板橋区教育ネットワーク - 第5学年 社会科学習指導案1 第5学年...
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1
第5学年 社会科学習指導案
日 時 平成28年 9月14日(水)
対 象 第5学年2組 32名
学校名 板橋区立上板橋第四小学校
授業者 主任教諭 山本 拓郎
会 場 3階 5年2組教室
1 大単元名 「わたしたちの生活と食糧生産」
小単元名 「水産業のさかんな地域」
2 小単元の目標
我が国の水産業に関心をもち、水産業が自然環境を生かして営まれ国民の食生活を支えていることや、水産物には
外国から輸入されているものがあること、生産地と消費地を結ぶ運輸の働きを理解し、国民生活を支える水産業の発
展を考えようとする。
3 単元の評価規準
ア 社会的事象への
関心・意欲・態度
イ 社会的な
思考・判断・表現
ウ 観察・資料活用の
技能
エ 社会的事象について
の知識・理解
小単元の評価規準
①水産業に関心をもち、意
欲的に調べようとして
いる。(つかむ)
②水産業にかかわる人々
の様々な努力や工夫に
よって、国民の食生活が
支えられていることを
理解し、その発展につい
て考えようとしている。
(まとめる)
①我が国の水産業の様子
について水産業の代表
的な事例を調べるため
の学習問題や予想、学習
計画を考え、表現してい
る。(つかむ)
②養しょく業やさいばい
漁業では生産量が安定
するよう計画的に行わ
れて、資源管理などの
様々な工夫や努力が行
われていることを考え、
ノートにまとめている。
(調べる)
③水産業は国民生活に重
要な役割を果たしてい
ることや水産業に従事
する人々は工夫や努力
によって生産を高めて
いることについて考え、
表現している。
(まとめる)
①資料から焼津漁港の水
産業の特長やカツオ漁
の漁法の違いやよさを
読み取っている。
(調べる)
②我が国は世界有数の水
産国でありながら漁場
の変化や水産資源の減
少などの問題を抱え、養
殖業やさいばい漁業、水
産物の輸入が増えてい
ることを地図やグラフ
から読み取っている。
(調べる)
①沖合漁業のさかんな長
崎漁港では、魚粉探知機
で魚の群れを探し、船団
を組んだまき網漁がお
こなわれていることを
理解している。(調べる)
②漁港には様々な機能が
あり、新鮮なうちにすぐ
に消費地へ届けるため
のさまざまな工夫がな
されていることを理解
している。(調べる)
<板橋区社会科研究部研究主題>
よりよい社会の形成に参画する資質や能力の基礎を培う社会科教育
~子どもが意欲的に学習する指導法の在り方~
2
4 指導観
(1) 学習指導要領との関連
本小単元は、小学校学習指導要領 第2章 第2節 社会 第5学年の目標(2)、及び内容(2)ア、イ、ウに基づ
いて設定した。
小学校学習指導要領 第2章 第2節 社会 第5学年の目標(2)
(2) 我が国の産業の様子、産業や国民生活との関連について理解できるようにし、我が国の産業の発展や社会
の情報化の進展に関心をもつようにする。
小学校学習指導要領 第2章 第2節 社会 第5学年の内容(2) ア イ ウ
(2)我が国の農業や水産業について、次のことを調査したり地図や地球儀、資料などを活用したりして調べ、
それらは国民の食料を確保する重要な役割を果たしていることや自然環境と深いかかわりをもって営まれて
いることを考えるようにする。
ア 様々な食料生産が国民の食生活を支えていること、食糧の中には外国から輸入しているものがあること
イ 我が国の主な食料生産物の分布や土地利用の特色など
ウ 食料生産に従事している人々の工夫や努力、生産地と消費地を結ぶ運輸などの働き
