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.介護保険制度の見直しについて (1)地域包括ケアシステムの深化・推進 ③ 地域包括ケアシステムの深化・推進 のための基盤整備等 22

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Page 1: (1)地域包括ケアシステムの深化・推進 - mhlw · 障害福祉サービス事業所等 介護保険事業所 地域共生社会の実現の推進(新たに共生型サービスを位置付け)

1.介護保険制度の見直しについて(1)地域包括ケアシステムの深化・推進

③地域包括ケアシステムの深化・推進のための基盤整備等

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地域力強化検討会中間とりまとめの概要~従来の福祉の地平を超えた、次のステージへ~

【現状認識】 【今後の方向性】○地域づくりの3つの方向性⇒互いに影響し合い、「我が事」の意識を醸成①「自分や家族が暮らしたい地域を考える」という主体的・積極的な取組の広がり②「地域で困っている課題を解決したい」という気持ちで活動する住民の増加③「一人の課題」について解決する経験の積み重ねによる誰もが暮らしやすい地域づくり○生活上生じる課題は介護、子育て、障害、病気等から、住まい、就労、家計、孤立等に及ぶ⇒くらしとしごとを「丸ごと」支える

○地域の持つ力と公的な支援体制が協働して初めて安心して暮らせる地域に

4.自治体等の役割○自治体組織も、福祉部局の横断的な体制、保健所等も含めた包括的な相談体制の構築を検討すべき

1.「住民に身近な圏域」での「我が事・丸ごと」○他人事を「我が事」に変える働きかけをする機能が必要 【1】

○「複合課題丸ごと」「世帯丸ごと」「とりあえず丸ごと」受け止める場を設けるべき 【2】

・「どのような地域に住みたいか」を話し合える土壌・「楽しい」「やりがいがある」取組への地域住民の参加・「深刻な状況にある人」に対し「自分たちで何かできないか」と思える意識

・表に出にくい深刻な状況にある世帯に早期に気付けるのは住民・しかし、支援につなげられる体制がなければ、自ら解決するか、気になりながらも声をあげることができないままにせざるを得ない

2.市町村における包括的な相談支援体制

○協働の中核を担う機能が必要【3】・例えば、生活困窮に関わる課題は、生活困窮者自立支援制度の自立相談支援機関。自立相談支援機関が設置されていない自治体や生活困窮以外の課題は、「多機関の協働による包括的支援体制構築事業」(28年度5億円)

・住民に身近な圏域で把握された「丸ごと」の相談に対応・多様・複合課題⇒福祉のほか、医療、保健、雇用・就労、司法、産業、教育、家計、権利擁護、多文化共生等多岐にわたる連携体制が必要・制度の狭間⇒地域住民と協働して新たな社会資源を見つけ出し、生み出す

3.地域福祉計画等法令上の取扱い

○地域福祉計画の充実・1、2の「我が事・丸ごと」の体制整備を記載・地域福祉計画策定を義務化、PDCAサイクル徹底すべき・地域福祉計画の上位計画としての位置づけ

○地域福祉の対象や考え方の進展を社会福祉法に反映すべき・福祉サービスを必要とする⇒就労や孤立の解消等も対象・支え手側と受け手側に分かれない(一億プラン)

○どのような形で作るかは、自治体により様々な方法

○分野ごとの財源⇒柔軟な財源の活用や、別途の財源の議論など、財源のあり方等について具体的に検討すべき。

○守秘義務に伴う課題⇒法制的な対応を含め検討・守秘義務を有する者が、住民の協力も得ながら課題解決に取り組む場合、住民との間で個人情報の共有が難しい。

【進めている取組】

・地方創生・地域

づくりの取組

・生活困窮者自立

支援制度による

包括的な支援

・例えば、地区社協、市区町村社協の地区担当、地域包括支援センター、相談支援事業所、地域子育て支援拠点、利用者支援事業、社会福祉法人、NPO法人等

※ 平成28年度に26自治体が実施。自立相談支援機関、地域包括支援センター、社協、社会福祉法人、医療法人、NPO、行政と、様々な機関に置かれている。

・少子高齢・人口減少→地域の存続の危機→人、モノ、お金、思いの循環が不可欠

・課題の複合化・複雑化・社会的孤立・社会的排除・地域の福祉力の脆弱化

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障害福祉サービス事業所等+

介護保険事業所

地域共生社会の実現の推進(新たに共生型サービスを位置付け)

見直しの方向性

○ 高齢者と障害児者が同一の事業所でサービスを受けやすくするため、 介護保険と障害福祉両方の制度に新たに共生型サービスを位置付ける。

(注)具体的な指定基準等の在り方は、平成30年度介護報酬改定及び障害福祉サービス等報酬改定にあわせて検討。

現行

改正後

サービスを提供する場合、それぞれ指定基準を満たす必要がある

介護保険事業所障害福祉サービス事業所等

高齢者障害児者

共生型サービス事業所

【課題】○ 障害福祉サービスに相当するサービスが介護保険法にある場合は、介護保険サービスの利用が優先されるため、従来から障害福祉サービス事業所を利用していた障害者が高齢者となった場合に、馴染みの事業所を利用し続けられないことがある。

○ 高齢化が進み人口が減少する中で、サービスの提供に当たる人材の確保が難しくなる。

介護保険事業所障害福祉サービス事業所等

高齢者障害児者 高齢者障害児者

新たに共生型サービスを位置付け

障害福祉サービス事業所等であれば、介護保険事業所の指定も受けやすくする特例を設ける。※逆も同じ

※対象サービスは、①ホームヘルプサービス、②デイサービス、③ショートステイ等を想定 24

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~2016年度2019年度2017年度 2018

年度

地域医療介護総合基金による介護人材の資質向上のための都道府県の取組の実施都道府県数【47都道府県】、計画の目標(研修受講人数等)に対する達成率【100%】

通常国会 年末 通常国会

KPI(第一階層)

KPI(第二階層)

