「なかなかあきないプロジェクト」 ·...

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「なかなかあきないプロジェクト」 ~串良から,繋がる・広がる・盛り上がる~ 鹿児島県立串良商業高等学校 発 表 者 加 藤 瑞 紀 ・ 牧 原 俊 生 ・ 中 西 翔 ・ 寺 本 髙 木 琴 乃 ・ 出水田 茉 結 ・ 楠 木 菜々美 ・ 牧 原 由 夏 野 崎 菜 央 ・ 串 田 愛 美 指 導 者 吉 福 知 明 ・ 芳 村 ひとみ 平成28年度 第24回鹿児島県高等学校 生徒商業研究発表大会 報告

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Page 1: 「なかなかあきないプロジェクト」 · 企業決定を行った後,自分が開発したい商品についてアイデアを出し,コンセプトやネーミングを決めてい

「なかなかあきないプロジェクト」

~串良から,繋がる・広がる・盛り上がる~

鹿児島県立串良商業高等学校

発 表 者

加 藤 瑞 紀 ・ 牧 原 俊 生 ・ 中 西 翔 ・ 寺 本 月

髙 木 琴 乃 ・ 出水田 茉 結 ・ 楠 木 菜々美 ・ 牧 原 由 夏

野 崎 菜 央 ・ 串 田 愛 美

指 導 者

吉 福 知 明 ・ 芳 村 ひとみ

平成28年度

第24回鹿児島県高等学校

生徒商業研究発表大会 報告

Page 2: 「なかなかあきないプロジェクト」 · 企業決定を行った後,自分が開発したい商品についてアイデアを出し,コンセプトやネーミングを決めてい

第 24回生徒商業研究発表大会

「なかなかあきないプロジェクト」

Ⅰ はじめに

串良商業高校は,今年で創立114周年を迎えた,歴史と伝統を誇る県立単独商業高校です。平成25年度

「かごしま専門高校パワーアッププロジェクト」の指定を受け,本校と統合した「有明高校」や,串良を盛り上

げようと頑張っている地域の企業や団体,地域の小・中学校,鹿児島大学と連携を深めながら,まちに元気と笑

顔を与えられるような活動を,私たち高校生の力で取り組んでみたいと考え活動を行ってきました。

平成26年度は,知的財産に関する創造力・実践力・活用力開発事業に参加し,商品開発を通して知的財産権

や地域活性化のための取り組みを行い,これまでの継続した取り組みが評価され,「鹿児島県共生・協働型地域

コミュニティづくり」推進優良団体(会長賞)を受賞いたしました。この受賞をきっかけに,串良地域における

専門高校の役割を改めて考えることになりました。

平成27年度も知的財産に関する創造力・実践力・活用力開発事業に参加しながら,私たち高校生と子どもか

ら大人までの幅広い世代でコミュニケーションのとれる場をつくり,地元を大切にする「まち」づくりや,まち

に元気と笑顔があふれるような活動について考えました。

そして,今年度も知的財産権に関する創造力・実践力・活用力開発事業に参加しながら,昨年度に引き続き,

「なかなかあきないプロジェクト」のもと地域と連携し活動することに決めました。まずは,これまでの商品を

シリーズ化し,「くししょう」が企画する商品に,この「なかなかあきない」を取り入れることで,独自のブラ

ンド化を図りたいと考えました。

Ⅱ プロジェクト組織図

3年生を中心に構成(企画・立案・実行)

コミュニティビジネスの創造

(イベント・ニュースポーツ)

情報発信基地としての役割

(ホームページ)

地域素材を使った商品開発

(地元企業との連携)

・これまでの活動の記録をしっかり調査し,まとめ,報告し,今後に活かす。

・これからの活動に企画から関わり,地域活性化の手助けを行い,串良から発信する。

販売活動

(マーケティングリサーチ部)

商品開発

(授業選択「商品開発」)

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① 活動テーマ → ② 仮説の設定 → ③ 活動内容 →

