低価格・高信頼見守りシステム(mimamoriシステム)のためのハードウェア開発...
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低価格患者見守りシステムの開発
音田恭宏 (奈良高専)池田篤俊 (奈良先端科学技術大学院大学)上田悦子 (奈良高専)
第32回日本ロボット学会学術講演会 1
第一報 オープンソースハードウェアとソフトウェアを用いたシステム構築
○
2
研究背景
病院や介護施設等における離床時の転倒・転落が問題
>転倒・転落により、捻挫や骨折を誘発>深夜においては発見が遅れ、重症化するリスク
転倒・転落の防止を目的とした見守りシステムが必要
第32回日本ロボット学会学術講演会 3
従来の見守りシステムの問題点
〇 患者への負担
〇 精度の問題
〇 コストの問題
Ex.クリップセンサ
>衣類にクリップを装着する拘束感
Ex.カメラ映像による見守り
>プライバシーの問題
Ex.マットセンサ
>センサが反応しないように避ける
>寝返りに反応する
・経済的
・人的
第32回日本ロボット学会学術講演会 4
提案する患者見守りシステム
低価格で高信頼な患者見守りシステム(MIMAMORIシステム)の開発
●アプローチ
既存のデバイスのみで構築し低価格化
機械学習を用いて離床や危険な状態を検出して迅速に看護師に通知し、転倒・転落の防止を図る
非接触・非拘束のセンサを用いることで低患者負担
スイッチのみによる操作で運用を簡単に
第32回日本ロボット学会学術講演会
見守りシステムの運用イメージ
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各患者の頭上のMIMAMORIデバイスを用いて患者を同時に見守り、危険を検出し,看護士(ナースステーション)に通知
SafetyDanger
Safety
ナースステーション
見守りデバイス
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MIMAMORIデバイス
2A AC
Adaptor
USB2.0
特徴
・スイッチ類のみでデバイスの操作が可能
・サイズが13.5×13.5×5[cm]で設置場所を取らない
・低価格(3万程度)
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MIMAMORIデバイス|センサ構成
2A AC
Adaptor
USB2.0
Xtion PRO LIVE
深度センサ(Xtion PRO LIVE)
・非接触・非拘束で患者の負担が低い
・カラー画像に比べて心理的抵抗感が低い
・赤外線レーザを用いており、環境光の変化に強い
第32回日本ロボット学会学術講演会 8
MIMAMORIデバイス|計算機構成
2A AC
Adaptor
USB2.0
Raspberry Pi
Raspberry Pi
・小型かつ低価格なPC
・低レベルI/OやUSBポートを搭載
第32回日本ロボット学会学術講演会 9第32回日本ロボット学会学術講演会
状態判別アルゴリズム(概要)
入力画像の前処理
特徴量抽出
状態識別
2
2 2 2 2
2 2 2 2 3
N=0
N=2
N=1
深度画像を入力
ベッドより下のデータを除去
ベッド領域の切り取り
患者のみの深度画像
ベッド領域
HLAC特徴量を計算
SVMを用いて識別
第32回日本ロボット学会学術講演会 10第32回日本ロボット学会学術講演会
入力画像の前処理 深度画像を入力
ベッドより下のデータを除去
ベッド領域の切り取り
患者のみの深度画像
ベッド領域
ベッド上の切り抜きでは、入力深度画像の不要な情報を除去
入力深度画像をベッドからの深度画像に変換する
状態判別アルゴリズム
第32回日本ロボット学会学術講演会 11第32回日本ロボット学会学術講演会
入力画像の前処理 深度画像を入力
ベッドより下のデータを除去
ベッド領域の切り取り
ベッド上のみの深度画像
ベッド領域
ベッド上の切り抜きでは、入力深度画像の不要な情報を除去
あらかじめ計算したベッド領域を用いてベッド領域のみの深度画像に変換
状態判別アルゴリズム
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入力画像の前処理 深度画像を入力
ベッドより下のデータを除去
ベッド領域の切り取り
ベッド上のみの深度画像
ベッド領域
ベッド上の切り抜きでは、入力深度画像の不要な情報を除去
変換した深度画像を射影変換し80×40ピクセルの深度画像に正規化
状態判別アルゴリズム
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特徴量抽出
状態識別
2
2 2 2 2
2 2 2 2 3
N=0
N=2
N=1
HLAC特徴量を計算
SVMを用いて識別
特徴量抽出
・35次元のHLAC特徴量を計算
・SVMでの識別精度を高めるため低次元化
2
2 2 2 2
2 2 2 2 3
N=0
N=2
N=1
状態判別アルゴリズム
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特徴量抽出
状態識別
2
2 2 2 2
2 2 2 2 3
N=0
N=2
N=1
HLAC特徴量を計算
SVMを用いて識別
状態識別
・HLAC特徴量からSVMを用いて2クラスに状態識別
状態判別アルゴリズム
8月6日ロボティクス研究室研究会 15
状態識別精度の評価実験
単位[cm]
90
180220
深度センサ
深度センサ
60
150
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識別対象
ベッド上で寝ている
ベッド上で上体を起こしている
ベッドから出ようとしている
ベッド柵に体を預けている
“患者の状態が安全”と定義 “患者の状態が危険”と定義
教師データで学習2,003枚,未学習2,672枚
教師データで学習2,004枚,未学習2,837枚
教師データで学習2,005枚,未学習3,476枚
教師データで学習2,004枚,未学習3,492枚
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識別結果
ベッド上で寝ている
ベッド上で上体を起こしている
ベッドから出ようとしている
ベッド柵に体を預けている
“患者の状態が安全”と定義 “患者の状態が危険”と定義
教師データで学習2,003枚,未学習2,672枚
教師データで学習2,004枚,未学習2,837枚
教師データで学習2,005枚,未学習3,476枚
教師データで学習2,004枚,未学習3,492枚
安全 危険
安全 95.2% 4.8%
危険 6.4% 93.6%
実際の状態
識別結果
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まとめ
・低価格、低負担、高信頼な見守りデバイスを提案>市販デバイス(XtionとRaspberry Pi)を利用>3つのスイッチだけで操作可能>HLAC特徴量とSVMを用いて患者の状態を識別
・状態判別の基礎評価実験>安全状態:95%以上、危険状態:93%以上の識別率
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謝辞
奈良県西和医療センター整形外科医小杉先生
奈良県総合リハビリテーションセンター院長宮内先生
ロボティクス研究室
http://robotics.naist.jp/
連絡先(池田篤俊)
第32回日本ロボット学会学術講演会 20