介護・福祉・医療機器開発におけるモデルベースデザイン...model (nam) 18...
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1© 2016 The MathWorks, Inc.
介護・福祉・医療機器開発におけるモデルベースデザイン
MathWorks Japan
Consulting Service
鳥居 荘太
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MBDの効果確認済みのお客様
はじめに
MBD
成熟
度
時間
すでにMBD導入済みのお客様
これからMBDを始めるお客様
システム開発経験有り/無し
本セッションのフォーカス
3
アジェンダ
1. ソフトウェア開発と認証• ユーザー事例紹介• 医療機器のソフトウェア開発と認証• 医療機器開発に対するMathWorksの取り組み活動
2. 例題と制御開発ワークフロー• 制御開発ワークフロー• 例題概要• 制御開発とMathWorks製品群
3. MBDを開発の道具として使っていく上での共通課題• MBDに立ちはだかる壁• MBD成熟度と課題、アプローチ
4. まとめ
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アジェンダ
1. ソフトウェア開発と認証• ユーザー事例紹介• 医療機器のソフトウェア開発と認証• 医療機器開発に対するMathWorksの取り組み活動
2. 例題と制御開発ワークフロー• 制御開発ワークフロー• 例題概要• 制御開発とMathWorks製品群
3. MBDを開発の道具として使っていく上での共通課題• MBDに立ちはだかる壁• MBD成熟度と課題、アプローチ
4. まとめ
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医療機器ユーザー事例
医療機器開発においてもMBDは使われはじめ、開発フェーズ・目的に応じた効果が実感されている
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高い信頼性システムが求められる産業分野
自動車
産業機器
鉄道
医療機器
ISO26262-6
IEC61508-3
EN50128
IEC62304
航空宇宙DO178
それぞれの産業分野に応じた安全規格とプロセスの適用が推奨されている
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IEC62304の位置付けと関連規格
産業機器における電気・電子・プログラマブル電子の機能安全規
格IEC61508-3のソフト開発手法
適用の推奨
医療機器品質マネジメント規格
ISO13485
医療機器リスクマネジメント規格
ISO14971
医療機器ソフトウェアライフサイクルプロセス規格
IEC62304
参照
参照
参照品質マネジメント
リスクマネジメント
ソフト開発プロセス
ソフト開発手法…
医療機器機能安全の通則
IEC60601-1:Ed.3
医療機器品質マネジメント
医療機器リスクマネジメント
医療機器ソフトウェアライフサイクルプロセス
…
過度の放射線に関する保護
機械的ハザードに関する保護
IEC62304は医療機器ソフトのライフサイクルプロセスに対する国際規格。ソフト開発手法自体は産業機器の機能安全IEC61508の適用が推奨されている。
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医療機器開発に対するMathWorksの取り組み
2013年4月から、米国食品医療品局(FDA)と MathWorks間で、Research and Collaboration Agreement (RCA)を結び、MBDの有効性を示す活動をしている
1/1/2009 12/31/20151/1/2010 1/1/2011 1/1/2012 1/1/2013 1/1/2014 1/1/2015
2/1/2010
MBD Paper
4/1/2009
UVa Virtual Patient Model
6/14/2011
Initial Engagement with OSEL
1/1/2012
MathWorks focus on Medical Devices
4/15/2013
Collaboration agreement between MathWorks and CDRH
9/1/2014
MBD Workshop for 10 ODE/CDRH members
(from DAGRID)
10/12/2015
PCLC Workshop in DC
1/1/2009 - 12/31/2011
Early Interest in MBD
5/1/2014
Couple of ODE engineers working on Modeling/Simulation
visit MathWorks
3/15/2015
MathWorks visits FDA
FDAがMBDの有効性を語っている
