臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年 月 日作成...

22
臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 7 13 日作成 薬品名 副作用について イリノテカン (1)重大な副作用(頻度不明) 1)骨髄機能抑制: 汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血、発熱性好中球減少症等があ らわれるので、末梢血液の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休 薬等の適切な処置を行うこと。 また、高度な骨髄機能抑制の持続により、次のよう な疾患を併発し、死亡した例も報告されているので、頻回に血液検査を実施し、観察 を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。 ・ 重症感染症(敗血症、肺炎等) 重篤な白血球・好中球減少に伴い、敗血症、肺炎等の重症感染症があらわれること がある。 ・ 播種性血管内凝固症候群(DIC) 重篤な感染症、血小板減少に伴い、播種性血管内凝固症候群があらわれることがあ る。 2)高度な下痢、腸炎:下痢、大腸炎、小腸炎、腸炎(部位不明)があらわれるので、 観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこ と。 なお、高度な下痢の持続により、脱水、電解質異常、ショック(循環不全)を併発し、 死亡した例も報告されているので、十分に注意すること。 3)腸管穿孔、消化管出血、腸閉塞:腸管穿孔、消化管出血(下血、血便を含む)、腸 管麻痺、腸閉塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた 場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 なお、腸管麻痺・腸閉塞に 引き続き腸管穿孔を併発し、死亡した例が報告されている。これらの症例の中には、 腸管蠕動を抑制する薬剤(ロペラミド塩酸塩、モルヒネ硫酸塩水和物等)の併用例が あるので、腸管蠕動を抑制する薬剤を併用する場合には、特に注意すること。 4)間質性肺炎:間質性肺炎があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観 察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う こと。 5)ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあ るので、観察を十分に行い、呼吸困難、血圧低下等の異常が認められた場合には、投 与を中止し、適切な処置を行うこと。 6)肝機能障害、黄疸:肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査 を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処 置を行うこと。 7)急性腎不全:急性腎不全があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観 察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。 8)血栓塞栓症:肺塞栓症、静脈血栓症があらわれることがあるので、観察を十分に行 い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 9)脳梗塞:脳梗塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められ た場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 10)心筋梗塞、狭心症発作:心筋梗塞、狭心症発作があらわれることがあるので、観察

Upload: others

Post on 07-Oct-2020

1 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年 月 日作成 ......臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年7 月13 日作成 を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこ

臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018年 7月 13日作成

薬品名 副作用について

イリノテカン (1)重大な副作用(頻度不明)

1)骨髄機能抑制:

汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血、発熱性好中球減少症等があ

らわれるので、末梢血液の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休

薬等の適切な処置を行うこと。 また、高度な骨髄機能抑制の持続により、次のよう

な疾患を併発し、死亡した例も報告されているので、頻回に血液検査を実施し、観察

を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

・ 重症感染症(敗血症、肺炎等)

重篤な白血球・好中球減少に伴い、敗血症、肺炎等の重症感染症があらわれること

がある。

・ 播種性血管内凝固症候群(DIC)

重篤な感染症、血小板減少に伴い、播種性血管内凝固症候群があらわれることがあ

る。

2)高度な下痢、腸炎:下痢、大腸炎、小腸炎、腸炎(部位不明)があらわれるので、

観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこ

と。

なお、高度な下痢の持続により、脱水、電解質異常、ショック(循環不全)を併発し、

死亡した例も報告されているので、十分に注意すること。

3)腸管穿孔、消化管出血、腸閉塞:腸管穿孔、消化管出血(下血、血便を含む)、腸

管麻痺、腸閉塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた

場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 なお、腸管麻痺・腸閉塞に

引き続き腸管穿孔を併発し、死亡した例が報告されている。これらの症例の中には、

腸管蠕動を抑制する薬剤(ロペラミド塩酸塩、モルヒネ硫酸塩水和物等)の併用例が

あるので、腸管蠕動を抑制する薬剤を併用する場合には、特に注意すること。

4)間質性肺炎:間質性肺炎があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観

察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う

こと。

5)ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあ

るので、観察を十分に行い、呼吸困難、血圧低下等の異常が認められた場合には、投

与を中止し、適切な処置を行うこと。

6)肝機能障害、黄疸:肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査

を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処

置を行うこと。

7)急性腎不全:急性腎不全があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観

察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。

8)血栓塞栓症:肺塞栓症、静脈血栓症があらわれることがあるので、観察を十分に行

い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

9)脳梗塞:脳梗塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められ

た場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10)心筋梗塞、狭心症発作:心筋梗塞、狭心症発作があらわれることがあるので、観察

