io tプロジェクトに関する考察20161108

54
2016.11.08 IoTプロジェクトの取組みと考察 ~これからIoTに取り組むみなさまへ~ 株式会社フロンティアワン 鍋野敬一郎 [email protected]

Upload: keiichiro-nabeno

Post on 21-Apr-2017

1.899 views

Category:

Business


1 download

TRANSCRIPT

Page 1: Io tプロジェクトに関する考察20161108

2016.11.08

IoTプロジェクトの取組みと考察 ~これからIoTに取り組むみなさまへ~

株式会社フロンティアワン 鍋野敬一郎 [email protected]

Page 2: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 2

IoT未来社会2020 : 「自動運転車の実用化」 「医療IoTの実現」 短期的

【3年後のIoT】センサーとデバイスがネットワークにつながって価値を生む モノ(製品)とコト(サービス)をユーザーに提供する。モノからのデータを収集して、この情報を活用したサービスを提供する。モノの情報を「見える化」して、これが新しい価値を生む仕組みを構築する。IoT時代に対応した業務の見直し、新しい製品/サービスの検討、新しいビジネスモデルへの取組み。

医療はIoT活用が期待されている領域です。レントゲンやCT/MRIなど、画像検査や医療機器の発展が期待されます。 検査機器や医療データがネットとつながり、AIやビッグデータで迅速かつ正確な病気の早期発見が可能となり、患者それぞれに対応した医療サービスが提供される IoTを活用した新しい医療サービスが受けられる。検査技術の向上や遠隔医療が可能となる。ヘルスケアIoTの実現

自動車は、IoT活用が最も先行する業界として、自動運転やAI技術などが取り入れられる。 GPSによる位置情報把握、道路状況による渋滞回避、運転アシスト機能による操作性の向上、カーシェアリング(ライドシェア)などによる多様なサービスの提供 クルマがネットにつながる。クルマとヒトがつながる。安全性や利便性が大きく進化する。コネクテッドカーの実現化

Page 3: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 3

IoT未来社会2022 : 「自動車をオーダーメイド」 「ネットで遠隔診察」 中期的

【5年後のIoT】つながることが目的ではない、時間と距離をゼロに近づける モノ(製品)とコト(サービス)が、デジタルでリアルタイム・双方向ダイレクトに得られる仕組み。従来の業務プロセス、仲介処理、手間と時間を省ける。 アウトカム(成果)を、欲しい時に必要なだけ直ぐに入手できる。 待ち時間なく、ムダなく、リーズナブルに欲しい製品/サービスが提供される。

臨床医の仕事は「診察して処置や投薬すること」ですが、 患者にとって待ち時間が多い病院へ行くのは手間が掛かる。 診察や検査などを、ネットで受診する。検査データをAIやビッグデータで解析、その診断より、リモートやセルフサービスで処置。風邪などは、これで治療や処方薬が受けられる。 患者は、職場や自宅でかかりつけ医からいつでも診察を受けることが可能となる。コネクトヘルスケアの実現

自動車は好きなデザイン、好みの仕様をオーダーメイドで作ることができる。自分のブランドをつけて売ることもできる。 スーツをイージーオーダーするのと同じように、自動車をネットからオーダーメイドで作れる。修理パーツや消耗品は、在庫が無ければ3Dプリンタで造成する。リードタイムゼロ カスタマイズ仕様。最寄りの工場で、パーツを手軽に作って手に入れることができる。スマートファクトリーの実現化

Page 4: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 4

IoT未来社会2027 : 「誰でも自動車メーカー」 「オーダーメイド医療」 長期的

【10年後のIoT】つながることで企業と個人の関係が変わる。エコシステム モノ(製品)とコト(サービス)が、ボーダレスとなっていく。企業は供給サイド、個人は需要サイドという関係が変わる。個人が自分でデザインした製品(モノ)を、企業が製造・販売する。モノから集めたデータを個人や企業が利用して、新しいサービス(コト)が次々生まれる。デジタルエコノミーが社会を革新する。

患者と医者がつながるコネクトヘルスケアがさらに普及する。 高度医療サービスを誰でも手軽に得られる時代になる。 患者ひとりひとりの病状に合わせた、オーダーメイドの薬や専用の医療機器を開発生産して入手することが可能となる。全ての医療を患者が自由に選べる時代となる。 モノ(薬、機器)を患者に合わせて生産、コト(診察、処置)と一緒に提供できる。オーダーメイド医療の実現

自動車は好きなデザイン、好みの仕様をフルオーダーメイドで作ることができる。自分のブランドをつけて売ることができる。 個人がデザインした自動車をロットサイズ1から生産できる。自動車がアパレルのように、セレクトショップで販売やシェアリングできる。あらゆるデータから新しいサービスが生まれる。 モノとコトの両方が商品となって、経済活動を活性化する。デジタルが、ビジネスを拡大。サイバー・フィジカル経済の登場

Page 5: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 5

IoTの目的は、モノにセンサーをつけてつなげることではない。 中長期ビジョン

IoTの導入効果とは: “時間と距離”をゼロに近づける”ことで、ユーザーにメリット(価値)を提供するサービス

診察や検査などを、ネットで受診する。検査データをAIやビッグデータで解析、その診断より、リモートやセルフサービスで処置。風邪などは、これで治療や処方薬が受けられる。 時間→待ち時間ゼロ、いつでも診察や検査が受けられる 軽い症状なら、かかりつけ医とネットで診察、処置法を聞ける 距離→移動距離ゼロ、どこからでも診察・検査・治療可能 職場や自宅で受診することができる。オーダーメイド医療

スーツをイージーオーダーするのと同じように、自動車をネットからオーダーメイドで作れる。修理パーツや消耗品は、在庫が無ければ3Dプリンタで造成できる。リードタイムゼロ 時間→オーダーメイド(マスカスタマイズ生産) 欲しい自動車をいつでもオーダーできる。生産進捗がわかる。 距離→3Dプリンタでどこでも製造(ロケーションフリー) パーツは欲しいときにネットでデータをダウンロードして作る。

