専門演習Ⅰ 履修ガイダンス - kpu...専門演習Ⅰ 履修ガイダンス 1....

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1ページ 2020 2 19 専門演習Ⅰ 履修ガイダンス 1. 専門演習Ⅰの概要 専門演習ⅠA・ⅠB3 回生配当、各 2 単位)は、前・後期の木曜 3 コースに開講される演 習科目です。どちらも必修科目ですので全員忘れず履修してください。 各学生は、教員が 1 名または 2 名で担当するゼミのいずれかひとつに所属し、4 回生での専 門演習Ⅱと卒業論文の土台となる専門的な知識とスキルを身につけること目ざします。 来年度は以下の 11 のゼミが開講される予定です。履修登録は前期と後期それぞれでおこな いますが、基本的に同じゼミを履修してください。また、資格の関係で履修登録名が 5 種類 ありますので、自分の所属ゼミのものを間違えずに登録してください。 ◇ 2020 年度 「専門演習Ⅰ」 開講一覧 履修 コース 履修登録名 ゼミ名称 担当教員 備考 社会福祉 コース 専門演習ⅠA/ⅠB ソーシャルワークの方法 中村 専門演習ⅠA/ⅠB メンタルヘルスとソーシャ ルワーク実践 山野 専門演習ⅠA/ⅠB 生老病異の福祉と社会 中根 専門演習ⅠA/ⅠB 子ども・家族のかかえる諸 課題と支援 山口 専門演習ⅠA/ⅠB 貧困問題と社会保障 村田 人間形成 コース 専門演習ⅠA/ⅠB(社会調査) 福祉社会とコミュニティ 野田 専門演習ⅠA/ⅠB 社会的排除と回復の社会学 朝田 専門演習ⅠA/ⅠB 福祉社会と学校教育 吉岡・長谷川 専 門 演 習 Ⅰ A/Ⅰ B( 教 育・心 理 ) 子どもの発達と福祉 服部 専門演習ⅠA/ⅠB(社会教育) 福祉社会と社会教育 田所 専門演習ⅠA/ⅠB(心理) 福祉社会と心理 石田・森下

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2020 年 2 月 19 日

専門演習Ⅰ 履修ガイダンス

1. 専門演習Ⅰの概要

専門演習ⅠA・ⅠB(3 回生配当、各 2 単位)は、前・後期の木曜 3 コースに開講される演

習科目です。どちらも必修科目ですので全員忘れず履修してください。

各学生は、教員が 1 名または 2 名で担当するゼミのいずれかひとつに所属し、4 回生での専

門演習Ⅱと卒業論文の土台となる専門的な知識とスキルを身につけること目ざします。

来年度は以下の 11 のゼミが開講される予定です。履修登録は前期と後期それぞれでおこな

いますが、基本的に同じゼミを履修してください。また、資格の関係で履修登録名が 5 種類

ありますので、自分の所属ゼミのものを間違えずに登録してください。

◇ 2020 年度 「専門演習Ⅰ」 開講一覧

履修

コース 履修登録名 ゼミ名称 担当教員 備考

社会福祉

コース

専門演習ⅠA/ⅠB ソーシャルワークの方法 中村

専門演習ⅠA/ⅠB メンタルヘルスとソーシャ

ルワーク実践 山野

専門演習ⅠA/ⅠB 生老病異の福祉と社会 中根

専門演習ⅠA/ⅠB 子ども・家族のかかえる諸

課題と支援 山口

専門演習ⅠA/ⅠB 貧困問題と社会保障 村田

人間形成

コース

専門演習ⅠA/ⅠB(社会調査) 福祉社会とコミュニティ 野田

専門演習ⅠA/ⅠB 社会的排除と回復の社会学 朝田

専門演習ⅠA/ⅠB 福祉社会と学校教育 吉岡・長谷川

専門演習ⅠA/ⅠB(教育・心理) 子どもの発達と福祉 服部

専門演習ⅠA/ⅠB(社会教育) 福祉社会と社会教育 田所

専門演習ⅠA/ⅠB(心理) 福祉社会と心理 石田・森下

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2ページ 2. 専門演習Ⅰの配属

各学生がいずれのゼミに所属するかは、希望調査をもとに学部の定員調整を経て決定されま

す。大まかな手続きは以下の通りです。

① 学生の希望調査

このガイダンスでの説明と 4 ページ以降のゼミの紹介文の内容をよく確認したうえで、回答

入力ページ(Google フォーム)で所属希望を回答して下さい(3 月 2 日(月) 23:59 締切)。

締切期日の後で希望を出されてもその通りにならない場合がありますので、遅れないよう注

意しましょう。

手順は以下の通りです。

a. 希望調査用の回答入力ページ(Google フォーム)にアクセスします(次ページの図を参

照)。府大 HP の「福祉社会学科 2020 年度専門演習 1 配属希望調査について」のペ

ージ内のリンクか、スマートフォンで QR コードを読み取ってアクセスしてください。

b. 氏名、学籍番号と連絡用メールアドレスを記入したうえで、第 1 希望から第 3 希望まで

のゼミをひとつずつ選択して下さい。最後に送信(submit)ボタンを押せば回答完了で

す(送信ボタンを押さないと完了になりません!)

