野生動物の動作がおかしい場合は、そばから離れてください。次の点を観察してください。● 一般的な病状● 飲みこむ際の異常● 多量のヨダレやだ液● あなたが想像するよりも弱弱しい動物● 何にでも咬みついている動物● 移動が困難、または麻痺している動物
全ての温血動物が感染し、発症したら治療法がなく 100%死亡する。アライグマ、キツネ、スカンク、コウモリ、イヌの唾液中には大量のウイルスが出る。狂犬病の発生がない国はごく一部である。
狂犬病
米国において確認された狂犬病 1960~ 2010
アライグマ
スカンク
コウモリキツネ
スカンク変異株
19951996199719982000200120022003
44415133
20042005200620072008200920102011
81312423
ヒト症例数
2010年に 6,155頭の感染動物が確認されたが、ほとんどは野生動物であった。米国の多くの州で犬と猫の両方が予防接種義務。ヒト症例のほとんどは吸血コウモリによるもので、海外で犬に咬まれた例や臓器移植による例が少数が含まれる。
猫 犬 牛 馬・ラバ 羊・山羊2009年 300 69 74 41 82010年 303 81 71 37 6
2246
1430
ニューヨーク州
など東部諸州
家畜における発生は、動きの遅いウシが野生動物に襲われる事例が多いが、イヌの狂犬病が流行しているアジア諸国では統計がない。
ブラジルなどの南米では、ウシがコウモリに襲われて感染する事例が多い。
アジア3813
34%24,329
国の数報告した国の
数(%)死者数
アフリカ434
9%213
南米1310
77%55
北中米1711
65%19
欧州4037
93%25
2004 年の世界における狂犬病による死亡報告数( WHO )
熱帯地方には、致命率が高いその他の病気が多数あり、経済的制限から狂犬病の優先順位は低い。診断技術も不十分であるが、それ以前に、医者に掛かる費用がなく、原因が判らないまませいぜい祈祷師に祈ってもらうしかない。こうした事情でWHOへの報告がなく、このような報告に基づく集計の発表は 2004年が最後である。
WHOは独自の調査に基づいて、世界で年間 55,000人以上が死亡していると推定。
狂犬病流行の仕組みと現状野生保有動物キツネ、アライグマ、スカンク、コウモ
リ
伴侶動物イヌ、ネコ
ヒト
● 発症したら 100 %死亡、治療法なし● 世界で年間 5 万人以上が死亡● ヒト感染のほとんどは
犬の咬傷によるもので、咬まれたヒトの 40% は15 歳以下 清浄国
日本、台湾、オーストラリア、ニュージーランド、英国、アイルランド、スウェーデン、ノルウェー、アイスランド、ハワイ、グアム、フィジー
アジアでは野生保有動物問題まで辿り着いていない
犬の予防注射でヒトは防げる
:ワクチン接種済み
:ワクチン未接種 :狂犬病
ワクチン接種率と狂犬病の広がり方狂犬病に罹った 1 頭の犬が 3 頭に咬み付くと仮定
接種率 80 % 接種率 40 %
ここで感染は止まる。WHOは70%以上の接種率を勧告している。
ペットフード協会が調べた犬の飼育頭数は 1,300 万頭余りで、それらの登録頭数は 52%、予防注射頭数は 39%に過ぎない。不法入国者の持
込み等によって狂犬病が侵入したら、犬で蔓延し、アライグマの中にも定着するだろう。法律で定められた登録と予防接種を遵守しよう。
18971907
19171927
19371947
19571967
19771987
1997
10000
1000
100
10
10
日本における狂犬病発生の経過
1922年 家畜伝染病予防法ワクチン接種の義務化
1950年 狂犬病予防法登録とワクチン接種の義務化
関東大震災第一次世界大戦
敗戦
1956年の 6頭の犬の発生を最後に国内での発生は止まった。しかし、 1970年にはネパールで 1 名、2006年にはフィリピンで 2 名が感染し、帰国後に死亡した。
イヌ ヒ
ト
咬傷から侵入した狂犬病ウイルスは神経を通って脳に達し、嚥下障害による恐水症状など興奮、麻痺、精神錯乱などの神経症状が現れる。脳神経や全身の筋肉が麻痺を起こし、昏睡期に至り、呼吸障害によって死亡する。咬まれて直ぐに暴露後治療を受ければ発症しない。
