姶良カルデラ壁における 土石流の予知予測姶良カルデラ壁における...
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姶良カルデラ壁における土石流の予知予測
鹿児島大学理学部地球環境科学科
岩松 暉
姶良カルデラ
2.5万年前,入戸火砕流を噴出した時に形成され,桜島は後カルデラ火山として誕生した
若御子カルデラ(真の噴出源?)
垂水市牛根
鹿児島市
竜ヶ水
吉野台地
シラスと姶良Tn火山灰
人吉宮崎
都城
鹿児島
出水
姶良カルデラ
桜島
人吉宮崎
都城
鹿児島
出水
姶良カルデラ
桜島
入戸火砕流堆積物 姶良Tn火山灰
竜ヶ水土石流災害
1993年8月6日平成5年8月豪雨による
1993年8月の土石流災害
列車2台が潰れ,自動車2,000台が孤立 深夜の海上からの救出劇
JR日豊線の運転規制
(1993.11.15実施)
停止
25km徐行
25km徐行
25km徐行
必要により停止
解除
解除
解除
30
25
20
15
10
5
0 100 200 300
40
80
130
警戒鳴動 注意鳴動 警備鳴動
段階的徐行格上げ 徐行
時間雨量(㎜)
累計雨量(㎜)
カルデラ壁河川の特徴
カルデラ壁の谷は集水面積狭い
その割には多量の出水
地下水を引き込んでいる
コア観察
ボアホールテレビによる観察
地下水の吹き出し 地下水の流れ込み
地下水・河川流量観測結果
降雨後1週間して地下水位増加
さらに1週間後降雨もないのに河川水増加
降雨量
0 20 40 60 80
地下水位
59 58 57 56
河川流量
0
1000
2000
7/1 7/15 7/29 8/12 8/26
1500
500
mm
G.L.m
l/min
吉野台地の地下水理
地層はカルデラと反対側に傾斜
地下水は普段はそちら側に流れる
豪雨時,とくに先行降雨が多い場合にはカルデラ側にオーバーフロー→土石流誘発
垂水市牛根の土石流災害
素因
カルデラ壁の急崖
桜島ボラの存在
地下水の役割
災害履歴
1993.6-8 集中豪雨
1976.6 集中豪雨
早咲大橋で迂回 1976.6.24災害
咲花平台地の地質
受け盤構造
地下水は小浜側へ流出
散花平水源地
水無し川に鹿児島市の水源地
地下水を取水して桜島島内に供給
降水量と湧水量との関係
降雨から少し遅れて湧水量増加
このタイムラグを見積もれれば予知可能
0
200
400
600
800
1000
1200
1993/4/1
1993/7/1
1993/10/1
1994/1/1
1994/4/1
1994/7/1
1994/10/1
1995/1/1
1995/4/1
1995/7/1
1995/10/1
1996/1/1
1996/4/1
1996/7/1
1996/10/1
1997/1/1
1997/4/1
1997/7/1
1997/10/1
1998/1/1
1998/4/1
1998/7/1
1998/10/1
1999/1/1
海潟日降水量(mm) 散花平日湧水量(m3)
タンクモデルの適用
散花平台地
孤立水系
台地が水瓶
タンクモデルが典型的に適用できるのでは?
咲花平台地
<蛇足>
咲花平は新鉱物・大隅石Ohsumilite 発見の標識地
実効雨量と湧水量
A.P.ISiと湧水量との関連図
0
100
200
300
400
500
600
700
800
900
1000
1993/4/1
1993/7/1
1993/10/1
1994/1/1
1994/4/1
1994/7/1
1994/10/1
1995/1/1
1995/4/1
1995/7/1
1995/10/1
1996/1/1
1996/4/1
1996/7/1
1996/10/1
1997/1/1
1997/4/1
1997/7/1
1997/10/1
1998/1/1
1998/4/1
1998/7/1
1998/10/1
1999/1/1
日付
湧水
量
散花平日湧水量(m3)
A.P.I..Si
カルデラ壁土石流の予知予測
カルデラ壁は受け盤構造
豪雨時地下水流出→土石流発生
予知システム構築 降水量・地下水位・河川流量の長期観測
土石流発生まで観測し,閾値を見いだす
ソフト的防災対策 縦割り行政をなくし連係プレイ
適切な交通止めと避難誘導
The End
何か質問はありませんか?