本小単元では、世界有数の水産物消費国である我が国において、水産物を確保するために水産業で働く人々が様々な工
夫や努力を行っていることについて調べることを通して理解していく。その一方で、我が国の水産業が抱える問題につい
て知り、これからの水産業の在り方について考えていくことを目指している。
○ 「様々な食料生産が国民の食生活を支えていること」とは
わたしたちは、普段から多くの水産物を食べていること。日本は、世界有数の水産物を消費する国家であること等が考
えられる。
○ 「食糧の中には外国から輸入しているものがあること」とは
現在、我が国の水産業は、海洋資源の保護や200海里問題等の様々な問題を抱えている中で、水産物の輸入が増えて
いることなどが考えられる。こうした内容は、次の小単元である「これからの食糧生産とわたしたち」でもあわせて扱う。
○ 「我が国の主な食料生産物の分布や土地利用の特色」とは
我が国は、国土を海で囲まれ、暖流、寒流がそばを流れるなど豊かな漁場であること。漁港ではどのような施設がある
のか地図から読み取ることなどが考えられる。
○ 「食料生産に従事している人々の工夫や努力」とは
沖合漁業では魚群探知機で魚の群れを探し、船団を組んだ巻き網漁がおこなわれていること。遠洋漁業では、魚の動き
に合わせて移動し、一本釣りやまき網漁を行うこと。つくり育てる漁業は、生産量が安定するよう計画的に行われ、様々
な工夫がなされていること。我が国の水産業は、様々な問題を抱えているが、それらの問題を解決するための取り組みが
行われていることなどが考えられる。
○ 「生産地と消費地を結ぶ運輸」とは
水揚げされた魚は、魚市場でせりにかけられ、トラックなどで新鮮なうちに加工工場や日本各地に運ばれること。また、
鮮度を保つために、冷凍や冷蔵で運ばれることが考えられる。
(2) 教材について
本小単元は大単元「わたしたちの生活と食料生産」の中にあり、「くらしを支える食糧生産」、「米作りのさかんな地域」
に続く3つ目の小単元である。
「くらしを支える食糧生産」では、児童が集めてきたチラシや産地表示の値札などを児童と集め、シールに貼ることで
資料を作成した。児童は米や果物等の項目によって、産地の傾向が違うことに気付いた。また、そうした産地の違いは気
候によるものだということを既習事項から気づいた。
「米づくりのさかんな地域 ―山形県庄内平野―」では、庄内平野の農家の方からビデオレターや航空写真を活用し、庄
内平野は、稲作が盛んな地域の一つであることに気付いた。その上で、教科書の資料や庄内平野の方の話を通して圃場整
理や大型の機会の共同購入など、農家同士の協力やJAなどの組織の協力が行われていることに気付いた。単元の最後に
は、「米の生産量や消費量の減少」、「専業農家の減少」、「農業に従事する若者の減少」に触れ、どのような改善策があるの
か、教科書を基に話し合った。児童からは、米粉を使ったパン等による消費拡大や稲作の楽しさをポスターや広告でアピ
ールをすること、国が助成金を払うことなどが提案された。
本小単元では、既存の学習を活かして、人に着目し人々の努力や工夫に気付くことが期待される。また農業の抱える課
題を思い出しながら、水産業の抱える課題への解決についても考えるようにしたい。
3
5 知識の構造図
※○内は指導計画上の数字
(2)我が国の農業や水産業について、次のことを調査したり地図や地球儀、資料などを活用したりして調べ、そ
れらは国民の食料を確保する重要な役割を果たしていることや自然環境と深いかかわりをもって営まれてい
ることを考えるようにする。
ア 様々な食料生産が国民の食生活を支えていること、食糧の中には外国から輸入しているものがあること
イ 我が国の主な食料生産物の分布や土地利用の特色など
