尾浦~宮窪航路改善計画書尾浦~宮窪航路改善計画書 【概要版】 ―...

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尾浦~宮窪航路改善計画書 【概要版】 1.航 について 2.航 3.経 4.需 5.航 6.代 の概 17 平成26年3月 尾浦~宮窪航路改善協議会

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尾 浦 ~ 宮 窪 航 路 改 善 計 画 書

【 概 要 版 】

― 目 次 -

1 . 航 路 改 善 計 画 に つ い て 1

2 . 航 路 診 断 2

3 . 経 営 診 断 8

4 . 需 要 予 測 8

5 . 航 路 改 善 計 画 9

6 . 代 替 船 舶 の 概 略 1 7

平 成 2 6年 3月

尾 浦 ~宮 窪 航 路 改 善 協 議 会

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1.航路改善計画について

(1)計画策定の背景

尾浦~宮窪航路(以下、本航路)は、今治市の大島、伯方島と、離島である鵜島を結ぶ唯一の

交通手段であり、鵜島住民、通勤・通学者あるいは事業者の営業活動をはじめとする、旅客や自

動車などの輸送だけでなく、生活用水や物資の輸送、救急患者の搬送など、あらゆる面で極めて

重要な役割を担っている。しかしながら、航路の年間旅客数は1万4千人程度、自動車輸送量は1

千2百台ほどで、運航費用を賄えるだけの収益は得られず、経常的な赤字航路となっている。

航路維持のため、国や自治体からの補助金に頼らざるを得ない状況にある。本航路と同じく、全

国の離島航路でも、人口減少、少子高齢化による航路利用者の減少に加え、燃油価格の高騰な

どにより、欠損が増大し、経営状況が悪化している。このような離島航路の現状を踏まえ、国土交

通省では「離島航路補助制度改善検討会」を設置し、平成 21 年3月には検討会から最終報告が

出された。この最終報告により、補助対象航路には、航路の維持・活性化のため広く関係者を集め

た航路改善協議会の設置と、航路診断、経営診断に基づく航路改善計画の策定が求められるよう

になった。

こうした背景のもと、本計画書は、将来にわたって維持・存続できる航路づくりに向けて、航路事

業者、鵜島住民をはじめとする航路利用者、そして関係行政機関が一体となって航路改善を進め

るための指針とすべく策定するものである。

(2)計画策定の理念

将来の欠損増大、経営破たんを回避し、より効率的な運航体制の構築を目指した航路事業者

の経営改善を進める。それと同時に、行政等の地域振興策等とも連携しながら航路利用促進を図

り、安定的な航路維持に向けた体制を確立する。これらを実現すべく、以下の理念に基づき本計画

を策定し、航路改善を目指す。

≪基本理念≫

① 将来に向け、持続可能な生活交通を目指す

② 経営の安定性確保と航路の安全性確保を目指す

③ 地域資源を活用し、航路の活性化を目指す

(3)計画の期間

この計画の期間は、平成 26 年度~平成 30 年度までの5ヵ年とする。

(4)航路改善協議会の概要

計画策定作業を行うために設置された尾浦~宮窪航路改善協議会は、以下の委員で構成され、

計3回の会議において航路改善について協議を行った。策定経過および協議会委員の構成は以

下の通り。

【計画策定経過】

年 月 日 策定経過

平成 25 年 8月 8日 『尾浦~宮窪航路改善協議会設置要綱』制定

8月 28 日 第1回 尾浦~宮窪航路改善協議会

8月 30 日 補助金交付申請書提出

9月 20 日 補助金交付決定通知

平成 26 年 1月 15 日 第2回 尾浦~宮窪航路改善協議会

2月 13 日 第3回 尾浦~宮窪航路改善協議会

【航路改善協議会委員】 (敬称略・順不同)

氏 名 所属・役職 備 考

益田 秀男 宮窪地域審議会会長 宮窪地域住民代表

多田 匡樹 伯方地方審議会会長 伯方地域住民代表

織田 孝芳 鵜島自治会長 鵜島住民代表

黒川 俊継 越智今治農業協同組合 代表理事理事長 経済界

安部 孝正 しまなみ商工会 事務局長 経済界

髙取 武則 今治地区漁業協同組合協議会 宮窪町漁業協同組合 組合長 漁港関係者

赤瀬 幸男 今治地区漁業協同組合協議会 伯方町漁業協同組合 副参事 漁港関係者

黒川 泰伸 永井剛税理士事務所 財務関係専門家

村岡 茂行 シーセブン有限会社 代表取締役 航路事業者

小池 賢治 愛媛県企画振興部地域振興局 交通対策課長

長野 和幸 今治市 副市長

長谷川 文夫 四国運輸局海事振興部 離島航路活性化調整官

近藤 伸弥 四国運輸局愛媛運輸支局 今治海事事務所長

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2.航路診断

(1)鵜島の現状

❏ 鵜島全体図(国土地理院ホームページより)

❏ 鵜島の概略(位置・地勢・歴史等)

・ 鵜島は、宮窪港の北、約1kmに位置し、周囲 4.4km、面積は 0.76k㎡である。

・ 温暖な多照寡雨で、緩やかな傾斜で日当たりのよい土地が多い。

・ 大島と鵜島の海峡には村上水軍が拠点とした能島があり、鵜島にも数々の村上水軍関連の遺構

がある。

・ 江戸時代には、織田信長の子孫とも伝えられる織田信義と村上水軍の子孫である福羅弥三エ門

が佐島から移り住んだとされ、以後、2つの姓、織田家、福羅家の子孫に先人が築いた伝統が受

け継がれている。

❏ 人口・世帯数の推移

・ 鵜島は、かつて数百人の人口を有していた。

・ 平成 22 年の人口は 33 人、世帯数は 19 世帯である。

(単位:人、世帯)

年度 平成2年 平成7年 平成 12 年 平成 17 年 平成 22 年

人口 71 58 46 38 33

世帯数 23 21 19

資料:国勢調査 (いずれも 10 月1日現在)