2020年度~

《主担当府省庁等》

集中改革期間

≪厚生労働省≫

地域医療介護総合確保基金により都道府県が行うキャリアアップのための研修などの取組を支援

・介護職を目指す学生への修学資金の貸付け等による支援の実施・離職した介護福祉士の届出システム整備等による円滑な再就業支援の実施

・介護事業所におけるICTを活用した事務負担の軽減のための課題の把握・分析、業務改善の効果測定のためのモデル事業を実施。あわせて、介護事業所における書類削減に向け方策を検討。・ICTを活用した事務負担軽減について、整理した論点を踏まえ、2016年度末までに必要なガイドラインをまとめ、公表・周知

・書類削減に向けて対応可能なものから実施・ICTを活用した効果的・効率的なサービス提供モデルの普及等、介護ロボット・ICTを活用した介護分野の生産性向上に向けた取組を実施

介護福祉士養成施設卒業生に対する国家試験の義務付け等を内容とする社会福祉法等一部改正法案提出、成立

・介護ロボットの開発の方向性について開発者と介護職員が協議する場を設置することにより、開発段階から介護施設の実際のニーズを反映・福祉用具や介護ロボットの実用化を支援するため、介護現場における機器の有効性の評価手法の確立、介護現場と開発現場のマッチング支援によるモニター調査の円滑な実施等を推進

2015年度介護報酬改定に併せて人員や設備基準の見直しを実施

<㉒介護人材の資質の向上と事業経営の規模の拡大やICT・介護ロボットの活用等による介護の生産性向上>

公的サービスの産業化

概算要求税制改正要望等

集中改革期間

経済・財政再生計画 改革工程表経済・財政再生計画 改革工程表(抜粋)(平成28年12月21日経済財政諮問会議決定)

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文書のICT化、文書量の半減に向けた取組の推進

介護人材の確保が緊喫の課題となる中で、介護職員の負担軽減を行う観点から、・ 行政が求める文書の整理を行うことと併せて、ICT化による効率的なサービス提供モデルの実証を行う。・ その成果を踏まえて、ICT等を活用している事業者に対する人員・設備基準の緩和等の見直しを、平成30年度の介護報酬改定に併せて検討する。

現行制度と課題

○ 介護職員はサービス提供に係る日々の記録等を手書きで作成しているケースが多く、介護職員が直

接処遇に係る業務に多くの時間を割けない、残業時間が増えているといった実態がある。

○ このため、

・ 日々のサービス提供に係る記録等のICTの活用による事務の効率化を図り、生産性の向上を推進する。・ 行政が事業所に求める帳票等の実態を把握し、事業所において作成する文書量の半減に向けた取組を

推進することで、職場の魅力向上を図る。

取組の具体的内容(平成28年度当初予算、第二次補正予算)

文書のICT化による効率化のイメージ

【現行】 【見直し後】

利用者宅でサービス提供 ⇒ 事業所での記録 利用者宅でサービス提供+その場で記録

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介護ロボット開発等加速化事業 ○ 平成29年度予算(案)3.0億円

介護ロボット等の開発・普及について、開発企業と介護現場の協議を通じ着想段階から現場のニーズを開発内容に反映、開発中の試作機へのアドバイス、開発された機器を用いた効果的な介護技術の構築など、各段階で必要な支援を行うことにより、加速化を図る。

概 要

介護ロボットの導入を推進するためには、使用方法の熟知や、施設全体の介護業務の中で効果的な活用方法を構築する視点が重要であり、介護ロボットを活用した介護技術の開発までを支援するモデル事業を実施する。

着想段階

開発段階

上市段階

○介護ロボットを活用した介護技術開発支援モデル事業

事業内容

介護現場のニーズに適した実用性の高い介護ロボットの開発が促進されるよう、開発中の試作機器について介護現場での実証、成果の普及啓発等を行い、介護ロボットの実用化を促す環境を整備する。

○ 福祉用具・介護ロボット実用化支援事業

開発前の着想段階から介護ロボットの開発の方向性について開発企業と介護現場が協議し、介護現場のニーズを反映した開発の提案内容を取りまとめる協議会を設置する。

○ ニーズ・シーズ連携協調のための協議会の設置

モニター調査・専門職によるアドバイス支援・臨床評価※ニーズに即した製品となるよう支援

実証成果等の普及啓発※研修、普及啓発イベント等の実施

現場のニーズを踏まえた介護ロボット開発の提案を取りまとめ※開発企業、介護現場、福祉機器等に

精通した専門家で構成

効果的な介護ロボットを活用した介護方法の開発

※開発企業、介護現場、福祉機器等に精通した専門家により、導入から実証まで総合的に実施

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居宅サービス事業者等の指定に対する保険者の関与強化

見直し内容

○ 地域マネジメントを推進するため、保険者である市町村が居宅サービス等の供給量を調整できるよう、指定拒否や条件付加の仕組みを導入する。

① 都道府県による居宅サービス事業者の指定に関して、市町村が都道府県に意見を提出できるようにするとともに、都道府県はその意見を踏まえて指定をするに当たって条件を付すことを可能とする。(ⅰ~ⅲ)

② 小規模多機能型居宅介護等を更に普及させる観点から、地域密着型通所介護が市町村介護保険事業計画で定める見込量に達しているとき等に、事業所の指定を拒否できる仕組みを導入する。(A・B)

都道府県

(居宅サービスの指定権者)

市町村

(地域密着型

サービスの

指定権者)

ⅲ 市町村の意見を踏まえ、条件を付すことが可能(※)

B 小規模多機能型居宅介護等を普及させる観点から、地域密着型通所介護の指定拒否が可能

事業者

事業者

A 地域密着型通所介護の指定の申請

ⅰ 居宅サービスの指定の申請

ⅱ 市町村介護保険事業計画との調整を図る見地から、 意見を提出することが可能

(※)営業地域の制限等を想定。現在内閣法制局と調整中

【関与の観点】 対象となる都道府県指定のサービス 対象となる市町村指定のサービス

市町村介護保険事業計画との調和

施設・居住系サービス → 指定拒否(現行)

居宅サービス 条件付加(新設①)

施設・居住系サービス → 指定拒否(現行)

小規模多機能型居宅介護等の普及

通所介護・訪問介護 → 指定拒否・条件付加(現行)

※省令でショートステイを追加予定地域密着型通所介護 指定拒否(新設②)・条件付加(現行)

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1.介護保険制度の見直しについて(2)介護保険制度の持続可能性の確保

