原子力発電所
火力発電所
資源ごみ
リサイクル工場
処し ょ
分ぶ ん
場じょう
ごみ処し ょ
理り
場じょう
収しゅうしゅう
集トラック
収集トラック
産さんぎょうはい き ぶつ
業廃棄物収集トラック
家
もやすごみ もやさないごみ
もやさないごみ
資源ごみ
もやすごみ
使い終わった燃料など
➡
⬇
⬇
⬇⬇⬇
石油
天然ガス
石炭
装そう
置ち
で回かいしゅう
収する 装置で取りのぞいてへらす
大気中に出す
ごみ工場
スーパーマーケット
▼
➡
ウラン
燃 料
燃 料
▼ ▼
いおう酸さ ん
化か
物ぶ つ
ちっそ酸化物石炭灰 二酸化炭素
火力発電所から出た石炭灰ばい
はリサイクルされ、ビルなどを作るセメントの材
ざい
料りょう
などさまざまな使い道に利り
用よう
されています。また、いおう酸さん
化か
物ぶつ
は家を建た
てるときに使う石せっ
こうボードなどに利用されています。
原子力発電所から出たごみはどこにいくのかな?
次のページを見てみましょう。
監修:基本教材監修委員会
原子力発電所は、ウランという放
ほ う
射し ゃ
線せ ん
を出す物ぶ っ
質し つ
(放ほ う
射し ゃ
性せ い
物質)を燃
ね ん
料りょう
にして電気を作っているので、放射性物質をふくんだごみが出ます。 使い終わった燃料(使用済
ず
み燃ね ん
料りょう
)の中には、まだ使える燃料がたくさん残っているので、これをリサイクルし新しい燃料を作る材
ざ い
料りょう
として利用します。 リサイクルできないごみは、種類や発
は っ
生せ い
場ば
所し ょ
、放射線の強さによって分別し、処分されます。
■使用済ず
み燃ね ん
料りょう
リサイクルした後には強い放射線を出すごみが残ります。これを「高レベル放
ほ う
射し ゃ
性せ い
廃は い
棄き
物ぶ つ
」といいます。高レベル放射性廃棄物は、熱でとかしたガラスといっしょに固
か た
められているので、「ガラス固
こ
化か
体た い
」ともいいます。ガラスの中に取りこまれた放射性物質はガラスの成分と一体化し、ガラスがわれても放射性物質だけが外にもれ出すことはありません。
■作業用手袋、作業服、布類、紙類、金属類、 コンクリート類、プラスチック類など 運転中や点検作業などに使われた弱い放
ほ う
射し ゃ
線せ ん
を出すごみは「低レベル放
ほ う
射し ゃ
性せ い
廃は い
棄き
物ぶ つ
」として処分されます。燃
ね ん
料りょう
加工工場や再処理工場からもこのようなごみが出ます。
天然ウラン
燃料
燃料加工工場
原子力発電所
再処理工場
まだ使えるウランや
プルトニウム
使用済み燃料
ウランペレット
▲
ステンレス容器に入ったガラス固化体
重さ:約500kg
高さ:約£ÎäV�
直径:約40cm
(出所)資源エネルギー庁資料ガラス固化体にした後の時間(年)
放射能(テラ・ベクレル)
100,000
0 5,0001,000 10,000
10,000
1,000
100
10
1
最初はとても強い放射線を出すが、強い放射線は急げきにへる
放射線は少しずつへるが、長い期間にわたって出つづける
高レベル放ほ う
射し ゃ
性せ い
廃は い
棄き
物ぶ つ
は、わたしたちが毎日の生活の中から出しているごみにくらべ、量
りょう
は少ないです。しかし、強い放
ほ う
射し ゃ
線せ ん
を出すという性質を持っています。 これまでに原子力発電で利用した使用済み燃
ね ん
料りょう
をすべてリサイクルすると、およそ25,000本のガラス固化体になります。
放射線は身のまわりにあります。たとえば、わたしたちが毎日食べている食べ物や大地から放射線を受けています。また、レントゲン検
け ん
査さ
も放射線を利用しています。このように放射線は身近なもので、少しであれば身体に影
え い
響きょう
をあたえることはないといわれています。 一方、「高レベル放射性廃棄物」はとても強い放射線を長い時間にわたって出し続けます。そのため、きびしく管
か ん
理り
し、しんちょうに処し ょ
分ぶ ん
することが必
ひ つ