※ 希望ゼミは必ず 3 つ、異なるものを選択してください。

※ 調査期間内に複数の回答をされた場合は、最新の回答を採用します。

② 配属の調整と決定

希望調査の結果をもとに、以下の要領で配属を決定します。

a. まず、各学生の第 1 希望にしたがって、各ゼミに振り分けをします。

b. 定員(原則として、教員 1 名の場合学生 8 名、教員 2 名の場合学生 16 名)を超過しない

ゼミについては、所属学生が決定となります。

c. 定員を超過したゼミについては、選考を行います。3 月中旬頃に担当教員から、連絡用メ

ールアドレス宛に連絡が届きますので、指示に従ってください。選考方法は、個別面接や

希望者同士の話し合い、単位の履修状況等、教員によって異なります。

選考を経て、所属学生が決定となります。

d. c の選考に漏れた学生は、第 2 希望のゼミに配属となります。ただし、第 2 希望のゼミ

で定員超過が起きる場合は、第 3 希望のゼミに配属となります(そこでも超過した場合

は個別に対応します)。

e. 4 月の在学生ガイダンスで配属を通知します。4 月以降に、編・転入学生の加入で人数

が変動する場合がありますが、そこで 8 名を超えても基本的にそのままの配属でゼミを

おこないます。

※ やむを得ない場合を除き、希望調査に未回答の学生が、人数を超過したゼミに後から加

入することはできませんので、忘れず期間内に回答をして下さい。

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★ 配属希望回答入力用 Google フォーム画面

※ Google フォームアクセス用 QR コード

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4ページ 3. 専門演習Ⅰのゼミ紹介

★社会福祉コース

【ゼミ名】ソーシャルワークの方法 【担当教員】中村佐織

本年度のゼミでは、ソーシャルワーカーの専門的方法を獲得するために必要な価値・知識・技術を

演習プログラムの視点から、多面的に考えてみたいと思います。そこで、前期は、まず自身の関心

ある社会福祉の今日的な問題とその支援方法から専門的方法獲得の意味を考えていきます。後期は、

ソーシャルワーカーとしての専門的方法や役割、また専門職倫理・価値について、多様な素材(文

献、雑誌、マンガ、DVD、映画、支援者の話や施設訪問)を用いて、演習プログラムを考えてみた

いと思います。そして最終的には、オリジナルな演習プログラムを完成させていくことを目的とし

ます。またゼミでは、1人1人の積極的参加はもちろん、サブグループを作り、そこで主体的に報

告していくことを行います。さらに、その成果を他大学とのゼミ交流や実践現場で報告することも

考えています。

この一年間を通して、卒業論文のテーマ等を決めていって欲しいと思います。なお、今年度は可能

ならば、社会福祉士を希望する学生と一緒にゼミを進めていきたいと思います。

【4 回生での卒業論文について・実例等】

・高齢者施設における音楽レクリエーション活動の分析~なじみの音楽の活用と語りの重要性につ

いて~

・高齢者福祉施設における介護ロボット導入の意義~対人支援の質との関係から~

・高齢者のキャッシュレス利用における課題と展望~スマホ教室利用者への調査から~

・特別養護老人ホームにおける介護職員の専門性にする考察 ~利用者主体の視点から~

・特別養護老人ホームにおけるボランティア受け入れに関する一考察 ~特別養護老人ホーム「は

なぞの」の実践から~

・認知症高齢者の受容に向けた支援に関する考察 ~小規模多機能型居宅介護の実践から~

・滋賀県甲賀市における福祉のまちづくり ~地域活動の考察から~

・認知症高齢者のレクリエーションプログラムの検討

・特別養護老人ホームにおける利用者の意思尊重支援の意義~介護職員へのヒアリング調査から~

・知的障害者のグループホームにおけるソーシャルワークの特徴~乙訓ひまわり園のグループホー

ムにおける地域生活支援の調査から~

・介護老人保健施設における在宅復帰アセスメントの重要性~在宅復帰支援事例分析から~

・介護支援専門員の支援におけるストレングス視点の必要性~居宅介護支援事業所 A における支援

事例の分析から~

・初期支援としての認知症カフェの機能~社会福祉法人同和園の認知症カフェの実践の検討から~

・発達障害児受容に関する親支援への一考察~親の障害受容プロセスに着目して~

・急性期病院の医療ソーシャルワーカー固有の支援方法に関する一考察~A さんの事例から~

・エコロジカル視点からみた大津方式による発達障害児支援~発達障害児に対する支援者へのヒア

リング調査から~高齢者に対する災害支援についての一考察 ~社会福祉協議会における防災支

援システムの検討~

・地域包括支援センターにおける民生委員の活用の意義~要支援者の発見事例の分析から~

・医療ソーシャルワーカーの新たな可能性についての一考察~医療安全対策委員会への関わりから

・特別養護老人ホ~ムにおける介護職員のコミュニケーションに関する考察~コミュニケ~ション

スキルの向上に向けて~

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【ゼミ名】メンタルヘルスとソーシャルワーク実践 【担当教員】山野尚美