④ 仮説の検証 → ⑤ 今後の展開 → ⑥ まとめ

Ⅲ 活動の流れ

Ⅳ 活動テーマ

昨年度は,1 情報発信基地としての役割串良がんばる会のホームページの充実 SEO対策

2 コミュニティビジネスの創造 各種地域イベントの参加・取材

今年度は,3 地域素材を生かした商品開発(地元企業との連携)を取り組みの中心としました。

Ⅴ 仮説の設定

これまで,本校は,いくつかの商品開発を行ってきました。そして,これから生まれる新商品と共に,自分た

ちの商品をシリーズ化し,地域に根付いたブランドを作っていくことが,地域貢献になるのではないかと思いま

した。まずは,自分たちの商品をシリーズ化することで,「なかなかあきないプロジェクト」を知ってもらうき

っかけを作れるのではないか。そして,「なかなかあきないプロジェクト」の商品を気に入り,ブランドロイヤ

ルティが獲得されれば,地元の特産品にスポットが当たり,地域と連携した更なる商品開発が行えると考えまし

た。

この「なかなかあきないプロジェクト」が,串良商業高校だけのものではなく,「串良」という地域のブラン

ドとして認められることで,新たな販路が期待でき,地元貢献・地域活性化に繋がっていくと考えました。

Ⅵ 活動報告

1 SUMOMOさんとのコラボ タルト開発

(1)商品開発を行う企業選定・協力依頼・概要説明

まず,どのような商品を開発したいかを話し合いました。

一昨年はピーマンを使ったパンなどを開発してきたため,今回は甘いお菓子が良いのではないかという結論

に至りました。

そのため,近隣の和洋菓子店で協力していただきたい企業を話し合った結果,シュー・おいもDEカフェ・

SUMOMO・フェスティバロ・トリガルという案が出ました。

その中で,志布志に店舗を構えている和洋菓子店「SUMOMO(すもも)」の須百さんが,私たちの思い

を理解してくださり,商品化に向けてご協力をいただくことになりました。

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(2)どのような商品にするか

企業決定を行った後,自分が開発したい商品についてアイデアを出し,コンセプトやネーミングを決めてい

きました。グループでの話し合いではブレーンストーミングやKJ法を採用し,協力してアイデアをまとめ,

以下のような商品アイデアが出ました。

(3)企業の方に新商品企画案を発表

企業をSUMOMOさんに決定し,どのような商品にするかを何種類か決定した後,SUMOMOさんにプ

レゼン(PP)する企画案を作成しました。

企画案を作成する時に以前から検討していた流通性の高さやキャッチコピーなども考えて,より良い商品開

発の実現に向けて具体的にまとめていきました。

PP作成は企画案を元に作りました。企業の方にこの商品を作りたいと思ってもらえるような説明や,自分

たちの思いをまとめていくのは大変でしたが,納得のいくPPを作ることができました。

そして,SUMOMOさんとの顔合わせで,作成した企画案とPPを用い,プレゼンを行いました。

商品名 お茶生ドーナツ

【コンセプト】

お年寄りに大人気!苦さがクセになるドーナツ

【キャッチコピー】

知ってる?鹿児島で生ドーナツの店はないんだよ~?

商品名 チュロス

【コンセプト】

みんな知っている商品で,どんな人でも手に取りやすい

【キャッチコピー】

Hey!チュロス!

・お茶生ドーナツ ・ピーナッツドーナツ

・あげドーナツ ・チュロス

・中中良いタルト ・串良(なかなかよい)ドーナツ

・茶イモTaruto ・俺たちのタルト

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商品名 茶イモTaruto

【コンセプト】

ほんのりとお茶の味がする生地に,甘めに仕上げたさつまいもとパ

リッと仕上げたチョコレートを組み合わせたタルト。甘さとほんのり

お茶の味の生地がいい感じの相性

【キャッチコピー】

串良商業生が開発!