患者写真はウィキペディアより狂犬病の脅威
フィリピンの狂犬病予防教材
サン・ラザロ病院
WHO 狂犬病感染のために推奨される暴露後予防処置狂犬病が疑われる動物への
暴露の種別 暴露後の処置
I: 触ったり餌を与えた。傷のない皮膚をなめられた(暴露なし)
必要なし。
II: 剥き出しの皮膚、小さな傷、擦り傷をかじられたが出血はない
直ちにワクチンを接種し、傷の手当てをする。
III: 深く咬まれたりかじられた。傷口をなめられた。粘膜に唾液が付いた。コウモリと接触した。
直ちにワクチンおよび免疫グロブリンを接種し、傷の手当てをする。
2006年に、日本人 2 名がフィリピンを旅行中犬に咬まれ、帰国後に発病して死亡した。直ぐに治療を受けていれば発病せずに済んだのに・・・・。 「動物に近づくな!」、「動物に咬まれたり、引っかかれた場合には、ただちに地元の医療機関にかかりワクチンを受けてください」(検疫所)
暴露後処置: 世界保健機関(WHO)によれば、年間 5 万 5000名が狂犬病で死亡しており、その多く( 30–50%)が子供たちである。主な感染は、狂犬病に罹った犬に咬まれることで起きている。狂犬病で死んだ子供たちのほとんどは、咬まれた後でワクチン接種を受けていない。 狂犬病の動物に咬まれ、ワクチンを接種された人数は数百万人に達している。現在のワクチンは、発症を防ぐ効果が極めて高いが、発生国の多くはアジアの貧しい国々であり、ワクチンを買う金がない。
現在の日本では狂犬病の恐怖は判らないが、
恐怖を味わ
う前に予防接種を受けよう! 報告した国の割合
台湾における狂犬病の再発生台湾から OIEへの緊急通知 2013年 7 月 17 日
疫学的注釈:南投県で 2012年 5 月と 12 月、雲林県で 2012年11 月に見つかった死亡した野生のイタチアナグマが、 2013年 6月 17 日に国立台湾大学によって狂犬病疑い症例として RT-PCR法で検出された。それまでに、国立台湾大学は剖検を含めた一連の検査を実施した。 6 ヶ月の間に行われた免疫組織化学と RT-PCRによって犬ジステンパーと仮性狂犬病(オーエスキー病)の可能性は排除された。その後国立台湾大学は 2013年 6 月に狂犬病の RT-PCRを実施し、最初の陽性結果が 6 月 24 日に報告された。そのサンプルは、最終診断のため 6 月 26 日に国立研究所に送られ、国立研究所は RT-PCR法、直接蛍光抗体法(検査には生の脳組織を使っていない)、免疫組織化学法を実施し、それらの検査で陽性結果が得られた。蛍光抗体法をするための生の脳組織( OIEの基準検査法)がなかったので、これらの症例を確認するため、国立研究所は 7 月 16 日に専門家会議を開催して討議し、これらの症例を狂犬病と確認した。これらの死亡野生動物が発見された地域において、徹底した予防接種活動が行われ、監視活動が続いている。
狂犬病発生動向調査で確認されてこなかった動植物衛生検査・検疫部( BAPHIQ ): 1999 年以来、放浪犬
および野良猫の死体について検査を実施、 2008 年以来、コウモリの全ての種を監視( China Post, 7/18 )
発生予測台湾獣医師会副会長:報告症例は広域に及んでおり、ウイルス
の存在が拡大していることを示唆( China Post, 7/19 )農業委員会 (COA) :確認症例数が増加し続け、 1 年から 1 年
半後にピークに達する可能性があると警告( Focus Taiwan, 7/25 )
感染源動物衛生研究所長:台湾イタチアナグマから採れたウイルスの
塩基配列は中国で見つかっているものと最も近い。密輸され、山野に放たれた中国からの野生動物にイタチアナグマが咬まれた可能性は排除できない( Focus Taiwan, 7/24)
別種の感染確認台東県でヒトを咬んだ後で捕獲されたアジアジャコウネズミが
狂犬病感染疑い( Focus Taiwan, 7/26 )、確定は 7/30発表 再発生から 10 日間、どこまで広がるのか・・・・
イタチアナグマ( Ferret-badger:Melogale moschata)
シナイタチアナグマMelogale moschataフォーカス台湾
