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SDNet (Software Defined Specification Environment for Networking)

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SDNet (Software Defined Specification Environment for Networking)

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2014 年 4 月 japan.xilinx.com 2

業界初の 「Softly」 Defined Network を実現はじめに . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3

Softly Defined Network の必要性 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3

SDNet Specification Environment の概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5

SDNet を用いた次世代ラインカード と Softly Defined Networks . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6

SDNet の記述 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7

SDNet 手法 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 12

SDNet の柔軟性 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 13

ザイ リ ンクスの基盤テク ノ ロジ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 14

代替アプローチとの比較 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 16

ま とめ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 17

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業界初の 「Softly」 Defined Network を実現

はじめにザイ リ ンクスは、 長年にわたる研究と大規模な投資の集大成となる SDNet (Software Defined Specification Environment for Networking) を発表いたしました。 SDNet は、 高レベルなユーザー定義の仕様を、 高度に 適化された All Programmable FPGAや SoC にコンパイルするこ とで、 高性能パケッ ト処理システムの容易な作成を実現します。 具体的には、 SDNet とザイ リ ンクスの All Programmable デバイスを同時利用するこ とで従来のテク ノ ロジを根底から覆す Softly Defined Network の構築が可能とな り ます。 Softly Defined Network は SDN 本来の目的をサポートするだけでなく、 コンテンツ インテ リジェンスを持つソフ トウェア定義のデータ プレーン ハードウェアをサポートするこ とで、 市場の流れを一変する力を秘めています。

この資料は、ネッ ト ワーク システム設計者およびエンジニア リ ング マネージャを対象に、SDNet の豊富な機能を紹介し、SDNetを用いた技術問題の解決方法をご理解いただく と と もに、 終的には All Programmable でかつ Smarter な Softly Defined Networkを構築いただけるよ うになるこ とを目的と しています。 この資料を読み進める中で、 さ らに特定の分野について詳し くお知りにな りたい方は、 SDNet の特定機能の解説書をご参照ください。

Softly Defined Network の必要性エンド ユーザーの進化し続ける要求に応えるため、 ネッ ト ワーク システム ベンダーは、 開発サイ クルを年単位から月単位へ短縮し、 SDN 等の新たなネッ ト ワーク ト ポロジをサポートする必要に迫られています。 これは、 スループッ ト、 インターフェイス種別やサイズの面で異なる複数種類のラ インカードが動的かつ統一的に展開される こ と を要求する 新の over-the-topサービスによ り牽引されています。 一方キャ リ ア側はプロビジ ョ ニング、 管理、 設備投資の簡素化に向け、 SDN や NFV など新たなネッ ト ワーク アーキテクチャを模索しています。 このよ うな状況にふさわしい理想的なソ リ ューシ ョ ンは、 カスタマイズされたハード ウェア インプリ メンテーシ ョ ンで、 ソフ ト ウェア制御の下、 イングレスからイーグレスまで、新機能の展開に対応可能な、 真にプログラマブルでスケーラブルなラインカードです。

大幅な開発コス トの上昇、開発サイクルの長期化、 さらに元来の柔軟性の欠如から、機器プロバイダーは次世代 ASIC への移行を妨げられています。 成功を収めた ASIC プロジェク トでさえ、 「将来に対応する」 追加リ ソースを備えてきたため、 コス ト、規模、 電力のオーバーヘッ ドの増加が顕著です。 結果的に、 内部データプレーン ASIC のデータレート 50-100 ギガビッ ト /秒超の拡張を試みたのは一部のシステム ベンダーのみでした。 一方、 ASSP ベンダーは新たなアプリ ケーシ ョ ンやデータレートの多様な要件によって同様の問題を抱え、 マーチャン ト シ リ コンの供給ギャップを生み出しています。 つま り、 固定シ リ コン ソリ ューシ ョ ンのビジネスケースは急速に消滅しつつあるのです。

ASIC、 ASSP ベンダーがネッ ト ワーク領域の課題に取り組む一方、 IT 業界は新たな境界を押し開けよ う と しています。 設計者にとって、新しい ト レンド とはハード ウェアがソフ ト ウェア制御の動的な一連の仮想サービスへと進化するこ とにほかならず、それゆえ固定機能の ASIC や柔軟性を増したマーチャン ト NPU を搭載したラインカードの価値への疑念をもたらします。しかし簡素なスイ ッチングハード ウェアのみを基盤と し、 高度な機能をソフ ト ウェアに依存したソ リ ューシ ョ ンでは、 非常に限られた用途以外でパフォーマンス要件を満たすこ とはできません。

ソフ ト ウェアでプログラム可能な、 非常に柔軟性の高いハード ウェアへのニーズに対処し う る All Programmable FPGA およびSoC の持つ可能性は決して誇張され過ぎるこ とはあ り ません。 実際、 現在の All Programmable デバイスを使用したプログラマブル技術によって、 イングレス (入力) からイーグレス (出力) にわたるラインカードのほぼすべての機能を、次世代ネッ ト ワーク プラ ッ ト フォームと関連する、必須のラインレートおよびパケッ ト処理レート を満たしながらインプリ メンテーシ ョ ンできます。

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Softly Defined Network の必要性

ザイ リ ンクスは、 次世代プログラマブルネッ ト ワーキングプラ ッ ト フォームを 「Softly Defined Networking」 デバイス と称し、ソフ ト ウェアおよびハードウェア両面での All Programmable な特性と、 SDN を含み、 さ らには超える機能への対応能力に力点を置いています。

