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例題. 次の1Hおよび13C NMR 、IR、MSスペクトルを与える化合物の構造を推定しなさい。 また、構造決定に用いた主なピークの帰属について簡単に説明しなさい。
解答例 13C NMRスペクトル100~150 ppmのピーク(2本)より、sp2炭素の存在が示唆される。
IRスペクトル1660 cm-1のピークはC=C伸縮振動886 cm-1のC-H変角振動から2,2’-二置換アルケンの構造が示唆される。
1H NMRスペクトル最も低磁場に現れているピークAおよびBは、ケミカルシフト値より2個のビニルプロトンに帰属される。 2 ppm付近の積分強度比が2のtripletから、 C(4級)–CH2–C(メチレン)
1.7 ppm付近の積分強度比が3のsingletから、 CH3 –C(4級)
0.8 ppm付近の積分強度比が3のtripletから、CH3–C(メチレン)
以上の情報より、
MSスペクトルより最大質量ピークが分子イオンピークとすると、分子量は98と予想される。 上記のフラグメントの総分子量は、C7H14 = 98となり、分子量と合致する。 これより、2-methyl-1-hexeneの構造が推定される。
1H NMRスペクトルの1.3~1.5 ppm付近の4H分のピークは、2個のメチレンプロトン(それぞれquintetとsextet)に帰属される。 また、 MSスペクトルの基準ピーク(m/z = 56)は、Mclafferty転位によるフラグメントイオンピークである。 なお、13C NMR
のピークは予想される7本ではなく6本観測されているが、おそらく2個のメチレン炭素のケミカルシフトがほぼ等しく重なって現れているためと考えられる。
H
H
CH2 CH3CH2H
H CH3
CH2
,
Q1. 次の1Hおよび13C NMR 、IR、MSスペクトルを与える化合物の構造を推定しなさい。 また、構造決定に用いた主なピークの帰属について簡単に説明しなさい。
Q2. 次の1Hおよび13C NMR 、IR、MSスペクトルを与える化合物の構造を推定しなさい。 また、構造決定に用いた主なピークの帰属について簡単に説明しなさい。
1H NMR
化学シフト 積分強度 (ppm)5.47~5.34 2 1.95 2 1.63 3 1.52-1.06 6 0.88 3
Q3. 次の1Hおよび13C NMR 、IR、MSスペクトルを与える化合物の構造を推定しなさい。 また、構造決定に用いた主なピークの帰属について簡単に説明しなさい。
Q4. 次の1Hおよび13C NMR 、IR、MSスペクトルを与える化合物の構造を推定しなさい。 また、構造決定に用いた主なピークの帰属について簡単に説明しなさい。
300 MHz in CDCl3
Q5. 与えられた1H および13C NMR、IR、MSスペクトルから化合物の構造を推定しなさい。 また、構造決定に用いた主なピークの帰属について簡単に説明しなさい。 なお、この試料にD2Oを少量添加して1H NMR測定すると、ピークBは消失し、ピークAは鋭い6重線となった。 この状態でさらにピークCをデカップリングすると、Aは4重線に、Eは一重線に変化した。
AB
C
D
E
A
B
C
300 MHz in CDCl3
A (2.43 ppm, q, J = 7.1 Hz)
B (0.97 ppm, t, J = 7.1 Hz)
II (11.78 ppm)I (46.46 ppm)
Q6. 次の13C(上段)および1H NMR(下段)、IR、およびMSスペクトルを与える化合物の構造を推定しなさい。 また、構造決定に用いた主なピークの帰属について簡単に説明しなさい。
300 MHz in CDCl3
AB
C
D
EF
Q7. 次の13C(上段)および1H NMR(下段)、IR、およびMSスペクトルを与える化合物の構造を推定しなさい。 また、構造決定に用いた主なピークの帰属について簡単に説明しなさい。 なお、少量のD2Oを加えて測定すると、1H NMRのCのピークのみが消失した。
300 MHz in CDCl3
Q8. 与えられた1H および13C NMR、IR、MSスペクトルから化合物の構造を推定しなさい。 また、構造決定に用いた主なピークの帰属について簡単に説明しなさい。 なお、1H NMRの4ppm付近の2本線(DとE)をデカップリングしても、ピークA~Cに変化は見られなかった。
A BC
D E
AB
C
A B
CD E
F
AB C D E
300 MHz in CDCl3
Q9.与えられた1H および13C NMR、IR、MSスペクトルから化合物の構造を推定しなさい。 また、構造決定に用いた主なピークの帰属について簡単に説明しなさい。 なお、カップリング定数はそれぞれ、JAB = 6.8 Hz, JCD = 17.6 Hz, JCE = 10.8 Hz, JDE = 1.1 Hzである。 ピークAおよびBは二次効果により多重線となっているが、ここではそれぞれ二重線として考えてよい。
Q10. 与えられた1H および13C NMR、IR、MSスペクトルから化合物の構造を推定しなさい。 また、構造決定に用いた主なピークの帰属について簡単に説明しなさい。 なお、少量のD2Oを加えて測定すると、1H NMRのAのピークのみが消失した。
300 MHz in CDCl3
A
B
C D E
DC
E