near news vol.63 (jpn)

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北東アジア地域自治体連合 The Association of Northeast Asia Regional Governments 今月の動静 NEAR活動 I 事務局ニュース I 会員自治体の動静 I 会員自治体の行事日程 体験手記 PioNEARインターン交流プログラム体験手記 ロシア・トゥヴァ共和国国立大学校 企画取材 2015NEAR実務者ワークショップ I シルクロード慶州2015 会員探訪 日本・島根県 一つの北東アジア、一つの共同体 NEAR | One Northeast Asia Region, One Community NEAR 2015. 7-8 Vol. 63 NEAR 2015NEAR実務者ワークショップ News

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Page 1: NEAR news vol.63 (JPN)

北東アジア地域自治体連合The Association of Northeast Asia

Regional Governments

今月の動静 NEAR活動 I 事務局ニュース I 会員自治体の動静 I 会員自治体の行事日程

体験手記 PioNEARインターン交流プログラム体験手記 – ロシア・トゥヴァ共和国国立大学校

企画取材 2015NEAR実務者ワークショップ I シルクロード慶州2015

会員探訪 日本・島根県

一つの北東アジア、一つの共同体 NEAR | One Northeast Asia Region, One Community NEAR2015. 7-8

Vol. 63

NEAR2015NEAR実務者ワークショップ

News

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「NEAR News」は会員自治体のニュースを伝え、情報を共有するNEARの公式なメッセンジャーとして創刊されました。NEARの活動状況、会員自治体動静、関連国際動向、各種の寄稿、お知らせなどの内容で定期的に発刊しており、会員自治体及び関連機関に無料配布し、NEARホームページにも掲載されます。「NEAR News」は会員自治体がともに作っていくニュースレターであり、NEARと北東アジア地域に関心を持つ方はどなたでも参加できます。「NEAR News」に掲載を希望する原稿や斬新なアイデアをお持ちの方はNEAR事務局までご連絡いただくようお願いします。

NEAR News

日本・島根県 - 松江の茶文化

Vol. 634 7 18

Page 3: NEAR news vol.63 (JPN)

北東アジア地域自治体連合とは

北東アジア6カ国(日・中・韓・蒙・露・北朝鮮)78の広域自治体(73会員自治体、5オブザーバー自治体)で構成される北東アジア地域における代表的な地方外交協力体であると同時に、国際的な機構でもあります。北東アジアの共同繁栄を基本理念とする連合憲章を採択し、経済・人文、教育文化交流、環境、防災、国境地区協力、科学技術、観光、海洋漁業、鉱物資源開発・調整、エネルギー・気候変動、女性・児童、生命・医療産業、農業などの様々な分野で幅広い交流・協力プログラムを展開してまいりました。欧州最大の地方政府協力機構であるAER(欧州地域会議)、R-20 (気候行動地域)など国際的な機構との交流を活性化し、パートナーシップの締結、共同事業の推進など、北東アジアを越えて、世界中と繋がる国際協力ネットワーク構築の先頭に立っています。

NEARの門戸は開かれています。

北東アジア地域に位置し、連合の設立趣旨に賛同する広域自治体は、連合の総会の承認を経て参加することができます。

北東アジア地域自治体連合The Association of Northeast Asia

Regional Governments

Page 4: NEAR news vol.63 (JPN)

今月の動静 NEAR活動 / 事務局ニュース

NEAR活動

事務局ニュース

スポーツ分科委員会の開催(7月15日~7月17日)

会員自治体間のスポーツ交流を通じて、北東アジアの平和と協力、和

解の場を整えるため第1回スポーツ分科委員会がロシア・サハ共和国で

7月15日から17日までの3日間開催される。

今年はNEARスポーツ発展に関する会員自治体の多様な経験紹介、健

康な生活ライフ改善に向けた政策紹介、スポーツ関連潜在的な協力事業

について意見交換とスポーツ分科委員会の効率性を高めるための提案事

項について取り扱う予定だ。付帯行事としては、ヤクーツク市で開かれ

る国際スポーツ競技「アジアの子ども」行事に参加し、サハ共和国のス

ポーツインフラを視察する。また、ヤクーチア伝統スポーツ観覧と観光

名所にも行く予定だ。

教育・文化交流分科委員会の開催(7月31日~8月5日)