商品名 俺たちのタルト

【コンセプト】

一口サイズで甘さの中にほろ苦さを・・・

【キャッチコピー】

さくさくのクッキー感に程よい苦さ

SUMOMOさんから

(4)試作および試食(検討会議)

大きく三つにしぼった,焼きドーナツ,タルト,チュロスを試作することになりました。

どの商品も

実現できる!

一緒に

作りましょう!

・チュロス

・焼きドーナツ

・タルト

3つに絞り試作へ! タルトの試作品!

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(5)知的財産権についての学習

商品をタルトに決定した後,私たちは商品開発をより具体的にしていくために,知的財産権について学んで

いきました。知的財産権の講演や電子図書館を利用し,以下の四つのことを学びました。

知的財産権を学び,身の周りに意識を向けてみると似た商品名やイラストが多数存在することがわかりまし

た。そこで私たちは,他にはない串良商業高校の商品を開発するためにパッケージを考案していきました。

(6)ネーミングとパッケージデザインの考案

ネーミングについては全員一致で『串商タルト(なかなかあきないタルト)』に決定しました。パッケージ

デザインは経費の問題から,自分たちで作成することに決定し,親しみやすいデザインを考え,本校生徒考案

のマスコットキャラクターを使用しました。

しかし,実際に販売してみると,商品が見えない・味がわからない・もっとよいパッケージができないかな

どの意見が多数ありました。そこで,パッケージの工夫を重ねてきました。

特許権・・・特許発明を実施する権利を与え,発明を保護する。

意匠権・・・工業デザインを保護する。

商標権・・・トレードマーク・サービスマーク: 商標に化体した(観念的な事柄を具体的な形のあ

るもので表した)業務上の信用力(ブランド)を保護する。

著作権・・・思想・感情の創作的表現を保護する。

第1弾

商品が見えない

第2弾

味が分からない

第3弾

現在のパッケージ

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(7)販売活動

タルトを販売するために,再びSUMOMOさんと試作を行い,よりよい商品にするために活動していき,

販売を行いました。

<平成26年度 販売実績>

日付 イベント場所 ごま 抹茶チョコ カマンベール

チーズ りんご 合計

10月31日 柏葉祭 50 50 50 0 150

11月 2日 指宿商業

デパート 50 20 35 0 105

11月 5日 中高連絡会 20 5 0 0 25

11月 8日 有明高校文化祭 0 20 20 0 40

11月14日 地区専門高校

フェスタ 20 20 20 40 100

11月24日 鹿屋市秋祭り 100 100 100 100 400

1月11日 串良商業高等学校定期演奏会 20 20 40 40 120

1月24日 くしら二十三や市 35 35 70 60 200

合計 175 270 335 240 1,020

他にも主な販売場所として,SUMOMO志布志店・天文館店,ファミリーマート,四季彩館ほりぐち,コ

ープ志布志などで販売しました。

(8)メディアへの出演等

なお,南日本新聞,南九州新聞に取り上げられ,フレンズFM,FMかのやなどのラジオに出演させていた

だきました!