Page 2: 臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年 月 日作成 ......臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年7 月13 日作成 を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこ

臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018年 7月 13日作成

を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこ

と。

11)心室性期外収縮:心室性期外収縮があらわれることがあるので、観察を十分に行い、

異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

(2)その他の副作用

次表の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場

合には、必要に応じて投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

エトポシド <概 要>

総症例4,586例(承認時561例、使用成績調査4,025例)における副作用及び臨床検査値

異常の発現率 は89.2%であり、主なものは白血球減少68.5%、貧血(赤血球減少及び

ヘモグロビン減少)51.8%、血小板減少46.0%、食欲不振49.5%、脱毛44.4%、嘔気

39.9%、嘔吐30.3%、倦怠感19.4%、発熱10.2%、口内炎9.7%などであった。〔再審

査終了時〕

(1) 重大な副作用

1) 汎血球減少(0.2%)等の骨髄抑制:汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小

板減少、出血、貧血等があらわれることがあるので、頻回に血液検査を行うなど観察

を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬、中止等の適切な処置を行うこ

と。

2) ショック(0.2%)、アナフィラキシー(頻度不明):ショック、アナフィラキシ

ーを起こすことがあるので、観察を十分に行い、チアノーゼ、呼吸困難、胸内苦悶、

Page 3: 臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年 月 日作成 ......臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年7 月13 日作成 を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこ

臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018年 7月 13日作成

血圧低下等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

3) 間質性肺炎(0.1%未満):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を

伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた

場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

(2) その他の副作用

オキサリプラチ

(1)重大な副作用(頻度不明)

1)末梢神経症状:手、足や口唇周囲部の感覚異常又は知覚不全(末梢神経症状)、咽

頭喉頭の絞扼感(咽頭喉頭感覚異常)があらわれるので、観察を十分に行い、異常が

認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。末梢神経症状の悪化や回

復遅延が認められると、手、足等がしびれて文字を書きにくい、ボタンをかけにくい、

飲み込みにくい、歩きにくい等の感覚性の機能障害があらわれることがあるので、観

察を十分に行い、感覚性の機能障害があらわれた場合には減量、休薬、中止等の適切

な処置を行うこと。

Page 4: 臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年 月 日作成 ......臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年7 月13 日作成 を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこ

臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018年 7月 13日作成

2)ショック、アナフィラキシー:発疹、瘙痒、気管支痙攣、呼吸困難、血圧低下等を

伴うショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、

過敏症状(気管支痙攣、呼吸困難、血圧低下等)が認められた場合には、投与を直ち

に中止し適切な処置を行うこと。

3)間質性肺炎、肺線維症:間質性肺炎、肺線維症があらわれることがあるので、発熱、

咳嗽、呼吸困難等の臨床症状を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止

し、胸部X線等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置

を行うこと。

4)骨髄機能抑制:汎血球減少、血小板減少、白血球減少、好中球減少、発熱性好中球

減少症、貧血があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど観察を十分

に行い、異常が認められた場合には減量、休薬、中止等の適切な処置を行うこと。

5)溶血性尿毒症症候群:血小板減少、溶血性貧血、腎不全を主徴とする溶血性尿毒症

症候群があらわれることがあるので、定期的に血液検査及び腎機能検査を行うなど観

察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

6)薬剤誘発性血小板減少症:免疫学的機序を介した血小板減少症があらわれることが

あるので、紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等の症状を十分に観察し、異常が認められた

場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

7)溶血性貧血:免疫学的機序を介したクームス試験陽性の溶血性貧血があらわれるこ

とがあるので、黄疸等の症状を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止

し、適切な処置を行うこと。

8)視野欠損、視野障害、視神経炎、視力低下:視野欠損、視野障害、視神経炎、視力

低下等の視覚障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められ

た場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

9)血栓塞栓症:血栓塞栓症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が

認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

10)心室性不整脈、心筋梗塞:心室性不整脈、心筋梗塞があらわれることがあるので、

観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11)肝静脈閉塞症:肝静脈閉塞症(VOD)があらわれることがあるので、観察を十分に

行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。また、

肝静脈閉塞症等の肝障害による門脈圧亢進、食道胃静脈瘤、脾腫、血小板減少症の発

症に注意すること。

12)急性腎不全:間質性腎炎、尿細管壊死等により、急性腎不全等の重篤な腎障害があ

らわれることがあるので、観察を十分に行い、腎機能検査値(BUN、血清クレアチニ

ン値等)に異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

13)白質脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む):白質脳症(可逆性後白質脳症症候群

を含む)があらわれることがあるので、歩行時のふらつき、舌のもつれ、痙攣、頭痛、

錯乱、視覚障害等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

14)高アンモニア血症:意識障害を伴う高アンモニア血症があらわれることがあるので、

観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

15) 横紋筋融解症:横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、

筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場

Page 5: 臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年 月 日作成 ......臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年7 月13 日作成 を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこ

臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018年 7月 13日作成

合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不

全の発症に注意すること。

16)難聴:難聴、耳鳴等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認め

られた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

17)感染症:肺炎、敗血症等の感染症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、

異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

18)肝機能障害:AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、ビリルビン上昇等を伴う肝機能障

害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、

休薬、中止等の適切な処置を行うこと。

(2)その他の副作用

次表の副作用があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、症状に応じて

適切な処置を行うこと。

Page 6: 臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年 月 日作成 ......臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年7 月13 日作成 を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこ

臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018年 7月 13日作成

注)処置として制吐剤等の投与を行う。

カルボプラチン (1)重大な副作用(頻度不明)

Page 7: 臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年 月 日作成 ......臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年7 月13 日作成 を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこ

臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018年 7月 13日作成

1) 汎血球減少等の骨髄抑制:汎血球減少、貧血(ヘモグロビン減少、赤血球減少、ヘ

マトクリット値減少)、白血球減少、好中球減少、血小板減少、出血等があらわれる

ことがあるので、末梢血液の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、

休薬、中止等適切な処置を行うこと。

2)ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシーを起すことがあるので、

観察を十分に行い、チアノーゼ、呼吸困難、胸内苦悶、血圧低下、気管支痙攣等があ

らわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、本剤の投与回数を重

ねると、ショック、アナフィラキシーの発現頻度が高くなる傾向もみられる(その他

の注意参照)。

3)間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部 X 線異常等を伴う間質性肺炎があらわれ

ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、副

腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

4)急性腎障害、ファンコニー症候群:急性腎障害、ファンコニー症候群等があらわれ

ることがあるので、観察を十分に行い、BUN、血清クレアチニン、クレアチニン・ク

リアランス値等に異常が認められた場合は投与を中止し、適切な処置を行うこと。

5)肝不全、肝機能障害、黄疸:肝不全、肝機能障害、黄疸があらわれることがあるの

で、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中

止し、適切な処置を行うこと。

6)消化管壊死、消化管穿孔、消化管出血、消化管潰瘍:消化管壊死、消化管穿孔、消

化管出血、消化管潰瘍があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認め

られた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

7)出血性腸炎、偽膜性大腸炎:出血性腸炎、偽膜性大腸炎等があらわれることがある

ので、観察を十分に行い、激しい腹痛・下痢等があらわれた場合には投与を中止し、

適切な処置を行うこと。

8)麻痺性イレウス:腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹痛、腹部の膨

満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等)を来し、麻痺性イレウスに移行することが

あるので、腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止し、腸管減圧法等の適切な処置

を行うこと。

9)脳梗塞、肺梗塞:脳梗塞、肺梗塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い、

異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

10)血栓・塞栓症:血栓・塞栓症(肺塞栓、脳血栓、その他の動脈又は静脈血栓症等)

があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を

中止し、適切な処置を行うこと。

11)心筋梗塞、うっ血性心不全:心筋梗塞、うっ血性心不全があらわれることがあるの

で、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

12)溶血性尿毒症症候群:血小板減少、溶血性貧血、腎不全を主徴とする溶血性尿毒症

症候群があらわれることがあるので、定期的に血液検査(血小板、赤血球等)及び腎

機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適

切な処置を行うこと。

13) 急性呼吸窮迫症候群:急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので、観察を

十分に行い、急速に進行する呼吸困難、低酸素症、両側性びまん性肺浸潤影等の胸部

Page 8: 臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年 月 日作成 ......臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年7 月13 日作成 を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこ

臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018年 7月 13日作成

X線異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

14)播種性血管内凝固症候群(DIC):播種性血管内凝固症候群(DIC)があらわれるこ

とがあるので、観察を十分に行い、血小板数、血清 FDP値、血漿フィブリノゲン濃度

等の血液検査に異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

15)急性膵炎:急性膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、血清アミラ

ーゼ値、血清リパーゼ値等に異常が認められた場合には投与を中止すること。

16)難聴:難聴、耳鳴等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認め

られた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

17)白質脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む):白質脳症(可逆性後白質脳症症候群

を含む)があらわれることがあるので、歩行時のふらつき、舌のもつれ、痙攣、頭痛、

錯乱、視覚障害等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

18) 腫瘍崩壊症候群:腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃

度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた

場合には投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析

等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。

(2)重大な副作用(類薬)