北東アジア地域の青年が島根県で交流プログラムを実施し、各地域

の相互理解と友好交流の増進を図り、北東アジア地域の新しいネット

ワークを構築するために開催する「2015北東アジア交流の翼inしま

ね」が7月31日から8月5日までの6日間、島根県松江市で行われる。

今年の主題は、「多文化の理解」であり、ホームステイ、伝統文化体

験、テーマ関連施設等の見学が行われる予定だ。参加者は18~30歳で、

中国・日本・韓国・モンゴル・ロシアで約30人が参加する予定だ。

事務局代表団一行、議長団体(イルクーツク州)を訪問

全哉垣事務総長をはじめとする事務局代表団一行は、去る4月28

日から5月2日まで、NAER議長団体であるロシア・イルクーツク州

を公式訪問した。就任して以来、初めて議長団体を訪問した全哉垣事

務総長は、エロシェンコ・セルゲイ州知事と対面し、今年10月開催

予定の「第10回実務委員会」をはじめとするNEARの当面業務に対し

活発な論議を行った。全哉垣事務総長は、州知事との面談で、35年間

の外交官経験を基にNEAR発展のため小職に最善を尽くすと抱負を述

べ、就任を祝うパフォーマンスとして州知事からお祝いの牌を受け取

った。なお、この日、州知事に議長として任務を果たして頂いたこと

に感謝を表し、会員自治体間の和合と北東アジアの発展に向け最善を

尽くすと同時にNEARの懸案事項と事務局と緊密な協力をして頂くこ

とをお願いした。

この後、全哉垣事務総長は、イルクーツク国立大学とユーラシア言

語大学の外国語学科を訪問し、グローバル時代未来投資のため一生懸

主要日程は下記のとおり。月日 プログラム内容 場所

7月31日(金) 午後

島根県松江市で集合(プログラム開始)歓迎セレモニー

自己紹介・島根県紹介 / 交流活動

島根県松江市内「しまね国際 研修館」宿泊

8月1日(土) 午前午後

ホームステイオリエンテーション歓迎交流会&ホームステイ

島根県内 ホームステイ

8月2日(日) 終日 ホームステイ 島根県内ホームステイ

8月3日(月) 午前午後

集合~視察文化体験

島根県出雲市「キララコテージ」宿泊

8月4日(火) 午前午後

グループワーク意見交換会お別れ夕食会

島根県松江市内「しまね国際研修館」宿泊

8月5日(水) 午前 解散(プログラム終了)

経済・人文交流分科委員会の開催(8月26日~8月28日)

今年で11回目を迎える「経済・人文交流分科委員会」は、会員自治

体の経済人文関係者を招聘し、北東アジア共同の関心事である「経済

人文分野共同懸案の問題解決」のための論議と優秀事例研究のため

8月26日から28日まで慶尚北道・慶州市で開催される。

今年は、基調講演、主題討論、事例発表、特別講演等で構成され、

最終日には慶州市で開催する「シルクロード慶州2015」を観覧する予

定だ。

命勉強し教えている学生と教授を激励しながら、北東アジアの繁栄と

発展を追究するNEARの役割についても広報した。

NEAR NEWS Vol. 634

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中国・陝西省「韓中友好象徴塔」除幕式に出席

全哉垣事務総長は、5月18日に中国・陜西省で開催さ

れた「韓中友好象徴塔」の除幕式に出席した。西安市滻灞生

態公園内の桃花潭公園で国宝20号である統一新羅時代の多宝塔

を実物の大きさで作り上げた友好象徴塔が設置された。この除

幕式は、韓国・慶尚北道と中国・ 陜西省間の姉妹提携を通じ

て一層距離が縮んだ両国間の文化交流の活性化と経済通商の拡

大に向け推進された。一方、除幕式では金寛容慶尚北道知事と

婁勤儉陜西省長、元容起文化体育観光部文化芸術政策室長、李

康国駐西安総領事、仏国寺性陀和尚等、約300人が参加した。

事務局ニュース / 会員自治体の動静 今月の動静

会員自治体の動静 吉林省 – 中国

第1回日中韓地方政府協力会議及び経済貿易プロジェクトマッチング大会、8月末に長春市で開催

1999年「日中韓首脳会談」を契機に始ま

った三国協力は、10余年の発展を経てほぼ

完全な協力体系を備えてきた。

8月30日から9月2日までの期間、吉林省

人民政府と日中韓協力事務局が共同主管す

る「日中韓地方政府協力会議」が日中韓地

方政府交流協力の深化と三国企業の経済貿易協力のための交流プラッ

トフォーム造成に向けて開催される。日中韓FTAという枠の中で、地方

政府協力における展望と長吉図(長春-吉林-図們)開発開放戦略を基にし

た「日中韓産業協力」を主題に各国政界関係者、地方政府の首脳、駐

中国外交官、経済団体、企業代表を招待し、約300人が参加する予定

だ。吉林省の行事関連責任者は、今回の会議が三国政府間の交流協力

推進と共同発展促進に肯定的な影響を及ぼすと期待している。

京都府 – 日本

「海の京都博 ~さあ、知と遊の冒険へ~」の開催

京都府では、府北部7市町が観光圏の認

定を受け、「海の京都」をテーマに、

「海」という大きな魅力と「京都」という

ブランド力を生かして、観光地域づくりを進めている。

7月に、京都縦貫自動車道が全線開通するのを機に、歴史・文化を体

感する特別な旅行プラン(コンセプトツアー)やまちの魅力を味わう

イベント、お祭、豊富な食など、多彩なコンテンツを集めた「海の京

吉林省の代表的な国際行事である「北東アジア博覧会」ロゴ

黒竜江省 – 中国

今年の夏は、黒竜江省で!

黒竜江省湿地の風景

黒竜江省は、中国の最北端に位置しており、独特な地理的位置と豊

富な資源に恵まれ、冬と夏の観光地として脚光を浴びている。黒竜江

省には、中国最大の湿地地域があるが、その面積は中国で4番目に大

きい。黒竜江省は、湿地資源を基に湿地文化、民族文化、農村文化、

時代的な流れをテーマにした寒冷地域湿地ならではの魅力でエコ観光

を重点育成している。これまで、黒竜江省では87ヶ所の湿地自然保護

区と58ヶ所の湿地公園が指定された。黒竜江省に位置する扎龍、興凱

湖、珍珠島等の8ヶ所は、国際主要湿地として登録されている。今年

の夏に、黒竜江省は約20の湿地特化観光商品を販売する予定。また、

ハルビン・萬頃松江湿地、扎龍湿地、興凱湖湿地等の10ヶ所の観光地

区を優先的に披露する。特に、観光客のため「火山湿地」と「中国の

東端」という二つのテーマ路線を作り、観光客に美しい湿地の風景を

心ゆくまで楽しんでいただく予定だ。

The Association of Northeast Asia Regional Governments 5

Page 6: NEAR news vol.63 (JPN)