図 1 はネッ ト ワーク デバイス (スイ ッチ、ルーター、アプライアンス) の進化を図解しています。第一ステップは SDN (SoftwareDefined Networking) への大きな ト レン ドを表しています。 この段階ではオープンで柔軟なソフ ト ウェア制御が可能なものの、ク ローズドで、 固定された単純なハードウェアとな り ます。 第二ステップは、 ザイ リ ンクスが目指す Softly Defined Networkingへのステップです。 今日の分化が進んだコンテンツ指向のネッ ト ワークが抱えるパフォーマンスやセキュ リ ティの課題に対処する、 オープンかつ柔軟で、複雑なデータプレーンが特長です。 また、 SDN の限られていたサウスバウンド API がさらに豊かになり、 高速データパスの大幅な再プログラ ミ ング、 プログラムされた ト ラフ ィ ッ ク解析のデータプレーンからの取得などが可能とな り ます。 ソフ ト ウェア定義のデータ プレーン ハード ウェアがもたらす利点は非常に意義深く、 ネッ ト ワークの仮想化、 Network Functions Virtualization (ネッ ト ワーク機能仮想化) (NFV)、 ユーザー定義のカスタマイズ機能の実現にとどまらず、ワイヤスピードの、 プロ ト コルに依存しないサポート、 柔軟性に優れた改良されたサービス品質 (QoS)、 フローやセッシ ョ ンを意識した機能なども実現します。

革新的なザイ リ ン ク ス SDNet Specification Environment は、 Softly Defined Networking への移行を支援し、 ザイ リ ンク スの AllProgrammable デバイスにおけるパケッ ト処理機能の迅速なプロ ト タイピングや開発、 展開を可能にします。 適なプログラマブル ハード ウェア インプ リ メ ンテーシ ョ ンにパケッ ト処理要件を自動マッピングできる高レベルな特別なアプローチの導入は、 まさに業界を一変させる破壊的パワーを持つ技術といえます。

X-Ref Target - Figure 1

図 1 : Softly Defined Networking への進化

Software Defined Networks

Software DefinedControl Plane with

Network Intelligence

Fixed Data Plane Hardware

OpenX…Southbound API

“Softly” Defined Networks

Software DefinedControl Plane with

Network Intelligence

Software Defined Data Plane Hardware with Content Intelligence

OpenX…Southbound API

• Virtual Network Services

• Network Flexibility

• Holistic Management

Benefits & Capabilities

SDNet Software Defined Specification Environment

All Programmable FPGAs and SoCs

• Wire Speed, Protocol Complexity Agnostic

• Per-flow, Flexible Services Provisioning

• In-service ‘Hitless’ Updates

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SDNet Specification Environment の概要

SDNet Specification Environment の概要SDNet 環境の基盤と統合開発ツールのセッ ト によって処理された高レベルのネッ ト ワーク仕様を使用するこ とによ り、 ユーザーはインプリ メンテーシ ョ ンの詳細を含めず、 自然な形式でパケッ ト処理機能要件を記述できます。 この記述はその後、 ザイ リ ンクスの All Programmable デバイス上に、 適化されたハード ウェア インプリ メンテーシ ョ ンと して自動変換され、 適なコス ト、 消費電力、 性能でのラインレート性能を実現します。 これこそが Softly Defined Networking の真骨頂です。

SDNet 設計環境の主要コンポーネン トは次の通りです。

° 特定機能向けカスタム ハードウェア コンポーネン トの生成 (例 : パーシング、 エディティング)

° ユーザー要件を満たすカスタム パケッ ト データパス ハードウェア サブシステムの生成

° 生成された SDNet ハードウェア アーキテクチャ向けカスタム ファームウェアの生成

° デバッグおよび検証用テス トベンチの生成

SDNet 環境で生成されたパケッ ト処理アーキテクチャは、 ヒ ッ ト レス アップデート をサポート しています。 つま り、 ラ インレート サービスを一切中断するこ とな く、パケッ ト間のデータプレーン処理機能を変更できるのです。 このよ うなサービス提供中のアップデートは、 ユーザーが SDNet を介して仕様変更するこ とで生成されるカスタム ファームウェア アップデート を通じて実現されます。

SDNet には、その他のザイ リ ンクスの 適化されたネッ ト ワーキング向け SmartCORE™、コネクティ ビティ向け LogiCORE™、外部メモ リ制御、 エンベデッ ド プロセッサとの統合も含まれています。 これは業界ト ップのザイ リ ンクス Vivado® 設計環境に、 SDNet を結合するこ とで実現しました。

SDNet 環境は、 ユーザー提供のコンポーネン トの統合が可能なオープンエンド型です。

° 緊密なハードウェア統合 : ユーザー エンジンを SDNet にインポート

° 外部ハードウェア統合 : ユーザー IP ブロ ッ ク と完全な SDNet ハードウェア ブロ ッ ク とのリ ンク

° ソフ ト ウェア統合 : ユーザー ソフ ト ウェアと SDNet 管理 API との リ ンク

革新的な SDNet の主な機能および利点は次の通りです。

表 1 : 主要な SDNet 機能

機能 利点

高レベル仕様インプ リ メ ン ト されるサービスを、 FPGA 設計の専門知識がなくてもシステム設計者が正確に指定可能

ワイヤスピードでの処理次世代データセンタ、エッジ、メトロ、およびコア ネット

ワークに必要なビットおよびパケットレートを実現

1G から 400G までスケーラブルなラインレート同一コードで、レート要件をサポートするハードウェア アー

キテクチャへの自動コンパイルを実施

カスタマイズされたハードウェア アーキテクチャ無駄のない最適なリソース利用 : 最低コスト、消費電力の AllProgrammable デバイスの実現を目指す

All Programmable デバイスベース業界トップのシリコンテクノロジによるインプリメンテー

ションで最適な 1 ワットあたりのプログラマブル性能を提供

ヒットレス サービス プロビジョニング迅速なコンパイルによって、インストレーション時のサービ

ス中断なしで、サービス提供中にアップグレードが可能

オープンエンドな枠組み「企業秘密」のコンポーネントと非ネットワーク コンポーネ

ントのシームレスな統合を保証

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SDNet を用いた次世代ラインカード と Softly Defined Networks