1)うっ血乳頭、球後視神経炎、皮質盲:シスプラチンで、まれにうっ血乳頭、球後視

神経炎、皮質盲等の視覚障害があらわれることがあるので、異常が認められた場合に

は投与を中止すること。

2)溶血性貧血:シスプラチンで、クームス陽性の溶血性貧血があらわれることがある

ので、異常が認められた場合には投与を中止すること。

(3)その他の副作用

Page 9: 臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年 月 日作成 ......臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年7 月13 日作成 を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこ

臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018年 7月 13日作成

注 1)処置として制吐剤等の投与を行う。

注 2) このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。

ゲムシタビン (1) 重大な副作用(頻度不明)

1)骨髄抑制

白血球減少,好中球減少,血小板減少,貧血[ヘモグロビン減少,赤血球減少]等が

あらわれることがあるので,血液学的検査を頻回に行い,異常が認められた場合には,

減量,休薬等適切な処置を行うこと。なお,高度な白血球減少に起因したと考えられ

る敗血症による死亡例が報告されている。

2)間質性肺炎

間質性肺炎があらわれることがあるので,胸部X線検査等を行うなど観察を十分に行

い,異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。なお,間質

性肺炎に起因したと考えられる死亡例が報告されている。

3)アナフィラキシー

呼吸困難,血圧低下,発疹等の症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,

このような症状があらわれた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。

4) 心筋梗塞

心筋梗塞がみられることがある。

Page 10: 臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年 月 日作成 ......臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年7 月13 日作成 を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこ

臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018年 7月 13日作成

5) うっ血性心不全

うっ血性心不全があらわれることがある。

6) 肺水腫

肺水腫があらわれることがある。

7) 気管支痙攣

気管支痙攣があらわれることがある。

8) 成人呼吸促迫症候群(ARDS)

成人呼吸促迫症候群(ARDS)があらわれることがある。

9) 腎不全

腎不全があらわれることがある。

10) 溶血性尿毒症症候群

溶血性尿毒症症候群があらわれることがあるので,血小板減少,ビリルビン上昇,ク

レアチニン上昇,BUN上昇,LDH上昇を伴う急速なヘモグロビン減少等の微小血管症性

溶血性貧血の兆候が認められた場合には,投与を中止すること。腎不全は投与中止に

よっても不可逆的であり,透析療法が必要となることもある。

11) 皮膚障害

重篤な皮膚障害(紅斑,水疱,落屑等)があらわれることがある。

12)肝機能障害,黄疸

AST(GOT),ALT(GPT),Al-Pの上昇等の重篤な肝機能障害,黄疸があらわれるこ

とがある。

13) 白質脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む)

白質脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む)があらわれることがあるので,高血圧,

痙攣,頭痛,視覚異常,意識障害等の症状が認められた場合には投与を中止し,適切

な処置を行うこと。

(2)その他の副作用

次のような副作用が認められた場合には,臨床所見等の重篤度に応じ,減量,投与中止

等の適切な処置を行うこと。

Page 11: 臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年 月 日作成 ......臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年7 月13 日作成 を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこ

臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018年 7月 13日作成

尿路上皮癌におけるシスプラチンとの併用時の安全性情報外国で実施されたゲムシタ

ビン塩酸塩とシスプラチンとの併用投与による,尿路上皮癌の化学療法初回治療例に対

する第Ⅲ相試験において203例が割り付けられ,これらの症例に認められた有害事象

は以下のとおりであった。

(ジェムザール注射用200mg・1gの添付文書による)

Page 12: 臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年 月 日作成 ......臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年7 月13 日作成 を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこ

臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018年 7月 13日作成

注)WHO毒性基準により判定し,いずれかの投与群において2%を超えた事象のみ記載

シスプラチン (1)重大な副作用(頻度不明)

