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WG1「IoTによる製造ビジネス変革WG」
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2017年6月29日
ミツイワ株式会社
マーケティング本部
本部長 森田 茂
『ITーFA連携システム導入・構築プロセス標準の整備』 サブWG
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プロジェクト概要
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目 的
「SI業務プロセス標準」の整備中小製造業・三品産業向けの生産現場の機器と基幹ITシステムをつなぐ、全体統合型システムインテグレーションを拡大するため、SIer(システムインテグテータ)が利用できる導入プロセス標準を作成し、その適用を促進する。
背 景
今までの工場自動化システム構築作業では、FAシステムとITシステムの統合構築において、標準的な導入プロセスを管理する手法が存在しておらず、それぞれが独自の構築プロセスに則ってシステム構築を行っていた。⇒ その結果、プロジェクト後半で関係者間の食い違いが発覚。 顧客を含め、大きなリスクとなっていた。
これを 『MIPS』 として定義しました!
これらを統合した 『SI(システムインテグレーション)業務プロセス標準』 を策定
システム導入プロセス(作業工程)/レイヤー(FA・IT)を定義し、それぞれの作業概要及び、連携の「のりしろ」を整理。顧客/FA-SIer/IT-SIer間の認識の食い違いを防ぎ、スムーズな自動化システム導入を目指す。
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活動実績
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開催 実施日 主な検討内容
第1回 4月28日 企画趣意説明、各WG状況報告
第2回 6月08日 SDEM紹介、FA-IT連携の課題、ゴールとスケジュールの明確化
第3回 7月19日 FA-IT導入・構築プロセス標準概要、具体的な進め方
第4回 8月30日 SI業務プロセス標準(準備フェーズ)検討
第5回 9月28日 中間報告内容共有、準備フェーズフロー、ドキュメント体系
第6回 11月01日 準備フェーズアプローチ、分割検収
第7回 11月30日 MIPS活用時の業務フロー、リスクアセスメント
第8回 12月14日 MIPS概要中間確認
第9回 1月26日 見積仕様書・納入仕様書・製作仕様書の比較
第10回 3月01日 MIPS概要、ドキュメントMAP、見積仕様書・納入仕様書レビュー
第11回 3月24日 MIPS最終レビュー、クロージング
【活動実績】
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遂行メンバー
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【遂行メンバー】
企業名 所属・役職 担当者
経済産業省 製造産業局 ものづくり政策審議室 係長 榊原 風慧
一般社団法人日本ロボット工業会 システムエンジニアリング部会 部会長 小平 紀生
株式会社NTTデータ経営研究所事業戦略コンサルティングユニット 産業戦略グループ長アソシエイトパートナー
三治 信一郎
富士通株式会社
テクノロジ&ものづくり本部 ものづくりソリューション事業推進室シニアマネージャー
閑林 卓
テクノロジ&ものづくり本部 共通生産技術センタープロフェッショナルエンジニア
尾崎 行雄
株式会社オフィスエフエイ・コム代表取締役社長 飯野 英城
営業本部 General Manager 青木 伸輔
株式会社シーイーシー
インダストリーオートメーションBGデジタルエンジニアリング事業部 製品開発サポート部 主査
弥栄 教有
インダストリーオートメーションBGスマートファクトリー事業部 第二サービス部 グループマネージャー
尾曲 聖雄
ミツイワ株式会社
取締役社長 羅本 礼二
マーケティング本部 本部長 森田 茂
マーケティング本部 自動化ソリューション推進部 部長 泉 貴史
マーケティング本部 自動化ソリューション推進部 井上 靖也
株式会社日本フォーサイトロボマネージャー 深沢 勝治
マネージャー 深瀬 哲也
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検討結果:MIPSの考え方
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マルチレイヤーシステム導入プロセス標準(MIPS)の定義と適用の狙い
顧客/FA-SIer/IT-SIer が、正確にコミュニケーションでき、食い違いないこと。
工程毎の作業内容と完了基準が明確で、進捗が見えること。
運用の妥当性をユーザー視点で検証できる仕組みであること。 設計段階で検証内容を定義。
分割検収の仕組みづくりによる手戻りの軽減及び、SIer/顧客の資金的負担の軽減。
【その他、主な定義内容】
■適用範囲(想定ユーザー)
■仕様変更の考え方
■リスクアセスメントの考え方
■セキュリティの考え方
■保証の考え方
■保守・メンテの考え方
テスト計画・ユーザーテスト仕様
総合テスト仕様
内部テスト仕様
搬入・据付・調整
仕様定義
基本設計
詳細設計 製造
ユーザー引渡し
総合テスト実施
内部テスト実施
ユーザーテスト実施
設計・製造 テスト
運用計画企画構想 本稼働 運用サポート
Wモデル型プロセス体系
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検討結果:MIPS適用のベネフィット
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№ 項目
1 プロセス毎の成果物確認による完了基準の明確化(手戻り軽減)
2 顧客視点での運用妥当性検証(手戻りの軽減)
3 上流工程でテスト計画・仕様明確化 ⇒ 顧客との稼働イメージの共有
4 作業分担(役割り)の明確化
5 SIer間(FA ⇔ IT)での作業進捗の見える化
6 仕様変更の際の追加費用交渉材料
7 作成ドキュメントの明確化・体系化
8 ドキュメントの保守性(更新、横展開)