「人間の尊厳」「社会正義」「スティグマ」をキーワードに、現代社会におけるメンタルヘルス関

連問題と支援のあり方について、相談・支援の現場の実状と背景を踏まえながら理解を深めます。

とりわけ現時点では法制度の整備が十分ではない問題や、司法と医療の狭間に置かれた問題を中心

に、幅広く取り上げられたらと思います。

ここでは、ゼミの大きな枠組みについてはお示ししていますが、具体的内容については、受講生同

士の合議によって自由に選択、決定して頂くことになります。積極的かつ主体的な態度を期待して

います。

毎週の文献講読とディスカッションが中心となりますが、文献の選択や進め方等については、受講

生の合議を踏まえて決定します。

また、その年度の受講生の関心に応じて、次のような活動も行っています。

(過去にゼミで行った活動の例)

〇裁判傍聴(京都地裁)

〇刑事施設見学(京都刑務所・笠松(女子)刑務所、京都拘置所)

〇更生保護施設見学(更生保護施設 盟親)

〇薬物依存者のリハビリ施設見学(京都ダルク)

〇精神障害者を対象とする就労継続支援事業所等見学(みつわ会、サニーデイ)

〇施設等のイベントサポート(更生保護施設 盟親のクリスマス会・もちつき・七夕会、

京都ダルクフォーラム)

〇就労支援事業所の利用者と一緒に半木祭で出店

4 回生では、精神保健福祉援助実習および国家試験の準備と並行しながら、卒論執筆に取り組むこ

とになりますので、3 回生の段階で 2 年間のタイムスケジュールを受講生が立案・決定します。

毎年、受講生は互いに助け合いながら、「実習→卒論→国試」を上手く乗り切っています。

【重要!】

〇 テーマについての関心があれば、精神保健福祉士取得を希望されていなくても選択可能ですが、

3 回生後期以降のスケジュールが、実習、国試に配慮した形になることを予めご了承ください。

〇 「精神保健福祉士取得希望者は必ずこのゼミを」というわけではありません。

〇 PSW 卒後教育プロジェクトへの参加等による、卒業生との積極的な交流を期待しています。

*卒後教育プロジェクトについては、京都府大のホームページの検索欄に「精神保健福祉士」と入力すると、

過去の実施内容を読むことができます。

【4 回生での卒業論文について・実例等】

「犯罪加害者の家族を取り巻く社会状況と困難 〜新たな支援の構築に向けて〜」

「自死遺族支援における当事者の語りの意義」

「女性受刑者の再犯防止・社会復帰支援 〜女性固有のニーズに注目して〜」

「本人の同意によらない医療 〜強制入院の許容の背景と人権侵害防止措置を中心に〜」

「アルコール依存症の回復支援の現状と課題 〜啓発の視点から〜」

「大学生の自殺とメンタルヘルス管理体制〜大学に期待される自殺予防対策とは〜」

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【ゼミ名】生老病異の福祉と社会 【担当教員】中根成寿

2020 年度の中根ゼミは「生老病異の福祉と社会」をテーマにしようと思います。

生活すること(働くことやケアすること)、老いること、思い通りにならない身体や脳であるこ

と、生の様式が異なることは、その人や周囲の人や社会にとって、受け止め方は様々です。とりあ

えず、社会の方を重点的に、生老病異の捉え方を考えましょう。社会と家族の関係、ジェンダー化

された役割を演じる/期待されること、ケアする/されることを制度、規範、感情をキーワードか

ら考察します。

前期は文献の講読を基盤に、フィールドワーク(裁判傍聴、や映画など)を実施する予定です。

後期は、各人が深めたいテーマに沿って発表やおすすめの映画のプレゼンなどをしてもらおうか

と思います。

【4 回生での卒業論文について・実例等】

●知的障害児・者のきょうだいの経験に関する社会学的考察-家族規範とジェンダーの視点か

●『軽度身体障害者』とは誰か-アイデンティティと能力主義の狭間で

●私たちは誰を知的障害者と呼ぶのか-知的障害者の「定義」をめぐって-

●自立生活における無償介助者の経験する「逃げられなさ」について

●「知的障害」とは何か~日常生活における“知的障害っぽさ”を発見する

●『母娘関係における家父長制の影響—高学歴女性の娘の語りから』

●「発達障害者」はどのように「診断」と出会うのか-「早期発見」されなかった当事者への

インタビューから

●共働き夫婦における育児・家事分担をめぐる男性の葛藤からみた「イクメン」の再検討

●差異の生まれ方と付き合い方ー在住外国人介護労働者へのインタビューからー

●ぬいぐるみは「家族」である?〜社会における他者との関わりの変化〜

●ヤングケアラーのケアプロセスへの参加動機~当事者へのインタビューを通した分析と考

察~

●なぜこども食堂は増えているのか?