1)急性腎不全: 急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので,頻回に臨

床検査を行うなど,患者の状態を十分に観察すること。BUN,血清クレアチニン,ク

レアチニン・クリアランス値等に異常が認められた場合は投与を中止し,適切な処置

を行うこと。その他,血尿,尿蛋白,乏尿,無尿があらわれることがある。

2)汎血球減少等の骨髄抑制: 汎血球減少,貧血,白血球減少,好中球減少,血小板減

少等があらわれることがあるので,頻回に血液検査を行うなど観察を十分に行い,異

常が認められた場合には減量,休薬,中止等の適切な処置を行うこと。

3)ショック,アナフィラキシー様症状:ショック,アナフィラキシー様症状を起こす

ことがあるので,観察を十分に行い,チアノーゼ,呼吸困難,胸内苦悶,血圧低下等

の症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。

4)聴力低下・難聴,耳鳴: 高音域の聴力低下,難聴,耳鳴等があらわれることがある。

また,投与量の増加に伴い聴器障害の発現頻度が高くなり,特に1日投与量では80mg/

㎡以上で,総投与量では300mg/㎡を超えるとその傾向は顕著となるので十分な観察を

行い投与すること。

5)うっ血乳頭,球後視神経炎,皮質盲:うっ血乳頭,球後視神経炎,皮質盲等の視覚

障害があらわれることがあるので,異常が認められた場合は投与を中止すること。

6)脳梗塞,一過性脳虚血発作:脳梗塞,一過性脳虚血発作があらわれることがあるの

で,異常が認められた場合は投与を中止し,適切な処置を行うこと。

7)溶血性尿毒症症候群: 血小板減少,溶血性貧血,腎不全を主徴とする溶血性尿毒症

症候群があらわれることがあるので,定期的に血液検査(血小板,赤血球等)及び腎

機能検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適

切な処置を行うこと。

8)心筋梗塞,狭心症,うっ血性心不全,不整脈:心筋梗塞,狭心症(異型狭心症を含

Page 13: 臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年 月 日作成 ......臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年7 月13 日作成 を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこ

臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018年 7月 13日作成

む),うっ血性心不全,不整脈(心室細動,心停止,心房細動,徐脈等)があらわれ

ることがあるので,観察を十分に行い,胸痛,失神,息切れ,動悸,心電図異常等が

認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。

9)溶血性貧血:クームス陽性の溶血性貧血があらわれることがあるので,異常が認め

られた場合には投与を中止すること。

10)間質性肺炎:発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれ

ることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,副

腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

11)抗利尿ホルモン不適合分泌症候群:低ナトリウム血症,低浸透圧血症,尿中ナトリ

ウム排泄量の増加,高張尿,痙攣,意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候

群(SIADH)があらわれることがあるので,このような症状があらわれた場合には投

与を中止し,水分摂取の制限等の適切な処置を行うこと。

12)劇症肝炎,肝機能障害,黄疸:劇症肝炎,肝機能障害,黄疸があらわれることがあ

るので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には減量,休薬,中止等の適切な

処置を行うこと。

13)消化管出血,消化性潰瘍,消化管穿孔:消化管出血,消化性潰瘍,消化管穿孔があ

らわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には減量,休薬,

中止等の適切な処置を行うこと。

14)急性膵炎:急性膵炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,血清アミラ

ーゼ値,血清リパーゼ値等に異常が認められた場合には投与を中止すること。

15)高血糖,糖尿病の悪化: 高血糖,糖尿病の悪化があらわれることがあり,昏睡,

ケトアシドーシスを伴う重篤な症例も報告されているので,血糖値や尿糖に注意する

など観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を

行うこと。

16)横紋筋融解症:横紋筋融解症があらわれることがあるので,CK(CPK)上昇,血中

及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行う

こと。

17)白質脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む): 白質脳症(可逆性後白質脳症症候

群を含む)があらわれることがあるので,歩行時のふらつき,舌のもつれ,痙攣,頭

痛,錯乱,視覚障害等が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。

18)静脈血栓塞栓症: 肺塞栓症,深部静脈血栓症等の静脈血栓塞栓症があらわれるこ

とがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な

処置を行うこと。

(3)その他の副作用

次のような症状があらわれた場合には,症状に応じて適切な処置を行うこと。

Page 14: 臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年 月 日作成 ......臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年7 月13 日作成 を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこ

臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018年 7月 13日作成

ソラフェニブ 腎細胞癌患者を対象とした国内第Ⅱ相臨床試験7)、肝細胞癌患者を対象とした国内第

Ⅰ相臨床試験8),分化型甲状腺癌患者を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験9)並びに

甲状腺未分化癌及び甲状腺髄様癌患者を対象とした国内第Ⅱ相臨床試験10)において、

370例(日本人175例を含む)中359例(97.0%)に副作用が認められた。主な副作用の

発現例数(発現率)は、手足症候群250例(67.6%)、脱毛202例(54.6%)、下痢190

例(51.4%)、発疹・皮膚落屑166例(44.9%)、疼痛(口内疼痛、腹痛、骨痛、頭痛

及びがん疼痛を含む)126例(34.1%)、高血圧126例(34.1%)、疲労116例(31.4%)、

体重減少95例(25.7%)、リパーゼ上昇87例(23.5%)、口内炎(口内乾燥及び舌痛を

含む)85例(23.0%)、食欲不振83例(22.4%)、アミラーゼ上昇65例(17.6%)、瘙

痒63例(17.0%)、悪心46例(12.4%)、ALT(GPT)上昇39例(10.5%)等であった。

(甲状腺癌効能追加承認時)