SDNet を用いた次世代ラインカード と Softly Defined Networks図 2 は、 標準的なラインカード上で SDNet が実現できる機能の例を示します。

図 2 のよ うに、All Programmable デバイスから、オプティ クス と外部メモリ を除く次世代サービスをすべてサポートするラインカードが実現できます。 事実、 SDNet 仕様環境は、 All Programmable ラインカードを実現するだけでなく、 その実用性も確保しています。上記のブロッ ク図内の、パケッ ト処理とプログラマブルな ト ラフ ィ ッ ク マネージャの両方から成るカスタム データプレーンは、 SDNet 環境から指定できます。 また、上記のよ うに、 MAC、 PC、 FEC およびファブリ ッ ク インターフェイスコアも、ザイ リ ンクスの広範な SmartCORE のネッ ト ワーキング ライブラ リから供給できます。さ らに外部メモリ インターフェイスを含む別のベーシッ ク インターフェイスコアも、 同様にザイ リ ンクスの LogiCORE IP ライブラ リからの供給が可能です。

SDNet 仕様環境の極めてユニークな機能は、サービス提供中のヒ ッ ト レス アップデート をサポートするデータパス処理機能の生成機能です。 これによ り、 標準 SDNet API を用いたソフ ト ウェア コン ト ローラから、 様々なラインカード コンポーネン トに対して新しい機能や性能をアップデートできます。アップデート用ソフ ト ウェアは、エンベデッ ド ソフ ト プロセッサまたは外部プロセッサ上で実行でき、 アップデート対象がザイ リ ンクスの Zynq® All Programmable SoC の場合は、 デバイスのエンベデッ ド ARM® プロセッサ上でソフ ト ウェアを実行できます。 このよ うに、 SDNet は、 Softly Defined Networking の構築を支援するための 「ソフ ト ウェア制御の下でのハードウェアのプログラマビ リティ」 という付加機能を提供しています。

X-Ref Target - Figure 2

図 2 : SDNet Softly Defined ラインカードの例

Optics

MACPCS

/FEC

ProgrammablePacket Processor

External Memory

Backplane

ProgrammableTraffic Manager

Hierarchical QoS

Per-flow GranularityFabric

I/F

Softly Defined Line Card

Parsing Embed. Search Editing

External Memory Interfaces:DDR4, RLDRAM, QDR, SERIAL

LogiCOREsSmartCOREs

SmartCOREs

External TCAM

External TCAM InterfaceFPGA/SoC

SmartCORE

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SDNet の記述

図 3 は、 ネッ ト ワーク内の SDNet ベースのソ リ ューシ ョ ンの異なる展開例を示しています。

SDNet の記述コンピュータ サイエンスの発展によ り、機械でどのよ うに実行するかではなく、人間の言葉で何をすべきか記述する方向へとさ らに抽象化が進んでいます。この典型的な例と して、ベースとなるデータベースの実現方法を記述せずに、自然な形式でデータベース クエ リ を表現する SQL 記述と、 特定デバイス上でのページの表示方法の詳細を記述せずに、 web ページの外観をテキス ト マークアップで表現する HTML 記述の 2 つが挙げられます。 これらの記述は、 特定のアプリ ケーシ ョ ン分野にカスタマイズされたド メ イン固有言語で記述されるため、制限のない自然言語と標準コンピュータ プログラ ミ ング言語との間に実用的な妥協点を見出した形になっています。

パケッ ト処理における特定プロ ト コルの要件は通常、 Internet Requests for Comment (RFC) 文書や ISO 規格文書などのよ うに英語で記述されています。 ただし、 これらはその後、 手動で低レベルかつインプリ メンテーシ ョ ンに特化した記述に変換し、 汎用プロセッサや専門ネッ ト ワーク プロセッサ、 またはカスタム ASIC 向けに設計されたハード ウェア上でど うパケッ ト処理を実行するか記述する必要があ り ます。

パケッ ト処理に関わる機能分類は比較的少ないため、ネッ ト ワーキングの専門家が自然な方法で、パケッ ト処理を記述できる、カスタマイズされたアプローチの一つの良い適用対象です。 SDNet がまさにこの役割を果たします。 加えて、 SDNet は、 要求仕様を効率的なインプリ メンテーシ ョ ンに変換およびマッピングする 適化コンパイラを提供し、 ユーザーに高度な生産性をもたらすこ とで、基礎となる適切な FPGA 技術をターゲッ ト と した柔軟で 適化されたハード ウェア インプリ メンテーシ ョ ンの実現を支援します。

X-Ref Target - Figure 3

図 3 : SDNet ベースのネッ トワーク展開の例

Metro Core

MBH

Access Aggregation

DSL

32:1ONU

Data Center

MDU

SiSi

SiSi

SiSi

� �

��

OLT

DSLAM

Eth. Aggr.

Eth. Aggr.

