dama-dmbok - · pdf file2.0 april 4, 2007 mark mosley 2007 年damaインターナショナル...

19
©2008 DAMA International All Rights Reserved DAMA-DMBOK ��������� ����� 3.02 Mark Mosley 2008 9 10

Upload: vankhanh

Post on 25-Mar-2018

239 views

Category:

Documents


3 download

TRANSCRIPT

©2008 DAMA International – All Rights Reserved

DAMA-DMBOK 機能フレームワーク

バージョン 3.02

Mark Mosley

2008年 9月 10日

DAMA-DMBOK Functional Framework Version 3

September 1, 2008 1 © 2008 DAMA International – All Rights Reserved

目次

目次...................................................................................................................................... 1 このドキュメントに関して ............................................................................................ 1 改定履歴 ............................................................................................................................. 1

1. 序 .......................................................................................................................................... 2 1.1. データ管理専門職...................................................................................................... 2 1.2. DAMA DMBOK ガイド ............................................................................................ 3 1.3. DAMA データ管理辞書 ............................................................................................ 4 1.4. なぜフレームワークか ............................................................................................. 5 1.5. なぜバージョン 2....................................................................................................... 5 1.6. なぜバージョン 3....................................................................................................... 6

2. 概要...................................................................................................................................... 8 2.1. データ管理機能.......................................................................................................... 9 2.2. 環境要素 .................................................................................................................... 11

3. DAMA-DMBOK 機能概要............................................................................................. 15

このドキュメントに関して

このドキュメントは、われわれの専門職におけるベストプラクティスに形を与える手助

けとなるようDAMA インターナショナルにより提供されたDAMA-DMBOK機能フレームワー

クのバージョン3.02を記述しています。 Deborah Henderson VP Education Services, DAMA International President, DAMA Foundation Mark Mosley DMBOK Editor

改定履歴 Version Date Author Description 1.0 March 27, 2006 Mark Mosley DMBOK委員会にシカゴ支部から提案されたオリ

ジナルドラフト。 1.1 April 17, 2006 Mark Mosley DMBOK委員会からDAMA I/Fへの提案にかなう

よう換言したドラフト。 1.2 May 3, 2006 Mark Mosley 2006年デンバーのシンポジウムでDAMA インタ

ーナショナルが採択した後の改定。 1.3 June 12, 2006 Deborah

Henderson 種々の改定。

2.0 April 4, 2007 Mark Mosley 2007年 DAMAインターナショナル ボストンのシンポジウム後の修正を反映させる改定。

2.1 November 5, 2007 Mark Mosley 用語 DMBOKの利用を反映させる改定。 3.0 May 5, 2008 Mark Mosley 9章を 10章に機能構成を変更。 3.0.1 June 25,2008 Mark Mosley 詳細アクティビティの概要を変更。 3.0.2 September 1, 2008 Mark Mosley DW/BIに関するアクティビティ概要の細かな訂

正と改定。

DAMA-DMBOK Functional Framework Version 3

May 8, 2008 © 2008 DAMA International – All Rights Reserved 2

1. 序

1.1. データ管理専門職 情報化時代では、データ管理の機能はどんな組織にとっても生命維持に必要である。デ

ータ管理、データ資源管理、またはエンタープライズ情報管理として知られているかど

うかに関係なく、組織は自分たちが所有するデータが貴重な資源であるとますます認識

している。組織はまた、他の貴重な資産のようにデータ資産は管理されねばならないと

認識している。組織がデータ資産をより有効に利用する時に、ビジネス、政府、および

他の組織はより有効である。データ管理機能は、データ資産を効果的にコントロールし、

活用しようとする。

データ管理は、エンタープライズデータ資産の管財人であるビジネスデータスチュワー

ドと、これらの資産の専門責任者と技術管理者であるテクニカルデータスチュワードの

共同責任である。データ管理機能におけるガバナンスは、ITとエンタープライズの間の

この共同作業を調整することである。

ITの中で、データ管理は新たな専門職である。データ管理のコンセプトとサポートする

技術は、この30年にわたって急速に進化してきた。

正式の、証明された、認められた、および尊敬されたデータ管理専門職を生み出すこと

は簡単なことではない。現在の環境は、用語、手法、ツール、見解、および誇大広告が

混乱して組み合わさっている。データ管理専門職を成熟させるために、われわれは専門

的な標準を必要としている:

標準となる用語と定義 標準となる機能、プロセス、および実践 標準となる役割と責任 標準となる成果物と評価指標

これらの標準とベストプラクティスは、データ管理の専門家がより効果的に任務を果た

すのに役立つ。さらに、それらはまた、われわれがチームの仲間、マネージャー、およ

び経営陣と理解しあうのにも役立つ。特に経営陣は、全面的にデータ管理機能を支援し、

資金を提供し、配置できるよう完全に理解し評価する必要がある。

DAMA(データ管理協会)は、データ管理専門家のための世界初の専門家組織である。

DAMA インターナショナル と DAMA インターナショナル財団は、専門職のための標準を

開発している。

DAMA-DMBOK Functional Framework Version 3

May 8, 2008 © 2008 DAMA International – All Rights Reserved 3

1.2. DAMA DMBOK ガイド

DAMA インターナショナルは新しい本、DAMAデータ管理知識体系ガイド(DAMA-DMBOKガ

イド)を開発している。DAMA-DMBOK編集委員会は、DAMAデータ管理辞書を含むDAMA-

DMBOKガイド、および関連出版物の開発を進めるために運営委員会として作られた。編

集委員会はDAMA支部メンバーからの参加者も含んでいる。DAMAメンバーは自発的にド

ラフトに寄与し、レビューを行った。

データ管理についての知識体系の全体は、非常に大きく、絶えず成長している。DAMA-

DMBOKガイドは、データ管理への決定的な入門を提供する。それは、特定の方法と技術

を詳述することなく、データ管理機能、用語およびベストプラクティスについて業界の

標準となる見解を提示する。DAMA-DMBOKガイドは、いかなる特定のデータ管理機能の完

全な権威であることを目指さないが、読者にさらなる読み物を提供するために、広く認

められた出版物、記事、およびウェブサイトを示している。DAMA-DMBOKガイドは、明ら

かな意見の相違がある場合は、有効な他の見解や産業で受け入れられたアプローチを紹

介する。

DAMA-DMBOKのゴールは:

1. データ管理機能における一般的に適用可能な見識に関するコンセンサスを構築すること。

2. 一般的に使われているデータ管理機能、成果物、役割、その他用語について、標準となる定義を提示すること。

3. データ管理の基本原則を明確にすること。

4. 広く受け入れられている優良事例、幅広く採用されている手法や技法、重要な代替的アプローチを、特定のベンダーの技術や製品には言及することなく概観

すること。

5. 組織や文化にまつわる一般的な問題について簡潔に説明すること。

6. データ管理の対象範囲と境界を明確にすること。

7. 理解をさらに深めるための追加資料を読者に紹介すること。

DAMA-DMBOKガイドの想定読者は:

公認データ管理専門家およびその志望者。

データ管理専門家とともに働いているIT専門家。

あらゆる種類のデータスチュワード。

データをエンタープライズ資産として管理することに関心を持っている経営幹部。

データをエンタープライズの資産として理解させるべく努めている知識労働者。

DAMA-DMBOK Functional Framework Version 3

May 8, 2008 © 2008 DAMA International – All Rights Reserved 4

クライアントのデータ管理機能について評価し、その向上を手助けするコンサルタント。

データ管理に関するカリキュラムの作成と提供を担当する教育関係者。

データ管理を専門とする研究者。

DAMAが考えるDAMA-DMBOKガイドの想定される用途は:

さまざまな読者に向けて、データ管理の本質と重要性を紹介する。

データ管理コミュニティ内部でコンセンサスを築くのを手助けする。

データスチュワードおよびデータ管理専門家が、それぞれの役割と責任を理解する手助けをする。

データ管理の有効性と成熟度について、評価するための基盤を提供する。

データ管理機能の実施、改善に取り組むにあたってガイドする。

読者に対し、データ管理に関する知識の追加情報源を紹介する。

高等教育でデータ管理に関するカリキュラムのコンテンツを作成、提供するためにガイドする。

データ管理の分野における更なる研究領域について示唆を与える。

データ管理専門家が公認データ管理専門家(CDMP)の試験の対策を行う際の手助けをする。

エンタープライズデータ戦略について組織を支援する。

DAMA-DMBOKガイドのリファレンスモデルは、米国プロジェクトマネジメント協会が発行

したPMBOK(プロジェクトマネジメント知識体系)、およびIEEEが発行したSWEBOK

(ソフトウェアエンジニアリング知識体系)である。

DAMAでは、DAMA-DMBOKガイドがマネージャや経営陣、および高等教育関係者によく受

け入れられると信じている。DAMAはDAMA-DMBOKガイドを2009年に出版する予定である。

1.3. DAMA データ管理辞書 DAMAデータ管理辞書はDAMA-DMBOKガイドの姉妹編で、CD-ROM版で購入できる。本来、

DAMA-DMBOKガイドのための幅広い用語辞典として開発され、そのサイズとビジネス価値

により別々に出版している。辞書上の用語の定義は、DAMA-DMBOKガイドの中の使用法と

一致している。

DAMA-DMBOK Functional Framework Version 3

May 8, 2008 © 2008 DAMA International – All Rights Reserved 5

1.4. なぜフレームワークか

ここで記述されるDAMA-DMBOK機能フレームワークは、次のことを目的としている:

データ管理知識体系(DAMA-DMBOKガイド)ドキュメントを体系化する統一的な構造を提供する。

DAMA-DMBOKガイドの中で一貫して引用されるデータ管理プロセス、役割、および成果物のための標準的な用語と定義を定める。

組織のデータ管理機能とデータ戦略のアセスメントをガイドし、データ管理を導入・改善するため取組みを提案し、ガイドする。

1.5. なぜバージョン2

DAMA-DMBOK機能フレームワークのバージョン1.0は2006年4月にDAMA理事会で承認さ

れ、2006年7月にwww.dama.orgに載せられた。以来、世界中から三千人を超える人が

このフレームワークをダウンロードした。

その間、DAMA-DMBOKガイドの開発中にフレームワークの変更が行われた。

バージョン2では、次のようなデータ管理機能の名称が変更された。

データスチュワードシップの活動と責任はすべての9つの機能にまたがっていることを考慮し、データスチュワードシップ&ガバナンスは単にデータガバナンス

に変更された。

データモデリングと仕様化の活動をより完全に記述するために、データアーキテクチャ&設計は、データアーキテクチャ、分析、および設計に変更された。

データベースアドミニストレータの役割からより明確に機能を分離し、データベース管理機能の中にそれらの役割を与え、データベースアドミニストレーション

はデータベース管理に変更された。

データクオリティ改善は、その機能に含まれる活動のより広いスコープを反映させて、データクオリティ管理に変更された。

データウェアハウジング&ビジネスインテリジェンスは、データウェアハウジング&ビジネスインテリジェンス管理に変更された。理由は、その機能がビジネス

インテリジェンスを可能とする開発とサポート活動を含み、そして、知識労働者

によりなされるビジネスインテリジェンス活動を含まないためである。

データベースの外にあるデータはある程度構造化されている場合もあることを考慮し、非構造化データ管理はドキュメント、レコード&コンテンツ管理に変更さ

れた。

メタデータ(Metadata)管理は、トレードマークの利用制限を尊重してメタデータ(Meta Data)管理に変更された。

同様に、9つの機能の並び順は、次のように変更された:

DAMA-DMBOK Functional Framework Version 3

May 8, 2008 © 2008 DAMA International – All Rights Reserved 6

リファレンス&マスタデータ管理は、データクオリティ管理の特別の型であることを考慮して、データクオリティ管理の前に移動された。

リファレンス&マスタデータ管理は、データウェアハウジングのソースを提供するオペレーショナルデータベースのデータ統合にフォーカスしていることを考慮

し、データウェアハウジング&ビジネスインテリジェンス管理の前に移動された。

メタデータ管理は、他のデータ管理機能にとってインフラを提供する基盤的な役割であることを反映し、9番目に移動した。

次の環境要素もまた名称を変更した:

ゴールと目的は次のことを考慮してゴールと基本原則に変えられた 1) DAMA-DMBOKガイドは、特定の目的ではなく個々の機能に対して向かう

べきゴールを提供する。目的は特定の組織における現在の測定可能な

目標を反映する。

2) 基本原則は、実践からより前の位置に上がって、ゴールに含まれた。

プロセスと活動は、機能と活動がプロセスの2つの型であることを考慮して単に活動に変更された。

基本原則と実践は、基本原則をゴールに含めることを反映し実践と技法に変更された。

組織と文化の問題は組織と文化に変更された。

さらに、より詳細の活動、成果物、および役割が識別された。これらの詳細は、DAMA-

DMBOKガイドを開発中においてはマネージャー、データスチュワード、およびデータ管

理専門家に有益であると判明するだろう。

最後に、初版での長い序章の多くは削除された。DAMA理事会への提案としてオリジナル

フォームでは適切であったが、長い序章はもはや本論文の現在の読者には必要ではない。

1.6. なぜバージョン 3

2007年の4月以来12ヶ月にわたり、DAMA-DMBOKガイドの寄稿者と初期のレビュワーは

次のような問題を提起した。

1. データアーキテクチャ、分析、および設計の機能のスコープは非常に広く、それに対応するDAMA-DMBOKの章もまた非常に長くなっていた。実際、データ計画と

アーキテクチャはデータ開発と別の機能と考えられた。データモデリング技法は

双方の機能で使われていた。

2. 機能としてのデータ開発はデータアーキテクチャ、分析、および設計とデータベース管理におけるデータベース導入活動に人為的に分けられていた。ソフトウェ

ア開発ライフサイクル(SDLC)との関連がどこにあるかは不明確であった。

3. データ開発(導入)活動は、他の運用データベース管理活動とは別個の機能と考えられていた。

4. ドキュメントとレコード管理は、非構造化データストアのためのデータライフサイクル(獲得から消去まで)全体をサポートする(運用)データベースオペレー

ション管理活動により似ていて、ドキュメントコンテンツ管理とは別個の機能と

DAMA-DMBOK Functional Framework Version 3

May 8, 2008 © 2008 DAMA International – All Rights Reserved 7

考えられていた。ドキュメントコンテンツ管理それ自身は、ビジネスインテリジ

ェンス管理と並んでユーザアクセスを可能にすることにフォーカスしていた。

5. 多くの初期レビューワーによって、まだ、用語としてのデータベース管理(Management)はデータベース管理者の完全な責任範囲を含むデータベース管理

(Administration)と同義語であると解釈されていた。

6. データクオリティ管理機能の提示は、それがメタデータ、リファレンスデータとマスタデータを含むすべてのデータの品質を監視するので、結びの機能としてよ

りよく合うように見えた。

これらの問題は、これらのトピックスに関する寄稿者のテクストを編集中により顕著に

なった。バージョン3は、DAMA-DMBOK機能フレームワークを9つから10の機能に再構

成して、これらの問題を解決する:

新しいデータ開発機能は、旧データアーキテクチャ、分析、および設計の機能と旧データベース管理機能からSDLCプロジェクトの提供活動を削除して定義され

た。

旧データアーキテクチャ、分析、および設計の中の残された活動は、データアーキテクチャ管理として新たに名付けられた。

旧データベース管理機能の中の残されたデータベース運用の計画、統制、およびサポート活動は、データベースオペレーション管理として新たに名付けられた。

新しいドキュメントとレコード管理機能は、旧ドキュメント、レコード、およびコンテンツ管理機能のスコープから関連の活動を除いて定義された。ドキュメン

トとレコード管理機能は、データベースオペレーション管理と並んで、文書と電

子ファイルに対して取得から消去までのデータライフサイクルにわたる責任を含

む。

旧ドキュメント、レコード、およびコンテンツ管理機能の名称とスコープは、単にドキュメントコンテンツ管理に単純化された。

データクオリティ管理はいまや、締めの機能として提示されている。

DAMA-DMBOK Functional Framework Version 3

May 8, 2008 © 2008 DAMA International – All Rights Reserved 8

2. 概要 DAMA-DMBOK機能フレームワークのバージョン 3は、それぞれ 7つの環境要素を通して説明される 10の主要なデータ管理機能を明らかにする。下のマトリックスは DAMA-DMBOK機能フレームワークを表で示す。

環境要素

データ管理機能 ゴールと原則 活動 主要成果物 役割と責任 技術 実践と技法 組織と文化

データガバナンス

データアーキテクチャ

管理 データ開発

データベース

オペレーション管理 データセキュリティ管

理 リファレンスデータと

マスタデータ管理 データウェアハウジン

グとビジネスインテリジ

ェンス管理 ドキュメントとコンテン

ツ管理 メタデータ管理

データクオリティ管理

図1.DAMA-DMBOK機能フレームワーク、バージョン3

マトリックスはフレームワーク全体を描写するのに役立つ方法である。

各機能はDAMA-DMBOKガイドの各章で述べられ、また各章は7つの要素それぞれを論じ

る。関係する論点にふさわしいように個々の議論の範囲は章によって異なります。各章

は次のような一貫した構成に従う:

キーとなる用語の定義、機能についてのコンテクスト図、および機能のビジネスゴールの一覧を含む簡潔な機能紹介。

関連する成果物、責任ある役割と組織、ベストプラクティス、共通手続きと技法、およびサポートする技術を含むコンセプトと活動の記述。ある章では、サブ機能のために別個にコンセプトと活動があり、これらのセクションはサブ

機能の名称になっている。

基本原則を再説する一覧、機能の活動、成果物、および責任の要約表、および組織的・文化的な問題に関する簡潔な議論を含む要約。

推奨文献として書籍と記事の精選リスト。

DAMA-DMBOK Functional Framework Version 3

May 8, 2008 © 2008 DAMA International – All Rights Reserved 9

2.1. データ管理機能

10個のデータ管理機能は:

データガバナンス-データの管理と利用に対する計画、監督、および統制 データアーキテクチャ管理-エンタープライズアーキテクチャの必須の部分として データ開発-分析、設計、構築、テスト、配備、および維持 データベースオペレーション管理-構造型物理データ資産に対するサポート データセキュリティ管理-プライバシー、機密性、および適切なアクセスを保証する