今月の動静 会員自治体の動静

光州広域市 – 韓国

2015光州夏季ユニバーシアード大会の開催

全世界の大学生スポーツ祭典である「2015光

州夏季ユニバーシアード(以下、光州U大会)」

が、7月3日から14日まで、韓国・光州広域

市、全羅北道と全羅南道の一帯で開催され

る。「創造の光、未来の光」、「Light Up

Tomorrow」というスローガンの下、光州U大

会は自然と都心再生の美しさを活かした「エ

コ大会(Eco-versiade)」、境界を超え一つの「平

和・人権大会(Peace-versiade)」、最適化した競

技運営と最先端技術を持つ「IT大会(IT-versiade)」、光州伝統文化と多様性

が満喫できる「文化大会(Culture-versiade)」を通じて、世界の若い世代と疎

通しビジョンを共有する「EPIC(Eco、Peace、IT、Culture)大会」を目標に準

備している。今回の光州U大会は、170ヶ国から約2万人が訪れると予想さ

れる。45ヶ国の1万4,000人が参加した「2014仁川アジア大会」、204ヶ国

1万6,000人の「2012ロンドンオリンピック」に次ぐ規模である。現在、光

州はU大会開催都市としての姿へとなりつつある。それぞれの競技は、大

会期間中に全羅南道と全羅北道の25ヶ所と忠州市の各地で行われる。光州

U大会は、これまで国内で行われた国際総合スポーツ大会の中で最も経済

的な大会とも言える。大会を成功裏に終えるため、1万4,000人のボランテ

ィアも準備万端であり、開幕式の日を指折り数え待っている。競技はもち

ろんのこと、宿泊、式典、輸送、医療分野においてスムーズに進行される

よう「素朴であるが真心がこもった大会」、そして、選手の安全と便宜を

再優先する「選手中心の大会」を作り上げる覚悟た。光州U大会に参加す

る選手は、21種目272の金メダルを巡る熱い12日間を競う。競技種目は、

正式種目と選択種目に分かれる。正式種目としては器械体操、バスケット

ボール、ダイビング、リズム体操、バレーボール、水球、水泳、柔道、陸

上、サッカー、卓球、テニス、フェンシングの計13種目であり、選択種目

はゴルフ、バドミントン、射撃、野球、アーチェリー、漕艇、テコンド、

ハンドボールの8種目である。

オブス県 – モンゴル

モンゴル西部地域投資フォーラムの開催

モンゴル政府とモンゴル経済フォーラムが共

同で「モンゴル西部地域投資フォーラム」を

6月25日から26日までの期間、開催した。参加

者は今回のフォーラムを通じて西部地域の開

発及び地域交流活性化のための大規模投資プ

ロジェクトに関する情報を得ることができ

た。また、モンゴル最西端オブス県の文化と

風習を知る機会となった。

光州ユニバーシアードのマスコット「ヌリビ」

都博」を7月18日から11月15日まで開催する。

7月19日には、オープニングを飾るメインイベントとして、京丹後市

夕日ヶ浦の浜辺でウォータープロジェクションショーを開催。日本最

大のウォータープロジェクション(水の膜)に、海の京都に伝わる神

話をモチーフとした映像を浮かべ、夕日と光、噴水の一大スペクタク

ルショーを実施する。

「海の京都博」を通じて、歴史・文化、海・まちの魅力、農林水産

物等の自然の恵みなどを旅の楽しみとして全国に発信し、交流人口の

拡大と地域の活性化へ繋げていく。

詳細は「海の京都博公式サイト」http://www.uminokyotohaku.jp/ を参照

鳥取県 – 日本

アジアトレイルズカンファレンス鳥取大会の開催

鳥取県では、ウォーキングで地域が賑わい、人も、地域も元気にな

る「ウォーキングリゾートとっとり」を目指しています。この取組の

一環として、2015年10月16日から18日に、ウォーキングの国際会議

「アジアトレイルズカンファレンス鳥取大会」を開催することとなり

ました。大会期間中は、ウォーキング関係者による国際会議の他、併

催イベントとして、一般の方にも楽しんでいただける講演会やウォー

キング関連の展示会などが催されます。

また、10月17日、18日の2日間行うウォーキング大会には、日本遺

産に認定された「三徳山・三朝温泉コース」、城下町の風情漂う「打

吹山・赤瓦コース」、全日本ノルディック・ウォーク連盟公認第1号

の「東郷池周遊コース」など、鳥取県が誇る悠久の歴史豊穣な文化や

清廉な自然を満喫いただける3つのウォーキングコースを準備してい

ます。「アジアトレイルズカンファレンス鳥取大会」を皆様に楽しん

でいただけるよう、地域をあげておもてなしいたしますので、是非、

ご参加ください。

NEAR NEWS Vol. 636

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会員自治体の動静 今月の動静

今回のフォーラムには、駐モンゴル国の各国大使館、国際機構の代表、

ロシア・シベリア連邦管区及び中国新疆ウイグル自治区、モンゴル商工会

議所、ドイツ、台湾、日本、モンゴルの大企業の代表らが参加した 。

ドンドゴビ県 – モンゴル

「MONGOLIA ACTION ASIA 3 DAY ULTRA MARATHON」の開催

6月19日から21日までの期間、ドンドゴビ県

デルゲルチョクト郡(ソム)で「MONGOLIA

ACTION ASIA 3 DAY ULTRA MARATHON」大会

が開催された。香港の「Action Asia Events」

という団体がアジア国家を広報する目的で、

アジア国家で順番に開催する大会である。今

回のマラソン大会は、モンゴル内外から150人の選手が参加した。参

加者の80%は香港、シンガポール、台湾、日本であり、残りの20%は

アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパであった。参加者は、3日間

40Kmを完走した。

今回のマラソン大会は、モンゴルのNew Juulchin旅行社とドンドゴ

ビ県の環境、観光局が共同開催した。付帯行事として、ドンドゴビ県

の県立芸術団の公演と地域民の工芸品展示会が開かれた。

