原発性鎖骨下静脈血栓症(paget-schroetter 症候群)の 1

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THE JOURNAL of JAPANESE COLLEGE of ANGIOLOGY Vol. 54 Online publication August 10, 2014 129 原発性鎖骨下静脈血栓症(Paget-Schroetter 症候群)の 1 兼城 達也  與那覇俊美  平安山英義 要 旨:Paget-Schroetter 症候群は健常な若年者に突然発症する比較的稀な疾患であり,その治療法につい て一定の見解が得られていない。症例は 40 歳代男性で,突然発症した右上肢の腫脹を主訴に当院受診 し,エコーと CT で右鎖骨下静脈の血栓閉塞を認めて入院となった。カテーテルによる鎖骨下静脈造影+ 血栓吸引・溶解療法を施行し,Paget-Schroetter 症候群と診断した。引き続いて根治手術を行った。手術は 右鎖骨下アプローチによる右第一肋骨部分切除,肋鎖靱帯切除,前斜角筋離断を行い,術中造影でその中 枢側の鎖骨下静脈に狭窄を認めた。胸骨柄に L 字切開を加えて鎖骨下静脈狭窄部のパッチ形成術を行っ た。術後経過は良好で退院後は術後 8 週間の抗凝固療法を継続した。術後 1 年間の follow up で再発を認 めていない。(J Jpn Coll Angiol 2014; 54: 129–133Key words: Paget-Schroetter syndrome, subclavicular approach 2014 2 4 日受付  2014 6 17 日受理 社会医療法人敬愛会中頭病院血管外科 54 回日本脈管学会総会(2013 10 月,東京)にて発表 doi: 10.7133/jca.14-00005 ●症例報告● はじめに 上肢深部静脈血栓症は静脈血栓症の 12%とされ下肢 と比較すると少ない。このうち原発性鎖骨下静脈血栓症 Paget-Schroetter 症候群,以下 P-S 症候群)の発生頻度は 年間 10 万人あたり 12 人と稀である 1, 2原因として鎖骨下静脈が上肢の動きにより costoclavicular space で慢性に圧迫を受けることで静脈損傷から血栓閉塞 を来すと考えられている。 今回,カテーテルによる血栓吸引・溶解後に外科的血 行再建術を行い,良好な結果を得た 1 例を経験したので 報告する。 症  例 患 者:40 歳代,男性 既往歴:とくになし 主 訴:右上肢腫脹 現病歴:荒磯釣りの全国大会出場選手であり,来院 1 週間前にコマセを投げる動作を数十回行った。来院の 2 日前より右上肢全体の腫脹が出現。熱感や疼痛,発赤は 認めず右肩周囲に皮下静脈の怒張を認めた。上肢のエ コー検査では異常所見を認めなかったため,経過観察と なったが,症状が持続したため 3 日後に再受診となっ た。その際に施行した胸部造影 CT で右鎖骨下静脈の血 栓閉塞が疑われたため血管外科紹介となった。エコーで 右鎖骨下静脈から腋窩静脈の血栓閉塞を認め,上肢深部 静脈血栓症の診断で入院となった。 来院時身体所見:右上腕:31.5 cm,右前腕:29 cm左上腕:27 cm,左前腕:26.5 cm と右上肢の腫脹と皮下 静脈の怒張を認めた。 術前胸部造影 CT 像(Fig. 1AB):冠状断像では右腕頭 静脈から分岐した右鎖骨下静脈が起始部から血栓閉塞し ているのが確認され,水平断像では右上腕の皮下静脈の 怒張を認めた。 術前エコー検査:B モードで右腕頭静脈合流部から腋 窩静脈までの血栓とカラードップラーで閉塞を認めた。 血栓吸引・溶解療法 右肘窩正中皮静脈より尺側皮静脈方向に 6 Fr sheath 挿入して静脈造影を行ったところ,右鎖骨下静脈起始部 から腋窩静脈まで血栓による完全閉塞を認め(Fig. 2A), P-S 症候群と診断した。6 Fr Thrombuster III (カネカメ

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Page 1: 原発性鎖骨下静脈血栓症(Paget-Schroetter 症候群)の 1