(1)重大な副作用

1) 手足症候群(10%以上)、剝脱性皮膚炎(1〜10%未満):手足症候群、剝脱性皮

膚炎があらわれることがあるので、皮膚症状があらわれた場合には対症療法、減量、

休薬又は投与の中止を考慮すること。

2) 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群

(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、多形紅斑(1~10%未満):中毒性表皮壊

死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑があらわれることがあるので、観察を十分に

行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

3)ケラトアカントーマ、皮膚有棘細胞癌(1~10%未満):ケラトアカントーマ、皮膚

有棘細胞癌があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合

には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

4) 出血(消化管出血、気道出血、脳出血、口腔内出血、鼻出血、爪床出血、血腫、腫

瘍出血)(10%以上):消化管出血、気道出血、脳出血、腫瘍出血等の重篤な出血が

Page 15: 臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年 月 日作成 ......臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年7 月13 日作成 を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこ

臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018年 7月 13日作成

あらわれることがあり、死亡に至る例が報告されている。本剤投与中は観察を十分に

行い、重篤な出血が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

5) 劇症肝炎(頻度不明)、肝機能障害・黄疸(1~10%未満)、肝不全(頻度不明)、

肝性脳症(頻度不明):劇症肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇を伴う肝機能障害、

黄疸、肝不全、肝性脳症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認

められた場合には本剤を減量、休薬又は投与中止し、適切な処置を行うこと。なお、

肝性脳症は主に肝細胞癌又は肝硬変のある患者において報告されているので、これら

の患者に投与する際は、意識障害等の臨床症状を十分に観察すること。

6) 急性肺障害、間質性肺炎(頻度不明):急性肺障害、間質性肺炎があらわれること

があるので、呼吸困難、発熱、咳嗽等の臨床症状を十分に観察し、異常が認められた

場合には速やかに胸部X線検査等を実施すること.急性肺障害、間質性肺炎が疑われ

た場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

7) 高血圧クリーゼ(0.1〜1%未満):高血圧クリーゼがあらわれることがあるので、

血圧の推移等に十分注意しながら投与すること.高血圧クリーゼがあらわれた場合

は、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

8) 可逆性後白質脳症症候群(0.1〜1%未満):可逆性後白質脳症症候群があらわれる

ことがあるので、観察を十分に行い、可逆性後白質脳症症候群が疑われた場合は、本

剤の投与を中止し、血圧のコントロール、抗痙攣薬の投与等の適切な処置を行うこと.

9) 心筋虚血・心筋梗塞(1〜10%未満):心筋虚血・心筋梗塞があらわれることがあ

り、死亡に至る例が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合

には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

10) うっ血性心不全(1〜10%未満):うっ血性心不全があらわれることがあり、死亡

に至る例が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与

を中止し、適切な処置を行うこと。

11) 消化管穿孔(0.1〜1%未満)、消化管潰瘍(頻度不明):消化管穿孔、消化管潰

瘍があらわれることがあり、消化管穿孔により死亡に至る例が報告されているので、

消化管穿孔、消化管潰瘍が疑われた場合には、本剤の投与を中止するなど、適切な処

置を行うこと。

12) 出血性腸炎、虚血性腸炎(頻度不明):出血性腸炎、虚血性腸炎等の重篤な腸炎

があらわれることがあるので、観察を十分に行い、激しい腹痛・下痢・血便等の症状

があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

13) 白血球減少、好中球減少、リンパ球減少、血小板減少、貧血(頻度不明):白血

球減少、好中球減少、リンパ球減少、血小板減少、貧血があらわれることがあるので、

観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤を減量、休薬又は投与中止し、適

切な処置を行うこと。

14) 膵炎(0.1〜1%未満):膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、

腹痛等の膵炎を示唆する症状が認められた場合や膵酵素上昇が持続する場合には、本

剤を休薬又は投与中止し、適切な処置を行うこと。

15) 腎不全(頻度不明):腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、

異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

16) ネフローゼ症候群、蛋白尿(頻度不明):ネフローゼ症候群、蛋白尿があらわれ

Page 16: 臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年 月 日作成 ......臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年7 月13 日作成 を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこ

臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018年 7月 13日作成

ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するな

ど、適切な処置を行うこと。

17) 低ナトリウム血症(頻度不明):意識障害、全身倦怠感、嘔吐等を伴う低ナトリ

ウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合に

は投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

18) ショック、アナフィラキシー(頻度不明):ショック、アナフィラキシー(呼吸

困難、血管浮腫、発疹、血圧低下等)があらわれることがあるので、観察を十分に行

い、異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。

19) 横紋筋融解症(頻度不明):横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を

十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が

認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症に

よる急性腎不全の発症に注意すること。

20) 低カルシウム血症(1~10%未満):低カルシウム血症があらわれることがあるの

で、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、血清カルシウム濃度を確認し、

カルシウム剤やビタミンD製剤の投与等の適切な処置を行うこと。また必要に応じて、

減量、休薬又は投与中止を考慮すること。

(2)その他の副作用

次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量、休薬又は投与中止等の

適切な処置を行うこと。

Page 17: 臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年 月 日作成 ......臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年7 月13 日作成 を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこ

臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018年 7月 13日作成

ドキソルビシン (1)重大な副作用(頻度不明)

1)心筋障害、さらに心不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が

認められた場合には投与を中止すること。また、総投与量が500mg/㎡を超えると重篤

な心筋障害を起こすことが多いので注意すること。

2)汎血球減少、貧血、白血球減少、好中球減少、血小板減少等の骨髄機能抑制及び出

血があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が

認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

3)ショックがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合

Page 18: 臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年 月 日作成 ......臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年7 月13 日作成 を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこ

臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018年 7月 13日作成

には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

4)膀胱腔内注入療法によって萎縮膀胱があらわれることがあるので、異常が認められ

た場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

(2)その他の副作用

下記のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められ

た場合には減量・休薬等の適切な処置を行うこと。

注)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。

フルオロウラシ

ル(5-FU)

承認時及び 1970年 2月までの副作用頻度調査において、1,936例中、主な副作用は食欲

不振 295 件(15.2%)、下痢・軟便 239 件(12.3%)、全身倦怠感 172 件(8.9%)、悪心・

嘔吐 159件(8.2%)、白血球減少 153件(7.9%)、口内炎 129件(6.7%)、色素沈着 92件

(4.8%)、脱毛 74件(3.8%)等であった。

(1) 重大な副作用

1)激しい下痢があらわれ、脱水症状まで至ることがあるので、観察を十分に行い、こ

のような症状があらわれた場合には投与を中止し、補液等の適切な処置を行うこと。

2)出血性腸炎、虚血性腸炎、壊死性腸炎等の重篤な腸炎があらわれることがあるので、

観察を十分に行い、激しい腹痛・下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、

適切な処置を行うこと。

3)汎血球減少、白血球減少、好中球減少、貧血、血小板減少等の骨髄機能抑制があら

われることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬等

の適切な処置を行うこと。

4)ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、発

疹、呼吸困難、血圧低下等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な

処置を行うこと。

5)白質脳症(初期症状:歩行時のふらつき、四肢末端のしびれ感、舌のもつれ等)、ま

た、錐体外路症状、言語障害、運動失調、眼振、意識障害、痙攣、顔面麻痺、見当識

障害、四肢末端のしびれ感、せん妄、記憶力低下、自発性低下、尿失禁等の精神神経

症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた

場合には投与を中止すること。

6)うっ血性心不全、心筋梗塞、安静狭心症があらわれることがあるので、観察を十分

Page 19: 臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年 月 日作成 ......臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年7 月13 日作成 を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこ

臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018年 7月 13日作成

に行い、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。

7)急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異

常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、腎障害の知ら

れている抗悪性腫瘍剤(シスプラチン、メトトレキサート等)との併用時には特に注

意すること。

8)間質性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状が

あらわれた場合には投与を中止し、胸部 X線等の検査を実施するとともに副腎皮質ホ

ルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

9)AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTP の上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわ

れ、肝不全まで至ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には

投与を中止し、適切な処置を行うこと。

10)消化管潰瘍、重症な口内炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常

が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11)急性膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、腹痛、血清アミラーゼ

上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

12)意識障害を伴う高アンモニア血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、

異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

13)肝動脈内投与において、肝・胆道障害(胆嚢炎、胆管壊死、肝実質障害等)があら

われることがあるので、造影等により薬剤の分布領域をよく確認すること。なお、異

常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

14)手足症候群(手掌・足蹠の紅斑、疼痛性発赤腫脹、知覚過敏等)があらわれること

があるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処

置を行うこと。

15)嗅覚障害(長期投与症例に多い)があらわれ、嗅覚脱失まで至ることがあるので、

観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う

こと。

16)類薬(テガフール製剤)で劇症肝炎等の重篤な肝障害、肝硬変、心室性頻拍、ネフ

ローゼ症候群、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘

膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)、溶血性貧血があらわれることが報告されて

いるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置

を行うこと。

(2) その他の副作用

下記のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められ

た場合には減量・休薬等の適切な処置を行うこと。なお、太字で記載の副作用について

は投与を中止すること。

Page 20: 臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年 月 日作成 ......臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年7 月13 日作成 を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこ

臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018年 7月 13日作成

* 潰瘍又は出血が疑われる場合には投与を中止すること。

** 動脈内投与により、注入側の皮膚にこれらの症状が強くあらわれることがある。

ビンクリスチン 〈概要〉

承認時における安全性評価対象例は、単独投与例62例及び併用投与例125例であった。

そのうち認められた主な副作用はしびれ感62例(33.2%)、脱毛41例(21.9%)、下肢

深部反射減弱・消失20例(10.7%)、怠感(3.7%)、四肢疼痛(3.2%)、筋萎縮(2.1%)、

Page 21: 臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年 月 日作成 ......臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年7 月13 日作成 を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこ

臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018年 7月 13日作成

眩暈(1.1%)、排尿困難(1.1%)であった。

[承認時]

悪性星細胞腫、乏突起膠腫成分を有する神経膠腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用

療法(プロカルバジン塩酸塩、ニムスチン塩酸塩、ビンクリスチン硫酸塩)の使用成

績調査における安全性解析対象例は253例であり、併用療法による副作用及び臨床検

査値異常の発現率は、69.6%であった。主なものは白血球減少130例(51.4%)、血

小板減少98例(38.7%)、好中球減少23例(9.1%)、貧血22例(8.7%)、肝機能異

常28例(11.1%)、食欲不振13例(5.1%)、悪心・嘔吐12例(4.7%)、発疹8例(3.2%)

であった。

[調査終了時]

(1)重大な副作用

1)末梢神経障害(神経麻痺、筋麻痺、痙攣等)(25.5%):運動性ニューロパチー(筋

麻痺、運動失調、歩行困難、痙攣、言語障害、筋萎縮等)、感覚性ニューロパチー(知

覚異常、知覚消失、しびれ感、神経痛、疼痛等)、自律神経性ニューロパチー(起立

性低血圧、尿閉等)、脳神経障害(視神経萎縮、味覚障害、眩暈、眼振等の平衡感覚

障害等)、下肢深部反射の減弱・消失等があらわれることがあるので、このような症

状があらわれた場合には減量、休薬、中止等の適切な処置を行うこと。

2)骨髄抑制:汎血球減少(0.7%)、白血球減少(29.8%)、血小板減少(19.8%)、

貧血(5.7%)があらわれることがある。異常が認められた場合には投与を中止し、

適切な処置を行うこと。なお、致命的な感染症(敗血症、肺炎等)や臓器出血等に至

った報告がある。

3)錯乱、昏睡(頻度不明):怠感、錯乱、昏睡、神経過敏、抑うつ、意識障害等があ

らわれることがある。

4)イレウス(頻度不明):腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹痛、腹

部膨満あるいは腹部弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)をきたし、麻痺性イレウス

に移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止し、腸管減圧

法等の適切な処置を行うこと。

5)消化管出血、消化管穿孔(頻度不明):消化管出血や消化管穿孔があらわれること

があり、致命的な出血や腹膜炎に至ることがある。観察を十分に行い、異常が認めら

れた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

6)抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明):低ナトリウム血症、低浸

透圧血症、尿中ナトリウム増加、高張尿、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分

泌症候群があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、水

分摂取の制限等の適切な処置を行うこと。

7)アナフィラキシー(頻度不明):アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、血管浮腫等)

があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、

適切な処置を行うこと。

8)心筋虚血(頻度不明):心筋梗塞、狭心症、心電図上虚血所見が発現したとの報告が

ある。

9)脳梗塞(頻度不明):脳梗塞が発現したとの報告がある。

10)難聴(頻度不明):一過性又は永続的な難聴があらわれることがある。

Page 22: 臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年 月 日作成 ......臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018 年7 月13 日作成 を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこ

臨床研究使用薬品の副作用一覧 2018年 7月 13日作成

11)呼吸困難及び気管支痙攣(頻度不明):呼吸困難及び気管支痙攣が発現したこと、

また、これらの症状はビンカアルカロイド製剤とマイトマイシン C との併用時に発現

しやすいことが報告されている。このような症状が発現した場合には本剤の投与を中

止すること。

12)間質性肺炎(0.5%):間質性肺炎があらわれることがあるので異常が認められた場

合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

13)肝機能障害、黄疸(0.5%):AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-P上昇等を伴う肝

機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認めら

れた場合には本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

(2)その他の副作用