要よ う
です。
■100万kW(100万人分の電力)の発電所を1年間運転するときのごみの量
(出所)エネルギー白書2013など
※産業廃棄物及び一般廃棄物:平成26年度実績(環境省HP参照)/高レベル放射性廃棄物: 平成12~18年推定(全体での使用済燃料発生量を年1000トンウランと仮定した場合)
(出所)エネルギー白書2013など
◎ごみの発生量(トン/ 1日)
0 20 40 60 80 100 120(万)
1,076,271121,425
1.4
産業廃棄物
一般廃棄物
高レベル放射性廃棄物
さんぎょうはいきぶつ
いっぱんはい き ぶつ
■高レベル放射性廃棄物の 特ちょう
※高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)1本当たりの放射能レベルの変化
※ベクレルとは放射能の強さを表す単位のことであり、1テラ・ベクレルは1兆ベクレル。
◎原子力発電 ガラス固こ
化か
体たい
26本(10.5トン)リサイクルした後に
残るごみ
◎火力発電
化か
石せき
燃ねん
料りょうを
もやして
出るごみ
〈天然ガス火力〉二に酸さん化か炭たん素そ:373万トン
〈石炭火力〉二酸化炭素:757万トン 石炭灰
ばい:10万トン
〈石油火力〉二酸化炭素:609万トン
大地 食べ物 レントゲン検査
放射線はわたしたちの身のまわりにもある
■身のまわりの放射線
作ったばかりのガラス固こ
化か
体た い
は放射能のレベルが高く、とても熱くなっています。そのため30~50年間、専
せ ん
用よ う
の施し
設せ つ
で放射能レベルが下がるまでしずかに保
ほ
管か ん
し、熱ね つ
を冷さ
ますことになっています。その後、わたしたちの生活環
かん
境きょう
からはなれたところに処
し ょ
分ぶ ん
しなければなりません。 高レベル放
ほ う
射し ゃ
性せ い
廃は い
棄き
物ぶ つ
は、わたしたちが毎日使う電気を作るときに生まれるごみです。 わたしたちが安全に生活を送れるよう、できるかぎり人間や
環境に影えい
響きょう
をあたえない方法で処分するのもわたしたちの役目です。
▲
宇う
宙ちゅうに
持っていく?
海洋底
海洋
▲
海かい
洋よう
底てい
にうめる?
深地層しん ち そう
深地層しん ち そ う
▲
地下にうめる?
氷床
岩盤
▲
南なんきょく
極の氷の下にうめる?
▲
施し設せつ
をつくってずっと保ほ管かん
する?
原子力発電環境整備機構(NUMO)〒108ー0014 東京都港区芝4ー1ー23 三田NNビル2階 NUMO 検 索
令和2年1月発行
▼数十年間保管するガラス固化体の貯ちょ
蔵ぞう
ピット (青森県六ヶ所村にある高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター)
フィンランドでは2020年代初めに処分を開始する予定で処分場の建設が進められています。
日本と同じころから原子力発電を利用してきた欧米の国々でも、高レベル放射性廃棄物を地下深くにうめて処分することにしています。しかし処分地を決定した国はまだ多くありません。
日本ではさまざまな方法を考えた結果、ガラス固化体を地下300mよりも深い安定した地層に処分することにしています。これを「地層処分」と
いいます。 どうして地下深くにうめることにしたのでしょうか。ほかの方法とくらべてみましょう。
■外国ではどうしているのかな?
■地ち
層そ う
処し ょ
分ぶ ん
ってなぁに?
カナダ
スイス
日本
ドイツ
イギリス
アメリカ
候補地を決める調査段階前の国
フィンランド
フランス スウェーデン
複数の候補地を調べている段階の国
処分地の候補が決まり調査が進んでいる国
処分地が決まっている国
こ う ほ ち
だ んか い
ふ くす う
身長:約£ÎäV�
▲
ガラス固化体
◎世界各国の進捗状況
写真協力:日本原燃株式会社、ポシヴァ社(フィンランド)
高さ:約£ÎäV�
▲厚さ約2mのコンクリート製の床の下にガラス固化体が貯蔵されています。
完成予想図