint®)をアップロードする場合は、

サーバー上でXDWやPDFファイルに自動的

に変換する。

ユーザーは、アップロード時にテナントを指

定する。テナントの中には、個人向けの領域

と、共有の領域があり、共有の領域にアップ

ロードされたファイルは、そのテナントに登

録されている他ユーザーも参照、プリントす

ることができる(図2)。

さらに、ユーザーはアップロード時に暗証番

号(数字4桁)を設定することができる。ま

た、詳細は後述するが、アップロードしたファ

イルを直接指定できる「プリント予約番号」

を発行することもできる。

2.2 クライアントの基本機能

「Cloud On-Demand Print」のクライアン

トは、WebブラウザーによるUIと、Windows®

用のプリントツール、iOS®およびAndroidTM

向けの専用アプリケーションを提供している。

① Web UI

Web UI(図3)は、「Cloud On-Demand

Print」で基本となるUIである。ファイルの

アップロードやリストといった基本操作のほ

か、管理者がユーザー登録やテナント設定を

変更したり、操作履歴をダウンロードしたり

することができる。

② プリントツール

プリントツールは、Windows用のツールで

ある。任意のアプリケーションから、XPS

ファイルとして印刷したファイルを「Cloud

On-Demand Print」のサーバーへアップ

ロードすることができる。

③ モバイルアプリケーション

モバイルアプリケーションは、iOSおよび

Android向けの専用アプリケーションであ

る。モバイルアプリケーションには、通常の

ファイルをアップロードするほかに、Web

DH C_P

Cloud On-Demand Print テナント

DHC_P

Cloud On-Demand Print テナント

[個人] 領域

[共有] 領域

[個人] 領域

[共有] 領域

〔個人〕領域へファイルアップロード 〔共有〕領域へファイルアップロード

同じテナントの別ユーザー

図2 個人領域と共有領域の指定 Files are uploaded to either a private or shared area

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新たなワークスタイルを支援するプリントサービス「Cloud On-Demand PrintTM」

富士ゼロックス テクニカルレポート No.25 2016 113

ページをPDFにしたり、写真をまとめて1枚

(2アップ、4アップ)にしたりしてアップ

ロードする機能がある。

2.3 複合機側の基本機能

複合機側から「Cloud On-Demand Print」

サービスにアクセスするには、専用のカスタム

サービスを使用する。カスタムサービスは、当

社の複合機であるDocuCentre®-IVシリーズ、

ApeosPort®-IVシリーズ、DocuCentre-Vシ

リーズ、ApeosPort-Vシリーズのほとんどの

機種に対応している(具体的な対応機種に関し

ては当社ホームページ1)を参照)。カスタムサー

ビスは、「Cloud On-Demand Print 複合機連

携設置ツール」を使ってインストールするか、

一部の複合機ではプレインストールされている。

複合機側の設定は、次のように最低限の手順

で行えるように設計している。

複合機からインターネットにhttpsプロト

コルで接続できるように、ネットワーク設

定をする。サーバーとの通信の起点は常に

複合機側からであり、複合機はネットワー

ククライアントとしてイントラネット内に

設置できる。

プレインストールされていない複合機では、

パソコン上で「Cloud On-Demand Print

複合機連携設置ツール」を実行して、複合

機へカスタムサービスをインストールする。

インストールしたカスタムサービスの初回

起動時に、Web UIにあるテナント管理で表

示されている「機器登録キー」を入力する。

これでテナントと複合機が関連づけられ、テ

ナントにアップロードされたファイルは、関連

づけられた複合機でプリントできるようになる。

複合機は、テナントとの関連づけ以外の設定

機能を有しておらず、その他の設定はサーバー

図3 Cloud On-Demand Print Web UIの画面 Cloud On-Demand Print web UI screen

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新たなワークスタイルを支援するプリントサービス「Cloud On-Demand PrintTM」