* マラソン大会関連案内:http://www.actionasiaevents.com/our-

events/2015-mongolia-ultra/overview.html

マガダン州 – ロシア

第2回国際マガダン投資博覧会の開催

第2回国際マガダン投資博覧会がマガダン

州政府の主催で7月17日から18日までマガダ

ン市で開催される。博覧会の主要参加者は、

企業、金融機関、公共機関、国際機構、ロシ

ア極東と海外の学識者、事業協会の代表等で

ある。

昨年開催した第1回国際マガダン投資博覧会は、政府、地域企業、投

資家が相互有益なプラットフォームを提供したという評価を得る等、成

功裏に終えた。その後、国際マガダン投資博覧会は毎年開催されること

となった。

今回の博覧会では、全体会議、ビジネス協商、ラウンドテーブル等の

投資プロジェクト関連行事と金採掘チャンピオン地域行事等が繰り広げ

られる。また、博覧会の人気行事の1つである鉱山及び地質プロジェク

トの開発を論ずるため先導的なロシア鉱山企業の集まりのロシア鉱山協

会「マイネックス(minex)セミナー」が開催される。

一方、マガダン州は、自然の無限な潜在力と事業のための有利な法的

環境の造成、便利な投資環境を提供している。そのため、投資家にとっ

て魅力的であり、ロシア国内外パートナーに対し開放的である。今回の

博覧会でも政府と企業間にとって相互に有益な時間となり、長期的なパ

ートナー関係と有望な投資プロジェクトが実現することを期待してい

る。詳しくは公式ホームページ(www.magfer.ru, www.49gov.ru)にて。

アルタイ地方 – ロシア

アルタイ地方の民族文化フェスティバルの開催

アルタイ地方には、多様な民族文

化があり、これはアルタイ観光にお

いて貴重な資源となっている。カザ

フ人、ロシア人、ウクライナ人、ド

イツ人等、多様な民族がアルタイに

居住している。デミドフ(1727~

1745)とカビネット(1747~1893)の時代、ストルイピン改革、第2次世

界大戦、1950年代後半から中央アジアと西シベリア一帯を開拓しよう

とした政策(virgin lands campaign)を経て、300年の短い間、多様な民

族がアルタイ地方に流入して来た。このような多様な民族は、自分達

の伝統遺産を守り保存することで、今日アルタイを訪問する観光客の

好奇心を刺激している。

アルタイ地方の民族観光は、観光客に文化と地域伝統を知らせるこ

とと共に、地域民族の伝統工芸、歴史と文化遺産の復活、保存、開発

に肯定的な影響を及ぼしている。アルタイ地方は、現在約150民族が

居住しており、自分たちの伝統食品と固有文化を持ち、食文化の発

達、民族、地域観光の基礎となっている。

アルタイ地方では、6月12日に観光・休養特別経済区域である「ビリ

ュツォバヤ・カトゥン(Turquois Katun)」で国際伝統文化フェスティバ

ルが開かれた。フェスティバルに関する詳しい内容は公式ホームペー

ジ「http://www.visitaltai.info/」又はアルタイ地方観光センター「+7

3852 20-10-37」にて。

アルタイ地方と江原道、友好交流協定の締結

アルタイ地方のベッサルボフ

(Bassarabor)副知事訪問団は、去る

3月24日に韓国・江原道を訪問し、

金美英(キム・ミヨン)副知事をはじ

めとする道関係者と両地域の協力

に関する面談と友好交流協定を締

結した。今後、両地域は経済と科学技術、文化部門の発展に向けて協力

することを約束した。

企業代表団と一緒に江原道を訪れたアルタイ州訪問団は、この日午前

に行われた協定式を終え、原州医療機器テクノパーク、原州企業都市、

原州セブランスキリスト病院等を視察し、春川バイオ振興院で両地域の

企業紹介及び投資説明会を行った。

The Association of Northeast Asia Regional Governments 7

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今月の動静 会員自治体の行事日程

July2015. 7

August2015. 8

| 会員自治体の行事日程 |

• 自治体 : 韓国 慶尚北道• 行 事 : 経済・人文交流分科委員会• 期 間 : 8月26日~8月28日• 場 所 : 慶尚北道 慶州市• 連絡先 : 慶尚北道庁グローバル通商協力課

T. +82-53-950-2278

• 自治体 : 韓国 大邱広域市• 行 事 : 第6回国際LED&Display展示会• 期 間 : 8月19日~21日• 場 所 : 大邸EXCO• 連絡先 : LED+事務局

T. +82-53-601-5398 http://www.lndexpo.co.kr/kor

• 自治体 : 韓国 済州特別自治道• 行 事 : 第3回済州国際クルーズフォーラム• 期 間 : 8月28日• 場 所 : 済州道一帯• 連絡先 : 済州特別自治道海洋産業課

T. +82-64-710-3227

• 自治体 : ロシア アルタイ地方• 行 事 : 国際青年経営フォーラム

「アルタイ地域成長」• 期 間 : 8月• 場 所 : ベラクリハ市• 連絡先 : アルタイ地方教育青年政策局

T. +7-3852-63-59-22 E. [email protected]

• 自治体 : 日本 島根県• 行 事 : 教育・文化交流分科委員会• 期 間 : 7月31日~8月5日• 場 所 : 島根県• 連絡先 : 島根県環境生活部文化国際課

T. +81-852-22-6464 F. +81-852-22-6412

• 自治体 : ロシア サハリン州• 行 事 : 第6回サハリン国際生花及び造景デザ

インフェスティバル「サハリンの花」• 期 間 : 7月29日~8月2日• 場 所 : ユジノサハリンスク市• 連絡先 : サハリン州文化部

T. +7-4242-72-45-09 +7-4242 -50-56-26

• 自治体 : ロシア サハ共和国• 行 事 : スポーツ分科委員会• 期 間 : 7月15日~7月17日• 場 所 : ヤクーツク市• 連絡先 : サハ共和国対外関係部