つなぐだけ(時間と距離をゼロに近づける)では、IoT導入効果低い 中期的IoT導入効果 → IoTデータの活用・サービス化して保守運用で稼ぐ 長期的IoT導入効果 → ONLY ONEで他社と差別化、エコシステム構築

Page 6: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 6

Agenda:

IoT取組み方 :IVIの取組み、IoTプロジェクト実践編

IoT基盤検討 :IoT基盤の選定、マルチ対応でリスク回避

2

3

IoTトレンド :IoT市場動向とIoT取組み状況 1

“It's really hard to design products by focus groups. A lot of times, people don't know what they want until you show it to them. ” by Steven Paul Jobs

IoT実用化 :IoT活用によるビジネスモデルと成長戦略 4

Page 7: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 7

Agenda:

IoT取組み方 :IVIの取組み、IoTプロジェクト実践編

IoT基盤検討 :IoT基盤の選定、マルチ対応でリスク回避

2

3

IoTトレンド :IoT市場動向とIoT取組み状況 1

“It's really hard to design products by focus groups. A lot of times, people don't know what they want until you show it to them. ” by Steven Paul Jobs

IoT実用化 :IoT活用によるビジネスモデルと成長戦略 4

Page 8: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 8

IoTとは、 : CPS/デジタルツイン

【IoTとは】 一意に識別可能な「モノ」が、インターネット/クラウドに接続され、 情報交換することにより相互に制御する仕組み。フィジカル(現実)とサイバー(コンピュータ空間)がリアルタイム双方向につながる。

出所:経済産業省、産業構造審議会 商務流通情報分科会 情報経済省委員会情報経済小委員会 中間取りまとめ報告書についてより) http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/shojo/johokeizai/report_001.html

Page 9: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 9

IoTの考え方 : これまでの製造業と、IoT企業の違い

IoT製造業は、 製品+サービスを提供して、データを活用した持続的な収益を得ることができる。

モノ コト

サービス提供 企業

サービス システム

データ

データ 収益

収益 サービス 収益 製品

生産の現場

消費の現場

製品 データの 蓄積

これまでの 製造業

出所:日本経済新聞2015年7月10日25面 法政大学 西岡靖之教授寄稿より

IoT企業(製造+サービス)

【IoTによる新しい収益モデル】 サービス提供によるビジネスモデルを追加 デジタル・トランスフォーメーション(デジタル革新)によって、製品提供による収益にIoTデータを活用したサービス提供による収益が上乗せされる。収益力強化

Page 10: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 10

成功するIoTと失敗するIoTは何が違うのか?

IoTを使っただけの企業 “モノ+コト”で成果を出す企業 “モノ(製品)+コト(サービス)”にこだわりをもつ企業 デジタル化とIoTデータのアウトカムにこだわる サービス化を意識した取組み IoTデータの収集/蓄積・解析/活用を追求 デジタルとアナログ、競争と協調の境界線 (デジタル・アウトカムとデジタル化のリスクを意識した取り組みを行っている。IoTは成果を得る手段)

ユニークなモデル、ソフトウェアでサービス提供 監視、保守運用、制御のソリューション ソフトを使い分ける、適切なプラットフォームを選定 サービス提供による新しいビジネスモデル開発

オープン・イノベーション戦略、プラットフォーム戦略 オープン・イノベーション戦略、エコシステム構築 プラットフォームが要となる、スピード&柔軟性重視 デジタル・アウトカム(成果)が業績に貢献する

IoT“モノ+コト”でビジネスを革新するサービス化が成功の鍵となる

明確な目的・ビジョンがなく、IoTに取り組む企業 センサ・デバイスなど仕組みありきで考えている IoTという仕組みから考えている 短期的目的はあるが、中長期なビジョンがない 失敗を嫌う、チャレンジャーになれない (自らが何をすべきなのか、目指すべき目的・ ビジョンが曖昧なままIoTに取り組んでいる。)

他社事例を気にするが、モデルを見抜けない 先行事例の表面しか見ていない 新しいビジネスモデルや本質が見抜けない その結果、IoT導入効果が一過性となる

自前主義、ガラパゴス化に偏りやすい 従来型の自前主義戦略でIoTに取り組む スピードが遅い、柔軟性に欠ける(ガラパゴス) 内容が独善的、硬直化して行き詰まる

Page 11: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 11

IoTプロジェクトが失敗する理由 : 対応できる企業とできない企業

IoTの取組みが難しい理由: -技術的な理由:IoT技術がまだ未成熟で、誰でも簡単に利用できる状況ではない。 -習熟度の問題:IoT(モノ+コト)に精通した経験豊かな人材が少ない。 -総体的な取組:企画、PoC/商用化、生産、サービスなど総体的に長けたプレイヤーがいない -組織的な課題:IoTに取り組めるヒト・モノ・カネが揃わない。どう揃えたら良いのか分からない。

IoTプロジェクトが失敗する理由: -PoCのやり方が分からない:計画が策定できない、人材が居ない、体制が組めない。 -PoCから実用化/商用化へ進めない:目的がない、ビジネスモデルが違う、投資回収できない。 -PoCでストップ:他社と似たような内容となって、経営層からの支持・承認が得られない。 -PoCが大失敗:自社の強み、独自性を生かせない。頓挫してしまった。

IoTを実用化/商用化する解決策: -既存事業とバッティング: 事業ポートフォリオの再編を決断する -コンペが先行している: 単独では勝てない。オープン・イノベーションに取組む -市場に浸透しない遅い: 自前主義からの脱却。パートナーアライアンス戦略、エコシステム -ビジネスモデルが合わない: 新しいビジネスモデルを作る。古いビジネスモデルを捨てる。

Page 12: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 12

Agenda:

IoT取組み方 :IVIの取組み、IoTプロジェクト実践編

IoT基盤検討 :IoT基盤の選定、マルチ対応でリスク回避

2

3

IoTトレンド :IoT市場動向とIoT取組み状況 1

“It's really hard to design products by focus groups. A lot of times, people don't know what they want until you show it to them. ” by Steven Paul Jobs