Edge Router

Edge Router

Edge Router

DCSwitch

Aggr. Switch

Aggr.Switch

Aggr. Switch

Core Router

Core Router

DC Switch

Transp.Switch

Transp. Switch

Transp.Switch

Transp.Switch

Core Router

WAN Switch

WAN Switch

� �

SDNet Target Application

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SDNet の記述

SDNet を用いるこ とで、 ユーザーは、 パーシング、 編集、 検索、 および QoS ポ リ シーエンジンなど、 多様なパケッ ト処理エンジンの動作を記述できます。 さ らに、 パケッ トデータフローと インターコネク ト された、 よ りシンプルなサブエンジンに関してエンジンを階層的に記述するこ と も可能です。これらのサブエンジンにはユーザー提供のエンジンを含めるこ とができます。SDNet の記述にはインプリ メンテーシ ョ ンの詳細は一切含まれず、これによ りユーザーは再プログラ ミ ングなしで設計の性能、電力、 リ ソースを拡張できます。 SDNet はまた、 特定のネッ ト ワーク プロ ト コルに限定されません。

図 4 に、Ethernet のパケッ ト ヘッダーを解析するパケッ ト パーシング関数の一部を例示します。図 5 は、これに対応する SDNet記述です。一般的な解析プロセスは、特定のセクシ ョ ンタイプ (ヘッダー、 ト レーラー、 またはその他関連するパケッ トのパート など) と予測されるパケッ ト内の、 特定のビッ ト オフセッ トにおいてオペレーシ ョ ンを実行し、 次のセクシ ョ ンに移動するか、 処理が完了していれば終了する とい う ものです。 この例は、 特定の Ethernet ヘッダーフ ィールドがどのよ うに抽出され、12 タプルに置かれるかを表しています。 これは後に接続された検索エンジンによって分類に使用されます。

完全なパケッ ト パーサーには、類似するク ラスの一群が含まれており、プロ ト コル ヘッダータイプあたり 1 つのク ラスがあ ります。各ク ラスには、 対象となる次のヘッダーの ト ラバーサル ルールを定義する メ ソ ッ ド と と もに、ヘッダー形式の宣言が含まれます。 すなわち、 タイプとパケッ ト内オフセッ トです。 パケッ トの編集にも、 パケッ トのヘッダーまたはト レーラーの同様のト ラバーサルが実行されるか、 またはヘッダーもし くは ト レーラーの挿入、 削除が含まれる場合もあ り ます。

X-Ref Target - Figure 4

図 4 : パーシングの例 : ETH ステップ

Inputs

• Packet

• Section type: ETH (= Ethernet)

• Bit offset in packet

• 12-tuple: fields

Outputs

• Packet (unchanged)

• Next section type: VLAN or IP, or done with error code 1

• Next bit offset in packet: 112 (= 48+48+16) bits later

• 12-tuple: fields with dmac, smac and type set

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SDNet の記述

X-Ref Target - Figure 5

図 5 : ETH パーシングの SDNet コード

class OF_parser::ParsingEngine (9000,4) {

// Tuple class for extracted data class Flow :: Tuple(inout) { struct flow_s { // OpenFlow 12-tuple port:3, dmac:48,smac:48,type:16, // Eth vid:12,pcp:3, // VLAN sa:32,da:32,proto:8,tos:6, // IP sp:16,dp:16 // TCP } } Flow fields;

// Section class for Ethernet header class ETH :: Section { struct {dmac:48, smac:48, type:16} method update = { fields.dmac = dmac, fields.smac = smac, fields.type = type } method move_to_section = if (type == 0x8100) VLAN else if (type == 0x0800) IP else done(1); method increment_offset = size(); }

// VLAN, IP, TCP classes follow ... // Similar style to ETH class

}

X-Ref Target - Figure 6

図 6 : MPLS_LSR システムの SDNet コード

class MPLS_LSR::System { // Input and output interfaces Packet_input instream; Packet_output outstream;

// Sub-engines MPLS_Classifier classifier; Secret_Sauce relay; MPLS_Editor editor;

// Interconnections method connect = { classifier.packetin = instream, relay.in = classifier.packetout, editor.packetin = relay.out, editor.fields = classifier.fields, editor.op = classifier.op, outstream = editor.packetout }}

// ...

class Secret_Sauce :: UserEngine { Packet_input in; Packet_output out;}

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SDNet の記述

ユーザーは、多様なコンポーネン トのサブエンジンをパケッ トデータフローのマクロ アーキテクチャにインターコネク トするこ とでエンジンを構成できます。記述されたインターコネク トパターンは、どのよ うな有向非巡回グラフにも適合します。3 つのコンポーネン トのサブエンジンからエンジンを構成した例を図 7 に、対応する SDNet 記述を図 6 に示します。SDNet 記述は、エンジン間のデータフローのみを示し、インプリ メンテーシ ョ ンの詳細は一切含みません。この SDNet コード フラグメン トには、 入出力インターフェイスのみで特徴付けられる、 ユーザー提供エンジンの記述も含まれます。 こ こでは、 パケッ ト分類結果によって実行されるパケッ ト編集の前に、ユーザー エンジンがメ インパケッ ト ス ト リーム上でなんらかのカスタム変換を加えます。この例では、エディ タは 1 つのパケッ ト ス ト リーム入力に加えてさらに 2 つのデータタプル ス ト リーム入力を持っています。

構成手法は、分散型検索エンジンにおける SDNet の中心的アプローチです。 SDNet に含まれる検索エンジンには 3 つのク ラスがあ り ます。

° コンテンツ アドレッサブル メモ リ (完全一致)

° 長プレフ ィ ッ クス一致エンジン

° 三値連想メモ リ (ワイルドカード一致)

SDNet 記述では、 ユーザーは検索エンジンのサイジング、 つま り、 キーおよび結果の幅、 ルッ クアップ テーブルの深さなどを指定できます。その後これらのエンジンはアプリ ケーシ ョ ンの必要に応じて、全体的なシステム データフロー アーキテクチャの中に統合され、 これによって全体的な検索機能が特定のアプリ ケーシ ョ ン向けに 適化されます。

アプリ ケーシ ョ ン向けにカスタマイズされた検索エンジンの代表的な組の使用例 :