THE JOURNAL of JAPANESE COLLEGE of ANGIOLOGY Vol. 54

Online publication August 10, 2014 129

原発性鎖骨下静脈血栓症(Paget-Schroetter症候群)の 1例

兼城 達也  與那覇俊美  平安山英義

要 旨:Paget-Schroetter症候群は健常な若年者に突然発症する比較的稀な疾患であり,その治療法について一定の見解が得られていない。症例は 40歳代男性で,突然発症した右上肢の腫脹を主訴に当院受診し,エコーと CTで右鎖骨下静脈の血栓閉塞を認めて入院となった。カテーテルによる鎖骨下静脈造影+血栓吸引・溶解療法を施行し,Paget-Schroetter症候群と診断した。引き続いて根治手術を行った。手術は右鎖骨下アプローチによる右第一肋骨部分切除,肋鎖靱帯切除,前斜角筋離断を行い,術中造影でその中枢側の鎖骨下静脈に狭窄を認めた。胸骨柄に L字切開を加えて鎖骨下静脈狭窄部のパッチ形成術を行った。術後経過は良好で退院後は術後 8週間の抗凝固療法を継続した。術後 1年間の follow upで再発を認めていない。(J Jpn Coll Angiol 2014; 54: 129–133)

Key words: Paget-Schroetter syndrome, subclavicular approach

2014年 2月 4日受付  2014年 6月 17日受理

社会医療法人敬愛会中頭病院血管外科第 54回日本脈管学会総会(2013年 10月,東京)にて発表doi: 10.7133/jca.14-00005

●症例報告●

はじめに

 上肢深部静脈血栓症は静脈血栓症の 1~2%とされ下肢と比較すると少ない。このうち原発性鎖骨下静脈血栓症(Paget-Schroetter症候群,以下 P-S症候群)の発生頻度は年間 10万人あたり 1~2人と稀である1, 2)。 原因として鎖骨下静脈が上肢の動きにより costoclavicular

spaceで慢性に圧迫を受けることで静脈損傷から血栓閉塞を来すと考えられている。 今回,カテーテルによる血栓吸引・溶解後に外科的血行再建術を行い,良好な結果を得た 1例を経験したので報告する。

症  例

 患 者:40歳代,男性 既往歴:とくになし 主 訴:右上肢腫脹 現病歴:荒磯釣りの全国大会出場選手であり,来院 1

週間前にコマセを投げる動作を数十回行った。来院の 2

日前より右上肢全体の腫脹が出現。熱感や疼痛,発赤は

認めず右肩周囲に皮下静脈の怒張を認めた。上肢のエコー検査では異常所見を認めなかったため,経過観察となったが,症状が持続したため 3日後に再受診となった。その際に施行した胸部造影 CTで右鎖骨下静脈の血栓閉塞が疑われたため血管外科紹介となった。エコーで右鎖骨下静脈から腋窩静脈の血栓閉塞を認め,上肢深部静脈血栓症の診断で入院となった。

 来院時身体所見:右上腕:31.5 cm,右前腕:29 cm,左上腕:27 cm,左前腕:26.5 cmと右上肢の腫脹と皮下静脈の怒張を認めた。 術前胸部造影 CT像(Fig. 1A,B):冠状断像では右腕頭静脈から分岐した右鎖骨下静脈が起始部から血栓閉塞しているのが確認され,水平断像では右上腕の皮下静脈の怒張を認めた。 術前エコー検査:Bモードで右腕頭静脈合流部から腋窩静脈までの血栓とカラードップラーで閉塞を認めた。

血栓吸引・溶解療法

 右肘窩正中皮静脈より尺側皮静脈方向に 6 Fr sheathを挿入して静脈造影を行ったところ,右鎖骨下静脈起始部から腋窩静脈まで血栓による完全閉塞を認め(Fig. 2A),P-S症候群と診断した。6 Fr Thrombuster III(カネカメ

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脈管学 Vol. 54

ディックス)による血栓吸引で浮遊血栓を除去し(Fig.

