【半導体】展訊、来年投入するモバイルチップ...

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2015 年 6 月号 1 1322 号 6 月 1 日 【半導体】展訊、来年投入するモバイルチップをインテルに発注 14 ナノ採用 2015-5-29 精実新聞 中国国内最大の携帯電話チップメーカーである展訊(Spreadtrum)は、インテルから 資本参加を獲得したのに続いて、来年投入するモバイルチップ ODM をインテルに発注す ること、製造技術は 14 ナノ FinFET プロセスを採用することを明らかにした。 EETimes の 27 日報道によると、展訊 CEO の李力游(Leo Li)氏は、展訊が 2016 年に 投入するハイエンド及びローエンドのモバイルチップでインテルの 14 ナノ FinFET プロ セスを採用することを明らかにしている。展訊のモバイルチップはこれまで台湾の台積 電(TSMC)が ODM 生産していた。 また市場は、展訊がインテルの資本参加を受けたことから、恐らく ARM アーキテクチ ャーを放棄、インテルのアーキテクチャーを採用することになると見ている。展訊 CEO の李力游氏は、インテルの技術に競争力があれば、インテルのアーキテクチャーを採用 する、インテルからの圧力は受けないとしている。双方の契約には、展訊が今後投入す るモバイルチップで ARM アーキテクチャーを放棄し、インテルの技術を採用するとは明 記されておらず、展訊は今後も ARM アーキテクチャーを採用することで、最大のライバ ルである台湾の聯発(Mediatek)との競争を有利にしたいと考えている。 その一方で、李力游氏は、展訊がインテルの技術に対して興味がないわけではなく、 インテルのモバイルチップ SoPHIA を試験的に採用して顧客の反応を見たいとしており、 SoPHIA に対する評価が良ければ、採用を検討するとしている。今年年末に展訊が投入す る 8 コアのシステムオンチップ(SoC)は、引き続き ARM アーキテクチャーを採用、台積 電が 16 ナノ技術で生産すると見られている。 昨年秋にインテルは清華紫光集団(Tsinghua Unigroup)に 15 億米ドルの資本参加を 行っており、紫光集団傘下の展訊及び迪科(RDA Microelectronics)の 20%の持ち分 を取得している。 展訊が実際にインテルに ODM 発注することになれば、将来的には 10 ナノ技術を採用す ることになると見られている。ロシアのテクノロジーサイト Mustapekka.fi が独自に獲 得したインテルの 2013-2016 年スケジュールによる、インテルは来年 7-9 月に 10 ナノ技 術を採用した Cannonlake プロセッサを発表する計画で、 14 ナノ技術を採用した Skylake アーキテクチャープロセッサは予定通り今年 10-12 月に投入することが決まっている。 韓国メディアの 2 月中順の報道によると、三星が Exynos7 プロセッサで他社に先駆け て 14 ナノ FinFET プロセスを採用することが明らかになっている。三星の新機種 GalaxyS6 は Exynos7 の 8 コアプロセッサを搭載している。現在市場の主流となっている 20 ナノに比べ、三星の 14 ナノ 3D 垂直設計は消費電力を 35%削減することができると同 時に、処理速度も 20%上昇するとしている。 市場では、インテルが展訊に資本参加した目的は必ずしも生産能力の拡張あるいは特 許拡充を狙ったものではなく、中国政府の反トラスト調査を回避するためのものと見ら れている。ドイツ銀行アナリストの Jessica Chang 氏は昨年 9 月 23 日のレポートで、ク

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  • 2015 年 6 月号

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    1322 号 6 月 1日

    【半導体】展訊、来年投入するモバイルチップをインテルに発注 14 ナノ採用

    2015-5-29 精実新聞

    中国国内最大の携帯電話チップメーカーである展訊(Spreadtrum)は、インテルから

    資本参加を獲得したのに続いて、来年投入するモバイルチップ ODM をインテルに発注す

    ること、製造技術は 14 ナノ FinFET プロセスを採用することを明らかにした。

    EETimes の 27 日報道によると、展訊 CEO の李力游(Leo Li)氏は、展訊が 2016 年に

    投入するハイエンド及びローエンドのモバイルチップでインテルの 14 ナノ FinFET プロ

    セスを採用することを明らかにしている。展訊のモバイルチップはこれまで台湾の台積

    電(TSMC)が ODM 生産していた。

    また市場は、展訊がインテルの資本参加を受けたことから、恐らく ARM アーキテクチ

    ャーを放棄、インテルのアーキテクチャーを採用することになると見ている。展訊 CEO

    の李力游氏は、インテルの技術に競争力があれば、インテルのアーキテクチャーを採用

    する、インテルからの圧力は受けないとしている。双方の契約には、展訊が今後投入す

    るモバイルチップで ARM アーキテクチャーを放棄し、インテルの技術を採用するとは明

    記されておらず、展訊は今後も ARM アーキテクチャーを採用することで、最大のライバ

    ルである台湾の聯発(Mediatek)との競争を有利にしたいと考えている。

    その一方で、李力游氏は、展訊がインテルの技術に対して興味がないわけではなく、

    インテルのモバイルチップ SoPHIA を試験的に採用して顧客の反応を見たいとしており、

    SoPHIA に対する評価が良ければ、採用を検討するとしている。今年年末に展訊が投入す

    る 8コアのシステムオンチップ(SoC)は、引き続き ARM アーキテクチャーを採用、台積

    電が 16 ナノ技術で生産すると見られている。

    昨年秋にインテルは清華紫光集団(Tsinghua Unigroup)に 15 億米ドルの資本参加を

    行っており、紫光集団傘下の展訊及び锐迪科(RDA Microelectronics)の 20%の持ち分

    を取得している。

    展訊が実際にインテルに ODM 発注することになれば、将来的には 10 ナノ技術を採用す

    ることになると見られている。ロシアのテクノロジーサイト Mustapekka.fi が独自に獲

    得したインテルの 2013-2016 年スケジュールによる、インテルは来年 7-9 月に 10 ナノ技

    術を採用した Cannonlake プロセッサを発表する計画で、14 ナノ技術を採用した Skylake

    アーキテクチャープロセッサは予定通り今年 10-12 月に投入することが決まっている。

    韓国メディアの 2月中順の報道によると、三星が Exynos7 プロセッサで他社に先駆け

    て 14 ナノ FinFET プロセスを採用することが明らかになっている。三星の新機種

    GalaxyS6 は Exynos7 の 8 コアプロセッサを搭載している。現在市場の主流となっている

    20 ナノに比べ、三星の 14 ナノ 3D 垂直設計は消費電力を 35%削減することができると同

    時に、処理速度も 20%上昇するとしている。

    市場では、インテルが展訊に資本参加した目的は必ずしも生産能力の拡張あるいは特

    許拡充を狙ったものではなく、中国政府の反トラスト調査を回避するためのものと見ら

    れている。ドイツ銀行アナリストの Jessica Chang 氏は昨年 9月 23 日のレポートで、ク

  • 2015 年 6 月号

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    アルコム(Qualcomm)、展訊が中国国内モバイルチップ市場で激しい攻勢をかける中、現

    在同市場で最大シェアを有する台湾聯発(Mediatek)への圧力は日増しに高まっている

    と指摘している。

    【スマホ】1Q世界のスマ-トフォン出荷量レポ-ト、聯想が華為を上回り3位に

    2015-5-29 捜狐科技

    携帯電話市場調査機関 Communities Dominate Brands が発表した 2015 年 1-3 月の世界

    のスマートフォン出荷量レポートによると、今年 1-3 月の世界のスマートフォン出荷量

    ブランド別シェアは、三星が 24.3%(8280 万台)で首位、アップルが 17.9%(6160 万台)

    で 2位、聯想がモトローラを含めると 5.5%(1870 万台)で、華為の 5.1%(1750 万台)

    を上回って 3位となった。5位から 10 位は上位から LG、小米(Xiaomi)、中興(ZTE)、

    酷派(Coolpad)、TCL(Alcatel)、vivo だった。昨年同期に 10 位内だったソニーはランク

    外となった。

    10 位内にランクされた中国国内ブランドは 7 社、vivo がソニーに代わって新たに 10

    位内にランクされた。小米は順位を 5位から 6位に落とした。

    今年 1Q スマートフォン出荷量トップ 10 ブランド

    順位(前年) ブランド 出荷量 シェア 昨年 4Q 比

    1 (1) 三星 8280 万台 24.3% 20.1%増

    2 (2) アップル 6160 万台 17.9% 20.1%増

    3 (3T) 聯想* 1870 万台 5.5% 6.6%増

    4 (3T) 華為 1750 万台 5.1% 6.6%増

    5 (7) LG 電子 1540 万台 4.5% 4.2%増

    6 (5) 小米 1500 万台 4.4% 4.6%増

    7 (9) 中興 1250 万台 3.5% 3.6%増

    8 (8) 酷派宇龍 1150 万台 3.4% 4.0%増

    9 (6) TCL/Alcatel 970 万台 2.8% 4.5%増

    10 (-) Vivo 930 万台 2.7% 3.1%増

    その他ブランド 9710 万台

    総計 3 億 4080 万台

    * モトローラ出荷量を含む

    【半導体】中国政府、法人税優遇享受できる半導体企業 45社を発表

    税屋 2015-5-29

    中国国家発展改革委員会、中国工業情報化省、中国国家税務総局が 4月 30 日、連名で

    2015 年の法人税優遇措置を享受できる半導体生産企業リストを発表した。同リストによ

    ると、中国国内の半導体生産企業 45 社が法人所得税の優遇措置を享受、そのうち、江蘇

    省企業が 12 社、全体の 27.6%を占めた。優遇措置を受ける江蘇省 12 社は主に蘇州、無

    錫の 2つの都市に集中しており、そのうち投資額が 80 億元を超え回路線幅が 0.25 ミク

  • 2015 年 6 月号

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    ロン以下のチップメーカーが 7社、投資額が 80 億元を超え回路線幅が 0.25-0.8 ミクロ

