仕口ダンパー仕口ダンパーとは 仕口ダンパーの効果 採用事例...

2
仕口ダンパーとは 仕口ダンパーの効果 採用事例 仕口ダンパー (2012.4) 㪄㪊 㪄㪉 㪄㪈 㪄㪊㪇 㪄㪉㪇 㪄㪈㪇 㪈㪇 㪉㪇 㪊㪇 ᄌ㩿㪺㫄㪀 ጀ䈞䉖ᢿജ㩿㫂㪥㪀 䉻䊮䊌䊷䈭䈚 㪈㪌㪺㫄䉺䉟䊒 仕口ダンパーとは高分子材料(粘弾性体)を 使用した制震装置で、優れた減衰性能と適度 の剛性を木造の軸組に付加するものです。木 造軸組の柱・梁の接合部(仕口)に固定した ダンパーの粘弾性体がせん断変形することに より、振動エネルギーを吸収して建物の揺れ を抑制します。 仕口ダンパーを組み込んださまざまな架構について、実大の水平加力実験によって復元力特性を検証しています。実験は (独)建築研究所や京都大学防災研究所などの第三者機関で行われ、その結果は多くの学術論文・技術報告書などで公開され ています。また仕口ダンパーの性能・効果について、(財)日本建築センターおよび(財)日本建築総合試験所から技術性能証明の 評価を取得しています。 木造軸組の変形 木造軸組が強い地震動 や風圧力を受けたと き、仕口の角度が大き く変形します。仕口ダ ンパーは仕口の変形を エネルギー吸収に変え る装置です。 仕口ダンパーの実大振動実験 (中:(独)建築研究所、左・右:京都大学防災研究所) 仕口ダンパーの履歴特性 (仕口ダンパーの有無比較実験結果) 兵庫県内の住宅新築      愛知県内の住宅改修  鳥取県内の民家改修  大阪府内の長屋改修 平成12年以降、文化財 を含む社寺建築および一 般の木造住宅(新築・改 修)の実績は全国で約 3,000棟あります。(特 許第2667123号) 耐震補強計画 壁要素などの他工法との併用もできますが、土壁・ 板壁やリブフレーム(剛節フレーム)のように変形 能力の高い部材と組み合わせると効果的です。 愛知県内の文化財改修        大阪府内の住宅改修         静岡県内の寺院改修 技術解説参考書 「木造住宅の耐震設計」 (技法堂出版2007年刊) j.Pod & 耐震工法協会 〒540-0032 大阪市中央区天満橋京町1-27ファラン天満橋  TEL06(6809)3143 http://www.jpod-eng.com

Upload: others

Post on 11-Jun-2020

10 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 仕口ダンパー仕口ダンパーとは 仕口ダンパーの効果 採用事例 仕口ダンパー (2012.4) 2 J) é 4F Ï Ñ4 æ$ Ô 2 ê0.2t â 4F Ï ê t ã G(É4F $ Ò á

仕口ダンパーとは

仕口ダンパーの効果

採用事例

仕口ダンパー

(2012.4)