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※1 具体的な基準は今後政令で定めることとなる。現時点では、合計所得金額(給与収入や事業収入等から給与所得控除や必要経費を控除した額) 220万円以上を想定している。これは、年金収入プラスその他所得ベースにすると340万円以上に相当する。(年金収入だけの場合は344万円となる。)

※2 合計所得金額160万円以上だが、 年金収入ベースにすると280万円以上に相当する。

利用者負担のあり方見直し内容

負担割合

年金収入等 340万円以上(※1) 2割 ⇒ 3割

年金収入 280万円以上(※2)

2割

年金収入 280万円未満 1割

【対象者数】

【利用者負担割合】

受給者全体:496万人

3割負担となり、負担増となる者:約12万人(全体の約3%)

現行制度の2割負担者:45万人

自己負担限度額(月額)

現役並み所得相当(※3) 44,400円

一般

37,200円⇒ 44,400円

+ 年間上限額の設定(1割負担者のみの世帯)

市町村民税世帯非課税等 24,600円

年金収入80万円以下等 15,000円

※3 世帯内に課税所得145万円以上の被保険者がいる場合であって、世帯年収520万円以上(単身世帯の場合は383万円以上)

1割負担者に対する年間上限額の設定

1割負担者(年金収入280万円未満)のみの世帯については、過大な負担とならないよう、年間の負担総額が現行の負担最大額を超えない仕組みとする。(3

年間の時限措置)年間上限額: 446,400円 (37,200円×12)

【高額介護サービス費】

世代間・世代内の公平性を確保しつつ、制度の持続可能性を高める観点から、

① 高額介護サービス費の「一般区分」の月額上限額を医療保険並みに引き上げる。ただし、1割負担者のみの世帯については、年間上限額を設定。(37,200円×12か月:446,400円) (3年間の時限措置) 【平成29年8月施行】② 2割負担者のうち特に所得の高い層の負担割合を3割とする。ただし、月額44,400円の負担の上限あり。【法案提出予定。成立した場合、平成30年8月施行】

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~2016年度2019年度2017年度 2018

年度

- -

通常国会 概算要求税制改正要望等

年末 通常国会

KPI(第一階層)

KPI(第二階層)

2020年度~

《主担当府省庁等》

集中改革期間

≪厚生労働省≫

軽度者に係る福祉用具貸与及び住宅改修に係る給付の適正化について、地域差の是正の観点も踏まえつつ、関係審議会等において具体的内容を検討

<㉗公的保険給付の範囲や内容について適正化し、保険料負担の上昇等を抑制するための検討><(ⅰ)次期介護保険制度改革に向け、軽度者に対する生活援助サービス・福祉用具貸与等やその他の給付について、給付の見直しや地域支援事業への移行を含め検討>

軽度者に係る生活援助、福祉用具貸与及び住宅改修に係る負担の在り方について、関係審議会等において検討

軽度者に対する生活援助サービスやその他の給付の在り方について、関係審議会等において検討

負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化

集中改革期間

生活援助を中心に訪問介護を行う場合の人員基準の緩和やそれに応じた報酬の設定について、関係審議会等において具体的内容を検討し、平成30年度介護報酬改定で対応

通所介護などその他の給付の適正化について、介護報酬改定の議論の過程で関係審議会等において具体的内容を検討し、平成30年度介護報酬改定で対応

福祉用具貸与の価格を適正化するための仕組みの実施

軽度者に対する生活援助サービスやその他の給付の地域支援事業への移行について、介護予防訪問介護等の移行状況等を踏まえつつ、引き続き関係審議会等において検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずる

経済・財政再生計画 改革工程表経済・財政再生計画 改革工程表(抜粋)(平成28年12月21日経済財政諮問会議決定)

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福祉用具貸与の仕組み

見直し内容

国が商品ごとに、当該商品の貸与価格の全国的な状況を把握。当該商品の全国平均貸与価格を公表

レンタル業者は、福祉用具を貸与する際、当該福祉用具の全国平均貸与価格と、そのレンタル業者の貸与価

格の両方を利用者に説明。また、機能や価格帯の異なる複数の商品を提示。(複数商品の提示は30年4月施

行)

適切な貸与価格を確保するため、貸与価格に上限を設定

※ 貸与価格の上限は商品ごとに設定する(当該商品の全国平均貸与価格+1標準偏差)。

見直しの方向性

福祉用具貸与の見直し

徹底的な見える化等を通じて貸与価格のばらつきを抑制し、適正価格での貸与を確保する。【平成30年10月施行】

○ 福祉用具は、対象者の身体状況等に応じて交換ができるように原則貸与

○ 福祉用具貸与は、市場価格で保険給付されており、同一商品(例:メーカーAの車いすa)でも、レンタル業者ごとに価格差がある。

○ これは、レンタル業者ごとに、仕入価格や搬出入・保守点検等に要する経費に相違があるためである。

メーカーA商品a

出荷

出荷

レンタル業者B

レンタル業者C

商品a レンタル価格7,000円

利用者

福祉用具サービスの説明

レンタル契約

レンタル業者D商品a レンタル価格

6,500円商品a レンタル価格

6,000円

出荷

○ 利用者は、レンタル費用の1割(2割)を負担

○ 残りの9割分(8割分)は、介護報酬としてレンタル業者に支払われる。

*福祉用具…車いす、つえ、特殊寝台など

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介護納付金における総報酬割の導入

見直し内容

○ 第2号被保険者(40~64歳)の保険料は、介護納付金として医療保険者に賦課しており、各医療保険者が加入者である第2号被保険者の負担すべき費用を一括納付している。

○ 各医療保険者は、介護納付金を、2号被保険者である『加入者数に応じて負担』しているが、これを被用者保険間では『報酬額に比例した負担』とする。(激変緩和の観点から段階的に導入)【法案提出予定。成立した場合、平成29年8月分より実施】

第2号被保険者の保険料 28%

第1号被保険者の保険料 22%

地方自治体負担 25%

国庫負担25%

【介護給付費の財源】

国 保

医療保険者が介護納付金として負担

協会けんぽ健保組合 共済組合

各医療保険者は、被保険者数に応じて納付金を負担(加入者割)