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2 ラ・エスプリさんとのコラボ ドレッシング開発

(1)販売店の決定

専門高校フェスタで地元の商品を仕入れ販売する中で,串良のドレッシング専門店「ラ・エスプリ」さん

に協力をいただくことになりました。

(2)開発段階での試食試食

地元の特産品であるピーナッツを使用してドレッシングを作ることになり,何度も試食を繰り返し,年代

を問わず食べてもらえるように味の調整をしていきました。

試食1回目 試食2回目

試食3回目

(3) ラベルの作成

ラベル作成の工夫は,他の商品との違いを出すために3つの条件がクリアできるデザインを考えました。

ラベルの条件

① 落花生の方言「だっきしょ」を使う

② 学校がわかるもの

③ 鹿児島であることがわかるもの

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「ラベルの条件① だっきしょを使う」

→ だっきしょ×商業 ⇒ 「だっき商ドレッシング」

「ラベルの条件② 学校であることがわかる」

→ 黒板を背景にして,高校名・校章・串商丸を載せた。

「ラベルの条件③ 鹿児島であることがわかる」

→ 鹿児島の公式キャラクター「ぐりぶー」を載せた。

(4) こだわりのラベル完成

ポイント① → 串良商業高等学校のマスコットキャラクターである「串商丸」を載せ,串良商業高校の開

発商品であることをPRしました。

ポイント② → 「だっき商ドレッシング」の文字や周りのデザインをチョークで書いて取り込み,そのま

ま採用しました。

ポイント③ → 背景に黒板のデザインを採用することで,学校をイメージできるよう工夫しました。

ポイント④ → 一緒に開発した「ラ・エスプリ」さんの名称を入れました。

ポイント⑤ → 鹿児島のものであることをPRするため,鹿児島県のマスコットキャラクターである「ぐ

りぶー」を載せました。「ぐりぶー」に著作権はあるが,届け出をすれば使用可能であるこ

とを知り,県へ使用許可を申請して許可を頂きました。

ポイント⑥ → 「中中商プロジェクト」のブランドイメージを持たせました。

ポイント①

ポイント② ポイント③

ポイント④

ポイント⑤

ポイント⑥

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(5)ドレッシングの試食会

2015年12月18日の昼食時間に全校生徒・職員へサラダを配り,ドレッシングの試食会をしまし

た。開発チームとスペシャルゲスト「ぐりぶー」が各クラスに訪問して開発の経緯と商品説明を行いながら

回りました。

(6) 問題の発生

① 近年,落花生生産者が減少しているとの情報を頂きました。原因としては

○落花生生産者が他の農作物に変更

○生産者の高齢化

などがあげられているようです。

② 平成27年度の収穫量が天候不良により不作だったため,物産館で販売しているだっきしょの加工食品

も例年より仕入数量が減少しました。

ご協力を頂いているラ・エスプリさんからも,安定した流通経路の確保が困難であるとお聞きしまし

た。そこで,鹿屋市役所農水産課に相談し,落花生生産者の農業生産法人株式会社宮迫農産を紹介してい

ただきました。早速,連絡を取りだっきしょの仕入れについて相談に伺いました。宮迫さんも昨年度は不

作のため通常の3倍の値段が付き苦労をされたとのことでした。鹿児島のだっきしょは,味がしっかりし

ており県外からの評価も高いため関東関西へ毎年出荷しているそうです。生産者についてですが,花岡地

区と高山地区で主に生産されているそうで,流通経路として宮迫さんも協力して頂けると心強いお言葉を

頂き問題解決の一歩を踏み出すことができました。今回,その貴重なだっきしょを分けて頂き,ラ・エス

プリさんへ届けました。

皮むき体験 計量して真空パック

生産者宮迫さん

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(7)ドレッシングの販売活動

通常は,ラ・エスプリさんの店頭やインターネット販売の他,地元の物産館やバラ園,鹿児島空港売店

などでも購入できますが,お客様の反応を知りたいと思い,2016年5月21日に「農研と市民の集い」

というイベントで販売活動を行いました。

そこで多くの人に味を試食してもらい,アンケートを実施しました。

・結果は以下のグラフの通りです。

ここで です。

なんと,伊藤忠商事食品株式会社主催の商業高校フードグランプリ2016に

だっき商ドレッシングが本戦出場

【アンケートから分かったこと】

初めてのイベントのようで,お客さんは少

なかったのですが,アンケートにお答えして

頂いた年齢構成で一番多かったのは20代か

ら30代でした。

【アンケートから分かったこと】

○こだわりを持ったラベルについて,デザイン

が素敵という意見が多かった。

○おいしい・さっぱりなどの味に対する評価も

高かった。

○その他では,ドレッシングを他の料理に活用

するアレンジ案もいただきました。

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3 ボキレンジャー始動

(1) 目的

① ブランド戦略のブランド拡張を行う。

→ 新しい商品カテゴリーへの進出が必要であるためキャラクター商品に取り組む。

② 商業や簿記にもっと興味・関心を持ってもらうために,

→ 簿記をPRするキャラクター「ボキレンジャー」を作成。

③ これまで学習した簿記をわかりやすく伝えることを通じて,

→ これまで学んだ事の整理ができる。

④ 地元の高校が活動することが

→ 地域活性化に繋がる。

⑤ ボキレンジャーを全世界に発信し,

→ 簿記・商業をPRする。

⑥ 簿記の知識を身につけることで,

→ より良い生活ができるよう工夫できるようになる。

(2)アンケートの実施

簿記を学んでどう感じているか,生の声を参考にしたかったため,アンケートを実施しました。

① 簿記は好きですか? ②簿記将来役立つと思いますか?

③ 簿記のどんなところが苦手ですか?