IoT実用化 :IoT活用によるビジネスモデルと成長戦略 4

Page 13: Io tプロジェクトに関する考察20161108

Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative

IVIとは

「人・現場主体」で日本の製造業の高度化を目指す 企業の垣根をこえて人と人がつながる「場」を提供 URL https://iv-i.org/ ■2015年6月設立(2016年6月から一般社団) ■理事長 西岡靖之(法政大学) ■会員 501名(2016年9月20日現在) 正会員:大企業 70社、中小企業 41社 サポート会員:56社、学術会員:17名、 賛助会員:13団体 ■コンセプト ゆるやかな標準 アナログとデジタル 協調領域と競争領域

西岡理事長

13

Page 14: Io tプロジェクトに関する考察20161108

Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative

IVIの特徴 「つながる工場」

IVIがめざす姿は、IoT時代において、ものづくりの現場単位で「つながる工場」です。デジタルデータによってつながることで、業務連携におけるムリ、ムラ、ムダをなくします。自動化と同時にひとの能力を活かすことで、でスマートなバリューチェーンが構成されます。

「ゆるやかな標準」 これまでの標準化では、つながるために、自社の得意な部分を共通化しなければなりませんでした。IVIが提案する「ゆるやかな標準」は、連携のための接続仕様をローカルから徐々に変更できるので、競争領域での自社の強みを保つことができます。

付加価値のシフト (メガトレンド)

要素技術 つながる技術

製品 サービス

データ ソフト ハード

IoTはモノがデジタルでつながった状態

14

Page 15: Io tプロジェクトに関する考察20161108

Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative 15

Page 16: Io tプロジェクトに関する考察20161108

Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative

業務シナリオ連携WG (2016年度10月現在) WG番号 カテゴリ テーマ 参加企業

1 2A01 生産技術 工程情報と製造ノウハウのデジタル化 ブラザー工業、オークマなど

2 2A02 生産技術 設計・生産準備情報連携による設計変更業務と生産準備業務の連携・効率化 富士通、ソニーGM&Oなど

3 2B01 ロボット活用 CPSによるロボットプログラム資産の有効活用 安川電機、三菱電機など

4 2C01 工程管理 人・物のリアルタイムなデータ収集によるタイムリーな生産計画変更 CKD、横河電機など

5 2C02 工程管理 安価に実現するモノの位置管理システム ヤマザキマザック、日本精工など

6 2D02 工程管理 先端IoTを活用した変種変量生産における作業者支援 コニカミノルタ、富士フィルムなど

7 2E01A 品質管理 品質データのトレーサビリティ いすゞ自動車、アンリツなど

8 2E01B 品質管理 品質データのトレーサビリティ 矢崎部品、十和田エレクトロニクスなど

9 2F01 在庫管理 標準I/FによるサプライチェーンのCPS実現 日本電気、キヤノンITソリューションなど

10 2F02 在庫管理 標準I/FによるサプライチェーンのCPS実現(出荷物流) 東芝、日本精工、東芝ロジスティクスなど

11 2G01 調達管理 工程情報の共有と企業間連携 小島プレス工業、富士通など

12 2G02 調達管理 複数工場間での工程進捗と納期管理 富士通、三井造船、三菱重工など

13 2H01 中小企業 中小企業の水平連携における技術情報の伝達と共有 由紀精密、今野製作所など

14 2H02 中小企業 中小企業の水平連携と進捗の見える化 エー・アイ・エス、西川精機製作所など

15 2H03 中小企業 町工場の工程お知らせサービス 伊豆技研工業、DTS、インテックなど

16 2K01 予知保全 プレス機とパネル搬送装置における予知保全 オムロン、CKD、三菱電機など

17 2K02 予知保全 エコな予知保全データ活用ビジネス 東芝、CKDなど

18 2K03 予知保全 突発的な設備故障に対する安価な予兆システム ダイフク、トヨタ車体など

19 2L01-1 設備管理 設備稼働データによる保守/保全の効率化 東芝、三菱電機、中村留精密など

20 2L01-2 設備管理 保全ナレッジ活用による保守/保全の効率化 電通国際情報サービス、オークマ、新東工業など

21 2L04 設備管理 人と設備の見える化による生産性向上 神戸製鋼所、マツダなど

22 2L05 設備管理 企業間の生産情報共有による生産リソースの相互融通 日立製作所、ニコン、産総研、三菱電機など

23 2M01 保守サービス 自社製品販売後の付加価値向上WG 日本電気、大竹製麺機、中村留精密など

16

Page 17: Io tプロジェクトに関する考察20161108

Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative

参考:IoTで人と設備が協働して成長する IVIの各ワーキング・グループの取り組み (2016年度活動内容より) WG2J01:人と設備が共に成長する工場ものづくり改革 ファシリテーター:トヨタ自動車 実証実験工場:オムロン、ジェイテクト URL https://iv-i.org/docs/doc_161013_b11_2J01.pdf

Page 18: Io tプロジェクトに関する考察20161108

Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative

参考:IoTで企業間・工場間で連携してムダがない IVIの各ワーキング・グループの取り組み (2016年度活動内容より) WG2G01:工程情報の共有と企業間連携 ファシリテーター:小島プレス工業 実証実験工場:小島プレス工業黒笹技術センター、丸和電子化学 URL https://iv-i.org/docs/doc_161013_a09_2G01.pdf

Page 19: Io tプロジェクトに関する考察20161108

Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative

IVIにおける活動の流れ

コンセプト

現状の問題 解決手段 目指す姿

シナリオ

場面 役者 活動

モデル

操作 情報 モノ

データ

属性 キー 関係

フェーズ1 フェーズ2 フェーズ3 フェーズ4

業務シナリオWG

ゆるやかな標準WG

19

Page 20: Io tプロジェクトに関する考察20161108

Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative

IVIの考え方 : IoTによって変わること?

故障?

定期点検

故障発見

修理依頼

修理報告

これまでのやり方(AS-IS)だと、

20

Page 21: Io tプロジェクトに関する考察20161108

Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative

IVIの考え方 : IoTによって変わること?

IoTデバイス

故障?

定期点検

故障発見

修理依頼

修理報告

IoTを使った、これからのやり方(TO-BE)では、

モノ(IoTデータ)

コト(IoTデータ)

コト(IoTデータ)

21

Page 22: Io tプロジェクトに関する考察20161108

Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative

IVIは何をするのか?