❏ 産業の状況

・ 第1次産業主体で、就労者のほとんどは農業を中心に生計を立てている。

・ 主な農作物は、みかんやデコポンなどの柑橘類である。

・ 近年では減農薬方式による「島らっきょう」の栽培も盛んに行われるようになった。

・ 島内には耕作適地が多いが、後継者不足のため耕作放棄地も増加しつつある。

❏ 観光・レジャーの状況

・ 観光資源としては、村上水軍関連の遺構や山歩きコースを兼ねた「西国三十三観音めぐり」など

がある。

・ 島内に地図や立て看板が設置されるなど、一定の整備がなされている。

・ 本航路は、中国旅客船協会連合会が実施する「せとうちサイクルーズ PASS」に参加しており、サ

イクリング客向けの割引運賃を設定している。

❏ 生活インフラ整備、生活環境の概況

・ 鵜島では、生活用水の供給、物資の輸送、ごみ処理など、生活のあらゆる面で航路に頼らざるを

得ない状況にある。

・ 特に、生活用水の供給、救急医療において航路が果たす役割は極めて大きい。

項目 整備状況

生活用水 島には井戸があり、農業用水だけでなく、生活用水、飲料水としても利用されている。また、

今治市との「水道用水運搬業務委託契約」に基づき、航路事業者が定期船で生活用水を

運搬している。1回の運航で約 8.5 ㎥の水が運搬でき、貯水タンクに週4、5回程度移し替え

を行っている。この水は、防火用水としても使用される。

ごみ処理 今治市の委託を受けた宮窪総合運送が定期船に軽トラックに乗せて収集している。3ヵ月

サイクルで収集時期を決め、分別種類ごとに4回(4日)に分けて、可燃ごみや資源化ごみ

などの収集が行われている。

し尿処理 一般家庭と集会場などに合併処理浄化槽が整備されている。

今治市の委託を受けた宮窪浄園舎が、し尿処理や浄化槽の清掃・点検を行っており、年に

10 回程度、し尿処理や清掃のために本航路を利用している。し尿処理はバキュームカー2

台(4トン、2トン)で対応しており、清掃・点検時は給水車を乗船させることもある。

郵便・宅配便 吉海郵便局の配達員が定期船に乗船して、郵便、ゆうパックなどを配達している。

宅配便は、業者が宅配便を小荷物として船に乗せ、事前に電話連絡を受けた住民が鵜島

港に出向いて荷物を受け取っている。

医療 医療機関がないため、住民は、対岸の宮窪地区や今治市中心部などの医療機関を利用し

ている。

救急医療については、伯方島にある今治北消防署が救急艇を保有しているが、鵜島港に

は救急艇が安全に接岸できないため、傭船契約を結び、定期船に救急車を乗せて対応し

ている。年1、2回の出動要請がある。

食料・生活物資の

調達

商店や飲食店はなく、小売事業者の移動販売も行われていない。

住民自らが島外に買い物に出かける、あるいは、農協を通じて注文した物資を船で配達し

てもらい、農業用資材や生活物資、食料などを調達している。他の生活物資として、新聞を

毎日定期船で運搬している。

資料:今治市、航路事業者、住民などへの聞き取りによる

【鵜島の現状】

・所在地:今治市宮窪町

・人口:33 人(平成 25 年3月末時点)

・主要産業:農業(主に柑橘栽培)

・観光資源:村上水軍関連遺構など

・生活用水:定期船で運搬し供給

・救急医療:救急車を定期船で輸送し対応

・その他航路に依存する生活インフラ等

→ごみ処理、し尿処理、郵便、新聞配達等

2

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2.航路診断

(2)航路の現状

❏ 航路の概要

【使用船舶】 【旅客運賃】

船名 のしま7 尾浦 ~ 宮窪間 300 円

所有者 シーセブン有限会社 尾浦 ~ 鵜島間 240 円

総トン数 19 トン 鵜島 ~ 宮窪間 180 円

小人運賃は半額

回 数 券 あり定 期 券 あり

船舶の種類 旅客フェリー 【自動車航送運賃】

就航年月 昭和 63 年7月 3m未満 600 円

船質 軽合金 3m以上4m未満 810 円

全長 21.0m 4m以上5m未満 1,110 円

幅 6.99m 5m以上6m未満 1,810 円

全港間一 律運転者の旅客運賃含む

深さ 1.94m 【手荷物運賃】

エンジン 460 馬力×2基 自転車 120 円

最高速力 15.0 ノット 原付自転車(125cc未満) 240 円

旅客定員 59 名 自動二輪車(750cc 未満) 360 円

自動車積載面積 58.82 ㎡ 自動二輪車(750cc 以上) 480 円

全港間一 律

旅客運賃は別途必要

乗組定員 2名 受託手荷物 240 円 全港間一 律

清水タンク容量 約 8.5 ㎥ 【小荷物運賃】

バリアフリー基準 適用除外認定 10 ㎏以下 200 円

10 ㎏を超え 20 ㎏以下 400 円

20 ㎏を超え 30 ㎏以下 600 円

全港間一 律

【航路の起点、寄港地、終点および距離】

起点 寄港地 終点 合計

港名 尾浦港 鵜島港 宮窪港

各港間距離 2.5km 1.5km 4.0km

航海時間 10 分 5分 15 分

【時刻表】

尾浦港 鵜島港 宮窪港 鵜島港 尾浦港

便 発 着 発 着 発 着 発 着

1 07:00 07:10 07:12 07:17 07:25 07:30 07:32 07:42

2 09:20 09:30 09:32 09:37 9:45 09:50 09:52 10:02

3 12:30 12:40 12:42 12:47 12:55 13:00 13:02 13:12

4 13:25 13:35 13:37 13:42 13:55 14:00 14:02 14:12

5 15:45 15:55 15:57 16:02 16:10 16:15 16:17 16:27

6 17:20 17:30 17:32 17:37 17:45 17:50 17:52 18:02

7※ 18:40 18:50 18:52 18:57 19:00 19:05 19:07 19:17

(※日曜日、祝日の第7便は運休 1/1から1/3の3日間は第1便と第7便は運休)

❏ 航路イメージ図

及び航路の特徴

❏港湾の状況および交通アクセス

尾浦港

・ 有津港の一部で、今治市が管理する地方港湾である。

・ 防波堤など波よけの構造物はなく、またフェリーが接岸できる浮き桟橋はない。

・ コンクリート岸壁に2つの接岸場所があり、潮位によって接岸場所を変える。

・ 港にアクセスする公共交通機関として路線バスがある。

鵜島港

・ 港湾施設ではなく、市が管理する船舶乗降施設である。

・ フェリーの接岸は、コンクリートの岸壁かコンクリート斜路式桟橋(スベリ)を利用する。

・ 公共交通機関はなく、徒歩あるいは自転車などを利用して港まで移動する。

・ 島全体が瀬戸内海国立公園の第2種特別地域に指定されている。

宮窪港

・ 今治市が管理する漁港である。

・ 浮き桟橋が整備され、フェリーは浮き桟橋正面に接岸する。

・ 港にアクセスする公共交通機関として、路線バスがある。

宮窪港

尾浦港

鵜島港

【荒神瀬戸】

往来する船の難所と言われ、激しく流

れる潮流が特徴

【尾浦港・鵜島港周辺】

浅瀬が多く、尾浦港周辺で水深2m、

鵜島港周辺で水深1mを下回る地点

あり

3

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2.航路診断

❏ 運航実績および輸送実績

【平成 24 年度ルート別輸送量】

輸送区分 尾浦⇔宮窪 尾浦⇔鵜島 鵜島⇔宮窪

旅客(人) 5,934 1,423 6,623

自動車(台) 5 247 986

自転車・二輪車(台) 397 146 256

小荷物数(個) 684 160 471

【年間運航実績および輸送実績】

H22 年度 H23 年度 H24 年度

運航実績 2,474 2,446 2,466

輸送実績

普通券 4,985.5 5,612 5,290

定期券 5,850 5,900 4,200

回数券 4,910 4,430 4,490

旅客(人)

計 15,745.5 15,942 13,980

3m以上4m未満 792 778 915

4m以上5m未満 271 317 279

5m以上6m未満 56 20 44

自動車(

台)

