ケニアの首都ナイロビで「日本留学フェア」を開催...学術交流ワークショップでのフリーディスカッション...

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屋外の各大学・機関のブース ホールで開催したセミナー 屋外のテントで実施した各大学・機関の説明 フェアにおける本学のブース ケニアの首都ナイロビで 「日本留学フェア」 を開催 本学アフリカルサカオフィスが中心 となって,9月21日(土),ケニア共 和国の首都ナイロビ市に立地する在ケ ニア日本国大使館で「Study in Japan Fair in Nairobi 2019( 日 本 留 学 フ ェ ア)」を開催しました。本フェアは, サブサハラ・アフリカ地域の優秀な学 生の日本留学誘致を目的に,文部科学 省から受託している「日本留学海外拠 点連携推進事業」の一環として実施し たものです。 東アフリカの玄関口として経済成長 がすすむケニアには,本邦自動車メー カーが相次いで現地生産工場を建設す るなど,日本企業の進出がすすんでお り,2016年の第6回アフリカ開発会議 (TICAD VI)開催国としてその成功 を牽引し,アフリカ地域におけるリー ダーシップを発揮しています。また, 首都ナイロビにはアフリカ最大級の日 本人コミュニティがあること,日本が ケニアに対する主要な援助国であるこ となどを背景に,日本語学習者数がサ ブサハラ・アフリカにおいて上位を占 めています。 本フェアは,在ケニア日本国大使館 の共催のもと,大使館内にある日本文 化広報センターの施設及び広報ネット ワーク,全職員の多大な協力を得て開 催することができました。また大使館 に加え,ナイロビ市内外の大学等で活 躍している日本人及びケニア人の日本 語教師や在ケニアの日本人にも協力を いただきました。 日本からは本学のほか,秋田大学, 愛媛大学,岡山大学,帯広畜産大学, 京都大学,東洋大学,長崎大学,山梨 学院大学,あしなが育英会の計9大学 1機関が参加しました。本学からは, アフリカルサカオフィス所長の奥村正 裕獣医学研究院教授,工学研究院の藤 井義明教授,アフリカルサカオフィス 留学コーディネーターの日下部光特任 准教授,成澤徳子特任助教,大門 碧 特任助教と山本ひとみ特定専門職員, 国際部の村瀬達哉国際協力マネー ジャーと安高由香利特定専門職員が参 加しました。 屋内ホールに加えて中庭にパラソル とテントを設置し,ホールでは日本留 学と国費奨学金プログラムの概要説明 や日本留学体験談,ケニアでの日本語 教育の紹介を行うセミナーを,中庭及 び会議室内に設けられた9大学1機関 のブースでは,参加者への個人面談を 随時行いました。資料参加した22大 のパンフレットも設置し,ブースを 行き来する参加者がゆっくりと資料を 手に取る時間を設けました。さらに中 庭にある屋外のテントでは,各大学・ 機関からそれぞれのアピールポイント が熱心に述べられました。このような プログラムを組むことで,ブースでの 面談時間を長くとり,各参加者がそれ ぞれの興味をもとに確実に必要な情報 を集めることができるフェアを目指し ました。 なお,9月20日(金)には,同大使 館で,日本留学フェアのサイドイベン ト「Joint Workshop between Kenya and Japan( 学 術 交 流 ワ ー ク シ ョ ッ プ)」を開催しました。本イベント は,日本留学促進に向けて,日本とケ ニアの大学間交流を深め,将来の共同 研究と学生交流の活性化を視野に入れ たものです。当日は日本の大学7校と ケニアの大学7校から,50人の教職員 が集まるなか,最初に堀江良一駐ケニ ア特命全権大使から歓迎の挨拶があ り,続いてケニア教育省・大学教育課 のダリウス・モガカ・オグトゥ課長の 挨拶,奥村アフリカルサカオフィス所 長による本事業の説明がありました。 その後,日本学術振興会ナイロビ研究 連絡センターの溝口大助センター長, 国際協力機構(JICA)ケニア事務所 の宮川聖史次長が各機関の研究助成制 度について紹介し,アフリカの若者の ための産業人材育成イニシアティブ (ABEイニシアティブ)の修了生が 設立したNGOカケハシ・アフリカの サティ・アルサ議長がケニアと日本の 大学間交流の意義について発言しまし た。加えて,ケニア及び日本双方の参 加者7名から,これまでの研究及び今 後希望する共同研究や,期待する大学 間交流の内容について発表があった 後,専攻分野ごとに分かれて,約1時 間にわたり互いの意見やアイデアが交 換されました。 今回の日本留学フェアは,大使館の SNS,日本語教育関係者,ナイロビ大 学,ジョモケニヤッタ農工大学,ケニ ヤッタ大学という既に日本の大学と関 係を持ちつつさらなる交流を望んでい る大学に協力を得て,事前の広報活動 を実施した結果,ナイロビ近郊の15を 超える様々な大学から日本留学に強い 30 北大時報 No.787/令和元年(2019年)10月 全学ニュース