114 富士ゼロックス テクニカルレポート No.25 2016

側で管理している。このため複合機を増設した

り、置き換えたりする場合も関連づけを追加、

修正するだけで対応することができる。

複合機からテナントに格納したファイルにア

クセスするためには、複合機にインストールし

た「Cloud On-Demand Print」を起動する。

プリントするファイルを選択する方法は、次の

二通りがある。

テナントに登録したユーザーアカウントと

パスワードを入力しログインして、ファイ

ルの一覧から、選択してプリントする(図4)。

「プリント予約番号」を入力して対象とす

るファイルを特定する(図5)。

プリントの機能は、複合機のダイレクトプリ

ントの仕様に準拠する。

3. インターネットサービスとしての

課題と取り組み

「Cloud On-Demand Print」は、インター

ネット上のクラウドサービスならではの特徴が

出るように設計しており、既存のプリントサー

ビスが持つ特徴と異なっている部分もある。も

し、既存のプリントシステムを導入済みで、そ

れを単にクラウド化したい場合であれば、プラ

イベートクラウド*2の仮想OS上にプリントシ

ステムを構築したほうが効率的であると推測さ

れる。「Cloud On-Demand Print」は、既存

のプリントサービスの置き換えではなく、働き

方の多様化に伴い既存のサービスと併用される

場合が多い。

本章では、「Cloud On-Demand Print」を

設計するときの課題を、「Cloud On-Demand

Print」をとりまく環境とともに説明し、次章で

課題に対する取り組みを説明する。

3.1 インターネットサービスの課題

インターネット環境の整備とクラウドサービ

スの普及により、オンプレミス*3のシステムを

プライベートクラウドまたはパブリッククラウ

ド*4へ移行する案件が多くなっている。

システムのクラウド化のメリットは、システ

ム構築および運用コストの削減、企業としての

CO2排出削減などのエコと省エネ推進、システ

ム構築の容易さと短期構築、スケーラビリティ

の自由度である。デメリットは、一般にイント

ラネットよりも劣るといわれる通信のパフォー

マンスと、相対的に低くなるセキュリティー面

での懸念である。

逆にいえば、パフォーマンスやセキュリ

ティーが許容できるユースケースや、これらの

デメリットを犠牲にしても、別の側面で得られ

るメリットのほうが大きくなる場合には、

「Cloud On-Demand Print」のようなクラウ

ド型システムが適しているといえる。

次に、クラウド型システムの課題を説明する。

3.1.1 通信パフォーマンスの課題

ここ数年で無線やインターネットの回線速度

は飛躍的に向上したが、一般論としてイントラ

ネットの速度を超えることはなく、またイン

ターネットへの接続速度や帯域を増やそうとす

*2 プライベートクラウド:特定の企業だけに提供されるク

ラウドサービス *3 オンプレミス:企業などが自社の設備で構築、運用する

システム *4 パブリッククラウド:不特定多数のユーザーが共有する

クラウドサービス

図4 ファイル選択画面 File selection screen

図5 プリント予約番号入力画面 Print reservation number input screen

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新たなワークスタイルを支援するプリントサービス「Cloud On-Demand PrintTM」

