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ICT活用教育促進事業報告書 奥尻町立奥尻中学校 報告日 平成28年3月25日 1 2年生社会科実践例 iPadの地図アプリのstreet viewで日本各地の特色を学ぶ 【連携校】北海道教育大学附属函館中学校

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Page 1: ICT活用教育促進事業報告書 · イ.協働学習について 39 ウ.個別学習について 40 エ.交流授業・遠隔授業ついて 41 (2)効果的な場面、使い方等の実践事例の集積

ICT活用教育促進事業報告書 奥尻町立奥尻中学校

報告日 平成28年3月25日

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2年生社会科実践例 iPadの地図アプリのstreet viewで日本各地の特色を学ぶ

【連携校】北海道教育大学附属函館中学校

Page 2: ICT活用教育促進事業報告書 · イ.協働学習について 39 ウ.個別学習について 40 エ.交流授業・遠隔授業ついて 41 (2)効果的な場面、使い方等の実践事例の集積

目次 1 取組内容と今年度の計画 4

2 タブレットPCの円滑な導入・活用のための工夫 5

(1)導入前後に必要な条件整備の洗い出しとチェックリストの作成 5 ア.奥尻中学校に設置されたICT機器について 5 イ.ICTに関わる校内特別委員会ついて 5 ウ.導入されたスケジュールについて 6 エ.機器導入直後にすべきことについて 8 オ.設置場所について 8 カ.ネットワークについて 9 キ.iPad関連備品とiPadについて 10 ク.インターラクティブホワイトボードと授業支援システムについて 11 ケ.教師用ノートPCについて 13 コ.Apple TVについて 14 サ.充電保管庫及び周辺機器について 15 シ.実物投影機(書画カメラ)について 15 ス.教室及び特別教室の無線LAN環境について 16 セ.授業用アプリのインストールについて 18 ソ.機器の管理体制とアップデートについて 18 タ.生徒・保護者への対応について 19 チ.導入前後のチェックリストについて 19 ツ.これまでに起こったトラブルの例について 21

(2)すべての教職員が円滑に導入・活用できるための工夫 22 ア.教職員研修について 22 イ.授業時の運用について 26 ウ.教師用タブレットとデータ転送について 26 エ.授業実践について 26 オ.授業用アプリについて 28 カ.授業で使えるコンテンツについて 34

(3)児童生徒とタブレットPCとの出会わせ方の工夫 36 ア.生徒のタブレット活用開始時について 36 イ.家庭への持ち帰りについて 37 ウ.日常生活でのタブレット使用について 37

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3 授業等における効果的な活用と連携校との取り組み 38

(1)授業像(授業スタイル)の明確化 38 ア.一斉学習について 38 イ.協働学習について 39 ウ.個別学習について 40 エ.交流授業・遠隔授業ついて 41

(2)効果的な場面、使い方等の実践事例の集積 42 ア.段階的なICT機器利用について 42 イ.各教科におけるICT機器の主な活用方法について 43 ウ.実物投影機(書画カメラ)の効果的な活用場面について 43 エ.インターラクティブボードの効果的な活用場面について 43 オ.教師用タブレットの効果的な活用場面について 44 カ.生徒用タブレットの効果的な活用場面について 44

4 到達目標に対する結果 45

(1)タブレットPCの円滑な導入と活用のための工夫について 45 ア.タブレットPCの導入に関わる必要条件のリスト化について 45 イ.すべての教職員のタブレットPC活用スキル向上に関わる研修ついて 45 ウ.校内授業研修における活用事例の記録化と単元のピックアップについて 49

(2)連携校等との取り組みについて 62 ア.TV電話による交流学習・遠隔授業の試行的な取り組みについて 62 イ.タブレットPCを利用する際に必要とされる情報モラル教育の取り組みについて 70

5 今後の方針 71

(1)タブレットPCの円滑な導入・活用のための工夫について 71

(2)次年度の利用に関する年間計画について 72

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1 取組内容と今年度の計画  奥尻中学校は平成27年度から3年間、ICT活用教育促進事業の研究指定をうけた。研究指定の期間は3年間である。  <予定> 平成27年度 1年目 機器整備等の諸条件のリストアップ   平成28年度 2年目 授業への活用研究、交流授業の研究   平成29年度 3年目 研究の深化、公開研究会の実施

 奥尻中学校が平成27年度に予定していた取り組み内容を下記に示した。

 本報告書は、平成27年度(初年度)の機器導入時から平成28年3月までの取り組み、研究の結果を報告するものである。  「悪魔は細部に宿る」という諺のように、ICT機器の活用が停滞する最も大きな原因は、日常的な活用の中での細かい事象、性能の不足や不備である。それらが、教職員の負担感や倦怠感を生み、利用したいという意識を遠ざける。  次章からは、今年度の取り組みにおける成果及び課題について、詳細に報告する。

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タブレットPCの円滑な導入と活用のための工夫 (1)導入に必要な条件の整備と必要な条件の洗い出しとチェックリストの作成 (2)全ての教職員が円滑に授業にタブレットPCを活用できるための研修 (3)生徒がタブレットPCを有効に活用できる活動、教科、単元のピックアップ

連携校との取組 (1)連携校との2地点間を繋いだTV電話等による交流学習の試行的な取組 (2)タブレットPC等を利用する際に必要とされる情報モラル教育の取組

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2 タブレットPCの円滑な導入・活用のための工夫

(1)導入前後に必要な条件整備の洗い出しとチェックリストの作成 ア. 奥尻中学校に設置されたICT機器について  本校は平成27年度、北海道教育委員会のICT活用促進事業の指定を受け、下記のICT機器が設置された。 (1)ICT促進事業で導入されたもの ・授業用PC 1台(ノートPC) ・簡易電子黒板(インターラクティブパネル) ・教師用タブレット 1台(iPad Air2 64GB) ・生徒用タブレット 20台(iPad Air2 64GB) ・AppleTV 1台  ・アクセスポイント 1台(1年教室)  ・書画カメラ 1台 ・ネットワークハードディスク(NAS) 1台(2GB)

(2)ICT促進事業で当初から導入されたアプリケーション ・らくらく授業支援(教師用と生徒用ライセンス購入済み) ・Office for iPad  ・Coach my video  ・Note anytime ・Cam scanner HD ・Keynote  ・Pages ・Numbers  ・File Explorer  

イ. ICTに関わる校内特別委員会ついて  ICT活用教育促進事業の指定校を受けるにあたり、研究を円滑に進めるため、年度当初にICT専門の特別委員会(情報委員会)を校務分掌内に組織した。

 特別委員会のスタッフの協力により、システム管理、ミニ研修会、授業での活用方法等のことが日常的に話題にあがり、積極的な交流につながった。

役割 担当

情報委員会 委員長ICT活用教育促進事業に関わる全体の統括 奥尻町教育委員会との連携

校長

情報委員会 副委員長ICT活用教育促進事業に関わる渉外関係・予算等の調整

教頭

情報委員会 主幹全体の進捗状況、取り組み、システムの状況を把握し、実務及び研究・研修を推進する。

教務部研究・研修担当

情報委員会 副主幹 システムの管理、授業研修の積極的推進 教務部・PC部門担当

情報委員会委員 3名 ICTを活用した授業の実践研究

情報委員会委員 1名 ICT機器に関わる事務手続き 事務部

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ウ. 導入されたスケジュールについて 本校に機器が導入されたスケジュールは下記の通りである。 (1)ICT機器の設置( 8月26日(水)~27日(木))  タブレット20台、教師用PC、マグネットシート、書画カメラ等のICT機器がパソコン教室に設置された。これにより、パソコン室でタブレットを使った授業をできる環境が整った。

(2)教室LAN環境の配線整備( 8月28日(金)~29日(土))  奥尻町教育委員会で教室までカテゴリー6の有線LANのケーブル配線を行った(この段階では端末は未整備)。

(3)各教室へICT機器の分散設置(10月初旬)  PC室に整備したまま2ヶ月経過し、日常的なICT機器の利用が見込まれないことから、1年生教室に書画カメラ、2年生教室に教師用PC(授業支援システム)、3年生教室にAppleTVを設置し、日常的に教師が授業で利用できる環境整備を行った。また、タブレット保管用のワゴンを図書室に設置した。  書画カメラを授業で使用する機会が見られるようになったが、アクセスポイントが未整備のため、タブレットを使う場面はこの時点でも見られなかった。

(4)各教室に無線LANアクセスポイント設置(10月19日)  各教室に無線LANアクセスポイントが設置され、各教室でタブレットPCを利用する環境が整った。10月下旬以降、少しずつタブレットやAppleTVを使用した授業が見られるようになった。

(5)条件整備の理想的スケジュール  導入前後の準備について、どのような時期にどのような書類をまとめておくべきなのか、導入後に運用を行いながらまとめておくべきなのかを下表に示した。

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 システム導入後、システム管理者の負担が大きくなる傾向があることから、システム導入前にしっかりと職員研修を行い、授業実践で起こりうるトラブル(機器の配線ミス、LANの不具合など)に対処できるスキルを身につけられるようにしておくことが望ましい。

(6)ICT機器導入の優先順位  今回、導入された機器を諸学校へ導入する場合、下記のような優先順位で整備を行えば授業へ有効活用できるものと考えられる。

機器導入数ヶ月前

機器導入1~2ヶ月前

機器導入月 1ヶ月後 2ヶ月後

機器の整備

機器の導入前の設計要望聞き取り

既存システムの整理ネットワーク図作成

アクセスポイント設置AppleTVの整備Tablet納入

LANの不具合確認機器の常設場所の確認・調整OSアップデート

実際の運用中での不具合まとめOSアップデート

職員研修など

情報委員会の設置導入前研修・21世紀スキル・情報リテラシー等

機器操作研修・各機器の接続・機器の基本的操作・トラブル対処

授業活用研修・授業活用のテクニック・活用アイディア交流

→ →

関連書類整備

既存機器設定書(ip、LAN、各種パスワード等)情報教育計画作成

導入設備説明書ネットワーク図パスワード一覧サイトサーベイ図

初期設定の確認導入アプリ記録

新規導入アプリの確認

新規導入アプリの確認

優先順位 機器名 機器の設置に関して

1 書画カメラ各教室に配備し、場所を固定化。液晶TVなどに常時接続する。限定的な使い方ではあるが、どの教員も使い方を早くマスターできる。

2 タブレット

教師用タブレット、生徒用タブレットともに、教室へのアクセスポイントの設置と同時に整備すべき。PC室へのアクセスポイント設置だけでは、デスクトップPCの使用と変わらず、タブレットのメリットが生かせない。優先順位は教師用→生徒用。

2 AppleTV タブレットと同時ならば、第一優先で各教室設置すべき。書画カメラの代用にもなり、簡便に授業支援のツールとしても使用できる。

3 NASタブレット端末と同時の設置でかまわない。ただし、iPadはファイラーが標準で備わっていないことから、ファイラーを使ったNASへの接続方法を教職員に周知しておく必要がある。

4インターラクティブ

ボード

単焦点型のプロジェクターを教室に固定するのと同時に設置した方がよい。移動式のボートを使うならば、持ち運びが簡便なタイプのものに。プロジェクターの付加機能で十分な場合もある。

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エ. 機器導入直後にすべきことについて (1)機器導入直後に整理しておくべき書類 ① アクセスポイントIDとパスワード ~トラブル対処と各端末接続のため ② 各端末のIPアドレスの一覧    ~トラブル対処と接続するTPC等の整理 ③ 各端末のAppleIDとパスワード ~端末へのアプリケーションの導入時のため ④ 各機器の使い方説明書~授業中のトラブルを授業者が自力で解決できるように ⑤ 各端末のシリアル番号の一覧 ~機器の管理のため

(2)生徒機の設定に関して  導入時の初期設定のままでは授業で使用困難であることが予想される状況がいくつかあった。そこで生徒機は、はじめに次の設定が必要である。 ① 制限パスワードの設定

初期設定では何も制限されてなかった(アプリ課金、ゲームのインストール等が可能)。そこで、パスワードを設定し、インストール等をできないように設定した方がよい。(Apple store、Face time等を非表示)

② 英語キーボードの追加 初期設定では、日本語(ローマ字入力)と絵文字の設定しかなかった。これでは

ネットワーク設定等や英語の授業の場合の英文入力が困難である。 そのため、英語キーボードを追加した方が良い。

③ スリープ時間の設定  初期設定では「スリープなし」となっていた。ワゴン内で充電を行っても時間差式充電であることから、その設定のままにしておいた場合、翌朝には電池残り10%以下となっていた。これでは全ての授業でタブレットを使用する事はできない(途中で充電池切れとなりうる)。  そのため、授業で使用後は自動的にスリープになるよう設定した方がよい。

 現在のシステム状況では、「設定」を開いて、端末の初期化を押せば全てがリセットされ、ゲーム等のアプリケーションを勝手にインストールすることができるようになってしまう。一般の公立中学校の場合、電子機器に詳しい生徒が必ずいるはずであり、初期化できる情報はインターネットで簡単に入手できる。そのため、学校向け、企業向けの一括管理システムを導入することが望ましい。  今回の本校の導入には対応できなかったが、今後、iOS9.3の教育機関向けの機能を活用を期待したい。

オ. 設置場所について  今回の導入では、PC室に全てのセット(書画カメラ、タブレット、移動式電子黒板、教師用PC、AppleTV)が設置されたが、普通教室から離れた特別教室へ

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全て導入していたままでは、設置から2ヶ月以上経過しても誰も授業で使用する事はなかった。  そこで、機器導入後2ヶ月ほどで各機器をそれぞれの教室に分散して常設した。当初の設置場所は、タブレット保管庫が図書室、書画カメラが1年教室、教師用PCとインターラクティブボードが2年生教室、AppleTVは3年生教室である。常設化によって、授業でICT機器を利用する機会が飛躍的に増加した(0回→週に数時間以上)。以後、各教科で使用する機会があれば、機器の場所を変更している。

 今年度の実践から「タブレット保管庫は、生徒が日常的に使用する場所に近いところに設置すること」「授業で使用する機材は教室に常設すること」が望ましいことがわかった。

カ.ネットワークについて  奥尻中学校のネットワークシステムは、教師系セグメント、生徒系(PC室)セグメント、共用セグメントの3つに分けられており、Filterやファイルサーバーとしての機能を備えてあるWindows 2008 serverが生徒系のセグメントに1台設置されている。

① 生徒系LANについて  生徒系LANでiPadやPCで検索を行うと、プロキシサーバーを経由する。そのため、時々、教材の動画が掲載されているサイトがフィルター機能によってブロックされる等が

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当初のタブレットの位置

当初のPC、書画カメラ、AppleTVの位置

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液晶TV

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液晶TV Apple TV

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度々あった。また、後述するが、Web会議システム(appear-in)を使用して交流授業を行う際、フィルターによってサイト接続が不許可とされため、教室での交流授業が不可能であった。このことから、サーバーによるフィルターのホワイトリスト設定やブラックリスト除外の操作を担当者が研修しておく必要がある。  また、生徒系LAN経由で、教師が授業でYou tubeなどのサイトを利用しようとする場合、i-Filterによって閲覧不可とならないよう、教師用タブレットやPCがproxy serverを経由しないでインターネットに接続できるしくみを考えておく必要がある。  

② 教師系LANについて  V-LANでのポートが一方通行の設定をしているため、職員室PCや職員室LANに接続したタブレットからファイルサーバー、生徒系LANのNASに直接接続が可能である。作成した電子教材を職員室にいながら生徒系LANの一部に保管できるため、利便性が高い。