・言葉が難しく,覚えることが多い。

・1つ間違えると計算が合わず,全てがずれてくる。

・勘定科目が多すぎて仕訳が難しい。

結 論

簿記は言葉が難しくて覚えにくいから好きではない。

でも,社会に出たら役立つと思っている。

やっぱり「簿記」を知ってもらう必要がある。

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(3)ボキレンジャー作成

ボキレンジャーというキャラクターを作成することにしました。このキャラクターがいることによっ

て,簿記への「難しい」という先入観を払しょくできるかもしれないと考え,「簿記が世界を救う」を

テーマに,簿記をPRするキャラクターとして作成することにしました。

(4)キャラクターの設定

「○○レンジャー」といえば,5人!それなら!と,簿記の5つの要素を使用することにしました。

それぞれの色と簿記の要素がマッチするように,組み合わせを考えました。

そして,完成したのがこちらです。

(5)簿記カルタの作成

まずは,簿記に親しんでもらおうと考えたのが「昔ながらの遊び」でした。

カルタであれば小さい子からお年寄りまで楽しめ,キャラクターを活用することで,更に親しみやす

く感じるのではないか,と考えました。

作 成 手 順

・ 比較的わかりやすい勘定科目や簿記の用語を使い,読み札を考える。

・ 次に,それに合わせてとり札を考える。

・ 勘定科目に合わせた色で構成する。

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(6)簿記カルタの完成

すべてパソコンで作成し,完成しました。

(7)試作品

インクジェットプリンタで印刷し,完成しました。

完成とともに,新聞で取り上げていただきした。

その反響もあり,何件か販売はしていないのかという問い合わせがありました。

しかし,試作してみた結果,販売するにはもう少し改良を加える必要があると判断したため,まだ販売に

は至っておりません。こちらは,これからの課題と言えます。

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(8)LINEスタンプの作成

簿記カルタと同時に,どうやって「ボキレンジャー」を広めていくかを話し合っていたところ,「私たち

がよく活用するLINEでスタンプを作ったらどうだろう」という意見が出て,さっそく作成に取り掛かり

ました。

しかし,LINEスタンプの作成を進めるにあたり,いくつかの問題点が出てきました。

まずは,この問題点をクリアすることから始めました。

問題点1 簿記の用語を使ったスタンプを作って,みんなが利用するのだろうか。

→ まずは,簿記の用語ではなく「皆が日常で使うようなスタンプ」で興味を持ってもらおうという

ことで,通常使うようなスタンプを考えました。

問題点2 LINEからの犯罪やトラブルをよく聞くが影響はないだろうか。

→ ネットトラブルが起きないように専門家に来ていただき,講演会を開きました。

問題点3 収益はどうするのか。

→ こちらは,学校で銀行口座を作り,収益は地域活性化につながるような活動資金として,地域に

還元するようなシステムにしました。

問題点4 アカウントはどうするのか。

→ はじめは,個人のアカウントで試してみましたが,今後の活動を本格化していく上で,学校とし

てのアカウントを取得しました。学校のキャラクターである「串商丸」から

アカウント名:KUSHISYOMARU

著 作 権:(C)nakanakaakinaiproject2016

カ テ ゴ リ:ほんわか・癒やし系

販売可能地域:全世界

このように,問題点をクリアにして,完成したのがこちらです。

<問題点>

1 簿記の用語を使ったスタンプを作って,みんなが利用するのだろうか。

2 LINEからの犯罪やトラブルをよく聞くが,影響はないだろうか。

3 収益はどうするのか。

4 アカウントの作成について