° Ethernet 宛先アドレス ルッ クアップ用完全一致 CAM : 64K エン ト リ、 48 ビッ ト幅

° Ethernet ソース アドレス学習用完全一致 CAM : 4K エン ト リ、 48 ビッ ト幅

° IPv4 宛先アドレス ルッ クアップ用 長プレフ ィ ッ クス一致 : 64K エン ト リ、 32 ビッ ト幅

° IPv6 宛先アドレス ルッ クアップ用 長プレフ ィ ッ クス一致 : 8K エン ト リ、 128 ビッ ト幅

° ACL ルッ クアップのための 3 値 CAM : 4K エン ト リ、 112 ビッ ト幅

これは、 Ethernet、 IP、 TCP、 UDP パケッ トの包括的処理における大きな特徴となるでし ょ う。 各検索エンジンは、 正確なアプリ ケーシ ョ ン要件に応じ個別にサイジング、 適化されています。 さ らに関連パケッ ト処理エンジンとの直接カップリ ングによ りボ トルネッ クを回避しています。

X-Ref Target - Figure 7

図 7 : エンジン構成の例 : MPLS_LSR システム

relay

classifier

MPLS_Classifier MPLS_Editor

instream outstreampacketout

fields

op op

packetin packetout

fields

packetin

editor

outin

Secret_Sauce

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SDNet の記述

サービス品質 (QoS) に対しても、 インターコネク ト されたポ リシー エンジンを構成するこ とで同様のアプローチを採用しています。求められるサービス プロビジ ョニング、すなわち、 フロー数、階層のレベル数は、高粒度のポリシング、 シェーピング、スケジューリ ング、 アカウンティング、 または輻輳管理、 各フローのアルゴ リズムの選択などと と もに、 設計者が指定できます。 全体的な QoS ポ リ シー機能は特定のアプリ ケーシ ョ ン用に 適化され、 自動生成される SmartCORE 内で、 フロー分類およびパケッ トマーキングのための関連パケッ ト処理と と もに、 カプセル化されます。

図 8 に、 1 つのパケッ トが QoS 階層の複数のレベルを ト ラバースする際に、 フロー単位で維持されるケースがあるポ リ シーの組み合わせ例を示します。 ポ リ シング プロファイルが選択され (こ こでは Two-Rate Three-Color マーキング)、 適切な輻輳回避策が割り当てられます (こ こでは、 重み付きランダム初期検知 (WRED) と階層レベル間のフロー制御)。 発信パケッ トのシェーピング プロファイルが選択され (こ こでは、 Dual Leaky Bucket (デュアル リーキバケッ ト ))、 その後スケジューリ ング規則が適用されます (こ こでは、 Strict Priority Plus)。

つま り、 SDNet 仕様は、 ユーザーにとって自然かつ短く簡単にする一方、 カスタマイズされた FPGA インプリ メンテーシ ョ ンは、 効率的かつ高速で極めて消費電力の少ないパケッ ト処理を実現しています。

ユーザー仕様によって生成される SDNet パケッ ト処理データ プレーン ハード ウェアは、 すべてのパケッ ト処理機能のヒ ッ トレス アップデート等、コン ト ロール プレーンソフ ト ウェアからアクセス可能な広範な管理機能のスタブ生成、 ト ラフ ィ ッ ク統計収集およびカスタム スケッチによって補完されます。 このよ うに、 SDNet は、真の Softly Defined Networking、すなわち付属の制御ソフ ト ウェアおよび 適化されてプログラマブルなハードウェアを提供します。 これらすべてはこの高レベルかつインプリ メンテーシ ョ ンに依存しない仕様からもたらされるものです。

X-Ref Target - Figure 8

図 8 : ポリシー エンジン作成の例

srTCM

trTCM

mefTCM

Precision

Red

WRED

Tail Drop

FC

Precision

Token Bucket

Leaky Bucket

Single: CIR

Dual: CIR-PIR

SP

RR

WRR

DWRR

SP + [any]

QoS: Deterministic and Precise, Dynamically Controlled

Congestion Avoidance Shaping SchedulingMetering/

Policing

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SDNet 手法

SDNet 手法図 9 は SDNet を使用した全体的な設計フローを示しています。 SDNet 記述から始ま り、 結果と してザイ リ ンクスの All Programmable デバイスを構成するビッ ト ス ト リームが得られます。

第 1 ステップは、 SDNet コンパイラを使用して、必要なハード ウェア機能の RTL レベルの記述を生成するこ とです。 ユーザーは、パフォーマンス (スループッ ト と レイテンシ) 要件と ランタイム プログラマビ リティ要件を追加情報と してコンパイラに提供します。 これらはコンパイラ生成する 適化されたハード ウェア アーキテクチャに影響を及ぼすものです。 レジスタ転送レベル (RTL) のハードウェア記述に加え、 コンパイラは、 ソフ ト ウェア制御機能、 デバッグおよび検証インフラのスタブを生成します。

第 2 ステップは、 基盤となるザイ リ ンクスの Vivado 設計ツールを使用するこ とです。 これは 2 つの主要な機能を持ち、 1 つ目は、 SDNet コンパイラが生成した RTL レベル アーキテクチャ記述を、 適化されたザイ リ ンクスの FPGA インプ リ メ ンテーシ ョ ンに変換するこ とです。 2 つ目は、 このサブシステムを他の SmartCORE や LogiCORE と統合して完全なシステムを構築するこ と、および、選択したザイ リ ンクスの All Programmable デバイス ファ ミ リ製品に、 適化された 終的なビッ ト ス ト リームを生成するこ とです。

システムの統合機能によ り、 SDNet データ プレーン処理機能をよ り大きなシステムの一部と して組み込むこ とができます。例えば、他のユーザー供給コンポーネン ト、特に SmartCORE および LogiCORE が Ethernet や Interlaken 接続、または外部 DRAM、TCAM メモ リにアクセスするよ うに連結させるコンポーネン トが挙げられます。