富士ゼロックス テクニカルレポート No.25 2016 115

ると、それなりのコストがかかる。

たとえばパソコンで大量の帳票を作成し、そ

れをすぐそばのプリンターで印刷するような定

型業務のケースを考える。この場合は、クラウ

ド型システムの導入により、サーバー維持費の

表面的なコストを削減できても、通信速度の観

点では業務全体の処理時間が増える可能性があ

る。その結果、コスト削減効果が必ずしも得ら

れないことになる。

業務や印刷頻度が小規模であれば「Cloud

On-Demand Print」で問題ないが、大規模に

なればなるほどデメリットのほうが大きくなる。

その一方で、次のようなケースでは、インター

ネットを経由したパフォーマンスでも業務効率

への影響が小さく、かつ既存のネットワークや

業務システムを壊すことなく、新しい働き方の

実践に手軽に、かつ柔軟に取り組めるという点

においてクラウドサービスが有利となる。

プリントを指示する場所とプリンターの場所

が離れていて、「あとで」プリントする場合。

プリント指示する人と複合機でプリントす

る人が別々の場合。

サテライトオフィスや在宅勤務などでイン

トラネットに接続できない、またはイント

ラネット回線が細く低速な場合。

モバイル機器の持ち込み(BYOD)や、他

拠点へ移動したときに、機器をイントラ

ネットに接続することが、その会社のセ

キュリティーポリシー上の理由で煩雑とな

る場合。

3.1.2 セキュリティーの課題

お客様が「セキュリティーの懸念上、社外に

一切データを置かない」というポリシーであれ

ば、「Cloud On-Demand Print」の出番はな

い。他方、一般企業においては、「インターネッ

トサービスを自由に使ってもよい」というケー

スも考えにくい。つまり、お客様のセキュリ

ティーポリシーを満たせるかどうかがポイント

になる。

クラウドサービスのファイルサービスや

Webポータルサービスの中には、プリンターへ

のプリント機能を持つものがあるが、セキュリ

ティー面はファイルサービスまたはポータル

サービスとして評価されなければならない。一

方、プリントの専用サービスに特化すれば、ファ

イルサービスよりも高いセキュリティーを実現

できる可能性がある。また、次の場合は、自分

たちだけでなく、他部門の人や来訪者に複合機

を使っていただくためのサービスとして検討す

る価値があるかもしれない。

来訪者や協業他社がデータを持ち込んでプ

リントする必要がある場合。

データ自体がすでに持ち出せるモバイルデ

バイス内やインターネット上にある場合。

3.1.3 連携機能の課題

社内システムの中には、ワークフローなどで

複数の業務が連携していて、全体で最適化され

ている場合がある。このような場合、クラウド

型システムの採用により、通信速度だけではな

く、一連の操作性にも課題が発生することがある。

たとえば別アカウントになっている外部シス

テムがあると、ログイン処理が増える。その結

果、アカウントとパスワードの入力と認証に10

秒かかるだけでも社員数やログイン回数が多い

場合は、トータルでかなりの時間的損失となる。

前出のインターネットにおけるファイル保存

のセキュリティーの問題に加え、社員名簿、つ

まりユーザーアカウントをイントラネット側と

インターネット側で別々に管理し、同期させて

いくのはセキュリティーと作業の煩雑さの面で

さらなるデメリットとなってしまう。

また管理上、誰が何を何枚プリントしたかを

厳密に記録するには、プリント時における個人

特定は避けられない。

このような問題に対応するには、社内システ

ム全体をクラウド化したり、社内のユーザーア

カウントとの同期システムを個別に開発したり

する必要がある。この場合、目的は達成できる

が初期投資が多くかかる。なにより個別開発を

選択するのであれば、プライベートクラウド上

で、既存システムをベースに構築したほうがセ

キュリティー面でもコスト面でも有利である。

「Cloud On-Demand Print」では、既存プ

リントシステムにあるようなユーザー管理や集

計機能の厳密性を追求しない代わりに、「簡単設

置」「簡単便利」というコンセプトを重視してい

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新たなワークスタイルを支援するプリントサービス「Cloud On-Demand PrintTM」

