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折り込み構造を持つ極軽量な プラスティック製空気圧アクチュエータ
立命館大学 理工学部 ロボティクス学科
助手 西岡 靖貴
教授 川村 貞夫
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背景
コミュニケーション 筋力支援 エンターテインメント
ロボットの人と接触する機会の多い分野への参入
高い安全性の必要性
軽量化 低速度化 柔軟化
多くの空気圧ソフトアクチュエータに関する研究・開発
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従来技術とその問題点 従来の空気圧ソフトアクチュエータの代表例: マッキベン型空気圧人工筋肉 • ゴムの膨張を利用した流体圧アクチュエータ • 円筒状のゴム内部に網目状繊維を埋め込んだ構造 • ゴムの膨張方向を繊維でコントロール • 軽量で収縮方向に大きな発生力 • ヒューマノイド,装具などへの利用例
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従来技術とその問題点 従来の空気圧ソフトアクチュエータの代表例: マッキベン型空気圧人工筋肉 • 耐久性や繊維強化分を考慮した際に十分なゴムの厚みが必要 • 回転運動の生成には外骨格が必要(2関節筋) 人への接触に関しては未だ高重量
• ゴムの弾性に大きなエネルギー必要 中型~大型コンプレッサが必要
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新技術の特徴 提案する新技術: 折り込み(プリーツ)構造を持つプラスティック製空気圧アクチュエータ • プラスティックフィルムの利用 極軽量化(300mm×50mm,供給配管含んだ重量は約13g)
• 折り込み構造によるアクチュエーション 容易に大きな屈曲を自在に設計
• ゴムの膨張を利用しない構造変形 • 低圧駆動による圧縮限の小型化(20kPa時,先端発生力4.7N)
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【折り込み構造を持つプラスティックアクチュエータ】 基本構造・原理
• LDPE(低密度ポリエチレン)の利用 • 人の腕程度の大きさ,かつ極軽量 空気室隔壁の薄膜化(0.05 mm)
• プリーツによる様々な形状設計 • 低圧駆動,高い出力/重量比 約34倍 (全長300mm,手先発生力4.7N)
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【折り込み構造を持つプラスティックアクチュエータ】 基本構造・原理
• LDPE(低密度ポリエチレン)の利用 • 人の腕程度の大きさ,かつ極軽量 空気室隔壁の薄膜化(0.05 mm)
• プリーツによる様々な形状設計 • 低圧駆動,高い出力/重量比 約34倍 (全長300mm,手先発生力4.7N)
幾何条件より
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【折り込み構造を持つプラスティックアクチュエータ】 基本構造・原理
• LDPE(低密度ポリエチレン)の利用 • 人の腕程度の大きさ,かつ極軽量 空気室隔壁の薄膜化(0.05 mm)
• プリーツによる様々な形状設計 • 低圧駆動,高い出力/重量比 約34倍 (全長300mm,手先発生力4.7N)
• 拮抗駆動の提案(第3報) • 連続的な位置/剛性の制御
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【折り込み構造を持つプラスティックアクチュエータ】 製作方法
• LDPE(低密度ポリエチレン)の利用 • 人の腕程度の大きさ,かつ極軽量 空気室隔壁の薄膜化(0.05 mm)
• プリーツによる様々な形状設計 • 低圧駆動,高い出力/重量比 約34倍 (全長300mm,手先発生力4.7N)
• 拮抗駆動の提案(第3報) • 連続的な位置/剛性の制御
• 容易な製作方法 • 低コスト • 製作時間:1時間程度(1人,1個) • 現在製作した大きさ
• 幅20~50mm • 長さ100~300mm程度
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【折り込み構造を持つプラスティックアクチュエータ】 モデリングによる屈曲形状(角度)設計方法
• 多関節モデルで近似 • 区間の定義:折り込み開始点と終了点 • 屈曲角度(曲率)の変更時に区間更新 • 任意の屈曲形状が設計可能
θi
l1i
l0i
φi
R r
屈曲部のモデリング 全体の形状設計
• 梁の曲げモデルに近似 • プリーツ密度Dの定義
( )12
0 −= ii
i Dh
Lθ
=−==
hrRLrLR
0
1
ϕϕ
• 幾何条件より
i
ii L
LD0
1=
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【折り込み構造を持つプラスティックアクチュエータ】 モデリングによる屈曲形状(角度)設計方法
( )12
0 −= ii
i Dh
Lθ( )( )
++=+−=
bnbaLbnbaL
i
i
1
0
i
ii L
LD0
1=
• 圧縮長さ • 伸長長さ
• プリーツ密度
• 円形近似モデルより π
01 wwh +=
溶着部
断面:円形に近似
w1
w0
h
• 理論屈曲角度
• L0を任意の長さに決定 • a, b, nのいずれか2パラメータを任意に決定 • w0, w1を任意の幅に決定 ⇒ hが決定
プリーツ密度Dが決定
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【折り込み構造を持つプラスティックアクチュエータ】 モデリングによる屈曲形状(角度)設計方法
ユーザ
37°
62°
50 mm 55 mm
30 mm
• 大きさに関するパラメータの決定 • 各部の長さL0
• 各部の幅w0, w1
• 屈曲角度θ • 折り込み比率 b/a (任意)
• 上シートの長さ L1
• プリーツ折り込み量 a, b • プリーツ折り込み回数 n
設計・製作側
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【折り込み構造を持つプラスティックアクチュエータ】 発生力の性能
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従来技術との比較 ソフトアクチュエータ
弾性材料(ゴム)を使用したアクチュエータ
塑性材料を使用した 折り込みアクチュエータ
1. 軽量かつ柔軟 • ゴム材料の利用 • 空気圧・水圧・油圧対応
2. 設計 • 材料変形を考慮 • 非線形有限要素法の利用
3. 高圧駆動 • 0.2MPa~0.8MPa帯域での駆動 • 高圧 ⇒ 高出力
4. 精度 • ヒステリシス有 • 再現性良好,連続運動可能
1. 極軽量かつ柔軟 • プラスティック薄膜の利用 • 空気圧・水圧駆動を確認
2. 容易な任意の屈曲形状設計 • 折り込み構造による変形 • モデリングによる設計パラメータ導
出済み 3. 低圧駆動
• 変形に要する弾性エネルギー無視 • 低圧 ⇒ 高い出力/重量比
4. 精度 • しわによる再現性への影響 • On/off運動(拮抗駆動で対処)
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想定される用途
1. 産業分野 • 食品工場などでのハンドリング 水圧駆動 プラスティック利用によるオイルフリー
• 人との共同作業 本質安全(衝突時でも安全?)
2. 医療・介護・健康福祉分野
• 生体への柔軟な刺激(分散圧) • 携帯可能な小型筋力支援ウェア
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実用化に向けた課題
1. 耐久性の向上 • 製作方法(溶着手法) • 材料の選定
2. 発生力の設計方法
• モデリング • 実験的検討
3. 精度の検証
• 再現性の改善 • 分解能の確認
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企業への期待
• プラスティックフィルムの溶着技術の改善 – 材料の提案 – 溶着製作の委託
• キラーアプリケーションの提案
– こんな分野に使用できるのでは? – こんな形状にはできないか?
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本技術に関する知的財産権
• 発明の名称 :流体圧アクチュエータ • 出願番号 :特願2012-159670 • 出願人 :学校法人立命館 • 発明者 :西岡靖貴、川村貞夫
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お問い合わせ先
立命館大学
研究部 リサーチオフィス(BKC)
橋本 敏信
TEL : 077-561 - 2802
FAX : 077-561 - 2811
e-mail : t-hashi@st.ritsumei.ac.jp