医療者向け isd教育の実践と改善 ·...

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Copyright © Performance Improvement Associates. 2013 All rights reserved. 医療者向け ISD教育の実践と改善 〜紺屋の白袴にならないように〜 第27回 SEA教育ワークショップ 発表資料 2013年11月14日(木)ー16日(土) 1

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医療者向けISD教育の実践と改善〜紺屋の白袴にならないように〜

 第27回 SEA教育ワークショップ 発表資料 2013年11月14日(木)ー16日(土) 

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 概要

コース名 ISD基礎セミナー 開催期日 8月2日(金) 10時〜16時(超短時間)

一ヶ月前からの事前学習あり。

対象者 医療従事者(医師、看護師、救命士、他)

受講者数 募集定員30名に45名(大人気) 医師:9 看護師・救命士:29、教員:5、事務:1、研修医:1

内容 ISDによるコース開発のプロセスの理解と主要部分(特に上流工程)の疑似体験

学習形態 事前学習(メールでの質問対応あり) セミナーは完全セルフペース。便宜的にグループ形成(4〜5名)

講師陣 米島+アシスタント3名

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 私の狙い

受講者に ISDの概要を知ってもらう。 それ以上にセルフペースの学習形態を実体験してもらう。

アシスタントに セルフペースでの受講者対応と進捗管理方法を覚えてもらう。事前に集まって勉強会で指導!

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 事前学習と教材

はじめに 序章 ISD概要 分析フェーズ

パフォーマンス分析 タスク分析 ゴール分析 受講対象者分析

  設計フェーズ

開発レベル設定 目標抽出 コースマップ作成 参加要件設定 テスト問題作成 教材診断 最適実習記述 学習内容決定 学習環境記述 学習提供手段選択

開発フェーズ 学習モジュール作成 コース手順書作成 コース管理ツール作成

  試行・実施・改善フェーズ

モジュール試行 モジュール修正 コース試行 運用指示書作成 コース実施 コース改善

テキスト: ISDの基礎 (75ページ) 目次

各ステップごとに 解説とドリル(作業ベース)を用意。

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 コース到達目標とコースマップ

•  ISDによりデザインされたコースの特徴を述べることができる。 •  ISDの主要なプロセスの機能と概要を述べることができる。 •  ISDの主要なプロセスを実施することができる。

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 会場配置図

全体進捗管理表 コースマネージャ席

听叺ー

吠吧吚吆后ー

4、5人 グループ

4、5人 グループ

4、5人 グループ

4、5人 グループ

4、5人 グループ

4、5人 グループ

4、5人 グループ

4、5人 グループ

4、5人 グループ

4、5人 グループ

4、5人 グループ

スィーツ・ドリンク

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 当日配布物

コースガイド 学習の進め方やコースでのルールを説明したもの。 最初にこれを読んでからスタートする。 コースマップ、学習進捗管理表(個人用)含む。

演習シート テキストの各ステップに対応し、主要ステップ(上流工程の分析、設計フェース)の一部について、理解の確認と一部の作業を盛り込んだ。

フィードバックシート

演習シートの解説(回答、模範例など)。 自分だけで行うもの、他の受講者に協力してもらって行うもの、コースマネージャーを呼んでみてもらうもの、3種類。会場脇に配置して演習が終わったらとりに行く形式。

テキスト 受講者が印刷して持参。

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 実施結果

必修11モジュール修了者 35名

 うち選択含め全モジュール修了 1名

 うち選択必修含め13モジュール以上修了 6名

必修11モジュール未到達 5名

修了状況 40名中

全体進捗 管理表

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 受講者アンケート

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そう思う ややそう思おう どちらでもない ややそう思わない

そう思わない

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1 1 0

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6

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満足である やや満足である どちらでもない やや不満足である

不満足である

事前課題は通り組み やすかったか?

セミナーの 満足度は?