T. +7-4112-34-06-07

• 自治体 : ロシアハカス共和国• 行 事 : 第4回国際歴史文化フォーラム

「Siber-il」• 期 間 : 7月1日~7月3日• 連絡先 : ハカス共和国文化部

T. +7-3902-29-51-01

• 自治体 : ロシア アルタイ地方• 行 事 : 国際フードフォーラム• 期 間 : 7月• 場 所 : バルナウル市• 連絡先 : アルタイ地方経済投資局

T. +7-3852-63-48-04 E. [email protected]

• 自治体 : モンゴル中央県• 行 事 : 北東アジア会員自治体

女性リーダーフォーラム• 期 間 : 7月• 場 所 : ゾーンモド市• 連絡先 : 中央県庁

T. +976-7027-3084 E. [email protected]

NEAR NEWS Vol. 638

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今月の動静 会員自治体の行事日程

• 自治体 : ロシア 沿海地方• 行 事 : 第10回国際漁業会議 • 期 間 : 8月27日~8月28日• 場 所 : ウラジオストク市• 連絡先 : 沿海地方水産業及び水生資源局

T.+7-423-220-93-02 E. [email protected]

• 自治体 : ロシア サハリン州• 行 事 : 第5回サハリン国際映画

フェスティバル「世界の終わり」• 期 間 : 8月21日~8月28日• 場 所 : ユジノサハリンスク市

• 自治体 : 韓国 慶尚北道• 行 事 : シルクロード慶州2015• 期 間 : 8月1日~10月30日• 場 所 : 慶尚北道 慶州市• 連絡先 : 慶州世界文化エキスポ組織委員会

T. +82-54-740-3021

• 自治体 : 韓国 全羅北道• 行 事 : 第9回世界テコンドー文化エキスポ• 期 間 : 7月10日~7月15日• 場 所 : 茂朱、全州、セマングム一帯• 連絡先 : 全羅北道庁体育政策課テコンドー

スポーツ産業チーム T. +82-63-280-3363

• 自治体 : 日本 兵庫県• 行 事 : 第30回宇宙技術および科学の国際

シンポジウム• 期 間 : 7月4日~7月10日• 場 所 : 兵庫県神戸市• 連絡先 : 兵庫・神戸大会地元事業

実行委員会事務局 T. +81-78-303-0029

• 自治体 : 中国 山東省• 行 事 : 2015中国(蓬莱)国際葡萄酒•毒酒

(強い酒) 品評会• 期 間 : 7月3日~7月5日• 場 所 : 煙台市蓬莱• 連絡先 : T. +86-531-8606-1765

• 自治体 : 韓国 慶尚南道• 行 事 : 2015慶南国際アートフェア• 期 間 : 7月2日~7月5日• 場 所 : 昌原コンベンションセンター(CECO)• 連絡先 : 昌原コンベンションセンター事業団

T. +82-55-212-1011

• 自治体 : ロシア マガダン州• 行 事 : 国際マガダン投資博覧会• 期 間 : 7月17日~18日• 場 所 : マガダン市• 連絡先 : マガダン州経済発展・投資政策・

革新部 T.+7-4132-62-04-52 www.magfer.ru

The Association of Northeast Asia Regional Governments 9

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体験手記 PioNEARインターン交流プログラム体験手記

2014年4月初め、ロシアに到着した時に最も印象に残ったものが3つある。雪、針

葉樹、息…。真っ白な雪が風で飛ばされ白くぼやけた空の下に、密生した針葉樹は

緑色の境界線を成している。漠然と「ロシア」と言えば「寒い」という言葉が浮か

ぶ、まさにその様子を取り入れた風景に胸騒ぎした。

ロシア・トゥヴァに行く道程は長かった。仁川から北京を経由しクラスノヤルス

クに到着した後は、軽飛行機やバスか、タクシーを利用して移動しなければならな

い。出国する前にトゥヴァ国立大学から聞いた話によると、バスで14時間かかるそ

うだ。韓国では経験できないことだけあって、バスで行くことにした。ロシアの長

い道程は運転手にも相当な負担があり、二人の運転手が交代で運転した。また、

2~3時間間隔で休憩所に立ち寄り、乗客がトイレや食事を済ませるようにしてい

た。このプログラムが一旦終わる3ヶ月後の帰国時には、イルクーツクで飛行機に

乗るため、「トゥヴァ→イルクーツク」をバスで敢行する32時間のルートに挑戦し

た。この時は最大6時間休憩無しで移動した。これは途中に小都市も休憩所も無い

野原だったからだ。まるで、地球の肺の中を走っている気分であった。イルクーツ

クとトゥヴァは時差が1時間あった。今後おそらく挑戦することは無いだろうが、

期待以上の貴重な体験をした。

ロシアの広大な広さを経験した後に見たトゥヴァ共和国の首都「クズル」は比較

的小さな都市であった。モンゴルに隣接したトゥヴァの人達は、韓国人に似た顔つ

PioNEARインターン交流プログラム体験手記NEAR事務局では、会員自治体の青年達に他会員自治体の企業、機関等で勤務する機会を提供し、青年

雇用創出と文化交流活性化のため、2014年からPioNEARインターン交流プログラムを運営している。ロシア・トゥヴァ共和国トゥヴァ国立大学校で韓国語講師として2014年には4ヶ月(4月から7月ま

で)勤務し、今年もインターンとして勤務(3月から6月まで)した韓国・交通大学校人文大学校韓国語文学を専攻した李英恩(イ・ヨンウン)氏がインターンプログラムを終えた。

ロシア・トゥヴァ共和国 トゥヴァ国立大学校:韓国交通大学校人文大学校 韓国語文化課 李英恩

戦勝記念日

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Page 11: NEAR news vol.63 (JPN)

