機械設計製図 -...
TRANSCRIPT
機械設計製図
第3回:授業資料
羽根車(Impeller)の設計
教室:N棟6階,N602a室 設計製図室
火曜日 担当:吉川
授業内容
○ 羽根車の設計方法
P15
渦巻ポンプ(遠心ポンプ)
羽根車翼
羽根車
渦巻ポンプの基礎理論速度三角形
βeβe
u2
vm2
U2:出口周速w2:出口相対速度V2:出口絶対流速V2m:出口メリディアン流速βe:羽根翼出口角度
羽根翼(回転方向に対して後向き)
P21
渦巻ポンプの基礎理論教科書 第4章 ポンプの作用
詳細は、教科書の当該章を参照のこと
ここでは用語の理解のため、最小限の解説にとどめる
ターボ形ポンプの基本は
オイラーの揚程(理想状態)
翼枚数が無限で羽根の厚みもないと仮定すれば
Hth∞=(u2(u2-vm2cotβe)/g
ただし羽根車入り口における水の周方向速度成分をゼロとする(羽根車に対して旋回成分を持たずに直角流入)
Βe:の出口角度
U2:出口周速(m/s)
Vm2:出口流速のメリデイアン成分(m/s)
P29
渦巻ポンプの基礎理論実際には、羽根翼は有限数で、翼は厚みを持つ・・・流れにすべりが生じる
すべり係数をkとおけばより実際的な理論揚程は
Hth=(u2(u2(1-k)-vm2cotβe)/g
メリディアン流速vm2は流量に比例する(流量/羽根車出口面積= vm2 )
したがって、理論揚程の特性曲線は流量ゼロ( vm2 =0)における揚程= u2(u2(1-k)/gからcotβe/gという出口角度に依存する 勾配で流量に比例して低下する直線となる
ところが実際には・・・
P30
渦巻ポンプの基礎理論水力損失hL
hL=K1Q2+K2(Qs-Q)2
K1Q2 :摩擦による損失
K2(Qs-Q)2:衝突による損失(Qs :無衝突流量)
ポンプ全揚程H’= Hth-hL
水力効率ηh= H/ Hth
ポンプの実際の全揚程特性(QHカーブ)は
内部漏れ量qをH’から引いたものになる
P35~37
渦巻ポンプの基礎理論
Hth=(u2(u2(1-k)-vm2cotβe)/g
H’= Hth-hL
BEP Qs
q
K1Q2
K2(Qs-Q)2
全揚程
流量
効率
P36
渦巻ポンプの基礎理論内部漏れ量
Q
q
Q+q
渦巻ポンプの基礎理論式(4.7)の意味するとこと
Hth=(v22-v1
2)/2g+(u22-u1
2)/2g+(w12-w2
2)/2g
第1項は、速度エネルギの増加(絶対速度の増加)
第2項と第3項は、圧力エネルギの増加を表す
第2項は遠心力による効果
第3項は減速効果(デイフューザ)による圧力増加
渦巻ポンプは第2項(遠心力)が支配的・・・遠心ポンプ
U2が大きい(u2=πxD2XN)=羽根径大きくする、あるいは回転速度を速くする)ほど高ヘッドが得られる
(軸流ポンプは第3項が支配的・・・相対速度減速で発生する揚力を利用)
渦巻ケーシングの役割:第1項速度エネルギの一部を減速させて圧力に変換する
P23
羽根車の実設計ポンプ内部の流れは複雑であるため、高効率を得るための羽根車形状寸法は、多くの先人たちの実験により得られた設計係数を利用して決められる。
(近年はCFD(Computational Fluid Dynamics)技術の進展に伴い、より高効率なハイドロ性能を得ることも可能になっているが)
本演習では、従来の経験工学手法により、羽根車諸元の設計を行う
前回の仕様基礎計算で求めたポンプ要項に基づく
羽根車を回転させる軸が中心に位置するので、先ず材料力学の公式を用い強度上必要な軸径を求めることから始める
本日の到達点必須(目標)・・・結構忙しい!・羽根車各部寸法の決定
軸径羽根径、出口幅入口各部寸法羽根角度、翼枚数
・水力効率の確認
余裕ある人は
・計画図製図に備え羽根翼の曲線の書き方羽根車メリディアン形状の書き方
に着手
羽根車の主要寸法記号
◎ 図中に示す主要寸法を決定する。摺動径Dw・・・De(目玉径)+12(肉厚6)…側板厚4の時(Dwは、軸スラスト計算に必要となる)
P83
Dw
側板主板
P54
第2回授業で計算した値
自分が設計する羽根車断面形状の概略形状を確認する
P53
復習
w = 2pn/60 , n [rpm]
P54
教科書では
0.93
P81
P37
T = P/w Pは第2回授業で計算
済の軸動力
w = 2pn/60
where, n [rpm]すべりを考慮した設計回転速度
P83
P81
P83
P82
P90
JIS3813