③ 共用系LANについて  共用系のLANは、教師、生徒ともに接続可能であるため、ここにNASをおくことも可能である。また、このセグメントにweb serverを導入し、ブラウザからファイルが保管できるようなしくみをつくっておくと、ファイラー等を使用しなくてもよいので利便性が高い。

キ.iPad関連備品とiPadについて 【タブレット用のペンについて】  樹脂製のペン先は、電子辞書用であり、iPadでは使用できない。また、シリコンゴムはやわらかすぎるため、生徒の使用頻度では破損が多い(20本中、約3ヶ月で2本破損)。  このことから、シリコンゴム部分を付け替えできるものでが望ましい。また、樹脂製ペン先は使用できないことから、より安価なタイプのものでよい。

【タブレットのケースについて】   中学生の場合、iPadを持つ力があることから肩掛けベルトは不要である。肩掛けベルトは、充電ラックに入れる際、邪魔になるため、今年度の使用は1回もなかった。  また、フックをかけるリングの部分が背面カメラと重なって邪魔となる。  中学校においては、肩掛けタイプではないものを納入することが望ましい。

【機器番号シールについて】  機器番号シールは、本体の裏面に貼ることになっていたが、ケースを使用する場合、本体番号がわからなくなった。そのため、生徒が自分の端末を探したり、管

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理者がアプリのインストールするときにパスワードを間違えたり等、様々な面で不便である。  そのため、カバーにも機器番号のシールを貼ったり、機器番号のカードをカバーのカードケースに入れておくなどの工夫をするとよい。

ク.インターラクティブホワイトボードと授業支援システムについて 【インターラクティブボードについて】  実際に授業で使用されたのは授業研修会の理科の授業の1回のみである。  その理由を下記にまとめた。

 これらのことから、インターラクティブボード活用を推進するポイントは、下記のようなものである。 • 移動用ホワイトボードとプロジェクターは常設することが望ましい(常設の場合は、文字入力がダイレクトにできる等、黒板の代用として使える機能を有しているものがよい)。

• 常設しない場合、移動用ホワイトボードはロール式で簡便に移動、設置できるタイプのものがよい。

• 黒板の使用を希望する教員が多い(活用の1年目など初期段階)ことから、黒板を活用できるように移動用ボードは独立したものにするか、やや小型で黒板の半分程度のサイズが望ましい。人数が多い学校の場合、後ろの生徒が見やすいようにできるだけ上の方に掲示できる工夫も必要と思われる。

• プロジェクターを新規購入するならば、授業者の影ができない単焦点型がよい。

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• 移動用ボードの準備に時間がかかる。 • 持ち運びが大変である。 • 移動用プロジャクターが常設ではないことと、単焦点型ではないため、投影しても影ができて図形や文字が見えにくい。

• ホワイトボードだけで黒板の半分以上をしめてしまうため、黒板との併用がしにくい。

このように持ち運びが大変

黒板面積の半分以上が使用できない

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• 黒板に直接投影して、ICT機器と併用するハイブリット型を活用することも有効である。

• 既存のプロジェクターを電子黒板化したり、液晶テレビを電子黒板化する方法も有効である。

【授業支援システムについて】  本校は授業支援システムが導入されている。このシステムは、生徒タブレット画面一覧を一括して掲示でき、簡易電子黒板としての機能などを有している。

 しかし、本校での活用回数はICT機器導入以降、研究授業で使用した1回のみであった。教職員からの聞き取りでわかった未使用の理由を下記に記した。  本校のような小規模校の場合、生徒全員のタブレット画面の把握は容易であることから、今回導入された授業支援システムはコストパフォーマンスという観点から考えると不適である)。  小規模校の場合、机間巡視のよって生徒の作業を確認し、生徒画面を同時に表示できる「タブレット画面一覧表示機能つきの単焦点型プロジェクター」の導入の方が適しているものと思われる。

【プロジェクターと教室環境について】  生徒のタブレット画面を大きく表示したり、授業支援システムを使用したりする上で、プロジェクターの使用は必要である。  従来から学校に設置されているプロジェクターは、プレゼンテーション用に購入された物が多く、教室前方の照明を消して使用することが多い(本校のプロジェクターもそのタイプである)。しかし、授業でプロジェクターを使用する場合には、授業での使用に耐えうる機能が必要である。現在、本校で使用しているプロジェクターでは、次のような点が授業に不適であった。

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• 準備に時間がかかりすぎる。 • そもそもの操作方法がわからない。 • 使用する際、教師用ノートPCを起動しなければならず、面倒である。 • 教師用タブレットの画面をプロジェクターで投影できないので不便。 • 教師用タブレットで生徒タブレットの操作やプロジェクタ投影操作ができない。 • タブレットの操作に時間がかかる。

スピーカー

プロジェクター

照明は消灯

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以上の実践経験から、必須と考えられる条件は下記のようなものである。 • 教室の明るさ(昼間)でもはっきりと見える輝度があること(教室のカーテンは遮光ではないため、3000ルーメンの輝度がほしい)。

• 接続方法が複数あること(HDMI端子・無線・VGA・USB) • 単焦点型であること。 • スピーカーのW数が高いか、音声出力端子があること。 • 光源に耐久性があること(毎日全授業で使用した場合、1000時間程度)

ケ.教師用ノートPCについて 【無線LANの設定について】  本校に導入された教師用ノートPCは、授業支援アプリ用との位置付けであったため、初期設定では無線LAN機能がオフとなっていた。  中学校の場合、教科担任制であることから教材研究をする場所は職員室であることが多く、無線LANの利用が必要である。  このことから、授業支援システムは有線LAN、教材研究で使用するときは無線LANで利用できるように設定しておいた方がよい。 【プロキシサーバー経由のネット接続について】  教師用ノートPCは、教材研究用として様々なサイトに接続する可能性があるため、Filterを経由させないでインターネットに接続できるように設定することが望ましい

【ノートPCの機種について】  導入されているタブレットがiPadの場合、教材研究時に利便性が高いのはApple社のPC(Macintosh)である。次のような利点がある。 • iBooks authorで、電子書籍が作成できる(電子学級通信、電子教材等が作成可能)

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• 教室は遮光カーテンではないので、投影画面が見えない。 • 蛍光灯を消灯すると、投影画面は見えやすくはなるが、ノートをとるときに生徒の手元が暗い。

• 接続方法がVGAのみの機種だと、解像度が悪かったり、接続の不具合があったりすることがある。

• 設置に専用の台が必要。 • スクリーンに対し、正面から距離をとって投影する方式なので、授業者が前に立つと影ができて、生徒から図や文字が読めない。

• 映像のみの接続では音声が聞こえない。スピーカーを別途、つながなければならない。

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• 標準搭載のPages(文書作成)、Numbers(表計算)、Keynote(プレゼンテーション)は、iPadで直接編集、閲覧できる。

• iPadの管理がしやすい(接続して写真、動画、音楽などの転送等ができる)  それとは逆に、タブレットがAndorid系やSurface系の場合は、Windowsマシンの方が親和性が高い。

コ.Apple TVについて 【MacのOSのバージョン問題について】  教職員の個人PC(Mac)をApple TVにAir Playで接続する際、OS X Mavericksでは接続できない現象が生じていた(複数のMacで同様の現象)。  この問題は、MacのOSは最新のもの(El capitan)にバージョンアップすることで解決できた。OSのバージョンはできる限り最新のものに保つ必要がある。

【Windowsの5K playerについて】  Dear mob Incの5k Playerは、無料の動画再生プレーヤー、音楽プレーヤーで、Windows/Macの両方で使用できる。また、air playに対応しているため、教師用PCにインストールしておけば、air playで再生ができるため便利である。

【書画カメラの代用としての使い方について】  書画カメラがない場合、本校ではiPadを理科実験用スタンドで固定して、カメラを使い、Apple TVと接続して書画カメラの代用として使用した。

【授業実践においての利便性について】  Apple TVは、教師用タブレット及び生徒用タブレット画面を無線で液晶TVやプロジェクターの大画面に表示できるため、授業での活用で大変便利である。  本校では、生徒が発表する場面、教師が課題や説明を表示する場面など、書画カメラとほぼ同じ頻度で活用されていた。

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(例)iBooks

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サ.充電保管庫及び周辺機器について 【充電保管庫の設置場所について】  充電保管庫の場所については生徒の教室に近い方(日常的な動線のどこか)がよい。本校の場合は、廊下が狭いことから教室に近い図書室としたが、コンセントがあれば廊下、階段付近のスペースでもよいと思われる。

【充電保管庫のタブレット保管番号表示について】  当初、保管庫には、コードの部分(上部)にタブレット端末番号をつけていたが、タブレットを収納するスペースを見間違えてしまうことが多かった。  コード部分だけでなく、保管スペースのところにも端末番号を表示した方がよい。

【予備充電機器について】  タブレット端末の充電器は全て充電保管庫に設置されている。生徒が長期休業中に家庭に持ち帰ってタブレットを使用して課題を行う場合は、充電器を外して持ち帰らなければならない。当然、持ち帰り台数が多ければ、その都度、充電器を設置したり、外したりしなければならない。  予備の貸し出し用充電器を用意しておくことが望ましい。  

シ.実物投影機(書画カメラ)について  書画カメラは、本校で最も活用されているICT機器である。利用方法が簡便であり、手元をTV画面に大きく投影できるため、ICT機器導入の第一段階に適しており、すぐに授業で有効活用できる。 【設置と焦点について】

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端末番号

端末番号

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 書画カメラが全教室に1台ずつあることが理想であるが、各教室で使い回す場合、書画カメラを置く台に右写真のように設置場所、画面にうつる範囲、焦点のポイントを明示しておくと、設置に時間がかからず使いやすい。

【SDカードの活用について】  書画カメラには写真撮影機能がある。生徒の作品を写真撮影して、後から大画面に投影して交流するなどの授業展開ができるため、書画カメラ用のSDカードを用意しておくとよい。

【書き込みシートについて】  鉛筆やマーカーで書き込みが可能なシートが発売されており、本校では早速入手し、各教科で活用している。  教科書や資料集等をはさんで使用することができるため、書画カメラで使用するのに便利である。

ス.教室及び特別教室の無線LAN環境について

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2A教室5.2GHz1A教室5.2GHz

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3A教室5.2GHz理科室2.4GHz

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【無線LANの周波数帯と範囲について】  学校内の生徒系無線LANの規格は11ac及び11nである。2.4GHz帯と5.2GHzがあるが電波干渉することがあり、チャンネル調整が必要である。  そこで、Macintosh のPCに標準搭載されているワイヤレス診断のソフトで、それぞれの電波の範囲、干渉の有無を測定した。  それぞれの周波数帯の特徴を下記にまとめた。

 理科室の2.4GHzが廊下から体育館まで届いているため、体育館の戸を開けたままにしておいた場合、体育館でタブレットを使うことが可能であった。しかし、通信速度が大幅に落ちるため、体育館専用、廊下専用のアクセスポイントをつけることが望ましい。  また、アクセスポイントは同じ会社のもの使用して、一括して管理することが望ましい。

【教室の無線LAN環境について】  教室のWifiは5GHz帯を使用するのが最も繋がりやすく、速度が速いために動画にも対応できてよい。  3年教室は1階にあり、職員室・理科室に近いことから様々な電波が検出された。特別教室や他の教室に近い教室は、干渉をさけるため、チャンネルの調整が必要である(水平方向及び上下方向ともに)

【特別教室の無線LAN環境について】  理科室は1階の端にあるため、周辺民家の電波が混在している。電波干渉をさけるため、チャンネル調整が必要である。また、セキュリティ面からパスワード、Mac アドレスでの接続制限などの設定が必要である。

【アクセスポイントについて】  1年教室に設置したアクセスポイント(ICT促進事業によるもの)は電源アダプターが必要なタイプである。  しかし、奥尻町教育委員会で購入し、2年教室、3年教室に設置したアクセスポイントはCat5以上のLANケーブルを使って電源供給できるタイプ(PoE給電)

長所 短所

2.4GHz・壁や床などの障害物に強く、電波が遠くまで届きやすい。・各Wi-Fi端末が対応している。

・色々な製品で使用されている無線帯域なので、混雑や不安定になりやすい。

5.2GHz・繋がってからは安定している。・2.4GHzより、高速な通信が可能。

・壁や床などの障害物に弱く、通信距離が長くなると電波が弱くなる。・旧世代のWi-Fi端末の場合、5GHzに対応していない場合がある。

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のものであった。コンセントの場所に左右されずにアクセスポイントを設置できるので、利便性が高い。

セ.授業用アプリのインストールについて 【アプリのインストールについて】  無料のアプリケーションは、各教科担任の判断でインストールできるようにしている。  有料アプリケーションは、教材開発に関する予算でi-Tunes cardを購入し、教師用タブレットにインストールすることとしているが、現在のところ、まだインストールは行われていない。  現状は、教師が自費で購入したタブレットに、自分で購入したアプリケーションをインストールして使用している(教師用タブレットが学校全体で1台しかないため、個人持ちのタブレットを使用しているケースが多い。)

【アプリの整理について】  多くのアプリを入れることで、画面にアイコンが多くなると必要な不便であることから、右写真のように教科ごとに整理してもらうようにしている。

ソ.機器の管理体制とアップデートについて 【アプリ及びOSのアップデートについて】 ・アプリのアップデートは月に1回程度、情報委員会のメンバーで行っている。アプリのバージョンによって生徒が同じ操作をできないことがあるため、定期的に行った方がよい。 (授業支援アプリの生徒のバージョンが異なったことがあり、Jpeg画像の操作ができる生徒とできない生徒がいて、授業が止まったことがあった)  また、OSアップデートの際、Touch IDの設定(指紋認証登録)をやってしまう生徒がいるため、OSアップデートは教師が行うことが望ましい。

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【生徒の機器使用状況について】 ・iPad 20台・生徒16名であるため、今年度は個人端末としての使用を行った。それぞれの生徒が自分の端末を使用するため、責任をもった使い方ができるとともに、電子学級通信を発行して個人の持ち帰りができるため、利便性が高かった。  できれば生徒ひとりにつき、タブレット1台の使用が望ましい。

タ.生徒・保護者への対応について  学校説明会や保護者懇談会、入学説明会等で、タブレットを使用した教育を行う旨を生徒及び保護者に説明する機会を持っておいたほうがよい。また、情報モラル教育を生徒だけでなく、保護者にも行うべきである。  本校では、年度当初のPTA総会で保護者への協力依頼を行ったほか、学期ごとの保護者会でICT促進教育事業の周知、情報モラルについての啓蒙を行った。

チ.導入前後のチェックリストについて 【機器導入前のチェック事項】  機器導入前は、下記のような項目の内容がきちんと備わっていれば、授業での活用にスムーズに移行できる。

項目 番 内容

設備環境

1 校内LANの設備は整っているか。

2 校内LANのシステム構築図が整っているか。

3 校内LANの生徒用、教師用のセグメントは分離されているか。

4 校内LANに専用のサーバーが設置されているか。

5 フィルタリングのシステムは整っているか。

6 インターネット接続環境は、光回線が通っているか。

7 各教室まで有線LANケーブルを引くことができるか。

8 各教室に複数のコンセント接続口があるか。

9 特別教室まで有線LANケーブルを引くことができるか。

10 特別教室に複数のコンセント接続口があるか。

機器設備1 大型TVはあるか。HDMI端子は複数あるか。

2 プロジェクターに外部音声出力端子はあるか。

機器情報

1 IPアドレスの割り当てはどの機器が行っているか把握しているか。

2 IPアドレスの割当、各種設定の書類は整っているか。

3 サーバーのログインパスワード、各種パスワードは把握できているか。

項目 番

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【導入するタブレットの条件】

【導入時における無線LANの条件】

生徒指導

1 情報モラル教育の指導計画はあるか。

2 各端末をその生徒に使わせるか、計画がしっかりできているか。

3 タブレットを使用するルールができているか。

内容項目 番

項目 番 内容

導入する タブレット に必要な 条件

1 安定動作をするタブレットであること。起動時間が短いこと。安定接続ができること。

2 重さは、児童生徒が容易に持てる重さであること(重くても1kgまで)