SDNet はまた、 様々なレベルのデバッグと検証用インフラを提供します。 SDNet データプレーンへ入力する (またはオプシ ョン的に SDNet データプレーンの出力と想定する ) テス トパケッ ト群は、 コンパイラで生成するこ と も、 ユーザーが供給すること もできます。 テス トパケッ トは以下の 3 つのレベルで適用できます。

° SDNet 仕様の解釈

° SDNet コンパイラが生成した RTL レベル記述のシ ミ ュレーシ ョ ン

° ネッ ト ワーク テス ト装置を使用した 終インプリ メンテーシ ョ ンのハードウェア検証

テス トパケッ トに加え、対応する検索エンジン ルッ クアップテーブルの内容も、 コンパイラでの生成またはユーザーによる供給のいずれも可能です。

SDNet 設計フローの全体的な効果は、 シームレスにユーザーの高レベルなパケッ ト処理要件の仕様を取り込み、 自動的にカスタマイズによ り 適化された SmartCORE にマッピングするこ とです。

X-Ref Target - Figure 9

図 9 : SDNet 設計フロー

SDNetSpecification

40GB

100GB

Optimized SmartCORE

RTL

OptimizedSmartCOREExecutable

ProductConcept

1GB

10GB

SDNet Arch. Record

API

LogiCORESmartCORE

3rd Party CORESW Function

Softly Defined Line Card

XILINX All Programmable

FPGA or SoC

SDNet Compiler

Vivado Des.Suite

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SDNet の柔軟性

SDNet の柔軟性SDNet の持つ 大の価値は、 ザイ リ ンクスの All Programmable デバイス テク ノ ロジによって正確なラインカード データプレーン要件を満たした 適化されたハードウェアを提供できるこ とにあ り ます。新たなビッ ト ス ト リームの生成や All Programmableデバイスの再構成などの設計変更を、物理的なハードウェアを変更するこ となく フ ィールドで実施できる基本設計フローを採用しています。

SDNet は、 All Programmable デバイスの再構成のみならず、 ラ インレートで処理中のパケッ ト間に実施可能な、 ソフ ト ウェア制御のヒ ッ ト レス アップグレード もサポート しています。 つま り、 1 つのパケッ トが変更前の設計仕様で処理された後、 次のパケッ トが変更後の設計仕様で処理できるよ うな、迅速な作成およびアップグレードが実施できるのです。図 10 は本機能を適用した設計フローの拡張版を示しています。

主な追加機能と しては、パケッ ト処理データプレーンの高粒度な機能を多数構成できるファームウェアを SDNet コンパイラが生成できる機能があ り ます。 ファームウェア操作とそのバイナリ エンコーディングは、 生成されたアーキテクチャの各コンポーネン ト向けに、 コンパイラによって完全にカスタマイズされています。 これによ り深いレベルの処理を実現しています。非常に低レベルのファームウェアについても SDNet 記述から自動生成され、 ユーザーからは見えない設計です。

図 10 に示すよ うに、 コンパイラは実行と実行の間の SDNet アーキテクチャの記録を保持しています。 これによ り、 生成されたアーキテクチャ とそのファームウェアの詳細が保持されます。 ユーザーが、 アップデート した SDNet 記述を入力して再実行する と、 コンパイラは、 新たなハード ウェアを生成せずファームウェア アップデートのみで対応可能か、 またはハード ウェア(およびファームウェア) の再生成が必要かを判断します。 通常、 ラインカードが処理するプロ ト コルの追加削除などの中規模アップデートはファームウェア アップデートのみで対応可能です。

ファームウェアとアーキテクチャは、 と もに SDNet のコンパイラで生成され、 緊密に連携しています。 これによ りパケッ ト フローを一切中断せずにファームウェアを変更して実際に使用されるよ うにする ヒ ッ ト レス アップグレードが可能になり ます。このよ うに、 企業は一切のサービス中断なく、 大規模なサービス アップグレードを実施できます。 この革新的な開発は SDNetテク ノ ロジのユニークな性質と、 ザイ リ ンクスの All Programmable デバイスによる高レベル仕様の組み合わせによって達成されました。

X-Ref Target - Figure 10

図 10 : SDNet の設計およびアップデート フロー

SDNetSpecification

40GB

100GB

Progr.SmartCORE

RTL

Progr.SmartCOREExecutable

ProductConcept

1GB

10GB

Updated SDNet Descr.

SDNet Arch. Record

CPU File System

Firmware Image

Auto generated

In-Service Update

API

Softly DefinedLine Card

LogiCORESmartCORE

3rd Party CORESW Function

XILINX All Programmable

FPGA or SoC

SDNet Compiler

Vivado Des.Suite

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ザイリンクスの基盤テク ノロジ

ザイリンクスの基盤テク ノロジザイ リ ンクスの All Programmable デバイスは、1 ギガビッ ト /秒から数 100 ギガビッ ト /秒にわたるフルラインレート を処理する多様なネッ ト ワーク プロ ト コル処理を可能にする、 完全なラインカード データプレーン プロセッサをインプリ メン トできます。 FPGA の機能がこの水準に到達するまでには、 全体的視点から多様な問題の解決を目指し、 広範な領域にわたる専門知識と何百人年分の作業を投入してきました。 今日の FPGA 機能はまさにその集大成といえます。

次世代のパケッ ト処理が求める極めて厳しい要件を満たすプログラマブル デバイスの設計時に発生するシステム レベルの問題は非常に手強いものです。マルチギガ ビッ ト レート、 小レイテンシで 先端の SerDes 接続を介して、テラビッ ト ものデータを FPGA に流入/流出させなければなり ません。その際、サブナノ秒領域のチップ全体のクロ ッ ク スキューとジッ タ バジェットで、ワイヤスピードで稼働するパケッ ト処理コンポーネン ト を介して 2048 ビッ ト幅以上にも達する内部バスへのファンアウト など、 すべてを非常に少ない電力で実現するこ とが求められます。