    ンのチップメーカーが4社、投資額が80億元を超える実装検査企業が1社となっている。

    以下は今回発表された法人税優遇措置を享受できる半導体生産企業 45 社のうち、回路

    線幅 0.25 ミクロン以下のチップメーカー25 社である。

    【生産統計】中国国内電子情報産業主要製品今年1-4月輸出入状況

    2015 年 5 月 26 日中国工業情報化省運行監測定協調局

    2015 年 1-4 月の中国国内の電子情報製品輸出入総額は 3907億米ドルで、前年同期比

    0.6%減、そのうち輸出 2317億米ドルで前年同期比 0.2%増、輸入は 1591億米ドルで前年

    同期比 1.8%減だった。4月単月の電子情報製品の輸出入総額は 1029億米ドルで前年同期

    比 4%減、そのうち、輸出額が 605億米ドルで前年同期比 3.6%減、輸入額は 424億米ドル

    で前年同期比 5.2%減だった。

    主な輸出製品の 1-4 月の輸出額及び前年比増減は以下の通り。

  • 2015 年 6 月号

    4

    コンピュータ 607億米ドル 10.8%減

    テレビ 22億米ドル 16.4%減

    電子材料 21億米ドル 4.4%減

    家庭用電子機器 323億米ドル 1.8%減

    電子部品 386億米ドル 0.9%減

    電子計器 97億米ドル 0.5%減

    通信設備 624億米ドル 16.3%増

    電子素子 236億米ドル 2.8%増

    携帯電話 364億米ドル 24.4%増

    ノート PC 202億米ドル 14.4%減

    半導体 173億米ドル 0.2%減

    コードレス電話部品 101億米ドル 9.4%増

    液晶パネル 94億米ドル 3.6%減

    主な輸入製品の 1-4 月の輸入額及び前年比増減は以下の通り。

    電子部品 878億米ドル 0.7%増

    コンピュータ 174億米ドル 6.9%減

    電子素子 147億米ドル 4.8%減

    電子計器 147億米ドル 9.6%減

    通信設備 149億米ドル 6.4%増

    家庭用電子機器 58億米ドル 6.2%減

    電子材料 24億米ドル 6.9%減

    テレビ 12億米ドル 16.3%減

    半導体 665億米ドル 3.5%増

    液晶パネル 127億米ドル 8.2%減

    コードレス電話部品 97億米ドル 2.4%増

    HDD 49億米ドル 0.6%減

    プリント基板 39億米ドル 0.9%減

    【PCB】志超、台湾日立化成の高雄 PCB 工場買収 車載基板を強化

    鉅亨網 2015-5-29

    液晶パネル用プリント基板大手の志超科技(TPT)は、日本の台湾日立化成の高雄輸出

    加工区のプリント基板工場の80%の持ち分を2.57億 NTDで取得することを明らかにした。

    志超科技は台湾日立化成の車載基板事業取得に興味を示していた。

    台湾日立化成の高雄工場の多層版月産能力は 20 万フィート,主な製品は車載基板及び

    液晶パネル用プリント基板で、月間売上高は 0.8-1.2 億 NTD とされている。

  • 2015 年 6 月号

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    1323 号 6 月 3日

    【ノート PC】瑞芯微電子、単価 1000 元新型 chromebook プロセッサ受注

    2015-6-1 騰訊科技

    中国国内のファブレス半導体メーカーである瑞芯微電子(Rockchip)は、北京中関村

    3W 咖啡会議室で瑞芯微電子 chromebook 新チップ体験会を開催して、瑞芯微電子の新製

    品 RK3288-C プロセッサを搭載した新型 chromebook を展示した。また米国サンフランシ

    スコで毎年開催されているグーグルの開発者向けイベント Google I/O(Google

    Innovation in the Open)で、瑞芯微電子プロセッサを搭載した新型 chromebook がグー

    グルのスマートウェアラブル端末、アンドロイド OS、スマートフォン等の新製品と同時

    に展示された。中国国内の半導体メーカーが開発したプロセッサがノート PC 製品に採用

    されると同時に GoogleI/O に展示されるのは今回が初めてという。

    新型 Chromebook は今回初めて瑞芯微電子の RK3288-C プロセッサを採用したが、同プ

    ロセッサは ARM の A17 アーキテクチャー、最高処理速度は 1.8GHz、GPU は ARM Mali 最高

    規格のクアッドコア Mali-T760 シリーズの T764 を採用している。より高い性能の GPU

    を採用することで、新型 Chromebook はウェブサイト閲覧速度を従来製品に比べ 25%速く

    することに成功しているという。発表内容によると、新型 Chromebook の起動速度はわず

    か 8秒、1時間当たりの消費電力は 2.9 ワットで、従来製品に比べ 45%低く抑えられてい

    る。測定データによると、バッテリによる継続使用時間を 13 時間まで引き延ばすことに

    成功している。

    Google I/O に展示された海爾(Haier)及び海信(Hisense)の新型 Chromebook ノー

    ト PC は、11.6 型ディスプレイ、2GB メモリ、16GB ストレージ、WiFi 機能を搭載、販売

    価格は 150 米ドル(約 923 元)に設定、グーグルが 2012 年から投入している Chromebook

    で最も低価格のノート PC 製品となっている。

    台湾のノート PC ブランドである華碩の Chromebook も同様に瑞芯微電子のプロセッサ

    を採用、10 型 1280×800 高画質ディスプレイ、2GB メモリ、16GB ストレージ、WiFi 機能、

    ブルートゥース 4.0 機能を搭載、販売価格は 170 米ドルに設定されている。また、華碩

    は 360 度回転可能なタッチパネルを搭載した瑞芯微電子 chromebook を投入、販売価格は

    250 米ドルとしている。

    出荷量予測データによると、Chromebook の今年の世界出荷量は 1000 万台を超える見

    通しで、Rockchip RK3288-C プロセッサを搭載した新型 Chromebook 出荷量が占める比率

    は 7 割に達すると見られている。現在 RK3288-C プロセッサを搭載した新型 Chromebook

    には、華碩 Chromebook Flip 及び C201、海信 C11、海爾 11 及び 11e 等のほか、インドの

    Xolo 及び Nexian があり、5月中旬にインド市場に投入されている。

    【ディスプレイ】東材科技、復旦大学と共同で新型薄型ディスプレイを開発

    2015-6-1 証券時報

    中国国内のディスプレイ材料メーカーである東材科技は 1日、子会社である金張科技

  • 2015 年 6 月号

    6

    が上海の復旦大学の先進材料実験室薄型ディスプレイ研究センターと戦略的パートナー

    シップ契約を締結、薄型ディスプレイに応用できる新型ディスプレイ材料及び光学フィ

    ルムを共同開発することを明らかにした。

    公告によると、2015 年の共同開発の重点は軽量化、薄型化、高輝度化、低消費電力の

    液晶ディスプレイバックライトモジュール用光学フィルムの開発とされている。

    東材科技は、復旦大学との戦略的パートナーシップ関係構築により、双方の人材と技

    術の資源を有効活用し、開発コストを引き下げることが可能になると同時に双方が新型

    ディスプレイ材料及び光学フィルム開発で協力を深めることは金張科技の光学フィルム

    応用領域での核心競争力の底上げにもつながり、金張科技の年産 2万トンの光学用ポリ

    エステルフィルム生産事業の技術水準の引き上げと市場開拓にもつながるとしている。

    【ディスプレイ】中国 TV メーカー、台湾からの液晶パネル調達量 45億米ドル

    2015-6-1 新華網

    中国電子映像産業協会副会長の白為民氏は、28 日台北で開催された中台ディスプレイ

    産業共同研究フォーラムで 2015 年の中国国内 TV メーカーの台湾企業からの液晶パネル

    調達量は 2700 万枚、金額は 45 億米ドルに達するとの見通しを明らかにした。

    白為民氏は、中国国内のディスプレイ製品の出荷量が拡大し続けており、液晶パネル

    の需要は依然巨大であるとしている。昨年の中国国内の TV 生産量は 1.4 億台を超え、世

    界生産量シェアは 50%に達している。2014 年の中国国内 6大カラーTV メーカーの台湾企

    業からの液晶パネル調達量は合計 2300 万枚、金額は 35.17 億米ドル、そのうち 4K 液晶

    パネルは 344 万枚で、調達総量の 15.3%を占めた。

    白為民氏は、中国国内の薄型ディスプレイ産業の集積が進んでおり、2014 年の中国国

    内の液晶パネル自主調達率は初めて 30%を突破した、中国国内のカラーTV 産業は既に規

    模拡大の段階から構造調整の段階に入ったとの見方をしている。

    同氏は、中台協力は技術のグレードアップと標準制定を推進すると同時に、共同で新

    たな設備材料サプライヤーを育成することは中台の素材産業の創出にもつながり、素材

    産業での発言権を高めることにもなると強調する。

    台湾貿易協会董事長の梁国新氏は共同研究フォーラムで、ここ 5年間、中国国内は世

    界最大のカラーTV 市場であり、ハイエンド TV 市場の成長が最も著しい地域でもある、

    中国国内のカラーTV ブランドは中国国内市場で歓迎されているだけでなく、国際市場で

    も歓迎されるようになっており、世界市場シェアを確実に上昇させていると指摘する。