࿑ࠍጀ㑆ᄌߩ(ࡊࠗ࠲ 4 ߪࠅ㊀ޕߔ␜ߦ 0.2t ጀޔߢ

㑆ᄌᩴߪߣᩇ⣉㑆15ޕࠆߡߒ␜ࠍcm ࡊࠗ࠲

ߣߎࠆ߇Ꮕߩ15㧑⒟ᐲ⚂ߢᄌᒻߪߢࡊࠗ࠲20cmߣ

ޕߚߞ߆ಽ߇ᰴߦ㊀ࠅ 0.5tޔᦨᄢടㅦᐲࠍ 500cm/s2ߦၮḰൻߚߒ

ᵄࠍജߚߒ႐วߩ 2C(ߒߥࡄࡦ࠳)ߣ 2D(20cm ࠲

ޕߔ␜ߦ࿑㧢ࠍ✢ጁᱧᦛޔߦ࿑㧡ࠍጀ㑆ᄌߩ(ࡊࠗ࿑㧡ޔ㧢ࠄ߆ญࠍࡄࡦ࠳ขࠅઃࠃߦߣߎࠆߌ

⚂ᦨᄢ߇᳓ᐔᄌᒻޔࠅ 60㧑ૐᷫ߇ߣߎࠆߡߒಽ߆

ߪߢߒߥࡄࡦ࠳ޔߣߔ␜ߢጀ㑆ᄌᒻⷺࠍࠇߎޕࠆ

1/9rad ࠅࡄࡦ࠳ޔߡߒኻߦߩࠆߡߒᄌᒻߢ߹

㧔20cm ߪߢ㧕ࡊࠗ࠲ 1/25rad ᢿࠎߖጀߚ߹ޕߚߞߢ

ജߪߢ⚂㧞2ޕࠆߡߞߥߦC ߪ 1/9rad ߒᄌᒻߢ߹

ౣޔ߇ࠆࠇߐផቯߣߚߒ⎕៊߇ߙ߶⍴ޔߦᤨߚ ߩߘ߮

2C 㛎ߦ 15cm ࠳ޔߌઃࠅขࠍࡄࡦ࠳ߩࡊࠗ࠲

࿑㧣ࠍᨐ⚿ߩߘޕߚߒ⏕ࠍലᨐߩᒝࠆࠃߦࡄࡦ

ᄌᒻޔߕࠄࠊ߆߆߽ߦࠆߡߒ⎕៊߇ߙ߶⍴ޕߔ␜ߦ

⚂ᦨᄢߢ 50㧑ߩૐᷫലᨐ߇ߚ߹ޕߚࠇࠄጁᱧᦛ✢

ޕࠆ߆ࠊ߇ߩࠆߡࠇߐᕈ⢻߽ઃടᷫࠄ߆

ታ㛎ߪ 800cm/s2߹ߢⴕ15ޔ߇ߚߞcm ጀߪߢࡊࠗ࠲

㑆ᄌᒻⷺ 1/12rad20ޔcm ߪߢࡊࠗ࠲ 1/15rad ⒟ᐲߢ

ⴕⷙߪࠆޔૐ߇ೋᦼᕈޔࠅࠃߦࠇߎޕߚߞ

ቯߪߢਇㆡ್ߣᢿࠆࠇߐゲ⚵᭴ᴺᧁㅧᑪ‛ޔ⚻ᐕഠൻ

ߣߎࠆߢലߦᒝߩ‛ᑪߚߒૐਅߩ⠴ജࠅࠃߦ

ޕߚࠇߐ␜߇

㧠㧚߹ߣ ᧁㅧනߩࡓࡈᝄേบታ㛎ޔࠄ߆ᧁㅧゲ⚵ߦ

ญࠍࡄࡦ࠳ขࠅઃࠆߌᒝᴺᷫޔࠅࠃߦ ᕈ⢻߇

Ⴧᄢߒቯߚߒጁᱧᦛ✢ޔߦ߽ߣߣࠆߥߦᄌᔕ╵ࠍ

ᄢߦૐᷫ߇ߣߎࠆ߈ߢಽޕߚߞ߆ ෳ⠨ᢥ₂� 1)ጤ৻ઁ㧦ญࡊࠗ࠲☼ᒢᕈߩࡄࡦ࠳㐿⊒ ߩߘ 1.ⷐߣᕈ⢻⏕㛎,ᣣᧄᑪ▽ቇળ⻠Ṷ᪪㓸,1999.9

2)ᮯේஜ৻ઁ㧦ญࡊࠗ࠲☼ᒢᕈߩࡄࡦ࠳㐿⊒ ߩߘ 2.ᕈ⢻⏕㛎(2),ᣣᧄᑪ▽ቇળ⻠Ṷ᪪㓸,2000.9

⊑㐿ߩࡄࡦ࠳ᒢᕈ☼ࡊࠗ࠲ἑඳઁ㧦ญࡁ৻(3ߩߘ 3.ᕈ⢻⏕㛎(3), ᣣᧄᑪ▽ቇળ⻠Ṷ᪪㓸,2001.9

4)ᔒᅢቱઁ㧦ญࡊࠗ࠲☼ᒢᕈߩࡄࡦ࠳ታ↪ൻ,ᣣᧄᑪ▽ቇ

ળ⻠Ṷ᪪㓸,2001.9

㪄㪈㪇

㪄㪌

㪈㪇

㪇 㪈㪇 㪉㪇 㪊㪇 㪋㪇 㪌㪇 㪍㪇