被用者保険間では報酬額に比例して負担する仕組み(総報酬割)を導入

29年度30年度 31年度 32年度

~7月 8月~

総報酬割分 なし 1/2 1/2 3/4 全面

【総報酬割導入のスケジュール】

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国費(定率分)20%

都道府県負担12.5%

市町村負担12.5%

2号保険料28%

1号保険料25%

国庫負担金25%のうち5%分を用いて、市町村間の「後期高齢者比率が高いことによる給付増」と、「被保険者の所得水準が低いことによる収入減」を財政調整している。これにより、市町村の責によらない、市町村間の財政力の差を解消。

国費(定率分)20%

都道府県負担12.5%

市町村負担12.5%

2号保険料28%

国費(調整交付金)5%

1号保険料22%

給付費全体 A町 後期高齢者が多い低所得の高齢者が多い

国費(調整交付金)

11%

B市 後期高齢者が少ない低所得の高齢者が少ない

国費(定率分)20%

都道府県負担12.5%

市町村負担12.5%

2号保険料28%

1号保険料16%

※調整交付金を多く交付し保険料を軽減 ※調整交付金を少なく交付し保険料を上昇

現行の交付基準

1.後期高齢者と前期高齢者の比率

※ 後期高齢者の構成割合が大きい→給付費が増大→調整しなければ、保険料が上昇

2.被保険者の所得水準

前期高齢者と後期高齢者では、要介護認定を受ける割合が大きく異なるため、市町村間の前期高齢者・後期高齢者の比率を調整

・前期高齢者(65~74歳以上):認定率約4.4%・後期高齢者(75歳以上) :認定率約32.7%

高齢者の所得水準が相対的に低い市町村では、所得水準が高い市町村に比べて、同じ所得の人であっても保険料は高くなるため、こうした所得格差を調整。

国費(調整交付金)

2%

見直しの方向性として考えられる案

特に年齢が高い高齢者の分布をきめ細かく反映させるため、交付基準の年齢区分を細分化

従来:2区分

①65~74歳 ②75歳以上

見直し案:3区分

①65~74歳、②75~84歳、③85歳以上

※所得水準は現行の調整方法を維持

調整交付金の交付基準の見直し現行制度の概要

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1.介護保険制度の見直しについて(3)その他の課題

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申請

受理

認定調査

主治医意見書作成

コンピュータによる一次判定

要介護認定結果通知

結果受理

二次判定

介護認定審査会

業務実施者申請者 市町村事務局 主治医 介護認定審査会

意見書依頼から入手までの期間:平均15.6日

年間開催回数:平均207回1回あたりの処理件数:平均30.3件

申請から認定までの期間:平均36.5日

一次判定の修正・確定

審査会資料の

作成・事前送付

審査会委員

資料事前確認

運営・

調整

主治医意見書

作成依頼

一次判定ソフト

へ入力

要介護認定事務の流れと業務量出典(事務処理日数):認定支援ネットワーク(H26.4~H26.12送信分)出典(その他):平成25年要介護認定業務の実施方法に関する調査研究

調査依頼から実施までの期間:平均9.6日

審査会同席のための時間外勤務:1.9時間/週

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要介護認定に係る事務負担の軽減について

①更新認定の有効期間のさらなる延長○ 新規・区分変更申請において、12か月経過時点で要介護度が不変である者の割合が4~5割であることとの均衡を鑑み、認定事務の処理件数の減に伴う事務職員等の負担軽減を図るため、更新認定有効期間の上限を36か月に延長することを可能とする。

②介護認定審査会における審査の簡素化○ 認定調査等の内容が長期に渡り状態が変化していない(状態安定)者については、要介護度もまた不変である蓋然性が高いことが想定されることから、審査会委員等の事務負担の軽減を図るため、状態安定者について二次判定の手続きを簡素化することを可能とする。※状態が安定しているかどうかを確認する際の具体的な要件については、要介護認定の実態研究を実施し、その結論等を踏まえ設定することとする。

対応案

要介護認定の見直し等について

※転出等により要介護認定データの経過を突合できない者を除く※有効期間が満了していない者については、直近の認定結果を使用

出典:介護保険総合データベース 平成28年7月15日集計分

二次判定

45.5

次回更新

二次判定一次判定要介護度変更あり

変更なし

37.8

要介護度変更あり

変更なし

1.8

43.7

約96%の者が要介護度不変

一次判定要介護度変更あり

変更なし

100 83.3

16.7

平成25年1月認定

※平成25年1月に一次判定(新規・区分変更・更新)を実施した者を100としたとき、「二次判定」→「次回更新の一次判定」→「二次判定」の過程で要介護度の変化が生じなかった者の数を百分率で表示した。更新申請を行わなかった等の理由により次回更新の二次判定に至らなかった者は母数から除外している。

出典:介護保険総合データベース 平成28年8月15日集計分

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※1 障害者支援施設等に入所した場合には、施設所在地の負担が過度に重くならないよう、障害福祉サービス等の支給決定は、施設入所前の市町村が行う(居住地特例)。また、生活保護で救護施設に入所する場合に同様の仕組みがあるが、生活保護においては、一部都道府県が保護費を支給する。

※2 定員が29名以下の地域密着型特定施設は住所地特例対象外なので居住地であるC市が保険者。

B市の適用除外施設から介護保険施設等に移行

A市に障害者支援施設がないためB市の施設に入所

B市(適用除外施設)

A市(自宅)

C市(介護保険施設)

現 行:住所地特例により、B市が保険者となり、介護給付費はB市が負担 (※2)

改正後:住所地特例の見直しにより、A市が保険者になり、介護給付費はA市が負担

障害者支援施設等の利用に係る費用はA市が負担(住所地特例※1)

※40歳以上の場合

被保険者(保険者はB市:現行)被保険者(保険者はA市) 被保険者でない

介護保険適用除外施設の住所地特例の見直し

見直し内容

○ 障害福祉制度や生活保護制度においては、障害者支援施設や救護施設に入所することにより居住地を変更した場合、変更前の市町村がその入所に係る費用を負担する仕組みがある。

○ 現行の介護保険制度では、他市町村から障害者支援施設等の介護保険の適用除外施設に入所した者が退所して、介護保険施設等に移った場合、適用除外施設所在市町村が保険者となるため、従来費用負担をしていた市町村に代えて、介護保険適用除外施設の所在市町村が介護給付費を負担することになっている。