ウ 食料生産に従事している人々の工夫や努力、生産地と消費地を結ぶ運輸の働き
中心概念
具体的知識
用語・語句
学習指導要領
体的知識
①我が国は、国土を海で囲まれ、暖流、寒流がそばを流れるなど豊かな漁場であ
る。
⑧ 我が国の水産業は、国民の食料を確保する重要な役割を果たすとともに、自然環境と深いかか
わりをもって様々な工夫や努力の上で営まれている。
②我が国の水産業で働く人は減少していることに対して、一人一年間あたりの水
産物の消費量は世界でも多いほうである。
③長崎県は水揚げ魚種が日本湯数の長崎漁港を有する水産業がさかんな県
で、沖合漁業がさかんである。沖合漁業では魚群探知機で魚の群れを探し、
船団を組んだ巻き網漁がおこなわれている。
⑤静岡県は、かつおの漁獲高が日本有数の焼津漁港を有する水産業がさかんな県
で、遠洋漁業がさかんである。かつお漁では、かつおの動きに合わせて移動し、
一本釣りやまき網漁を行う。
・漁場で働く人々
・水産物消費量
・遠洋漁業・沖合漁業
・養しょく業
⑦青森県は、日本有数の水産業のさかんな県で、うなぎの養殖やひらめのさい
ばい漁業がさかんである。養殖業やさいばい漁業は、生産量が安定するよう計
画的に行われ、様々な工夫がなされている。
④長崎港で水揚げされた魚は、魚市場でせりにかけられ、トラックなどで新鮮
なうちに加工工場や日本各地に運ばれる。
⑨現在、我が国の水産業は、様々な問題を抱えているが、それらの問題を解決
するための取り組みが行われている。
・沿岸漁業
・まきあみ漁・船団
・養しょく
・さいばい漁業
・資源管理
・魚市場
・加工工場
・せり・トラック輸送
・200海里水域
・水産加工団地
・水産物輸入量
・焼津漁港・一本釣り
・回遊
・近大なまず
・近大まぐろ
・水産業・水産物
・漁場・暖流と寒流
・大陸棚
・プランクトン
⑥焼津漁港は大消費地の中間にあり、新鮮なまま消費地に運ぶことができる。
市内にはかつお節などの水産加工団地もある。また、200海里水域の影響で
漁業生産量は減少傾向にあるが、水産物の輸入は増加した。
4
6児童の実態
(1)教師から見た児童の実態
省略
(2)社会科についてのアンケート
全項目半数を超える児童が、「あてはまる」、「少しあてはまる」と答えており、社会科に意欲的に取り組んでいる児童が
多い。とくに、④、⑤、⑥のグラフを見ると4分の3の児童が、話し合い活動をすることを好意的に捉えている。とくに
⑥では、話し合い活動を通して自分の考えが深まっていると感じている。社会科の授業を行っていく上で、こうした他者
とかかわっていく授業をつくっていきたい。
また、「⑨社会科で学習したことを生活に生かしていきたいと考えていますか」という項目では、34%が「とてもあて
はまる」と解答している。5年生の産業の学習を進めていく中で、生活と結びつけるような資料等を提示していくことに
よって、さらに多くの児童が生活にいかしていきたいと考えるように促していきたい。そうすることで、板橋区教育会社
会科部が研究テーマとしている「よりよい社会の形成に参画する資質や能力の基礎を培う」ことにつながっていくのでは
ないかと考えている。
5
7 研究主題との関連
(1)研究主題について
研究主題の「よりよい社会の形成に参画する資質や能力の基礎を培う」に関して、学習指導要領解説社会編第5学年の
目標には、次のように示されている。
また解説には以下のように書かれている。
水産業は、児童がなかなか目にすることがなく、身近に感じにくい。漁師をはじめ、あらうる面で水産業にかかわり人々
の思いについて映像や資料などを用いて触れることで、水産業に熱意をもって働く人々の姿を共感的に捉えさせる。そう
することで何気なく食べていた水産物が多くの人の努力や工夫によって成り立っていることに気付かせたい。