計 1,119 1,115 1,238

自転車・二輪車(台) 1,413 986 799その他 小荷物(個) 1,500 1,342 1,315

注1)運航実績は予備船「くれない」による運航分を含む注2)小人の輸送人員は 0.5 人として換算注3)回数券(11 枚つづり)は 10 人として換算注4)定期券(1ヵ月)は 25 往復したものとして換算

【単位当り輸送量】

H22 年度 H23 年度 H24 年度

1日当り輸送量

旅客数(人) 43.14 43.68 38.20

自動車台数(台) 3.07 3.05 3.38

自転車・二輪車(台) 3.87 2.70 2.18

小荷物数(個) 4.11 3.68 3.59

1便当り輸送量

旅客数(人) 6.36 6.52 5.67

自動車台数(台) 0.45 0.46 0.50

自転車・二輪車(台) 0.57 0.40 0.32

小荷物数(個) 0.61 0.55 0.53

区間別輸送量の推移(旅客)

6,952 7,2745,934

2,088 1,814

1,423

6,706 6,854

6,623

0

5,000

10,000

15,000

20,000

H22 H23 H24

(人)尾浦⇔宮窪 尾浦⇔鵜島 鵜島⇔宮窪

宮窪港

尾浦港

鵜島港5,934人

1,423人

6,623人

旅客輸送量(H23/10~H24/9)

宮窪港

尾浦港

鵜島港5台

247台

986台

自動車輸送量(H23/10~H24/9)

区間別輸送量の推移(自動車)

253 288 247

859 820986

577

0

250

500

750

1,000

1,250

1,500

H22 H23 H24

(台)尾浦⇔宮窪 尾浦⇔鵜島 鵜島⇔宮窪

4

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2.航路診断

❏ 生活用水の運搬

・ 鵜島への生活用水の運搬は、定期船の待機時間を利用して行われている。

・ 年間の運搬回数は 260 回から 230 回程度、年間運搬量は 2,000 ㎥前後で推移している。

・ 給水専門業者への委託コストや他地域の委託条件等を勘案すると、現状の定期船を活用した生活

用水の運搬コストは妥当な水準であり、適正な運搬方法であると考える。

・ 将来推計人口をもとに今後の生活用水使用量の将来推計を行った結果、今後の生活用水使用量

は徐々に減少するものと考えられる。

・ 現使用船舶であれば、1日の平均配水量以上の生活用水を1回の運搬で賄うことができる。

・ 使用船舶の老朽化により、今後ますますドック入りや故障修理の期間が長期化する可能性がある。

・ 生活用水の安定供給のためにも、使用船舶の老朽化への対応が必要である。

【定期船による生活用水運搬実績】

2,2462,134

2,260

1,972 1,919

228

260250

268

234

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

(㎥)

0

50

100

150

200

250

300

(回)

運搬量

運搬回数

【生活用水使用量の将来推計】

1,9191,803

1,686 1,628 1,570

1,396 1,337 1,279 1,221

1,047

0

500

1,000

1,500

2,000

H26 H27 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35(年度)

(㎥)

年間水使用量(推計)

❏ 収支状況

・ 収入7百万円前後に対し、支出は 45~54 百万円と多額で、大幅赤字である。

・ 収支率は、おおむね 15%前後で推移している。

・ 最終的には離島航路補助金にて収支をあわせている。

【収支状況】 (単位:円)

項 目 平成 22 年度 平成 23 年度 平成 24 年度

収入計 7,578,432 7,293,050 6,600,770

運航収益 7,065,440 7,117,770 6,599,291

営業収益 512,992 175,280 1,479

費用計 45,100,512 54,863,796 46,745,911

運航費用 30,527,605 39,159,308 32,150,519

営業費用 14,572,907 15,704,488 14,595,392

差引損失額 ▲37,522,080 ▲47,570,746 ▲40,145,141

離島航路補助金 37,522,080 47,570,746 40,154,151

収支率(収入÷支出) 16.8% 13.3% 14.1%

【収入・支出と収支率の推移】

7.6 7.3 6.6

45.1

54.9

46.7

14.113.3

16.8

0

10

20

30

40

50

60

H22年度 H23年度 H24年度

(百万円)

0

5

10

15

20

25

30

(%)収入(左軸) 支出(左軸) 収支率(右軸)

(収入÷支出)

5

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2.航路診断

(3)航路利用の実態調査

航路利用の実態を詳細に把握するため行った、鵜島住民、航路利用者、事業者への聞き取り調査

の結果概要は以下の通り。

❏ 航路の利用状況等に関する聞き取り調査結果

【鵜島住民】

(目的別の利用頻度)

・「買い物」での利用頻度は、「週3回以上」(45.0%)、「週1、2回程度」(40.0%)が多い。

・「通院」での利用頻度は、「月に1回程度」(46.2%)が多い。

(よく利用する便)

・「買い物」は、宮窪行きの2便、3便、1便の順に多く、帰りは4便、5便や3便を利用する人が多い。

・「通院」の際によく利用する便は、宮窪行き1便が圧倒的に多いが、帰りは利用便が分散している。

(よく利用する曜日)

・「曜日に関係なく利用する」(65.2%)との回答が最も多く、次いで「火曜日」(39.1%)が多い。

【航路利用者】

(利用目的)

・利用目的は、「通勤」や「通学」での利用が多く、あわせて4割程度を占める。

・「鵜島への帰省」や「鵜島での業務の利用者」も通学利用者と同程度である。

(利用頻度)

・全体では、「ほぼ毎日」が 23.8%と最も多く、「2週間に1回程度」も比較的多い。

(よく利用する便)

・通勤・通学者は、「行きは1便、帰りは6便」の利用が多い。

・帰省者が利用する便にはばらつきがある。

・業務での利用者は、「行きは2便または3便、帰りは4便」の利用が多い。

(よく利用する曜日)

・「曜日に関係なく利用する」(42.9%)との回答が最も多く、帰省客は土日に利用するとの回答が多い。

❏ 鵜島住民の航路利用状況(抜粋)

【航路利用事業者】

(利用目的)

・航路の利用目的は、鵜島での公的サービスの提供や農業関連業務、工事、物資の輸送である。

(利用頻度)

・利用頻度は、ほぼ毎日から数年に1回程度まで幅広い。一時期に集中して利用する事業者も

・鵜島で業務を行う事業者は、自動車を乗せて利用することが多い。

(よく利用する便)

・2便あるいは3便で鵜島に向かい、4便で宮窪港に帰る利用パターンが多い。

(よく利用する曜日)

・利用する曜日は、平日の利用が多く、特定の曜日に利用する事業者は少ない。

(要望事項)

・「現在の運航ダイヤ、便数の維持」「フェリータイプの船の運航継続」などが挙げられた。

15.4

54.1

12.8

27.0

59.0

18.9

7.7 5.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

通院

買い物

宮窪町 吉海町 今治市中心部 伯方町 今治市外

【買い物・通院の行き先・地区別割合】

50.0

3.8

45.0

12.5

50.0

7.7

40.0

18.8

3.8

5.0

56.3

46.2

10.0

12.5

23.1 15.4

0% 20% 40% 60% 80% 100%

その他

(n=15)

通勤

(n=2)

通院

(n=22)