頭胴長約 33 - 45cm 、尾長約 15 - 23cm 、体重 1 - 2kg 程度
イタチアナグマ属ボルネオイタチアナグマシナイタチアナグマ ジャワイタチアナグマビルマイタチアナグマベトナムイタチアナグマ
アナグマ亜科( 6属)
イタチ科シナイタチアナグマには 7 の亜種が認められる。足指の数は前後共に 5 本である。これによって、足指の数が 4 本のタヌキなどと足跡を見分けることが出来る。
多くは海抜 100 - 2100m の山林に生息する。
植物食中心の雑食性で、果実、種子、小動物、鳥、鳥の卵などを食べる。 夜行性。
妊娠期間は 2 ヶ月で、 1 - 3 子を出産する。
アジアジャコウネズミ( Asian House Shrew:Suncus murinus)
ジャコウネズミ: Suncus murinusFocus Taiwan
体長 12-16cm。体重は雄が 45-80g、雌が 30-50g
ジャコウネズミ属アジアジャコウネズミリュウキュウジャコウネズミ
トガリネズミ科サバナや森林、農耕地、人家等に生息する。可動域は狭い。食性は肉食性の強い雑食性で昆虫類、節足動物、ミミズ等を食べるが植物 質を摂取することもある。繁殖形態は胎生で、 1回に 3-6匹の幼体を出産する。
トガリネズミ科は、齧歯類(ネズミ目)ではなく、系統的にはモグラやハリネズミと近縁のグループである。日本には 2 亜科4 属 12 種が分布する。
アジアジャコウネズミの狂犬病罹患例は初めてであり、たまたまヒトを襲ったことが発見の契機となった。こうした小 型獣が狂犬病の感染環に重要な役割を果たすとは 考えられていない。
動物用ワクチンの備蓄量CDC:発生地域に動物用ワクチン 77,000 ドースを既に配布( 7/29)
BAPHIQ部長:政府が購入する 500,000 ドースのワクチンが 8月末に到着予定で、発生地域外の無料接種はそれ以降( 7/29)
BAPHIQ部長: 150 万頭の犬と猫の 80%、 120 万頭に予防接種するため 8 月中旬までに合計 103 万ドースを入手( 7/30)
BAPHIQ部長:残り 40,000 ドースしか持っていない( 7/31)CDC:ワクチン会社が輸入した 403,000 ドースが 8 月 6 日に到
着( 8/8)
狂犬病予防接種率台北市動物保護事務局( APO ): 50% 以上( China Post,
7/18 )放浪犬の捕獲とペットの予防接種
農業委員会 (COA) :政府は放浪犬の捕獲と予防注射の活動を強化、発生地のペットに無料で予防接種。( Focus Taiwan, 7/27 )
経口生ワクチン散布動植物検疫所長:住民を危険にさらす空中投下する計画はない
( 7/28 )
ペットの遺棄農業委員会 (COA) : 22 ヶ所の保養林にペットの持込みを禁止
( 7/25 )行政院長:ペットを遺棄しないよう要請( 7/27 )南投県: 5 頭の放浪犬が山岳部の道路で死亡、毒殺された可能
性( 7/28 )ペットの犬と猫がパニックに陥った飼い主に捨てられる傾向
がある。当局はペットの遺棄の傾向を直ちに止めなければならない。
これらの捨てられたペットの一部は、海 外から密輸された外来動物だ( 8/2 )
咬傷事故台湾 CDC: 7 月 21 日午後 4 時から 29 日午後 4 時の間に、狂犬病ワクチンを求める全部で 245 名の動物に咬まれた症例があった。それらの申請者の内 115 名が認められ、台北 7 名、台湾北部9 名、台湾中部 33 名、台湾南部 25 名、高雄市と屏東市 14 名、台湾東部 20 名、国外 7 名であった。その内 16 名がヒト狂犬病免疫グロブリンの使用が認められ、うち 5 名は予防措置を受けた( 7/30 )
台湾 CDC: 8 月 5 日午後 4 時から 8 月 6 日午後 4 時の間に、動物咬傷を受け狂犬病ワクチンを申請した新たな 156 名を受理した。それらの申請者の内 122 名が承認された( 8/8)