3 画面サイズは見やすい大きさ(特にグループ学習用では他人に見せられる大きさであること~10インチ以上)

4 バッテリーの持続時間が1日6時間の連続使用に耐えられること。

5 落としても大丈夫であること(特別教室で使用したり、屋外で植物の写真を撮影する、体育で運動の様子を撮影する等の場合の落下対策)。

6 カメラ機能を有すること(体育、理科での使用)

7 1度に何台も充電できるような装置を入れること(タイマー式充電器、夜間電力使用等)。

項目 番 内容

無線LANと

アクセス ポイント の条件

1アクセスポイントは各教室、特別教室に1台設置すること(電波の周波数は遮蔽物のない普通教室では5GHz(障害物に弱いが高品質)でもよい。)

2 パフォーマンス(転送速度)は十分に得られること。

3 同時接続の安定性(40台同時接続でも可能であるシステム)

4授業支援システムの安定性(電子黒板、ファイル配布回収、画像転送がスムーズにできる)があること。

5 ローミング(教室間を移動しても円滑に接続)がスムーズにいくこと。

6管理が容易であること(一元管理できる、アプリの不具合があっても、すぐに再インストールできる)

項目 番

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ツ.これまでに起こったトラブルの例について

7サイトサーベイをしておくこと(設置前に電波測定し、電波強度を確認する)~電波干渉の有無の点検

内容項目 番

番 機器 トラブル 対応

1 タブレット 充電がされていない。スリープ機能がオフになっていたため、スリープ機能をオンにした。

2 タブレットパスワード入力ができない。

英語キーボードがインストールされていたかったため、英語キーボードを追加。

3 タブレットインターネット接続ができない。

無線LANのアクセスポイントが自動的に切り替わらなかった。接続先の変更方法を生徒に指導。

4 タブレット コード破損収納庫にしまう際、ドアにコードがはさまったのが原因。余分に伸びている部分を収納庫に引き込んで必要最低限の長さとした。

5 書画カメラ 液晶TVに映らない。 入力端子と出力端子の接続ミス

6 AppleTVタブレットからAirPlayができない。 AppleTVのIPアドレスが消えていた。担当者が修正。

7 AppleTVMacからAirPlayができない。

MacのOSが古いことが原因。最新のOSを使用することで解決。

8 書画カメラ ピントがぼやける。自動焦点機能の場合、コントラストがはっきりしない場所では焦点がさだまらない。定点に印をつけたり、下に色画用紙を置くなどして対応。

9 書画カメラ書画カメラに写したいものが机に収まりきらない。

PC室の大きい机を使用することで対応。

10タブレットペン ペン先(ラバー)が破損 新品と交換

11 ノートPC教室で無線LANにつながらない。

納入時の設定で無線LAN機能がオフになっていた。オンにして、各種設定をして対応。

12 タブレット 体育館から無線LANにつながらない。

体育館のドア、理科室のドアがしまっていたことで無線電波が届かず。戸を開けることと、体育館内の場所を移動させて対応。

13 タブレット無線LANにつながらない。

無線LANに接続しないため、生徒がIPアドレスを自分で設定しようとして消してしまう。再度設定で対応。

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 これらのトラブルを全て担当者1名で行った。本校は小規模校であるため、トラブルの回数が比較的少なく、なんとか対応できているが、中規模校以上の場合、授業中のトラブル対応は困難である。ICT機器のトラブルを適切に処理できる能力を持つ教職員の育成やすぐに活動できるICT支援員の必要性は高い。

(2)すべての教職員が円滑に導入・活用できるための工夫 ア. 教職員研修について ・2ヶ月に1回程度、ミニ研修としてICT機器の活用方法の研修を行った。 ・1月に1回、ICT機器を使うことを条件として授業研修を行った。  定期的な授業研修でICT機器の利用を義務付けることと、教職員のニーズに応じて、肩の張らないソフトな研修の両方を実施することで、ICT機器の利用率が増加した。今年度の研修の経緯を下記に示した。

【ICT研修・ICTミニ研修】

14 ノートPC附属のマイクを使用して、web会議を試みたが、音声が聞こえない。

マイクの音声設定のボリュームが小さかった。音声を最大としたが、音が割れた。学校放送用の指向性マイクを使用して対応。

15 ノートPC

附属のインターネット用カメラを使用してweb会議を試みたが、画角が狭すぎて、一人しかうつらない。

web会議時は、参加者全員が中央にライン状に集まって対応。後日、2000円の広角webカメラを購入。

16 タブレットYouTubeにつながらない。

教師用タブレットのみ、フィルタリングソフトを経由しないで閲覧できるように設定。

17 ノートPCweb会議のサイトに接続できない。

フィルタリングソフトで制限されていたのが原因。ブラックリストから除外して対応。

18 タブレット NASに接続できない。NASの接続先の設定をしていなかった。設定することで解決。

19 タブレットOSアップデートで指紋認証を設定しそうになった。

生徒がOSアップデートのボタンを押し、インストール後のメッセージの意味をわからずにyesボタンを押していき、指紋認証画面で何かおかしいことにきづく。途中からキャンセルし、認証をしないことで対応。

20 タブレット制限パスワード変更の挑戦

生徒が学校で設定した制限パスワードを解除しようと試みる。数回で諦めたため、大事にはいたっていない。

21 全ての機器停電により、全ての機器がネットワーク接続不可

サーバーのUPS(無停電電源装置)の劣化により、サーバー機、HUBがダウン。再起動により復帰。

機器 トラブル 対応番

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5/28 校内理論研修研究部長プレゼン

8/6~7 道研情報モラル研修(加藤教諭参加)

8/20 ICT機器操作研修システム・タブレット起動

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今だから知りたい!情報モラル教育の現状

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10/9~10 教育工学全国大会(加藤・南部教諭参加)

10/19 機器操作研修Apple TVーPC接続

10/30~31 教育大附属中参観(加藤・桂川・南部参加)

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11/16 ICT機器操作研修AppleTVータブレット接続

11/19 ICT機器操作研修NASへの接続

11/26 ミニ道研ICT研修(加藤・南部・桂川参加)

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11/30 弘前大附属中視察(加藤・桂川参加)

12/9 ICT機器操作研修アプリ情報交換

1/28 ICT動向研修e-learningなど

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【ICT機器を利用した授業実践交流】

2/16 教育大附属中との交流アプリ情報・システム情報

2/19 ICT機器操作研修動画転送・アプリ情報交換

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6/24 井上教諭(英語) 7/16 寺岡教諭(英語) 9/24 桂川教諭(数学)

液晶TV、ノートPC 液晶TV、ノートPC、Bluetoohスピーカー

液晶TV、教師タブレット

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10/07 村上教諭(体育) 10/28 南部教諭(社会) 11/25 加藤教諭(理科)

液晶TV、教師タブレット 液晶TV、教師タブレット書画カメラ

液晶TV、ノートPC電子黒板、生徒タブレット教師タブレット書画カメラ

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12/18 山下教諭(国語) 12/18 南部教諭(社会) 12/18 小林教諭(体育)

液晶TV、教師タブレット 液晶TV、ノートPC書画カメラ

液晶TV、教師タブレット生徒タブレット、iPhone

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1/28 能登教諭(数学) 2/09 山下教諭(国語) 2/09 南部教諭(社会)

液晶TV、教師タブレット生徒タブレット書画カメラ

液晶TV、教師PC書画カメラ

液晶TV、教師タブレットAppleTV

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2/09 桂川教諭(数学) 2/09 加藤教諭(理科) 2/09 能登教諭(数学)

液晶TV、教師タブレット教師PC

液晶TV、教師タブレットiPhone

液晶TV、教師タブレット生徒タブレット書画カメラ、iPhone

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2/17 南部教諭(道徳)

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イ. 授業時の運用について 【運用面での工夫について】  教師が各授業で使用する際は、タブレットの重複使用がないようにするため、連絡黒板に「タブレット○○~○○使用」というように記入している。今年度は特に、1台しかない教師用タブレットの使用がダブル・ブッキングすることが多く、生徒用タブレット20番を臨時の教師用として設定し、使用した。

【生徒タブレットの授業使用準備について】  毎朝、生徒登校前に教頭又は担当者がタブレット保管庫の鍵を開け、生徒は登校後、自分の端末を持って教室に登校することとしている。  本校では、生徒の個人ロッカーのスペースが十分にあるため、授業時に使用しないとき、タブレットはロッカーに保管するか机内に保管し、その時間に使用しない教科書類はロッカー内のカバンに入れるよう指導している。

ウ. 教師用タブレットとデータ転送について  教師用タブレットは教材研究等の面で、動画データを事前に入れておいたり、授業で使用するサイトを事前にブックマークしておいたり等、放課後の教材研究時にも使用頻度が高い。  このことから、次のようなことが言える。 • 教師用タブレット端末は複数台あったほうがよい。 • 職員室系LANにも接続できるように設定しておいたほうがよい。 • フィリタリングソフトを経由しないでLANに接続できるような設定もしておくと便利である。

• PCにもタブレットにも接続できるUSBメモリがあると便利である(特にネットワークが苦手な教員は多用していた)。

エ. 授業実践について 【各教科における利用について】  今年度の各教科における利用の頻度や利用機器を下表にまとめた。教科によって、使用しやすいICT機器は異なるようである。ただし、本校は小規模校で各教科の教科担任は1名ずつであるので、教科担任のICT機器活用力の個人差が反映さえれているところが大きい。

液晶TV、教師タブレット教師PC

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国語 社会 数学 理科使用頻度 単元に数回 ほぼ毎時間 ほぼ毎時間 毎時間

使用機器

○液晶TV ○教師用PC ○書画カメラ

◎液晶TV ◎書画カメラ ○教師用タブレット ○生徒用タブレット ○Apple TV

◎液晶TV ◎ノートPC(surface) ◎教師用タブレット ◎生徒用タブレット ○書画カメラ

◎液晶TV ○ノートPC ◎教師用タブレット ○生徒用タブレット ◎AppleTV ○書画カメラ △電子黒板 △プロジェクター

内 容

漢字クイズ 紙面拡大表示 調べ学習 説明・演示 動画視聴 電子問題集

紙面拡大表示説明・演示協働学習電子問題集

説明・演示協働学習・発表実験・観察動画視聴動画撮影電子問題集紙面拡大表示

使用アプリ

アプリ プレゼンアプリ 問題アプリ

グラフアプリ 図形アプリ プレゼンアプリ 問題アプリ

各種実験アプリ グラフアプリ プレゼンアプリ 問題アプリ

英語 音楽 美術 技術

使用頻度 ほぼ毎時間 月に1~2回 ほとんど皆無 月に2~3回

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理科における電子黒板使用例 タブレットのオシロスコープで

音の波形を観察

英語におけるタブレット使用例 タブレットの英語音声を 聞きながら教科書を読む練習

理科におけるタブレット使用例 実験結果を生徒用タブレットの グラフアプリでグラフ化

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オ. 授業用アプリについて 【電子教科書について】

使用機器

◎液晶TV ○教師用PC ◎教師用タブレット ◎生徒用タブレット ○無線スピーカー

○液晶TV ○生徒用タブレット

○液晶TV ○書画カメラ

◎液晶TV ○教師用PC ○教師用タブレット ○書画カメラ

内 容

説明・演示 動画視聴 フラッシュカード 電子問題集 ノート撮影 英語音声視聴

音楽・映像視聴 拡大表示 説明・演示拡大表示動画視聴

使用アプリ

フラッシュカード 電子問題アプリ

音楽系アプリ チューニングなど

なし プレゼンアプリ

英語 音楽 美術 技術

保健体育 総合 道徳 特別活動

使用頻度 単元に数回 月に数回 月に1~2回 月に数回

使用機器

◎液晶TV ◎教師用タブレット ◎生徒用タブレット ◎書画カメラ

◎液晶TV ◎教師用タブレット ◎生徒用タブレット ◎書画カメラ

◎液晶TV ◎教師用タブレット ◎生徒用タブレット ◎書画カメラ

◎液晶TV ◎教師用タブレット ○生徒用タブレット ○書画カメラ

内 容

説明・演示 動画視聴 動画撮影

説明・演示 調べ学習 動画視聴 プレゼン資料作成 協働学習

拡大表示説明・演示調べ学習協働学習

拡大表示説明・演示調べ学習協働学習プレゼン資料作成電子通信の発行

使用アプリ

プレゼンアプリ 動画比較アプリ 動画撮影アプリ 作戦ボード

プレゼンアプリ 動画撮影アプリ 動画比較アプリ

プレゼンアプリ 電子書籍閲覧アプリ 動画撮影アプリ

プレゼンアプリ 電子書籍閲覧アプリ

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 本校では電子教科書は導入されなかったが、サンプル版の電子教科書で授業を試みた。PCで使用するタイプのものは、一斉授業型であるため協働学習には適さず、紙の教科書を書画カメラで提示することと何ら変わらず、費用対効果が悪い。  タブレットで使用するタイプのものは、教師が机間巡視をしながら操作できたり、生徒が自分で操作できたりするため、協働学習で活用でき、次世代型学力の育成に効果的である。  今後、導入するならばタブレットで使用できるタイプの電子教科書がよい。また、管理上の手間を少なくするためには、サーバーに保管し、各端末が読み込んで使用するようなタイプの導入にすべきである。

【授業実践で使用したアプリについて】  アプリは年度によって更新され、利便性がその時々によって変化するのが常であるが、今の時点(2016.3)で各教科で活用しやすいアプリは下記のものである。 ① 各授業共通 アプリ名 アイコン 内容

FileExplorer (iPad:無料)

定番のファイラー。ネットワーク内のフォルダにアクセスできる。NASに接続し、写真やファイル共有に使用した。

iBooks (iPad:無料)

電子書籍の閲覧用アプリ。電子学級通信や自作問題集、自作電子教科書の活用。電子学級通信、pdf文書教材の閲覧に使用した

iSmartCopy (iPad:無料)

USBのデータを直接iPadに読み込ませることができるファイラー。タブレットの操作が苦手な教職員がタブレットにデータを移動させるのに利用した。

appear in (iPad, Mac:無料)

web上でTV会議できるアプリ。PCからはwebブラウザで接続できる。遠隔授業を行う際に使用した。

Metamoji Note Lite (iPad:無料)

pdfに書き込みができるノートアプリ。最近、学校ライセンス用や学校内シェア用のアプリが発売され始めた。授業中の話し合いのメモ等に使用した。

アプリ名

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② 数学

iBooks Author (Mac:無料)

電子教科書、電子問題集、電子通信等の作成用。ePubやiBOOKSの書式の文書が作成できる。 電子学級通信の作成に使用した。

Showbie (iPad:無料)

作成したクラスで課題(pdf形式等)を出し、回収、添削が電子上でできる。宿題などに活用。

Keynote (iPad,Mac:無料)

標準のプレゼンテーションアプリ。教師の説明時や生徒たちが調べた内容をまとめて発表するときに使用した。

アイコン 内容アプリ名

アプリ名 アイコン 内容

中学数学公式 (iPad:無料)

中学校で学習する公式や要点を調べることができる(有料版もある)。家庭学習で公式を調べるときに使用している。

数学公式集 (iPad:無料)