○ これに関し、適用除外施設から退所して、介護保険施設等に入所した場合について、介護保険適用除外施設の所在市町村の給付費が過度に重くならないよう、保険者の定め方を見直す。

38

Page 18: (1)地域包括ケアシステムの深化・推進 - mhlw · 障害福祉サービス事業所等 介護保険事業所 地域共生社会の実現の推進(新たに共生型サービスを位置付け)

2.ニッポン一億総活躍プラン等について

(1)ニッポン一億総活躍プラン(28年6月2日閣議決定)

39

Page 19: (1)地域包括ケアシステムの深化・推進 - mhlw · 障害福祉サービス事業所等 介護保険事業所 地域共生社会の実現の推進(新たに共生型サービスを位置付け)

2015年度

2016年度

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

2026年度以降

指標

2020年代初頭までに

介護基盤の整備拡大量:50万人分以上(サービス付き高齢者向け住宅約2万人分を含む)

2020年代初頭までに

介護施設・サービスを利用できないことを理由とする介護離職をなくす

要介護3以上の特養自宅待機者を解消する(現在約15万

人)

希望する介護サービスの利用(介護基盤の供給)

① 高齢者の利用ニーズに対応した介護サービス基盤の確保介護離職ゼロの実現

国有地の利用推進、介護基盤整備の強

力な推進

【国民生活における課題】

重度の要介護者数の増加。

• 要介護3以上の者は2000年~2015年の間に2.2倍に。213万人(2015年度)→421万人(2060年)となる見通し

要介護の度合い等に応じて、希望する介護サービスを利用したい。

• 介護離職者は年間約10万人(2012年就業構造基本調査)。介護離職の理由として、「介護サービスの利用ができなかったこと」を挙げている方が約15%(推計)

• 要介護3以上の特養自宅待機者が約15万人(2013年度厚労省老健局調べ)

介護と仕事を両立しにくい。

・ 家族の介護・看護を理由とした離職・転職者:10.1万人(2011年10月~2012年9月)

【今後の対応の方向性】介護サービスが利用できずやむを得ず離職する者をなくすとともに、特別養護老人ホームに入所が必要であるにもかかわらず自宅で待機している高齢者を解消することを目指し、介護ニーズに応じた機動的な介護サービス基盤を整備し、地域包括ケアを推進する。【具体的な施策】(自立支援・介護予防に取り組む先進的な自治体の取組の全国展開)• 高齢者の自立支援・介護予防に取り組む好事例の横展開を進める。このため、介護サービスの状況や認定率(要介護度

別)の見える化システムを活用して、地域分析を進め、市町村ごとのPDCAサイクルを強化する。また、取組状況に応じた市町村や都道府県へのインセンティブ付け等について検討し、次期介護保険制度改正において必要な措置を講じる。

(自立支援と介護の重度化防止の推進)• 自立支援と介護の重度化防止を推進するため、介護記録のICT化を通じた業務の分析・標準化を進める。これにより、適

切なケアマネジメント手法の普及を図るとともに、要介護度の維持・改善の効果を上げた事業所への介護報酬等の対応も含め、適切な評価の在り方について検討する。

(介護基盤整備の着実な推進)• 緊急対策に基づき、現行の介護保険事業計画等における約38万人分以上(2015年度から2020年度までの増加分)の整備

加速化に加え、在宅・施設サービス及びサービス付き高齢者向け住宅の整備量を約12万人分前倒し・上乗せすることで2020年代初頭までに約50万人分を整備する。

• 国有地における介護施設等に対する定期借地権による貸付(2016年1月から2020年度末までに一定の地域において契約締結するもの)について、貸付始期より10年間貸付料を5割減額する。また、国有地以外の公共的な用地についても、介護施設等への活用を促進する。

• 介護する家族の就労継続を効果的に支援する介護サービスの在り方等について、介護離職に関する地域の実情を踏まえつつ自治体が的確に調査できるよう支援し、第7期以降の介護保険事業計画に反映させる。

(互いに支え合う社会づくり)

• 介護保険被保険者に係る住所地特例等の仕組みについて、本人等の意向を踏まえたものにしつつ、更なる拡充・活用を図り、

地域と都市部の支え合いを強化する。

• 居住支援協議会による紹介・斡旋等により、空き家等を活用した安心で低廉な家賃の民間賃貸住宅の供給を推進する。

介護離職の観点も含めた介護サービスの把握方法等に

関する調査

第6期介護保険事業計画 第7期介護保険事業計画 第8期介護保険事業計画 第9期介護保険事業計画

調査研究事業の実施

調査手法改善・自治体による第7期に向けた調査

調査手法の改善及び自治体による第8期に向けた調査の実施

介護施設整備に係る国有地の活用

介護ニーズ等に応じて介護基盤整備の在り方を検討

年度

施策

介護施設整備について、現場の意見を踏まえつつ、必要な措置を実施

在宅・施設サービスの整備

調査手法の改善及び自治体による調査の実施

反映反映 反映調査手法の改善及び

自治体による第9期に向けた調査の実施

高齢者の自立支援や介護予防に取り組む保険者等の好事例の全国展開

新たな仕組みの施行地域包括ケア「見える化」システムの随時改良自治体向け研修会の開催やアドバイザー派遣等

地域包括ケア「見える化」システムの設計、開発、運用

PDCAサイクルの強化、国や都道府県による市町村への横展開の支援、取組状況に応じた保険者及び都道府県へのインセンティブ付け等について関係審議会において検討、必要に応じて制度改正

国・都道府県による研修やアドバイザー派遣の全国展開に向けたガイドラインやカリキュラムの策定

緊急対策に基づく、整備量の前倒し・上乗せ 引き続き、介護ニーズの的確な把握、介護基盤整備の着実な推進

適切なケアマネジメント手法の策定

標準化に向けた分析手法の検討/ケアマネジメントの先進事例の収集

分析、適切なケアマネジメント手法の策定

適切なケアマネジメント手法の検証・見直し、適切なケアマネジメント手法を踏まえたケアマネジメントの実施

あっせん

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2015年度

2016年度

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

2026年度以降

指標

2020年代初頭までに

介護人材の数:231万人(2014年度176.5万人)