2016年最新情報
テクニカルアーティクル
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IEC62304とMBD制御開発ワークフロー
※テクニカルアーティクルより抜粋
自動コード等価性検証
自動コード生成
要件定義
詳細モデリング
期待値検証
制御モデリング
プラントモデリング
網羅度チェック
デザインエラー
実装モデリング
形式検証
検証仕様作成
機能分割
要求分析
システム設計
制御設計
実装
設計
検証
設計
検証
MBD制御開発ワークフロー
ツールを使うことで自動化も可能
MathWorks製品は一連を網羅
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ツール導入で一気に展開
MBDのサクセスストーリー
MBD
成熟
度
時間
これからMBDを始めるお客様
すでにMBD導入済みのお客様
MBDの効果確認済みのお客様
システム開発経験有り/無し
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アジェンダ
1. ソフトウェア開発と認証• ユーザー事例紹介• 医療機器のソフトウェア開発と認証• 医療機器開発に対するMathWorksの取り組み活動
2. 例題と制御開発ワークフロー• 制御開発ワークフロー• 例題概要• 制御開発とMathWorks製品群
3. MBDを開発の道具として使っていく上での共通課題• MBDに立ちはだかる壁• MBD成熟度と課題、アプローチ
4. まとめ
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欧米
欧州
日本
治療・予防 リハビリ 自立支援 健常者向け
例題 「電動ベッド」
例題
医療機器
医療機器
医療機器
福祉用具 一般機器
一般機器
一般機器
認証が必要⇒IEC62304適用推奨
制御開発において規制・認証に対応できる体制作りは必要
国や地域により制度上の分類が違う
MBD適用
メカとしては単純な動き認証は必要か?
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例題の前提
自動コード等価性検証
自動コード生成
要件定義
詳細モデリング
期待値検証
制御モデリング
プラントモデリング
網羅度チェック
デザインエラー
実装モデリング
形式検証
検証仕様作成
機能分割
要求分析
システム設計
制御設計
実装
設計
検証
設計
検証
機能モデリング
前提• 新規開発/新規事業として電動ベッドを開発• 過去の資産は無い(開発ノウハウ、レガシーCコード)• 開発対象はシステム設計(機能モデリング)
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例題の検討項目
自動コード等価性検証
自動コード生成
要件定義
詳細モデリング
期待値検証
制御モデリング
プラントモデリング
網羅度チェック
デザインエラー
実装モデリング
形式検証
検証仕様作成
機能分割
要求分析
システム設計
制御設計
実装
設計
検証
設計
検証
機能モデリング
検討項目• 制御のアイデアをシミュレーションで検討したい• 制御で人への負荷が軽減出来ないか検討したい• メカ機構を最適化したい• 制御ロジックが正しく機能していることを検証したい• ゼロ割などの設計エラーがないか• あってはならないことが起こらないか検証• 自動生成したCコードとモデルとの一致性を確認したい
・・・
本例題
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自動コード等価性検証
自動コード生成
要件定義
詳細モデリング
期待値検証
制御モデリング
プラントモデリング
網羅度チェック
デザインエラー
実装モデリング
形式検証
検証仕様作成
機能分割
要求分析
システム設計
制御設計
実装
設計
検証
設計
検証
プラントモデル
例題
制御モデル
モータドライバ モータ ギア回転角変換制御ロジック
Simulink/StateFlow SimscapeSimulink
システム設計検討のための機能モデルとして、簡易的なプラントモデルからはじめる事を推奨
シミュレーション環境 (MILS)
電動ベッド
例題
機能モデリング
制御開発の対象
バネ・マス・ダンパモデル簡易 理想 理想
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例題
必要であれば検討項目に応じ、詳細度を上げることも可能
検討項目• 制御のアイデアをシミュレーションで検討したい• 制御で人への負荷が軽減出来ないか検討したい追加→
簡易的なBodyモデル 関節モデル
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シミュレーションの人体モデルとFDAガイドライン (Draft版)http://www.fda.gov/MedicalDevices/ScienceandResearch/MedicalDeviceDevelopmentToolsMDDT/