    梁国新氏はまた、今後中台の液晶パネル調達における協力関係は量から質を重視する

    方向にシフトしていくと同時に安定収益、共同開発、製品歩留まり及び性能改善などが

    共通目標となってくると指摘している。

    今回白為民氏は中国国内の 6大カラ―TV メーカーである TCL、海信、海爾、創維、長

    虹、中電熊猫を率いて共同研究フォーラムに参加、6 月 2 日に開幕する台北国際コンピ

    ュータ見本市にも参加することを明らかにしている。

  • 2015 年 6 月号

    7

    【半導体】中国国内資本、赤字が続く Global Foundries 買収に意欲

    2015-6-2 国際電子商情

    アブダビ政府投資機関 Mubadala Development が先日発表した業績内容によると、傘下

    の半導体ファウンドリ大手の GlobalFoundries が一部投資で 2014 年に 15 億米ドルの損

    失を計上したが、昨年 IBM の半導体事業を買収し、15 億米ドルの補てんを獲得すること

    で資金繰りを解決している。

    ただ、GlobalFoundries は 2013 年にも 9億米ドルの赤字を計上しており、中国国内資

    本が GlobalFoundry の買収に意欲を示していることが伝えられている。

    【半導体】聯電、中芯国際台頭受けて厦門工場 28 ナノ技術導入模索

    2015-6-2 Digitimes

    中国国内最大、世界 3位の半導体ファウンドリである中芯国際(SMIC)は中国国内半

    導体産業台頭の代表的企業であり、世界第 2位の半導体ファウンドリである台湾の聯電

    (UMC)にとっては実力をさらに高めていかなければ、中国国内半導体産業台頭の波に飲

    み込まれてしまうという危機感が高まっている。業界内では、中芯国際の台頭の影響を

    最も受ける企業は聯電で、中芯国際が最も得意とする 40 ナノ技術は正に聯電が得意とす

    る領域であり、今後双方の主戦場は 28 ナノ技術にシフトしていくことが予想されている。

    聯電は量産実現の時期では中芯国際を確実に上回る見通しだが、中芯国際は中国国内市

    場へのアクセスでは優位性があり、聯電は現在建設中の厦門の 12 インチ工場を早期に

    28 ナノ技術にシフトしたいとしている。

    台積電(TSMC)も中国国内で 12 インチ工場の建設を希望しており、導入する技術は聯

    電同様、28 ナノ技術を希望している。28 ナノ技術は今後も中国国内のモバイルデバイス

    市場向け主力製品になると見られている。台湾企業の中国国内での半導体工場で導入で

    きる技術は台湾域内工場の最高技術の1世代前までといういわゆるN-1ルールがあるが、

    最大手の台積電の台湾域内工場は既に 20 ナノ技術の量産を実現しており、年内にも 16

    ナノ技術へのシフトが進むことから、中国国内工場の 28 ナノ技術導入は全く問題ないと

    されている。現在障壁となっているのは中国国内企業との合弁とするというルールで、

    台積電は当局に対してこのルールの緩和を要請しており、独資での中国国内工場建設を

    希望している。

    聯電の厦門 12 インチ工場は現在既に建設を開始しており、市場は同工場が 28 ナノ技

    術を導入すると見ていたが、N-1 ルールの制限があるため、聯電の厦門工場は完成して

    も 28 ナノ技術は導入できず、55 ナノもしくは 40 ナノ技術の導入に限られる。ただ、聯

    電は現在このルールを回避する方法を検討中で、28 ナノ技術を導入することで中国国内

    市場での優位性を確保したいと考えているという。

    中芯国際と上海華力半導体はどちらも 28 ナノ技術の開発を始めているが、それぞれク

    アルコム、聯発(Mediatek)に協力を仰いでおり、実現までには一定の時間を要すると

    見られている。そのため、台積電と聯電は中国国内工場への 28 ナノ技術早期導入が中国

    国内の顧客をつなぎ止める上での重要な戦略となっている。

  • 2015 年 6 月号

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    【ウェアラブル】IHS、今年のスマートウォッチ用パネル出荷量 3400 万枚予想

    2015-6-2 IHS DisplaySearch

    ディスプレイ市場調査機関 IHS 上海オフィス発表によると、Apple Watch の投入によ

    り、今年のスマートウォッチ向けパネル出荷量は昨年比 250%増の 3400 万枚に達する見

    通しであることが明らかになった。

    但し、スマートウォッチ向けパネルの需要拡大を懐疑的に見る向きもあり、今年 10-12

    月のスマートウォッチ用パネル出荷量は 650 万枚まで減少する可能性があるとも指摘し

    ている。

    Apple Watch と Samsung Gear はどちらも有機 EL パネルを採用しているため、スマー

    トウォッチ用パネル出荷量の 6割近くは有機 EL パネルが占めているという。IHS の最新

    予測 Quarterly Small/Medium Shipment and Forecast Report によると、2015 年の

    AppleWatch パネル出荷量は有機 EL スマートウォッチ用パネル出荷の 84%、全てのスマー

    トウォッチパネル出荷量の 49%を占める見通し。

    【コネクタ】PEI-Genesis、中国広東省珠海市にコネクタ新工場を建設

    2015-06-01 OFweek 電子工程

    米国の精密コネクタメーカーである PEI-Genesis は 28 日、顧客への短納期を実現する

    ため、中国広東省珠海市に新工場を建設することを明らかにした。敷地面積は 5000 平方

    メートル。PEI-Genesis は世界最速の精密コネクタ、ケーブルメーカーで、新たに建設

    される珠海工場は新市場開拓のための重要な拠点になるとしている。

    PEI-Genesis は、現在中国国内には多品種少量生産を専門的に行っているコネクタ、

    ケーブルメーカーはない、PEI-Genesis が中国国内最初の多品種少量生産を専門的に行

    うコネクタ、ケーブルメーカーになる、48 時間以内に 1万件を超える異なる部品を納入

    することができ、同時に設計サポートも行うことを明らかにしている。

    1324 号 6 月 5日

    【音響部品】中国国内音響素子メーカー台頭で台湾メーカーとの戦線拡大

    www.eepw.com.cn 2015-5-28

    アップル iPhone シリーズ製品の音響部品サプライヤーは、日本メーカー、中国国内メ

    ーカー、台湾メーカーが互いにその資格を巡って激しく競争しているが、現在、日本メ

    ーカーのフォスター(Foster)、中国国内メーカーの瑞声科技(AAC)、歌爾声学(Goertek)

    が主力サプライヤーとなっており、台湾の美律(Merry)はアップルからの認証を取得し

    ているが、具体的な受注獲得には至っていない状態が続いている。

  • 2015 年 6 月号

    9

    アップルは iPhone 音響部品のサプライヤーを複数の企業に分散させており、日本の

    Foster、中国国内の瑞声と歌爾がそれぞれイアフォン、マイクロフォン、スピーカを供

    給している。そのうち Foster と瑞声はアップルからの受注を拡大、売上高を大幅に伸ば

    しているが、台湾メーカーの美律は iPhone 音響部品の受注を実現できない状態にある。

    美律はアップル Macbook、iPad 等製品のサプライチェーンには参画しているが、iPhone

    のサプライチェーンについては大きな壁を突破できない状態が続いている。

    携帯電話部品業界関係者は、中国国内メーカーは音響部品の領域では高い技術力を有

    するようになっており、スケールメリットでも台湾メーカーをはるかに凌ぎ、顧客群は

    アップルだけでなく、三星電子(Samsung Electronics)、LG 電子(LG Electronics)、マ

    イクロソフト、ソニーモバイル(Sony Mobile)等の主要国際ブランドを全てカバーしてい

    るほか、中国国内の主要携帯電話ブランドもカバーしているという強みを持っている。

    さらに、瑞声、歌爾は音響部品領域以外の新領域への参入を積極的に推し進めており、

    瑞声の製品ラインナップはタッチコントロール、RF、光学等の部品にも拡大、ワンスト

    ップ式の総合サプライヤーを目指している。歌爾も車載電子、ウェアラブルデバイス、

    スマートホーム等のサプライチェーンに参入、現在アップルの Beats、Apple Watch、

    CarPlay 等の製品ラインでの提携機会を探っている。

    現在、台湾メーカーでは美律、捷音特、東科がアップル向けに Beats イアフォン及び

    音響製品を ODM 生産しているが、将来的にはこれらの製品でも中国国内音響部品メーカ

    ーとの受注争奪戦が激化すると見られている。

    【電子部品】2015 年中国国内の可変周波数駆動装置 10大ブランド

    OFweek 工控網 2015/6/1

    北極星智能電網在線が発表した 2015 年の中国国内の可変周波数駆動装置 10 大ブランド

    ランキングは以下の通り。

    1、明陽龍源 (広東明陽電気集団有限公司)

    2、煙台恵豊 (煙台恵豊電子有限公司)

    3、成都佳霊 (成都佳霊電気制造有限公司)

    4、英威騰 (深圳市英威騰電気股份有限公司)

    5、台達 (台達電子工業股份有限公司)

    6、深圳滙川 (深圳市滙川技術股份有限公司)

    7、普伝科技 (普伝科技股份有限公司)

    8、風光電子 (山東新風光電子科技発展有限公司)

    9、合康億盛 (北京合康億盛変頻科技股份有限公司)

    10、利徳華福 (北京利徳華福電気技術有限公司)