それぞれの企業において・・・

境界の再定義

デジタルとアナログの境界

競争領域と協調領域の境界

IoTの世界、CPSの世界 第4次産業革命!?

つながるしくみの 再構築 ※CPS:Cyber Physical System

サイバーフィジカルシステムとは、サイバー(コンピュータ空間)とフィジカル(現実世界)がネットワークでつながって、相互に連携する仕組み。

22

Page 23: Io tプロジェクトに関する考察20161108

Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative

IVIの目指すゴール

大手製造業 中小製造業

海外拠点

中堅製造業

国内拠点 九州地域

東北地域

ユーザ 消費者

装置のトレーサビリティ

情報のトレーサビリティ

製品(ワーク)のトレーサビリティ

技術(知財)のトレーサビリティ

競争領域と協調領域の境界再定義

デジタルとアナログの境界再定義

製造ラインをパーツとして再構成する

リアルとバーチャルの融合で新たな需要

の創出

23

Page 24: Io tプロジェクトに関する考察20161108

Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative

標準仕様 業務 システムB

業務 システムA

参照(リファレンス)

業務 システムB

業務 システムA

接続仕様

接続仕様に合わせる

接続仕様を合わせる

ゆるやかな標準

24

Page 25: Io tプロジェクトに関する考察20161108

Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative

リファレンスモデルを作る!

① 業務シナリオの定義/見直し

② リファレンスモデルの定義

各担当の活動の再定義 利用する情報の再定義

具体的な事例1 再利用可能な事例

具体的な事例2

モデル化

新たな未知の例 利用・参考

③ 業務システムの構築/改善 活動のモデル

情報のモデル

似たものがあれば使う なければ作る(定義する)

作るのは、業務に精通した現場マネージャーたちです。

25

Page 26: Io tプロジェクトに関する考察20161108

Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative

IVIモデリング技法

情報システム(IT)のモデリングとは、だいぶ異なっています!

シナリオ

作業

活動

活動

役者

役者

役者

活動

作業

作業

きっかけ事象 とき

とき とき

情報

情報

物事

活動 場面

場面

場面

場面

場所

場所

26

Page 27: Io tプロジェクトに関する考察20161108

Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative

IVIが作成した業務シナリオ(TO-BE)

27

レポート 作成

環境情報 シート

環境 レポート

環境情報 集計

ロジック

装置

トリガー

管理者 現場 作業者

稼働状況を記録する 温度の記録を指示する

照度の記録を指示する

環境レポートを作成する 環境情報を集計する

レポートを印刷する

事前に一回 月一回

フィジカル

(現実世界)

サイバー

(コンピュータ空間)

IVIが作成した業務シナリオ(シナリオ、場面、活動、役者、作業、モノ、情報)から データを抽出してモデル化する。

Page 28: Io tプロジェクトに関する考察20161108

Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative

どこを隠し、どこを見せるか?

故障予知

加工実績 項目

加工機械 属性

役者

データの値そのもの I/Oがない操作の内容 情報の項目に直接紐づかないデータ構造

見せない部分

加工実績を取得する

故障を予知する

故障予知を伝える

機械の状態を知る

活動

ロジック

つながるために必要なもの 受け渡しのためのモノと情報 (データの項目と意味)

見せる部分

28

Page 29: Io tプロジェクトに関する考察20161108

Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative

ITとOTの統合モデル

役者

操作

操作

活動

データ データ データ データ データ データ データ データ

ロジック ロジック ロジック

Information Technology(IT)

モノ 情報 コト

Operation Technology(OT)

29

Page 30: Io tプロジェクトに関する考察20161108

Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative

企業とユーザーの継続的な関係の構築

30

企業 モノ

使う

コトの提供

IoT企業(モノコト)とユーザーの継続的な関係を 取り持つ役割をするのがプラットフォーム

しくみ構築

プラットフォーム化することで、使う“コト”による付加価値に ダイレクトに課金することができるようになる。

問題解決

IoT

プラットフォーム

コトからの収益

コト

利用者

データ

情報

Page 31: Io tプロジェクトに関する考察20161108

Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative

プラットフォームとは

アクティビティ

アクティビティ

業務A

情報

アクティビティ

アクティビティ

業務B

情報 データ

データ つなぐしくみ

伝えるしくみ

プラットフォームとは・・・ ◆関連する業務が相互に連携するためのしくみ ◆必要なデータを交換または伝えるためのしくみ

31

Page 32: Io tプロジェクトに関する考察20161108

Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative

プラットフォームカテゴリ 記号 PF(プラットフォーム)名 説明 P01 生産技術情報PF 設計情報から生産ラインの構成を検討し、試作から量産

までのプロセスに至る技術データを扱うPF

P02 現場情報管理PF 生産現場で得られる品質データ、技能データ、稼働データをもとにQCDを日々改善するためのPF

P03 計画実績連携PF 生産ラインの進捗を管理し、計画や仕様の変更、そして現場の状況にダイナミックに対応するためのPF

P04 企業間連携PF 企業間のサプライチェーンやエンジニアリングチェーンに必要なデータをセキュアに交換するためのPF

P05 企業まるごとPF 中小企業向けに、「売り」「買い」「作り」がつながり、生産管理で必要な機能をコンパクトにまとめたPF

P06 予知保全PF 故障予知のために必要な関連データを、メーカーやサイトを超えて管理し、必要な対策をとるためのPF

P07 設備管理PF 設備の稼働データを活用し、総合設備効率を向上するとともに生産管理や品質管理ともつなげるためのPF

P08 保守サービスPF 販売した製品の利用状況をモニタリングし、故障時のサポートや予備品などを共同で行うためのPF

32

Page 33: Io tプロジェクトに関する考察20161108

Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative Copyright 2016 (IVI) Industrial Value Chain Initiative

IVIプラットフォーム

ゆるやかな 標準

しなやかな インフラ

したたかな 実装

リファレンスアーキテクチャー

プラットフォームとは・・・ ◆関連する業務が相互に連携するためのしくみ ◆必要なデータを交換または伝えるためのしくみ

プラットフォームを変える プラットフォームが変わる ゆるやかな標準

リポジトリ

インフラ支援ツール 認証評価(IVI認証)