All Programmable Logic Device の 7 シ リーズと、 新たに導入された UltraScale™ ファ ミ リ製品によ り、 ザイ リ ンクスは、 困難なワイヤスピードのデータ処理要件に対処する業界ト ップの広範な 新テク ノ ロジを取り揃えました。28nm Virtex®、Kintex® および Artix® ファ ミ リは、 28 ギガビッ ト /秒をサポートする ト ランシーバー、 統合された PCIe3.0 コン ト ローラ、 完全に商用化された 3D IC ベースの製品、 統合された ARM の Cortex A9 処理サブシステムをもつ Zynq All Programmable SoC などの、 ネット ワーキングに欠かせない広範な機能をサポート しています。 幅広いポート フォ リオは、 ネッ ト ワークのコアからエッジにわたるネッ ト ワーキング機器の 適な適合、 性能、 統合に不可欠なシ リ コン プラ ッ ト フォームを提供します。

7 シ リーズ ファ ミ リでの成果を礎に、ザイ リ ンクスは次世代のネッ ト ワーキング アプリ ケーシ ョ ンの課題解決にさらなる焦点を置いた UltraScale ファ ミ リ を導入しました。 UltraScale は ASIC ク ラスのシステム レベルの性能を持ち、前例のないレベルの統合と機能を提供する、業界初かつ唯一のアーキテクチャです。 UltraScale アーキテクチャは、モノ リ シッ クから 3D IC までのスケーリ ングに加え、20nm プレーナから 16nm FinFET テク ノ ロジへ、そしてその先も見据えたスケーラビ リ ティを提供します。

UltraScale アーキテクチャは、ザイ リ ンクスの Vivado Design Suite との分析的な同時 適化によって、 これまで不可能であった方法でインテ リジェン トに従来のボ トルネッ クを解決しながら、 大量のルーティング容量を提供します。 この設計の相乗効果によ り、 性能を低下させるこ とな く、 90% を超えるデバイス使用率を実現します。

多様な次世代のネッ ト ワーキング アプリ ケーシ ョ ン要件に対応するため、 UltraScale ファ ミ リには以下のよ うな広範な機能および性能が含まれてきました。

° マルチテラビッ トのスループッ ト を低レイテンシで実現する、ワイ ドバス向けに 適化された大容量データフロー対応

° ダイ間帯域幅におけるステップ機能によ り第二世代 3D IC システム統合に加えて新 3D IC の全体メモリ向けに 適化したインターフェイス

° 次世代 DDR4 メモ リやハイブリ ッ ド メモ リ キューブ テク ノ ロジもサポートする大容量 I/O およびメモ リ帯域幅

° 複数領域をもつ ASIC ライ クなクロ ッキングで、低消費電力のクロ ッ ク ネッ ト ワークを実現し、 ク ロ ッ ク スキューを低限におさえた高性能なスケーラビ リティ

° 複数のハード化された ACIS ク ラスの 100G Ethernet、 150G Interlaken および PCIe コア

表 2 に、 7 シ リーズと UltraScale ファ ミ リの概要を示します。

表 2 : 7 シリーズと UltraScale ファ ミ リの概要データ

Zynq-7000 Artix-7 Kintex-7 Virtex-7 Kintex UltraScale

Virtex UltraScale

ロジッ ク セル 277,400 215,360 477, 760 1,954,560 1,160,880 4,407,480

ブロ ッ ク RAM 3Mb 13Mb 34Mb 68Mb 76Mb 115Mb

DSP スライス 2020 740 1,920 3,600 5,520 2,880

DSP 性能 (対称 FIR) 2622 GMACs 930 GMACs 2,845 GMACs 5,335 GMACs 8,180 GMACs 4,268 GMACs

ト ランシーバー数 16 16 32 96 64 104

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ザイリンクスの基盤テク ノロジ

ザイ リ ンクス SDNet ソフ ト ウェア環境はザイ リ ンクス Vivado Design Suite 上に構成され、Design Suite と対象デバイスの分析的な同時 適化で All Programmable アーキテクチャ ファ ミ リの性能を 大限に引き出します。 これによ り、 任意のデータプレーン処理機能に対するソ リ ューシ ョ ンを、 真に 適化されたコス ト、 性能、 消費電力で実現します。 これは SDNet 仕様が、 高レベルでインプリ メンテーシ ョ ンに依存しない言語であ り、 ユーザーが適切なデバイス、 適切な機能を自動的に選択できるためです。

SDNet はまた、 大規模なシステムを構築する際の IP コア統合時間の短縮を可能にする、 Vivado IP インテグレーター (IPI) と も連携が可能です。IPI は Vivado の統合された設計環境上に構築された、デバイス とプラ ッ ト フォームに配慮したインタラ クティブな環境であ り、 インテ リジェン ト な主要 IP インターフェイス との自動接続やワンク リ ッ クでの IP サブシステム生成、 リ アルタイム設計ルールチェッ ク、 およびインターフェイス変更を伝えるこ とをサポート し、 さ らに強力なデバッグ機能を備えています。 IPI は、 Vivado 設計ツールによって設計と IP の構成の正確性を確保します。 IPI を使用するこ とで、正しさを検証しながら系統的な開発ができます。設計チームは、 インターフェイス レベルで作業するこ とでよ り迅速に複雑なシステムの組立てができ、 IPI の組み込み自動インターフェイス、 デバイス ド ラ イバーとアドレス マップ生成機能で、 さ らに設計組立プロセスを加速します。