    【液晶TV】海信、4K/2K/曲面等のハイエンド TV市場で世界3強に躍進

    2015 年 6 月 2 日中国新聞網

    ディスプレイ市場調査機関 Displaysearch の最新の 2015 年 1-3 月統計によると、中国

  • 2015 年 6 月号

    10

    国内のカラーテレビメーカーである海信(Hisense)が 4K、2K、曲面 TV 及び 50̶59 型大

    型 TV の 4 つの指標で既に世界 3強にランクされていることが明らかになった。

    製品とブランドは海信が海外ハイエンド TV 市場を攻める上で重要な武器であり、昨年

    から海信はテニス豪州オープンスポンサー、ドイツ ブンデスリーガのシャルケ 04 のス

    ポンサー契約を締結、今年は米国最大のモータースポーツ団体 NASCAR 傘下の Xfinity

    シリーズとスポンサー契約を締結、F1 レッドブルチームの戦略的パートナーにもなるこ

    とで、海信 ULED 製品を米国市場に投入することに成功している。

    【タブレット】クアルコム、全志と 4G-LTE タブレット PC プロセッサ領域で提携

    DIGITIMES 3-6-2015

    携帯電話チップ最大手のクアルコムは、インテルが中国国内最大の携帯電話チップメ

    ーカーである展訊(Spreadtrum)に資本参加する中、中国国内のタブレット PC プロセッ

    サ大手の全志(Allwinner)と中国国内市場向けエントリクラスかつ高コストパフォーマ

    ンスのSnapdragonベース4G-LTEタブレットPCプロセッサ開発で提携することが明らか

    になった。

    全志は今後OEM/ODMパートナーに対してクアルコムのSnapdragon 410/210プロセッサ

    をベースにした 4G-LTE 対応タブレットを提案することになるとクアルコムは話してい

    る。クアルコムは全志と提携することで、中国国内のタブレット PC 設計・製造産業への

    アクセスが大幅に拡大できるとしている。

    インテル、展訊、瑞芯微電子(Rockchip)の提携も、多くの White-box メーカーが参

    入している中国国内のエントリクラスタブレット PC 市場をターゲットにしており、クア

    ルコムとインテルの中国国内市場争奪戦が激化することが予想される。

    【PCB】嘉聯益、昨年の研究開発費が過去最高の 9.95 億 NTD 記録

    百能網 2015-6-3

    台湾の大手フレキシブル基板メーカーである嘉聯益(Career)は、2日株主総会を開催、

    2014 年の財務諸表を承認した。董事長の蔡長頴氏は、昨年の研究開発費用は 9.95 億 NTD

    に達したが、主に新製品開発に当てられたことから、今後新製品効果が出てくるとして

    いる。

    嘉聯益の 2014 年の連結売上高は 161.19 億 NTD で、前年比 19.32%増だったが、研究開

    発費が過去最高となったこともあって連結税前純利益は 5.41 億 NTD、前年比 40.26%減、

    税後純利益は 4.07 億 NTD、前年比 37.86%減となった。

    蔡長頴氏は、嘉聯益は近年、業態転換、製造技術開発、自動化設備、先進材料開発、

    顧客サービス深掘りを積極的に進めてきたこと、主要顧客である勝華(Wintek)の経営破

    たんの影響により同社に対する売掛金3.02億NTDを不良債権として処理したことを明ら

    かにした。

    蔡長頴氏はまた、昨年は新製品の開発を継続したことから研究開発費が過去最高の

    9.95 億 NTD に達したこともあって通年の純利益が例年に比べ低水準となったが、今年は

  • 2015 年 6 月号

    11

    新製品及び製造技術開発がほぼ一巡したことから研究開発費は大幅減になると同時に、

    新製品効果が顕在化してくると説明している。

    プリント基板市場調査機関 Prismark 統計によると、2014 年の世界のフレキシブル基

    板生産高は 114.76 億米ドルで 2013 年に比べ 1.7%増、そのうち台湾のフレキシブル基板

    生産高の前年比増加幅が最も高く 13.1%だった。Prismark は、2015 年の世界のフレキシ

    ブル基板生産高は 119.04 億米ドルで、前年比 3.7%増を予想している。

    【EMS】富士康の菏澤工場正式稼働 第1期1千名近くの工員を採用

    大衆網 2015-6-4

    世界最大の EMS 企業である富士康科技集団傘下の中国山東省菏澤市の現地法人、富盟

    電子科技(菏澤)有限公司が 3日、正式に稼働したことを明らかにした。稼働式典には、

    菏澤市委書記、菏澤市人大常委会主任の孫愛軍氏、菏澤市委副書記、菏澤市長の解維俊

    氏、菏澤市政協主席、菏澤市機電設備製造産業発展指導グループ長の劉勇氏、菏澤市政

    府副市長の黄秀玲氏、富士康科技集団副総経理の何有明氏が出席した。

    2014 年 10 月 25 日、菏澤市政府と富士康集団が提携契約を調印、富盟電子科技(菏澤)