ᤨ㑆㩿㫊㪀

ጀ㑆

㩿㪺㫄㪀

㪈㪌㪺㫄䉺䉟䊒

㪉㪇㪺㫄䉺䉟䊒

࿑㧠� ጀ㑆ᄌᤨߩೞᱧᵄᒻജ���EO�U�ᤨ��

㪄㪊㪇

㪄㪉㪇

㪄㪈㪇

㪈㪇

㪉㪇

㪊㪇

㪇 㪈㪇 㪉㪇 㪊㪇 㪋㪇 㪌㪇 㪍㪇

ᤨ㑆㩿㫊㪀

ጀ㑆

ᄌ㩿㪺㫄㪀

䉻䊮䊌䊷䈭䈚

㪉㪇㪺㫄䉺䉟䊒

࿑㧡� ጀ㑆ᄌᤨߩೞᱧᵄᒻജ���EO�U�ᤨ��

㪄㪊

㪄㪉

㪄㪈

㪄㪊㪇 㪄㪉㪇 㪄㪈㪇 㪇 㪈㪇 㪉㪇 㪊㪇

ᄌ㩿㪺㫄㪀

ጀ䈞

䉖ᢿ

ജ㩿㫂㪥㪀

䉻䊮䊌䊷䈭䈚

㪉㪇㪺㫄䉻䊮䊌䊷

࿑㧢� ጁᱧᦛ✢� 㧔ജ���EO�U�ᤨ㧕�

㪄㪊

㪄㪉

㪄㪈

㪄㪊㪇 㪄㪉㪇 㪄㪈㪇 㪇 㪈㪇 㪉㪇 㪊㪇

ᄌ㩿㪺㫄㪀

ጀ䈞

䉖ᢿജ

㩿㫂㪥㪀

䉻䊮䊌䊷䈭䈚

㪈㪌㪺㫄䉺䉟䊒

࿑㧣� ጁᱧᦛ✢(ജߩᒝ೨ᓟࡄࡦ࠳ 500cm/s2ᤨ)

仕口ダンパーとは高分子材料(粘弾性体)を使用した制震装置で、優れた減衰性能と適度の剛性を木造の軸組に付加するものです。木造軸組の柱・梁の接合部(仕口)に固定したダンパーの粘弾性体がせん断変形することにより、振動エネルギーを吸収して建物の揺れを抑制します。

仕口ダンパーを組み込んださまざまな架構について、実大の水平加力実験によって復元力特性を検証しています。実験は(独)建築研究所や京都大学防災研究所などの第三者機関で行われ、その結果は多くの学術論文・技術報告書などで公開されています。また仕口ダンパーの性能・効果について、(財)日本建築センターおよび(財)日本建築総合試験所から技術性能証明の評価を取得しています。

木造軸組の変形木造軸組が強い地震動や風圧力を受けたとき、仕口の角度が大きく変形します。仕口ダンパーは仕口の変形をエネルギー吸収に変える装置です。

仕口ダンパーの実大振動実験(中:(独)建築研究所、左・右:京都大学防災研究所)

仕口ダンパーの履歴特性(仕口ダンパーの有無比較実験結果)

   兵庫県内の住宅新築      愛知県内の住宅改修  鳥取県内の民家改修  大阪府内の長屋改修

平成12年以降、文化財を含む社寺建築および一般の木造住宅(新築・改修)の実績は全国で約3,000棟あります。(特許第2667123号)