実装ノウハウ集と 支援者ネットワーク

業務シナリオ ディクショナリ

33

Page 34: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 34

Agenda:

IoT取組み方 :IVIの取組み、IoTプロジェクト実践編

IoT基盤検討 :IoT基盤の選定、マルチ対応でリスク回避

2

3

IoTトレンド :IoT市場動向とIoT取組み状況 1

“It's really hard to design products by focus groups. A lot of times, people don't know what they want until you show it to them. ” by Steven Paul Jobs

IoT実用化 :IoT活用によるビジネスモデルと成長戦略 4

Page 35: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 35

Automatic Collection

ProActive

Real Time

IoT導入3STEP : 新しいビジネスモデル・IoT取り組みのポイント

各社が独自に開発するIoT導入のポイントを整理します ・モニタリング(監視):IoTデータを自動収集・蓄積管理→データ解析の結果を活用 IoTの基本機能。センサからのデータを自動収集 データは一元管理して解析される。分析対象は、 物理的より生物的なモノの方が利用範囲が広い 解析手段、解析技術、解析結果が価値となる ・メンテナンス(保守運用):IoTデータより効率化・最適化→保守運用・予知保全に活用 収集解析したデータを活用してデバイスの稼働や 保守を効率化・最適化する デバイスの保守運用サービスを最適化、予知保全 エネルギーや消耗品の消費を抑えて価値を出す ・コントロール(制御):モノ+コト一体でリアルタイム制御→遠隔制御・精密制御に活用 遠隔地よりリアルタイムでデバイスを動かす 監視データを即時処理して制御指示を出す デバイスの精密制御・遠隔制御・自動制御 モノとコトの一体化(CPS)が価値を生む

IoT効果による成長戦略の策定、IoTからの価値創造を目指す モニタリング(監視)、メンテナンス(保守運用)、コントロール(制御)の 3つのレベルでIoT戦略を立てる必要がある。必ず3つ連携すること 新しいビジネスモデルは、“モノ+コト”を一体化した従量課金型モデルを推奨

Page 36: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 36

IoTプラットフォームとは : 複数のシステム群でサービス化するIT基盤

IoTは複数システム群で構成されたソリューションで、「IoTサービス」をユーザーへ提供します。 センサ・デバイス、ロボット、クラウド、人工知能、ビッグデータ、AR/VRなどをIoTプラットフォーム上が組み合わせたシステムです。ユーザーのニーズや目的に合わせて、IoTサービスを提供します。IoT成功のポイントは、こうした構成要素を素早く柔軟に利用できるIoTプラットフォームとツールを利用することです。

クラウド

IoTサービス

ビッグデータ

ロボット

人工知能

データ 収集

データ 蓄積

データ 転送

データ 抽出・変換

データ 分析

データ 可視化

センサ・デバイス

ソフトウェア

IoTプラットフォーム

サービス化 処理・管理

データマイニング ディープラーニング

IoTデータの見える化 モニタリング、 メンテナンス、コントロール

シミュレーション 予知

デバイス・センサ・機器

データベース・データレイク

プロトコル・無線/有線

AR/VR

Page 37: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 37

IoTの構成要素(参考) : 新しいテクノロジーを適材適所で利用する

新しいテクノロジーを組合せて、自由自在に使いこなす。

クラウドは大手企業から普及が進む。今後はIaaSから、PaaS/SaaS/DaaSなど様々なクラウドが利用される。 土台となるプラットフォームと、システム間をつなぐ手段(疎結合、WebAPI)への取り組みがポイントとなる。

クラウド IoTは、①小さく取り組む、②攻めと守りの両方を考える、③中長期的に自社固有の優位性が確立できるテーマを見つける、の3点がポイント。 短期間で実現できるIoTはすぐ真似される。真似されるIoTでは勝てない。

IoT データは経営資源。ビッグデータとは、これまでの手段では収集、選択、分析、検索、保管などが出来ない膨大なデータから有効なデータを上手く利用するという意味で使われている。手法や技術はベンダやアプローチでそれぞれ異なる。

ビッグデータ ロボットは高成長が期待されている領域。日本製産業用ロボットやロボット工作機械を積極的に導入しているのは、中国や欧米企業。民生用ロボットは、ソフトバンクのPepperが市場を開きつつある。活用ノウハウの確立がポイント

ロボット 人工知能の研究は、長らく冬の時代が続いた後に2012年カナダ・トロント大学のヒントン教授がディープラーニングで画像認識コンテストで圧勝。この技術をきっかけとして、ビジネス場面での実用化への可能性が広がった。

人工知能 AR/VR、ブロックチェーン、量子コンピュータ、バイオセンサーなど新しい技術はこれからも登場すると思われますが、これまでとの違いはITテクノロジーを活用した新しいビジネスチャンスとセキュリティリスクが拡大すること。

未来は?・・・

Page 38: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 38

IoTの基本構成と、3つの差別化ポイント(データ、ソフトウェア、ユーザーインタフェース)

すべてのモノが システム化される!

ハードウェア

ソフトウェア

データ

周辺機器

周辺機器

IoT製品が無いと動かない!

基地局

製品機能

付帯装置

あらかじめ 与えられる 必要に応じて 外部から与えられる

毎回外部から 取り込む

データがないと動かない!