    有限公司の生産ラインの改造を実行、半年の時間をかけて富士康菏澤工場は土建工事、

    設備据付・試運転を完了、江蘇省淮安市で研修を行っていた 1000 名近くの工員が既に菏

    澤工場に戻り、正式に菏澤工場第 1期工員として採用されている。富士康菏澤工場は全

    ての事業が稼働すれば、工員数は 5000 名に達することを明らかにしている。

    【産業規模】中国国内の電子情報産業規模、14兆元の大台を突破

    互聯網 2015-6-4

    第 7 回中国クラウドコンピューティング大会で、中国科学院主幹研究員で工業情報化

    省副長官でもある懐進鵬氏は、中国国内の電子情報産業の急速な発展により、2014 年の

    中国国内の電子情報産業の総売上高は 14 兆元の大台を突破、前年比 13%増となったこと

    を明らかにした。

    懐進鵬副長官のレポートによると、中国国内の電子情報産業規模は確実に拡大し続け

    ており、2014 年の総売上高は 14 兆元に達し、そのうち電子情報製造業が 10.3 兆元、ソ

    フトウェア及び情報技術サービス業が 3.7 兆元だった。また、中国国内のクラウドコン

    ピューティング産業は、2010 年は 350 億元、2014 年は 1000 億元を突破したことを明ら

    かにしている。

    クラウドコンピューティングは、中国国内情報化推進のための重要戦略であり、ネッ

    トワーク強国実現のための重要支柱となっている。中国の李克強総理は、今年の政府活

    動報告でインターネット、クラウドコンピューティング、ビッグデータ等を製造業に応

    用することを推進していくことを明らかにしている。5 月 19 日、日本の内閣に相当する

    中国国務院は「メイドイン・チャイナ 2025」を発表、工業とインターネット、ビッグデ

    ータ、クラウドコンピューティングを結びつけて、製造販売等に有効活用する政策を打

    ち出している。その第一歩として工業クラウド、工業ビッグデータを構築することを明

  • 2015 年 6 月号

    12

    らかにしている。

    【液晶パネル】恵科、8.5 世代液晶パネル生産ライン建設を今月開始予定

    華龍網 2015-6-4

    中国国務院が発表した「メイドイン・チャイナ 2025」が中国国内製造業に対して新た

    な長期目標を提示したことで、中国内陸部最大の製造拠点である重慶市にとっても新た

    な発展の機会をもたらしている。

    6 月 3 日、重慶市経済情報化委員会主任の郭堅氏は、重慶市が発展に注力している 10

    大新興産業群はいずれも「メイドイン・チャイナ 2025」の施策に合致したものであり、

    重慶市の 10 大新興産業規模は今年 1500 億元を突破、市全体の工業成長に対する貢献度

    は 30%に達する見通しを明らかにしている。

    郭堅氏はまた、伝統的に優位性を持った産業の構造転換を促すことで、経済の持続的

    かつ健全な成長を維持できる、重慶市は現在、電子核心部品、ユビキタス、ロボット、

    スマートシステム、ハイエンド交通システム、新エネルギー及びスマート自動車、MDI

    及び化学工業新材料、シェールガス、バイオテクノロジー、環境にやさしい材料等を 10

    大新興産業群としていることを明らかにしている。

    今年、重慶市はいくつかの重点プロジェクトの着工もしくは稼働させる計画で、今月

    着工する恵科集団の 8.5 世代液晶パネル生産事業、9 月に稼働を予定している独バスフ

    の年産 40 万トンの MDI 生産事業等が今年の重点プロジェクトに位置付けられている。恵

    科の 8.5 世代液晶パネル生産事業は中国国内の総合 IT 企業である恵科集団が投資、巴南

    経済園区デジタル産業パークに 120 億元を投じて 8.5 世代液晶パネル生産ラインを建設

    するもので、2017 年には年間生産高は 110 億元に達する見込み。

    1325 号 6 月 8日

    【スマホ】聯想 10年間の研究開発費 44億米ドル 華為 1年間に及ばず

    2015 年 6 月 5 日 21 世紀経済報道

    2006-2015 年度財務諸表によると、聯想(Lenovo)の過去 10 年間の研究開発費は合計

    44.05億米ドルで、華為の昨年1年間の研究開発費にも及ばないことが明らかになった。

    聯想集団執行副総裁、モバイル事業集団総裁、モトローラモバイル管理委員会主席の

    劉軍氏が聯想を離職したとの報道にメディア及び聯想内部でも衝撃が走っているが、5

    月28日の聯想グローバル大会TechWorldには劉軍氏は変わらずモバイル事業集団総裁の

    立場で出席をしている。

    聯想モバイル事業の業績が不調だったことが劉軍氏離職の要因と見られている。大手

    市場調査機関 IDC レポートによると、2014 年 7-9 月及び 10-12 月、2015 年 1-3 月、聯想

    の中国国内携帯電話市場におけるシェアはそれぞれ 12.8%、9.5%、8.2%と下落し続いて

  • 2015 年 6 月号

    13

    いる。2015 年 1-3 月の聯想の中国国内市場向け携帯電話出荷量は 820 万台で、前年同期

    比 22%減、シェア順位は 2位から 5位に落としている。

    さらに、聯想集団の 2014 年度(2014.3.1-2015.3.31)財務諸表から、モトローラ買収に

    より、モバイル事業の売上高が 91.84 億米ドルに達し、同社の総売上高の 20%を占めて

    いる。しかし、その一方でモバイル事業は最終損益では 3.7 億米ドルの赤字となってい

    る。市場関係者は、赤字の大半は買収したモトローラモバイルによるものではなく、聯

    想本体のモバイル事業から発生したものと指摘している。2014 年度の IBM の System X

    及びモトローラモバイルの赤字は合計しても 6300 万米ドルに過ぎない。

    聯想集団 CEO の楊元慶氏は 6月 3日の社内メッセージの中で、モバイル事業不振の最

    大の要因は、過去のパソコン事業における成功体験モデルに固執して携帯電話・スマー

    トフォン等の新事業を進めたことにある、過去の成功体験から脱却しなければ、新事業

    で成功することはないだろうと指摘している。

    2008 年初めに携帯電話事業で 4000 万米ドル近い赤字を計上したこともあり、聯想は

    一旦は携帯電話事業を売却、パソコン事業に集中することを選択している。2009 年初め

    に中国国内で 3G サービスライセンスが発給され、スマートフォン市場が急成長したこと

    から、聯想集団は 2009 年年末に 2億米ドルで聯想移動を買い戻すと同時に、携帯電話事

    業をパソコン事業に続く成長エンジンに位置付けて経営資源を集中。その後、聯想集団

    は携帯電話事業を中核とする MIDH(Mobile Internet Digital Home)事業グループを設立

    させている。

    2010 年初め、聯想移動は戦略機種として LePhone スマートフォンを投入、当時、楊元

    慶氏は LePhone をアップルに挑戦するための戦略製品と位置付けており、同製品が

    iPhone に対抗することができなければ同製品は失敗と見なすとの考えを明らかにして

    いた。しかし、2011 年度の LePhone の販売台数はわずか 50 万台にとどまる結果となっ

    た。

    2011 年度の聯想移動の売上高は 8.04 億米ドルに達したが、依然赤字状態が続いた。

    聯想中国地区の売上高、経常利益はそれぞれ 100 億米ドル、5.07 億米ドルで、そのうち

    パソコン事業の売上高、経常利益はそれぞれ 92 億米ドル、5.23 億米ドル、パソコン事

    業以外の事業は 1500 万米ドルの損失を計上している。

    ただ、2012 年度の聯想のスマートフォン出荷量は 700 万台を突破、前年度比 10 倍以

    上を達成、2013 年度の聯想のスマートフォン出荷量は前年度比 4 倍の 2800 万台に達し

    た。聯想移動の 2012 年度の売上高は前年度の 8億米ドルから 14.84 億米ドルに拡大した

    が、2012 年度の聯想中国地区のパソコン事業以外の事業(主に携帯電話事業が占める)の

    最終損益は 6900 万米ドルの損失を計上、2013 年度の聯想移動の売上高は 30.39 億米ド

    ルに達したが、聯想中国地区は 5000 万米ドルの損失を計上している。

    【タッチパネル】京東方傘下の合肥鑫晟、タッチパネル生産ライン量産実現

    2015-6-5 中華液晶網

    中国国内最大の液晶パネルメーカーである京東方(BOE)は、インタラクティブプラッ

    トフォーム上で、タッチパネル生産ライン事業が計画通り進展しており、既に DELL、HP、

  • 2015 年 6 月号

    14

    聯想(Lenovo)、華碩(Asustek)等のブランドメーカー向けにサンプル送付、認証を取

    得して量産を実現したことを明らかにした。

    また、京東方は 6月 4号に公告を発し、傘下の子会社である合肥鑫晟光電科技有限公

    司が請け負っている大型有機 EL パネル生産ライン事業とタッチパネル生産ライン事業

    が総投資額 66 億 6900 万元、政府の補助金 1 億 2360 万元で進められることを明らかに

    した。合肥鑫晟は既に 2014 年 11 月に政府補助金の一部 8652 万元を受領、6月 4日の公

    告発表日に残りの政府補助金 3708 万元を受領している。

    【タッチパネル】宸鴻、アップル新製品受注効果 5月売上高前月比 14%増

    2015-6-5 中華液晶網

    ガラスカバー式静電容量式タッチパネル大手の宸鴻(TPK)は 4日、5月の連結売上高

    が 89.05 億 NTD で 4 月の 78.22 億 NTD に比べ 13.9%増、前年同期の 108.78 億 NTD に比べ

    18.1%減、1-5 月の売上高は 456.76 億 NTD で前年同期の 465.06 億 NTD に比べ 1.79%減だ

    った。

    アナリストは、今年の宸鴻はアップル新製品である Apple Watch、新型 iPhone、大型

    iPad 向けタッチパネルを相次いで受注しており、同社の業績をけん引する重要なエンジ

    ンとなっている、業績は 4-6 月に底を打って下半期は売上高が上昇に転じ、その上昇基

    調は年末まで続くとしている。

    宸鴻は先回の投資家向け説明会で、今年 4-6 月のスマートフォン及びタブレット PC

    は新旧製品の買い換えの影響もあって出荷量に伸び悩みが見られるが、ウェアラブルデ

    バイス製品は堅調さが続いている、4-6 月の売上高は 1-3 月比 15-20%減、営業利益は黒

    字を維持するとの見方を明らかにしている。

    サプライチェーンからの情報によると、新型 iPhone 圧力センサー受注を宸鴻と鴻海傘

    下の業成(GIS)が獲得、そのうち宸鴻が 8割、残り 2割を業成が獲得したことが明らかに

    なっている。アップルは当初 5.5 型新型 iPhone でだけ圧力センサーを採用する計画だっ

    たが、現在 4.7 型新型 iPhone にも圧力センサーを採用しており、年間出荷量は当初の

    5000 万台個から 2億個に拡大すると見通しで、宸鴻の業績を押し上げている。

    TrendForce 最新レポートによると、4.7 型/5.5 型の 2種類のスクリーンを採用した新

    型 iPhone は今年 6 月に量産に入る見通しで、7-9 月から出荷を開始、出荷量は 2400 万

    台、10-12 月の出荷量は 5000 万台以上に達する見通しで、iPhone シリーズ全体の 2015

    年の出荷量は 2.3 億台を突破、前年比 20%増、新型 iPhone 出荷量は 2015 年の iPhone シ

    リーズ製品全出荷量の 35%以上を占めると予測している。

    【液晶パネル】李東生氏、中国国内 TV パネル自給率 2年以内に 80%超

    2015-6-4 中華液晶網

    中国最大の液晶テレビメーカーである TCL 集団董事長兼 CEO、深圳華星光電董事長の

    李東生氏は、米国で開催された SID Display Week 2015 でディスプレイ産業再編におけ

    る中国の実力について講演を行った。

  • 2015 年 6 月号

    15

    李東生氏は、今後 3年は中国国内が世界のディスプレイ産業の成長エンジンの役割を

    演じることになる、また量子ドット技術がハイエンド TV の主流技術になり、プリントデ

    ィスプレイ技術が次世代大型ディスプレイの核心技術になる、真空スパッタリング技術

    により生産される大型の有機 EL パネルに取って代わる可能性が高く、将来的には新聞を

    印刷するようにディスプレイを製造する時代が到来するとの見方を示した。

    同氏はまた、2014 年の中国国内の TV ディスプレイパネルの自給率は 54%だったが、今

    後 2 年以内に 80%以上に達すると予測。中国国内のディスプレイ産業が急速に発展した

    直接的要因は、中国国内にカラーテレビ、携帯電話の 2大産業があったためで、大型化、

    UHD(超高画質)TV 技術、スマート+インターネット等の要因が中国国内のカラーTV の

    需要を拡大、商業ディスプレイ製品の需要拡大もディスプレイ産業の急速な発展を促し

    ていると指摘。

    2015 年の中国国内のカラーTV 市場の成長率は 10%であるのに対し、北米及び欧州地区

    の成長率は 4-7%にとどまる見通し。また、世界の約 80%のスマートフォン製品は中国国

    内で製造されており、世界の約 35%のスマートフォン製品が中国国内で販売されている

    ことも、ディスプレイ産業の発展を促進していると述べた。

    【PCB】2014 年中国国内プリント配線基板メーカー売上高ランキング

    2015-06-04 CPCA 信息部

    企業名 売上高(億元) 備考

    1 臻鼎科技控股股份有限公司 154.75 見込み

    2 健鼎科技股份有限公司 82.46 見込み

    3 欣興電子股份有限公司 52.89 見込み(聯能科技含む)