●結婚移民のライフヒストリー-在日フィリピン人女性へのインタビューを通して-

●不登校児のきょうだいとして生きるリアリティ

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【ゼミ名】子ども・家族のかかえる諸課題と支援 【担当教員】山口敬子

子どもが育つ家庭の中には、貧困や虐待、子育て不安、ドメスティック・バイオレンス(DV)、

離婚など、様々な課題を抱えるケースが増えており、子育て支援や虐待防止、虐待対応の必要

性が高まっています。

こうした状況をふまえて、ゼミでは、現代社会における子どもや家族をめぐる諸問題、特に、

支援を必要とする子ども・家族について理解を深めていきたいと思います。

前期は、文献を輪読し、発表やディスカッション、論評を重ねながら、子ども家庭福祉や社

会的養護の諸課題について理解を深めていきたいと思います。具体的には、児童養護施設等の

施設養護のもとにいる子どものケアをめぐる課題、里親・養子縁組を含む非血縁の「家庭」へ

の支援の課題、子どもと家族にかかわる多様な専門職に求められる支援について問いを立て、

考えていきます。また、国内外の資料や実践事例を通し、親子分離や多様な喪失・困難を体験

している子どもの権利保障・自立支援のあり方についても理解を深めていく予定です。

後期は、文献や客観的資料を学生自身が収集し、内容を理解したうえで発表やディスカッシ

ョンを行います。そうしたプロセスから、自分の意見を他者に伝える力を磨くとともに、関心

やこだわりを明確にし、卒業論文のテーマ設定につなげていきます。

【4 回生での卒業論文について・実例等】

「家庭訪問型子育て支援の重要性~家庭訪問支援員に対するインタビュー調査から~」

「子ども貧困対策としての学習支援事業の現状と課題~海外の制度を参考に~」

「児童養護施設の被虐待児に対する心理的ケアの現状と課題~日常生活で行う心理的ケアの

意味~」

「社会的養護下にある児童の自立支援について~インタビュー調査から考える“頼れる場所”の

必要性~」

「子どもの権利擁護における子どもオンブズパーソン制度の重要性~いじめ事例の検討から~」

「児童養護施設で暮らす子どもの自己肯定感を育むには~大学進学に焦点を当てて~」

「子どもの貧困を解決する食~食支援活動から見た糸口と課題~」

「現代社会に求められる“子育て家庭を支える地域のつながり”とその重要性~世代間交流に

焦点を当てて~」

「里親支援におけるニーズと民間里親支援機関の役割~NPO 法人キーアセットの活動から見る

里親支援に求められるもの~」

「子育ての孤立に対する子育て支援の重要性~親同士のつながりから~」

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【ゼミ名】貧困問題と社会保障 【担当教員】村田隆史

本ゼミでは「貧困問題と社会保障」、「社会保障と労働政策の視点からみた生活保障」、「社

会福祉の基本原理」を考える機会を作りたいです。日本においても「格差・貧困」「差別・不

平等」という言葉が日常的に使われるようになりました。このような現状は全ての人々の生活

保障を目的とした社会保障が機能していないことを表しています。社会保障・社会福祉を必要

とする人々の生活実態から、制度・政策のあり方を考えていきたいです。

具体的には<3 年次>は文献を決めて輪読します。後期からは卒業論文の構想について個別報

告もしてもらいます。また、月に 1 冊本を読んで自主レポートを出してもらいます。<4 年次>

は卒業論文の執筆に取り組みます。ゼミでの報告と個別指導が中心です。それぞれの進路に向

けて力を入れる時期は異なると思いますので、各自に研究に集中する時期を決めてもらいます。

ゼミの大枠は上記の通りですが、基本的には話し合いで決めることになると思います。

普段のゼミの時間以外にも、ゼミ合宿、ゼミ生同士や他大学との交流、地域でのイベントな

どへの参加、なども皆さんと相談しながら企画していきたいです。ただし、関西地方での活動

基盤があるわけではないので、具体的に何ができるかはまだわかりません。

ゼミ活動の主体は学生です。ゼミ生の一人ひとりがゼミにおける役割と責任を持って活動で

きるようにして欲しいです。ゼミを一緒に創り上げる、日々の活動を大切にできる学生を希望

します。

私は 2020 年 4 月に着任予定です。そのため、ゼミを選ぶ際に不安なことも多いと思います。

私のこれまでの活動については、Researchmap を見てみてください。また、質問がある場合は