その上で現在の水産業を取り巻く課題についても考えさせる。海洋資源の保護や水産業に従事している人数の減少など
を理解させる。また、近大なまず等の最新の研究にも触れていくことで水産業の発展に不断の努力で取り組んでいる人達
がいることにも気づかせたい。
そうすることで単元を終えた時には、日本の水産がようの発展について児童一人一人が興味関心をもち、水産業の発展
を願う児童になるよう指導をしていく。そうした児童の思いが水産業の単元における「よりよい社会の形成に参画する資
質や能力の基礎」であると考える。
(2)研究主題に迫る手立て
研究主題のサブタイトルにある「子どもが意欲的に学習する指導法」について次のように考えた。
① 子どもが学びたくなる教材の開発
○児童の食生活と結びつく教材の開発
単元の導入で本校の近所にあるスーパーやうなぎ屋を取り上げ、わたしたちの食生活と水産業が深くかかわっているこ
とを意識させる。また、一時間目に身の回りある水産物については話し合うことで、自分の生活と水産業を結び付けられ
るようにしたい。また調べる段階でも、私たちが食べている水産物であるということを念頭に置き、授業を進めていきた
い。
○魚を身近に捉える教材の開発
単元の導入の時に日本近海でとれる魚を実物大の大きさで提示し、教室に掲示する。児童によっては、魚は切り身で
しか見たことがない児童もいる。そのため、魚の大きさを実感することでこうした魚をたくさん獲ることの大変さや漁
の方法に工夫が必要であることに気付かせる。
○「近大なまず」の実食
近年、海洋資源の保護や水産物の消費拡大を目指して様々な研究開発が行われている。こうした取り組みを身近にとら
えるために実際に実食をする体験する。単元の「ふかめる」段階で、うなぎの海洋資源保護のために近畿大学水産研究所
のよって開発された「近大なまず」について学ぶ、実際に食べる活動を取り入れる。食べるという体験を通して、自分た
ちが食べる水産物に関して、様々な分野で研究が進んでいること実感させたい。
(2)我が国の産業の様子、産業と国民生活との関連について理解できるようにし、我が国の産業の発展や社会の情報
化の進展に関心をもつようにする。
態度に関する目標である「我が国の産業の発展や社会の情報化の進展に関心をもつようにする」とは、我が国の産業
がそれに従事している人々の様々な工夫や努力によって発展していることや、そのことによって国民生活の維持と向
上が図られていること、社会の情報化が進展していることや情報化した社会においては情報の有効な活用が大切であ
ることに関心をもつようにすることである。
6
② 子どもの考える力を育てる学習過程
○自分の考えを可視化するネームタグの活用
9時間目のうなぎと「うなぎ味のなまず」、あなたならどちらを食べたいか」と児童に投げかける。その際どちらが食べ
たいのか黒板上にネームタグで示す。そうすることによって、うなぎを食べたい児童とうなぎ味のなまずを食べたい児童
という2つの意見だけではなく、中立の児童やどちらかというとうなぎを食べたい児童などどの程度納得しているかまで
に黒板で示すことができる。そうすることで、児童同士がそれぞれの立ち位置を説明し合うようにしていきたい。また、
全体での話し合いの途中でネームタグを動かす場面を設ける。そこで、考えが変わった理由についても説明させることで
より活発な意見交換を促していきたい。
③「調べる・考える・表現する」学習活動
○役割分担をした上での班新聞の作成
8時間目のまとめる段階では、学習問題の解決に向けて調べてきた工夫について4人班の中で「沿岸漁業」「遠洋漁業」、
「海から食卓へとどくまで」「養しょく業・さいばい漁業」という4つのテーマで役割分担し記事にまとめる。児童が調べ