全てのモノがネットワークにつながるということは、製品にシステム(ソフトウェアとデータ)が組み込まれること。IoTデータを活用したサービス提供(ユーザーインターフェース)がIoT活用のコンタクトポイントになること。

ユーザーインターフェース (スマホ、タブレット)

差別化ポイントは、 データ ソフトウェア(サービス化) ユーザーインターフェース

Page 39: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 39

ITとOTの統合モデル : IoTプラットフォームを利用して構築

役者

操作

操作

活動

データ データ データ データ データ データ データ データ

ロジック ロジック ロジック

Information Technology(IT)

モノ 情報 コト

Operation Technology(OT)

Page 40: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 40

企業とユーザーの継続的につなぐしくみ : IoTプラットフォームの役割

企業 モノ

使う

コトの提供

IoT企業(モノコト)とユーザーの継続的な関係を 取り持つ役割をするのがプラットフォーム

しくみ構築

プラットフォーム化することで、使う“コト”による付加価値を提供して ユーザーから対価を直接得る(売上/収益/コスト削減)ことができるようになる。

問題解決

IoT

プラットフォーム

コトからの収益

コト

利用者

データ

情報

データの収集

Page 41: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 41

攻めのITと守りのITに対応した仕組み : デジタルビジネス・プラットフォーム

System of Records (記録、実績収集、定型業務)

業務効率化 省力化・生産性向上

コスト削減

System of Engagement (連携、顧客・パートナーとのつながり)

ビジネスプロセス革新 新しい商品・サービスの創造 企業を超えたエコ・システム

SFA: 営業支援

財務会計

ERP

管理会計

販売管理

顧客情報 顧客DB

業績管理

購買管理

在庫物流 管理

生産管理

原価管理

設備保全

BI:見える化 業務分析

SCM: 需要予測 イベント管理

製品マスタ BOM管理

CRM: カスタマー サービス

ERP

BI:見える化 経営分析

モバイル (スマートデバイス、ウェアラブル)

ソーシャル:SNS デザイン思考:UI/UX

アナリティクス 人工知能 機械学習

パブリッククラウド プライベートクラウド オンプレミス

常時 監視

成長戦略アプリケーション基盤 IoT系プラットフォーム

ビジネス・アプリケーション基盤 バックオフィス系プラットフォーム

BI/BA

CRM SCM

これからのビジネスを支えるシステム(攻めのITシステムと守りのITシステム両方を支える) SoE:先進ITに自社独自の強みをシステム化・サービス化して事業を伸ばす、直接貢献する SoR:既存の基幹システムなどバックオフィスシステム。事業を支える基盤として貢献する

デジタルビジネス・プラットフォーム

コネクト・デバイス センサ、エッジコンピューティング (モビリティ、マシン、ロボット)

システム基盤 プラットフォームレベル (IaaS/PaaS)

ソリューション アプリケーションレベル (SaaS/DaaS) 予知

保全

遠隔 制御

戦略アプリ1 IoT保全

戦略アプリ2 モノコト

独自キラー アプリ

バックオフィス系システム ミッションクリティカル・安定性・信頼性

成長戦略/競争優位支援系システム CPS(サイバーフィジカル)・柔軟性・拡張性/即効性

Page 42: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 42

IoTビジネスを取り巻く環境 : 乱立するIoTプラットフォーム

外資ITソリューション系ベンダのIoTプラットフォーム 大手ITベンダでソリューション系のソフトウェアやサービスを提供。実用レベルで事例も実績もあるが、革新性や破壊力イノベーション(Disruptive Innovation)は弱い。 SAP HANA2(SAP)、Watson IoT(IBM)、Oracle IoT(Oracle)など

外資ITクラウド系ベンダのIoTプラットフォーム IoTは、クラウド基盤が前提となっているのでここが本命。豊富な機能と多数の先行事例があり、近年の傾向として、人工知能AIやVR/ARなど最新テクノロジーをプラットフォーム上に積極的に取り込んでいる。 AWS IoT Platform(Amazon)、Azure IoT(Microsoft)、ThingWorx IoT(PTC)、 Google Cloud IoT(Google)、Salesforce IoT Platform(Salesforce.com)など

ベンチャー系ベンダのIoTプラットフォーム 新興ベンチャー系ベンダが提供するIoTプラットフォーム。それぞれ特徴があり、急成長、破壊力が高い。混戦状態 ソラコム、ウフル、インフォコーパスなどに加えて、Web系やSNS系なども多数この市場に参入中。生き残るのは?

ユーザー企業が独自開発のIoTプラットフォーム ユーザー企業が独自開発しているIoTプラットフォーム。業界内外と提携してユースケースを多数構築。着実に勢力を拡大しており、GEのPredixは既にIT業界トップ10に入っていると言われる。アライアンス戦略が鍵 Predix(GE Digital)、Siemens IoT(Siemens)、Bosch IoT Cloud(Bosch)、 KomConnect(コマツ)、FIELD Syetem(FUNAC)、DP-Factory IoT(DENSO)、 AXOOM(TRUMPH Gloup)など ( 国内IT系ベンダのIoTプラットフォーム 国内ITベンダが開発しているIoTプラットフォーム。いずれも事例も機能も少なくほぼ横並び状態。共通して言えるのは、国内市場のみフォーカスしていて海外利用が想定されていないケースが多い。ガラパゴス化の懸念 Hitachi Lumada(日立製作所)、FUJITSU Cloud Service K5 IoT Platform(富士通)、 NEC Industrial IoT(NEC)、Toshiba Meister IoT(東芝)あらゆるベンダがプラットフォームを指向

Page 43: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 43

国際標準化への取組みRAMI4.0 :IEC/SG8 (TC65-JNC/SG8活動) 参考

Page 44: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 44

標準化 : 米IIC Reference Architecture と 独Industrie4.0(RAMI4.0)

市場 企業

工場(作業区) 持ち場

制御機器 製造装置 製品

IIC Reference Architecture Industrie4.0 (RAMI4.0) 製造業のコネクトマニュファクチャリングの標準化(例)

Page 45: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 45

ベンダ別RAMI4.0ベース 階層別機能マッピングイメージ

設備/Asset

統合/Integration (Edge,

Sensors & Actuators)

通信/Communication

情報/Information

機能/Functional

ビジネス/Business

Industrie4.0 RAMI4.0

Leve

l 4

Leve

l 0

Leve

l 3

Leve

l 2

Leve

l 1

Pre

dix

Applic

atio

ns

Pre

dix

Pre

dix

Clo

ud

Predix(PaaS) Predix Cloud

GE F

UNAC P

LC

GE FUNAC PLC

Pre

dix

Servic

es

Predix: Services

Predix: Applications Proficy MES

SAP E

RP M

E

Pre

dic

tive A

nalytic

s SAP H

CP

SAP E

RP

S/4HANA

SIM

ATIC

PLC/HM

I/IP

C

Sim

ens

Devic

es

SIM

ATIC

NET

TIA

Porta

l

SAP ERP/S4HANA

SAP HANA Cloud Platform(PaaS)