SDNet を使用して構築したサブシステムは、 SmartCORE IP コアと してパッケージ化が可能で、 さ らに、 生成した SmartCOREを、 IPインテグレーター によって別のザイ リ ンクス SmartCORE や LogiCORE、 3rd パーティ Alliance Core およびユーザーの IPコアと組み合わせるこ とで、 よ り大規模なシステムを構築できます。 これに、 エンベデッ ド プロセッサコアで実行されるソフト ウェア コンポーネン ト を含めるこ と もできます。 このよ うに、 SDNet の専用機能は他の処理ド メ インに特化したパワーツールと組み合わせて使用できます。

ト ランシーバーの速度 12.5Gb/s 6.6Gb/s 12.5Gb/s 28.05Gb/s 16.3Gb/s 32.75Gb/s

ト ランシーバーの帯域幅 (フル デュプレッ クス)

400Gb/s 211Gb/s 800Gb/s 2,784Gb/s 2,086Gb/s 5,101Gb/s

メモ リ インターフェイス (DDR3) 2,400Mb/s 1,066Mb/s 1,866Mb/s 1,866Mb/s 2,133Mb/s 2,133Mb/s

メモ リ インターフェイス (DDR4) - - - - 2400Mb/s 2400Mb/s

PCI Express® インターフェイス x8 Gen2 x4 Gen2 x8 Gen2 x8 Gen3 x8 Gen3 x8 Gen3

アナログ ミ クス ト シグナル XADC XADC XADC XADC System Monitor System Monitor

AES 構成 有 有 有 有 有 有

I/O ピン 470 500 500 1,200 832 1,456

I/O 電圧 1.2V - 3.3V 1.2V - 3.3V 1.2V - 3.3V 1.2V - 3.3V 1.0 - 3.3V 1.0 - 3.3V

7 シ リーズおよび UltraScaleファ ミ リのさ らなる詳細については japan.xilinx.com をご参照ください。

表 2 : 7 シリーズと UltraScale ファ ミ リの概要データ (続き)

Zynq-7000 Artix-7 Kintex-7 Virtex-7 Kintex UltraScale

Virtex UltraScale

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代替アプローチとの比較

代替アプローチとの比較図 11 は、 ラインレートデータパス処理要件の提供における、 SDNet の主要機能と代替案のアプローチを比較したものです。

結論は、 SDNet は、 適な リ ソースによるインプ リ メンテーシ ョ ンが実現できる という こ とです。 つま り、 固定のプロビジ ョニング技術で課題となる、 未使用の無駄な リ ソースが回避できます。 さ らに、 適な設計でのインプリ メンテーシ ョ ンが可能です。 固定されたアーキテクチャのテク ノ ロジよ り、 よ り問題に対応したパケッ ト フローアーキテクチャが実現できます。 さらに、 性能要件のスケールアップおよびスケールダウンのどちらにも同一の SDNet パケッ ト処理仕様を使用できます。

ザイ リ ンクスがゼロから取り組んで SDNet に導入したこれらの特長は、 ネッ ト ワーク仮想化やネッ ト ワーク機能、 それらのネッ ト ワークをソフ ト ウェアで定義するこ とが一層重視される時代において大変意義深いものです。 ハード ウェアに必要な性能を提供するだけでなく、 機能、 プロビジ ョ ニング、 プロ ト コル、 および規格の急激な変化に対処する柔軟性を備えた SDNetは、 次世代テク ノ ロジと して他を圧倒しています。

X-Ref Target - Figure 11

図 11 : 代替アプローチと SDNet 機能の比較

SDNet Alternative 1 Alternative 2

Description Portability

Packet Processing Flow

Lookup Tables

QoS Policies

Proprietary IP

No ChangeTo Scale Performance

Define OptimalPacket Flows

ConfigureAs Required

Feature RichGranular QoS

Integrated Hardware - 1ICBest Fit

HardwareRe-Design

Fixed Pipeline:Hard to Map

Same Size Tables:Waste Resources

Not Optimal;Scaling Challenges

Hardware: Two-ICsOverhead

Low-LevelRewrite

Multi-thread:Resource Conflicts

Shared Table:Access Conflicts

Fixed QoS:Inflexible

Software on Chip:Low Performance

X

Y X z

?

Flow bundles

END

END

END

Z

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まとめ

まとめザイ リ ンクスの SDNet Specification Environment は、 ネッ ト ワーキング システム設計者が、 SDN や Softly Defined Networks ベースの製品を始めと した、 新し く革新的な製品を容易に作成するこ とを可能にする破壊的パワーを持つ技術です。 SDNet は、 超高速ラインレートでのデータ送受信能力や、 全レベルのネッ ト ワークで要求されるラインカードデータパス処理機能を持つザイ リ ンクスの All Programmable デバイスの豊富な機能から大いなる恩恵を受けています。SDNet のブレークスルーは、「いかにインプリ メンテーシ ョ ンするか」 ではなく 「何が必要か」 の仕様書を作成し、 非常に高レベルな設計手法によって、 原料シ リコンの性能を幅広いユーザーが容易に活用できるよ うにしたこ とです。 この手法は、新しいシステム コンポーネン ト を生成するスマート なコンパイルと、 標準ネッ ト ワーキング機能向けに 適化された SmartCORE のライブラ リ を組み合わせたものです。 ヒ ッ ト レスなフ ィールド アップグレード実行機能に加え、 ソフ ト ウェア定義のコン ト ロール プレーンにネッ ト ワーク インテ リ ジェンスを提供し、 ソフ ト ウ ェア定義のデータ プレーンにコンテンツ インテ リ ジェンスを提供する こ とによって、SDNet は、 タイム ト ゥーマーケッ ト と リ スクを縮小し、 保守性と拡張性を高めています。 つま り、 SDNet はネッ ト ワーク システム設計者の生産性を加速しつつ、 SDN に向かう業界ト レンドに対応するための鍵なのです。

SDNet に関する詳細は、 寄の営業所または japan.xilinx.com までご連絡ください。

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