116 富士ゼロックス テクニカルレポート No.25 2016

る。たとえば、ファイルのアップロード時のロ

グインを簡略化したり、プリント枚数は複合機

の本体認証での集計に任せたりしている。さら

に、「プリント予約番号」でファイルを選択する

ことにより、クラウドサービス側のユーザー管

理や認証なしで利用できる手段を提供している。

図6は、「Cloud On-Demand Print」と社内

システムの関係を示した例である。「Cloud

On-Demand Print」は、社外からのアップロー

ドや、社外の複合機でのプリント機能を強化し

ている。社内の業務システムやアカウント情報

とは直接連携していないが、プリント行為が業

務フローの最終工程で、単なる出力手段として

活用する場合には、ログインを簡略化して簡便

に利用することができる。

3.2 インターネットサービスとしての取

り組み

前 節 で 挙 げ た 課 題 に 対 し て 、「 Cloud

On-Demand Print」が適しているユースケー

スをまとめると次のようになる。

移動先でのプリントやイントラネット外か

らのプリントの実現によって、通信パ

フォーマンスの問題以上のメリットを提供

する。

一般的なファイルサービスやポータルサー

ビスのプリント機能より、高いセキュリ

ティーを提供する。

自社のファイルがインターネットに出せな

い場合でも、社外データを持つ社員や、自

社以外の人に対するプリントサービスとし

て複合機を有効活用する。

インターネット側でのユーザー情報の管理

を簡略化し、サービス利用やプリント時に

おける操作を簡略化する。

次で、それぞれの詳細について説明する。

3.2.1 イントラネット以外からのプリント

イ ン タ ー ネ ッ ト を 使 う こ と が 「 Cloud

On-Demand Print」のメリットであり、デメ

リットでもある。インターネットを経由するこ

とで、ファイルのアップロードは、社内外を問

わず、どこでも実施できる。また複合機もイン

ターネットにつながっていればよいため、海外

の拠点や、他の会社に設置されてある複合機に

対してもオンデマンドプリントを指示すること

ができる。会社以外でも、たとえば商店街やマ

ンションの住民で共同購入し、複合機をコピー

機として共有するだけではなく、プリンターと

しても簡単に共有することができるため、地域

活性化の道具の一つとしても活用できる。

3.2.2 プリントサービス専用としてのセ

キュリティー

「Cloud On-Demand Print」はプリント

サーバー専用として作られているため、従来の

クラウドサービスのプリンター連携機能と比べ

て次の特徴がある。

アップロードしたファイルは、複合機でし

かダウンロード(印刷)できない(例外と

してサーバー上でファイル変換が発生した

ものは、確認のために変換結果のファイル

をダウンロードできる)。悪意を持ってパソ

コンからアクセスされて、電子データを盗

まれるリスクは低い。

プリントできるプリンターを限定できる。

万一ユーザーアカウントとパスワードが漏

えいしても、事前に設定されているプリン

ターでしか取り出せないため、情報漏えい

のリスクが小さい。

アップロードされたファイルの有効期限が

短い(設定により0.5日~7日間)ため、「置

きっぱなし」にはならず、情報漏えいリス

クが小さい。

上記のように、セキュリティー上のリスクは、

一般的なクラウドファイルサービスよりも低い

イントラ内(社内)

イントラ外(自宅・他社・パブリックスペース・イントラにつながらないBYOD)

他拠点や他社

富士ゼロックスダイレクトによるユーザー管理、認証

お客様社内でのActive Directoryなどでのユーザー管理、認証

クラウドストレージ

イントラに繋がるクライアント

社内ストレージ(DocuShare等)

オンプレミスで構築された

ソリューション

サーバーレスODPやApeosWare

Management Suiteなど

CloudOn-Demand

Print

イントラにはないクライアント

最終プリント手段として

クラウドにある他サービス

イントラ外のプリンター

ローカルプリンター

図6 Cloud On-Demand Printの連携方式 Network relation between Cloud On-Demand Print and the internal system of a company

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新たなワークスタイルを支援するプリントサービス「Cloud On-Demand PrintTM」