SAP ERP ME/MII Predictive Analytics SAP HANA/Sybase IQ

TIA Portal SIMATEC IT MES Mind Sphere

SIMATEC PLC/HMI/IPC

Siemens Devices

Thin

gW

orx

PTC

Wndchill

PTC

Sevistic

s

PTC Servistics ThingWorx Analytics

ThingWorx IoT Platform PTC Vuforia(AR/VR)

PTC Winchill NX TEAMCENTER N

X

TEAM

CENTER

Sie

mens

Clo

ud

Simens Cloud(PaaS) (by SAP HANA)

SIM

ATIC

NET

SIMATEC NET

Page 46: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 46

ベンダ別RAMI4.0ベース 階層別機能マッピングイメージ(クラウド系)

設備/Asset

統合/Integration (Edge,

Sensors & Actuators)

通信/Communication

情報/Information

機能/Functional

ビジネス/Business

Industrie4.0 RAMI4.0

Leve

l 4

Leve

l 0

Leve

l 3

Leve

l 2

Leve

l 1

AW

S Io

T P

latfo

rm

Am

azo

n A

lexa

AWS IoT Platform (Device Gateway, Rules, Repository) Amazon Alexa(A.I.)

AW

S Io

T

Sta

rter K

IT

AWS IoT Starter KIT Kiva System(Robot)

Mic

roso

ft

Devic

es

Visu

al S

tudio

MS A

zure

Offic

e365

Dya

mic

s

Office365 Dynamics ERP

Visual Studio MS Azure(PaaS)

Win

dow

s IoT

Corta

na

Windows IoT Cortana(A.I.) PowerBI

Virtu

al

Netw

ork

Windows Azure Virtual Network

Microsoft Devices

Google

Analytic

s

Tenso

rFlo

w

Big

Table

Hoste

d S

QL

Google

App E

ngin

e

Google App Engine

Google Apps

Google

Apps

Google Cloud Platform (IoT Platform) - Brillo/Weave Google Analytics TensorFlow (Deep Learning)

Android Devices Google TPU (Tensor Processing Unit)

Sale

sforc

e

IoT C

loud

App C

loud

HERO

KU

Analytic

s

Clo

ud

Salesforce Analytics Cloud

App Cloud HEROKU

Salesforce IoT MetaMind(A.I.) TEMPO(A.I.) Prediction IQ(A.I.)

Page 47: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 47

ベンダ別RAMI4.0ベース 階層別機能マッピングイメージ

設備/Asset

統合/Integration (Edge,

Sensors & Actuators)

通信/Communication

情報/Information

機能/Functional

ビジネス/Business

Industrie4.0 RAMI4.0

IBM

Watso

n Io

T/SPSS

IBM

DB2/IB

M In

fom

ix

IBM

Softw

are

IBM

Solu

tion

IBM

Servic

e/

Consu

lting

IBM Service IBM Consulting

IBM Software Products IBM Software Solutions

IBM Watson IoT Platform IBM MES/ IBM IoT IBM Watson IoT/SPSS/Cognos IBM DB2/IBM Infomix

Cisco IoT Platform

Cisco Unified Communications Cisco Fog Computing

Cisco有線/無線機器

Cisc

o Io

T

Syste

m

Cisc

o

Netw

ork

Cisc

o F

og

UCS

Ora

cle

Fusio

n A

pps

Exadata

SPARC

Oracle EBS/Oracle ERP Cloud Oracle Demantra/Oracle SCM Cloud

Ora

cle

IoT

Clo

ud S

ervic

e

Oracle IoT Cloud Service Oracle BI/Hyperion

Oracle Fusion Apps Oracle PaaS

Java Embedded for IoT

Java

Em

bedded

Leve

l 4

Leve

l 0

Leve

l 3

Leve

l 2

Leve

l 1

Page 48: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 48

Agenda:

IoT取組み方 :IVIの取組み、IoTプロジェクト実践編

IoT基盤検討 :IoT基盤の選定、マルチ対応でリスク回避

2

3

IoTトレンド :IoT市場動向とIoT取組み状況 1

“It's really hard to design products by focus groups. A lot of times, people don't know what they want until you show it to them. ” by Steven Paul Jobs

IoT実用化 :IoT活用によるビジネスモデルと成長戦略 4

Page 49: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 49

3STEPアプローチ : スパイラルアップでIoT実用化/商用化にとりくむ

【モニタリング・フェーズ】 PoC:実証実験を行って、IoTの効果を確認する AS-IS → TO-BE → PoC:実証実験 → 効果確認 → 絞り込み PLAN ACTION

DO CHECK

【メンテナンス・フェーズ】 横展開してIoT効果の最大化を狙う AS-IS → TO-BE → PoC:実証実験 → 効果確認 → 全社展開

【コントロール・フェーズ】 実用化/商用化してビジネスモデルを確立する AS-IS → TO-BE → PoC:実証実験 → 効果確認 → ビジネス化

IoT実用化には、3STEPアプローチで取組みます IoTで取り組むテーマを決めてから、まず「モニタリング」として“見える化”に取り組みます。ここでIoT導入効果を確認します。次に、「メンテナンス」として“収集・解析したIoTデータ活用”を対象となる複数の領域に横展開して効果の最大化を狙います。ここで、R&I(研究&イノベーション)を行ってROI(投資対効果)や新しいビジネスモデルを検討します。仕上げとして「コントロール」として“モノとコトの両方を制御するしくみ”を構築します。ここから、本格的にビジネスを開始します。 これが小さく始めて3つの段階を経て大きく育てて、IoTプロジェクト(全社展開)に取り組みます。

Page 50: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 50

IoTプロジェクトへの取り組み : デジタル化と仮説検証(業務シナリオ)