放浪動物の保護公的動物避難所における現在の方針によれば、 12 日以内に引き取り手がないと多くの動物は安楽死させられる。避難所に持ち込まれる動物数の増加は安楽死までの期間の短縮を余儀なくするだろうと、動物の権利活動家は懸念を表明している( 8/8)動物保護団体は、政府が排除政策に代えて不妊化を採用する希望を持って、 TNR― 捕獲( Trap)・去勢( Neuter)・解放( Return)―を推進してきた。予防接種を受けた多数の不妊化した犬と猫が、ヒトと感染動物との間の防御線を築くことになるだろう( 8/10)
消費者文教基金會: 2011 年にペット犬の頭数は 153 万頭、ペット猫の頭数は 37 万頭と推定され、野良犬の頭数は 2009 年に約 85,000 と推定されているが、ごく最近の頭数は入手できない( 8/13 )
狂犬病により地主はペットを敬遠地主の意向調査で、ペットを所有していないことを条件に挙げた割合は、これまでの約 30%から 40.5%に上昇。大都市圏の台中市と新台北市はペットに非友好的な地主が最も多く、それぞれ 55% および 54%を占めた( 8/17)生活の様々な局面に影響・・・
分離ウイルス株の接種試験農業委員会 : 14頭のビーグル犬を用いて狂犬病ウイルスの感染性を調べる研究計画を公表( 8/16)国立台湾大学獣医学部葉力森教授は、狂犬病ウイルスが全ての温血動物に感染し得ることは既に証明されており、 14頭の罪のない子犬の命を犠牲にする別の実験は全く必要がないと述べた( 8/17)これが動物愛護団体を勢いづかせ、メディアを狂わせた。性質が多少異なる様々な
ウイルス株の一群を、 genotype 1 (狂犬病ウイルス)としてまとめている。すなわち、病原性や感染性を異にする集団であり、一様ではない。また、イタチアナグマが新たな保有動物種であるかどうかを調べることは、アジアにおける野生動物の狂犬病を理解する上で不可欠である。
8 月 1 日に中央対策本部)を設置: 各部局は懸命に努力していたが、政府としての統一性に欠け、とくにメディア対策が不十分で、憶測からパニック状態に陥った。
発症日別の発生経過
動物保護団体が野犬の捕獲・去勢・解放( TNR)をこれまでも要求していたが、その経費を自分たちが出すのなら兎も角、犬嫌いも大勢いる中で税金を使うことは困難だった。それを非常事態に持ち出し、マスコミも同調したことが混乱を深めた。その延長線として、「動物実験反対、ビーグル犬の命を護れ」の大合唱が連日報じられた。
3例目までは 7 月 17 日の確定診断日。この図の他に遡及調査で2010年に 2例、 2012年に 1例、 2013年 1 月と 3 月に各 1例が見つかっている
10 月 9 日時点
167例9 月 10 日 ペット犬が感染
10
13
40
7
45
3
29
3
17
この図の他に遡及調査で 2010年に 2例、 2012年に1例、 2013年 1 月と 3 月に各 1例が見つかっている
10 月 9 日現在
167例
中国本土における狂犬病の推移
狂犬病による死亡数の年次推移(中国 CDC)
狂犬病は 1980年代末まで中国のほとんど全ての省で高度に流行しており、 1987~ 89年の期間には年間 5,200名以上の死亡が報告された。それ以降、死亡数は劇的に減少し、 1990年に 3,500 名となり、 1995年にはわずか 200 名になった。 中国においてヒトが狂犬
病に曝露される原因と判明している動物種は、主に犬、猫、豚、牛、フェレットおよびスカンクである。
その後増加の 10年間が続き、ピークの 2007年には 3,300 名の死亡が報告された。
2011年の狂犬病による死亡数は 2000 名以下まで減少した。 犬は国内における狂犬病の主要な
保有動物であり、伝播動物である。北京における疫学調査は、ヒトの狂犬病による死亡の大半は犬( 85-95%)と猫( 5%)による暴露である。
WHO 中国駐在員事務所
中国における月別に見たヒト狂犬病症例数
患者数と死亡数の差は、曝露後予防処置による。
6 月頃から増加し、 9~ 10 月をピークに減少している。野犬の活動の活発化と農作業が関連していると思われる。
香港の狂犬病の経験
犬の罹患数
ヒトの罹患数
1980年 10 月 4 日に、香港は 25年振りにヒトの狂犬病による死亡を経験した。それまでの香港における最後の症例は 1955年だった。 25年の清浄がどのように崩れ、そして早期に回復できたか?