現在の状況

7月1日現在の 売上数は,15個,

売上金額は,¥1,384

ちなみに,スタンプ利用の上位3つ「了解」「ありがと

う」「お疲れ様です」でした

私たちのこのような活動は,地域の活力になったと思いま

す。

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Ⅶ 仮説に対する検証

1 タルト開発

なかなかあきないシリーズ第2弾ということで,第1弾のタルトの認知度も手伝って各種イベント販売におい

ては好調な売れ行きであった。

ただし,今年SUMOMOさんの宮崎県へ出店され多忙になったことと,ラベルは自校で作成しているため安

定して販売を行える環境ではないため,今後の販売に対して改善点をあげて考える必要があることがわかりまし

た。

2 ドレッシング開発

新聞にも取り上げてもらい,鹿児島のキャラクターである「ぐりぶー」と協力することで,鹿児島のお土産と

いう視点ではある程度効果があるようです。しかし,もともと「ラ・エスプリ」さんの常連のお客様がメインの

販売先となっており,新規のお客様がさほど増えていないことと,本当の意味での地元食材を使った商品にはで

きていないという現状があります。さらに,まだまだ地元の方々にも認知度が低い現状があります。これから,

宣伝方法を考えて支持力を高めていきたいです。

3 ボキレンジャー

(1)簿記カルタ

まだまだ試作段階の商品であるため,実際に商品化するためにどれくらいの費用がかかるのか,需要がど

れくらいあるのかなど,様々な面から改良が必要であると思います。また,「カルタ」という遊び方だけで

は,飽きてしまうため多段階で楽しめるルール作りに挑戦していきます。

そして,近隣の小学校にカルタを無料配布し,この簿記カルタで簿記を知ってもらう活動をしていきたい

と思います。また,自分たちでも工夫改善し,クラスマッチに取り入れていきたいと考えています。

(2)LINEスタンプ

まずは,親しみを持ってもらおうと日常のやりとりをメインにしすぎて簿記の要素がほとんどなくボキレン

ジャーの意図が伝わらないまま現在にいたっているため,

○ 簿記の用語を取り入れたものを新たに作る

○ もっと擬人化したスタンプを作った方がより,人気が出るのではないか

という改善点をもとに,どんどん更新していきたいと思います。

検証の結果,開発商品のシリーズ化を行い独自のブランド化は実行できました。そして,地道な販売活動を通

して,非常に少ないですが私たちの商品を支持してくれる消費者がいることも分かりました。しかし,まだまだ

認知度も低く,ブランドロイヤルティを獲得するまでには至りませんでした。これからの活動を通して,認知度

を高め,地域ブランドとして認めてもらえるよう,努力していく必要があります。

Ⅶ 今後の展開

(1) 「なかなかあきない」のブランディング化・商標登録

(2) 地元素材の活用・施設の利用・企業連携

(3) 積極的な販売活動につなげるための工夫

(4) それぞれの定着化

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Ⅷ おわりに

今回の活動では,「なかなかあきないプロジェクト」として,まずは本校の開発商品をブランド化するという

ところまで実現しました。

今後の課題として,まずはこのブランド化した商品の認知度を広め,ブランドロイヤリティを獲得するための

活動を行っていく必要があります。それと並行して,地元の特産品を使った商品開発を続けていき,「なかなか

あきないプロジェクト」の商品だから買いたい。そして,一緒に商品開発したいという企業と協働した地域ブラ

ンドを確立し,認知されるようこれからもこの活動を続けていきたいと思います。

また,簿記や商業をPRすることで,より計画的な人生設計,貧困の根絶,それが地球の平和に繋がるような

活動を展開していきたいです。

ボキレンジャー2016年度 coming soon