きだった。似た点は顔だけでなく、言語からも見られる。トゥヴァ共和

国は、共用語として「ロシア語」と「トゥヴァ語」を使っている。伝統

言語である「トゥヴァ語」は韓国語と語順が同じで、ロシア語には存在

しない「ŋ」の音があり、韓国語の授業で上手く説明できた。韓国語講座

を受講する学生は、韓国ドラマ、アイドル(Kpop)、そして大学進学まで

大きな関心を持っていた。学生の中には、「トゥヴァ人は、アジア人と

顔つきが同じで、10年前は日本文化が、そして最近は韓流の勢いが強

い」と言った。女子大生から女の先生まで、皮膚タイプの問題から韓国

の化粧品を好んでいる。また、韓国の医療技術も認められており、手術

をするために韓国に行った学生も見られた。

トゥヴァで面白いことと言えば、ここでは雨が降っても傘をささないこ

とである。韓国から傘を持って来なかった私は、ある日学校に行く道で

雨に降られたが、街の人達は何気なく雨の中を歩いていた。見慣れない

風景だったので、授業の時にその理由を聞いてみた。しかし、学生達は

普段「傘をささない」ことについて考えたことすらないようで、その答

えを探すのに手間取った。ある学生は「傘を持つことはヘアスタイルや

洋服と合わなく、自分のスタイルを害する」と言った。しかし、多数の

学生は「トゥヴァ共和国は、綺麗な街であるため、雨が汚いとか、私達

の健康を害するなどは考えていないからだ」と意見をまとめた。雨に濡

れるとスタイルが乱れ、酸性雨で髪の毛が抜けるという教育を受けてき

た韓国人の私にとって興味深い意見の違いであった。

書籍で学んだ「文化は相対的なもの」ということを、ここに来てはっき

りと知った。他国の文化を知るという行為は、彼らを分かち合うことで

もあるが、それと同時に見慣れた我が文化について深く考えるきっかけ

にもなった。2014年4月から7月までの4ヶ月間の勤務を終え、2015年に再

びトゥヴァ共和国に行った。今年も色々な学生達が韓国語を学び、私は

学生たちから新しい文化を学んでいく、相互に有意義な時間を過ごすこ

とができた。

体験手記 PioNEARインターン交流プログラム体験手記

戦勝記念日

.戦勝記念日

街の子供達

学生からもらったプレゼント

▼ トゥヴァ音楽会

戦勝記念日

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2015NEAR実務者ワークショップ

5月20日から22日までの3日間、韓国・慶州市の現代ホテルで、韓国、中国、日本、モンゴル、ロシアの5ヶ国36団体の実務者100人が参加した中「2015NEAR実務者ワークショップ」が開催された。

実務者ワークショップは、NEAR会員自治体の実務者級公務員が一堂に会し、NAERと連合活動についての理解増進と会員自治体間の人的ネットワークを形成するための場として、2006年から開催し今年で10回目を迎えた。参加人数は延べ数750人に至る。