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屋外の各大学・機関のブースホールで開催したセミナー

屋外のテントで実施した各大学・機関の説明フェアにおける本学のブース

ケニアの首都ナイロビで「日本留学フェア」を開催

 本学アフリカルサカオフィスが中心となって,9月21日(土),ケニア共和国の首都ナイロビ市に立地する在ケニア日本国大使館で「Study in Japan Fair in Nairobi 2019(日本留学フェア)」を開催しました。本フェアは,サブサハラ・アフリカ地域の優秀な学生の日本留学誘致を目的に,文部科学省から受託している「日本留学海外拠点連携推進事業」の一環として実施したものです。 東アフリカの玄関口として経済成長がすすむケニアには,本邦自動車メーカーが相次いで現地生産工場を建設するなど,日本企業の進出がすすんでおり,2016年の第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)開催国としてその成功を牽引し,アフリカ地域におけるリーダーシップを発揮しています。また,首都ナイロビにはアフリカ最大級の日本人コミュニティがあること,日本がケニアに対する主要な援助国であることなどを背景に,日本語学習者数がサブサハラ・アフリカにおいて上位を占めています。 本フェアは,在ケニア日本国大使館の共催のもと,大使館内にある日本文化広報センターの施設及び広報ネットワーク,全職員の多大な協力を得て開催することができました。また大使館に加え,ナイロビ市内外の大学等で活躍している日本人及びケニア人の日本語教師や在ケニアの日本人にも協力をいただきました。 日本からは本学のほか,秋田大学,愛媛大学,岡山大学,帯広畜産大学,京都大学,東洋大学,長崎大学,山梨学院大学,あしなが育英会の計9大学1機関が参加しました。本学からは,アフリカルサカオフィス所長の奥村正裕獣医学研究院教授,工学研究院の藤井義明教授,アフリカルサカオフィス留学コーディネーターの日下部光特任准教授,成澤徳子特任助教,大門 碧特任助教と山本ひとみ特定専門職員,国際部の村瀬達哉国際協力マネージャーと安高由香利特定専門職員が参加しました。

 屋内ホールに加えて中庭にパラソルとテントを設置し,ホールでは日本留学と国費奨学金プログラムの概要説明や日本留学体験談,ケニアでの日本語教育の紹介を行うセミナーを,中庭及び会議室内に設けられた9大学1機関のブースでは,参加者への個人面談を随時行いました。資料参加した22大学※のパンフレットも設置し,ブースを行き来する参加者がゆっくりと資料を手に取る時間を設けました。さらに中庭にある屋外のテントでは,各大学・機関からそれぞれのアピールポイントが熱心に述べられました。このようなプログラムを組むことで,ブースでの面談時間を長くとり,各参加者がそれぞれの興味をもとに確実に必要な情報を集めることができるフェアを目指しました。 なお,9月20日(金)には,同大使館で,日本留学フェアのサイドイベント「Joint Workshop between Kenya and Japan(学術交流ワークショップ)」を開催しました。本イベントは,日本留学促進に向けて,日本とケニアの大学間交流を深め,将来の共同研究と学生交流の活性化を視野に入れたものです。当日は日本の大学7校とケニアの大学7校から,50人の教職員が集まるなか,最初に堀江良一駐ケニ

ア特命全権大使から歓迎の挨拶があり,続いてケニア教育省・大学教育課のダリウス・モガカ・オグトゥ課長の挨拶,奥村アフリカルサカオフィス所長による本事業の説明がありました。その後,日本学術振興会ナイロビ研究連絡センターの溝口大助センター長,国際協力機構(JICA)ケニア事務所の宮川聖史次長が各機関の研究助成制度について紹介し,アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ(ABEイニシアティブ)の修了生が設立したNGOカケハシ・アフリカのサティ・アルサ議長がケニアと日本の大学間交流の意義について発言しました。加えて,ケニア及び日本双方の参加者7名から,これまでの研究及び今後希望する共同研究や,期待する大学間交流の内容について発表があった後,専攻分野ごとに分かれて,約1時間にわたり互いの意見やアイデアが交換されました。 今回の日本留学フェアは,大使館のSNS,日本語教育関係者,ナイロビ大学,ジョモケニヤッタ農工大学,ケニヤッタ大学という既に日本の大学と関係を持ちつつさらなる交流を望んでいる大学に協力を得て,事前の広報活動を実施した結果,ナイロビ近郊の15を超える様々な大学から日本留学に強い

30 北大時報 No.787/令和元年(2019年)10月

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学術交流ワークショップでのフリーディスカッション

興味,関心を持つ学生約240名の参加を得ることができました。本事業のもと,ナイロビに本学アフリカルサカオフィスのサテライト拠点の設置がすすめられており,今後本サテライト拠点の留学コーディネーターを中心に,引き続き日本とケニアの学生交流を促進していきます。

※大阪大学,お茶の水女子大学,北見工業大学,九州大学,九州工業大学,熊本県立大学,国際大学,筑波大学,東京海洋大学,東京工業大学,東京国際大学,東北大学,鳥取大学,富山大学,名古屋大学,弘前大学,宮崎大学,山形大学,横浜国立大学,立命館アジア太平洋大学,立命館大学,早稲田大学(計22大学,50音順)

(国際部国際連携課)

31北大時報 No.787/令和元年(2019年)10月

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