耐震補強計画壁要素などの他工法との併用もできますが、土壁・板壁やリブフレーム(剛節フレーム)のように変形能力の高い部材と組み合わせると効果的です。

   愛知県内の文化財改修        大阪府内の住宅改修         静岡県内の寺院改修

技術解説参考書「木造住宅の耐震設計」(技法堂出版2007年刊)

j.Pod & 耐震工法協会 〒540-0032 大阪市中央区天満橋京町1-27ファラン天満橋  TEL06(6809)3143 http://www.jpod-eng.com

Page 2: 仕口ダンパー仕口ダンパーとは 仕口ダンパーの効果 採用事例 仕口ダンパー (2012.4) 2 J) é 4F Ï Ñ4 æ$ Ô 2 ê0.2t â 4F Ï ê t ã G(É4F $ Ò á

仕口ダンパー標準品

仕口ダンパー耐震補強設計

仕口ダンパーの取り付け

仕口ダンパー

(2012.4)

仕口ダンパーの特徴1.建物の倒壊を防止します新築と改修を問わず、木造軸組の風揺れや地震時の建物変形を小さくして、揺れを早く止めます。耐震性能(耐力や変形抑制効果)が格段に向上します。2.補強工事のコストを低減します住宅なら延べ面積に対し「坪あたり1個程度」取り付ければよく、コストを抑えて補強を行えます。3.メンテナンスフリーです一度取り付けると日常の手入れは不要です。仕口ダンパーは50年以上性能が持続します。

仕口ダンパー15cmタイプ

「仕口ダンパー」は粘弾性体(高分子材料)をエネルギー吸収の主材料とした画期的なハイテク金物です。

簡易法仕口ダンパーを1坪当たり1個程度の割合でバランス良く建物に取付けます。延床面積が30坪の建物ならばおよそ合計30個の仕口ダンパーで建物を補強します。(ただし1個/坪は多数の実績による経験的な数値であり、所要の耐震基準を満足するものではありません)

一般診断法簡易な計算手法として(財)日本建築防災協会の一般診断法を用いる場合は、目安として「等価な壁強さ倍率」を1カ所あたり以下のように設定することができます。 15cmタイプ :0.3 kN(壁倍率0.15)

限界耐力計算限界耐力計算は、地震時の最大変形角を算出し、地震規模と建物特性に応じた損傷度合を推定出来る評価方法です。社寺建築や伝統構法の建物にも有効な検証法で、仕口ダンパーを用いる場合もっとも合理的な設計法です。

仕口ダンパーの性能は右図に示すような復元力特性で表され、強度と減衰定数(h)により評価します。この計算法は建築基準法施行令第82条の5に規定された方法で、変形性能重視型の補強検討法として「大阪府木造住宅の限界耐力計算による耐震診断・耐震改修に関する簡易計算マニュアル」に詳しく解説されています。

仕口ダンパーを用いて建物を補強するために、構造耐力の検討を行います。検討方法には「簡易法」「一般診断法」「限界耐力計算」があり、後者ほど詳細な検討法となります。設計者はユーザーの要望や必要に応じて検討方法を選択します。仕口ダンパーと耐力壁を併用して補強を行うと合理的です。

柱と梁の仕口部に専用ねじで取付けます。取付予定の仕口部の梁と柱の直角度を出し、ダンパーが仕口部に固定された事を確認してねじを締めつけます。仕口の直角度および専用ねじのへりあきに注意して下さい。

耐震改修や新築の場合は設計図や製品に同封されている施工要領書に基づいて正しく施工して下さい。ご不明な点は販売店またはj.Pod工法協会へお問い合わせ下さい。

j.Pod & 耐震工法協会 〒540-0032 大阪市中央区天満橋京町1-27ファラン天満橋  TEL06(6809)3143 http://www.jpod-eng.com

仕口ダンパーの標準的な減衰性能と復元力特性は温度20℃(等価周期1.0秒)の条件で設定しています。(下図は階高2730mmの単位フレームに仕口ダンパーを4個取り付けた時の復元力特性です。周期1秒で揺れる場合の性能です)

仕口ダンパー