回答23

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 受講者アンケート(全体的な感想)

•  まずは基礎をしっかりやらないとと痛感しました。 •  疑問点をすぐに解決できるような構成と満足度の高いセミナーでした。 •  久しぶりに頭を思い切り使った気がします。 •  個人的には米島先生に2回途中のチェックとコメントを戴き、内容が急激に深化したの

が印象深かったです。 •  膨大な資料準備や綿密な打ち合わせ、そしてファシリテーターの皆様、スタッフの皆様

のご尽力に感謝しています。 •  事前課題の資料にところどころ、例があると助かります(それを自分で考える、というの

がセミナーの趣旨ではありますが‥) •  個人ワークはさておき、ファシリテーターの皆さまとのディスカッションが大変有意義で

した。米島先生からのご指摘で、目からうろこでした。ありがとうございました。 •  受講しながら、効果的な学習支援について感じることができました。 •  少し、遅刻してしまったこともあり追いつくのに必死になりました。 •  また、これまでIDに関する言葉は聞いたことがあっても勉強をしたことがなかったので、

非常に興味が持てました。 •  内容にも満足しておりますが、それに加えて個別学習とグループワークを混合した学

習を自分自身で経験できたことで、実際に活用してみようという意欲が高まっております。ありがとうございました。

•  資料だけでは理解しにくかったですが、ワークを通して少しずつ理解できるようになりました。

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 受講者アンケート(全体的な感想)

•  最後まで達成した方のものを発表のような形で見てみたかったです。 •  事前課題は内容の理解に苦しむ部分がありましたが、当日はスタッフの方のサポート

のお陰で大変よくわかり勉強になりました。 •  事前課題はかなり高度な内容であった。セミナーで配布された資料の質問に回答する

ことで初めて理解できた内容も多く、そこまで計算しての仕組みづくりであったのなら感嘆する他ありません。ただあのセミナーをより実践的なものにするのであれば、今回セミナーで実施した前半部分までは事前課題とし当日は後半部分に特化した方が得られるものは大きかったかと考えます。

•  IDって何?という疑問が解消しました。と言いましても、完璧にというわけではないのでこれからも勉強を継続していかなくてはいけないと思っています。次への足がかりになったかなと。

•  「講師からの話を漏らさず聞き取って学ぶ」というスタイルになれてしまっていると違和感を感じるところでしょうが、事前資料やその他の書籍で「学習とはどういうものなのか」ということは予備知識として知っていたので、”あぁ、これが学習というものか”と感じました。わからないところはバックアップの体制もできていましたから何ら問題はありませんでした。質問しなくても理解できればそれでいいわけですし。

•  とても、勉強になりました。もう一度自分で振り返りをしてみます質問に対して、詳しく回答して頂けました。個別に回答して頂けたのは、とても参考になり良かった。

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 受講者アンケート(全体的な感想)

•  最後に自分でタスク分析をしたりモジュール作成をするところがとても難しく、そのときにファシリテーターの先生を捕まえるのが困難でした。その部分では1グループに1人くらい付けて頂けるとありがたいです。

•  私は十分に取り組めたと感じていますが、中にはついていけない参加者もいたようです。お金を出して参加しているので、そういった人がお金を出したのに十分なサポートが受けられないと感じるのではないかと思います。いくら効果的な学習の方法で、その後のサポートがあるとしても、お金が発生すると、参加者の満足を高めなくてはいけない責任があります。むしろ、この学習方法であれば、集まってやらない方が効果的のような気がします。

•  今回はテキストから作業シートに関係部分を探して清書するのが主な作業だったようで、あまり知的ではなかったように思います。

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 受講者アンケート(今後の改善点) 1/2

•  ファシリテーターに聞きながら実施したのでなんとななりましたが、時間内に終わらなければという焦りはありました。事前課題とともにセミナーの内容なども教えていただければよかったかなぁと思います。