介護人材と競合他産業との賃金差:解消

職員一人当たりの利用者数の増 (例:特養・老健2:1(2014年度))

行政が求める帳票等を含め文書量:半減

2020年代初頭までに

介護施設・サービスを利用できないことを理由とする介護離職をなくす

要介護3以上の特養自宅待機者を解消する(現在約15万

人)

希望する介護サービスの利用(介護人材の確保・育成)

② 求められる介護サービスを提供するための多様な人材の確保、生産性の向上(その1)介護離職ゼロの実現

年度

施策

【国民生活における課題】

求められる介護サービスを提供するための人材が不足している。

• 介護分野の有効求人倍率:2.73倍

• 全産業の有効求人倍率:1.21倍(2016年3月、原数値)

人材確保が困難な理由の一つとして、介護人材の賃金が他の対人サービス産業と比較し賃金が低いことが考えられる。また、勤続年数も短くなっている。

• 介護職員:賃金262.3千円(賞与込み)、勤続年数6.1年

• 対人サービス産業:賃金273.6千円(賞与込

み)、勤続年数7.9年

介護職員は、離職率が高い傾向がある。

• 介護職員:離職率16.5%(2014年度)

• 全産業:離職率15.5%(2014年度)

【今後の対応の方向性】

求められる介護サービスを提供するための人材の確保(2020年代初頭までに+25万人。以降も必要に応じて確保)に向けて、安定財源を確保しつつ、介護人材の処遇改善、多様な人材の活用と人材育成、生産性向上を通じた労働負担の軽減、さらには安心・快適に働ける環境の整備を推進するなど総合的に取り組む。

【具体的な施策】

(介護人材の処遇改善)

• 介護人材の処遇については、競合他産業との賃金差がなくなるよう、2017年度からキャリアアップの仕組みを構築し、月額平均1万円相当の改善を行う。この際、介護保険制度の下で対応することを基本に、予算編成過程で検討する。

• 障害福祉人材の処遇についても、介護人材と同様の考え方に立って予算編成過程で検討する。

(多様な人材の確保)

• 介護福祉士を目指す学生・生徒が、一定期間就労した場合に返還を免除する修学資金貸付制度や、いったん仕事を離れた人が再び仕事に就く場合の再就職準備金貸付制度を充実する。大都市、被災地等の人材確保が特に困難な地域で、新たに開設する介護施設等については、人材確保が施設整備の妨げとならないよう、再就職準備金貸付制度の活用を図る。

• 介護周辺業務や軽易な介護業務に関して、シルバー人材センターや市町村のボランティアポイント制度等を通じた高齢人材の活用や、中間的就労として従事する人材の活用を進める。

• 介護の仕事の魅力・意義に対する理解を深めるため、特に若いうちから介護を知ることが重要であることから、学生、保護者、地域社会への情報発信、働きかけの強化や、インターンシップ(就業体験)等の単位認定の促進を図る。

• ハローワーク福祉人材コーナーを拡充するとともに、関係機関との連携強化を図るなど、介護分野における就職支援の取組を強化する。

多様な人材の確保と人材育成

シルバー人材センターや市町村のボランティアポイント制度等を通じた高齢人材の活用中間的就労として従事する人材の活用

介護人材の処遇改善

競合他産業との賃金差がなくなるよう、キャリアアップの仕組みを構築し、月額平均1万円相当の改善を行う

月額平均1.2万円相当の処遇改善加算の拡充を実施

介護報酬等の改定に合わせて、必要に応じて処遇を改善

介護報酬等の改定に合わせて、必要に応じて処遇を改善

返済免除付修学資金貸付制度、再就職準備金貸付制度を充実大都市、被災地等の人材確保が特に困難な地域で、新たに開設する介護施設等については、人材確保が施設整備の妨げとならないよう、再就職準備金貸付制度を活用

学生、保護者、地域社会への情報発信、働きかけの強化インターンシップ(就業体験)等の単位認定の促進

ハローワークにおける介護分野の就職支援の取組を推進

返済免除付修学資金貸付制度を拡充、再就職準備金貸付制度を創設

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2015年度

2016年度

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

2026年度以降

指標

2020年代初頭までに

介護人材の数:231万人(2014年度176.5万人)

介護人材と競合他産業との賃金差:解消

職員一人当たりの利用者数の増(例:特養・老健2:1(2014年度))

行政が求める帳票等を含め文書量:半減

2020年代初頭までに

介護施設・サービスを利用できないことを理由とする介護離職をなくす

要介護3以上の特養自宅待機者を解消する(現在約15万

人)

希望する介護サービスの利用(介護人材の確保・育成)

② 求められる介護サービスを提供するための多様な人材の確保、生産性の向上(その2)介護離職ゼロの実現

【具体的な施策】•事業所の業務マネジメント体制強化の観点から、介護事業所における賃金テーブルの設定に向けた取組を推進するとともに、介護事業所に対して人材育成計画や職務分担表、業務効率化計画の策定を推進する。

•介護サービスの業務を、必要とされる専門性を踏まえて類型化し、それに応じて、介護福祉士等の専門職とそれ以外の者との業務分担を推進する。あわせて、介護人材の中核的な役割を担う介護福祉士について、専門性の高度化による資質の向上の在り方についても、検討を進める。

•介護職員が職場に定着し、安心して働き続けられるよう、雇用管理改善のための支援の強化を図る。•経済連携協定(EPA)に基づく専門的介護人材の活用を着実に進めるとともに、現在、継続審議の取扱いである出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案の成立後、これらの仕組みに基づく外国人材の受入れについて、それぞれの制度趣旨に沿って積極的に進めていく。また、経済・社会基盤の持続可能性を確保していくため、真に必要な分野に着目しつつ、外国人材受入れの在り方について、総合的かつ具体的な検討を進める。(生産性向上)•介護サービスや介護保険事務処理について、介護ロボット・ICT等の次世代型介護技術(※)の活用により、介護サービスの生産性の向上を進める。それにより、介護の質を低下させずに、効率的なサービス提供に資する基準の緩和や、効率的・効果的な職員配置を推進する。