買い物

(n=19)

週3回以上 週1、2回程度 2週間に1回程度

月に1回程度 3ヵ月に1回程度 年に1、2回程度

【利用頻度】

※複数回答を100%換算して再集計

6

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2.航路診断

❏ 航路改善に関する聞き取り調査結果

「のしま7」に対する満足度 協力できる航路改善策 必要な利用促進策 航路に関する主な自由意見

船の乗り心地 エンジンの音がうるさい。

乗降のしやすさ シニアカーでも乗り降りしやすいように、段差をなくしたり、客室の入り口を広くしたりして欲しい。

船内設備 バリアフリー対応にして欲しい。

自動車が乗り降りする際、板を置くなどして段差をなくして欲しい。

冬は客室内がとても寒い。

座席が古く汚くなっているので改善して欲しい。

トイレをきれいにして欲しい。

欠航・遅延の状況 気象条件で仕方ないとは思うが、欠航が多い。

船員の対応 人によって感じの悪い人がいる。

航路全般 便数を減らすと1便乗り遅れるだけで半日待つようになるので、便数はそのまま維持して欲しい。

運賃を値上げして便数を維持することに協力したい考えだが、運賃の上げ幅にもよる。

自動車の運賃が高い。もう少し安ければ、もっと頻繁に自動車を乗せることができる。

宮窪での待機時間を 30 分くらいにして欲しい。

日曜、祝日も7便を運航して欲しい。

足が悪いので乗り降りがしやすい船を希望する。

車いすでの移動のため、今後もフェリー型の船を希望する。

▢全体的に「今のままでよい」が多い。

▢ ただし、すべての項目で「改善して欲

しい」との回答があり、特に「船の乗り

心地」に「改善して欲しい」との回答が

多い。

▢ 「運賃を値上げして維持する」との回

答が約6割と最多。

▢ 「便数を減らして維持する」との回答

は1割強に留まる。

▢ 「その他」は「すべて現状維持」や「ど

ちらも困る」といった自由意見である。

▢ 「鵜島の観光振興」との回答が7割強

で最多。

▢航路利用促進には鵜島の観光振興

が必要との声が多い。

老人が多いので、乗船、下船時の安全のためにもフェリーを維持して欲しい。

船の乗り心地 よく揺れる。

エンジンの音がうるさい。

乗降のしやすさ 自動車の乗り降りがしにくい。

鵜島港は干潮時には滑りやすい。

船内設備 冬場は客室内が寒い。

夏場や冬場の寒暖が堪えるのでエアコンを設置して欲しい。

バリアフリー対応にして欲しい。

客室や座席をもっときれいにして欲しい。

船員の対応 親身に対応してくれている。

親切にしてもらえている。

その他 客室内の禁煙を徹底して欲しい。

航路全般 便数は減らさないで欲しい。

船を新造して欲しい。

自動車の運賃が高い。全港共通料金ではなく、距離に応じた料金体系にして欲しい。

▢ほとんどの項目で「今のままでよい」

との回答の方が多い。

▢ ただし、「改善して欲しい」との回答が

あり、特に「船内の設備」は「改善して

欲しい」の回答が半数を占める。

▢ 「運賃を値上げして維持する」との回

答が約5割と最多。

▢ 「便数を減らして維持する」との回答

は3割強。

▢ 「その他」は「現状維持」や「どちらとも

言えない」といった自由意見である。

▢ 「鵜島の観光振興」と「鵜島での集客

イベントの開催」の回答が4割強の同

数で最多。

▢ 「利用促進は難しい」との理由で回答

を拒否した利用客も少なくない。

尾浦発終便時刻を 19 時頃にして欲しい。今の時刻は部活動が終わってからでは間に合わない。

運賃を

値上げ

して維

持する

59.1%

その他(すべて

現状維

持、どち

らも困

る)

27.3%

便数を

減らし

て維持

する

13.6%

(n=22)

便数を

減らし

て維持

する

35.3%

その他(現状維

持、どち

らとも言

えない)

27.3%

運賃を

値上げ

して維

持する

52.9%

(n=17)

9.5

4.8

9.5

14.3

28.6

71.4

0 20 40 60 80 100

その他

便数の増加

所要時間の短縮

鵜島での

集客イベントの開催

運航時刻の変更

鵜島の観光振興

(%)

(n=21)

(複数回答)

15.4

23.1

7.7

46.2

23.1

46.2

0 20 40 60 80 100

その他

便数の増加

所要時間の短縮

鵜島での

集客イベントの開催

運航時刻の変更

鵜島の観光振興

(%)

(n=13)

(複数回答)

95.7

76.2

77.3

82.6

65.2

23.8

22.7

34.8

17.4

4.3

0% 25% 50% 75% 100%

船員の対応

(n=23)

欠航・遅延の状況

(n=21)

船内設備

(n=22)

乗降のしやすさ

(n=23)

船の乗り心地

(n=23)

今のままでよい 改善して欲しい

100.0

85.0

50.0

76.2

81.0

50.0

23.8

19.0

15.0

0% 25% 50% 75% 100%

船員の対応

(n=20)

欠航・遅延の状況

(n=20)

船内設備

(n=20)

乗降のしやすさ

(n=21)

船の乗り心地

(n=21)

今のままでよい 改善して欲しい

7

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3.経営診断 4.需要予測

(1)経営診断の項目別まとめ

項目 分析コメント

収支面

・ 収益は極めて少額である一方、一定の固定的な費用が発生し、経常的な赤字である。

・ 収支改善には利用客の増加を図ることが有効であるが、鵜島の人口は、今後、さらなる

減少が予想される。また、鵜島以外の主な利用客は、今後も一定程度の利用は見込める

が、現状では増加は見込めない。

・ 経費の削減・抑制については、大幅な経費削減は難しいが、使用船舶の更新や運航体制

の見直しなどにより、ある程度の運航経費の削減が可能である。

・ 補助金依存の収支状況からの脱却は非常に困難であるが、今後の欠損増加を回避すべく、

利用客の維持・増加、経費削減等の経営努力により収支改善を図る必要がある。

財務面

・ 財務バランスは悪く、債務超過状態を解消することは難しい。

・運転資金の調達は円滑に行えており、事業継続に直ちに問題が生じることはないと判断

する。

キャッシュフロー

・ キャッシュフローは経常的な赤字である。

・ 赤字額は補助金収入により低く抑えられており、補助金がなければ資金がすぐに底をつ

く状態にある。

・ 運転資金は、短期借入金により一応賄えており、当面の資金繰りに問題はない。

・ 設備投資を行うには外部から資金調達する必要があるが、仮に借入金で賄ったとしても、

返済に充てるキャッシュを事業収入から生み出すことはできない。

(2)総合所見

・ 本路は赤字の離島航路であり、補助金に依存した収支構造となっている。

・ 今後、経営改善を行ったとしても、黒字転換は難しく、航路維持には公的な支援に頼

らざるを得ないと判断する。

・ 可能な限り経費を抑えるとともに、航路改善策の実施により、利用促進や運航経費

削減を図るなど、赤字額の縮小に努める必要がある。

(1)鵜島将来人口推計

・ 需要予測を行うに際し、鵜島の将来人口を推計した。推計は、社会移動(鵜島からの転出、鵜島

への転入)は考慮しない、すなわち封鎖人口の推計とする。

・ 推計の結果、平成 35 年度の鵜島の人口は 18 人となった。

【鵜島の将来人口推計結果】 (単位:人)