中学校で学習する公式を調べることはできる。家庭学習で公式を調べるとき、発展的な公式を調べるときに利用した。

GeoGebra (iPad:無料)

作図用のアプリ。主に作図問題で思考する際に使用した。Windows版もある。

なん度? (iPad:無料)

中学2年生の図形と中学3年生での図形の角度に関する問題を解くアプリ。授業の導入や確認で使用してる。難問があまりないのが特徴。

Photomath (iPad:無料)

カメラで写すだけで方程式の解答がわかるアプリ。家庭学習の答え合わせなどに使っている。活字でなければ読みまず、解答が出せない。

Calculator (iPad:無料)

手書きで入力すると計算される電卓アプリ。無理数や分数の近似値を調べるときなどに利用している。

因数分解答え合わせ (iPad:無料)

手入力で式を因数分解してくれるアプリ。問題の解答を確認するときなどに利用している。

反復因数分解 (iPad:無料)

因数分解の計算練習アプリ。因数分解の計算練習に使用している。

アプリ名

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③ 社会

④ 理科

Shapes (iPad:有料480円)

空間図形に関するアプリ。展開図や辺、頂点の数などがわかる。空間図形の単元で利用。空間図形を回したり、展開図を表示したり、円柱の側面積の求め方を考えたりするのに使用した。

高校入試対策問題集 (iPad:無料)

高校入試の問題が登録されているアプリ。家庭学習用に使用している。

Geometry Pad+ (iPad:有料840円)

グラフ、作図、関数などに対応したアプリ。図形に関しては面積や高さなども提示することができる。関数グラフの表示、地図を使った発展学習、図形の変形、測定、相似、平行線と面積の関係を考える学習などで使用している。

MATH42 (iPad:無料)

手入力で式の計算、方程式を解けるアプリ。家庭学習用に使用している。

Quick Graph (iPad:無料)

グラフを書けるアプリ。複数のグラフを同時に書くことが可能。関数の学習で利用。2次関数と1次関数のグラフを表示し、交点を求める問題などで使用した。

Grapes (Windows:無料)

大阪教育大学で開発した数学関数のグラフ作図専門のソフト。高度なグラフを表示できる。

アイコン 内容アプリ名

アプリ名 アイコン 内容

Google Earth (iPad:無料)

地球上の地図や航空写真を表示できるアプリ。現地に立った視点でその土地の特徴を閲覧することができる。 地理の授業では、気候帯の説明で熱帯や乾燥帯の地域を映し出して違いを考えさせたり、欧州の学習で地中海性気候の街並みと西岸海洋性気候の街並みの違いを考えさせる、日本の北陸の水田地域と北海道の農業地域の風景の違いなどを考えさせるのに利用。 歴史の授業では、文明の説明で土地の成り立ちの特徴を俯瞰的にとらえて、地理との横断的な理解つなげている。

アプリ名 アイコン

Sound beam (iPad:有料170円)

音の波形を観察できるオシロスコープ。音の実験で波形の観察で利用。

アプリ名

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《その他のアプリ等を活用した授業実践》 ・実技の宿題を出して、達成できたら動画で撮影し、file Explorerで共有フォルダにアップする。 (例:「磁石・アルミニウムはく、電池、画鋲でモーターをつくる) ・植物分野で屋外観察を行い、図鑑や植物鑑定サイトで植物を写真で撮影して鑑定、発表。 ・Cloud Classroomを使ったピア・インストラクション型(アクティブラーニングの一種)授業

⑤ 英語

Oscillator (iPad:無料)

周波数を変えて音を出せるアプリ。中学1年の音の分野で周波数の異なる音の観察実験で利用。

ビノバ中学理科 (iPad:無料)

クイズ形式の問題集。すべて4択で遊び感覚で復習ができる。学習での正解ポイントを集めてガチャでモンスターをひける。家庭学習用に使用。ゲーム性があるので、授業での使用には適さない。

ランク順理科 (iPad:無料)

中学生向け学習参考書『高校入試ランク順 中学理科130』の内容をクイズ形式で復習できるアプリ。家庭学習用に使用。問題の質、量ともに適切で生徒が取り組みやすい。

iSeismometer (iPad:無料)

簡易地震計アプリ。1年生の地震の単元でシミュレーション実験に使用。

Explain Everything (iPad:有料480円)

スクリーンキャスト作成アプリ(教師の画面を撮影できる)。反転授業用の動画撮影・電子黒板の代用として使用。

Starmap (iPad,iPhone:有料120円)

星座早見表。GPSで今の星空をみることができる。中学3年の天体単元で金星や木星の観測と同時に使用。

TwinViewer (iPad:有料240円)

2つの写真を並べて比べることができるアプリ。実験前後の変化の比較や、植物観察に利用。

Clipstro (iPad:有料360円)

残像を残して動画撮影できるアプリ。中学3年の運動の単元で利用。

ComPhoto (iPad:無料)

2つの写真を重ね合わせて比較できるアプリ。微細な変化を観察する実験に活用。

アイコンアプリ名

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⑥ 保健体育

アプリ名 アイコン 内容

早打ち英文法 (iPad:無料)

英語の語群が出てくるので、それを並び替えて英語の文章をつくるアプリ。家庭学習用に利用。

中学生英単語 (iPad:無料)

英単語のスペルを記述するアプリ。家庭学習用に利用。

筆記体練習帳 (iPad:無料)

筆記体の練習用アプリ。家庭学習用に利用。

英検問題集 (iPad:無料) 英語検定用の問題集。英語検定受験者の学習で利用。

辞書 (iPad:無料)

英和・和英・国語辞典がセットになっている辞書アプリ。

Flash Card (iPad:無料)

フラッシュカードを自作できるアプリ。TV画面に表示して、紙製のフラッシュカードの代替えとして利用出来る。

アプリ名 アイコン 内容

カロリサイズ (iPad:無料)

ダイエットサポートアプリである。自身の身長、体重をもとに基礎代謝を計算し、設定した体重にするための1日の摂取カロリーを知ることができる。また、消費カロリーと運動時の消費エネルギーの入力ができる。中学3年生の食生活と運動の分野で使用している。

ニャに食べた? (iPad:無料)

カロリサイズと内容はほぼ同じであるが、厚生労働省と農林水産省から出されている食事バランスガイドをもとに構成されている。家庭科との横断的な学習で授業を組み立てることができる。

Fun! Lesson (iPad:有料)

比較動画を作成、再生できる。再生速度を変更ができるので、説明しながら使用ができ便利である。プロ選手の試合を見ての手本の説明や器械体操でのポイントの説明に使っている。

アプリ名

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⑦ 音楽

カ. 授業で使えるコンテンツについて  生徒にわかりやすく、教育効果的のある授業が成立する条件の1つに、教師が魅了的な素材をうまく取り入れられることと、利用できる素材(コンテンツ)が豊富であることがあげられる。  下記に今年度、本校で使用したコンテンツを示した。

Coach my Video (iPad:無料)

動画を2画面同時に再生し、比較できるアプリ。線の書き込みができる。無料版なので生徒用タブレットに入れて使用している。

コーチの戦略ボード (iPad:無料)

作戦ボードアプリで、サッカー、バスケットボール、バレーボール、フットサル版がいずれも無料。選手に見立てた駒の配置、線の書き込みができる。練習方法の説明や集団的技能についての説明、チーム学習における作戦会議に使用している。

アイコン 内容アプリ名

アプリ名 アイコン 内容

Muse score (iPad:無料)

器楽演奏の際、リズムを目で見て確認するのに使用。

楽器チューナー (iPad:無料)

チューニングができる。ドイツ音名の学習、琴のチューニングに利用している。

作曲家クイズバージョン (iPad:無料)

クイズ形式で作曲家をあてるアプリ。ゲーム感覚で作曲家の学習ができる。

ドラムセット (iPad:無料)

ドラム演奏が可能。ドラムラベルの「ボレロ」の鑑賞の授業やリズムづくりの授業で使用した。

和楽器オーケストラAUNJ (iPad:無料)

和太鼓や三味線、琴、尺八などをタップで演奏できる。わ楽器の授業で使用した。

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理科ねっとわーく NHK for school

【理科】  様々な理科実験のイラスト、動画、アニメーションなどをオンライン表示及びダウンロードが可能。

【全教科】  NHKの教育番組をインターネット回線で好きな時に視聴できる。番組によっては、専用のワークシートやスライドがダウンロードできる。

! !

情報処理推進機構 ねっと社会の歩き方

【全教科】  様々な教科のイラスト、写真、動画をダウンロードできる。

【情報教育】  タブレットやスマートフォンなど、ネットを使う上での考え方や危険性を学ぶスライドが閲覧できる。

! !

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(3)児童生徒とタブレットPCとの出会わせ方の工夫 ア. 生徒のタブレット活用開始時について 【生徒の使用開始時の指導について】  本校では道徳の授業で情報化社会におけるスマートフォンの使い方やインターネットの使い方について指導している。  生徒用タブレットの使用開始時(昨年9月末)は、全校生徒を対象とした全校道徳の授業で情報モラルについての講義を行った(右図は使用したスライド)。

【タブレット使用免許証について】  タブレットの利用ルールについての意識を高めるため、タブレットの使い方に関する意識調査と、担任からの使い方に関する口頭試問を行った後、一人一人に情報端末使用の免許証を交付した。  ルール違反等の行為があれば、免許証の裏面に違反を記入することにしている。

【生徒用タブレット使用を始めるにあたって】  生徒用タブレットを初めて使用する際は、操作法に慣れるため、調べ学習での使用を中心として行った。ほとんどの生徒がローマ字入力に慣れており、比較的スムーズに使い出しをすることができた。これは、本校生徒の自分用スマートフォン所持率は80%を超えており、操作に慣れていたためであると思われる。  中学生の場合、調べ学習等で実際の操作を通して慣れていくことで、授業での使用に移行できるようである。

【ICT委員(生徒)の設置について】  ICTに関する専門的な知識を持つ生徒を育成を目的として、学級内にICT委員を設置した。今年度は、機器の準備(配線など)の仕事を担ってもらった。  今後、学校全体でICT委員会を開催し、生徒のスキル向上を行っていき、授業時のサポート的な役割を担わせたいと考えている。

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イ. 家庭への持ち帰りについて  タブレットの家庭持ち帰りについては、右図のようなプリントを各家庭に配布し、家庭のLANには接続しないように依頼した。  今後、家庭に持ち帰ってもインターネットに接続してインターラクティブな授業(交流授業、家庭学習のネットワークでの提出など)を進めていくならば、モバイルでネットワークに接続できる機器を用意したほうがよいと思われる。

ウ. 日常生活でのタブレット使用について  生徒がタブレットの使用に対して抵抗をもたないようにするため、登校時に生徒がタブレットを教室へ持参し、自由に利用できる環境と整えた。生徒が日常的に感じた疑問、朝の会でのニュース発表などで日常的に使用することでタブレットの操作は次第に速くなった。  また、本校では学校レクにおけるビンゴ大会などで、タブレットを使用し、日常生活の一部にタブレットが位置付けられるようにしている。

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平成27年12月10日 奥尻中学校保護者の皆様

奥尻町立奥尻中学校 校長 皆川 一海

タブレットPCの家庭持ち帰りについて 師走の候、保護者の皆様におかれましては、ますます御健勝のこととお喜び申し上げます。日頃は本校の教育活動にご支援、ご協力をいただき、ありがとうございます。 さて、本校は、北海道教育委員会より委託を受けまして、北海道内の中学校で唯一のICT機器(iPad 等)を活用した授業実践を研究しております。現在、機器の設定やアプリの導入などをすすめ、生徒のみなさんには今月中に家庭に持ち帰っても使用できるよう、作業を進めております。 この度、生徒のみなさんに配布する iPadは、電話機能をもったタイプではなく、学校の無線(Wifi)と接続して使用するタイプのものです。また、家庭で無線 LANに接続しなくても使用できるアプリケーションが導入されております。これにより、家庭においても学習に辞書や英単語学習、数学や理科の学習に役立つ環境になるよう配慮しております。 ご家庭によっては、Wifi の環境が既にあるというところもあるかと存じますが、家庭のWifi への接続は控えていただき、今後のタブレットPCの利活用の具合や、生徒の情報モラルの状況、アプリケーションの整備状況、ご家庭からの意見等も参考にしながら、安全かつ有効な教育環境として利用できる見込みがたった時点で、改めて検討して参りたいと考えております。 様々な情報化にあふれる現代の社会において、iPad の利用には光と陰の部分の両方が存在し、よりよい使用法をすれば、生徒の学習面の強力なサポートができますが、ひとたび間違った使用法をすれば、いじめや損害賠償をうける等の負の面も存在しています。今後、家庭との連携を密にしながら、21世紀社会において必要とされるICT活用能力、情報化社会における正しい判断のできる生徒の育成に取り組んで参りたいと考えております。 何とぞ、ご理解、ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。 【家庭での使用においての留意点】 ・�iPadは丁寧にお取り扱いください(落下防止、禁水)。 ・�家庭用のWifiにはつながないでください。 ・�他人に借用しないでください。 ・�システムや端末の設定を変えないでください。 ・�充電については、ご家庭での協力をお願い致します。 ・�家庭で使用する場合、生徒は保護者の許可を得て下さい。

※�今後、学校で発行されたおたより(学校だより、学級通信など)を電子化して配布することも検討しております。ご家庭で動画つきの通信の視聴に活用してください。

iPad は、北海道教育委員会からのレンタル品です。利用約束に違反したり、注意を守れなかったりした場合、及び、学校事情による判断により、機材の使用を停止する(される)ことがあります。ご注意ください。

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3 授業等における効果的な活用と連携校との取り組み

(1)授業像(授業スタイル)の明確化 ア. 一斉学習について  イラストや写真の拡大・縮小、学習課題の提示、画面への書き込みや動画を使っての説明などで利用するのが効果的である。

使用法 課題の提示や拡大縮小 動画での説明・記録 生徒タブレットへの配信

必要機器

液晶TV・プロジェクター

書画カメラ・教師PC

教師タブレット・AppleTV

液晶TV・プロジェクター

教師タブレット・AppleTV

教師PC

液晶TV・プロジェクター

教師タブレット・教師PC

生徒タブレット

効果

生徒に見えやすい課題提示

生徒に見えやすい写真提示

詳細部分の拡大観察

生徒の視線の統一

生徒にわかりやすい説明

学習内容の記録

生徒に見えやすい課題提示

生徒に見えやすい写真提示

詳細部分の拡大観察

生徒にわかりやすい説明

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課題提示と実験結果まとめ(理科) 地図アプリを使っての説明(社会)

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イ. 協働学習について  授業支援システムやAppleTVと生徒用タブレットの連携機能を活用し、教室内での協働学習で、思考力、判断力、表現力の育成ができる。発表や話し合い、意見整理、協働製作活動などが効果的である。

使用法 発表や話し合い 意見の整理 協働製作・協働発表

必要機器液晶TV・プロジェクター

生徒タブレット・AppleTV

教師PC・書画カメラ

液晶TV・プロジェクター

生徒タブレット・AppleTV

教師PC

液晶TV・プロジェクター

生徒タブレット・AppleTV

教師PC

効果

生徒がまとめたプレゼン交流

全生徒の考えの一括提示

発表者のノート交流

生徒がまとめたプレゼン交流

全生徒の意見の一括提示

生徒がタブレットで協働作業

(電子模造紙など)

生徒がアプリを使って作品や

発表資料を協働製作

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ノートをタブレットでテレビに映して発表(社会)

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ウ. 個別学習について  与えられた課題や疑問に思ったことについての調べ学習や、自分の学習進度に応じて学ぶ自主学習や家庭学習などのドリル学習、さらには宿題や課題を動画や写真で撮影して提出したり、それぞれが動画や写真を見て学習するなど、個に応じた学習においての効果が期待できる。