    4 迅達科技亜太区 49.73 見込み

    5 珠海紫翔電子科技有限公司 48.51 FPC

    6 恵亜集団 40.65

    7 維訊柔性電路板(蘇州)有限公司 39.25 FPC

    8 志超科技股份有限公司 37.70 見込み

    9 名幸電子有限公司 36.97 広州南沙、武漢含む

    10 深南電路股份有限公司(*) 36.42

    11 瀚宇博徳股份有限公司 33.00 江陰、精成科技含む

    12 沪士電子股份有限公司 32.92 昆山、黄石等含む

    13 奥特斯(中国)有限公司 30.00

    14 華通電脑(恵州)有限公司 29.24

    15 嘉聯益電子(昆山)有限公司 28.83 見込み、FPC

    16 広東依頓電子科技股份有限公司 26.28

    17 珠海方正印刷電路板発展有限公司(*) 26.04 重慶、杭州、珠海含む

    18 南亜電路板(昆山)有限公司 25.66

    19 奥士康精密電路(恵州)有限公司(*) 23.00 益陽工場含む

  • 2015 年 6 月号

    16

    20 深圳市景旺電子股份有限公司(*) 22.37 龍川、江西含む、PCB+FPC

    21 敬鵬工業股份有限公司 21.76 見込み

    22 五株科技股份有限公司(*) 20.33 深圳、梅州、東莞含む、PCB+FPC

    23 金像電子股份有限公司 19.53 見込み

    24 汕頭超声印制板公司(*) 19.52

    25 開平依利安達電子有限公司 18.90

    26 台郡科技股份有限公司 18.48 見込み、FPC

    27 深圳市興森快捷電路科技股份(*) 16.74

    28 深圳市崇達電路技術股份有限公司(*) 15.91 大連、江門含む

    29 広東興達鴻業電子有限公司 15.84

    30 毅嘉科技股份有限公司 13.45 見込み

    31 紅板有限公司 12.66 東莞、江西含む

    32 競華電子(深圳)有限公司 12.56

    33 広東世運電路科技股份有限公司(*) 12.14

    34 揖斐電電子(北京)有限公司 12.06

    35 広東超華科技股份有限公司(*) 12.02

    36 東莞生益電子有限公司(*) 11.80

    37 深圳市深聯電路有限公司 11.60

    38 徳麗科技(珠海)有限公司 11.38

    39 昆山華新電子集団有限公司(*) 10.94

    40 勝宏科技(恵州)股份有限公司(*) 10.87

    *中国国内資本

    1326 号 6 月 10 日

    【ウェアラブル】華為、Jawboneと提携 ウェアラブル端末とUPの互換を実現

    2015-6-8 中国電子報

    中国国内最大のスマートフォンメーカーである華為(Huawei)は 8日、米国市場でス

    マートブレスレット Talk Band B2 の販売を開始すると同時に、スマートブレスレット大

    手の米国ジョウボーン(Jawbone)社と戦略的パートナーシップを締結したことを明らか

    にした。華為のウェアラブル製品B2のデータをJawboneのアクティビティトラッカー(活

    動量計)UP シリーズアプリケーションの互換性を実現したことを明らかにした。

    双方の提携により、華為は今後投入するウェアラブル製品を Jawbone の UP シリーズア

    プリケーションに自由にアクセスすることが可能となり、Jawbone のデータ統合サービ

    スを利用することが可能になるとしている。将来的には華為が今後投入する予定のスマ

    ートウォッチでもJawboneのUPプラットフォームにアクセスできるようにするとしてい

    る。

  • 2015 年 6 月号

    17

    Jawbone は米国サンフランシスコに本社を置くウェアラブル端末メーカーで、その UP

    シリーズのスマートブレスレットは精巧で美しいデザインでユーザーから厚い信頼を獲

    得している。UP 製品のプラットフォームは現在既に 3000 を超えるアプリケーションを

    有しており、ユーザーにヘルスケアや家庭温度計アクセス等の数多くのサービスを提供

    している。

    Jawbone 担当者によると、華為との戦略的パートナーシップは、中国国内市場に限定

    したものではなく世界市場を対象にしたものであるが、現時点では提携の内容はアプリ

    ケーションデータの相互交換に限定されており、華為と Jawbone は依然それぞれ独自の

    ハードウェア製品を開発すると見られている。

    華為のB2ブレスレットの米国市場での通常版の販売価格は180米ドル、人民元で1116

    元、中国国内での販売価格は 1000 元に設定、プレミアム版の販売価格は 200 米ドルで、

    人民元では 1240 元、中国国内での販売価格は 1200 元とされている。今週、華為は米国

    でのネット通販サイト GetHuawei.com 及びアマゾンを通じてオンライン販売を開始する

    と同時に米国国内の家電量販チェーン BestBuy 及び Fry’s で販売を開始する予定。

    華為 B2ブレスレットはAndroid4.0及びiOS7.0以上のスマートフォンに対応しており、

    金属材質を使用することで IP57 防水防埃対応となっている。色はブラック、ホワイト、

    ゴールドの 3色。そのうちゴールドは本革の材質を使用しているという。B2 ブレスレッ

    トは、ランニング、ウォーキング、ドライビング、ロッククライミングの 4つの運動デ

    ータを記録することができ、ディスプレイは有機 EL パネルを採用している。

    【車載電子】得潤電子、方盛電気系統を買収 車載電子事業を強化

    ggjd.cnstock.com 2015-6-8

    中国国内の大手コネクターメーカーである深圳市得潤電子(Deren)は 6月 4日、6月

    3日に方盛実業と合弁契約を締結、現金方式で方盛実業の 100%子会社である柳州方盛電

    気系統有限公司に対し 2320 万元の出資を行い、方盛電気の 60%の持ち分を取得、経営支

    配権を獲得することを明らかにした。

    方盛電気は方盛実業傘下で車載ワイヤーハーネス、車載電器系統の研究開発、設計、

    製造販売に従事する企業で、車載ワイヤーハーネスの年産能力は 20 万ユニット、主に東

    風柳州汽車、上海汽車通用五菱、柳工集団等に製品を供給している。2015 年 2 月末時点

    の純資産はマイナス 1997.76 万元、2014 年度売上高は 5852.62 万元、純損失は 1088.03

    万元となっている。

    得潤電子は、今回の戦略的投資家としての方盛電気への資本参加により、方盛電気の

    現有資産及び顧客ネットワークを有効活用できると同時に、製品開発、サプライチェー

    ンの統合メリット、中国西南地区の共同開拓というメリットがあるとしている。

    【液晶パネル】群創、世界初の 8.6G 生産ライン建設 来年 3Q量産開始

    2015-6-8 中華液晶網

    世界第 4位の大型液晶パネルメーカーである群創(Innolux)は先日、世界で初めてと

  • 2015 年 6 月号

    18

    なる 8.6 世代生産ラインを建設することを明らかにした。第 1期の年産能力はガラス基

    板ベースで約 4万枚になるとしている。

    市場関係者は、群創が同生産ラインの年産能力を 5万枚まで引き上げるとの観測が出

    ており、既に 2本目の 8.6 世代生産ラインを建設する計画を作成し始めているとも伝え

    ている。群創は新たに 45 型パネルを投入することで、45 型、50 型、58 型パネルで同業

    他社と競争することになる。

    群創は昨年後工程のモジュール生産ラインを台湾に再移転、設計、調達、販売、生産

    をユビキタスを利用して連結することで、ワーカーが現場に貼り付いて各工程の状況を

    把握する必要をなくし、全ての状況をスマートフォンで一目了然にすることでリアルタ

    イムの管理を実現している。

    群創は先日の投資家向け説明会の中で、今年 350 億 NTD を投じて一気に 2本の生産ラ

    インを建設すること、そのうち第 6世代 LTPS 生産ラインについては鴻海と提携、年産能

    力は 2.3-2.4 万枚、今年 8月に設備据え付けを行い、年末に稼働させるとしている。も

    う 1本は 8.6 世代生産ラインで、年産能力は 4万枚、来年 3Q に量産を開始するとしてい

    る。

    群創総経理の王志超氏は、8.6 世代生産ラインの設備は既に発注済みで、建設のテン

    ポを加速し、早期の稼働を実現したいとしている。年間 4-5 万枚の生産規模から見て、1

    本の生産ラインとしては規模は小さく、スケールメリットを発揮するには生産規模をさ

    らに拡大する必要があると見られている。8.6 世代生産ラインの生産計画について、王

    志超氏は、8.6世代のガラス基板サイズは2250mm×2600mmで、8.5世代の2200mm×2500mm

    に比べ若干大きいに過ぎない、稼働初期の主力製品は現在量産している 50 型、58 型パ