年度 H25 H26 H27 H28 H29 H30 H35

推計結果 33 33 31 29 28 27 18

(2)需要予測

・ 航路改善による利用促進等の対策が行われないケースを想定し予測したものである。

・ その結果、10 年間で旅客数は約 2,600 人減少し、1万1千人台になると予想。

・ 鵜島人口減少により、鵜島-宮窪間の旅客数が約2千人減少すると予想。

【旅客の将来需要予測】 (単位:人)

年度 H26 H27 H28 H29 H30 H35

通勤 2,496 2,496 2,496 2,496 2,496 1,872

通学 1,560 1,430 1,560 1,430 1,430 1,690

その他 1,878 1,878 1,878 1,878 1,878 1,878

尾浦-

宮窪

計 5,934 5,804 5,934 5,804 5,804 5,440

鵜島住民 233 219 205 198 191 128

その他 1,190 1,190 1,190 1,190 1,190 1,190

尾浦-

鵜島 計 1,423 1,409 1,395 1,388 1,381 1,318

鵜島住民 4,421 4,153 3,885 3,751 3,617 2,411

その他 2,202 2,202 2,202 2,202 2,202 2,202

鵜島-宮窪 計 6,623 6,355 6,087 5,953 5,819 4,613

合計 13,980 13,568 13,416 13,145 13,004 11,371

・ 鵜島の人口減少に伴い、小荷物の輸送数量は減少と予想。

・ 自動車や自転車・二輪車も緩やかな減少傾向と予想。

【旅客以外の輸送需要予測】

年度 H26 H27 H28 H29 H30 H35

自 動 車 ( 台 ) 1,238 1,231 1,228 1,223 1,220 1,189

自転車・二輪車(台) 799 775 766 751 743 651

小 荷 物 ( 個 ) 1,315 1,277 1,237 1,217 1,196 989

旅客以外の需要予測結果

1,238 1,231 1,228

1,223 1,220

自動車

1,189台

799 775 766 751 743

651個小荷物

1,3151,277 1,237

1,217 1,196

989台自転車・二輪車

0

400

800

1200

1600

H26 H27 H28 H29 H30 H35

旅客数の需要予測結果

1414 13

13 13

11

0

4

8

12

16

H26 H27 H28 H29 H30 H35

(千人)

8

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5.航路改善計画

(1)航路の課題とそれに対応する改善の方向性

【鵜島の現状】

○ 鵜島人口の減少

○ 基幹産業である農業生産者の高齢化

○ 生活のあらゆる面で航路に頼らざるを得ない状況

○ 定期船待機時間中の運搬により生活用水を供給

○ 救急医療は定期船による救急車搬送により対応

航路の現状・利用者ニーズ

【基本理念】 ① 将来に向け持続可能な生活航路を目指す ② 経営の安定性確保と航路の安全性確保を目指す ③ 地域資源を活用し、航路の活性化を目指す

航路の課題 航路改善の方向性

【航路の現状】

○ 人口減少等による航路利用者、利用台数の減少

○ 経常的な赤字運航で補助金に依存

○ 使用船舶の老朽化と維持コストの増大

○ バリアフリー基準の適用除外認定

■ 安全運航体制の維持・確保および船舶老朽化に伴う維持コスト増大への対応

定期船「のしま7」は、就航から 25 年が経過し、船体および機

関の老朽化が進んでいる。定期航路にとって安全運航が最優

先課題であり、早急に対応すべき課題である。船舶老朽化への

対応は、安全運航体制の維持に加え、船舶維持コストの抑制

を図る上でも非常に重要な課題である。

■ 利便性の向上・バリアフリー基準への対応

定期船「のしま7」は、バリアフリー新法に定められたバリアフ

リー基準に適合していない。また、鵜島住民や利用者への聞き

取り調査でも、乗り降りのしやすさや乗船中の快適性に対する

不満の声が挙がっている。鵜島住民をはじめ、今後の利用者の

高齢化に対応しつつ、利便性の向上を図るためにも、バリアフリ

ー基準に適合した船舶への更新が求められる。

■ 収入増加策・運航コスト削減策の検討

鵜島の唯一の公共交通手段であり、生活用水や生活物資

の輸送を担う生活インフラとも言える本航路ではあるが、将来の

欠損増大、経営破たんを回避するためには、収支を改善する必

要があり、収入増加策を検討するとともに、運航コストの削減を

検討する必要がある。また、運航体制の見直しによるコスト削減

の方策についても具体的に検討を進める必要がある。

■ 航路利用者の維持・確保

鵜島および周辺地域の人口減少や鵜島住民の高齢化など

により、今後、航路利用者は減少することが予想される。通勤・

通学者や業務関連利用者などは一定の利用が見込まれるが、

現状では、利用者の減少に歯止めをかけることは難しい。今後

の航路維持のためには、利用者の維持確保が不可欠であり、

航路改善の大きな課題である。

◆ 船舶老朽化への対応

○ 新船(19 トン旅客フェリー)の建造

○ バリアフリー基準適合

○ AED(自動体外除細動器)の設置等

(→ P10、11 参照)

◆ 運航条件見直しによる収支の改善と経費節減

○ 運賃値上げによる収支改善

○ 運航体制見直しによる運航費の削減

○ 営業費用の削減

(→ P12、13、14 参照)

◆ 利用促進策の実施

○ 鵜島の歴史を生かした観光振興

○ 鵜島での農業体験

○ 鵜島への定住促進

○ サイクリング客対応の船舶設備

○ 鵜島サイクリングコースの設定

(→ P14 参照)