3 月 3 日(火)まで、Mail([email protected])をくだされば可能な範囲でお答えします。

【4 回生での卒業論文について・実例等】

これまで、卒業論文は基本的に好きなテーマで書いてもらっていました。ただし、最近はち

ゃんと専門分野が近いテーマで書いてもらった方がいいかもしれないとも思います。そのこと

も含めて、相談しながら決めましょう。

・非正規雇用の待遇改善に向けた現状と課題

・新規学卒者の離職率から見える実態と早期離職の要因

・失業時のセーフティネットと最低生活保障機能に関する研究

・ひとり親家庭における貧困問題の現状と課題

・ノーマライゼーション原理に関する研究~三大提唱者の論説を比較して~

・福祉人材の確保における現状と改善策~介護福祉士と保育士の労働実態を例として~

・日本の住宅政策とナショナルミニマムの欠如~イギリスの住宅政策と比較して~

・犯罪社会学の 3 モデルの再犯抑制効果に関する一考察~社会復帰モデルが求められる意義~

・男女間格差と女性のキャリア形成

・子育て費用と教育機会の不平等

・開発途上国への国際協力の現状と教育分野における課題

・医療行為と患者の同意に関する研究~認知症高齢者を事例として~

・生活保護ケースワーカーの専門性に関する一考察

・若者の地元回帰に関する現状と課題-北東北地方を事例として-

・日本における安楽死議論の現状と課題

・少子化政策における日仏比較研究

・成年後見制度における死後事務の意思表示に関する研究

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9ページ ★人間形成コース

【ゼミ名】福祉社会とコミュニティ 【担当教員】野田浩資

【ゼミの目標】

現代社会の変化・変動を捉え、地域社会のさまざまな課題に応えるため、「社会学の考え方」と

「社会調査の方法」を学び、地域社会の現場(フィールド)から「社会調査のプロセス」を身につ

けることを目標とします。

地域社会の多様な課題をテーマとする調査に共同で取り組み、まちづくり・地域活性化、伝統文

化・伝統産業の継承、住民参加による福祉・教育活動など、地域住民の主体的活動による地域社会

形成について一緒に考えていきます。文献調査からスタートし、調査を企画・設計し、地域の住民・

NPO、行政担当者などへのインタビューやフィールドワークを行い、レポート・報告書にまとめ

るまでの「社会調査のプロセス」を、アクティブラーニング型で実践的に学びます。

「社会調査士」資格の対応科目ですが、資格取得を目的としない受講生も歓迎です。

【ゼミの進め方・スケジュール】

前期は、社会調査方法論、地域社会学・コミュニティ論などのテキスト講読を進めながら、現地

(西陣方面を予定)で予備的調査(町歩き、地域イベントへの参加、行政機関へのヒアリングなど)

を体験します。各自の問題関心を深め、調査テーマを設定していきます。

後期は、各自の調査テーマに応じて、調査を企画し、インタビュー調査やフィールドワーク、ア

ンケート調査などを実施し、調査結果をレポートにまとめていきます

【テキスト】

講読で取り上げるテキストは、受講生と相談して決めます。これまでの例は以下の通りです。

『〈つながる/つながらない〉の社会学-個人化する時代のコミュニティのかたち』(長田・田所

編、弘文堂)、『現代的コミュニティとは何か』(船津・浅川、恒星社厚生閣)、『社会学をいか

に学ぶか』(舩橋晴俊、弘文堂)、『京都の「まち」の社会学』(鰺坂・小松編、世界思想社)、『変

容する西陣の暮らしと町』(法律文化社)など。

主に、社会調査に基づいた卒業論文に取り組んでいます。テーマは、下記の例の通りさまざまで

す。また、社会学理論・学説史の論文も指導しています。

「観光まちづくりと地域住民間のつながり」

「京都市の地域住民組織の課題と今後のモデル」

「地域での子育て支援の現状と課題」

「中心市街地における商業コミュニティの重要性」

「西陣に集まる職人たち」

「地域コミュニティと人見知り」

「NIMBY施設が地域住民に受け入れられるために必要な条件」

「町家保全活動の比較-町家への想い」

「都市農村交流による地域活性化の研究」

「認知症カフェの内側-オレンジカフェ今出川の事例から」

「現代日本の社会関係資本に関する考察」

「再帰的近代とソーシャル・ネットワーキング・サービス」

「現代若者の就労問題-コミュ力があれば就職できるのか」

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【ゼミ名】社会的排除と回復の社会学 【担当教員】朝田佳尚

