資料4 飼料用トウモロコシ収穫用細断型ロールベーラ...

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平成16年の市販化以来、府県の家族経営酪農家を中心に普及が広がり、大きいサイズのロール ベールが成形できる型式やベールラッパとの一体型といったシリーズ機種も相次いで市販化され、北 海道の大規模酪農家やコントラクタにも導入されている。平成25年末、シリーズ機種も含めた普及 台数は600台を越えた。 飼料用トウモロコシ収穫用細断型ロールベーラ の開発 農林水産大臣賞】 髙田雅透 松倉崇博 岡嶋 正田幹彦 (株式会社IHIスター、株式会社タカキタ) 【連絡先】株式会社IHIスター(住所:〒066-8555 北海道千歳市上長都1061-2 TEL0123-26-1122株式会社タカキタ(住所:〒518-0441 三重県名張市夏見2828 TEL0595-63-3111業績の概要 背景 研究内容・成果 普及状況 評価のポイント 飼料用トウモロコシは、多収量で栄養価が高く、約8割を輸入に頼っている濃厚飼料の栄養価の代 替が可能であり、重要な自給飼料作物である。しかし、収穫調製作業を効率的に行うには5~6人の 作業員を必要とし、サイロ詰め作業が重労働であるため、作付面積がピーク時の66%まで減少した。 輸入飼料価格が高騰する中、トウモロコシの収穫調製を省力的で容易に作業できる機械が熱望されて いた。 細断型ロールベーラは、市販コーンハーベスタで収穫・細断・吹上げたトウモロコシを荷受けし、 ロールベールに高密度成形・梱包できる。コーンハーベスタを装着したトラクタで本機をけん引すれ ば、収穫細断から成形梱包作業が1名で可能となる。市販ベールラッパでロールベールを密封すれば、 合計2名で収穫調製作業が完了し、重労働だった人手によるサイロ詰めは不要となる。 また、本機で調製したサイレージは、高密度梱包されるため、高品質で長期保存が可能である。 っh V-score80以上で良、pH4.2以下が良 プロピオン酸、酪酸、VBN/TNは低いほど良 本機の開発により、トウモロコシの収穫調製作業が一貫体系化され、従来5~6人必要であった作 業が2人で完了し大幅に省力化されるとともに、高品質なサイレージ調製を可能にしたことを高く評 価した。 細断型ロールベーラ (ベールラッパ一体型) 細断型ロールベーラ 資料4

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  • 平成16年の市販化以来、府県の家族経営酪農家を中心に普及が広がり、大きいサイズのロールベールが成形できる型式やベールラッパとの一体型といったシリーズ機種も相次いで市販化され、北海道の大規模酪農家やコントラクタにも導入されている。平成25年末、シリーズ機種も含めた普及台数は600台を越えた。

    飼料用トウモロコシ収穫用細断型ロールベーラ の開発

    【農林水産大臣賞】

    髙田雅透 氏 松倉崇博 氏 岡嶋 弘 氏 正田幹彦 氏

    (株式会社IHIスター、株式会社タカキタ)

    【連絡先】株式会社IHIスター(住所:〒066-8555 北海道千歳市上長都1061-2 TEL:0123-26-1122) 株式会社タカキタ(住所:〒518-0441 三重県名張市夏見2828 TEL:0595-63-3111)

    1 業績の概要

    背景

    研究内容・成果

    普及状況

    2 評価のポイント

    飼料用トウモロコシは、多収量で栄養価が高く、約8割を輸入に頼っている濃厚飼料の栄養価の代替が可能であり、重要な自給飼料作物である。しかし、収穫調製作業を効率的に行うには5~6人の作業員を必要とし、サイロ詰め作業が重労働であるため、作付面積がピーク時の66%まで減少した。輸入飼料価格が高騰する中、トウモロコシの収穫調製を省力的で容易に作業できる機械が熱望されていた。

    細断型ロールベーラは、市販コーンハーベスタで収穫・細断・吹上げたトウモロコシを荷受けし、ロールベールに高密度成形・梱包できる。コーンハーベスタを装着したトラクタで本機をけん引すれば、収穫細断から成形梱包作業が1名で可能となる。市販ベールラッパでロールベールを密封すれば、合計2名で収穫調製作業が完了し、重労働だった人手によるサイロ詰めは不要となる。 また、本機で調製したサイレージは、高密度梱包されるため、高品質で長期保存が可能である。

    っhs

    V-scoreは80以上で良、pHは4.2以下が良 プロピオン酸、酪酸、VBN/TNは低いほど良

    本機の開発により、トウモロコシの収穫調製作業が一貫体系化され、従来5~6人必要であった作業が2人で完了し大幅に省力化されるとともに、高品質なサイレージ調製を可能にしたことを高く評価した。

    細断型ロールベーラ (ベールラッパ一体型)