2B), 引 き 続 い て FOUNTAIN INFUSION SYSTEM

(SHEEN MAN Co. Ltd.)による catheter directed thromboly-

sisを行った。造影で血栓の残存のないことを確認した(Fig. 2C)。 血栓吸引・溶解療法後直ちにワーファリンの内服を開始し,PT-INRを 2~3でコントロールした。患者側の都合により一旦退院となったが初期治療より約 6週間後,再入院となり根治手術を行った。

手  術

 手術は全身麻酔下,仰臥位で行った。Molinaらの方法に従い3),右鎖骨下横切開を行って第一肋骨へ到達し

た。肋鎖靱帯と前斜角筋を第一肋骨付着部から切除して第一肋骨の前 3分の 1を切除し鎖骨下静脈を確認してテーピングを行った。周囲組織から鎖骨下静脈を剝離したが狭窄部が確認できなかったため,21 Gトンボ針を直接右鎖骨下静脈に穿刺して静脈造影を行ったところ(Fig. 3A),剝離した鎖骨下静脈のさらに中枢側に狭窄部を認めた。皮膚切開を中枢側に L字型に伸ばし,さらに胸骨柄を L字切開して視野を展開して狭窄部に到達した。狭窄部を含めて side-clampを掛けて静脈切開を行うと,線維性に肥厚した静脈壁を認めた。Fig. 3Bの如く大腿部より採取した大伏在静脈パッチによる静脈形成術を行った。最終造影(Fig. 3C)で良好に拡張していることを確認し,ドレーンを留置して手術を終了した。

Figure 1 A: Enhanced computed tomography (CT) showing right subcla-vian vein occlusion (arrow).B: Axial image showing subcutaneous vein congestion in the right arm (arrow).

A B C

A B

Figure 2 A: Initial venography image showing total occlusion and floating thrombus.B: Image of the thrombus removed from the right subclavian vein using an aspiration catheter. C: Venography image after thrombectomy and thrombolysis showing no residual thrombus.

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術後 follow-up

 術後はMolinaらの管理法に従って 8週間の抗凝固療法(3日間のヘパリン静注とそれに続くワーファリンの内服)と三角巾による右上肢固定を行い3),1カ月後,6カ月後,1年後に duplex scanによる血流評価を行った。

Duplex scanでは残存血栓を認めず良好な血流が確認され,右上肢外転位でも良好な血流が確認された(Fig. 4)。術後 1年での上肢周径は右上腕:28 cm,右前腕:27 cm,左上腕:28 cm,左前腕:27 cmで左右差を認めず,身体活動でもとくに制限を認めていない。

A B CFigure 3 A: Preoperative venography image showing severe stenosis in the right subclavian vein.B: Image of right subclavian vein after venoplasty with a great saphenous vein patch (arrow). C: Postoperative venography showing good dilatation and blood flow in the right subclavian vein.

Figure 4 One year after surgery, duplex scanning image showing neither residual thrombus nor stenosis in the right subclavian vein in 90 degrees of abduction with lat-eral rotation.