2015NEAR実務者ワークショップ

企画取材

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今回のワークショップでは、NEAR事務局の「主要

業務現況報告」、高麗大学校孫基栄(ソン・ギヨン)教

授の特別講演、会員自治体の主要行事について紹介

した。また、NEAR懸案事項と会費制導入、分科委員

会の効率的な運営について討議する時間が設けられ、

連合の主要案件における会員自治体の意見収集と討

議が行われた。また、産業視察として、世界鉄鋼産

業を率いる「POSCO(浦項製鉄所)」を訪問し、韓国の

代表的な文化遺産であり、世界遺産である「石窟庵」

と「仏国寺」も視察した。

特別講演及び会員自治体からの発表

特別講演が始まる前に、NEAR事務局では「2014年

事業成果及び2015年運営方向と重点推進業務」につ

いて報告した。特に、2015年重点推進業務として第

10回実務委員会の開催、NEAR国際フォーラムの開催、

NEAR青年インターンシッププログラムの施行、第

3回青少年エッセイコンテスト等があり、会員自治体

の積極的な協力をお願いした。

続いて、高麗大学校孫基栄(ソン・ギヨン)教授の

「調和の時代と北東アジアで惻隠(そくいん)の共同体

作り」という主題で特別講演を行った。韓国・中国・

日本は、過去の歴史問題、領土問題による対決志向

的な雰囲気が漂うが、これを乗り越えるためには

「惻隠の共同体」を作り惻隠な心を回復し相互維持し

合い、ひいては北東アジアの国家が調和の時代を成す

ようにすべきだと述べた。

会員自治体の広報事項として、まず中国・寧夏回族自

治区は「寧夏回族自治区・銀川の新しい発展協力機会」

について発表し、山東省は10月に開催する「2015NEAR

海洋・漁業分科委員会の開催広報」を行った。日本・

富山県は「環境分科委員会活動報告」をした。

韓国は、主にそれぞれの会員自治体が今年開催する

分科委員会や国際行事を紹介した。まず、大邱広域

市は「大邸メディカル・クラスター」、大田広域市

は「世界科学都市連盟について」、忠清北道は

「2015 槐山(ケサン)世界オーガニック産業エキスポ」、

全羅南道は「2015国際農業博覧会」と「2015潭陽(タ

ムヤン)世界竹博覧会」の開催広報をした。続いて、

慶尚北道は「第11回経済・人文交流分科委員会の開

催」と「2015慶北・聞慶世界軍人スポーツ大会」、

「シルクロード慶州2015」について紹介した。

企画取材 2015NEAR実務者ワークショップ

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企画取材

モンゴルは、会員自治体の紹介について発表した。ウムヌゴビ県は「ウムヌゴ

ビ県の紹介」を、ウランバートル市は「ウランバートル市の現況」を参加した会

員自治体に広報した。

議長団体であるロシア・イルクーツク州は、「第10回実務委員会の開催」につ

いて各会員自治体に積極的に参加していただくよう願いした。また、サハ共和国

では新設した「スポーツ分科委員会」の開催広報をした。

NEAR会費制導入及び分科委員会の効率的な運営方案について討議

会費制導入に関しては2007年から何度か論議されたが、未だに合意に至らず、

第10回全羅南道総会で事務局が提案した内容を次期実務委員会の議題として上

程する前に、会員自治体から集めた意見を基に2015実務者ワークショップで改

めて会員自治体の意見を聞くため討議の時間を設けた。

<会費制導入>

会費制導入は、会員自治体の連合活動における関心と参加率を高めること、そ

して、国際機構として我が連合の地位を向上させ、財政の独立性を強化し、

NEARが持続可能な生存と発展のため、その必要性が提起された。

多数の会員自治体が会費制導入の必要性に共感した。また、今回の会員自治体

の意見調査及び実務者ワークショップの討議過程で、会費制賦課方式と使用用

途についても様々な意見が述べられた。

事務局では、会費制の賦課方式として「年会費2000USドルの定額制」を提案

し、その用途として連合発展と会員自治体の共同目的に符合するプログラムやプ

ロジェクトの遂行に大きな比重を置いている。これにより、会員自治体から提

案された事業を中心に、国家別に対象事業の推薦を受け、実務委員会で決定す

2015NEAR実務者ワークショップ

NEAR NEWS Vol. 6314

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る方向へと遂行し、会員自治体の関心と参加率を高めることを目指す。

会費制運営に対する透明性確保と必要な諸般事項(予算編成、審議、

執行、会計、監事等)の運営規程を整え、今年10月に開催する実務委

員会に提出し審議することにした。

<分科委員会の効率的な運営>

この議題の討議背景は、会員自治体と分科委員会の拡大による、コー

ディネート自治体の財政的負担を軽減し、同じ時期に重複開催するこ

とを防ぎ、会員自治体の参加率を高めるためである。また、活動が振

るわない分科委員会を実質的でかつ成果のある活動にするため、効率

的な管理システムの構築が必要だと定義された。

したがって、分科委員会に関する事案は、コーディネート自治体の

意見が最も重要であるため、今年の実務委員会で「分科委員会の運営

企画取材 2015NEAR実務者ワークショップ

実態調査」を行い、運営がスムーズに行われている分科委員会はその

まま維持する。また、運営が振るわない分科委員会については、コー

ディネート自治体と協議の上、類似した性格で業務協調が可能な分科

委員会をグループ化するか、共同開催、他会員自治体に移譲・廃止す

るなどを提案することにした。

現地視察

ワークショップの参加者は、会議の当日に世界鉄鋼産業を率いる韓国

の代表企業である「POSCO(浦項製鉄所)」を訪問した。最後の日には、

慶州市吐含(トハム)山に位置するユネスコ世界遺産として知られる「石

窟庵」と「仏国寺」も視察し、韓国の仏教文化を経験することができた。

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シルクロード慶州2015

8月21日から59日間、「シルクロード慶州2015」が開催される!「シルクロード慶州2015」は、「ユーラシア文化特急」という主題で、8月21日から59日間、慶州世界文化エキスポ公園と慶州市一帯で開催される。中国、ウズベキスタン、イラン、トルコ等のシルクロード国家と慶尚北道、慶州市友好姉妹都市を含む40ヶ国が参加する予定だ。8月21日開幕式を皮切りに、10月18日まで多様な展示・公演・体験行事・特別行事等が59日間華麗に繰り広げられる。

シルクロード慶州2015

기획취재

石窟庵 HMDトレブル体験館

企画取材

オスマン軍楽隊「バザール」の構成図

SilkRoad Cultural Festival

in Gyeongju 2015

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Page 17: NEAR news vol.63 (JPN)

「シルクロード慶州2015」のプログラム構成は?行事が行われる59日間(8月21日~10月18日)、展示・公演・映像・体験・特別行事

等、新羅と慶州、慶尚北道、そして韓国文化の優秀性を全世界に伝播する25の特化文

化プログラムが行われる。

「文明の出会い」:多様な歴史と文化に接することができる出会いと交流の場シルクロード各国伝統茶の街を中心に、食べ物、工芸品、民族公演等が集まった「シ

ルクロード・グランド・バザール」は、「シルクロード慶州2015」を代表するプログ

ラムである。参加国の伝統家屋の特徴を活かしたブースを作り、各国の伝統衣装を着

た商人達が直接市場を運営する。

「シルクロード・ファンタジア(展示)」は、シルクロードの歴史と文化を取り入れたフ

ァンタジー体験旅行であり、神話の想像動物、アラビアンナイト等のファンタジーの

世界が演出され、観覧客の視線を捉えるだろう。

現在、慶州世界文化エキスポ公園内の文化センターで開催されている公演「バシー

ラ(Basilla)」は、古代ペルシャの口伝叙事詩である「クシュナメ(Kush Nama)」のストー

リーを再構成し、新羅と多様な国家の文化交流を描いた舞踊劇である。特にペルシャ

王子と新羅王女のラブストーリーは、観客の心を打つ。

「シルクロード・リアリズム展」を通じて、中央アジア作家の作品にも出会える。見

慣れないものだからこそ関心が持たれる中央アジアの特徴と思いを豊富に表現した大

作が展示される予定だ。

「黄金の国、新羅」:輝かしい黄金文化を基に新羅芸術と文化の再構成黄金を中心に時代別新羅芸術の大きな流れが見られる「新羅黄金遺物特別展」は、

2013年ニューヨーク・メトロポリタン美術館で開かれた「黄金の国、新羅」企画展を

国立慶州博物館では帰国展として見る事ができる。金銅彌勒菩薩半跏思惟像(国宝

83号)等の約100点の黄金遺物が見られるよい機会だ。

また、最先端ICT技術の具現を通じて、世界最高石窟寺院である「石窟庵」を生で体

験できる「石窟庵HMD(Head Mounted Display)トラベル体験館」、「ドローンショー

(drone show)」等が観覧客を待っている。

「調和の広場」:シルクロード各国の文化が一つの場で調和を成すトルコのメフテル軍楽隊を中心とする多様なシルクロード国家の伝統楽器公演団の演

奏が見られる「シルクロード・パレード」は、印象深く残るだろう。

英文ポスター(gold)