本ゼミでは、現代の社会的排除と回復の社会学を主に下記の3つの観点から扱います。

①社会病理学:自殺、いじめ、生きづらさなどの社会病理・(これまでの社会からすれば)逸脱的

な行動の発生の機制、更生保護の制度や実務、犯罪社会学(犯罪(者)・非行の事例分析・刑事

政策の変化など)、外国人、SOGI、論争中の病などの社会的排除に関わるマイノリティ研究

②地域福祉論:福祉コミュニティづくり・地域づくりの事例分析、NPO や地域団体などによる制

度づくり、地域福祉論や福祉主体の理論研究

③文化社会学:日常世界や社会関係を規定する社会構造・社会変動の分析と理解、文化現象につい

てのエスノグラフィー・言説分析・構築主義、文化に関する社会学の理論研究

本ゼミでは3回生の1年間で、「ひとつの研究課題をもち解答を得るためにはどのような作業が必

要か」を体験してもらいます。そのために、自分で何かしらの課題を作ってもらいます。上記の3

つの観点に関連する社会的な課題を考えたい場合は、ぜひそれを追求してください。同時に、「社

会病理」という概念にとらわれることなく、うまく言葉にならないが日常生活で「なぜかこれが気

になる」、「なんでこうなんだろう」というものを研究課題としてもらってもかまいません。その

意味で、上記の3つの観点はあくまで目安です。社会病理学に合わせることなく、「個人的だが普

遍的な」課題を設定してください。

前期は自らの研究課題を設定し、それに関連する文献の講読と研究発表を行います。後期は講読を

進めるとともに、予備的な調査にもとづいたレポートを作成してもらい、卒論に向けた足がかりを

つくる予定です。受講生の要望に合わせて、地域調査や更生保護の現場見学なども実施します。

ゼミは講読と議論を中心的な内容とします。3回生レポート作成にあたっても、研究課題に関わる

書籍や資料の読解は必須です。ゼミ内でも講読の時間をもうけますが、個人研究を進めるために、

自ら書籍や論文の読解を進めてください。また、ゼミ参加者の「気になっていること」が他の受講

者にとっても社会的には連続性があることを経験してもらうためにも、ゼミでは議論への積極的な

参加をお願いしています。

【4 回生での卒業論文について・実例等】

・初発型非行に見る規範意識論の再考

・少年院での矯正教育の現状と課題について

・就職活動失敗による若者の自殺と若者の在り方

・日本社会における「見えにくい宗教差別」とはどのようなものか―天理教に関わるメディア分析

・日本の子どもや若者の自尊感情はなぜ低いのか

・バリアフリー観光の課題と展望

・中山間地域の交通弱者に対するコミュニティバスによる支援について

・安心して徘徊できるまちづくりとは

・人が人を支援すること ―金銭取引を伴う性交渉を行う知的障害女性の考察から―

・奥山由之の写真はなぜ人々を惹きつけるのか

・「女子力」の意味から見える社会変動

・「自己コントロール社会」における「ほんとうの自分」の問題と〈ほんとうの自分〉の可能性

・現代社会の「弱者」への対応を再考する ―24 時間テレビの分析より―

・現代日本における葬送儀礼の役割

・現代日本における欲望のゆくえ ―三億円事件の表象分析から―

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【ゼミ名】福祉社会と学校教育 【担当教員】吉岡真佐樹・長谷川豊

テーマ:現代社会における学校教育のあり方を探る―子ども・青年の成長と自立をめぐってー

このゼミでは、現代社会における学校(小学校から大学まで)や教育のあり方、子ども・青

年の成長と自立のあり方について考えます。

いま「子どもの貧困」にみられるように、経済的な格差の拡大が教育の格差、学力の格差の

問題となって現れ、高額な学費は青年の未来に大きな影を落としています。不登校と学習権保

障、私学助成、学費無償化など、教育の自由と平等をめぐる問題が数多く存在しています。

学校では、学力テストや入試改革に伴い、学力や能力の新たな「競争」が展開されています。

小学校での英語教育、特別な教科「道徳」、高校での「地理総合」「歴史総合」「公共」の必

修、センター試験に代わる大学入学共通テストなど、日本の学校・教育はどう変えられるので

しょうか。

このゼミでは、学生の皆さんの興味や関心、疑問を出発点に、①現代社会と学校をめぐる諸

問題(格差・貧困と教育、学力・能力・発達・障害、いじめ・非行や不登校、教師や SSW、SC

など)、②子ども・青年の成長・発達と自立、「学校から社会への移行」、職業選択と職業教

育などをテーマに、議論、探究します。

教育や学校関係の文献や論文を手がかりに議論を進めます。また学校見学や調査なども行う

などして、卒業論文作成を展望した学習・研究を進めます。

【4回生での卒業論文について・実例等】

(学校教育、教育制度、教育内容・方法)

◆大学進学率の規定要因の変化~「大学全入時代」における変化に着目して~

◆専門職大学の意義と可能性―高等教育段階における職業教育の視点から―

◆「給特法」と教員の長時間労働~教員の労働環境を改善するには~

◆日本における英語教育の課題~「グローバル教育」と英語教育の齟齬をめぐって~

◆高等学校における「死に関する教育」の必要性と可能性~安楽死・尊厳死の授業の試み~

◆中学校部活動の現状と課題~「ブラック部活」克服のために~

◆フリースクールの公教育化をめざして~教育機会確保法をめぐる議論の検討~

◆高校多様化に対する批判的検討~準義務教育としての高校教育の方向性を考える~

◆教育における「個性化」路線批判~教育と社会的不平等の現代的展開~

◆聴覚障害児教育の方法論~口話法・手話法の歴史と今後の教育方法のあり方をめぐって~

(教育と福祉の連携、経済的・福祉的支援)

◆給付型奨学金制度導入に関する一考察~給付対象者・給付額を手がかりに~

◆高等学校における私的負担の学校間格差~〇〇市・△△地域の公私比較から~

◆大学等へ進学する児童養護施設児童の経済的支援に関する現状と課題

◆就学援助制度における地域格差の現状と課題

◆子どもの貧困対策におけるスクールソーシャルワーカーの役割と課題

(学校から社会へ、若者の就労支援)

