電子デバイス研究グループ · 電子デバイス研究グループ 奥村研究室...
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電子デバイス研究グループ電子デバイス研究グループ
奥村研究室 須原研究室
新任A研究室(2010年4月1日着任予定)
一定の独立性を保ちながら,有機的な連携を図って研究を進めています.一定の独立性を保ちながら,有機的な連携を図って研究を進めています.
奥村研究室+須原研究室+α=電子デバイス研究Gデバイス研ゼミ合宿@西湖 「レイクホテル西湖」 2009.10.10-11
before
デバイス研ゼミ合宿@西湖 「レイクホテル西湖」 2009.10.10-11
after
奥村研究室+須原研究室+α=電子デバイス研究G
平成22年度特別研究テーマ指導教員:奥村 次徳
• Ⅲ族窒化物半導体の低損傷加工プロセスに関する研究(1~2名)
• 微小電気-機械システム(MEMS)技術を応用
したデバイス開発(1~2名)
Ⅲ族窒化物半導体
特徴・毒性が全くない・ワイドギャップ・苛酷な環境に強い
(高温,強酸)・ピエゾ,圧電効果が利用できる AlGaN
高周波デバイス材料の周波数と出力の関係図Ⅲ族窒化物半導体高周波デバイス構造
新しい半導体材料
Ⅲ族窒化物半導体の加工プロセスには,プラズマを利用したドライエッチングが主流である.
しかし,高エネルギーのプラズマが照射されることで,表面欠陥が発生し,デバイス性能が劣化してしまうという問題が起きている.
・プラズマ照射欠陥の生成メカニズムを解明→欠陥の発生を抑制する方法がないか?→出来た欠陥を修復する手法がないか?→新しい半導体用評価方法の開発
Ⅲ族窒化物半導体の低損傷加工プロセスに関する研究
・低損傷な加工手法の開発→光電気化学プロセスの提案
プラズマダメージ発生メカニズムの解明
プラズマ照射によるキャリアプロファイル変化
0 0.05 0.1 0.15 0.20
1
2
3[×1017]
DEPTH [μm]
CARR
IER
DEN
SITY
n~N
D-N
A
未処理[cm-3]
H2 プラズマ
H2
Ar プラズマ
Ar
plasma
プラズマ照射により,半導体基板表面から200nm以下の領域に存在するSiドナーが不活性化され
る.
一部領域で電子濃度が減少 し,
デバイス特性が劣化する.
どうして!?
目標
・GaN 高周波トランジスタ実現
→ ゲート絶縁膜,素子間分離膜
・リセス構造やメサ構造による高性能化
→ 低損傷なプラズマ加工プロセスの実現
・GaNのナノ構造形成
→ バイオチップなどへの応用
図2 作製したGaAs上の300nm 径の Ni ドット
図1 原子1個1個を見る装置( STM )を使って半導体をナノ加工
20nm
図3 作製したGaAs上の数nm径の孔
光電気化学プロセスの開発
MEMSは,機械・電気・光・化学などの異分野技術との融合により,
新たな応用分野を切り開くキーテクノロジーとして,今後の発展が期待されている.
センサMEMS
医療・バイオMEMS
RF-MEMS
パワーMEMS
光MEMS
(Micro Electro Mechanical Systems)MEMS
半導体微細加工技術を用いて作製された、機械部品と電子回路を集積したシステム
微小電気-機械システム(MEMS)技術を応用したデバイス開発
・既存デバイスとMEMS技術とが融合した新機能・性能デバイスの提案
・必要な性能を満たすための構造は?・その構造を作製するプロセス方法は?
10μm
図1 高剛性シリサイド支柱をもつ中空構造形成プロセス概略図
図2 高剛性シリサイド支柱をもつシリコン中空構造の電子顕微鏡写真
図3 中空構造部分の拡大図
SiO2
図4 液晶プロジェクター用のマイクロミラーアレイ(TI社)
MEMS構造作製プロセスの開発
有限要素法解析によるMEMS構造最適化
全方位拘束予荷重
予荷重
半径R
膜厚t
ヒンジ幅w
modeE例
4点ヒンジ型(WG4) 6点ヒンジ型(WG6)
解析例) ワイングラス型MEMS発振器の構造最適化構造パラメータ:円板の半径,厚さ,ヒンジ数,ヒンジ幅,材質
振動モード,共振周波数,Q値との相関関係を調査した.