リファレンスデータとマスタデータ管理-ゴールドバージョンと複製の管理 データウェアハウジングとビジネスインテリジェンス管理-レポートと分析のための意思決定データへのアクセスを可能とする

ドキュメントとコンテンツ管理-非構造型ソース(電子ファイルと物理的記録)に含まれるデータの保存、保護、索引付け、およびアクセスを可能とする

メタデータ管理-メタデータの統合、統制、および配布 データクオリティ管理-データクオリティの定義、監視、および改善

図2. 10のデータ管理機能

上記の図は単に10の機能を載せている。それは提示の順番を意味し、中心を最初に、

次に時計回りに12時の位置から始まり11時の位置で終わる。下の図は各機能のスコー

プに対するある程度の概要を与える。

ドキュメントと

コンテンツ管理データ

ウェアハウジングと

ビジネスインテリジェンス管理

リファレンスデータと

マスタデータ管理

データセキュリティ

管理

データ開発

メタデータ管理

データクオリティ管理

データアーキテクチャ管理

データベースオペレーション

管理

データガバナンス

DAMA-DMBOK Functional Framework Version 3

May 8, 2008 © 2008 DAMA International – All Rights Reserved 10

図3. データ管理機能-スコープの要約

各機能で実施される活動の詳細リストは3節にある。

各機能の簡単な定義は以下の通り:

データガバナンス-データ資産の管理に対する権限、統制、および共有された意思決定(計画、監視、執行)の行使。データガバナンスはデータ管理に対するハ

イレベルの計画と統制である。

データアーキテクチャ管理-すべてのエンタープライズアーキテクチャのコンテクストに沿ったエンタープライズデータアーキテクチャの開発と維持、およびエ

ンタープライズアーキテクチャを導入するアプリケーションシステムのソリュー

ションとプロジェクトとの連携。

データ開発-データベースのデータに関連するソリューションの構成要素であるデータモデリングとデータ要求の分析、実装、および維持を含む、システム開発

ライフサイクル(SDLC)内でのデータに焦点をあてた活動。

データベースオペレーション管理-生成と取得からアーカイブと消去まで、データライフサイクルを通じた構造型データ資産に対する計画、統制、およびサポー

ト。

データセキュリティ管理-プライバシーと機密性を保証し、許可されない、不適切なデータアクセス、生成、または変更を防止するための計画、実行、および統

制の活動。

ドキュメントとコンテンツ管理

データウェアハウジング

とビジネス

インテリジェンス管理

リファレンスデータと

マスタデータ管理

メタデータ管理

データクオリティ

管理

・エンタープライズデータモデリング

・バリューチェーン分析

・関連するデータアーキテクチャ

データベースオペレーション

管理

データガバナンス・戦略・組織と役割・ポリシーと標準・プロジェクトとサービス・問題・評価

・分析

・データモデリング・データベース設計・実装

データ開発

・取得・リカバリー

・チューニング・保存・消去

データセキュリティ

管理

・標準・分類・管理・認証

・監査

・外部コード

・内部コード・顧客データ・製品データ・ディメンション管理

・アーキテクチャ・導入・トレーニングとサポート・監視とチューニング

・取得と保管・バックアップとリカバリー・コンテンツ管理・検索・保存

・アーキテクチャ

・統合・統制・提供

・仕様・分析・測定・改善

データ

アーキテクチャ管理

DAMA-DMBOK Functional Framework Version 3

May 8, 2008 © 2008 DAMA International – All Rights Reserved 11

リファレンスデータとマスタデータ管理-データ値のゴールドバージョンであるコンテクストに合ったデータ値の一貫性を保証する計画、実行、および統制の活

動。

データウェアハウジングとビジネスインテリジェンス管理-意思決定データを提供し、レポート作成、クエリー、および分析に従事する知識労働者をサポートす

るための計画、実行、および統制のプロセス。

ドキュメントとコンテンツ管理-電子ファイルと物理的記録(テクスト、絵、イメージ、音声、ビデオを含む)内のデータの保存、保護、およびアクセスするた

めの計画、実行、および統制の活動。

メタデータ管理-高品質の統合されたメタデータへの容易なアクセスを可能にするための計画、実行、および統制の活動。

データクオリティ管理-利用上のデータの適性を測定し、評価し、改善し、および保証するための品質管理技法を適用する、計画、実行、および統制の活動。

これらの各機能はより下位に分解され活動になる。いくつかの場合、活動はサブ機能に

まとめられる。機能やサブ機能は名詞句であり、活動は動詞句で示される。

2.2. 環境要素 7つの環境要素は、各機能を記述するために論理的、かつ一貫した方法を提供する。こ

れらの要素は次のことに構造を与える:

DAMA-DMBOKガイドの各章における一貫した表現。 評価質問、調査結果、および推奨事項の体系化。 各機能に対する戦略的計画作成のガイド。

環境要素の考え方は新しいものではない。一般的に参照される構造では3つの要素を識

別する。プロセス、技術、および人。我々はプロセス(プロセス、成果物、基本原則、

手法と技法)と人(役割と責任、組織と文化の問題)のカテゴリのもとでカバーするに

はあまりに多くがあると信じている。

DAMA-DMBOK Functional Framework Version 3

May 8, 2008 © 2008 DAMA International – All Rights Reserved 12

このフレームワークでは、以下の7つの要素を識別している。

図4. 7つの環境要素

上記の図は7つの要素を表し、中心から始まり、1時の位置から時計回りに12時の位置

までの順に表現される。下の図は各環境要素のスコープに対する概要を与える。

図5. 環境要素-スコープの要約

組織と文化

活動

成果物

役割と責任

技術

慣習と技法

ゴールと

原則

組織と文化

活動

成果物

役割と責任

技術

慣習と技法

ゴールと原則・ビジョンとミッション

・ビジネス上の利益

・戦略的ゴール

・固有の目的

・基本原則

・クリティカルサクセスファクター

・報告体制

・管理指標

・価値、信条、期待

・考え方、スタイル、好み

・儀礼、シンボル、伝統

・フェーズ、タスク、ステップ

・依存関係

・順序とフロー

・ユースケースシナリオ

・トリガーイベント

・インプット、アウトプット

・情報

・ドキュメント

・データベース

・その他の資源・個人の役割

・組織の役割

・ビジネスとITの役割

・資格とスキル

・ベストプラクティス

・一般的なやり方

・代替技法

・ツールの種類

・標準とプロトコル

・選択基準

・学習曲線

DAMA-DMBOK Functional Framework Version 3

May 8, 2008 © 2008 DAMA International – All Rights Reserved 13

我々の構造は、より構造化されていない話題(慣習と手続き、技術、組織、文化)に立

ち向かい、細かく扱う前に、基本的な要素(ゴールと原則、活動、成果物、役割と責

任)の一覧を準備する。

図6. 基本的および補助的環境要素

基本的な環境要素は:

ゴールと原則-各機能が目指すビジネス上のゴール、および各機能のパフォーマンスに関する指針となる基本原則。

活動-各機能は、より下位レベルの活動に分解される。いくつかの活動はサブ機能にまとめられている。活動はさらに、タスクとステップに分解される。

成果物-各機能の中間、および最終アウトプットとして作られる、情報、物理データベース、およびドキュメント。あるものは重要であり、あるものは一般的に

推奨され、また状況に応じて任意に選択できるものもある。

役割と責任-機能の遂行と監督に含まれるビジネスとITにおける役割と、機能にまつわる役割それぞれに固有の責任。多くの役割が複数の機能に関わる。

補助的環境要素は:

慣習と技法-プロセスを実行し、成果物を作成するのに使われる共通で一般的な手法と技法。共通の慣習、ベストプラクティスの推奨、および代替アプローチを

詳細抜きで含む場合もある。

慣習と技法 組織と

文化

技術

活動 成果物

役割と責任

ゴール

と原則

DAMA-DMBOK Functional Framework Version 3

May 8, 2008 © 2008 DAMA International – All Rights Reserved 14

技術-支援技術(主にソフトウェアツール)、標準とプロトコル、製品選択基準、および一般的な学習曲線に関する分類。DAMAの方針に従い、特定のベンダーや

製品には言及されない。

組織と文化-これらの問題には以下が含まれる場合がある: o 管理指標-サイズ、労力、時間、コスト、品質、効果、生産性、成功、およびビジネス価値に関する尺度

o 重要成功要因 o レポートの体制 o 契約戦略 o 予算管理と関連資源配分の問題 o チームワークと集団力学 o 権威と権限付与 o 価値と信条の共有 o 期待と姿勢 o 個人のスタイルと好みの相違 o 文化的な儀礼、習慣、およびシンボル o 組織の遺産 o チェンジマネジメントを行うにあたっての提言

DAMA-DMBOK Functional Framework Version 3

May 8, 2008 © 2008 DAMA International – All Rights Reserved 15

3. DAMA-DMBOK 機能概要

10の機能と 102の活動がある。1つの機能内に 12を超えるアクティビティがある場合、

アクティビティは2つ以上のサブ機能にグループ化されている。3つの機能がサブ機能

を持ち、全体で8つのサブ機能がある。機能とサブ機能は名詞句で書かれ、活動は動詞

句で書かれている。

各々の活動は以下の4つの活動グループに分類される。

計画活動 (P)

他のデータ管理活動に関する戦略および戦術的方向を決める活動。計画活動は繰り

返し行われることもある。

統制活動 (C)