•  事前課題というとテキストを事前に読んでくること以外になにかありましたっけ? 全ての資料を曝す必要もないが、演習シートは事前に配布しておいてやらせてもいいのではないかな。事前取り組みの量が多くなるけど、その方が、講師は何を期待しているのかが理解できるように思います。自習してすすめる、という部分で「自分の答であっているのかどうか、不安」という声がありました。その辺りに対するプリフレームがあると、より安心して進めたかもしれません。一方で、答や確認を受け身で待つのではなく、あくまでも大人の学習として自主的にすすめ、質問があるのならどんどん自分からしなさい、ということなのかな? とも思っています。色々な意味で、自分が自学自習のスタイルに慣れていないことを実感する良い機会になりました。 時間的にかなりタイトなので、最後までいきつくように時間配分を受講生自身がコントロールする必要があると思いました。(学習者の責任)当日は更にその上の作業を行わせていただければ・・・。

•  次回以降も同じ形式でやるのなら、やはり時間が短すぎると思います。せめて最終段階まで全体を見通した時間配分の指示があれば、さらに充実したセミナーになったと考えます。

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•  時間配分に関し、個人的には「グループ作業」がネックになりました。私自身にとっても参加者同士の交流は貴重なものなので、その部分は残しつつ個人のペースを維持できる仕組みがあれば良いと思います。(実際には「指示」を無視して、勝手に進んでいましたが)

•  和やかな雰囲気でできるのは良かったのですが、個人作業できればもっと良かったなと思います。 受講生の疑問をディスカッションする時間がほしかった。なぜそのように考えるのかという正解ではないが、多くの人のコンセンサスを得るような場が必要だと思った。たとえば、行為を示す術後としての「叱る」は、本当にそれで正解なのかは、たぶん他の受講生も疑問を持っていたと思う。また、医療教育でよく使用される「気付き」や「確認する」などのスキルレベルでの記述はどうしたほうがよりよいのかなど。また、何度も行う研修などは、IDで、という説明であったが、医療現場において、何度も行える研修は物理的に無理ではないかと考える。そういう場合のIDの考え方などを、ファシリテータ-個人の意見ではなく、全体でディスカッションしたかった 他の参加者の成熟度は対応可能なのかも知れませんが、IDに関した基礎を学ぶことが昨年からも目的でしたので今回の運用は戸惑いました。

•  暗記は短期記憶にしかとどまらないので、暗記しないといけない理由について聞きたかった。

•  作業の進め方を理解するのに時間がかかった。(2) •  自己主導型でできるのは良かったのですが、最初に10〜20分でも導入は背景説明

のためのミニレクチャーがあるとよいなと思いました。

 受講者アンケート(今後の改善点) 2/2

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 今後の改善予定

テキスト 外来語の日本語化。 各設計開発プロセスでの例を追加する。

コース内容 前半の理解度確認演習を事前課題に移し、後半の実務演習中心にするか検討する。

運用関連 時間不足の解消(9時ー17時にする?) モチベーションの維持のための仕掛け、工夫を追加する。

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研修の場 仕事の場

プライベートの場

Instructional Systems Design

分析Analysis

設計Design 開発  

Development

試行  Trial

実施  Implementation

改善  Feedback

業務支援ツールEPSS:Electronis

Performance  Support  System

遠隔学習

学習インフラ

ワークプレースラーニング

Instructional Systems Designerの視野

状況的学習

組織 マネジメント

独習教材

 最近の興味

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研修の場 仕事の場

プライベートの場

Instructional Systems Design

分析Analysis

設計Design 開発  

Development

試行  Trial

実施  Implementation

改善  Feedback

業務支援ツールEPSS:Electronis

Performance  Support  System

遠隔学習

学習インフラ

ワークプレースラーニング

Instructional Systems Designerの視野

状況的学習

組織 マネジメント

独習教材

Human Performance Improvement(HPI) / Technology(HPT)

 最近の興味

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 ワークショップでの指摘と今後の課題

指摘: ID基礎セミナーの改善に際し、研修の場での学習と状況的学習のバランスをどうするのかを、身を以て実現するべきではないか?(Dr.鈴木) 方針: ID基礎セミナーは研修の場での学習、では実務現場での状況的学習はどうするのか? ID基礎セミナーの中で状況的学習と研修の場での学習のバランスをどう考えて活用するかを学ぶ