富士ゼロックス テクニカルレポート No.25 2016 117

といえる。文書作成や業務フローといったソ

リューションは、お客様のセキュリティーポリ

シーに合わせて構築し、最後のプリント機能に

「Cloud On-Demand Print」を利用すること

で、プリント方法を柔軟に選択でき、働き方の

変革に貢献することができる。

3.2.3 社外のファイルや社外のユーザーと

のプリントサービス活用

「Cloud On-Demand Print」は、1つのテ

ナントを利用できるユーザーアカウントと複合

機で1セットになっているが、管理者の設定に

より、あるテナントの複合機を別のテナントに

公開することができる。公開する複合機は、テ

ナント内の全部または一部を指定することがで

き、同様に公開先ユーザーも「無制限」または

メールアドレスのワイルドカード指定を選択で

きる。

一方、他のテナントの複合機を使うテナント

側も設定が必要となる。他のテナントでプリン

トできるということは、情報のテナント外持ち

出しが可能になるからである。ファイルを他の

テナントへ持ち出す側の設定と、複合機を公開

する側の設定条件がマッチすれば、オンデマン

ドプリントで使用できる複合機の範囲を拡大す

ることができる(図7)。

3.2.4 ログインの簡略化

ログインなしでプリントする方法として「プ

リント予約番号」を提供している。「プリント予

約番号」とは、アップロードしたファイルにつ

けられる番号を指定してファイルを特定する方

法である。ユーザーの個人領域にアップロード

したファイルの「プリント予約番号」は、テナ

ント管理者でも知りえないため、機密性を損な

わずに簡便にプリントすることができる(図8)。

しかし、「プリント予約番号」プリントすると、

ログインなしでプリントできるので、誰がプリ

ントしたかは曖昧になる。この場合、誰が何枚

出したかといった管理を行うには、複合機の本

体認証機能と複合機内の履歴情報によって集計

する必要がある。なお、「プリント予約番号」の

発行機能を使うか使わないかは、テナントごと

に設定できる。

「プリント予約番号」を使うと、クラウド側

でのユーザー管理を厳密に行わなくてすむ。前

出のテナント間連携をしている場合には、他の

テナントの複合機に自分のパスワードを入力す

る必要がなくなる。また、自分がアップロード

したファイルを別の人がプリントする場合にも

ユーザーアカウントやパスワードではなく、「プ

リント予約番号」を教えるだけですむというメ

リットがある。

3.3 店舗向けプリントサービスとの違い

「プリント予約番号」によるプリントや、複

合機のイントラネット外での活用を支援する方

法としては、クラウドのプリントサービスとし

て当社がすでに提供している 「Public Print」

や「ネットプリント」も候補として挙げられる。

ユーザーが印刷したいファイルをインター

ネットのサービスにアップロードして、複合機

でダウンロードしてプリントするという機能だ

けで比較すると、「Cloud On-Demand Print」

と「Public Print」はほぼ同一であり、実際に

一部のソースコードは共有している。しかし、

サービスとしてのユースケースが大きく異なる

DH C_P

Cloud On-DemandPrint

DH C_P

Cloud On-DemandPrint

テナント-A テナント-B

テナント-Aの設定 テナント-Bの設定

テナント外のユーザーの利用を許可する設定

外部ユーザーが利用できる複合機の指定

テナント-Aのユーザーアカウントでログインしてプリントできる

ファイルをテナント外

へ持ち出せる人を限定

DHC_P

Cloud On-Demand Print

DHC_P

Cloud On-Demand Print

テナント-B

テナント-Aの設定 テナント-Bの設定

予約番号の発行を許可する設定

複合機ではログインなしで予約番号を入力するだけでプリントできる

予約番号生成指定

123ABCD

123ABCD

予約番号でのプリント

許可設定

テナント-A

図7 テナント間連携 Network connecting tenants

図8 プリント予約番号を使ったプリント Printing using a print reservation number

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新商品・ソリューション・サービス解説

新たなワークスタイルを支援するプリントサービス「Cloud On-Demand PrintTM」

118 富士ゼロックス テクニカルレポート No.25 2016

Public Print Cloud On-Demand Print

複合機とオーナーと利用者の関係

来店者、店舗社員。 利用者は管理されていない

自社社員、他部門社員、協業他社来訪者。利用者は管理されている

複合機設置場所

任意の人が来店し、自由に使えることが前提

関係者のみが入室でき使えることが前提

複合機ハードウェア

専用機(厳格な料金徴収や第三者利用時の対策)