使用法 調べ学習 自主学習・ドリル学習 個人製作・表現活動

必要機器 生徒用タブレット 生徒用タブレット 生徒用タブレット

効果

検索サイトや百科事典で検索 資料活用能力育成 メディアリテラシー能力育成

基礎基本の定着 習熟度に応じた課題学習 反復学習

表現・創作の客観的観点の育成(音楽、体育、美術など)

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習熟度別ドリル学習(理科) 家庭実験(宿題)で撮影(理科)

個人で英文の読み練習(英語)

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エ. 交流授業・遠隔授業ついて  テレビ会議システムを使用して、同じ町内の他校、他市町村の学校、他県や諸外国の学校との意見交換や遠隔授業で異なる価値観、考え方に触れ、思考力、判断力、表現力を育成する。

使用法 同じ町村内の他校との交流 他市町村・他県との交流 他校の教師による遠隔授業

必要機器

液晶TV・プロジェクター

教師PC・教師タブレット

webカメラ・マイク

スピーカー

生徒タブレット

液晶TV・プロジェクター

教師PC・教師タブレット

webカメラ・マイク

スピーカー

生徒タブレット

液晶TV・プロジェクター

教師PC・教師タブレット

webカメラ・マイク

スピーカー

生徒タブレット

効果

親近感を持つ生徒間の交流

活発な意見交流

コミュニケーション能力育成

環境の異なる生徒との交流

活発な意見交流

コミュニケーション能力育成

環境の異なる生徒との交流

異なる環境での学習

活発な意見交流

コミュニケーション能力育成

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宮古島との交流学習(特活) 附属函館中と遠隔授業(英語)

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(2)効果的な場面、使い方等の実践事例の集積 ア. 段階的なICT機器利用について ICT機器の利用方法は下記の3種類に分けられる。 ① 一斉授業スタイル(教師用タブレットや書画カメラのみ) ② グループ学習(グループ1台のタブレット)や交流学習 ③ 個別学習(個人で1台のタブレット)

 ICT機器の整備については予算面の関係から、タブレットの台数が必要数そろわない条件から、①→②→③となることが予想されるが、授業における活用を意識した場合、①→③→②という順に活用方法をすすめていけば、スムーズに実践を進めていくことができると思われる。  その理由は、はじめに教師が機器操作に慣れること、次に生徒が機器操作になれること、そして機器をツールとして活用した段階へつなげることが無理なく進められるからである。初期の段階では、教師が使いやすいアプリを使って、教師自身の苦手意識を取り払うことも必要である。  下表に段階的な授業での活用方法と必要機器を記載した。

授業での活用方法 必要機器・アプリなど

活用第1段階

教師の活用能力育成

・書画カメラ(説明用)・教師タブレット(説明用)・AppleTV(説明用)・教師用PC(説明用)・プロジェクター又は大型TV・アクセスポイント・電子教科書

活用第2段階

生徒の活用能力育成

・生徒タブレット(個別学習用) ~アプリ購入が理想的・AppleTV(生徒発表用)・書画カメラ(生徒発表用)・プロジェクター又は大型TV・アクセスポイント

活用第3段階

21世紀型学力の育成

・生徒タブレット・教師PC・プロジェクター又は大型TV・アクセスポイント・無指向性マイク・広角WEBカメラ・授業支援アプリ

個別学習・個別利用・生徒個人個人の調べ学習を行う。・電子問題集を使った復習や家庭学習を行う。・写真、動画機能等で実験や観察の課題を行う。・電子通信を持ち帰り、家庭で閲覧する。

!日常的なICT活用機器の利用を目指す

グループ学習・交流学習・グループ討議をタブレットを使用して行う。・グループでチームライティングして発表資料を作成する。・通信機能を利用し、他校との協働学習を行う。

!人材育成の為のツールとして使いこなす

一斉授業スタイル・教師が大画面に教材を大きく写す。・イラスト、動画等でわかりやく説明する。・板書時間を短縮し、活動の時間・机間巡視の時間を確保する。

!効果的な活用方法を追求していく

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イ. 各教科におけるICT機器の主な活用方法について  今年度の主な活用方法の一部を下記にまとめた。

ウ. 実物投影機(書画カメラ)の効果的な活用場面について  実物投影機は授業用プリント、教科書、授業プリント、資料などを拡大表示したり、教師の作業のようすを拡大表示したりするときに利用するのが効果的である。生徒に大画面で見せられるため、一斉授業スタイルで教師の説明時や、発表会スタイルで生徒の作品を生徒全体に見せたりするときに使用するとよい。  授業の導入場面や、整理場面で使用する例がよく見られた。もっとも利用法が簡便であるため、多くの教師にとっては抵抗なく利用できる。ただし、使用することのメリットを教師に感じてもらえるようにしなければ、使われないようである  

エ. インターラクティブボードの効果的な活用場面について  インターラクティブボードが効果的な場面は、数学や理科における作図機能を活用するときか、生徒の意見交流を行う際に個々の考えを一括表示して思考の練りあいをするときである。小規模校、少人数での効果的活用については、今後、研究の余地がある。

活用場面 内容 教科

課題提示で液晶TVを使用 本時の課題をAppleTVや書画カメラを使用して拡大表示全教科 総・特活・道

調べ学習でiPad使用 調べ学習で生徒用iPadを使い、ノートにまとめる。英・理・社 総

発表資料作成でiPad使用 発表資料をプレゼンソフトで作成する。 社・理

筆順などをiPadで確認 漢字検定用アプリを使用して、筆順や漢字の学習 国

実験・観察オシロスコープ、化学反応、プラネタリウム等のシミュレーションアプリを使用して、実験や観察の補助としたり、スマホ顕微鏡で顕微鏡写真を撮影する。

練習前後の動画比較 練習前後で動画撮影し、変化を比較する 体

図形・グラフ化アプリの活用 図形やグラフ作成をアプリで行う 数・理

観察物の撮影植物や動物、天気の観察、運動観察でiPadで写真撮影し(タイムラプス、スローモーション)、観察を行う。 理

パート別音源の視聴音楽鑑賞、合唱練習の曲をiPadで個々に視聴し、練習する 音

地図アプリでの地域の観察日本や世界の地域のようすをgoogle earthのストリートビューで観察し、地域の特徴を学ぶ 社

電子問題集等での知識の確認 電子問題集で知識の確認を行う社・数・英 理

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オ. 教師用タブレットの効果的な活用場面について  教師用タブレットは、説明、演示を行う場面での使用が大変、効果的である。特にAppleTVと連携させた使用法が多い。  また、生徒のノートを写真撮影し、それをAppleTVで投影して意見交流を行う方法も行われていた。  授業支援システムと同時に使用すれば、生徒タブレットの状態が把握できるため便利であるが、授業支援システムを利用するまでの準備が大変であるので、今年度、本校ではほとんど使用されなかった。

 理科においては、教師用タブレットを実験器具として活用する方法も行った。観察内容をライブで共有できるので、生徒が何を観察するか把握しやすく、効果的であった。  教師用タブレット独自の使い方としては、教師用LANのサーバーに接続し、個々の生徒の形成的評価をしながら授業 デザインをへ変化させる使い方が考えられる。  

カ. 生徒用タブレットの効果的な活用場面について  今年度の場合、生徒用タブレットは、主に生徒の調べ学習やドリル学習で使用することが効果的であった。  また、台湾師範大学で開発しているCCRというweb質問システムは、授業支援システムの起動なしで、教師タブレットから生徒タブレットに質問、回収できるため、利便性が高く、理科、数学、保健体育で主に活用された。手間をかけることなく、教師タブレットと生徒タブレットとの間で通信できるシステムは大変有効である。  この機能に似たアプリが近年、無料で入手できるようになっており、今後、それらのシステムや授業支援システムを使って、生徒の考えを交流する協働的学習の場面での活用を積極的に行っていきたい。

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生徒のノート

スマホ顕微鏡スマホ顕微鏡で 観察した気孔

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4 到達目標に対する結果 (1)タブレットPCの円滑な導入と活用のための工夫について ア. タブレットPCの導入に関わる必要条件のリスト化について  タブレットPCの導入に関わる必要条件のリストは、前述(2(1)チ)の通りである。今後、これらの条件をさらに精査していく予定である。

イ. すべての教職員のタブレットPC活用スキル向上に関わる研修ついて 【教職員のICT機器に関する意識調査から】  機器後1ヶ月ほどの時点(9月)での教職員アンケートを下記に示す。

 奥尻中学校における当初のICT機器活用能力については、約4分の3の教員が活用できると回答している。平均値としては自己評価が比較的高い値を示しているが、詳細なデータは下表のように、資料集めはできるものの、授業で活用の計画や協働学習の手法について、「できない」と回答している割合が高い。

わりと できる

やや できる

あまり できない

ほとんど できない

教育効果を上げるには、どの場面にどのようにしてコンピュータやインターネットを利用すればいいか計画する 3 5 1 1

授業で使う教材や資料を集めるためにインターネット等を活用する。 7 3

授業に必要なプリントや提示資料を作成するためにワープロソフトやプレゼンテーションソフトを活用する。 6 3 1

評価の充実ために、コンピュータやデジタルカメラなどを活用して生徒の作品・学習状況などを管理し、集計する。 4 3 2 1

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ICT機器使用頻度

1/4以下 22%

1/4以上 11%

半分以上 22%

毎時間 44%

ICT活用能力平均値

ほとんどできない 8%

あまりできない 15%

できる方 28%

できる 50%

授業でのICT活用計画力、資料収集力 プレゼンなどの資料作成力、評価での活用力

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 ICT機器の利用については、教科や単元の特性、教員自身のICT機器活用能力の差が顕著に出ている。  特に苦手意識を持っている教員は、ICT機器を使用した授業のビジョンを持っていないことから、ICT活用教育を推進する上で、教職員の実践的な研修と、日常的な使用を通して、機器の利便性を実感出来る機会を増やすことが必要があることがわかる。

 次に、ICT機器導入後半年が経過した2月末に行った教師の意識アンケートをテキストマイニング方式で分析し、その結果をワードクラウド方式でまとめた。文字の大きさが大きいほど、回答への出現頻度が高い。

※テキストマイニング(text mining)は、文字列を対象としたデータ分析方法である。文章でアンケート調査し、その文章からなるデータを単語や文節で区切り、それらの出現の頻度や共出現の相関、出現傾向、時系列などを解析することで有用な情報を取り出す方法である。   はじめに、これまでの半年間で「どんなICT機器を使って授業を行ったか。」について調査した。  使用頻度が高いのは、書画カメラ、PC、DVD、ついでAppleTVの順である(液晶テレビは必ず使用している)。   書画カメラは、起動が早く、使い方が簡便であることから、使用頻度が高い。  ついで、PCが高いのは教師が課題提示等でプレゼンテーションソフトを使用ていることが多いからである。普段、慣れているICT機器を授業で活用しやすいことがわかる。

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問:どんなICT機器を使って授業をしましたか。

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 次に、半年間のICT機器の利用を行ってみて、ICT機器の活用に関する考えを自由記述形式で調査した。その結果が下図である。

 この結果から、教職員は次のように考えていると推察できる。 • 「黒板」との併用を前提として考えている。 • 教室に「備わっている」ことが望ましい。 • ICT機器の利用によって時間短縮ができる「利点」があり、「実験」「観察」や「活用」の時間が生み出せる。

• 使い方の研修が必要であり、苦手意識を持つ教員は「恐さ」を感じている。

 上記の教職員の意識では、ICT機器の活用についてのイメージが「一斉授業型」で教師が活用するものであると考えているようである。このようなICT機器の使用は、ICT機器導入の第1ステップであり、今年度の取り組みである「ICT機器を有効に活用した授業交流研修」と「ICT機器ミニ研修」は、意識向上に効果があったように思う。

 今後、さらにICT機器活用の授業を推進していくには、教職員の意識を「使う」だけの段階から、他者との意見のすり合わせなどを取り入れたツールとしてのICT機器の利用へとつなげる必要がある。そのためには、各教師の教科専門性を高めるて質の高い学びを追求するような研修をすすめなければならない。  次年度以降は、第2ステップの個人学習を多く取り入れ、第3ステップの協働学習へとつながるような取り組みを入れていきたい。

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問:ICT機器を活用した授業について、どう思いますか。

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 【生徒のICT授業に関する意識について】  教職員ICT研修の効果が生徒の意識にどう表れているかを調査するため、2月に生徒アンケートを実施した。その結果を下図に示した。

 これら結果から、多くの生徒は次のように考えていると推察できる。 • ICTを使った授業は、「進度」が「はかどる」。 • 「パスワード」の入力が「面倒臭い」。 • 「教科」の学習では「タブレット」を「使う」「調べ学習」がやりやすい。 • 「効率」よく、「便利」に使うことができる。

 この生徒アンケート結果を教職員のアンケート結果とあわせて考察すると、生徒のICT機器活用の意識は、教員のICT活用能力や授業での使い方によって、大きく影響されていることが示唆されている。  よって、教職員の研修は、教科の学習における生徒理解の向上、授業の質の向上に重要な役割を担っていることが推察される。    では、どのような授業が「わかる」「できる」を実感した授業であるのか、どのようにICT機器を使えば学力が伸びるのかの考えを聞いた結果が下記である。

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問:ICT機器を使った授業について、どう思いますか。 問:ICT機器についてどう思いますか。

問:「わかる」「できる」を実感した授業は? 問:ICT機器をどう使うと学力は伸びる?