◆日本における新卒一括採用制度の成立・展開と課題

◆若者の就労支援と地域若者サポートステーションの課題

その他、児童詩教育、ドラマ教育、道徳教育、不登校児童・生徒支援、「いのち」の教育思想、

地域スポーツクラブ、市民アイデンティティの醸成、「おもてなし」文化、などなど。

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【ゼミ名】子どもの発達と福祉 【担当教員】服部敬子

超少子化時代といわれる昨今、子育て上の困難さを抱える親子の増加、保育所に入れない待機児

童の増加と「保活戦争」(入れる保育所を探す活動の過酷な状況)、規制緩和による「保育の質」

の低下など、乳幼児の福祉をめぐって検討すべき課題が山積しています。安心して遊ばせることが

できる場所や子ども仲間の減少、経済的な格差の増大など、子育て環境が貧困化している現代社会

においては、「発達早期からの質のよい(集団的な)保育がすべての子どもに必要」との考え方が

国際的に認められるようになっています。

本ゼミでは発達心理学の方法や成果を学びつつ、「子どもの発達保障」という観点から「保育の

質」、及び「特別なニーズをもつ子どもの保育」について考えます。共通文献として、次の3冊ほ

か学会誌論文を予定しています。(購入できない場合や絶版本は、コピーまたは貸し出します)

1.秋田喜代美ほか『あらゆる学問は保育につながる:発達保育実践政策学の挑戦』

(東京大学出版会、2016 年)

2.別冊日経サイエンス『認知科学で探る 心の成長と発達』(日経サイエンス社、2019 年)

3.清水民子ほか編『保育実践と発達研究が出会うとき』(かもがわ出版、2006 年)※貸出

これらの本について、報告担当者を決めて議論します。また、「子ども・子育て(新)制度」で

拡充がはかられている学童保育や小規模保育事業でのフィールドワークを予定しています。

後期には各自が選んだ文献を発表し、批判的に検討する議論を通してそれぞれの問題関心を多角

的に深め、卒業研究のテーマ設定へとつなげていきます。↓↓卒論テーマも参考にしてください。

【4 回生での卒業論文について:内容の分類】

これまで 100 名超のゼミ生が多様なテーマで論文を書いたので分類しています(でも多様)。

●子どもの発達的特徴や指導方法について(遊び、友達関係、描画、ことば、運動面、想像力

絵本の理解、偏食、くせ、動機付けなど)

●特別なニーズがある子どもの発達と指導・支援方法について(事例研究、保護者支援、保育

実践の分析、児童養護施設の子どものニーズ調査、放課後の過ごし方、病弱児教育、薬物治

療の実際など)

●子育て支援の制度、方法について(行政機関、保育所、子育てサークルなど)

●子どもの発達を支援する専門職、施設について

(保育士、チャイルド・ライフ・スペシャリスト、学童保育、療育施設、夜間保育)

●子育てのしかたと親子関係(関わり方のタイプ)と社会性との関連、叱り方の実態

●父親の育児参加と母親のストレス、育児不安との関連

●きょうだい関係(出生順位と社会的特性、障がいがある場合の支援方法)