香港動物愛護協会:狂犬病のリスクある種の行動が香港のリスクを高めている。中国(およびその他の地域)からの動物の密輸入は香港にとって深刻な脅威となっている。一部の国民は中国に買い物に行き、かわいい子犬や子猫を衝動的に購入しており、ペットショップが香港に普通のこととして配達している。多くの人々は子犬と子猫が狂犬病を運ぶことができることに気付いていない。リスクを認識していないだけでなく、彼らの行為による密輸入の動物に狂犬病が存在することの結果を過小評価している。香港は 1997年まで英国領だった。英国統治下の自由主義を享受してきており、人権、民主主義、動物福祉などに関して西洋文明の原則を貫いてきていると思う。
香港動物愛護協会:出来事の時系列0 日目( 1980年 10 月 4 日): 25年ぶりにヒト狂犬病の最初の犠牲者、 Cheung Yuk-Lam君 8歳が死亡。家の外で、彼は野良のシェパードに肩を咬まれた。彼は医学的治療を求めず、後に未認可施療師の処置を受けた。彼の母はこの病気について聞いたことがなかった。1 日目( 10 月 5 日):香港は狂犬病警報
当該地域を危険地帯と宣言。この地域からの犬の出入りは一切禁止。識別入れ墨のないワクチン未接種の犬は捕獲し、安楽死させられたが、人々はそれらをペットだと主張し、検疫下に置き後で返却すべきと要求した。
2 日目( 10 月 6 日):当該地域で 202頭の犬を捕獲、 8頭は処分のため所有権放棄。
3 日目( 10 月 7 日):イギリス兵は、疑わしい犬に麻酔銃を打ち、脅威を与える犬を射殺する命令を受け、対人用化学スプレーで武装。漁船の犬は狂犬病常在地の広東から、狂犬病を 持ち込む疑い。狂犬病予防接種チームが 3 ヶ所の魚市場で作業している。政府漁業局職員は漁船から犬の上陸を阻止している。
4 日目( 10 月 8 日):政府は犬の予防接種を奨励するため、 15 ドルの犬の登録料を撤廃し、予防注射を無料化した。
5 日目( 10 月 9 日):中国国境の 20km平方を犬の移動制限地域に指定。「香港では一症例も確認されていないので、放浪しているワクチン未接種の犬を排除する以外に方法はない」と、農業漁業省の J. Riddell-Swan 長官が法制局に告げた。
6 日目( 10 月 10 日):農業漁業省は 200 名を臨時雇用し、 1455 ドルの給与に加えて嫌な任務に対して 105 ドル支払う。
7 日目( 10 月 11 日):中国当局は、広東省で私的に所有している全ての犬を射殺すると宣言。美南新聞が広東省東莞で 12 名が狂犬病で死亡したと伝える。咬まれて死亡した 12 名中 11 名は予防接種がなかったことによる。
12 日目( 10 月 16 日):新界で 2頭目の犬が狂犬病で死亡。8歳の男児が Hak Chaiと名付けられたペットの犬に咬まれた。その犬はその後狂犬病で死亡した。その 10歳のチャウチャウは、野良犬集団に最近襲われた。この時点で、農業漁業省は 2385頭の犬を殺処分し、 16588頭に予防接種した。全部で 973 名の人々が予防接種を受けた。
ヒトの死亡数:狂犬病が疑われる動物に咬まれた人数:動物の死亡数:予防接種した犬の頭数:殺処分した犬の頭数:
発生後 1 ヶ月
2 名7 名8頭
57,000頭13,890頭
発生後 2 ヶ月
2 名12 名
71,659頭34,570頭貴重な教訓
● 香港の発生の 6 ヶ月前に近隣の広東で狂犬病が流行した。● 狂犬病は、漁船に乗せられて国境を越えたペット犬によって香港に持込まれたと考えられた。
● 狂犬病に対する地元の意識が低かった。感染区域の多くの人々は狂犬病発生していることを理解しなかった。
● 発生の深刻さにもかかわらず、人々は自分の犬を閉じ込めるか、または検疫のために政府に引き渡すことを拒否することによって、封じ込めの努力を妨げた。
● 犬は、必要な抗体を産生するまでに狂犬病予防接種後 3~ 4週間を必要とする。発生時のみ予防接種は、遅すぎる。
韓国における狂犬病発生の経過都市型狂犬病は
1985年に撲滅された。 1993年以降森林型狂犬病が北部の非武装国境地帯で報告された。
200417
109
27
20050482
14
20060
1054
19
200702013
20080347
14
20090
1215
18
20100641
10
201101001
計 (%)1(0.9)
43(40.6)33(31.1)29(27.4)106(100)
ヒトウシイヌ
タヌキ計
動物の狂犬病発生数 の推移