「バザール」の構成図

企画取材 シルクロード慶州2015

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Page 18: NEAR news vol.63 (JPN)

日本・島根県 会員探訪

松江の茶文化

日本の伝統衣装である着物を着て、松江で一日中日本の伝統文化を体験し

ました。

着物を着てみたのは今回で二回目です。初めての体験は、以前ホームステ

イで日本に来た時、着物博物館に行って、展示されている貴族の着物を着て

みたことでした。だから、普段着を着るのは今回が初めてでした。韓国の伝

統衣装である韓服(ハンボク)が曲線と直線の美を表しているとしたら、着物

は直線の美を表していることが違うところだと言えます。

着物を着て体験したことの中で、一番大変だったのは、正座をしてお茶を

点てる茶道の体験でした。正座というのは韓国では叱られる時以外はなかな

か経験しないことなので、慣れないことだからです。今回、個人的に体験し

た茶道を基にして、松江の茶文化について情報を共有したいと思います。

茶道の体験は松江の有名な老舗である千茶荘というお店で行われました。

日本の茶道でお茶というと、抹茶と煎茶がありますが、一般的に抹茶が代表

的で、抹茶を点てる礼法、飲む礼法、もてなしの礼法などを教わりました。

日本の3大流派は表千家・裏千家・武者小路千家ですが、今回は裏千家の作

法を簡単に教えていただきました。

まず、お湯で茶碗を温める間に、和菓子をいただきます。抹茶は少し苦い

味がするので、お茶を飲む前に甘い味の和菓子を食べておくのですが、良い

組み合わせだと思います。

最善を尽くしてお茶を点て、お客さんに出し、お茶を出してもらったお客

さんは点前(てまえ)の人に敬意を表す茶道の礼法は、儀式や儀礼を大事にす

る日本の文化がよく表れていると感じました。

日本・島根県 松江の茶文化

日本・島根県

朴慧貞(島根県韓国国際交流員)

「松江の楽しみ方」~和の美、心のゆとり~島根県庁には、韓国、中国、ロシア、アメリカ

から来た国際交流員が働いています。今回は、韓国の国際交流員朴慧貞さんを含む国際交流員が編集した冊子を紹介します。冊子の題名は「しまねいもじょも」。「いもじょも」とは、韓国語で「あれこれ」という意味で、島根のあれこれを外国人の目から見て紹介しています。

今回は、古くから城下町として栄え、京都・金沢と並ぶお茶処として有名な島根県を代表する「松江市」を、着物を着て、茶道・和菓子づくり体験といった和の文化を体験し、記事にしています。これらの体験は、旅行者でも気軽にできますので、ぜひ島根県へお越し下さい。日本の田舎で和の体験を楽しめます。

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会員探訪 日本・島根県

抹茶は昔、身分の高い人だけ楽しむお茶であって、庶民まで楽しむこと

になった期間はあまり長くないそうです。現在も抹茶といえば、他の地

域では接する機会の少ないお茶ですが、松江では抹茶は一般の人たちに

も広く楽しまれているそうです。このように松江の茶文化が広がった背景

は出雲松江藩7代藩主である松平治郷(まつだいらはるさと)の存在がある

といっても過言ではありません。不昧公(ふまいこう)とも呼ばれた松平治

郷は普段から抹茶を楽しんでいて、後に、不昧流という流派と形式にこ

だわらない独自の茶道を築きました。現在も不昧公が使っていた茶室の

明々庵(めいめいあん)が松江城の近くに残っています。

不昧流という茶道の流派まで生まれた松江では年に一度「松江城大茶

会」が開かれます。これは京都の「二条城市民大茶会」と金沢の「兼六

園大茶会」に並ぶ日本3大茶会の一つで、秋に行われる松江の大きな文化

行事です。去年は10月4日、5日に行われたのですが、私は終わる時間を

チェックせずに行ったせいで、買っておいたチケットをたった二か所の茶

会に参加することにしか使えませんでした。

また松江のスーパーマーケットに行ってみると、お茶のコーナーの広

さに驚きます。

様々な種類のお茶や茶道に使う道具まで陳列されています。他の地域で

はお茶の専門店やデパートなどでしか買えない茶筅を松江ではスーパーマ

ーケットで気軽に購入できることから、茶文化が松江にどれだけ深く根付

いているのかが分かります。

このように、不昧流から始まって、今日まで約200年の歴史を持ってい

る松江の茶文化。松江にいらっしゃったら、茶道がそんなに難しくなく、

身近で気軽に楽しめる体験になると思います。

松江では抹茶は一般の人たちにも広く楽しまれているそうです。このように松江の茶文化が広がった背景は出雲松江藩7代藩主である松平治郷(まつだいらはるさと)の存在があるといっても過言ではありません。

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Page 20: NEAR news vol.63 (JPN)

北東アジア地域自治体連合The Association of Northeast Asia Regional Governments(790-834)慶尚北道浦項市南区芝谷路394 浦項 テクノパーク本部棟3階

T. +82-54-223-2317 F. +82-54-223-2309 E-mail [email protected] Homepage www.neargov.org

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