認証において、今回の例題で示された人体モデルによるシミュレーションを実テストの代替とすることもテスト内容によっては可能
Nonclinical Assessment Model(NAM)
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ここまでのサマリMBD制御開発ワークフロー
量産コード生成&認証に対応した一連のプロセスに対応
一連のMathWorks製品のカバー範囲
自動コード等価性検証
自動コード生成
要件定義
詳細モデリング
期待値検証
制御モデリング
プラントモデリング
網羅度チェック
デザインエラー
実装モデリング
形式検証
検証仕様作成
機能分割
要求分析
システム設計
制御設計
実装
設計
検証
設計
検証
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アジェンダ
1. ソフトウェア開発と認証• ユーザー事例紹介• 医療機器のソフトウェア開発と認証• 医療機器開発に対するMathWorksの取り組み活動
2. 例題と制御開発ワークフロー• 制御開発ワークフロー• 例題概要• 制御開発とMathWorks製品群
3. MBDを開発の道具として使っていく上での共通課題• MBDに立ちはだかる壁• MBD成熟度と課題、アプローチ
4. まとめ
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MBDに立ちはだかる壁
MBD
成熟
度
時間
これからMBDを始めるお客様
すでにMBD導入済みのお客様
MBDの効果確認済みのお客様
システム開発経験有り/無し
ツール導入で一気に展開第1の壁
第2の壁
本セッションのフォーカス
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第1の壁
これからMATLAB/Simulink使ってみようというお客様が直面する共通課題
•プラントモデルが作れない⇒ ツールの使い方がわからない
•メンバーが作ったモデルの理解が困難⇒モデリングのルールが決まっていない
•モータ、メカモデルは作ったが全体システムとして動かない⇒各コンポーネントのモデルのI/Fを決めていない・わからない
•プラントモデルが実機と合わない⇒プラントモデルで表現すべき・表現できる範囲(詳細度)が不明
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プラントモデルの詳細度とアプローチ
制御モデリングで検討したい内容や自己のスキルに応じたプラントモデリングを行い、制御モデリングを進めて行くことを推奨
メカの動きのシーケンス制御を検討するのであれば、人間の形状は必要ない ←不必要に凝りすぎ
検討内容やテスト内容によっては簡易なモデルでも十分
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プラントモデリング系のツールの使い方とアプローチ
SimscapeSimElectoronics
IGBT
SimPowerSystems Simscape
• IGBT
Specialaized Technology
• IGBT
シミュレーションの目的と詳細度によって使い分ける⇒迷ったらブロックパラメータ数が少ないものから使い始めることを推奨
同じIGBT(半導体素子)だが3種類ある。どれを使えばいいのか?
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各コンポーネント間のI/Fのアプローチ
異なる物理ドメインの接続 Exampleを参考にそれぞれのコンポーネントや物理ドメイン単位で
作りこみをはじめてしまう
⇒開発対象の全体システムが含まれるExampleからスタートすることを推奨
モータードライバ開発に特化したExample
モーター開発に特化したExample
熱に特化したExample
作り込んだモデル 作り込んだモデル作り込んだモデル I/F不整合 I/F不整合
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モデリングのルールが決まっていない
最初から可読性のよいモデルにならないケースは多い
グチャグチャで理解が困難(プラントとコントローラが切り分け不明)
機能単位で階層化
⇒モデルが動くからといって、そのまま終わらせず、階層化や領域を作成し、考えを整理しておくことを推奨
領域で色分け
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MBDワークフロープロセス化の罠
そのままプロセス化
• ワークフロー=プロセスではない。• なぜならば、ワークフローには仕事のやり方や
ビジネスモデルは含まれていない。
「ワークフローにある形式検証をそのままプロセス化」結果:開発の現場で実行不能なプロセスなってしまい、
MBDは非現実的と現場から反発されMBD全否定。
検証済み社内ライブラリの活用など設計プロセスで抑えることで形式検証を省略することも可能