る段階で学習してきた内容を新聞に整理し、他の内容を調べたメンバーに自分の調べた内容を自分の言葉で伝えることで
学習してきた水産業の工夫について考えさせたい。また、それぞれが調べた内容をについて班で発表しあうことで、日本
の水産業全体での工夫を捉えることで学習問題に対する自分の考えを社説という形でまとめていきたい。
④社会的な思考・判断・表現をみとる評価
○ノート指導の工夫
授業のまとめで、今日の授業について「考えたこと」をノートに書く。こうしたノートへの記述を通して、それぞれの
児童が日本の水産業についての自分の考えを書くことで整理していきたい。またこうした記述を積み重ねていくことで、
学習を進めていく中で、日本の水産業に対する考え方がどのように変容していったのかを把握し、児童の評価にいかして
いく。
7
8 小単元の指導計画と評価計画 (9時間扱い)
過
程 時 指導のねらい
○主な学習活動
・予想される児童の反応
◎資料
★評価(評価方法)
つ
か
む
1
水産物とわたした
ちはどのようにか
かわっているのか
を考え、水産業につ
いて関心をもつ
○日本人は昔からうなぎをいたことを知る。
・ 今も昔もうなぎ屋さんは繁盛している。
・ 日本人はうなぎを食べるのが好きなんだ。
○普段食べている魚について話し合う
・普段からたくさんの魚を食べているんだな。
・わたしたちの食べている魚は、どこから来るの
だろう。
○日本付近の海流や主な漁港を調べる。
・大陸だなや暖流と寒流がぶつかるところは、魚
のえさとなるプランクトンが多くよい漁場と
なっている。
・日本の近海はよい漁場になっている。
・銚子、焼津などの港は水揚げ量が多い。
・日本の水産業には、遠洋漁業、沖合漁業がある。
○わかったことをノートにまとめる
・日本人は昔から魚を食べている。
・日本の近海には、よい漁場がたくさんある。
◎学校側のうなぎ屋の様子(写真)
◎うなぎのぼり(北斎漫画)
◎日本で獲れる魚の実物大の絵
(まるごと実物大シリーズ
給食に出る魚介編少年写真新聞社刊)
◎おもな漁港と水揚げ量(教科書)
★関心・意欲・態度①
水産業に関心をもち、意欲的に調べよ
うとしている。
2 我が国の水産業の
様子について資料
を読み取ることで
水産業に関心をも
ち、予想を考え学習
問題を設定する。
○2015 年度の遠洋漁業、沖合漁業、沿岸漁業、
養殖業の生産量について読み取る
・沿岸漁業が一番多い。
・日本には、4つの漁業の分類があるんだ。
○主な国の一人 1 年当たりの魚や貝の消費量の
グラフを読む。
・1年に50キロ以上も食べているなんてすごい。
・日本は多くの水産物を消費する国なんだ。
○水産業について疑問に感じた事を話し合う。
・どうやってそんなにたくさんの魚を獲っている
のだろう。
・魚の種類によって獲り方に工夫があるのか。
・魚を新鮮に運ぶために工夫があるのか。
○学習計画を立てる
○「考えたこと」をノートにまとめる
・魚の獲り方についてくわしく調べたい。
・おいしい魚をどうやって運ぶのか知りたい。
◎漁業別の生産量(2015年のみ)
◎主な国の一人 1 年当たりの魚や貝の
消費量(教科書)
★思考・判断・表現①
我が国の水産業の様子について水産業
の代表的な事例を調べるための学習問
題や予想、学習計画を考え、表現して
いる。
資料や地図から読み取ったことを整理し、学習問題を考えよう
<学習問題>水産業のさかんな地域では、どのような工夫をして、おいしい魚を全国にとどけているんのでしょう。
水産物とわたしたちはどのようにかかわっているのだろうか
8
調
べ
る
3 写真や資料から沖
合漁業の努力や工
夫について調べる。
○写真やイラストから、まきあみ漁についてわか
ったことをノートにまとめ発表する。