※ 次世代型介護技術:介護ロボット、ICT、AI、センサー、インカム、IoT、ノーリフティング等見守り支援機器等の介護ロボットの導入促進や介護現場のニーズを踏まえた介護ロボットの開発支援を加速化する。次世代型介護技術による業務の効率化や介護負担の軽減について実証研究を実施し、これを踏まえて、次世代型介護技術を用いた介護に適合する新たな基準の在り方を検討する。複数の施設の保有、総務・経理・人事などの複数の部門の集約化など事業所のグループ化を推進する。

年度

施策

指標開発

評価指標の開発を推進するとともに、データの収集を継続的に行い、評価を「見える化」する

データ収集方法検討第三者評価や介護相談員等を積極的に受け入れるインセンティブの検討

第三者評価や介護相談員等を積極的に受入れを行い、サービスの質を向上する

介護ロボット開発等加速化

現場のニーズに則した介護ロボットの開発支援

次世代型介護技術やそれに適した基準に基づく業務効率化を推進

ICT活用による事務負担軽減のガイドライン策定

ICTを活用した効果的・効率的なサービス提供モデルの普及等

経営力向上に資する規制緩和等を検討

検討結果を踏まえた、必要な対応を実施

「保険外サービス活用ガイドブック」の活用等による、保険外サービスの参入促進を実施

介護ロボット等の次世代型介護技術を用いて介護に適した基準を検討

介護ロボットによる業務の効率化等の実証研究

EPAに基づく専門的介護人材の活用法案審議

新たに創設される在留資格「介護」を活用した専門的介護人材の活用

多様な人材の確保と人材育成

生産性向上

介護ロボットの導入促進・開発支援の加速化

業務効率化等に関する実証研究・見直しの検討

質の向上のための評価指標の開発・活用

経営力向上の推進

介護サービスの業務を、必要とされる専門性を踏まえて類型化し、介護福祉士等の専門職とそれ以外の者との業務分担を推進

介護事業所における賃金テーブルの設定に向けた取組を推進、介護事業所に対して人材育成計画や職務分担表、業務効率化計画の策定を推進

【国民生活における課題】

求められる介護サービスを提供するための人材が不足している。

• 介護分野の有効求人倍率:2.73倍

• 全産業の有効求人倍率:1.21倍(2016年3月、原数値)

人材確保が困難な理由の一つとして、介護人材の賃金が他の対人サービス産業と比較し賃金が低いことが考えられる。また勤続年数も短くなっている。

• 介護職員:賃金262.3千円(賞与込み)、勤続年数6.1年

• 対人サービス産業:賃金273.6千円(賞与込み)、勤続年数7.9年

介護職員は、離職率が高い傾向がある。

• 介護職員:離職率16.5%(2014年度)

• 全産業:離職率15.5%(2014年度)

事業所のグループ化を推進事業所のグループ化推進

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2.ニッポン一億総活躍プラン等について

(2)日本再興戦略2016(28年6月2日閣議決定)

43

Page 23: (1)地域包括ケアシステムの深化・推進 - mhlw · 障害福祉サービス事業所等 介護保険事業所 地域共生社会の実現の推進(新たに共生型サービスを位置付け)

第二 具体的施策Ⅰ 新たな有望成長市場の創出、ローカル・アベノミクスの深化等2.世界最先端の健康立国へ(2)新たに講ずべき具体的施策⑤ 保険者機能の強化等による健康経営やデータヘルス計画等の更なる取組強化ⅱ)ロボット・センサー等の技術を活用した介護の質・生産性の向上

行政が求める帳票等の文書量の半減に向けて取り組むとともに、現場のニーズを反映した使いやすいロボット等の開発支援やロボットやセンサー技術の介護現場への導入を更に進める。また、ロボット等の導入による介護現場の生産性向上などのアウトカムデータの収集・分析を行うため、実証を行うフィールドを早急に決定し、本年度中に事業を開始する。そこで得られるデータの収集・分析結果を踏まえて、介護現場でのイノベーションや創意工夫を引き出すインセンティブの視点も考慮しつつ、介護現場の負担軽減に資する形での、介護報酬や人員配置・施設の基準の見直し等の対応も含め、制度上、ロボット等を用いた介護について適切に評価を行う方針について検討し、来年度中に結論を得る。 (後略)

「日本再興戦略2016」(抜粋) (平成28年6月2日 閣議決定)

44

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~2016年度2019年度2017年度

2018年度

地 域 医 療 介 護総合基金による介 護 人 材 の 資質 向 上 の た めの 都 道 府 県 の取 組 の 実 施 都道 府 県 数【47都道府県】、計画の目標(研修受講人数等)に対する達成率【100%】

通常国会 年末 通常国会

KPI(第一階層)

KPI(第二階層)

2020年度~

《主担当府省庁等》

集中改革期間

≪厚生労働省≫

地域医療介護総合確保基金により都道府県が行うキャリアアップのための研修などの取組を支援

・介護職を目指す学生への修学資金の貸付け等による支援の実施・離職した介護福祉士の届出システム整備等による円滑な再就業支援の実施

・介護事業所におけるICTを活用した事務負担の軽減のための課題の把握・分析、業務改善の効果測定のためのモデル事業を実施。あわせて、介護事業所における書類削減に向け方策を検討。

・ICTを活用した事務負担軽減について、整理した論点を踏まえ、2016年度末までに必要なガイドラインをまとめ、公表・周知

・書類削減に向けて対応可能なものから実施・ICTを活用した効果的・効率的なサービス提供モデルの普及等、介護ロボット・ICTを活用した

介護分野の生産性向上に向けた取組を実施

介護福祉士養成施設卒業生に対する国家試験の義務付け等を内容とする社会福祉法等一部改正法案提出、成立

・介護ロボットの開発の方向性について開発者と介護職員が協議する場を設置することにより、開発段階から介護施設の実際のニーズを反映

・福祉用具や介護ロボットの実用化を支援するため、介護現場における機器の有効性の評価手法の確立、介護現場と開発現場のマッチング支援によるモニター調査の円滑な実施等を推進

2015年度介護報酬改定に併せて人員や設備基準の見直しを実施

<㉒介護人材の資質の向上と事業経営の規模の拡大やICT・介護ロボットの活用等による介護の生産性向上>

公的サービスの産業化

概算要求税制改正要望等

集中改革期間

経済・財政再生計画 改革工程表経済・財政再生計画 改革工程表

(抜粋)(平成28年12月21日経済財政諮問会議決定)