有限要素法複雑な形状・性質を持つ物体を,要素と呼ばれる単純な形状・性質の小部分に分割して,全体の挙動を予測しようとする手法
図1 MEMS円板の動作モードモデル
図2 4点ヒンジ円板のEモード解析結果
図3 6点ヒンジ円板のEモード解析結果
構造解析:変形と歪み(z方向)
エッチング前
エッチング後
変位:141[nm]
・簡単のため,2層構造とした.・曲げ変形が大きくなるように,各層の厚さを決定した.・エッチング前と後のモデルを作り,変形・歪みを評価した.
図5 マイクロ折紙技術で作製された構造(ATR)
マイクロ折紙:格子不整合系の積層薄膜に蓄積された応力を,その一部のみをエッチングなどで除去して解放することで,曲げ変形を起こさせる手法である.積層構造を精緻に設計することで「山折り」と「谷折り」が可能で,半導体結晶をまさに折紙のように変形できる.
図4 AlGaN/GaN積層膜の構造解析結果
平成22年度特別研究テーマ指導教員:新任A
• Ⅲ族窒化物半導体を用いた高感度ガスセンサの開発(1~2名)
• 歪みエンジニアリングによるⅢ族窒化物半導体デバイスの高性能化(1名)
Ⅲ族窒化物半導体を用いた高感度ガスセンサの開発
研究背景研究背景
クリーンエネルギー源 : 水素
燃料電池の実用化,自動車の燃料ガスとしての利用 →
問題点 : ユビキタス水素利用環境下での安全確保
・安価・小型・多様な環境下で動作可能(温度,雰囲気など)・低環境負荷材料
水素の利用が今後急速に拡大
水素ガスセンサ
• ワイドバンドギャップであることから高温でも十分デバイス動作可能である
• 耐薬品性に優れることから,過酷な雰囲気でもデバイス動作可能である
• それ自身がGa,Nで構成されているため低環境負荷材料である
GaNのセンサへの利用
0 2.0 4.0 6.00
20
40
Drain Voltage (V)
Dra
in C
urre
nt (m
A) 100 ppm H2
1 ppm H2 air
140oC
-2.5-1.5
-0.5
0.5
1.5
VGS (V)
図1 Pd/AlGaN/GaN HEMT型水素ガスセンサの構造 図2 Pd/AlGaN/GaN HEMT型水素ガスセンサ
の静特性のガス雰囲気依存性
※ HEMT : 高電子移動度トランジスタ , ppm : 百万分の1→0.0001%
ゲート電極(Pd)が水素に反応する
大気中において1~100ppmの範囲の水素ガスを検知可能
課題・高速化 ・広検知範囲化 ・高信頼性化 ・マルチガスセンサ化
①AlGaNはGaNよりも格子定数が小さいが,GaNの上に整合するよ
うに成長する
②成長面に平行な方向に引っ張り歪みが生じ,ポアソン効果によって垂直な方向に圧縮歪みが加わる.
歪みによって生じたピエゾ分極
GaN,AlGaNそれぞれが
持つ自発分極
③ピエゾ分極と自発分極によってAlGaN/GaN
ヘテロ接合界面に分極電荷が生じ,
2次元電子ガス(2DEG)が誘起される
2DEGをチャネル層とした電子デバイス
高電子移動度トランジスタ (HEMT)
2次元電子ガス
歪みエンジニアリングによるデバイスの高性能化
0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.00.0
1.0
2.0
width (μm)
shee
t car
rier
den
sity
(cm
-2)
部分的に引っ張り歪みを加えることにより2次元電子ガス濃度が増える.
逆に,圧縮歪みを加えると2次元電子ガス濃度が減少する.
AlGaN層の歪みにより,2次元電
子ガス濃度が変化する特性を利用して,デバイスの高性能化やセンサ応用ができないか?
http://www.eng.metro-u.ac.jp/~okumura/
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