日頃から継続的に行われる監視活動。

開発活動 (D)

実行プロジェクトの範囲内で行われ、システム開発ライスサイクル(SDLC)の一部と

見なされる活動。分析、設計、構築、および配備を通じて成果物を作る活動。

運用活動 (O)

日頃から継続的に行われるサービスとサポート活動。

個々の章が立案された時に次の概要は変わる場合があるが、比較的小さな調整に収まる

と思っている。

1. データガバナンス 1.1. データ管理計画 1.1.1. 戦略的エンタープライズデータニーズの確認(P) 1.1.2. データ戦略の開発と維持(P) 1.1.3. データ管理専門化組織の確立(P) 1.1.4. データスチュワードの特定と任命(P) 1.1.5. データガバナンスとスチュワードシップ組織の確立(P) 1.1.6. データのポリシー、標準、および手続きの開発、レビューと承認(P) 1.1.7. データアーキテクチャのレビューと承認(P) 1.1.8. データ管理のプロジェクトとサービスの計画と後援(P) 1.1.9. データ資産価値と関連データ管理コストの見積り(P)

1.2. データ管理の監督と統制 1.2.1. データ管理の専門家と組織の監督(C) 1.2.2. データガバナンス活動の調整(C) 1.2.3. データ関連の問題の管理と解決(C) 1.2.4. 法規制遵守の監視と保証(C) 1.2.5. データのポリシー、標準、およびアーキテクチャとの適合の監視(C) 1.2.6. データ管理プロジェクトとサービスの監督(C) 1.2.7. データ資産価値の伝達と普及(C)

DAMA-DMBOK Functional Framework Version 3

May 8, 2008 © 2008 DAMA International – All Rights Reserved 16

2. データアーキテクチャ管理 2.1. エンタープライズデータモデルの開発と維持(P) 2.2. 他のビジネスモデルの分析とそれとの調整(P) 2.3. データテクノロジーアーキテクチャの策定と維持(P)(4.2.2と同じ) 2.4. データ統合アーキテクチャの策定と維持(P)(6.2と同じ) 2.5. DW/BIアーキテクチャの策定と維持(P)(7.1.2と同じ) 2.6. エンタープライズタクソノミの定義と維持(P)(8.2と同じ) 2.7. メタデータアーキテクチャの策定と維持(P)(9.2と同じ)

3. データ開発 3.1. データのモデリング、分析、設計 3.1.1. 情報要求の分析(D) 3.1.2. 概念データモデルの開発と維持(D) 3.1.3. 論理データモデルの開発と維持(D) 3.1.4. 物理データモデルの開発と維持(D)

3.2. 詳細データ設計 3.2.1. 物理データベースの設計(D) 3.2.2. 関連データ構造の設計(D) 3.2.3. 情報製品の設計(D) 3.2.4. データアクセスサービスの設計(D)

3.3. データモデルと設計の品質管理 3.3.1. データモデリングとデータベース設計標準の開発(P) 3.3.2. データモデルとデータベース設計品質のレビュー(C) 3.3.3. データモデルのバージョンと統合の管理(C)

3.4. データ実装 3.4.1. 開発とテスト用データベースの作成と維持(D) 3.4.2. テストデータの作成と維持(D) 3.4.3. データのマイグレーションとコンバージョン 3.4.4. 情報製品の構築とテスト(D) 3.4.5. データアクセスサービスの構築とテスト(D) 3.4.6. データ統合サービスの構築とテスト(D) 3.4.7. 情報要求の検証(D) 3.4.8. データ配備のための準備(D)

4. データベースオペレーション管理 4.1. データベースサポート 4.1.1. データベース環境の導入と維持(C) 4.1.2. データベース変更の実施と統制(C) 4.1.3. 外部ソースデータの取得(O) 4.1.4. データリカバリーの計画(P) 4.1.5. データのバックアップとリカバリー(O) 4.1.6. データベースのパフォーマンスサービスレベルの設定(P) 4.1.7. データベースのパフォーマンスの監視とチューニング(O) 4.1.8. データ保存の計画(P) 4.1.9. データのアーカイブ、復旧と廃棄(O) 4.1.10. 特定用途のデータベースの管理(O)

DAMA-DMBOK Functional Framework Version 3

May 8, 2008 © 2008 DAMA International – All Rights Reserved 17

4.2. データテクノロジー管理 4.2.1. データテクノロジー要求の把握(P) 4.2.2. データテクノロジーアーキテクチャの策定(P)(2.3と同じ) 4.2.3. データテクノロジーの評価(P) 4.2.4. データテクノロジーの導入と管理(O) 4.2.5. データテクノロジーライセンスの棚卸しと追跡(C) 4.2.6. データテクノロジーの使用法と問題のサポート(O)