P167羽根車固定ナットの選定(計画図段階で使用)
Db = 1.8 d1
lb = 1.6 d1
P91
P83
Impeller Eye
側板 主板
v0=1.15 vsその先の羽根車への流入部で翼厚さのためにさらに流速が上がるので、目玉部流速を、吸込み流速より1,2割程度上げておく
P82
V0 :目玉部流速
次スライド
基本流速Vk=3√Qn2/60V0/Vkがいくつになるか計算してみよう
P83
V02
(図5-6から読み取る)
(5-16式から計算)
P56
ステパノフの推奨値22.5°
Stepanoff による推奨値
P56(図5-6)
Ku Km1 Km2
の求め方
教科書p56
図5-6より読み取る。
(自分の形式数 o r
比速度を参考にして)
(図5-6から読み取る)
( 式8.16 )
( 式8.17 )
( 式8.18 )
( 式8.19 )
( 式8.20 )
( 式8.21 )
( 式5.21 )
P84
P58
ライナリング径 Dw= (De+12)(羽根車側板厚さ e=4のとき)
側板 主板
P83
Dw
幾何学的関係D1o:側板側翼入口端部の直径D1i:主板側翼入口端部の直径D1m:平均入口径b1:翼入口端のメリデイアン面における長さ・・・中心点直径がD1m,直径b1で側板、主板に内接する円
側板 主板
1.05 De
0.8 De
P84
図5-6:斜流羽根、遠心羽根は、D2m=D2、ここでは使わない
D1m: 平均(代表)入口径
Q’ [m3/min] vm1 [m/sec]
D1m [m]
Km1 = 0.1~0.2程度
P84
P85
(8.21)式:羽根翼直前のメリデイアン流速・・・翼厚は考慮せず、平均径D1m,幅b1のドーナツ状円環流路面積で考える
k=1.1(翼厚を考慮)
P58
P92
kVm1
U1m
β1m
吸込み性能が良い(NPSHreq小さくなる)入口角度範囲
側板主板
(更に効率を上げるためには側板側(D1o点)と主板側(D1i点)で入口角度を変えた3次元形状翼とする)
P85
(図5-6から読み取る)
4.0 mm
( 式8.14 )
( 式5.18 )
4.0 mm
P56
P84
P57
Km2 = 0.1~0.2程度
Q’ [m3/sec] 単位を [m3/min]
から [m3/sec] に変換して使用する式
D2m=D2
P84
P57
P29
P84
P57
4 10.5
0.0105
88
P93
P86
ここまで本日の必須到達点
問題ある場合は講師に相談してください
羽根曲線の描き方
教科書 p87
この線を中心に羽厚 t=4も描いておく
ここからは余裕ある人製図に備えて着手
メリディアン輪郭の描き方・先ず①、主軸中心線、次に ②、羽根車とケーシングの中心線、次いで③、フランジ端面羽根車中心線からaの位置。(資料(4))フランジ端面からℓ隔ててボス左端面④、ボス右端面⑤、ボスの外径線(Db/2)⑥、羽根車外径線(D2/2)⑦、D1m/2の一点鎖線⑧、出口幅⑨を引く
・出口幅b2からの接線⑩を引く
・ボス外径線上端面から2~3 付近に点⑪を取る
・点⑪を通って⑩に接する任意のR(b1の1.5~2倍)⑫を引く
羽根車とケーシングの中心線
外径線(D2/2)
(D1m/2)
(Db/2)
2~3
主軸中心線
①
②
④
③
ℓ
a(100or125)
ℓb
フランジ端面
(De/2)
⑤
⑥
⑦
⑧
⑭
⑩
⑪
⑫
⑬
⑨
⑮
⑯
垂直
斜めにても可
適宜のRでつなぐ
メリディアン輪郭の描き方
・目玉の径(De/2)⑯を書く
・⑮と⑯を適宜の円弧Rでつなぐ
・各部の寸法を記入する
・入口幅b1の円⑬が⑫に接する迄D1m/2上を移動させる
・出口幅b2からの接線⑭を引く
・入口幅b1の円⑬と⑭に接する任意のR⑮を引く
羽根車とケーシングの中心線
外径線(D2/2)
(D1m/2)
(Db/2)2~3
主軸中心線
①
②
④
③
ℓ
a(100or125)
ℓb
フランジ端面
(De/2)
⑤
⑥
⑦
⑧
⑭
⑩
⑪
⑫
⑬
⑨
⑮
⑯
垂直
斜めにても可
適宜のRでつなぐ
羽根車メリディアン輪郭
(半径方向断面)の描き方
教科書 p89
D は直径を表すことに注意する!半径ではない!
配布する方眼紙(2枚)に
○ 羽根曲線,○羽根車メリディアン輪郭
(半径方向断面)
を描くこと。
教科書p87,p89を参考にする。
復習と予習本日の復習第8章 羽根車の設計を読んで、
自分の行った羽根車諸元設計を見直す
次回の予習
第9章ケーシングの設計
第10章主軸の設計
を読んでおく