野生のタヌキがウイルスを保有しており、 21世紀になってワクチン含有餌の散布が開始され、京畿道の発生は止まった。
イヌの集団予防接種放浪犬の殺処分大衆教育
東南アジア地 域の各国におけるヒト狂犬病症例の年間分布
WHO東南アジア地 域事務所(WHO SEA) , 2012国 ヒト狂犬病症例の年
間推定数ヒト狂犬病症例の
100 万人当り推定数バングラデシュ 2000–2500 13ブータン <10 3北朝鮮 入手不可 入手不可インド 18,000–20,000 18
インドネシア 150–300 1.3モルジブ 0 0
ミャンマー 1,000 22ネパール <100 4
スリランカ <60 3タイ <25 0
東 ティモール 0 0計 21,345–23,995
WHOは全世界で推定 55,000人が死亡しているとし、その大半がアジアとアフリカ。
インドネシア狂犬病による死亡者数 ( WHO )年 1988 1990 1991 1992 1993 1994 1995 2002
人数 3 3 3 1070 89 0 50 52
バリ島での発生発生の始まり: 26/11/200818/12/2008 : 2件( 2 頭)26/1/2009 : 3件( 7 頭)10/3/2009 : 10件( 12頭)7/10/2009 : 1件( 2 頭)22/3/2010 : 70件( 86頭)18/3/2011 :風土病宣言
ニアス島での発生発生の始まり: 9/2/20108/10/2010 : 5件 5 頭21/9/2011:風土病宣言
●
●
バリ島は歴史的に狂犬病が存在していなかったが、 2008 年に島の南側の半島で狂犬病が検出され、おそらく感染した犬が漁師の船で持ち込まれたと推定。いくつかの地域における犬の緊急殺処分を必
要としたが、地域社会の多数が反対した。新らたな子犬に置き換わることによって狂犬病を広げる結果さえあり、殺処分を免れるため犬を移動させた証拠があった。(狂犬病制御世界連盟)
アジア地域における 2015年の狂犬病報道3 月: 「 ASEANの狂犬病 撲滅戦略」締結。 2020年までにイヌの狂犬病を撲滅するために、各国が撲滅計画を立てて部門間の連携によって推進するとともに、加盟国が蔓延防止に協力する。
3 月 30 日: アジアの狂犬病ワクチン銀行が設置されたため、欧州連合からの支援を得た OIEによるワクチン供与は昨年 12月に終わり、ワクチンの在庫が枯渇したとミャンマーが発表。
9 月 17 日: マレーシアにおけるイヌの狂犬病発生報告。 1999年の最後の発生以降初め。動物用ワクチンの備蓄が不足し、放浪犬の殺処分を巡って動物愛護団体との軋轢。
9 月 30 日: フィリピン保健省は、今年 1 月 1 日から 8 月 29 日に 162 名が狂犬病で亡くなったとし、この数は 2014 年の同じ期間に報告された 268 名より少ないと発表。
10 月 21 日: バリ島で台湾観光客が狂犬病に罹患した放浪犬に咬まれて曝露後処置を受けた。推定 500,000頭の放浪犬がいるが、それらの半分だけにしか狂犬病ワクチンが接種されておらず、バリ島における死亡者は 2013年 1 名、 2014年 2 名だったが、今年になって既に 12 名の命を奪っている。
1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 20090
50
100
150
200
250
300
350
九州におけるアライグマの捕獲数外来種のアライグマは、北海道で 1990年頃から見つかり 1万頭を超えている。その後、関東・ 関西にも広がっている。飼い切れなくなった金持ちが山に捨てた。九州では長崎県で最も早く確認され、 2005年には佐賀県でも捕獲され、福岡、大分、熊本でも観察されている。飼い犬の登録と狂犬病予防接種が必ずしも徹底されておらず、日本に狂犬病が侵入した場合には深刻な事態になりかねない。
長崎県
佐賀
県
周囲を海 囲まれているから海外悪性伝染病が侵入しないと過信することは禁物である。テロリスト等が様々な病原体を持ち込んで散布する可能性は皆無ではない。
2004 2005 2006 2007 20080
2000
4000
6000
8000
10000
12000
不法入国および不法上陸法務省入国管理局
中国
タイ韓国
その他
フィリピン
992 690506
342253
フランスでは 2009年、 2011 年に、オランダでは 2012 年にアフリカで入手した犬を不法に持込み、それが狂犬病を発症したことで大問題となっている。麻薬の密輸入が絶え
ない中で、狂犬病は・・・