9 プロジェクトリスク管理・要員計画
10 分割検収による資金負担の軽減
SIerに対するベネフィット
顧客に対するベネフィット
№ 項目
1 初めてでも導入イメージがしやすい
2 プロセス毎の成果物確認による食い違い防止
3 稼働イメージ共有による食い違い防止
4 確認のポイントがわかりやすい
5 作業分担(役割り)の明確化
6 作業進捗の見える化
7 分割検収による見積精度向上(リスク上乗せ分の軽減)
【SIerの声】
・バラつきをなくす為に、スタンダードは必要。・手戻りを考えるとドキュメントの大切さを痛感している。・今までは最後まで持ち出しであったため、資金負担が軽減されるのはありがたい。
・やらなければいけないのは分かっているが、その費用をアドオンできない。
・顧客との食い違いによる費用負担との兼ね合い。(MIPSと手戻り対応とで、どちらが費用がかかるか)
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検討結果:MIPSのポイント
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見積仕様書・納入仕様書による要件の明確化(機能面・運用面)と運用面での実現性を検証する為のユーザーテスト仕様書。
ユーザーテスト仕
様書
(運
用面
)
見積仕様書
納入仕様書
FA-SIer製作仕様書
IT-SIer開発仕様書
USER SIer
見積仕様書(全体)による合意形成 ユーザーテスト仕様書(全体)による運用面での合意形成 納入仕様書(全体)による要件の深耕 製作仕様書(FA),開発仕様書(IT)による作業指示
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検討結果:ドキュメントイメージ①
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見積仕様書
ユーザーテスト仕様書納入仕様書
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検討結果:ドキュメントイメージ②
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検討結果:分割検収の商習慣化
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【基本方針】■実作業に伴った検収タイミングとする。(工事進行基準ではない)■着手金・前受金は行わない。
⇒ 全てドキュメント及び購入品等の成果物を以って検収とする。
SIerの資金的負担の軽減及びユーザーのリスク軽減を目的に、分割検収の仕組みを提案し、商習慣化を目指す。
回数
フェーズ 概要 主要成果物推奨契約形態
1 仕様定義・3Dモデル等を活用し、システムのイメージを検討する。⇒要件に対する実現方法を納入仕様書としてまとめ、合意を得る。
・ユーザー視点での要求達成条件を合意する。
・納入仕様書・ユーザーテスト仕様書
準委任
2機械設計/購入品
・全体レイアウト図・全体組立図を基に、具体的なシステムの仕様を明確にする。
・購入品に対しては、実物の確認を以って検収とする。・IT、FA-IT連携では、基本設計にて具体的なシステム機能設計を行う。
・全体レイアウト図/図面一式・購入品・基本設計書(IT)
一括請負
3 製造/テスト・電気・制御設計及び、各種製造(装置、プログラミング)を行う。・内部テストを経て、実稼働環境に据付・調整し、総合確認を行う。・ユーザー検証(支援)完了を以って、最終検収とする。
・電気/制御設計書(FA)・詳細設計書(IT)・システム一式・プログラム一式・完成図書
一括請負
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検討結果:システム導入アプローチ
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C : 要件・仕様決定
B : 概略提案
A : 基本情報
顧客の要求を整理し、仕様を決定する
【合意形成事項】
・自動化とは・構築工程・仕様定義の重要性・役割分担・リスクの考え方
【ヒアリング事項】
・顧客基礎情報・現在の課題(現行運用)・導入の背景・ワーク対象・種類・構想イメージ・予算規模
【合意形成事項】
・会社案内・自動化の考え方・MIPSとは・導入体制の考え方・定量効果と定性効果
【ヒアリング事項】
・ワーク詳細・要求品質・要求タクト・稼働時間・ライン切替頻度
・運用体制・設置スペース 深耕・前後工程の情報・資料開示可否(図面など)
・投資回収目安・導入希望スケジュール・設置スペース・情報システム導入実績・導入体制(案)・ロボット導入実績
・定量効果と定性効果 深耕・投資対効果・導入事例・サポート体制
アプ
ロー
チ
引 合
企画構想
仕様定義
顧客の自動化システム導入背景・経験によるアプローチの多様化。⇒ パターン化し、仕様定義の上で、顧客要件・仕様前提条件に漏れがないようにする。
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まとめ
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成 果 物
マルチレイヤーシステム導入プロセス標準(MIPS)の策定
①ガイドライン
MIPSの考え方、目的、適用ターゲット等、MIPSの目指す所を解説。
②ドキュメントMAP
作業プロセス/レイヤー毎で作成・定義するべきドキュメントをマトリクスとしている。
どのタイミングでどのドキュメントを作成しなければいけないのかを可視化。
③ドキュメント作成要領
各ドキュメントの作成要領。
ドキュメント毎に何を定義するのか、記載項目について解説。
④その他付帯資料
導入アプローチ注意点や、MIPS適用のベネフィット、分割検収の考え方の説明など。
最 後 に。。。
今回のSWGを通して、「FA-IT連携システム」導入の際の現状の課題やその対策を検討する事によって、導入プロセス標準を策定
する事ができた。
また、これを適用する為の課題(ユーザーの理解/インテグレータの理解)も明確になった。
今後は、平成29年度のロボット導入実証事業やスマートものづくり応援隊事業等を活用しながらセミナーを開催して普及を図って
いく。これによりSIer・顧客ともに利益を享受でき、ロボットシステム導入の裾野が広がっていくよう、引き続き取り組んでいく。