・二隻の船が協力して魚をとっている。
・照明をつけている。夜に漁をしているのかな。
○漁港の人の話などから、まきあみ漁の様子や工
夫についてわかったことをノートにまとめる。
・魚群探知機で魚を探す。
・とれる魚の漁は、天候や魚の群れのいない場所
など自然環境に影響される。
◎まきあみ漁の写真(教科書)
◎漁港の人の話(教科書)
(デジタル教科書)
★知識・理解①
沖合漁業のさかんな長崎漁港では、
魚粉探知機で魚の群れを探し、船団
を組んだまき網漁がおこなわれてい
ることを理解している。
4 資料や地図をもと
に長崎漁港でとれ
た魚はどのように
して消費者に届く
のか調べる
○長崎港から届いた魚の写真を見る
・どうしてそんな遠くからおいしい水産物が届く
のだろうか。
○長崎漁港から東京まで「新鮮」に「速く」運ば
れているのか話し合おう。
・船から降ろしたらすぐ、トラックに載せる。
・きっと冷やして冷たいまま運ぶ。
・飛行機を使って急いで運んでいるのだともう。
○教科書を見て、水揚げされた魚が食卓に届くま
での流れについてわかったことを時系列にそ
って、ノートにまとめる。
・せりをしている。
・工場に運ばれるものもある。
◎資料(教科書)
★知識・理解②
漁港には様々な機能があり、新鮮な
うちにすぐに消費地へ届けるための
さまざまな工夫がなされていること
を理解している。
5 焼津港でさかんな
かつお漁の映像や
写真の読み取りを
通して、調べ、水産
業で働く人たちが
魚をとるためにど
んな工夫をノート
にまとめる
○かつおの一本釣りの映像を見て。気づいたこと
を話し合う。
・船上でつりざお一本で釣っているね。
・かつお一匹の大きさはすごく大きいのに、あん
なにすぐとれるのだろう。
・かつおは遠洋漁業でとるといっていたけれどど
こで獲っているのだろう。
○資料からかつおがどこにいるのかを読み取り
気づいたことを話し合う。
・かつおの動きにあわせて、漁をする場所も変え
ているんだ。
○「漁師さんの話」を読む
・かつおに会えず何日も過ぎてしまう時がある。
・魚群探知機を使って探しているんだ。
◎かつおの一本釣りの様子
(デジタル教科書)
◎かつおが回遊する範囲(教科書)
★技能①
資料から焼津漁港の水産業の特長や
カツオ漁の漁法の違いやよさを読み
取っている。
◎漁師さんの話(教科書)
沖合漁業は、どのように行われているのでしょうか。
長崎漁港で水揚げされた魚はどのようにして食卓にとどくのでしょうか
かつおの遠洋漁業は、どのように行われているのか調べよう。
9
調
べ
る
6 かつおが多く水揚
げされる焼津漁港
について資料から
読み取る。また、グ
ラフから水産漁獲
量が減少している
ことを読み取る。
○水揚げされたかつおが新鮮なまま運ぶための
工夫についてわかったことをノートにまとめ
る。
・運ぶまで冷凍保存できる倉庫に入れる。
・かつお節の工場が多い。
○地図とグラフから、日本の漁業の様子について
読み取りわかったことをノートにまとめる。
・水産物の輸入が生産量の減少に合わせるように
増えている。
・これからも同じように魚を食べられ量にするた
めには、、どうすればよいのだろうか。
◎焼津港の様子(教科書・自作資料)
◎200海里水域と世界の漁場別に見
た日本の漁業生産量(教科書)
◎漁業別生産量の変化(教科書)
◎日本の水産物輸入量の変化(教科書)
★技能②
我が国は世界有数の水産国でありな
がら漁場の変化や水産資源の減少な
どの問題を抱え、養殖業やさいばい
漁業、水産物の輸入が増えているこ
とを地図やグラフから読み取ってい
る。
7 つくり育てる漁業
にはどのような工
夫があるのか教科
書から調べる
○うなぎの養殖の様子、工夫や努力についてわか