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 生徒が「わかった」を実験できた授業は下記のようなものである。 • 「ICT機器」を使った「理科」の授業 • 「見やすい」「見直せる」「やりやすい」授業 • 座席体制の「フォーメーション」をつくってある授業(協働学習)

 ICT機器をどのように使えば学力が伸びるかを生徒に聞いた結果から推察できるのは下記のような条件である。 • 「ビノバ」のようにタブレットで個人学習ができること • タブレットで「問題」を「解く」ことができること

 この結果からは、ICT機器を活用して学力を向上させるには、大きく表示するなど、学習課題やテキストが見やすく拡大表示し、協働学習によって他者との交流を深めながら学び、個別のタブレットで問題演習を行い定着を図るような学習が効果的であろうと思われる。 

ウ. 校内授業研修における活用事例の記録化と単元のピックアップについて 【校内授業研修における活用事例の記録化】  校内研修の活用事例については、2(2)に記載しているように、毎回の授業を動画撮影して記録化している。今後、活用事例を分類して整理する予定である。

【教科における活用単元のピックアップ】  本校の各教科の教員が、ICT機器をどのような場面で使用できそうかを調査した。その結果を下表にまとめた。

単元名 活用場面・活用機器

全学年 国語 すべての単元

・書画カメラを使って、教科書を拡大し、場面を考える。 ・書画カメラで新聞記事を移し、見出しを考えたり、漢字の読みをするなどの活動を行う。 ・PCでイラストや動画を大きく提示し、場面や主人公の気持ちを考える。 ・筆順アプリ、漢字検定アプリなどを使って、漢字学習を行う。

1年 国語

私の好きな春の言葉 河童と蛙 漢字の広場 少年の日の思い出 根拠を明確にして書くには

・PC(花曇りと菜種梅雨の画像を見せる) ・CDプレーヤー(音読CDを聞き、音読の仕方を工夫する) ・PC(それぞれの部首をPCで映す) ・書画カメラ(生徒の書いた意見を映し出し、交流する) ・書画カメラ(鑑賞文を書く芸術作品を映す)

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2年 国語

アオスジアゲハとトカゲの卵 夏の葬列 漢字の広場 ガイアの知性 根拠を明確にした意見文を書く

・PC(アオスジアゲハとトカゲの孵化の様子を見せる) ・書画カメラ(生徒の書いた意見を映し出し、交流する) ・PC(象形文字から現在の漢字に至るまでの過程をPCで映す) ・PC(実際にシャチやイルカが芸をしている動画を見せる) ・PC・書画カメラ(三角ロジックの手法、用例を映し出す)

3年 国語

春に 新しい博物学の時代 故郷 広告を批評する 素顔同盟

・CDプレーヤー(朗読と合唱曲をかける) ・PC(本文に記載されている天体を画像で見せる) ・書画カメラ(生徒の書いた意見を映し出し、交流する) ・書画カメラ(生徒の書いたキャッチコピーを映し出し、交流する) ・書画カメラ(生徒の書いた物語の続きを映し出し、交流する)

1年 数学

第1章 正負の数・サイト『中学校数学学習サイト』を利用して正負の数の問題に取り組む。クイズ感覚で取り組むことができる。

第3章 方程式・アプリ『Photomath』を用いて、問題演習の答え合わせを生徒自身ができる。

第4章 比例と反比例

・PCで『grapes』を用いてテレビやプロジェクターにグラフを映して、切片の関係や傾きの関係を確認する。何種類ものグラフを、色を変えて提示することができるため、傾きや切片の差でグラフの形状が変わって切ることを確認できる。 ・書画カメラでグラフのかき方を確認する。

第5章 平面図形・サイト『中学数学学習サイト』を利用して、二等分線や垂線、角の二等分線の作図のかき方について確認する。 ・書画カメラで作図のかき方を確認する。

第6章 空間図形

・アプリ『Shapes』を用いて、立体をいろいろな方向から見たり、展開図を見ることができる。また、面や頂点、辺の色を変えることができるので、数を数え、立体を様々な見方で捉えることができる。 ・アプリ『AQUA』を用いて、投影図を確認する。 ・YouTubeで角柱、角錐、球の体積の実験映像を見せ、体積比について確認する。

2年 数学

第1章 式の計算

・アプリ『MATH42』を用いて、問題演習の答え合わせを生徒自身ができる。 ・文字式を利用して説明する問題をカメラで撮影して全体で交流したり、グループの考えをジグソー学習で交流したりする。

第2章 連立方程式

・アプリ『Photomath』を用いて、問題演習の答え合わせを生徒自身ができる。(PCによる文字しか認識できない) ・方程式の利用の問題を図にかいてグループで交流したり、式を交流したりする。 ・問題の提示や図の提示をテレビやプロジェクターで映し出す。

単元名 活用場面・活用機器

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2年 数学

第3章 1次関数

・アプリ『Quick Graph』を用いてグラフの説明をしたり、交点の座標を考えさせたりできる。 ・書画カメラでグラフのかき方や成り立ちを確認できる。 ・PCでは『Grapes』を用いてテレビやプロジェクターにグラフを写して、切片の関係や傾きの関係を確認する

第4章 平行と合同

・アプリ『なん度?』を使って角度を求める演習問題を取り組ませることができる。 ・証明の流れを、PowerPointなどを使って見せることができる。 ・生徒が書いた証明を書画カメラで写して全体で交流することができる。

第5章 三角形と四角形

・アプリ『なん度?』を使って角度を求める演習問題を取り組ませることができる。 ・生徒が書いた証明を書画カメラで写して全体で交流することができる。 ・アプリ『面積いくつ?』を使用すると平行線と面積の関係を視覚的に見せることができる。

第6章 確率

3年 数学

第1章 多項式

・アプリ『因数分解答え合わせ』を用いて、演習問題の解答を生徒自らが行える。 ・アプリ『はんぷく計算ドリル因数分解』を用いて、問題演習を行うことができる。

第2章 平方根・アプリ『Calculator』を用いると、平方根の近似値を提示でき、生徒に平方根の意義を感じさせられる。 ・電卓を用いると平方根の乗除の関係を理解することができる。

第3章 2次方程式 ・PowerPointを使って動点問題を提示する。

関数y = ax2

・アプリ『Quick Graph』を用いてグラフの説明をしたり、交点の座標を考えさせたりできる。 ・書画カメラでグラフのかき方や成り立ちを確認できる。 ・PCでは『Grapes』を用いてテレビやプロジェクターにグラフを写して、切片の関係や傾きの関係を確認する。 ・アプリ『m3Graph』を用いて2次関数のグラフの開きの変化を見せることができる。(aの値が分数のグラフは提示できない)

第5章 相似な図形

・書画カメラで相似な図形の性質や平行線と比の性質を見せることができる。 ・相似な図形を、インターネットを使って探したり、相似な立体を視覚的に見たりすることができる。

第6章 三平方の定理

・アプリ『ShapeInfo』を用いると三平方の定理を実際に確かめることができる。(根号のついた数は表示できない) ・書画カメラを用いて、生徒の証明を交流したり、立体を平面にして考えたりすることができる。

単元名 活用場面・活用機器

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3年 数学

第7章 円

・アプリ『なん度?』を使って角度を求める演習問題を取り組ませることができる。 ・生徒が書いた証明を書画カメラで写して全体で交流することができる。

第8章 標本調査・インターネットを使って標本調査について調べ、交流する。 ・身近な標本調査について調べまとめ、理解を深めることができる。

1年 理科

身のまわりの物質・物質の性質、使用されている写真等を検索する(タブレット) ・実験の前後で変化の様子を写真で確認したり、実験中のようすを動画撮影し、スロー再生して確認したりする(タブレット)

植物の世界

・身の回りの植物、動物の写真を撮影し、分類を検索する(タブレット) ・花や葉、根のつくりを写真撮影し、細部を観察する(タブレット) ・タブレット顕微鏡で細かいつくりを観察する(タブレット) ・植物のようすをタイムラプス撮影し、吸水のようす、光合成のようすを観察する(タブレット) ・植物の分類を検索する(タブレット)

光・音・力

・光の道筋を写真撮影し、その写真をもとに作図を行う(タブレット) ・オシロスコープのアプリで音の波形を観察する。(タブレット) ・意図的に振動数の異なる音をだす(タブレット) ・音が鳴っている物体をスローモーション撮影し、観察する(タブレット) ・力や圧力の計算を行う(タブレット)

大地の成り立ちと変化

・火成岩の実物写真で細部を観察する(タブレット) ・身近な岩石の分類を検索する(タブレット) ・シミュレーション実験のようすを撮影し、くわしく観察する(タブレット)

2年 理科

化学変化と原子・分子

・化学反応の前後で変化のようすを撮影し、観察する(タブレット) ・分子記号、化学記号の暗記練習をする(タブレット) ・化学反応のシミュレーションを行う(タブレット) ・実験のようすを動画撮影し、詳しく観察する(タブレット) ・実験結果をグラフ化する(タブレット)

動物の世界と生物の移り変わり

・タブレット顕微鏡で生物を観察する(タブレット) ・動物の種類を検索する(タブレット) ・動物のからだのつくりの違いや類似点を画像比較する(タブレット)

電流とそのはたらき

・静電気が起こるしくみや電流がながれる仕組みを動画コンテンツの視聴で理解する(タブレット) ・回路のつなぎ方をシミュレーションアプリで確認する(タブレット) ・モーターのしくみを動画コンテンツの視聴で理解する(タブレット)

単元名 活用場面・活用機器

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2年 理科 気象とその変化

・気象観測データを調べる(タブレット) ・湿度や気象データ、実験データをグラフ化して考える(タブレット) ・気象衛星の動画を観察する(タブレット) ・大気の動きを動画コンテンツで視覚的に理解する(タブレット)

3年 理科

化学変化とイオン・化学変化の前後の違いを写真撮影や動画撮影で比較する(タブレット) ・クイズ形式でイオン式の確認をする(タブレット)

生物の殖え方と遺伝

・観察を写真撮影し、細部を観察する(タブレット) ・花粉管の成長のようすや植物のようすをタイプラプス撮影して観察する(タブレット) ・遺伝のしくみをシミュレーションで考える(タブレット) ・様々な遺伝について調べ学習を行う(タブレット)

地球と宇宙

・天体の動きをシミュレーションアプリで観察し、実際の天体の観察に応用する(タブレット) ・天体の動きを撮影し、授業で視聴観察する(タブレット) ・太陽系、宇宙の様々な天体について調べ学習を行う(タブレット)

運動とエネルギー・物体の運動をスローモーション撮影して観察する(タブレット) ・物体の運動を残像処理して観察する(タブレット)

科学の発展と人間の生活

・様々なエネルギー資源と発電方法について調べ学習を行う(タブレット) ・科学技術の発展について調べ学習を行う。

自然と人間・環境についての調べ学習を行う(タブレット) ・災害についての調べ学習を行う(タブレット)

1年 地理

わたしたちの地球と世界の地域構成

・ビデオなど映像資料を用いての導入 ・TPC(タブレットPC)でフラッシュカードを用いて国旗の学習 ・実物投影機を用いて紙資料の拡大提示

人々の生活と環境・ビデオなど映像資料を用いての導入 ・ウェブ検索を活用して、熱帯雨林やサバナ、ツンドラなど画像の提示 ・実物投影機を用いて紙資料の拡大提示

世界の諸地域

・ビデオなど映像資料を用いての導入 ・ウェブ検索を活用して、各国の生活や街並みの画像の提示 ・Google Earthなど地図アプリを用いて位置関係や広さの確認 ・実物投影機を用いて紙資料の拡大提示 ・TPCを使用して生徒の意見の集約、提示、検討

世界のさまざまな地域の調査

・PC,TPCを用いて対象となる国を調べる。 ・TPCに調べたことをまとめ、共有して発表。 ・必要に応じて実物投影機を活用して資料を拡大提示。

1年 歴史

歴史の移り変わりを考えよう

・TPCのフラッシュカードを活用。

単元名 活用場面・活用機器

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1年 歴史

原始・古代の日本と世界

・ビデオなど映像資料を用いての導入 ・ウェブ検索を活用して画像の提示 ・Google Earthなど地図アプリを用いて学習地域の位置の確認 ・実物投影機を用いて紙資料の拡大提示 ・TPCを使用して生徒の意見の集約、提示、検討

中世の日本と世界

・ビデオなど映像資料を用いての導入 ・ウェブ検索を活用して画像の提示 ・Google Earthなど地図アプリを用いて学習地域の位置の確認 ・実物投影機を用いて紙資料の拡大提示 ・TPCを使用して生徒の意見の集約、提示、検討

近世の日本と世界

・ビデオなど映像資料を用いての導入 ・ウェブ検索を活用して画像の提示 ・Google Earthなど地図アプリを用いて学習地域の位置の確認 ・実物投影機を用いて紙資料の拡大提示 ・TPCを使用して生徒の意見の集約、提示、検討

2年 地理

日本の地域構成・実物投影機を用いて紙資料の拡大提示 ・ビデオなど映像資料を用いての導入 ・Google Earthなど地図アプリを用いて学習地域の位置の確認

世界からみた日本のすがた

・実物投影機を用いて紙資料の拡大提示 ・ビデオなど映像資料を用いての導入 ・Google Earthなど地図アプリを用いて学習地域の位置の確認

日本の諸地域

・ビデオなど映像資料を用いての導入 ・ウェブ検索を活用して、各地域の生活や街並みの画像の提示 ・Google Earthなど地図アプリを用いて位置関係や広さの確認 ・実物投影機を用いて紙資料の拡大提示 ・TPCを使用して生徒の意見の集約、提示、検討

身近な地域の調査

・3Dプリンターで等高線の理解を深める ・PC,TPCを用いて対象となる国を調べる。 ・TPCに調べたことをまとめ、共有して発表。 ・必要に応じて実物投影機を活用して資料を拡大提示。

2年 歴史

近世の日本と世界

・ビデオなど映像資料を用いての導入 ・ウェブ検索を活用して、当時の生活や街並みの画像の提示 ・Google Earthなど地図アプリを用いて位置の確認 ・実物投影機を用いて紙資料の拡大提示 ・TPCを使用して生徒の意見の集約、提示、検討

近代の幕開け

・ビデオなど映像資料を用いての導入 ・ウェブ検索を活用して、当時の生活や街並みの画像の提示 ・Google Earthなど地図アプリを用いて位置の確認 ・実物投影機を用いて紙資料の拡大提示 ・TPCを使用して生徒の意見の集約、提示、検討

単元名 活用場面・活用機器

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2年 歴史 近代の日本と世界

・ビデオなど映像資料を用いての導入 ・ウェブ検索を活用して、当時の生活や街並みの画像の提示 ・Google Earthなど地図アプリを用いて位置の確認 ・実物投影機を用いて紙資料の拡大提示 ・TPCを使用して生徒の意見の集約、提示、検討

3年 歴史

二度の世界大戦と日本

・ビデオなど映像資料を用いての導入 ・ウェブ検索を活用して、当時の生活や街並みの画像の提示 ・Google Earthなど地図アプリを用いて位置の確認 ・実物投影機を用いて紙資料の拡大提示 ・TPCを使用して生徒の意見の集約、提示、検討

現代の日本と世界

・ビデオなど映像資料を用いての導入 ・ウェブ検索を活用して、当時の生活や街並みの画像の提示 ・Google Earthなど地図アプリを用いて位置の確認 ・実物投影機を用いて紙資料の拡大提示 ・TPCを使用して生徒の意見の集約、提示、検討

3年 公民

わたしたちの暮らしと現代社会

・ビデオなど映像資料を用いての導入 ・ウェブ検索を活用して必要な資料の収集を行う ・実物投影機を用いて紙資料の拡大提示 ・TPCを使用して生徒の意見の集約、提示、検討

人間を尊重する日本国憲法

・ビデオなど映像資料を用いての導入 ・ウェブ検索を活用して、必要な資料の収集 ・実物投影機を用いて紙資料の拡大提示 ・TPCを使用して生徒の意見の集約、提示、検討

わたしたちの暮らしと民主政治

・ビデオなど映像資料を用いての導入 ・ウェブ検索を活用して、必要な資料の収集 ・実物投影機を用いて紙資料の拡大提示 ・TPCを使用して生徒の意見の集約、提示、検討

わたしたちの暮らしと経済

・ビデオなど映像資料を用いての導入 ・ウェブ検索を活用して、必要な資料の収集 ・実物投影機を用いて紙資料の拡大提示 ・TPCを使用して生徒の意見の集約、提示、検討

安心して暮らせる社会

・ビデオなど映像資料を用いての導入 ・ウェブ検索を活用して、必要な資料の収集 ・実物投影機を用いて紙資料の拡大提示 ・TPCを使用して生徒の意見の集約、提示、検討

国際社会に生きるわたしたち

・ビデオなど映像資料を用いての導入 ・ウェブ検索を活用して、必要な資料の収集 ・実物投影機を用いて紙資料の拡大提示 ・TPCを使用して生徒の意見の集約、提示、検討

単元名 活用場面・活用機器

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英語 全単元

・新出単語の発音や本文の読み等を音声機器を使い聞いて発音する ・各単元に出てくる国や、その国の文化や習慣を調べる ・本文の場面を絵や写真を使って全体に提示する ・PresentationやDaily Sceneの単元では発表する様子を動画に記録し、振り返り、もう一度取り組ませる活動をする ・個々のヒアリング力向上に向けて、単元の終わりには個人毎にディクテイションを行う ・すきまの時間があるときは英単語や英文法ソフトを使って復習

1年 英語 Daily Scene 4

・簡単なホームページを作成する(PC)

2年 英語 Daily Scene 3

・ALTに実際にEメールを送る(PC)