【航路に対する利用者ニーズ】

○ 便数の維持

○ 車いすでの乗り降りの利便向上

○ 船舶設備の改善

○ フェリータイプの船舶の継続

○ バリアフリー対応船舶への更新

○ 鵜島の観光振興等による航路利用促進

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5.航路改善計画

(2)船舶老朽化への対応

船舶老朽化への対応策として使用船舶の改善策を以下の通り検討した。

❏ 対応方策の検討

使用船舶老朽化への対応として、以下の2つの方向性が想定される。

1つは、「現使用船舶の使用継続」、もう1つは「船舶の更新」である。また、それらを実現するため

の具体的策として4つの方策を示す。

① 船体・エンジンの修繕

② 船体修繕+エンジン換装

③ 中古船による代替

④ 新船の建造

各方策について「実現性」、「改善効果」、「資金調達」の3つの側面から評価を行った。

その結果、実現性、改善効果、資金調達いずれの面においても、④ 新造船の建造による船舶

の更新が優位であるとの判断に至った。

【船舶老朽化対応の具体的方策の評価】

具体的方策 実現性の評価 改善効果 資金調達

①船体・エンジン

の修繕

○:現状維持 ×:改善効果なし

今後、修繕期間が長

期化し費用も多額に

なる可能性あり。バリ

アフリー対応もできず

単なる問題先送り。

○:可能

船舶修繕費として欠

損 補 助 が 受 け ら れ

る。使用継続 ②船体修繕

+エンジン換装

×:資金調達困難 △:船体改善なし ×:困難

多 額 の設 備 投 資 資

金の調達は困難。

③中古船代替 ×:困難

本航路に適正な船舶

の売船は皆無に等 し

い。

×:困難

中古船市場に多い高

齢船では改善しない。

×:困難

多 額 の設 備 投 資 資

金の調達は困難。船舶の更新

④ 新船建造 ○:実現可能 ○:改善 ○:可能

離島航路構造改革

補助金の活用可能。

❏ 代替船に対する要求機能

項目 「のしま7」 代替船 要求理由

総トン数 19 トン 19 トン 航路の特性上、船体規模が大きくなると安全航行に

支障が出る可能性がある。

19 トン船舶は 20 トン以上の船舶に比べ、検査費用や

乗組員定員が少なくて済むなど、運航コスト面での優

位性あり。

船舶種類 旅客フェリー 旅客フェリー 鵜島住民、業務利用者等の要望が強い。

港湾特性上、フェリータイプの船が必要。救急・消防

活動を行うためにも緊急車両を積載できる船が不可

欠。

船質 軽合金 軽合金 航路の特性上、浮力の高い軽合金製の船舶が要求

される。

燃費面でも他の船質に比べ優位性あり。

全長 21.0m 21m以下

幅 6.99m 7m以下

深さ 1.94m 2m以下

安全航行継続のため、現船と同水準以下の船体規

模に抑える必要がある。

速力 最高 15 ノット 13 ノット程度 緊急時を考慮し、現船と同程度の速力が必要。

エンジン 460 馬力

×2基

345 馬力以上

×2基

激しい潮流のなかでもバランスを取りながら安全に操

船するため一定以上の馬力で2基のエンジンが必要。

最大輸送

人員

59 名 35 名程度 船体規模の要求(19 トン)を満たすため、客室スペー

スや座席数は大きく取れないが、ピーク時にも対応で

きる定員(立ち乗り含む)を確保する。

自動車

積載面積

58.82 ㎡ 20 ㎡以上 バリアフリー基準を満たした上で、鵜島での公的サー

ビスを提供する車両が積載できる面積が必要。

乗組定員 2名 2名 総トン数 19 トン以下の船舶には、最低2名の乗組員

の乗船が必要。

清水タンク 約 8.5 ㎥ 6㎥以上 水運搬を行うため清水タンクを設置する。タンク容量

は最低でも6㎥以上は必要。

バリアフリー

基準

適用除外認定 適合 車いす使用者が移動できる乗下船経路、船内移動経

路の確保や段差の解消、バリアフリー客席等の設置

などの法的要求基準を満たす。

救急医療 なし AED (自 動 体

外除細動器)

設置

万が一、旅客が心臓機能異常を起こした場合にも早

期に処置ができるようにするため必要。

10

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5.航路改善計画

❏ 新造船建造方式の比較検討

新造船建造を進める場合の公設民営方式と民設民営方式〔独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下、JRTT)との共有建造〕の2つの方式について比較検討を行った結果、建造に関する技術・ノウハ

ウ面の優位性を考慮し、今回の新船の建造については、民設民営方式(JRTTとの共有建造)が望ましいと考える。

【建造方式の比較】

建造方式 建造の仕組みと船舶所有権 資金調達 技術・ノウハウ

公設民営方式・自治体が建造費を負担する。

・竣工後、航路事業者に無償または有償で貸与する。

・船舶の所有権は 100%自治体となる。

・過疎債等を起債して調達する。

・自治体が代替建造を行う場合の離島航路構造改革補助

(30%国庫補助)あり。

・自治体に造船関連技術・ノウハウを有する職員がい

ない場合、外部の計画・設計、建造管理を手掛けら

れる人材を確保する必要がある。

民設民営方式

(JRTTとの共有建造方式)

・航路事業者とJRTTがそれぞれ建造費を負担(JRTT90%:事業者10%)する。

・竣工後、事業者は、元金、利息相当額を船舶使用料として JRTT に支払う。

・共有期間終了後は残存価格で持分譲渡を受け、100%事業者の所有となる。

・原則、担保不要。

・航路事業者の当初負担は船価の 10%。

・効率化船舶に代替建造する場合の離島航路構造改革補

助(10%)があり、自己負担分の国庫補助金適用可能。

・JRTTには専門技術者がおり、様々な技術支援あり。

・技術支援は、計画・設計~就航後の共有期間満了ま

で実施される。

【新船建造の就航までの流れ】

【新船建造の具体的方策と評価】

具体的方策 実現性の評価 改善効果 資金調達

① 公設民営方式△:建造ノウハウの不足

・建造関連の専門性を持つ職員がいない。

△:条件付改善

・要求機能を設計・建造に反映させるノウハウに乏しい。

・要求機能を反映できなければ限定的な改善となる。

○:可能

・起債により調達する。

・離島航路構造改革補助金の活用可能。

② 民設民営方式

(JRTT との共有建造方式)

○:実現可能

・ JRTT は、多数の旅客船建造が実績あり、

豊富な建造ノウハウを有する。

○:改善

・JRTT が持つノウハウを生かして、要求機能を設計・建造に反映可能。

○:可能

・建造時に必要な費用負担(船価1割)に対する離島航路構造改革補助金あり。

・ ・JRTTの融資制度を活用した補助金支給までのつなぎ資金の調達可能。

公設民営

民設民営

〔共有建造

就航までの流れ

独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)の技術支援の対象範囲

予算要求・予算決定

航路改善計画書の策定

概算費用の算定

補助金交付申請

補助金交付決定

基本設計

仕様書

(設計施工一括方式

業者選定

建造契約

基本設計

(建造設計と基本設計の照合

詳細設計

(工程ごとの精度・性能確認等

建造・工事監督

各種検査

(船舶設備等

(実運航時を想定した性能確認

海上試運転

(日本小型船舶検査機構

船舶登録

竣工・引渡し・検査証交付

検査

(確認

)・検収

就航準備

(試運転

・就航

船舶貸与

就航準備

(試運転

)・就航

竣工・引渡し・検査証交付

(実運航時を想定した性能確認

海上試運転

各種検査

(船舶設備など

(建造設計と基本設計の照合

詳細設計

(設計施工一括方式

業者選定

仕様書

STEP ①補助金交付申請

STEP ②設計・業者選定

STEP ③契約~建造・工事監督

STEP ④各種手続き

STEP ⑤就航準備・就航

就航後

検査

(確認

)・検収

トラブル対応などの技術支援

共有期間中の保守整備指導や

建造契約

(三者契約

(日本小型船舶検査機構

船舶登録

(工程ごとの精度・性能確認等

建造・工事監督

【公設民営方式】

・設計や建造監理、各種手続きなど色付け部分に関して

自治体職員に船舶・建造技術に関する高度な知識・ノウ

ハウが要求される

【民設民営(共有建造)方式】

・建造から就航までトータルの技術支援あり

・就航後もメンテナンスサポートあり(共有期間中)

