「教育の情報化」の核となるツールとして microsoft office を授...
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授業での活用
PowerPoint を活用した授業で、子供たちの学習意欲を高める
印西市教育センターでは、各教科の授業における ICT 活用を促進するために、集合研修や校
内研修を実施し、教員の ICT 活用指導力の向上を図っています。同市で教育の情報化を担当
する印西市教育センター 指導主事 松本博幸氏は、研修のねらいを次のように説明します。
「研修のねらいの 1 つは、先生方に ICT を気軽に使っていただくことにあります。それは目的も
なく使うという意味ではなく、授業の一部分でもよいので子供たちの力を伸ばすために有効である
場面で活用するということです。教育センターでは先生が授業の中で ICT を積極的に活用して
いただけるよう、今後も研修などを通してサポートしていきます」。
こうした研修の成果もあり、印西市では PowerPoint などの Office 製品を中心とした ICT を
活用して授業を行う教員が増えています。印西市立原小学校 教諭 橋本一哉氏もその 1 人で、
この日も PowerPoint とプロジェクターを使って 5 年生の社会科の授業を行っていました。授
業で使われるコンテンツは、教科書の内容をベースに、橋本氏自ら作成。橋本氏は授業全体の構
成を考えたうえで、Excel で作成したグラフや写真、文字などを見やすく配置し、さらにアニメーショ
ンの機能で動きをつけることで、子供たちの集中力を途切れさせることなく、かつ理解のしやすい
内容となるよう工夫しています。
こうした PowerPoint を活用した授業は、教科書での授業と比べ「子供たちの学習意欲が高
く、授業自体の進行もスムーズになる」と橋本氏は話します。また、この日の授業を見学した松本
氏も「グラフの読み方や地図の見方というのは子供にとっては難解なものです。たとえば、人口推
移のグラフを見せてもどう読み取ればいいのか分からない子供も多いのですが、今日の授業のよ
うにグラフの一部を隠して徐々
に見せていくことで全体を理解
させることができます。まさに紙
ではできない、デジタルならでは
の資料の提示の仕方だと思い
ます」と評価。さらに「今後はこ
ういった授業案を先生方に提
供してもらい、市内の先生間で
共有することで、印西市全体の
ICT 教育を発展させていきた
い」と語ります。
印西市では、マイクロソフトの Office 製品を教員が授業や校務において日常的に活用しています。たとえば、授業では Microsoft Office PowerPoint を使って資料をわかりやすく提示し、子供たちの学習意欲を高めるとともにスムーズな授業進行を実現。また、校務では Microsoft Office Excel などを活用し、多忙を極める教員の業務の効率化を図っています。さらに同市では現在、授業や校務における ICT 活用のさらなる進展をめざして、シンクライアントの導入も視野に入れた大規模な ICT 環境整備を検討しています。
印西市教育センター
「教育の情報化」の核となるツールとしてMicrosoft Office を授業や校務に積極的に活用
ソリューション概要
○プロファイル印西市は千葉県北西部に位置する人口約 6 万人の市。3 市 2 村にまたがる千葉ニュータウンの中心地で、ニュータウン全体面積の約 6 割を占めています。市の北部には利根川が流れ、北西部には手賀沼、南東部には印旛沼があり、自然環境にも恵まれています。印西市教育センター(http://inzai.ed.jp/center/)は、同市内にある 19 校の市立小中学校を管轄。各校における ICT 環境の整備や、教員の ICT 活用指導力の向上、校務の ICT 化などに取り組み、同市の教育の情報化を推進しています。
○ソフトウェアとサービス・ Microsoft® Office PowerPoint® ・ Microsoft® Office Excel®
○メリット・ PowerPoint を活用した授業で、子供たちの学習 意欲や理解度が高まり、さらにスムーズな授業進 行が可能となります。・ Office 製品を活用して校務を効率的に行うこと で、先生が授業の準備や子供たちの指導により 多くの時間を使えるようになります。
○ユーザーコメント 「Excel を使った『週案』により、正確な時数管理が可能になりました。処理の効率化が図れたことで、先生が授業を準備する時間や子供たちと向き合う時間が増えたことが一番のメリットだと思っています」。
印西市教育センター指導主事松本 博幸 氏
〒151-8583 東京都渋谷区代々木 2 丁目 2 番 1 号 小田急サザンタワー
導入についてのお問い合わせ
印西市立原小学校教諭橋本 一哉 氏
今後の展望
教員の ICT 活用環境として、シンクライアントの導入を検討
印西市教育センターでは現在、授業や校務における ICT 活用のさらなる