1年 美術

オリエンテーション・全体の画像を鑑賞し、特徴的な部分を拡大して見る(PC、タブレット)

ミロのヴィーナス・全体の画像を鑑賞した後に逸話を調べる(PC、タブレット) ・想像した個々の作品を交流、鑑賞する(書画カメラ)

学校周辺風景画 ・気に入った風景を画像で記録する(タブレット)

2年 美術

オリエンテーション ・イラストレーターの経歴や現在の活動を調べる(タブレット)

学校周辺の風景画 ・気に入った風景を画像で記録する(タブレット)

ポスターの作成・過去の応募作品を調べる(タブレット) ・作成した個々の作品を交流、鑑賞する(書画カメラ)

東洋、西洋の宗教美術 ・好みの作品を探し、交流し合う(タブレット、アップルテレビ)

3年 美術

「ゲルニカ」は語る ・ピカソの作品やゲルニカのエピソードを学ぶ(タブレット)

学校周辺を丘の上から描く

・気に入った風景を画像で記録する(タブレット)

アイヌ文様を学ぶ・タブレットに自分で組み合わせた文様を描き、交流する(タブレット、アップルテレビ)

文化遺産・1人1つの世界遺産を調べ、まとめる(タブレット) ・まとめたことを皆の前で発表する(書画カメラ)

家庭 家族・家庭と子どもの成長

・乳児期~現在までいくつかの写真や思い出の品を用意してきて、エピソードと共に自分の成長を発表する。(タブレット・テレビ・実物投影機) ・幼児の体の発達について、資料映像や動画を見て理解を深める。(テレビ・タブレット) ・製作したおもちゃを発表し(対象年齢・遊び方・工夫した点等)、他の生徒におもちゃの評価をしてもらう。(タブレット・テレビ・実物投影機) ・様々な場面を提示し、どのように幼児と関わると良いか、グループで話し合う。(タブレット)

単元名 活用場面・活用機器

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家庭

食生活と自立

・食に関するアンケートを行い、自分の食生活について考える。(タブレット) ・五大栄養素や6つの基礎食品群をフラッシュ教材で確認する。(タブレット) ・アプリなどを使用し、摂取カロリーや食品群別摂取量を計算しながら、バランスの良い献立をたてる。(タブレット) ・調理器具の使い方や調理のポイントなどを提示する。(タブレット) ・日本の食文化や各地域の郷土料理など、写真や地域の特性も紹介しながら、説明する。(テレビ・PC)

衣生活・住生活と自立

・取扱い絵表示をフラッシュ教材で確認する。(タブレット) ・いろいろな繊維とその原料の拡大写真を提示して説明する。(テレビ・PC) ・ボタン付けや玉止めなどの手本を、実演を見せながら説明する。(テレビ・実物投影機)

身近な消費生活と環境・販売方法と支払方法、情報の収集と活用、悪質商法や消費者を支えるしくみなどについて事例を紹介しながら説明する。(テレビ・タブレット)

1年 保健

からだの発育・発達・スキャモンの発育、発達曲線の説明。(タブレット、テレビ) ・からだの各器官の発育・発達の様子の静止画による説明をする。(タブレット・テレビ)

呼吸器・循環器の発育・発達

・呼吸や循環器の仕組みを映像教材による説明。(タブレット、テレビ) ・呼吸器・循環器の発達には、どのような運動が効果的かをグループごとに考えさせる。(タブレット)

生殖機能の成熟・排卵から妊娠、出産までを映像教材で説明をする。(タブレット、テレビ)

異性の尊重と性情報への対処

・性情報の入手方法を匿名でのアンケート(タブレット・CCR) ・性衝動に対する男女や個人での考え方の違いについて、匿名でのアンケートによる比較をし、理解を深める。(タブレット・CCR)

知的機能と情意機能の発達

・様々な場面提示とアンケートで、複雑な感情に対する理解を深める。(タブレット・CCR)

社会性の発達と自己形成

・思春期に起こる心や考え方の変化についてアンケートを実施し、理解を深める。(タブレット・CCR)

心とからだのかかわり

・心身相関について、静止画・映像教材による説明。(タブレット・テレビ) ・様々な場面提示とアンケートで、心身相関について理解を深める。(タブレット・CCR)

欲求の発達・欲求不満への適切な対処方法について、グループで考え発表させる。(タブレット)

ストレスと心の発達・ストレスについてとストレスが心身へ及ぼす影響について、静止画や映像教材を使用して説明をする。(タブレット・テレビ)

単元名 活用場面・活用機器

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1年 保健

ストレスへの対処と心の健康

・ストレスへの適切な対処方法や不適切な対処方法とその理由について、グループで考えさせ、発表させる。(タブレット)

2年 保健

環境への適応能力・環境の変化に伴うからだの変化の資料提示や比較をする(タブレット・テレビ)

活動に適する環境 ・校内の様々な場所の照度を測定し、結果をまとめる(タブレット)

飲料水の衛生的管理・体内での水分のはたらきや出入り、浄水場の仕組みを映像教材で説明する。(テレビ・PC) ・奥尻町の水質基準検査の資料を確認する。(PC・テレビ)

室内の空気の衛生的管理

一酸化炭素中毒についての事例を紹介し、人体への影響と予防策を考える。(テレビ・タブレット)

生活に伴う廃棄物の衛生的管理

・家庭から出されたごみや生活排水が処理されるまでの流れを映像教材で説明する。(テレビ・PC)

環境保全とわたしたちの生活

・環境汚染を防ぎ、廃棄物を衛生的に管理するために、自分たちにできる取り組みを考え、発表する。(タブレット)

傷害の発生要因・事故や傷害が起きた事例を出題し、環境要因と人的要因を考え回答する。(タブレット)

交通事故の発生要因・自転車や自動車の特性について、映像教材を提示して説明する。(テレビ・PC)

交通事故の危険予測と回避

・交通安全教育動画を視聴する。(テレビ・PC) ・写真を見て、危険の予測と事故を回避する行動を考える。(タブレット)

犯罪被害の防止・街頭の写真を見て、犯罪被害の危険を予測し、それを回避する方法を考え、発表する。(タブレット)

自然災害の一次災害と二次災害

・災害の写真や映像を見て、災害の被害について理解する。(テレビ・タブレット)

自然災害による障害の防止

・総務省消防庁や気象庁の「防災マニュアル」等を利用し、災害時の行動について考える。(テレビ・PC)

応急手当の意義と方法・応急手当てによって命が救われた事例を紹介する。(テレビ・PC) ・心肺蘇生法の手順を示した資料を提示する。(テレビ)

3年 保健

健康の成り立ちと病気の発生要因

・主体要因と環境要因について、静止画等を用い例示する。(タブレット)

食生活と健康・アプリケーションを利用した食生活のチェックをする。(タブレット)

運動と健康・運動による心身への影響を例示したり、摂取カロリーと消費カロリーについてアプリケーションを利用してチェックをする。(タブレット)

休養・睡眠と健康・疲労の自覚症状についてアンケートを実施し、適切な対処方法をグループごとに考え、発表する。(タブレット・CCR) ・睡眠の周期を提示する。(タブレット・テレビ)

単元名 活用場面・活用機器

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3年 保健

生活習慣病の予防

・生活習慣病進行の仕方を映像教材やFlash教材で提示する。(タブレット・テレビ) ・アプリケーションを利用した適正体重や基礎代謝量の計算。(タブレット)

喫煙の害と健康・主流煙や副流煙、受動喫煙をFlash教材で説明をする。(タブレット・テレビ)

飲酒の害と健康 ・酔いのメカニズムをFlash教材で提示する。(タブレット・テレビ)

薬物乱用の害と健康・乱用薬物とその害について、映像教材や静止画教材で提示する。(タブレット・テレビ)

薬物乱用の社会への影響

・薬物乱用による社会生活への影響を映像教材で提示する。(タブレット・テレビ)

喫煙・飲酒・薬物乱用の要因と適切な対処

・喫煙や飲酒を勧められた時の断り方をグループごとにタブレットを用い、考えをまとめ、発表する。(タブレット・テレビ)

感染症と病原体 ・感染症の広がり方を映像教材で提示する。(タブレット・テレビ)

感染症と病原体 ・感染症の広がり方を映像教材で提示する。(タブレット・テレビ)

感染症の予防 ・感染症の予防方法を映像教材で提示する。(タブレット・テレビ)

性感染症の予防・性感染症の広がり方を静止画教材で提示する。(タブレット・テレビ)

エイズの予防・エイズの特徴や感染の広がり方を映像教材などで提示する。(タブレット・テレビ)

保健・医療機関の利用・医療機関、保健機関の役割を静止画などで提示する。(タブレット、書画カメラなど)

医薬品の利用 ・様々な種類の医薬品を提示する。(タブレット・テレビ)

個人の健康を守る社会の取り組み

・ヘルスプロモーションの考え方を提示する。(タブレット・テレビ)

体育

体つくり運動

・体と心の様子についてのアンケートや「新体力テスト」の結果をまとめ、自分の体や心の状態に気づく。(タブレット) ・教科書の運動を参考にしながら、自分の運動プログラムを作成する。(タブレット)

器械運動

・理想的なフォームの説明をする。(タブレット・テレビ) ・映像遅延装置やアプリを使用して自分のフォームを確認したり、模範となるフォームと比較する。(PC・タブレット) ・プロの演技を見て、器械運動の美しさやダイナミックさを感じさせる。(テレビ)

陸上競技

・理想的なフォームの説明をする。(タブレット・テレビ) ・映像遅延装置やアプリを使用して自分のフォームを確認したり、模範となるフォームと比較する。(PC・タブレット) ・記録をまとめ、自己の成長や技能のレベル(校内・全道・全国)を確認する。(タブレット)

単元名 活用場面・活用機器

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体育

水泳

・アプリを使用して自分のフォームを確認したり、模範となるフォームと比較する。(タブレット) ・理想の泳ぎ方や練習方法等について、映像や動画を自宅などで見て、予習復習を行なう。(タブレット)

球技

・理想的なフォームの説明をする。(タブレット・テレビ) ・作戦ボードアプリを用いて練習方法や戦術の説明をする。(タブレット・テレビ) ・動画比較アプリを用いたシュートフォームやパスフォームの確認。(タブレット) ・プロの動きからイメージをつかむ。(タブレット) ・映像遅延装置やアプリを使用したフォームの確認。(パソコンorタブレット・テレビ) ・チーム学習で、作戦ボードアプリを使用した作戦会議をする。(タブレット) ・ゲームの様子を動画に撮り、それをもとに戦術等について作戦会議をする。(タブレット) ・ルールや主な反則を試合の動画をもとに説明をする。(タブレット・テレビ)

武道

・効果的な投げ方や抑え方の説明をしたり、グループ学習で考えたりする。(タブレット) ・投げ技や固め技への応じ方を説明したり、グループで考えたりする。(タブレット・テレビ) ・自己の投げ方や抑え方を動画で確認する。(タブレット) ・技の連絡変化の動画を保存しておき、その中から自己に合った技を選択し練習をする。(タブレット) ・ルールや主な反則を試合の動画をもとに説明をする。(タブレット・テレビ)

ダンス

・基本的な動きや新しい動きを動画で説明をする。(タブレット・テレビ) ・グループ学習において、動きの動画をもとに振り付けを考える。(タブレット・テレビ) ・グループ学習において、グループ全体の動きを動画に撮って確認をする。(タブレット) ・フォークダンスにおいて、振り付けを動画で説明をする。(タブレット・テレビ) ・プロのダンス動画を見て、ダンスのイメージをつかむ。(タブレット・テレビ)

単元名 活用場面・活用機器

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【教科以外の活用について】

 本校では、総合的学習で地域起こしの取り組みとして、奥尻島の観光地で動画撮影を行い、編集して奥尻PR動画を作成し、奥尻観光協会のホームページに掲載した。この動画は北海道新聞の記事に掲載されたり、インターネット版のフジテレビの番組で取り上げられたりしている。

内 容

道徳

・個々の考えをタブレットPCに記入し、AppleTVや電子黒板で表示して、意見交流を行う(タブレット、AppleTV、液晶TV、電子黒板) ・NHK for schoolの道徳教材を視聴する(タブレット、液晶TV、PC) ・文部科学省「私たちの道徳」の電子書籍を生徒タブレットで閲覧して授業を行う(タブレット、液晶TV、ApppleTV)

特別活動

・生徒総会で議案書を電子書籍化する(タブレット) ・生徒会役員選挙で投票をタブレットで行う(タブレット) ・動画撮影を行って、活動の記録を行う(タブレット) ・入学式、卒業式の飾り付けや文化祭のポスター等のデザインをタブレット上で行い、色彩の配色を考える(タブレット、書画カメラ) ・合唱曲の練習用音源をNASに保存しておき、タブレットにダウンロードして各自がパート練習を行う。(タブレット) ・各種行事の動画や写真をNASに保管しておき、タブレットで編集や加工を行い、プレゼンや卒業アルバム作成の元データとする。(タブレット)

総合的学習

・地域について調べ学習を行う(タブレット) ・地域に関する情報をまとめ、プレゼンテーションを行う(タブレット、AppleTV) ・製作物の手順や操作方法を動画で視聴しながら作用を行う(タブレット) ・国際文化交流を行う(PC、タブレット)

その他 ・電子通信の発行(PC、タブレット) ・学級、学年レク(タブレット)

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(2)連携校等との取り組みについて ア. TV電話による交流学習・遠隔授業の試行的な取り組みについて  11月27日(金)・3月18日(金)に交流学習、3月3日(木)に遠隔授業の取り組みを行った。

【web会議システムとTV会議システムについて】  2点間をつなぐシステムにはweb会議とTV会議システムの2種類がある。その特徴を下記に示した。

名称 特徴

web会議システム

・PCやタブレット、スマートフォンで会議に参加できる。・CPUで画像、音声処理を行うので、品質はCPUの能力に依存する。・価格が安い(無料のものもある)。・画面共有が可能でモバイル対応できるので、離れた場所の中継ができる。・サーバー経由であり、上りと下りの速度が異なるため、画像と音声にずれを生じることがある。・エコーキャンセラーを内蔵していないので、拡声を行う場合には、外付けのエコーキャンセラー内蔵マイクなどが必要。・PC内蔵やタブレットの画角が狭いため、広角の外付けwebカメラが必要。・基本的に1対1の使用を前提としている。

TV会議システム

・専用の機器が必要である(H.323規格対応)が、処理能力が高いため安定した品質で会議ができる。・相手側にも対応するシステムがないと会議ができない。・価格が高い。・画像と音声の遅延がほとんどない。・エコーキャンセラー内蔵のため、他に機器は必要ない。

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 一般の公立小中学校において、2点間を結ぶ遠隔授業や交流授業を行う場合は、費用の面からweb会議システムを使用することが適切であると思われる。 【web会議システムの活用】  本校での交流のシステムは、無料であることと、他の無料システムよりも画像や音声の安定性がよいという専門誌の評価をもとに、appear-inというweb会議システムを採用した。  appear-inは、WebRTC技術が採用されているシステムである。

※WebRTC(リアルタイムコミュニケーション)・・JavaScriptAPIとHTML5

を活用したもの。

【11月27日(金) 沖縄県の中学校との生徒会交流学習】  沖縄県宮古島の下地中学校と、生徒会活動の交流、島の地域性の交流、緯度の違いによる太陽高度の違い等の交流を行った。

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【3月3日(木) 連携校(附属中)との英語授業交流(遠隔授業)】  北海道教育大学附属函館中学校の平石教官の英語授業に本校1年生が参加し、遠隔授業を行った。