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5.航路改善計画

(3)運賃値上げによる収支改善

具体的方策 内容 改善効果・収支改善額

運賃の値上げ 値上げ幅一律 10%程度 ◎:運賃収入の増加 → 年間 40 万円程度増収

・ 鵜島住民、航路利用者へのアンケートでは、協力できる改善策として、いずれも「運賃を値上げして維持する」の回答割合が半数を上回る結果となった。

・ これをもって「運賃値上げの賛成多数」と判断することはできないが、航路改善を図るためには、一定範囲の値上げであれば許容できると考える利用者は多いと言える。

・ 一方で、本航路は、鵜島住民を始め、航路の必要性が極めて高い利用者ばかりであり、仮に値上げが実施されても、代替移動手段がないため、値上げの実施は、そのまま利用者の負担増加に

つながる。

・ しかしながら、新船建造による使用船舶の代替により、減価償却費等の運航費が増加することから、一定の利用者負担はやむを得ないと判断する。

・ 値上げ幅を、負担増加に対する心理的な許容限度と考えられる値上げ幅 10%程度とした場合の収支改善効果は、おおよそ年間 40 万円程度になると見込まれる。

【運賃値上げ実施案】

運賃区分 現行運賃消費税増税に伴う

H26/4 月以降の運賃

新船建造に伴う

運賃値上げ案

(値上げ幅一律 10%)

運賃値上げ案

(端数調整後)

尾浦 ~ 宮窪間 300 円 310 円 341 円 340 円

尾浦 ~ 鵜島間 240 円 240 円 264 円 260 円旅客

鵜島 ~ 宮窪間 180 円 180 円 198 円 200 円

3m未満 600 円 610 円 671 円 670 円

3m以上4m未満 810 円 820 円 902 円 900 円

4m以上5m未満 1,110 円 1,130 円 1,243 円 1,240 円

自動車航送

5m以上6m未満 1,810 円 1,840 円 2,024 円 2,020 円

自転車 120 円 120 円 132 円 130 円

原付自転車(125cc未満) 240 円 250 円 275 円 280 円

自動二輪車(750cc 未満) 360 円 370 円 407 円 410 円

自動二輪車(750cc 以上) 480 円 490 円 539 円 540 円

手荷物

受託手荷物 240 円 240 円 264 円 260 円

10 ㎏以下 200 円 200 円 220 円 220 円

10 ㎏を超え 20 ㎏以下 400 円 410 円 451 円 450 円

小荷物

20 ㎏を超え 30 ㎏以下 600 円 610 円 671 円 670 円

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5.航路改善計画

(4)運航体制の見直しによる運航費の削減(10 月~3月の第7便運休による季節運航ダイヤ制の導入検討)

❏ 「季航ダイヤ制」の導入前後の運航体制イメージ図

・ 住民や利用者への聞き取り調査の結果、「運賃を値上げして便数を維持する」の回答が約 60%を占めたことにより、便数削減を極力回避する方策を検討した結果、「季節運航ダイヤ制の導入」を提

案する。

・ 季節運航ダイヤ制は、安全航行上の課題の1つである、日没後の航行の削減につながる方策としても有効である。

・ 季節運航ダイヤ制を導入した場合、年間 40 万円程度の燃料潤滑油費の削減が見込まれる一方、収入減少は、平成 24 年実績をもとに算出すると 10 万円前後にとどまる見込みであり、トータルでは

30 万円程度の収支改善効果が期待できる。

・ ただし、利用者への聞き取りでは、通勤や通学等で7便の運航を必要とする人がいることも確かである。今後の利用実績を見ながら、将来的に導入を検討する。

★収支改善 30 万円程度

・燃料費約 40 万円削減

・運賃収入▲約 10 万円

★ 安全航行体制の強化

・日没後の運航期間の縮小

・船員労力の軽減

【期待される改善効果】

【季節運航の具体的方策】

第7便について

10 月~3月は全曜日運休

4月~9月は現行通り

※繁忙期は臨時便運航にて対応

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5.航路改善計画

(5)営業費用の削減

営業費用の削減策の内容と改善効果及び評価は以下の通り。

【営業費用削減の方策】

具体的方策 内容 改善効果と評価

① 役員報酬の削減 役員報酬の月額 10 万円カット。 ◎:収支改善

→年間 120 万円改善

② 事務所経費の削減 地代家賃等の支払い負担軽減。

事務所を共用する同一代表企業

マルーンにも家賃等を負担させる

ことで支払額の軽減を図る。

◎:収支改善

→年間 60 万円程度改善

(6)航路利用促進策

収益改善方策の1つとして検討した航路利用促進策のテーマおよび内容は以下の通り。

【利用促進策】

方策のテーマ 内容

① 鵜島の歴史を生かした観光振興

~ 水軍の里 うしま ~

水軍本拠地跡としての地域資源とともに、織田、福羅の

2つの姓を受け継いできた鵜島の伝統を生かした観光

振興施策を展開し、観光客の誘致、航路利用促進を図

る。

② 鵜島での農業体験

~ うしま農業体験 ~

鵜島で栽培する柑橘類や島らっきょうなどの作物の栽

培や収穫を体験する集客イベントを実施し、島の活性

化とともに航路利用促進を図る。

③ 鵜島への定住促進

~ 水軍の里に暮らす ~

上記の利用促進策と同時に鵜島の定住促進を図るた

め、愛媛ふるさと暮らし応援センターが運営する「e移住

ネット」等を活用して、島の定住人口を増やし、安定的

な航路利用につなげる。

④ サイクリング客対応の船舶設備 瀬戸内しまなみ海道をはじめ今治市島しょ部に訪れる

サイクリング客の利用を促進するため、サイクリング客に

対応した船舶設備を設置する。具体的には定期船内に

スポーツタイプの自転車でも安全に駐輪できるスペース

の確保や駐輪専用器具を設置する。

⑤ 鵜島サイクリングコースの設定 鵜島は、他の離島に比べて道路整備状況が比較的良

好であり、鵜島島内一周コースなど、サイクリング客が

気軽に楽しめるサイクリングコースを設定することで、鵜

島観光とサイクリングを融和させる。

⑥ 小荷物輸送機能の強化と周知 伯方島と大島双方の商取引を活性化させるべく、小荷

物輸送機能を強化する。具体的には冷蔵・冷凍物をそ

のままの状態で輸送できるよう保冷容器などを設置して

物資輸送の付加価値を高める。同時に、周辺地区の事

業者に小荷物輸送の利便性を周知する。

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5.航路改善計画

(7)航路改善計画実施スケジュール案

本計画における改善方策の実施スケジュール案は、以下を想定する。

平成 26 年度 平成 27 年度時期

分類・項目4 月~6 月 7 月~9 月 10 月~12 月 1 月~3 月 4 月~6 月 7 月~9 月 10 月~12 月 1 月~3 月

平成 28年度 平成 29 年度 平成 30 年度 実施主体

新船建造による使用船舶の更新 業者選定・設計 起工 3月就航予定航路事業者JRTT

サイクリング客対応設備の導入 機能検討 製作 完成 随時周知航路事業者JRTT

使用船舶の更新

小荷物輸送機能の強化・周知 機能検討 製作 完成 随時周知航路事業者今治市

運賃の値上げ利用者意見集約

関係機関調整実施準備 実施

航路事業者

収支改善 営業費用の削減 継続実施

航路事業者

運航

体制

見直し

季節運航ダイヤ制の導入 対応検討航路事業者今治市

鵜島の歴史を生かした観光振興 方策検討 実施 検証・改善 継続実施今治市鵜島住民等

鵜島での農業体験 方策検討 実施今治市鵜島住民等

鵜島の定住促進 検討 実施今治市鵜島住民等

鵜島振興関連

鵜島サイクリングコースの設定 検討 実施今治市鵜島住民等

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5.航路改善計画

(8)収支計画

今後の航路改善を考慮した収支計画は以下の通り。(単位:千円)