進展をめざして、市内の全小中学校を対象とした大規模な ICT 環境整
備を計画しているといいます。
「印西市では、校務用パソコンの整備が進んでおらず、やむを得ず私物
パソコンの持ち込みを許可しているような状況です。このままではセキュリ
ティ上非常に危険であるため、校務用パソコンの導入は優先的に取り組
んでいかなければいけません。しかし、パソコン単体で導入しても、先生方
の活用は進まず、セキュリティの強化も期待できないでしょう。印西市では
パソコンだけでなく、校務システムやセキュリティ対策、運用管理までを含
め、総合的に整備を進めていきたいと考えています」(松本氏)。
こうした考えのもと、ユーザーの利用環境の標準化と運用保守作業の
効率化を図るために、アプリケーションのインストールやライセンス管理を
サーバー側で一括して行える「ターミナル サービスなどのシンクライアント
の導入」をはじめ、「Act ive Di recto ry® をベースとした管理体制の構
築」や、「授業と校務で活用する機会の多い Of f ice 製品とシームレス
に連携できる校務システムの導入」などについて検討を進めているとい
います。
最後に、同市がめざす教育の情報化の方向性について松本氏は次のよ
うに話します。
「先生方は以前にも増して業務に追われており、子供と向き合う時間をな
かなか確保できないのが現状です。ICT を活用して校務の効率化や情
報の共有化を図っていくことで、先生方が授業にしっかりと取り組んだり、
子供たちの話をゆっくり聞く時間を作ったりすることが重要です。さらに、セ
キュリティ面の強化を図っていくことで、先生方が不便さを感じることなく、
安心して仕事に取り組める環境を作っていきたいと考えています」。
本ケーススタディは、インターネット上でも参照できます。http://www.microsoft.com/japan/showcase/本ケーススタディに記載された情報は製作当時(2009 年 9 月)のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。本ケーススタディは、情報提供のみを目的としています。Microsoft は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。製品に関するお問い合わせは次のインフォメーションをご利用ください。■ インターネット ホームページ http://www.microsoft.com/japan/■ マイクロソフト カスタマー インフォメーションセンター 0120-41-6755(9:30 〜 12:00、13:00 〜 19:00 土日祝日、弊社指定休業日を除く)※電話番号のおかけ間違いにご注意ください。Microsoft、 Active Directory、 Excel、 PowerPoint は米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標または商標です。その他記載されている、会社名、製品名、ロゴ等は、各社の登録商標または商標です。
校務での活用
Excel で作成した「週案」で、校務の効率化を支援
印西市の先生方にとって Of f ice 製品は、在籍管理、成績処理、保健
管理といった校務を行ううえでも欠かせないツールとなっています。中でも
Excel で作成された「週案」は、週ごとの授業計画の作成から予定時数
や実施時数の割り出し、管理までを効率的に行える業務用ツールとして、
市内のすべての教員が使用しています。
このツールが生まれた経緯を、作成者である松本氏は次のように振り返り
ます。「当時は、時数計算を手作業でしている学校や、独自の週案を使っ
ている学校など、学校によって形式がバラバラで、時数管理がしっかりで
きていない学校もありました。また、先生が他校に異動した際には新しい
形式を覚えなければならず、先生方の業務負担の増大につながっていまし
た。こうした課題を解決するために、市内統一の『週案』を作成することに
なったのです」。
週案作成にあたっては、各校で時数管理を担当する教務主任が集まり、
それぞれの要望やアイデアを集約。松本氏が Excel を活用して小学校
用と中学校用の 2 種類の「週案」を作り上げました。週案作成に Excel
を採用した理由を松本氏は次のように語ります。「当初は校務システムの
導入も検討しましたが、導入コストが高額なうえ、市の要望に合わせるには
追加のカスタマイズ費用も必要でした。その点、Excel は新たに導入する
必要がなく、『週案』作成に必要な機能も十分に備えていました。さらに、
先生方が使い慣れたインターフェイスで利用できることも 1 つのポイント
となりました」。
この「週案」によって「正確な時数管理ができるようになった」と評価する
松本氏。しかし、それ以上に「校務が効率化されたことで、授業を準備する
時間や子供たちと向き合う時間が増えたことが大きい」と校務の効率化が
もたらすメリットを強調します。
印西市教育センター 指導主事松本 博幸 氏
4667-WI1
印西市教育センター