5. データセキュリティ管理 5.1. データのプライバシー、機密性、およびセキュリティに関するニーズの把握(P)

5.2. データのプライバシーと機密性に関するポリシーと標準の策定(P) 5.3. パスワードの標準と手続きの策定(P) 5.4. データセキュリティ統制の設計と実装(D) 5.5. ユーザ、パスワード、およびグループメンバー資格の管理(C) 5.6. データアクセス閲覧の管理(C) 5.7. データアクセス許可の管理(C) 5.8. ユーザの認証とアクセス行動の監視(C) 5.9. 情報の機密性の分類(C) 5.10. データセキュリティの監査(C)

6. リファレンスデータとマスタデータ管理 6.1. リファレンスデータとマスタデータの統合ニーズの把握(P) 6.2. データ統合アーキテクチャの策定(P)(2.4と同じ) 6.3. リファレンスデータとマスタデータ管理ソリューションの導入(D) 6.4. コード値と関連リファレンスデータの統制(C) 6.5. マスタデータの統合(O) 6.6. リファレンスデータとマスタデータの複製(O) 6.7. ディメンション階層の維持(O)

7. データウェアハウジングとビジネスインテリジェンス管理 7.1. データウェアハウジングとビジネスインテリジェンスの計画作成 7.1.1. ビジネスインテリジェンスにおけるデータニーズの把握(P) 7.1.2. DW/BIアーキテクチャの策定と維持(P)(2.5と同じ)

7.2. データウェアハウジングとビジネスインテリジェンスの導入 7.2.1. データウェアハウスとデータマートの導入(D) 7.2.2. ビジネスインテリジェンスツールとユーザインタフェースの実装(D) 7.2.3. エンタープライズレポートの実装(D) 7.2.4. マネジメントダッシュボードとスコアカードの導入(D) 7.2.5. 分析アプリケーションの導入(D)

7.3. データウェアハウジングとビジネスインテリジェンスのサポート 7.4. ビジネス専門家の訓練(O) 7.5. ビジネスインテリジェンスのためのデータの複製と変換(O) 7.6. データウェアハウジングプロセスの監視とチューニング(C) 7.7. ビジネスインテリジェンス活動のサポート(O) 7.8. BIの活動とパフォーマンスの監視とチューニング(C)

DAMA-DMBOK Functional Framework Version 3

May 8, 2008 © 2008 DAMA International – All Rights Reserved 18

これらの活動には、次のような知識労働者によってなされる実際のBI活動は含まれて

いない:

アドホックなクエリーとレポートの実施

多次元分析の実施

統計分析の実施

データマイニングの実施

“もしも(What If)”シナリオのモデル化

ビジネスパフォーマンスの監視と分析

8. ドキュメントとコンテンツ管理 8.1. 電子的&物理的ドキュメントの管理の計画(P) 8.2. エンタープライズタクソノミの定義と維持(P)(2.6と同じ) 8.3. ドキュメント保存システムの導入と維持(D) 8.4. ドキュメントの取得と保管(O) 8.5. ドキュメント情報コンテンツの索引付け(O) 8.6. ドキュメントのバックアップとリカバリー(O) 8.7. ドキュメントコンテンツ分析のサポート(O) 8.8. ドキュメントのアクセス、流通、および更新(O) 8.9. ドキュメント検索パフォーマンスの監視とチューニング(C) 8.10. ドキュメントのアーカイブ、復旧、および廃棄(O) 8.11. ドキュメントとコンテンツ管理の監査(C)

9. メタデータ管理 9.1. メタデータへの要求の把握(P) 9.2. メタデータアーキテクチャの策定(P)(2.7と同じ) 9.3. メタデータ標準の策定と維持(P) 9.4. 管理されたメタデータ環境の導入(D) 9.5. メタデータの作成と維持(O) 9.6. メタデータの統合(C) 9.7. メタデータリポジトリの管理(C) 9.8. メタデータの配布と提供(C) 9.9. メタデータのレポートと分析のサポート(O)

10. データクオリティ管理 10.1. データクオリティの認識の育成と普及(O) 10.2. データクオリティのプロファイル、分析、および評価(D) 10.3. データクオリティの要件とビジネスルールの定義(D) 10.4. データクオリティ要件のテストと検証(D) 10.5. データクオリティの測定基準とサービスレベルの定義(P) 10.6. データクオリティの測定と監視(C) 10.7. データクオリティの問題管理(C) 10.8. データクオリティの欠陥の是正(O) 10.9. 運用上のDQM手続きの設計と実行(D) 10.10. 運用上のDQM手続きとパフォーマンスの監視(C) 10.11. データクオリティの監査(C)