45

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○ 介護保険外サービスを創出するにあたって参考となる事例やノウハウを記載した「保険外サービス活用ガイドブック」を平成28年3月に策定。これを活用し、より多くの民間企業による地域包括ケアシステムの構築に向けたビジネスへの参入・拡充を促進。

<ガイドブック掲載事例>

ノウハウ・事例の共有 【厚労省・経産省・農水省】

→介護保険外サービスを創出するに当たって参考となる事例やノウハウを記載した「保険外サービス活用ガイドブック」を、厚労省・経産省・農水省の連名で策定。事業者及び地方自治体に対して普及・啓発を行う。

○小売業者が提供する生活支援サービス

食料品等の注文を電話等で受付けて宅配する際に身の回りの困りごとを聞き、要望に応える形で生活支援サービスを提供

○シニア向けの美容講座

美容のエキスパートがシニア向けに、化粧テクニックのレクチャーや、参加者自身で化粧を楽しむレクリエーション等のサービスを提供

①高齢者のQOL向上(自立促進・介護費適正化)

②介護事業者等の保険外収入の確立(待遇改善等)

(1)実現したい姿

○介護保険内のサービス提供にとどまり、高齢者の多様なニーズに必ずしも対応できていない

○事業者及び自治体の担当者も、保険外サービス活用の事例が少

ないため、踏み込むことに躊躇

(2)課題

(3)具体策:保険外サービス活用のための環境整備

保険外サービス活用ガイドブックについて

【介護分野における公的保険外サービスの活用に関する取組】

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【概 要】○利用者が介護サービスや事業所・施設を比較・検討して適切に選ぶための情報を都道府県が提供するもの

【ポイント】○介護サービス事業所は、年一回、直近の介護サービス情報を都道府県に報告○都道府県は、事業所から報告された内容についてインターネットで公表。また、報告内容について調査が必要と認める場合、事業所・施設に対して訪問調査を実施

利用者

介護サービス事業所・施設

介護サービス情報の調査

●新規指定時、更新申請時、虚偽報告が疑われる場合など必要に応じ訪問調査を実施し、結果を公表情報に反映(調査項目は都道府県が設定)

介護サービス情報の公表

●報告された内容について、公表を行う

都道府県

介護サービス情報公表システム<国で一元管理>

閲覧(インターネット)

※公表及び調査にかかる費用について地方自治法に基づき手数料を徴収することが可能

反映

介護サービス情報の公表制度の仕組み(全体像)介護サービス情報の公表制度の仕組み(全体像)

<介護サービス情報>

■基本情報基本的な事実情報(例)事業所の所在地、従業員数、

営業時間、サービスの内容など

■運営情報介護サービスに関する具体的な取り組みの状況(例)外部機関との連携、苦情対応の状況、

職員研修の状況など

■任意項目都道府県が定める追加項目(任意設定)

※(例)介護サービスの質に関する情報介護サービスに従事する従業者に関する情報

報告(年1回)

訪問調査(適宜)

47

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生活支援等サービスに関する情報公表

対象サービス 内容 公表項目見守り・安否確認 地域の自治会や町内会、民間事業者等による高齢者の安否確認や見守りを家事

支援等と共に行うサービスである。また、安否確認には緊急時に通報できるサービスも含まれる。

名称、所在地、電話番号、対象者、サービス内容、対象エリア

配食(+見守り・安否確認)

配食だけでなく、訪問時に安否確認や見守りも兼ねたサービスである。 名称、所在地、電話番号、対象者、サービス内容(メニュー、付加サービス等)、サービス提供日及び時間、対象エリア、料金体系

家事援助 買物や掃除、調理、洗濯等の日常生活で必要な家事を支援するサービスである。 名称、所在地、電話番号、対象者、サービス内容、サービス提供日及び時間、対象エリア、料金体系

交流の場・通いの場 住民やNPO団体等様々な主体によるミニデイサービスやコミュニティサロン等の交流の場、運動・栄養・口腔ケア等の専門職が関与する教室を開催しているサービスである。

名称、所在地、電話番号、対象者、活動内容、運営日及び時間、定員、料金体系、飲食の提供の有無、飲食の持ち込みの可否、送迎の有無、対象エリア

介護者支援 介護をしている家族の集いや介護サービスを利用している方の状態維持・改善に向けた知識・技術の教室等であり、介護をする方を支援するサービスである。

名称、所在地、電話番号、対象者、活動内容、開催日及び時間、定員、料金体系、対象エリア

外出支援 通院や買い物等が一人では困難な方へ移動支援を行うサービスである。 名称、所在地、電話番号、対象者、サービス内容、サービス提供日及び時間、定員、対象エリア、料金体系

多機能型拠点※ スーパーやコンビニ、飲食店等に介護の相談窓口、サロンや体操教室等多様なサービスを組み合わせたサービスである。

名称、所在地、電話番号、対象者、活動内容、運営日及び時間、定員、料金体系、飲食の提供の有無、飲食の持ち込みの可否、送迎の有無、対象エリア

その他市町村が適当と認めるサービス

上記には該当しないサービスである。 市町村が適当と認める情報

※日本再興戦略(平成26年6月24日閣議決定)において、市町村が民間企業による健康増進・生活支援・介護予防サービスの多機能拠点等を把握し、介護サービス情報公表制度を活用して住民に情報提供する仕組みを構築することが位置づけられている。

○ 平成26年の介護保険法等の改正に伴い、地域で暮らす高齢者の日常生活に必要な生活支援等サービスの情報について、市町村は公表するよう努めることとされた。

○ このため、既に全国に定着している「情報公表システム」を活用できるようにすることで、地域住民が、介護サービス情報に加え、平成27年10月から、生活支援等サービスの情報も一体的に閲覧が可能とした。

○ 公表する内容は、生活支援等サービスを利用する上で、基礎的な情報とし、地域の実情に応じて市町村が追加することができる仕組み。生活支援等サービスの提供を行う事業者から情報の提供を受け、市町村又は生活支援コーディネーターの判断で公表は随時行う。※ 総合事業の訪問型、通所型サービス等も、この中で公表(「総合事業」によるサービスであるか否かのチェック欄有り)。

⇒ 市町村におかれては、積極的な公表をお願いする。

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