    細断型ロールベーラ

    資料4

  • 原材料、組成はそのままで、添加剤などを一切使用することなく、実用的な溶解性(粉ミルクと同等、10秒間程度の撹拌で溶解)と輸送中の保形性という相反する性質を両立させることに技術的な高い障壁があった。様々な検討の結果、粉ミルクを低い圧縮力で成形した後、得られた成形体の表面を加湿および乾燥する製造法で、成形体表面付近の粉ミルク の一部が溶解して粒子同士の架橋を形成して保形性を高め、 一方、成形体の内部は水の浸入路となる間隙を充分に確保 して溶解性を高めることが可能となった。

    出生数の低下などで国内の粉ミルクの生産量は減少の一途を辿っている。しかし、固形化粉ミルクは従来からの缶入り粉製品と比較して重量換算で40%程度高い実勢価格にも関わらず、その利便性が認められて普及が進んでおり、市場占有率は平成25年度で9.6%に至っている。

    固形化粉ミルクの製造技術の開発

    【農林水産大臣賞】

    柴田満穂 氏 大坪和光 氏 豊田 活 氏 佐竹由式 氏

    (株式会社 明治 研究本部 技術開発研究所)

    【連絡先】(株)明治 研究本部 技術開発研究所(住所:〒250-0862 神奈川県小田原市成田540 TEL:0465-37-3661)

    1 業績の概要

    背景

    研究内容・成果

    普及状況

    2 評価のポイント

    粉ミルクは専用スプーンで所定量を計量して哺乳瓶に入れ、これに温水を加えて撹拌溶解して使用されるが、使用者からはスプーンでの計量時の粉こぼれ、計量数の数え間違え、持ち運びなどの不便さが指摘されていた。このような問題を解決し、育児のストレスを解消するためには粉ミルクを固形化することが有効である。粉ミルクを固形化するアイデアは古くからあったが、実用化された例は世界的にもなく、製造法と衛生的に大量生産できる製造設備の開発に取り組んだ。

    幅24mm、奥行31mm、高さ12.5mm、 1個で出来上がりの調乳液40mL相当

    x 50

    表面

    x 100

    内部

    拡大

    成形体の断面と表面、内部の電子顕微鏡写真

    粒子同士の架橋

    X300

    固形化と溶解性を兼ね備えた固形化粉ミルクの大量製造方法の開発により、衛生的で利便性に優れた製品が商品化され、母親の就労や家族の子育て支援の一助になっていることを高く評価した。

    哺乳瓶に投入 温水を加える 10秒間程度撹拌 容量を合わせて 完成

  • 香川県の特産品オリーブを活用したオリーブ牛は、県産品のトップブランドとして、全国に向けて発信され、現在、オリーブ牛生産者は県内83戸、生産頭数は約1500頭(平成25年度)に達した。指定販売店は県外12店を含め67店、指定料理店は県外5店を含む64店に、取扱店舗は、県内はもとより、首都圏、関西圏などで増加している。さらに、食肉業界、飲食業界のみならず、うどん業界、ハンバーガー業界などとの連携により、さらなる地域の活性化が図られ、輸出も始まっている。

    オリーブ粕の飼料化技術の開発と地域ブランド化の推進

    【農林水産大臣賞】

    石井正樹 氏 (農業自営)

    【連絡先】石井 正樹(住所:〒761-4134 香川県小豆郡土庄町滝宮甲54番地 TEL:0879-64-6044)

    1 業績の概要

    背景

    研究内容・成果

    普及状況

    2 評価のポイント

    小豆島での牛の飼育は、西暦700年からと古く、「讃岐牛」としてブランド化を図ってきたが、国内外の産地間競争の激化から、一層の差別化が求められていた。また、小豆島は、日本のオリーブ発祥の地であり、全国一の産地であるが、搾油後のオリーブ粕の処理に苦慮していた。そのような中、平成19年全国和牛能力共進会において、美味しさの審査基準にオレイン酸が取り入れられたことから、オリーブにオレイン酸が多く含まれていることに着目し、オリーブ粕を活用した「オリーブ飼料」の開発による香川県独自の牛肉のブランド化の取り組みを開始した。

    「オリーブ飼料」の開発にあたり、最初にオリーブ粕を「渋柿」の原理で天日干しすることにより、渋みが取れて牛が食べることを発見した。さらに、高温乾燥することにより、糖分がメイラード反応を起こし、牛の嗜好性が増すこと、「オリーブ飼料」を給与することにより、肥育成績の向上とともに、抗酸化物質などが高くなり、さっぱりとした味わいになることを発見した。この成果をもとに、小豆島の他の2戸とともに「小豆島オリーブ牛」として販売したところ、高い評価を得たので、さらに「オリーブ飼料」の増産に取組み、県下全域に「オリーブ牛」の生産を拡大し、ブランド化を推進した。

    高温乾燥技術により地域の未利用資源オリーブ搾り粕の飼料化に成功するとともに、この餌を給与した牛を香川県の「オリーブ牛」としてブランド化し、地域振興に寄与していることを高く評価した。

    オリーブ飼料 オリーブ牛

    オリーブの実

    オリーブ粕

    1.細断型ロールベーラ最終原稿スライド番号 1

    2.(株)明治 固形化粉ミルク最終版スライド番号 1

    3.石井正樹氏最終版スライド番号 1