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考  察

 P-S症候群は比較的若年者に発症する特発性の鎖骨下静脈血栓症で,胸郭出口で圧迫を受けることが原因であることから広義の胸郭出口症候群に含まれる4, 5)。この疾患は 1875年に Paget6)が,1884年に Schroetterがそれぞれ報告し,1948年に Hughesにより Paget-Schroetter症候群と命名された7)。上肢の運動後に発症することが多いことから effort thrombosisとも呼ばれている。 この症候群の原因としては鎖骨と第一肋骨,前斜角筋,肋鎖靱帯で形成される costoclavicular spaceで鎖骨下静脈が上肢の繰り返される運動により慢性に圧迫されることで内膜損傷を来して血栓閉塞に至ると考えられている7, 8)。 P-S症候群は激しい身体活動を伴う若年者に多く罹患することから放置すると鎖骨下静脈の慢性閉塞となり,慢性的な上肢の浮腫や軽労作での疼痛や疲労,血栓性静脈炎などの障害が残る可能性が高いため迅速に診断・治療を行う必要がある。DeWeeseらは抗凝固療法による保存的治療を行った P-S症候群では,12%に肺塞栓が発生したことや 68%の症例で上肢の腫脹や疼痛,血栓性静脈炎等の症状が残存したことを報告している9)。Urschelらは発症から 1カ月以内に診断治療を開始した群では良好な成績であったと報告しており10),Molinaらも発症から2週間以内であれば 100%再開通が可能であったと報告している3)。しかしながら治療開始が遅れた群では手術不能もしくは成績不良であったとしており,早期の介入が必要である。診断を兼ねてカテーテルでの血栓吸引・溶解療法が第一選択となるが,それに続く治療法については議論の余地がある。①抗凝固療法のみ,②経皮的血管形成(percutaneous transluminal angioplasty; PTA)+ステント留置術,③外科的除圧,④外科的除圧+ PTA /ステント留置術,⑤外科的除圧+パッチ形成術などが考えられるが,①の抗凝固療法のみでは高率に再閉塞となり,障害を残す可能性が高い9)。Urschelらは自験例で PTAとステント留置術を行った全例で再閉塞となったと報告しており11),②の血管内治療のみでは長期間の開存は期待できない12)。③の外科的除圧のみでは静脈の器質的閉塞・狭窄が解除されないため狭窄・閉塞が高度でない一部の症例でのみ適応となる3)。④の外科的除圧+ PTAは過去の報告では再閉塞率が高いとされており,外科的除圧後のステント留置術も長期成績が不良と報告されている13)。また長期の抗凝固療法が必要となる。もし外科的除圧を行わずにステント留置を行うと胸郭出口での圧迫により

ステントが破壊されて再閉塞となる。Molinaらは⑤の外科的除圧+パッチ形成術が最も成績が優れていると報告している3)。術後 8週間の抗凝固療法を要するのみでステントなどの人工物の挿入が不要であり,もし再狭窄・閉塞を認めた場合でも狭窄部のパッチ形成術後であることからこの場合のみステントの留置が可能と述べている。 胸郭出口へのアプローチ法は①鎖骨下アプローチ,②前方鎖骨上アプローチ,③経腋窩アプローチがある。それぞれに利点・欠点があり,鎖骨下アプローチの場合パッチ形成術に適しているが視野は不良で第一肋骨の限られた範囲しか切除できない。前方鎖骨上アプローチは視野が深く,やや不良だが胸郭出口にあるすべての解剖学的構造を観察できる。Urschelらは経腋窩アプローチによる第一肋骨切除と前斜角筋切除を行い,鎖骨下静脈の除圧を行って良好な成績を報告している14),一方 Kunkel

らはこの方法で手術を行った 35例中 13例が再閉塞となったと報告している15)。Melbyらは鎖骨上窩アプローチに鎖骨下切開を追加した paraclavicular approachによる胸郭出口除圧と patch-plastyを含む静脈再建を報告している5)。2カ所の incisionが必要だがこの方法も選択肢の 1

つとなるだろう。いずれのアプローチでも前斜角筋前面を横隔神経が走行しているため横隔神経損傷の可能性を念頭に置き慎重に剝離する必要がある16)。本症例では静脈造影の所見から器質的な狭窄を疑い,鎖骨下静脈周囲の圧迫解除と同時に狭窄部の静脈形成を行う目的でMolinaらの方法に準じて鎖骨下アプローチ・胸骨柄 L字切離による第一肋骨・肋鎖靱帯・前斜角筋切除+鎖骨下静脈パッチ形成術を選択した3, 17)。カテーテルでの血栓吸引・溶解療法後速やかに手術を行うべきであったが患者の希望によりすぐに手術を行うことができず,一旦外来での抗凝固療法継続となった。幸運にも再閉塞にならずそのまま手術を行うことが可能であったが再閉塞となった場合,手術不可能となる可能性があることを念頭に置かなければならない。