●大学生の学習意欲や進路決定に関わる要因の検討

●発達障害がある学生に対する支援方法

●小学生の遊び・遊び場、友人関係

そのほか、左利きとユニバーサルデザイン、音楽教育の変遷、公園の特徴と使用状況、成人障

害者のアート活動、臓器移植に関する教育、など。

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【ゼミ名】福祉社会と社会教育 【担当教員】田所祐史

社会教育の歴史や現状について、理論や実践報告、行政資料等の文献・史資料講読を中心にして

学びあいます。

前期は、小林繁ほか『生涯学習概論』(エイデル研究所、2014 年)などの社会教育学関係の入門書

を基本テキストとし、適宜、宮原誠一、小川利夫ほかの論文や史資料を講読する予定です。

今年度は、1950 年前後の公民館の都道府県別史資料分析にも取り組みたいですが、ゼミ生と相談

のうえ、公民館史に限らず各自の問題関心・課題意識に即したテーマを取り上げる予定です。

後期に卒業論文構想を報告する機会を設け、卒論作成への下準備も進めていきます。卒論テーマ

は、下欄の例のほかにも設定可能です。「生涯学習論」でふれたように、社会教育が扱う領域は多

岐にわたり、対象とする学習主体も子どもから高齢者まで幅広いです。どんなテーマであれ、社会

教育や教育福祉の観点から探究することになります。

田所ゼミは 2015 年度にスタートし、3 回生は 15 年度から順に、1 名、2 名、3 名、1 名、3 名が

参加しました(年度当初の人数。のちに増減あり)。ゼミ生には、演習における報告のほか、レポ

ート作成を各期末に求めます(内容によっては、年度末発行のゼミ年報に掲載)。4 回生・院生ほか

と合同開催の演習や、研究会-『月刊社会教育』を読む会、合宿、日帰り見学などへの参加を求める

ことがあります(ゼミ合宿は、17 年度は奈良市月ヶ瀬 1 泊、18 年度はなし。専門演習Ⅱで福井県坂

井市方面 1 泊、19 年度は日帰りで滋賀県日野町、京都市内 ツラッティ千本や立命館大学国際平和

ミュージアムなど)。

本ゼミ以外の科目を履修することは卒論構想・準備にプラスになります。気軽に履修相談を(研

究室は 2 号館 2 階)。「現代社会と社会教育」(2020 年度は非常勤講師が担当)をはじめ、教育学

や隣接領域の講義を 3 回生のうちに積極的に履修してください。また、教育史に興味があるならば

歴史学科の講義履修を、博物館に興味があれば博物館学の諸科目の講義履修をおすすめします。

本ゼミは、社会教育主事任用資格取得の必修科目です。資格取得を目的としない参加でも可。残

念ながら現在、社会教育主事枠の自治体職員募集は僅少~皆無に近い状況です。なお、20 年度入学

の 1 回生から実習が必修になるなど養成制度が変わりますが、18 年度入学のみなさんは制度変更の

影響はありません(実習もなし)。また、社会福祉士受験資格取得を目指しながら田所ゼミに所属

する例が 15 年度以降 4 件あります。

【4 回生での卒業論文について・実例等】

・2019 年度(1 名) 「外国人集住地域における日本語学習支援とその背景に関する考察 ~滋賀県

湖南市日系ブラジル人集住地域を例に~」

・2018 年度(6 名) 「過疎地域の課題と地域の公民館の役割 ~石川県羽咋市・輪島市の事例~」、

「自主防災会を中心とした主体間連携による防災まちづくり ~京都市上京区成逸学区を事例とし

て~」、「高等学校普通科でのキャリア教育の現状と課題 ~生徒の将来に対する意識の視点から~」、

「鳥取県倉吉市上井地区の地域内交流活性化における公民館活動の役割」、「歴史博物館におけ

る小中学生を対象とした展示のあり方について ~大阪歴史博物館のキャプションから~」、

「鉄道路線の存廃・活性化をめぐる地域の取り組みについての考察 ~6 事例の比較を通じて~」

・2017 年度(3 名)「地域若者サポートステーションにおける就労支援の現状と課題」

「ボーイスカウトが影響を与えた宗教系少年団体に関する歴史的考察」

「自転車の交通安全教育の向上についての考察」

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【ゼミ名】福祉社会と心理 【担当教員】石田正浩・森下正修

2回生までに、心理学の中に実にさまざまな研究テーマがあることがわかってきたことと思いま

す。3回生ゼミでは、自身の関心を心理学の実験や調査で具体的に調べるための基礎を学んでくだ

さい。

前期のゼミでは、心理学の歴史の中で重要かつ興味深い研究をコンパクトに紹介した英語の書籍

を取り上げます。心理学が普遍的な人間理解をめざす以上、世界中の優れた研究の成果を英語で読

むことは避けて通れません。わからない部分はわからないなりにレジュメにまとめてもらって、各

自発表をし、議論を行います。

後期のゼミは、卒論に向けての準備も兼ねた内容になります。後期の前半は、各自が自分の関心

にそって研究論文を探して発表をおこないます。先行研究の検索の仕方や、先行研究から疑問点や

不明な点を見つけて自身の研究テーマにするような論文の読み方を指導します。

後期の後半は、数名ずつのグループに分かれ、先に読んだ研究論文をもとに自分たちの研究テー

マを設定して実験・調査をしてもらいます。質問紙や課題を考えたり、データを分析したりといっ

た過程を体験して、卒業論文の執筆に役立ててもらおうと思います。

【4 回生での卒業論文について・実例等】

質問紙による調査系の研究と、集団や個別でおこなう実験系の研究とがあり、これまでは前者が

多いです。テーマ的には、社会、性格、感情、認知心理学などが中心となっています。

・大学生のアルバイトにおけるワークモチベーションの研究

・大学生のエフォートフル・コントロールと遅刻・欠席との関連について ~睡眠と外的制約の影

響~

・大学生のネガティブな経験の類似性が自己開示に及ぼす影響

・日本人的性格と面識条件による遠慮行動のちがいについて

・援助行動の性差と平等主義的性役割態度の関係について

・対人援助職志望の大学生の共感性とレジリエンス ~共感疲労および実習の自己評価との関連に

ついて~

・募金広告の描写が援助対象者への寄付行動に及ぼす影響について

・障害理解教育による障害者に対する差別意識の解消について

・羞恥場面における同行者との心理的距離、同行者の性格特性が羞恥感情に及ぼす影響

・対人不安傾向、対人状況における関係の持続・親密さ・人数と対人不安の否定的な解釈バイアス

との関連

・きょうだい構成・きょうだい地位と単独行動の関連性の検討 ~友達とのつきあい方と独自性欲

求の媒介効果の検討~

・詐欺メイクと自己嫌悪感、妬み感情との関連について ~詐欺メイクの頻度、認識、および男女

差に基づく検討~

・商品名に使用する男性的・女性的な言葉が購買意欲に与える影響と食物新奇性の関連について

・泣くことによる感情の変化および泣き行動の個人差について

・ポジティブ語とネガティブ語を用いた言語課題遂行時の聴取音楽の影響 ~気分一致効果と状態

依存効果による検討~

・回想の仕方による心理的適応とノスタルジアの検討