    ネルになることを明らかにしている。

    また王志超氏は、8.5 世代パネル生産ラインは最大でも 98 型パネルのカットしかでき

    ないが、8.6 世代パネル生産ラインは 100 型パネルのカットが可能で、将来的には TV 用

    パネルサイズを、40 型、45 型、50 型、55 型、60 型から 100 型まで拡大することが可能

    になるとしている。

    【液晶パネル】合肥市、今年 1Q の液晶パネル生産量 6千万枚に達する

    2015-6-5 中華液晶網

    中国国内の重要新型薄型ディスプレイ産業基地である安徽省合肥市は、2008 年以来、

    大型の薄型ディスプレイ事業の誘致を加速する政策を打ち出し、IT 産業の飛躍的発展を

    実現している。統計によると、今年 1-3 月の合肥市の液晶ディスプレイの生産量は 6423

    万枚で、前年同期比 41.9%増となっている。

    2008 年初め、中国国内最大の液晶パネルメーカーである京東方(BOE)が第 6 世代液

    晶パネル生産ラインを建設する意向が明らかになると、合肥市政府は真っ先に優遇措置

    を提示して誘致の意向を示したといわれている。翌年の 2009 年 4 月には総投資額 175

    億元の中国国内初の TFT-LCD 第 6 世代生産ラインの建設を合肥新站区で正式に開始する

    ことを実現している。

    京東方の第 6世代生産ラインが合肥に建設されることが決定したことは、その後の合

  • 2015 年 6 月号

    19

    肥の薄型ディスプレイ生産基地としての役割を決定付けるものとなり、そのことが京東

    方の 8.5 世代生産ラインの誘致成功にもつながっていく。

    今年初め、中国国内最大の偏光板メーカーである三利譜(Sunnypol)が合肥に偏光板

    生産基地を建設することを明らかにしており、既に建設を開始している。薄型ディスプ

    レイの中核素材である偏光板生産事業の誘致は、合肥が薄型ディスプレイのサプライチ

    ェーンを形成する上で大きな一歩と位置付けられている。三利譜が合肥に建設する偏光

    板生産基地の総投資額は 20 億元で、第 1期の年産能力は 3500 万平方メートル、主に携

    帯電話、タブレット、ノート PC、液晶テレビ用液晶パネル生産用に供給され、年間生産

    高は 50 億元に達し、中国国内最大の偏光板生産基地となる見込み。

    2013 年、中国国家発展改革委員会と中国財政省が安徽省を新型ディスプレイ及びロボ

    ット産業の集積化パイロット地域に指定しており、安徽省全省が新型ディスプレイとロ

    ボットの 2つの新興産業振興の中核地域として財政支援を集中的に受けることが決まっ

    ている。

    2014 年、安徽省全省の戦略的新興産業企業に指定されている 2745 社の企業の総生産

    高は 8378.9 億元に達しているが、そのうち新型ディスプレイ、ロボット産業関連企業の

    発展が最も目立っているという。

    今年 1-3 月の安徽省の薄型ディスプレイ及び電子情報産業の総利益総額は 82.89 億元

    で、前年同期比 58.3%増となっており、家電製造業や車載部品製造業に並ぶ安徽省経済

    のけん引産業になっている。

    今年 1-3 月の合肥市の液晶ディスプレイ生産量は 6423 万枚で、前年同期比 41.9%増、

    京東方と合肥市政府の合弁企業である合肥鑫晟光電の 8.5 世代生産ラインの生産高は

    33.2 億元で、わずか 3ヵ月で昨年通年の生産高の 65.7%を達成している。

    【投資環境】東莞市の製造業人件費、バングラデシュに比べ 10倍高いと

    中国経営報 2015-6-8

    外資系企業が密集する中国広東省東莞市の産業ロボット導入ラッシュが注目を集めて

    いる。かつて製造業のメッカといわれた東莞市であるが、経済の停滞と受注の減少、労

    働力コストの上昇等により構造転換が待ったなしとなっている。

    公開データによると、東莞市の製造業技術改造に対する投資額は 2014 年 1-8 月に前年

    比マイナスとなったが、その後の上昇により通年では前年比 28.6%増となった。東莞市

    の 2014 年の一定規模以上の製造業企業の労働生産性は前年比 17%上昇し、総従業員数は

    同 6.8%減、製品コストは平均で同 12.5%減となっている。

    東莞市副市長の賀宇氏は先日、スマートフォン、ロボット産業の支援により、東莞市

    は 10 年以内にモーションコントロール装備、産業ロボット及びサービスロボット、ハイ

    エンドデジタル家電の 3大企業群を育成する計画で、中でもロボット産業が一定の規模

    と影響力を形成するようになる見通しを明らかにしている。

    東莞市の産業ロボット導入は順調に進展しているが、東莞市の製造業の構造転換は依

    然進展したとは言えず、政府の思惑通りに企業に活力が回復しているとは言えない状況

  • 2015 年 6 月号

    20

    にある。

    長年東莞市の製造業の状況をウォッチしている電子情報産業アナリストの龔佳勇氏は、

    2013年から2014年にかけて、東莞市で倒産した企業は3000社を超えると指摘している。

    同氏は、東莞市で多くの企業が倒産に追い込まれた最大の要因は人件費の止まらない上

    昇にあるという。10 年前に中国国内で労働法が改正され、工場労働者の最低賃金と残業

    手当の基準が法律で定められたことで、企業は自主裁量で工場労働者の賃金を低く抑え

    ることが出来なくなり、10 年前には平均 1000 元前後だった東莞市の工場労働者の月額

    給与は今や平均 4000 元前後まで上昇しているという。

    人件費の上昇に伴って、日系企業や韓国系企業が工場を相次いで東南アジアに移転し

    たことも東莞市の工場閉鎖に拍車をかけた。東南アジアの中でも、ベトナムの工場労働

    者の月額給与は、東莞市の 10 年前の水準である 1000 元前後に過ぎず、労働集約型の企

    業は競争力維持のため、移転は不可避だったと当時を振り返る。

    東莞市のアパレル関連企業関係者は、工場労働者の月額給与はここ 2-3 年で 5000 元前

    後まで上昇している、一方、バングラデシュの工場労働者の月額給与は平均 400-500 元

    に過ぎないと指摘する。

    東莞市の製造業ウォッチャーである龔佳勇氏は、2013 年の東莞市の工場労働者の月額

    給与は平均 2506 元で、前年比 23%上昇した、生産コストの上昇は企業努力では如何とも

    し難い水準に達している、従来型の製造業が生き残るのは非常に難しくなっていると指

    摘する。

    近年の東莞市の製造業における産業ロボット導入ラッシュはこうした人件費の急上昇

    が背景にあり、東莞市政府もロボット産業を東莞市発展のための重点産業に位置付けて

    財政支援するようになっている。東莞市政府は既に 27 億元を投じて、松山湖にロボット

    産業基地の建設に着手、2014 年 9 月から 2015 年 4 月までのロボット導入補助金申請件

    数は 505 件に達しており、総投資額は 42.6 億元、工場労働者 3.4 万人の削減が可能にな

    るとしている。

    1327 号 6 月 12 日

    【半導体】台積電 3Q は保守的に 材料サプライヤーへの発注量 10%削減

    2015-06-09 自由時報

    端末市場の在庫調整が長引いている影響を受けて、半導体ファウンドリの 7-9 月業績

    が例年ならば需要期で好調であるべきところが低調なものになるとの観測が強まってい

    る。市場では台積電(TSMC)が近く材料サプライヤーに対し発注量の 10%以上の削減を

    通知すると伝えられており、同社の 7-9 月の売上高が例年に比べ低い水準になると予測

    している。世界先進(VIS)も 8日、端末市場の在庫調整が依然続いており、需要拡大に

    鈍化傾向が見られる、7-9 月の受注は低水準になるとの見通しを示している。

    台積電副董事長で世界先進副董事長でもある曽繁城氏は 8日、世界先進の株主総会後

  • 2015 年 6 月号

    21

    に、スマートフォン市場の飽和傾向による出荷量の伸び悩み、過剰供給後の調整局面が

    予想以上に長期化していること、ユビキタス向け端末が依然研究開発段階にあって実用

    化が不十分であることなどが今年の半導体市場の成長を昨年に比べ減速させると指摘し

    ている。

    世界先進はここ数四半期に関しては 2ヶ月先まで受注を確保していたが、董事長兼総

    経理の方略氏は、顧客からの受注確保が難しくなっている、7-9 月の売上高見通しを立

    てることが出来ない状況になっている、世界先進内部でも 5月初めの労働節以降、需要

    に力強さが見られない、7-9 月の業績への影響は避けられないとの見方をしている。

    台積電の今年 4-6 月の売上高は 1-3 月比 7-8%減となる見通しで、市場は 7-9 月には需

    要期が到来し業績が回復してくると予測していたが、台積電が矽晶圓(Global Wafer)