ったことをノートにまとめる。
・うなぎの生態はまだわからないことが多い。
・天然のうなぎはなかか獲れないんだ。
・うなぎの稚魚であるシラスうなぎは捕獲して大
きくしている。
・うなぎはデリケートなので電気で酸素が常に送
られているように「停電警報」のブザーを持ち
歩いている。
・水温を上げ、池の中で病気が流行らないように
している。
・うなぎの稚魚が減少し、生産量が減っている。
また、値段も上がっている。
・稚魚を取りすぎないよう、日本以外の国にもよ
びかけている。
○ひらめのさいばい漁業の様子、工夫や努力につ
いてわかったことをノートにまとめる。
・とりすぎて減ってしまったため、ひらめのさい
ばい漁業を始め、資源管理をしている。
・ひらめのたまごを取った後に、海に放流をして、
自然の中で育てている。
・小さな魚は、また海へ放流している。
○考えたことをまとめる
・うなぎなどは、川などでなかなか獲れないので
養しょくをしている。しかし、生産量が落ちて
いて困る。
・水産資源を守るために、海で漁をするだけでな
くさいばい漁業がおこなわれているんだ。
・こうした水産資源を守るための工夫を続けてい
う必要がある。
◎うなぎの養殖について
(自作資料)
◎うなぎの稚魚の減少を知らせる新聞
記事(読売新聞)
◎ひらめの資源管理(教科書)
★思考・判断・表現②
養しょく業やさいばい漁業では生産
量が安定するよう計画的に行われ
て、資源管理などの様々な工夫や努
力が行われていることを考え、ノー
トにまとめている。
養しょく業やさいばい漁業ではどのような工夫があるのでしょうか
かつおが多く水あげされる焼津港は、どのようなところでしょうか。
10
ま
と
め
る
8 水産業のさかんな
地域の人たちのく
ふうや努力を新聞
にまとめる。
○4人班ごとに「沿岸漁業」「遠洋漁業」、「海か
ら食卓へとどくまで」「養しょく業・さいばい
漁業」という4つのテーマで役割分担をしてそ
れぞれの工夫について記事にまとめる。
○班の中で自分の描いた記事を紹介する。
○新聞の「社説」を書き、水産業のさかんな地域
の人たちの工夫や努力を調べ、考えたことをノ
ートに書く。
・水産業に携わる人の様々な工夫があるからこそ
日本人はたくさんの水産物を食べることがで
きるのだということがわかった。
・水産業に携わる人は、魚や貝の特性をよく理解
しているので、魚や貝をすぐに見つけることが
できるのだと思った。
・自然環境を守るために、遠洋漁業や沖合漁業の
生産量が減少している。魚を獲りすぎないよう
にさいばい漁業や養しょく業がもっとさかん
になってほしいと思いました。
★思考・判断・表現③
水産業は国民生活に重要な役割を果
たしていることや水産業に従事する
人々は工夫や努力によって生産を高
めていることについて考え、表現し
ている。
ふ
か
め
る
9 日本の食文化を守
るためになまずを
うなぎの味に近づ
ける研究が進んで
いることを知り、こ
れからの水産業に
ついて関心をもつ。
○「うなぎのかば焼き」と言われたかば焼きを食
べる
○ポスターを掲示し、食べたかば焼きが近畿大学
の有路先生が研究している「うなぎ味のなま
ず」であったことに気づく。
○映像や資料から有路先生のなまず味のうなぎ
を養殖しようとしている思いを読み取る。
・うなぎの養殖業で困っている人に力になりたい
・今年の土用の丑の日に10万匹の出荷を目指し
たが、出荷量は大幅に下回った。
○「うなぎ」と「なまず」あなたならどちらを食
べるか、全体で話し合う。
・うなぎを食べたい。高くても昔からたべている
うなぎを食べたい。
・「なまず」を食べたい。有路さんの考えがいい
なと思ったので、食べて応援したい。
○今日の授業を通してこれから水産業とどのよ
うにかかわっていきたいかを考える。