MBD制御開発ワークフロー
自動コード等価性検証
自動コード生成
要件定義
詳細モデリング
期待値検証
制御モデリング
プラントモデリング
網羅度チェック
デザインエラー
実装モデリング
形式検証
検証仕様作成
機能分割
要求分析
システム設計
制御設計
実装
設計
検証
設計
検証
⇒MBDワークフローをそのままプロセス化しようとしないことを推奨
失敗例
解
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第2の壁
すでにMBD導入済みだが、効果がイマイチというお客様が直面する共通課題
• モデリングが担当者によってばらつく
⇒モデリングのルールやガイドラインが無い
• 先行開発のメンバーが作ったモデルの理解が困難
⇒先行開発でも多少のモデリングルールは必要
• 既存の開発プロセスと上手く融合できない
⇒既存の開発プロセスは変えられない
教育などスキル関連の仕組みや
継続的な改善活動がない
既存開発プロセスの問題分析が
不足し、MBD展開のビジョンが設
定できていない
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主な症状
デバッグ
ハンドコーディング
要件
コーディング
システム構想
予備実験
実機待ち
仕様書解読
仕様書作成
デバッグ
機能構想
要求分析
システム設計
制御設計
実装 設計
設計
既存の開発プロセス
仕様見直し
機能見直し
単純コピー
自動コード生成
詳細モデリング
期待値検証
制御モデリング
プラントモデリング
網羅度チェック
デザインエラー
実装モデリング
形式検証
検証仕様作成
機能分割
自動コード等価性検証
?
?
?
?
?
単純コピーは既存プロセスにハマらずプロセス論議に陥る
⇒既存開発プロセスの良い所・問題点を仕分け、問題解決手段としてMBDを導入することを推奨
MBD制御開発ワークフロー
自動コード等価性検証
自動コード生成
要件定義
詳細モデリング
期待値検証
制御モデリング
プラントモデリング
網羅度チェック
デザインエラー
実装モデリング
形式検証
検証仕様作成
機能分割
要求分析
システム設計
制御設計
実装
設計
検証
設計
検証
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MBD成熟度とアプローチ
MBD
成熟
度
時間
これからMBDを始めるお客様
すでにMBD導入済みのお客様
MBDの効果確認済みのお客様
システム開発経験有り/無し
ツール導入で一気に展開第1の壁
第2の壁
1.ワークフローをそのままプロセス化しない
2.プロセス論議より既存開発プロセスの問題分析
3.問題分析からMBDのビジョンを設定
4.教育・スキル関連の仕組み作りと運用、継続的な改善活動
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アジェンダ
1. ソフトウェア開発と認証• ユーザー事例紹介• 医療機器のソフトウェア開発と認証• 医療機器開発に対するMathWorksの取り組み活動
2. 例題と制御開発ワークフロー• 制御開発ワークフロー• 例題概要• 制御開発とMathWorks製品群
3. MBDを開発の道具として使っていく上での共通課題• MBDに立ちはだかる壁• MBD成熟度と課題、アプローチ
4. まとめ
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MathWorksの技術サービスの紹介
トレーニングサービス– 教育・スキルアップ
定期トレーニング
オンサイトトレーニング
コンサルティングサービス– モデリングのアドバイス
プラントモデリング
制御モデリング
– 認証プロセス対応に向けたアドバイス
制御/実装検証
自動レポート生成
– ルール・ガイドラインのアドバイス
プロセスに沿ったルールとガイドライン
ガイドラインチェックの自動化
社外教育としてチームのスキルアップを継続的にサポート
お客様の実開発プロジェクトを例題に考え方をKnowledge Transfer
お客様のプロセスや開発体制に基づいたMBD運用の効率化・仕組み作り
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まとめ
1. 介護・福祉・医療機器開発においてもMBDは使われ始めている
2. 制御開発という領域ではMBDは産業によらず共通のワークフロー
3. ただし、MBDワークフローはそのままプロセス化はできない
– ワークフローとプロセスは同じではない
4. MBD成熟度に合わせて展開
– 最初から手を広げすぎない
– 導入済みで上手く回っていない場合は、既存開発プロセスの分析を行う
5. 組織として継続的に運用できるビジョンと体制作りが必要
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Medical関連ホームページのご案内
http://jp.mathworks.com/solutions/medical-devices/