オフィス向け複合機全般

課金装置 必須。売上で利益を得ることが前提

料金を徴収するかどうかは任意

ユーザー登録 ユーザー各自が自主的に登録する

テナント管理者がユーザー登録をする

複合機登録 複合機設置時にカストマーエンジニアが登録する

テナント管理者が自由に登録する

サービス料金 プリント量に応じて複合機オーナーがサービス料を支払う

ユーザー登録数に応じてテナント開設者がサービス料を支払う

ため、セキュリティーの考え方や提供する機能

の重要度が異なる。その結果、まったく別のサー

ビスとなっている。最も大きな違いは、表1に

あるように、サービスの利用者と複合機の所有

者の関係である。

「Public Print」や「ネットプリント」にお

けるサービス利用者と複合機所有者は、互いに

他人であるが、利害関係が成立する関係である。

このため、来店したお客様が“知らない人”で

ある前提に基づき、子供によるいたずら防止(指

はさみ対策)などの事故防止対策の強化や、厳

密な課金品質を担保できる専用複合機での対応

を行っている。

複合機所有者にとって「Public Print」や

「ネットプリント」は商売のためのツールであ

り、コインキット等の課金装置でプリント料金

を徴収し、その売上の一部を当社がサービス料

として頂くというモデルになっている。

他方、「Cloud On-Demand Print」では、

あくまでもオフィス内のプリントサービスが前

提となっている。複合機の設置場所は、たとえ

共有スペースと呼ばれる場所であっても、

“まったく知らない人”が企業内に勝手に入っ

てきてそのままコピーやプリントの操作が自由

にできることは想定していない。

しかし明確に境界線があるわけでもない。

「Cloud On-Demand Print」は社外でのプリ

ント機能にも言及しており、パブリックスペー

スでのユースケースが想定される場面もある。

たとえば普段は社内でプリントしているが、外

出先ではコンビニエンスストアで出力したいと

いうニーズへの対応である。

そこで、「Cloud On-Demand Print」にアッ

プロードしたファイルを、必要に応じてクラウ

ドサーバーから直接「Public Print」や「ネッ

トプリント」へ転送する機能を提供している(日

本国内のみ)。この機能も情報を社外に持ち出す

ことになるため、テナントごとに有効、無効を

設定できる。転送には「Public Print」や「ネッ

トプリント」のユーザー登録は不要で、転送が

成功すると「Public Print」や「ネットプリン

ト」の予約番号が発行される。「Public Print」

や「ネットプリント」連携によってプリントで

きる場所が増えるため、働き方の自由度が増す

というメリットがあり、店舗側にも来客が増え

るというメリットがある。

逆に、「Public Print」や「ネットプリント」

から「Cloud On-Demand Print」に転送する

ケースを考えると、「Public Print」や「ネット

プリント」を導入する店舗の来客が減少し、見

ず知らずの人が「Cloud On-Demand Print」

を導入する会社に来てしまうことが想定される。

これらはどちらもデメリットとなるため、逆方

向の転送機能は提供していない。

4. おわりに

「Cloud On-Demand Print」は、単に従来

のオンデマンドプリントシステムをそのままク

ラウド化したのではなく、また「Public Print」

から課金装置を取り除いたものでもない。

「Cloud On-Demand Print」は、企業内での

オンデマンドプリントのセキュリティー対策を

DH C_P

netprint

DHC_P

Cloud On-Demand Print

テナント-A

テナント-Aの設定 転送先のプリントサービス

netprint、Public Printへの転送を許可する設定

netprintの予約番号を入力してプリントする

転送を実行すると、netprintでの予約番号が記述されたメールが送信される

1234ABCD

DHC_PPublic Print

1234ABCD

表1 Public PrintとCloud On-Demand Printのおもな相違点

Main differences between Public Print and CloudOn-Demand Print

図9 ネットプリントおよびPublic Printへのファイル転送

File transfer to Net Print and Public Print

Page 10: Cloud On-Demand Print: A Printing Service to …...Cloud On-Demand Print: A Printing Service to Support New Working Styles 要 旨 スマートフォンやタブレットが普及し、ビジネス

新商品・ソリューション・サービス解説

新たなワークスタイルを支援するプリントサービス「Cloud On-Demand PrintTM」

富士ゼロックス テクニカルレポート No.25 2016 119

維持したまま、プリントできる複合機の範囲を

複数の企業やパブリックスペースへ拡張できる

サービスである。また「プリント予約番号」で

ユーザーアカウントの扱いを簡略化させれば、

ユーザーの個人情報を使用することなくオンデ

マンドプリントの範囲を拡張できる。

このように、「Cloud On-Demand Print」

は、プリント業務における複合機の共有(有効

活用)を提供することにより、ユーザーの新し

い働き方や、地域の共有デバイスとしての複合

機の新しい価値を提供している。

お客様それぞれにおいて、自社のワークスタ

イル変革に適したプリンティング環境を検討し

たり、地域活性化の一つの手段として複合機の

共有方法を検討したりする場合には、「Cloud

On-Demand Print」を試していただけると幸

いである。「Cloud On-Demand Print」シス

テム自体もまた、インターネットを活用した

ワークスタイルの変化の動向を見ながら、その時

代に適したサービスとして拡張していきたい。

5. 商標について

iOSは、シスコテクノロジーインコーポレイ

テッドの登録商標です。

Androidは、Google Inc.の登録商標です。

Microsoft、Windows、Excel、PowerPoint

は、米国Microsoft Corporationの米国、日

本およびその他の国における登録商標または

商標です。

DocuShareは、米国Xerox Corporationの

米国およびその他の国における商標です。

DocuWorks、ネットプリント、Public Print、

DocuCentre 、 ApeosPort 、 Cloud

On-Demand Prinは、富士ゼロックス株式

会社の日本およびその他の国における登録商

標または商標です。

その他の商品名、会社名は、一般に各社の商

号、登録商標または商標です。

6. 参考文献

1) Cloud On-Demand Print 商 品 情 報 :

http://www.fujixerox.co.jp/product/s

oftware/cloud_ondemand_print (参照

日: 2016.03.01)

2) ネ ッ ト プ リ ン ト 商 品 情 報 :

http://www.fujixerox.co.jp/solution/n

etprint/ (参照日: 2016.03.01)

3) Public Print 商 品 情 報 :

https://www.Window.net/ ( 参 照 日 :

2016.03.01)

4) 大門一輝: “店舗向けプリントサービス

「Public Print」”, 富士ゼロックステクニ

カ ル レ ポ ー ト , No.23, pp.132-140,

(2014).

http://www.fujixerox.co.jp/company/

technical/tr/2014/p_03.html (参照日:

2016.03.01)

筆者紹介

大門 一輝 ソリューション・サービス開発本部 ソリューション開発部

第四SPF開発センターに所属

専門分野:情報工学