結  語

 原発性鎖骨下静脈血栓症に対してカテーテル治療後に外科的除圧+パッチ形成術を行って良好な結果が得られた症例を報告した。

利益相反

 著者全員が利益相反はない。

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文  献

1) Lindblad B, Tengborn L, Bergqvist D: Deep vein thrombosis

of the axillary-subclavian veins: epidemiologic data, effects

of different types of treatment and late sequelae. Eur J Vasc

Surg 1988; 2: 161–165

2) Illig KA, Doyle AJ: A comprehensive review of Paget-

Schroetter syndrome. J Vasc Surg 2010; 51: 1538–1547

3) Molina JE, Hunter DW, Dietz CA: Paget-Schroetter syndrome

treated with thrombolytics and immediate surgery. J Vasc

Surg 2007; 45: 328–334

4) Cronenwett JL, Johnston KW: Rutherford’s Vascular Surgery,

7th Ed, Saunders Elsevier, Philadelphia, 2010, 1907–1917

5) Melby SJ, Vedantham S, Narra VR, et al: Comprehensive sur-

gical management of the competitive athlete with effort

thrombosis of the subclavian vein (Paget-Schroetter syn-

drome). J Vasc Surg 2008; 47: 809–820; discussion 821

6) Paget J: Clinical lectures and essays. London, Longmans

Green, 1875

7) Hughes ESR: Venous obstruction in the upper extremity

(Paget-Schroetter’s syndrome). A review of 320 cases. Int

Abstr Surg 1949; 88: 89–127

8) Molina JE: Surgery for effort thrombosis of the subclavian

vein. J Thorac Cardiovasc Surg 1992; 103: 341–346

9) DeWeese JA, Adams JT, et al: Subclavian venous thrombec-

tomy. Circulation 1970; 41 (5 Suppl): II158–164

10) Urschel HC, Razzuk MA: Paget-Schroetter syndrome: what is

the best management? Ann Thorac Surg 2000; 69: 1663–

1668; discussion 1668–1669

11) Urschel HC, Patel AN: Surgery remains the most effective

treatment for Paget-Schroetter syndrome: 50 years’ experi-

ence. Ann Thorac Surg 2008; 86: 254–260; discussion 260

12) Urschel HC, Patel AN: Paget-Schroetter syndrome therapy:

failure of intravenous stents. Ann Thorac Surg 2003; 75:

1693–1696; discussion 1696

13) Lee JT, Karwowski JK, Harris EJ, et al: Long-term throm-

botic recurrence after nonoperative management of Paget-

Schroetter syndrome. J Vasc Surg 2006; 43: 1236–1243

14) Urschel HC, Kourlis H: Thoracic outlet syndrome: a 50-year

experience at Baylor University Medical Center. Proc (Bayl

Univ Med Cent) 2007; 20: 125–135

15) Kunkel JM, Machleder HI: Treatment of Paget-Schroetter

syndrome. A staged, multidisciplinary approach. Arch Surg

1989; 124: 1153–1157; discussion 1157–1158

16) 鰐淵康彦,安達秀雄訳:胸郭上口と頸胸部交感神経幹.重要血管へのアプローチ,メディカル・サイエンス・インターナショナル,東京,1995, 104–131

17) 山川智士,椎谷紀彦,松居喜郎,他:カテーテル治療後に再発した Paget-Schroetter症候群の 1手術例.日血外会誌 2010; 19: 7–11

A Case Report of a Primary Subclavian Vein Thrombosis

Tatsuya Kaneshiro, Toshimi Yonaha, and Hideyoshi Henzan

Department of Vascular Surgery, Nakagami General Hospital, Okinawa, Japan

Key words: Paget-Schroetter syndrome, subclavicular approach

Young healthy people sometimes suffer from Paget-Schroetter syndrome, which is a relatively rare

condition that has been associated with a controversial treatment strategy. This case report presents a male

patient in his 40’s, who visited our hospital because of sudden swelling of the right arm. Thrombosis of the

right subclavian vein was detected by ultrasound and enhanced computed tomography. Transcatheter

thrombectomy and thrombolysis were performed. The patient was diagnosed with Paget-Schroetter syndrome

and, subsequently, underwent surgery. Using a subclavicular approach, the first right rib, costoclavicular

ligament, and anterior scalene muscles were resected, and intraoperative venography revealed stenosis.

Subsequently, the manubrium of the sternum was divided into an L-shape incision and a vein patch was

performed. The patient showed an excellent postoperative course that required only 8 weeks of

anticoagulation treatment. No recurrence was reported 6 months after surgery.

(J Jpn Coll Angiol 2014; 54: 129–133)