    等の材料サプライヤーに 7-9 月の発注量を 4-6 月比 10%以上削減することを通知したこ

    とから、半導体産業の在庫調整が予想以上に長期化している可能性を指摘している。

    さらに、大口顧客であるクアルコムの発注にも減速傾向が出ていることから、台積電

    の 7-9 月の売上高が 4-6 月比 5%以下の増加幅にとどまると見られている。一部では同増

    加幅が 8%に達すると予測している向きもあるが、それでも例年の増加幅 10%以上に比べ

    ると低水準である。今年 10-12 月には 16 ナノ FinFET 技術による量産が開始することか

    ら、市場は台積電の売上高が 10-12 月には急速に回復すると予測している。

    【タブレット】タブレットPC市場縮小で台北電脳展出展減 タブレットフォン台頭

    2015-06-09 網易科技

    海外メディアの報道によると、タブレット PC はかつて低迷していたパソコン産業の救

    世主と称されたが、今年の台北電脳展(Computex2015)にはタブレット PC 製品の出展は

    非常に少ない状況となっている。

    先週開幕したアジア最大のコンピュータ産業見本市である台北電脳展で、パソコン大

    手の宏碁(Acer)と華碩(Asustek)等のコンピュータメーカーが、タブレット PC では

    なく、大画面のタブレットフォン、2in1 ハイブリッド型ノート PC を出展。そのうち 2in1

    ノート PC については、ディスプレイパネルを切り離すことができ、タブレット PC に変

    形することができるモデルとなっている。ただ、両社とも縮小し始めているタブレット

    PC 事業を完全に停止することはないとしている。

    今回の台北電脳展で、宏碁と華碩は、数は少ないが、いくつかのタブレット PC を出展

    している。ディスプレイパネルは 8-13 インチ、そのうち殆どの製品がローミング及びマ

    ルチメディア機能を有しており、6 つのスピーカーを搭載している製品も出展されてい

    る。

    2013 年以降、タブレット PC はノート PC 市場に取って代わるといわれた勢いにも陰り

    が出ており、出荷量で首位を走り続けるアップルの今年 1-3 月の iPad 出荷量は昨年同期

    比 23%の大幅減となっている。大手 IT 市場調査機関 IDC は、昨年、タブレット PC とハ

    イブリッド型ノート PC の合計世界出荷量の伸び率は前年比 4.4%増まで低下したと指摘

    している。IDC は、2013 年の同増加率は 51%、2012 年の同増加率は 90%近くだったので、

    2014 年の 4.4%が如何に低水準であるかが分かると指摘する。IDC は、今年は同増加率が

  • 2015 年 6 月号

    22

    2%まで下がると予測している。

    消費者はスマートフォンとタブレット PC の境界線にあるディスプレイパネルが 5.5

    型から 7型までのタブレットフォンを好んで購入するようになっている。マイクロソフ

    トの Surface 等の多くの独立系のタブレット PC は、Wi-Fi あるいは Bluetooth を通して

    インターネットにアクセスすることができ、タブレット PC は既にデジタル情報家電とし

    て定着している。その役割はスマートフォンのようなモバイル性を求めるものではなく

    なっている。IDC は、2014 年から 2019 年までの間に、世界のタブレットフォン出荷量は

    4倍に拡大、2019 年には 6億台に達すると予測している。一方、同期間のスマートフォ

    ン出荷量の伸び幅は 51%にとどまり、同期間のタブレット PC とハイブリッド型ノート PC

    の出荷量は合計しても伸び率はわずか 17%にとどまると予測している。商用及び教育領

    域向け 2in1 ノート PC 及び低価格ノート PC の回復も、タブレット PC 出荷量の伸びを鈍

    化させるとしている、

    宏碁のスマートフォン、タブレット PC、スマートデバイス事業を担当する劉思泰(ST

    Liew)氏は、タブレット PC 市場は現在タブレットフォンと 2in1 ノート PC に分化し始め

    ていると分析している。

    一部のメーカーは、ディスプレイパネルが大きめのタブレット PC は、中国国内メーカ

    ーの低価格タブレット PC との過当競争が避けられない状況になっている、中国国内メー

    カーが生産するタブレットPCは通常7インチ以下のディスプレイパネルを採用している

    ため、激しい値下げ競争が避けられないとしている。

    アップルのサプライヤーは、アップルが現在 12.9 インチディスプレイパネルを採用し

    た iPad の投入を準備しているが、その出荷が遅延しているため、アップルが新たに投入

    する iPad に新機能を追加することで法人顧客の獲得を狙っていると伝えている。また、

    タブレット PC メーカーは、タブレット PC のモバイル不足を解決するため、ローミング

    ネットワークへの接続を検討しているという。

    クアルコムの製品事業担当のシニア副総裁の Raj Talluri 氏は、WiFi ネットワークは

    世界の多くの地域で未発達、特にアジアでは WiFi ネットワークを利用できない地域が多

    く、アジア市場に投入されるタブレット PC には LTE ネットワーク対応の製品が増えてい

    ると指摘する。

    【筐体】可成科技、複雑デザイン需要拡大で 2015 年事業環境は良好

    DIGITIMES 9-6-2015

    金属筐体大手の可成科技(Career)董事長の Hung Shui-shu 氏は 9日、スマートフォ

    ン筐体及び複雑な金属筐体デザインを求める需要が拡大していることから、2015 年の事

    業環境は良好、好業績が期待できる見通しを明らかにした。

    スマートフォン市場における金属筐体の浸透率は上昇し続けていることに加えて、ス

    マートフォンサイズの大型化が進んていることから、売上高の拡大が見込めると同時に、

    2014 年の生産ラインの自動化、新材料の開発への投資により収益力の改善も期待できる

    としている。

    可成の今年 5 月の連結売上高が 68.54 億 NTD (2 億 2300 万米ドル)で、前月比 3.3%減

  • 2015 年 6 月号

    23

    だったが、前年同月比では 55.15%増、1-5 月の連結売上高は 313.40 億 NTD で前年同期比

    64.05%増となっている。

    【スマホ】華為の5月のスマートフォン出荷量が単月として初の1000万台超

    2015-6-9 比特網

    中国最大のスマートフォンメーカーである華為(Huawei)の消費者事業携帯電話製品

    ライン総裁の何剛氏は母校の西安電子科技大学で母校の学生に対してプロフェッショナ

    ルとしての心構えを伝える中で、華為が世界に展開している 16 の研究所の 1つである西

    安研究所がどのように P8 等の人気スマートフォンを開発しているのかについて初めて

    紹介すると同時に、華為のウェアラブル端末に対する戦略についても明らかにした。ま

    た、5月の華為の携帯電話世界出荷量が初めて単月としては 1000 万台を突破し、年間 1

    億台の目標達成に向けて大きな第一歩となったことを明らかにした。

    華為の 2014 年の携帯電話出荷量は 7500 万台だったが、今年の同出荷量目標は 1億台

    としている。ただ、2015 年は 4月までは出荷量が低迷、市場では今年の出荷量目標の実

    現を疑問視する声が出ていた。

    何剛氏は、華為の今年 1-3 月の携帯電話出荷量は 1750 万台にとどまったが、第 2四半

    期に入って状況は好転、市場調査機関 GfK によると、華為の 3 月、4 月の中国国内での

    携帯電話出荷量は連続首位となっていることを明らかにした。そして、5 月の携帯電話

    出荷量が単月として初めて 1000 万台の大台に乗ったことに加えて、今後数か月は市場が

    需要期に入ることから世界出荷量 1億台の目標実現に一定の可能性が出てきたとしてい

    る。

    過去 1年間、華為は多くのヒット商品の開発に成功、今年 4月に発表し人気を博して

    いる P8 は正に華為の西安研究所が開発した製品であり、発売以降予約待ちの状態が続い

    ているという。淘宝等のオンライン販売のプレミアムは既に 300-400 元に達していると

    いう。同時に西安研究所は栄耀 3C、栄耀 3X 等 2014 年のヒット製品を開発した研究所で

    もある。6か月の販売実績が 600 万台を超える栄耀 4X、初めて予約注文量が 760 万台を

    超えた栄耀 4C も西安研究所の携帯電話チームが設計を主導した製品だという。

    華為はこれまで一貫して技術開発を重視してきた企業で、毎年売上高の 10%を研究開

    発に当てる経営を続けてきた。2014 年の華為の研究開発費用は 395-405 億元で、2013

    年に比べ 28%増、過去 10 年間の研究開発費用は累計で 1880 億元に達している。

    【マザーボード】七彩虹、中国国内市場 3位のマザーボードメーカーに躍進

    香港線路板協会 2015-6-11

    中国国内のマザーボードメーカーである七彩虹科技(Colorful)は、2015 年の中国国

    内市場でのマザーボード出荷量が 300-350 万枚に達する見通しで、中国国内市場でのマ

    ザーボード出荷量が台湾の微星科技(MSI)、映泰(Biostar)、華擎科技(ASRock)、精英

    (ECS)を抜いて華碩(Asustek)、技嘉(Gigabyte)に次ぐ 3位に躍進することが明らか

    になった。

  • 2015 年 6 月号

    24

    華碩と技嘉が中国国内市場で激しい値下げ競争を繰り広げる中、多くのマザーボード

    メーカーが中国国内市場への出荷量を抑制しており、七彩虹科技が中国国内市場でのグ

    ラフィックカード製品での優位性を利用して、中国国内市場でのマザーボード販売を伸

    ばしていることで一気に出荷量 3位に躍進した。

    2015 年は台湾の微星科技、映泰、華擎、精英の中国国内市場向けマザーボード総出荷

    量は 500 万枚を下回ると見られているが、七彩虹科技は 1社だけで 300-350 万枚を出荷

    すると見られている。

    【有機EL】京東方、7月数千億ウォン相当の成都6Gパネル生産設備入札

    2015-6-11 中華液晶網

    韓国メディア報道によると、中国最大の液晶パネルメーカーである京東方(BOE)が今年

    7 月に四川省成都市の B7 工場で有機 EL パネルの生産拡張を進める計画で、その生産拡

    張に要する有機 EL 薄膜形成に用いる真空蒸着装置の入札を行うことが明らかになった。

    同装置の投資規模は数千億ウォンで、中国国内では過去最大の有機 EL 生産設備入札にな

    る。

    韓国の電子ニュース ET News によると、京東方は 7月に四川省成都の B7 工場に対して

    設備投資を行う計画で、京東方は先ず核心設備で納期が最も長い有機 EL 薄膜形成用真空

    蒸着装置の入札から始めると見られている。真空蒸着装置の投資規模は数千億ウォンに

    達することから、設備メーカー業界の注目を集めている。韓国の SNU Precision、SFA、

    日本のアルバック(ULVAC)、Tokki 等が入札に参加すると見られている。

    B7 工場の設備投資規模は、第 6世代規格の母材投入量で計算すると、月産能力は 3.2

    万枚に相当、そのうちリジッド有機 EL 生産ラインの月産能力は 3万枚、フレキシブル有

    機 EL 月産能力は 2000 枚とされている。業界関係者は、薄膜形成用の真空蒸着装置の投

    資額だけでも 3000 億ウォン(約 2.7 億米ドル)に達することから、中国国内では過去最大

    の有機 EL 設備投資になる。

    京東方は内蒙古自治区オルドスB6工場では韓国のSNU Precisionの真空蒸着装置を採

    用したが、その数量は 1台にとどまり、同装置の殆どを米国企業及び日本企業から調達

    したという。

    1328 号 6 月 15 日

    【スマホ】小米、クアルコムから王翔氏獲得 聯発は受注失う可能性高まる

    2015-6-12 精実新聞

    中国国内第 2位のスマートフォンメーカーである小米 CEO の雷軍氏は、クアルコムか

    ら獲得した王翔氏が携帯電話産業に通じているだけでなく、小米がクアルコムとパート

    ナー関係を構築する上で重要な架け橋になるとの認識を述べた。王翔氏は携帯電話業界

  • 2015 年 6 月号

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    で 20 年の経験を有する人物で、雷軍氏は王翔氏が小米に加わることで小米がクアルコム

    と戦略的パートナー関係を一段と深めることが可能になると強調する。

    王翔氏はかつてクアルコムに 13 年在籍し、クアルコムの中国国内のオペレーション全

    体を総括していた経歴の持ち主であると同時にモトローラでも要職を歴任したキャリア

    を有する携帯電話産業の重鎮ともいえる人物。

    この人物が小米に加わることは、小米のクアルコムとのパートナー関係をさらに深化

    させたいとの思惑を強力にバックアップするものであり、クアルコムのライバルである

    聯発(Mediatek)にとっては大きなプレッシャーになると見られている。既にその成果

    が出ており、小米の最新製品である米 Note プレミアム版ではクアルコムの

    Snapdragon810 プロセッサが採用されている。小米が中国国内で勢力を急速に拡大する

    中、クアルコムはさらに多くの小米製品で聯発から受注を奪取する攻勢をかけてくる可

    能性がある。

    【スマホ】中国国内スマートフォン価格戦、500 元機種が競争の中核になる

    2015-6-12 壹観察

    市場の飽和傾向が表面化する中、中国国内スマートフォンメーカーでこれまでにない

    価格競争が繰り広げられている。

    TCL 通訊が 600 元の楽玩スマートフォン(中国電信の歓 go スマートフォン契約価格は

    400 元)を投入してから、聯想(Lenovo)が楽檬 K3 スマートフォンの販売価格を 500 元

    に引き下げることを発表、小米(Xiaomi)も紅米 2A の販売価格を 100 元引き下げて 500

    元とすることを発表している。酷派(Coolpad)に至っては大神 F1 Plus 版の価格を 100

    元下げて 400 元にすることを発表している。スマートフォン業界関係者は、中国国内の

    スマートフォン産業は既に赤字覚悟の値下げに踏み出したと見ており、産業全体の利益

    を考えた慎重な価格設定を行うべきと警鐘を鳴らしている。

    中国国内のスマートフォン市場で 1000 元機種ラッシュが始まったのは 2011 年だが、3

    大通信キャリアが多くの中国国内スマートフォンメーカーと連携して 1000 元スマート

    フォンを市場に投入、高額の補助金もあって激しい値下げ競争を引き起こした。1000 元

    機種ラッシュの第2波は中国移動(China Mobile)が4Gライセンスを取得してから発生、

    2014 年 4-6 月には 4G の 1000 元スマートフォンが市場に投入され、三星電子等の大手ス

    マートフォンメーカーの 3G 製品の在庫圧力が深刻になった。しかし、その後の政府の指

    導もあって通信キャリアの補助金が大幅に削減されたこともあって、在庫問題は 4G の

    1000 元スマートフォンにも波及した。今回の 1000 元スマートフォンの値下げ競争で最

    も象徴的なことは、これまでは 800-1000 元の価格帯での競争だった状況が一気に

    400-500 元での競争に突入したことで、その価格は BOM コスト価格を下回り始めている

    ということである。

    中国国内のスマートフォン市場がこうした採算度外視の新たな値下げ競争段階に入っ

    た背景には、先ず中国国内スマートフォン市場が飽和段階に入りつつあるという環境の

    変化を考える必要がある。大手市場調査機関 IDC が発表した最新データによると、中国

    国内の今年 1-3 月のスマートフォン出荷量は前年同期比 4.3%減となり、6年来で初めて

  • 2015 年 6 月号

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    前年を下回った。過去 4年間の爆発的成長を経て、中国国内のスマートフォン浸透率は

    既に 90%を超えており、米国や欧州等の成熟市場の浸透率さえ上回る状況となっている。

    これは、大多数の中国国内のスマートフォンユーザーが既にスマートフォンの 1回目の

    購入が一巡し、次なる買い換えまでの端境期にあるといえる。中国国内スマートフォン

    メーカーにとっては、新ユーザーを開拓するための重要な時期といえ、ブランド間の性

    能の差が殆どない状況で、有効な差別化の方法になっているのが低価格という状況とな

    っている。

    第二に、ハイエンド市場で機種数が増えるが売上高が伸びないという傾向が強まって

    いることである。IDC のデータによると、今年 1-3 月、中国国内のスマートフォン市場

    で 4000 元以上のハイエンドクラスの製品の優勢は依然顕著で、iPhone6/6 Plus の販売

    が開始されてから既に 8か月になるが、アップルは依然として中国国内のスマートフォ

    ン市場で出荷量首位を維持している。一方、三星電子の GalaxyS6/S6 Edge の売れ行きは

    GalaxyS5 に比べれ