・魚を食べるという日本の食文化を守っていける
ような研究を応援していきたい。
・水産業にかかわる多くの人に感謝の気持ちをも
って、水産物を食べたい。
◎近畿大学のポスター
「近大発のパチもんでんねん。」
◎なまずの実食
◎なまず養殖にむけた努力
(テレビ東京ガイアの夜明け)
◎近大・有路先生の話(資料)
★関心・意欲・態度②
水産業にかかわる人々の様々な努力
や工夫によって、国民の食生活が支
えられていることを理解し、その発
展について考えている。
水産業がさかんな地域の人たちの工夫や努力についてしらべて班新聞にまとめよう
水産業にかかわる様々な研究について知り、これからの水産業について考えよう
11
9 本 時 (全9時間中の第9時間目)
(1) 本時の目標
日本の食文化を守るためになまずをうなぎの味に近づける研究が進んでいることを知り、これからの水産業について
関心をもつ。
(2) 本時の展開
○主な学習活動 ・予想される児童の反応 ◎資料 ◇指導上の留意点 ●評価
導
入
5
分
○「うなぎのかば焼き」と言われたかば焼きを食べる
・かば焼きは、おいしい。
○ポスターを掲示し、食べたかば焼きが近畿大学の有路先生が
研究している「うなぎ味のなまず」であったことに気づく。
・パチもんってニセモノということ。
・これうなぎじゃないの?
◎なまずのかば焼き(近大)
◎近畿大学のポスター
「近大発のパチもんでんねん。」
展
開
35
分
○このような技術が開発されたわけを予想する
・きっとうなぎが高かったから、開発したのではないか。
・うなぎの稚魚が不足しているのではないか。
○資料を読み、有路先生が「うなぎ味のなまず」を養殖しよう
としたかを読み取る。
・うなぎを食べるという食文化を残したい。
・500円で気軽にうなぎが食べられるようにしたい。
・うなぎの養殖業で困っている人に力になりたい。
○映像を見て有路先生の「うなぎ味のなまず」を養殖するため
の努力を読み取る。
・有路先生はいろいろなものをかば焼きにして食べ、なまずに
たどり着いた。
・なまずのえさを工夫して、生臭さを取り除いた。
・今年の土用の丑の日に10万匹の出荷を目指したが、出荷量
は大幅に下回った。
○「うなぎ」と「なまず」あなたならどちらを買って食べるか、
全体で話し合う。
・うなぎを食べたい。高くても昔からたべているうなぎを食べ
たい。
・「なまず」を食べたい。有路さんの考えがいいなと思ったの
で、食べて応援したい。
・値段が同じなら「うなぎ」を食べたい。しかし、有路先生の
いうように500円くらいの安さになったら、「なまず」を
食べたい。
○その他にも進められている研究について資料から読み取る。
・マグロの養殖に成功し、計画的に育てて出荷できるようにな
った。
◎近大・有路先生の話(資料)
◎なまず養殖にむけた努力
(テレビ東京ガイアの夜明け)
◇ネームタグを貼り、自分の考えを明確にさせる。
◇ネームタグを途中で動かす時間を設け、考えが変
わった理由についても話をさせる。
◎近大マグロ養殖の取り組み(自作資料)
水産業にかかわる様々な研究について知り、これからの水産業について考えよう
12
ま
と
め
5
分
○今日の授業を通してこれから水産業とどのようにかかわっ
ていきたいかを考える。
・魚を食べるという日本の食文化を守っていけるような研究を
応援していきたい。
・水産業にかかわる多くの人に感謝の気持ちをもって、水産物
を食べたい。
★関心・意欲・態度②
水産業にかかわる人々の様々な努力や工夫によっ
て、国民の食生活が支えられていることを理解し、
その発展について考えている。
◇数人の意見を聞くことによって水産業を守ってい
きたいと思いを共有し、水産業の発展に対して関
心を高めさせる。