1

2

デジタル革新:デジタル化が生活や社会を大きく変える(と考える) ▷短期的には、IoT効果でモノコトを活用・共有できる(時間と距離を縮める) ▷中長期的には、IoTにAIやBR/ARなど最新技術が複合活用されて社会が変わる ▶目的とビジョンが重要:IoTデータを、どう活用して、どんな価値を得るのか 仮説検証サイクル:IoT効果をスパイラルアップする(成長を続ける) ▷IoTを一過性ではなく、継続的なシナリオで考える、PDCAサイクルを廻す ▷オープン・イノベーション戦略、境界線を見極める、エコシステムを構築する (アナログとデジタル、競争領域と協調領域、自前主義からの脱却) ▶遠くに成功イメージを置く。身近なところから始める。何度も繰り返す。

IoTデータ活用を多角的・多様に繰り返す、アウトカム(成果)にこだわる

Public Cloud Private Cloud On-Premise

Application Platform IoT Platform

Middleware Back-office Platform

MES ERP

IoT導入効果 「モニタリング」「メンテナンス」「コントロール」

在庫管理 進捗管理

SCM 品質管理 設備保全 管理

Mobile Browser PC

フロントシステム

Handy Tablet

IoT/Industrie4.0

独自キラー アプリ

センサ・デバイス

ソフトウェア

IoTプラットフォーム

IoTサービス

Page 51: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 51

短期的:「見える化」への取り組み、どの企業でも導入できる 効果は一過性、競争優位性は長続きしない 中期的:データを利用した新しいサービスの提供、新しいモデル 独自性があり、収益化を持続できる企業は半数以下 長期的:先駆者(フォアランナー)として道無き道を拓く企業 成功者となるのは一握りの企業 「勝敗を決するのは、モノではなく他社に真似出来ないコト」

3STEPアプローチ : モニタリング、メンテナンス、コントロール

IoT企業のゴールは、新しいビジネスモデルを創り出して継続的に収益を得ること ・モニタリング(監視): 短期的な取り組み → 一時的な効果、スタート地点 IoTで商品・顧客を「見える化」する。IoTの最初の取り組みとなるがその効果は一時的。 競争相手も簡単に真似することができる。ビッグデータよりも、人工知能やスパースモデリング(ベイズ統計論)などを利用し、データから短時間で的確に結果を導くやり方など。 ・メンテナンス(保守運用): 短期的・中期的な取り組み → 短・中期的な競争力 生産性の向上、徹底したムダの排除、機械学習などによる予測精度の向上を実現する。 (予知保全、最適なアフターサービスの開発提供、顧客とのレベニューシェアなど) ノウハウを全てデジタル化するのではなく、ヒトとシステムの役割分担、アナログとデジタルの境界線が日本版IoT/日本版インダストリー4.0の特徴となる。 ・コントロール(制御): 中長期的かつ継続的な取り組み → 先駆者の圧倒的優位性 モノ(機械や機器などデバイス)をリアルタイムに制御。エコシステムを構築拡張する。 環境変動や個体差を補正する技術、反復を繰り返してあらゆる状況に対処できる制御技術など先駆者(フォアランナー)として、技術を磨きアウトカム(成果)を生み出し続ける。

Page 52: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 52

IoTでビジネスと社会を変える! : あるべき姿に至る3つのアプローチ

「監視・保守・制御」 短期・中長期の取り組み IoTの3STEPアプローチ

短期的施策は、始めに“IoTで見える化”を実現する。「監視」と「保守」で効率化・省力/省人化を狙う。 中長期的施策は、「保守」と「制御」で新商品開発やサービスの有償化など、新しいビジネスモデルを目指す。 →IoTの「監視・保守運用・制御」3STEPアプローチ

「内向きと外向き」 内向き:効率化・省力化 外向き:売上・利益貢献

内向き(社内)と外向き(社外)の両方に取り組む。 内向きの活動は、他社との差別化には成らないが即効性がある。外向きの活動は、中長期戦略で売上↑と利益↑への貢献を狙う。従量課金型モデルが主流。 →ゴールを遠くに置いて、内外バランス良く取り組む

「ONLY ONEの IoTデータ活用」

独自のデータ活用に強み オープン・クローズ戦略

IoTデータの収集・蓄積・抽出/変換・分析・サービス化をONLY ONEで行う独自データ活用が競争力となる。サービス化を迅速かつ柔軟に行うために、ベンチャーや他社と組んでオープン・イノベーション戦略が必要。 →IoTデータ活用のオープン・クローズ戦略が成功の鍵

あるべき姿を描いて、IoT効果が企業と社会を強くするしくみの構築を目指す! 新しい戦略、新しい取り組み、生き残るために「意識を変える・行動が変わる」

Page 53: Io tプロジェクトに関する考察20161108

FRONTIER-ONE Inc. 2016, Keiichiro Nabeno Page 53

デジタルビジネス・プラットフォーム : プラットフォームがIoT効果をけん引

データがつながらない状態 (ビフォーIoT時代)

IoT黎明期 (見える化、つながる工場)

IoT普及期「監視」→「保守」 (データ活用を試行錯誤)

変化するビジネス環境に即応できるIoTデータ共有・活用の仕組 内向きと外向きの両方に対応できる“デジタルビジネス・プラットフォーム”

IoT成熟期「保守」→「制御」 (CPS実現、デバイスをコントロール)

蓄積された膨大なIoTデータを 独自ノウハウでサービス化する (デジタルで強みを強化する)

経営に対するIoT活用の貢献度

システムの柔軟性

紙・Excelなど属人化からの脱却、 デジタル・トランスフォーメーション時代の経営資源を確保 (ヒト・モノ・カネ+データ&スピード)

IoTデータ活用が 競争力の源泉となる (ONLY ONE戦略)

社内と社外、工場間・工程間がつながる IoTデータの収集・蓄積・抽出/変換・ 分析ができる(デジタルエコノミー)

IoTの進化 デジタルビジネス・プラットフォームへ

(IoT効果けん引、グローバル・ニッチ・トップ)

IoT拡大期「監視」→「保守」 (データ活用に独自性・特徴)

Page 54: Io tプロジェクトに関する考察20161108

株式会社フロンティアワン 鍋野敬一郎 [email protected]

ご静聴ありがとうございました