科 目 H26 年度 H27 年度 H28 年度 H29 年度 H30 年度 H31 年度 H32 年度 H33 年度 H34 年度 H35 年度 仮定の詳細 (基本条件)

運航収益 6,698 6,850 7,005 6,928 6,894 6,627 6,592 6,515 6,479 6,461

旅客運賃 3,036 3,126 3,238 3,172 3,147 2,918 2,892 2,827 2,801 2,803需要予測に基づき算出消費税増税分の運賃への転嫁および運賃値上げを織り込む

手荷物運賃 112 109 107 105 104 97 96 94 92 91 〃

小荷物運賃 263 270 272 268 263 249 244 239 234 218 〃

自動車航送運賃 1,139 1,197 1,240 1,235 1,232 1,215 1,212 1,207 1,204 1,201 〃

貨物運賃 38 38 38 38 38 38 38 38 38 38平成 24 年度実績並みと仮定

雑収入 2,110 2,110 2,110 2,110 2,110 2,110 2,110 2,110 2,110 2,110平成 24 年度実績並みと仮定

営業収益 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2

雑収入 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2平成 24 年度実績並みと仮定

収入合計 6,700 6,852 7,007 6,930 6,896 6,629 6,594 6,517 6,481 6,463

運航費用 32,532 32,218 31,409 31,372 31,346 31,289 31,289 31,255 31,235 31,175

燃料潤滑油費 8,127 7,813 7,664 7,627 7,601 7,544 7,544 7,510 7,490 7,430平成 27 年3月以降、船舶更新により燃費5%改善を見込む単価据え置きと仮定。水運搬回数は、今後の鵜島の人口に伴い減少と仮定

船員費 20,000 20,000 20,000 20,000 20,000 20,000 20,000 20,000 20,000 20,000平成 24 年度実績並みと仮定

船舶修繕費 3,360 3,360 2,700 2,700 2,700 2,700 2,700 2,700 2,700 2,700平成 27 年度以降、新船によるメンテナンスコストの低下を考慮し、平成 24 年度実績比約 20%低減すると仮定

その他運航費用 1,045 1,045 1,045 1,045 1,045 1,045 1,045 1,045 1,045 1,045平成 24 年度実績並みと仮定

営業費用 13,150 34,720 48,788 48,273 47,823 47,384 28,471 14,661 14,552 14,468

船舶保険料 700 1,800 1,800 1,800 1,800 1,800 1,800 1,800 1,800 1,800平成 27 年度以降、新船(船価:税込 180 百万円と想定)の保険料として算出

税金(固定資産税) 30 420 288 223 173 134 621 481 372 288特例措置の適用により新船の課税標準1/6で算出

船舶利子 0 1,250 1,950 1,500 1,100 700 200 0 0 0金利 1.48%にて算出した JRTT への償還利息を計上

減価償却費 70 18,900 32,400 32,400 32,400 32,400 13,500 30 30 30平成 27 年3月以降、新船船価(税込み 180 百万円と想定)の 90%を期間5年にて按分

賃借料(傭船料) 550 550 550 550 550 550 550 550 550 550平成 24 年度実績並みと仮定

船舶付属施設費 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100平成 24 年度実績並みと仮定

店費 11,700 11,700 11,700 11,700 11,700 11,700 11,700 11,700 11,700 11,700平成 24 年度実績から役員報酬、事務所経費等の削減を考慮し算出

費用合計 45,682 66,938 80,197 79,645 79,169 78,673 59,760 45,916 45,787 45,643

差引損失額 ▲ 38,982▲ 60,086▲ 73,190▲ 72,715▲ 72,273▲ 72,044▲ 53,166▲ 39,399▲ 39,306▲ 39,180

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6.代替船舶の概略

(1)代替船平面図イメージ

現使用船舶および代替船舶の平面図のイメージ等は以下の通り。

【新旧船舶の主要目比較表】

項目 「のしま7」 代替船

総トン数 19 トン 19 トン

船舶の種類 旅客フェリー 旅客フェリー

船質 軽合金 軽合金

全長 21.0m 約 20m

幅 6.99m 約6m

深さ 1.94m 約 1.6m

速力 最高 15 ノット 13 ノット程度

エンジン460 馬力

×2基

345 馬力

×2基

最大輸送

人員59 名 35 名程度

自動車

積載面積58.82 ㎡ 約 30 ㎡

乗組定員 2名 2名

清水タンク 約 8.5 ㎥ 約 10 ㎥

バリアフリ

ー基準適用除外認定 適合

救急医療 なし AED 設置

【新旧船舶の平面図イメージ】

のしま7

代替船

旅客定員 59 名座席数 28 席

座席数 21 席

旅客定員 35 名

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6.代替船舶の概略

【代替船の平面図イメージ】

座席数21席

旅客定員 35 名

座席イメージ 清水タンク口 タンク容量約 10 トン

バリアフリー通路イメージ

車いす使用者用駐車スペースイメージ

バリアフリー席と車いすスペースのイメージ

バリアフリー対応トイレのイメージ

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6.代替船舶の概略

(2)建造スケジュール案とJRTTの技術支援の対象範囲

建造スケジュール案の詳細および JRTT の技術支援の対象範囲は以下の通り。

平成25年度

3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月

平成26年度

基本設計

独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)の技術支援の対象範囲

基本設計及び仕様書技術打合せ

就航準備

(試運転

船舶登録・検査証受領

見積り合せによる業者選定

STEP 1 補助金交付申請

STEP 2 設計

STEP 3契約~建造・工事監督

STEP 4各種手続き

STEP 5就航準備・就航

建造本契約

(JRTT・航路事業者・造船所の三者契約

共有建造申込

詳細設計

★就

STEP 0業者選定・建造申込

工事監督(工程ごとの精度・性能確認)

海上試運転

(実運航時を想定した性能確認

各種検査

(船舶設備など

竣工・引渡し

完成検査

補助金交付決定

補助金交付申請

建造仮契約

(航路事業者・造船所

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尾浦~宮窪航路改善計画書【概要版】

発行 平成26年3月

編集 尾浦~宮窪航路改善協議会

〔事務局〕

今治市総合政策部地域振興課 シーセブン有限会社

愛媛県今治市別宮町1丁目4番地1 愛媛県今治市伯方町木浦甲 2779 番地5

TEL 0898-36-1514 FAX 0898-32-5211 TEL 0897-72-1650 FAX 0897-72-0887