【3月18日(金)宮古島市立下地中学校・奥尻町立青苗中学校との授業交流】  沖縄県宮古島市立下地中学校、奥尻町立青苗中学校と理科の授業における遠隔授業を行った。当初の予定では、奥尻中学校も参加しての3校合同の遠隔授業とする予定であったが、奥尻中学校がインフルエンザによる学校閉鎖となったため、下地中学校と青苗中学校の授業を行う形となった。  なお、授業を行う担当者もインフルエンザに罹患していたため、自宅からインターネットに接続し、授業を行った。

 

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[機器に関する課題] 下地中学校との交流授業で使用した機器は下記である。

 交流開始時、PCのマイクを使用していたため、音声はときどき聞こえにくかったり、こちらの音声が途切れるなどのトラブルがあった。そこで、放送室で使用せている指向性マイクを接続して一人一人がマイクに向かってゆっくり発言すると、状況は改善された。交流において、音声機器は大変重要である。  また、パソコン付属のwebカメラの画角と解像度の問題がある。  パソコン付属のwebカメラの画角を右写真に示した。付属カメラで写るのは、横並びになった生徒3人程度の幅までで、肩を寄せ合いながら写らなければならなかった。  また、PCのカメラがTVの下にあるため、会話中、相手と目線をあわせることができずに不自然であった。

機器 用途

液晶テレビ 画面の拡大表示とスピーカーの役割

ノートPC システムに接続するためのPCとして使用。附属のWEBカメラ利用。 HD解像度(720P)対応カメラ / 有効画素数92万画素

マイク ピンジャックで指向性マイク(放送室のもの)を使用。

HDMIケーブル ノートPCと液晶テレビの接続用。

HUB 有線LANケーブルの延長に利用。

LANケーブル 回線の速度を保つために無線ではなく、LANケーブルでPCに接続。

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PCの位置

TV画面を見る為、上向きの目線で写る

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 下地中との交流での課題を改善するため、附属函館中との交流では、市販のwebカメラを使用した。

  広角のwebカメラ使用により、画質、画角は劇的に向上した(右写真参照)。

 また、カメラの位置を液晶テレビの上部に固定したため、目線の位置は極めて自然な状態となった。  これらのことから、交流授業では、外付けのwebカメラを使用するのが望ましい。

 マイクについては、webカメラ付属の無指向性マイクは使い勝手はよいが、大きな声で話をしなければ相手先に聞こえないようであり、web会議専用のマイクを準備することが望ましい。

機器 用途液晶テレビ 画面の拡大表示とスピーカーの役割

ノートPC システムに接続するためのPCとして使用。

Webカメラ 300万画素、無指向性マイクつきの広角webカメラ(2000円程度)

HDMIケーブル ノートPCと液晶テレビの接続用。LANケーブル 回線の速度を保つために無線ではなく、LANケーブルでPCに接続。

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 相手校(附属函館中)の使用機器を下表に示した。

   上記のシステム使用の場合、スピーカーから聞こえて来る相手先の声にエコーがかかってしまっていた。これは、附属中がタブレット2台、PCという複数の接続を行っており、教員用のBluetoothマイクでひろった声を別のマイクが拾っているからであるものと考えられる。この問題は、英語授業の場合、致命的である。英語の発音が聞き取れず、何度も授業がストップした。したがって、音声を主とする授業においては、エコーキャンセル機能がついているマイクを使用した方がよい。  また、教師だけがホスト校として参加する授業の場合、web会議システムの特性を十分に生かせることから、カメラ付きのノートPC1台で十分に授業をすることができる。ただし、相手校生徒は、音声が若干聞き取りにくいようである。

[Appear-inの機能の有効性]  学校紹介では画像共有の機能を使用した。この機能は相手先の画面に直接、資料を提示できるため、発表交流には有効である。  音声については、数点の改良すべき点があるが、教科や単元によっては、教育上、有効な授業を展開することのできる可能性がある。

[生徒のようす]  他校の生徒との交流は、双方の生徒にとって大変楽しいようである。特に、遠方(北海道と沖縄)との交流では、南北で大きく緯度が異なることから、太陽の高度の違いを実感したり、食文化の違い、教室や学校設備の環境の違いなどを交流できるため、大変有意義である。  附属函館中との遠隔授業では、担当教官の英語授業は大変テンポよく、本校生徒は意欲的に授業に参加していた。  小規模校の立場から考えると、他校の生徒との交流は新たな刺激であり、学習意欲の喚起等の効果が期待できる。

機器 用途プロジェクター 教師の授業用プレゼン資料の提示用。

液晶テレビ 奥尻中学校を表示する画面用。ノートPC システムに接続するためのPCとして使用。

Webカメラ 生徒向き固定カメラ、教師向き固定カメラタブレット 生徒の様子を撮影用の移動式カメラ

マイク 教師用Bluetooh無線マイク、生徒向け無指向性マイクケーブル類 HDMI、LANなど

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[交流授業・遠隔授業を終えての考察]  交流授業・遠隔授業に関する利点と課題に分けて、下記にまとめた。

 現在のシステム(web会議)での交流授業は課題が多い。以下、それらの課題について考察する。

■教科の特性について  web会議システムは、専門の機器を使用するわけではないため、ライブの動きに対して、映像や音声に遅延が生じる。その遅延の具合は、映像の場合、約0.5秒にも満たないものであるが、ライブの授業においては大きな障害となりえる。  例えば、音声での授業を主体とする英語、音楽などの授業においては、授業のテンポが悪くなったり、大事なキーワードが聞こえないなど大きく影響を受ける。  そのため、授業のテンポが比較的ゆっくりで、じっくりと考察できる授業が向いているものと考えられる。現時点では、総合的学習、道徳、特別活動、国語、数学の活用問題、理科実験における考察、美術における鑑賞などであろう。

■音声と映像の不具合について  前述したが、複数のマイクを使用したweb会議では、エコーがかかって音声が聞き取りづらい。

項目 利点コミュニケーション能力の育成

・違う地域の同年代と1対1でのコミュニケーションをとることは、教育的な価値のある体験となりうる。

項目 課題

教科の特性との相性について

・英語特有の授業のテンポがシステムの遅延により失われて残念であった。教科の特性が失われてまで遠隔を行う必要性はない。 ・リアルタイムでのコミュニケーションでなくてはならない遠隔授業とはどういうものなのか、教科の特性を生かした授業のスタイル等について研究が必要である。

音声と映像の不具合について

・音声と映像の問題(画角、エコー、ハウリング等)は、周辺機器などの工夫が必要である。 ・現時点での通信技術では集団対集団でのリアルタイムでのコミュニケーションは時間を要するだけでなく、音声の聞き取りにくさなど、妨げとなる要因が多く、効果的ではない。

遠隔授業の教育効果と準備の手間について

・教育効果対労働を考えると、リアルタイムでのコミュニケーションではなく、サテライト授業やビデオ学習、または、専門性のある先生1人対奥尻中の生徒の方が効果的ではないだろうか。

両校の負担について

・目的をただ、遠隔をするだけいいのならこのままでいいのだが、より両校にとってプラスとならなければならない。

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 音声の不具合は交流授業の成立を阻害する最も大きな要因である。したがって、下図のようなweb会議専用のマイク(エコーキャンセル機能つき)を用意することが望ましい。   ■遠隔授業の教育効果と準備の手間について  遠隔授業には、生徒が異質な文化に触れることにより、コミュニケーション能力が育成されたり、学習意欲が刺激されたりするよさがある。  しかし、そのような効果は遠隔授業だけに限ったものではない。今回の附属中ー奥尻中の遠隔授業のように、授業をする側(ホスト校)と授業を受ける側(クライアント校)という関係の授業では、ホスト校の負担が大変大きい。それに加え、その苦労に見合うだけの教育効果(生徒の理解度の向上など)は実感として得られていない。  したがって、教科の授業の理解度を高めるという目的ならば、リアルタイムの遠隔授業は不適であるものと思われる。理解度を高めるには、録画しておいたビデオを視聴して、それに関してリアルタイムで質疑応答をするような反転授業であったり、ホスト校の教師が実際にクライアント校に出向いて、現場で授業を行ったりする方が効果的であろう。

■両校の負担について  附属中-奥尻中の遠隔授業について考察すると、奥尻中学校のような小規模校ではカリキュラムの編成等で授業進度や教育課程をフレキシブルに変更できるが、附属中のような中規模校以上の学校は複数の教科担任、学年団の計画、計画的な教育課程などの様々な制約があり、授業進度を揃えて遠隔授業を行うことは困難でああった。また、ホスト校の負担が大きく、綿密な授業計画を立案することは難しい。  一方、沖縄の下地中学校や青苗中学校との交流授業のように、ある程度より小規模の中学校どうしでのやりとりは、比較的フレキシブルに行うことができる。また、教科における発展的・活用的な課題、特別活動、異なる地域との交流は、WEB会議システムとは相性がよい。

■相手校探し・提携専門機関探しについて  当初、計画していた連携校は「北海道教育大学附属函館中学校」のみであった。今年度は、担当者個人が相手校を自ら探し出して、交流授業を実施した。また、連携できそうな大学などの専門機関探しも担当者個人が行っている。  今後、交流授業・遠隔授業をすすめると考えた時、交流授業の相手校をどのように探すのか、提携の専門機関をどのように探すのかについて、何らかのシステム(学校機関のみが接続できる相手校探しのネット掲示板や、お見合いシステムのようなもの)が開発されてくることを願いたい。

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イ. タブレットPCを利用する際に必要とされる情報モラル教育の取り組みについて  情報モラル教育を進め4つのステップを下記に示した(平成23年3月発行、国立教育政策研究所「情報モラル教育実践ガイダンス」より)。

 奥尻中学校では現在、STEP1~2の段階を進めている。なお、平成28年4月の開始に向け、情報モラル教育の年間指導計画を作成中である。

分野 指導事項 指導教科 指導可能教科

心を磨く領域

情報社会の倫理

情報化社会における自分の責任や義務について考え、行動する。

保体・技 (保体・技・特活)

社・英・道

個人の権利(人格権、肖像権など)を尊重する。

社・美・技(技)

理・英・道 特活

著作権などの知的財産権を尊重する。国・音・美・技 (国・技) 社・理・英

法の遵守

違法な行為は何かを知り。違法だとわかった行動は絶対に行わない。

技(保体・技・特活) 英・社・道

情報の保護や取り扱いに関する基本的なルールや法律の内容を知る。 技(技・特活) 社・理・英・道

契約の基本的な考え方を知り、それに伴う責任を理解する。 社・家 社

知恵を磨く領域

公共的なネットワーク社会の構築

ネットワークの公共性を意識して行動する。 技(数・特活) 社・道・英

安全への配慮

安全性の面から、情報社会の特性を理解する。 技 社・英

トラブルに遭遇した時、主体的に解決する方法を知る。 家(社) 技・英

情報の信頼性を吟味できる。 (数・理・保) 国・社・技・英

自他の情報の安全な取り扱いに関して、正しい知識を持って行動できる。 技(数) 英・家

健康の面に配慮した、情報メディアとの関わり方を意識し、行動できる。 保(保・技) 英・道・特活

自他の安全面に配慮した、情報メディアとの関わり方を意識し、行動できる。 技(保) 英・道

情報セキュリティ

情報セキュリティーの基礎的な知識を身につける。 技 英

基礎的なセキュリティ対策が立てられる (技) 英

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STEP1 子ども達の実態把握や整理

STEP2 年間指導計画の

作成

STEP3 指導方法の検討

STEP4 実際の指導と 評価

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5 今後の方針

(1)タブレットPCの円滑な導入・活用のための工夫について 【教職員研修方針】 ・「授業規律の確立」「授業力の向上」を目指し、効果的、効率的な研修体制(ICT機器利用・教科の専門性)を整備する。 ・ICT機器のトラブルに対処できる人材を育成する。 ・それぞれの教職員のスキルを上げながら、学校全体としてICT機器の第3ステップの活用(協働的な学習、交流学習、遠隔授業)の実施に関するノウハウを蓄積する。

【年次更新作業予定】 ・端末は持ち上がらず、新たに配布しなおす生徒番号で利用する。 ・端末に残っているデータ類(写真・作品など)はNASに一時的に保管する。 ・新規導入したアプリは一旦削除し、改めてインストールを行う。

【活用計画】 ・学校予算で、iTunesカードを複数枚購入し、教師用タブレットにアプリをインストールし、一斉型授業での導入をさらに推進する。 ・生徒用タブレットでは、基本的に無料のアプリを導入し、個別学習に対応する。 ・修学旅行、宿泊学習などの旅行的行事で持参し、地元での記録、調べ学習、研修報告書の作成を行う。 ・家庭への持ち帰りによる学習の効果を検証する。 ・webサーバーを設置し、ファイル共有の簡便化、授業での活用推進をはかる。 ・クラウド型のアプリの活用(チームコンピューティング)を取り入れ、学校内での同時製作作業、他校との作品の協働製作などの取り組みを試行的に行う。

【その他】 ・実践事例の蓄積を行い、ICT機器の効果的な活用方法を分類、整理する。 ・特別支援学級での積極的な活用を推進、研究する。 ・学校内の教職員で組織する特別委員会(情報委員会)の役割を明確にし、作業の効率化を進める。 ・生徒内にICT委員を組織し、機器操作等の習熟をはかる。 ・情報モラル教育についての具体的な年間計画の指導に関する事例の蓄積をすすめる。

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(2)次年度の利用に関する年間計画について

※交流授業、遠隔授業は、今後、専門機関(大学など)や他地域の学校と調整がつき次第、追加していく予定である。

月 ICT機器を利用した授業に関して

教職員研修に 関して

タブレットの活用 に関して

交流学習 遠隔授業

4 授業での活用実践 授業研修 ICT活用研修

全校道徳(活用開始) 情報モラル研修 電子通信の発行 持ち帰り学習 学校レクでの活用

5 授業での活用実践 授業研修 ICT活用研修

電子通信の発行 持ち帰り学習 生徒総会での活用

6 授業での活用実践公開研究会の実施 授業研修 ICT活用研修

電子通信の発行 持ち帰り学習

附属函館中との交流授業

7 授業での活用実践 授業研修 ICT活用研修

電子通信の発行 持ち帰り学習 長期休業中学習活用

8 授業での活用実践電子通信の発行 持ち帰り学習 長期休業中学習活用

9 授業での活用実践 授業研修 ICT活用研修

電子通信の発行 持ち帰り学習 修学旅行での活用 宿泊研修での活用 遠足での活用

10 授業での活用実践 授業研修 ICT活用研修

電子通信の発行 持ち帰り学習 生徒会選挙での活用

11 授業での活用実践公開研究会の実施 授業研修 ICT活用研修

電子通信の発行 持ち帰り学習 生徒総会での活用

附属函館中との交流授業 北海道大学教育学研究院の遠隔授業

12 授業での活用実践 授業研修 ICT活用研修

電子通信の発行 持ち帰り学習 学校レクでの活用

北海道大学教育学研究院の遠隔授業

1 授業での活用実践授業研修 ICT活用研修

電子通信の発行 持ち帰り学習

北海道大学教育学研究院の遠隔授業

2 授業での活用実践 実践ノウハウの整理 研修の振り返り

電子通信の発行 持ち帰り学習 交流学習ノウハウまとめ

3 授業での活用実践 実践ノウハウまとめ 研修のまとめ

電子通信の発行 持ち帰り学習 交流学習ノウハウまとめ

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平成27年度 ICT活用教育促進事業報告書

学校名:奥尻町立奥尻中学校  住所 〒043-1401 北海道奥尻群奥尻町奥尻40  電話 (01397)2-2037 FAX(01397)2-2062

発行日:平成28年3月25日