simco-ion 静電気除去装置 μwire aerobar model …simcoion.jp/blog_pdf/b031_t.pdfsimco-ion...

30
SIMCO-ION 静電気除去装置 μWire AeroBar Model 5710 マイクロワイヤーバーイオナイザー 取扱説明書 <本書の記号のご説明> 各記号は主として下記のような意味を表しています。 ご注意をお守りいただかないと重大な事故(死亡事故を含む)を引き起こす恐れ があります。 ご注意をお守りいただかないと装置の故障を生じる恐れがあります。また、周辺 の機械・設備等に悪影響を与えることがあります。 ご注意をお守りいただかないと感電の恐れがあります。 尚、 または に記載した事項でも、状況によっては重大な事故に結びつく 可能性があります。いずれも重要な内容を記載していますので、必ずご注意事項を お守り下さい。 文書№取説-2014033112 5710-02

Upload: others

Post on 14-Apr-2020

5 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

SIMCO-ION 静電気除去装置

μWire AeroBar Model 5710

マイクロワイヤーバーイオナイザー

取扱説明書

<本書の記号のご説明>

各記号は主として下記のような意味を表しています。

ご注意をお守りいただかないと重大な事故(死亡事故を含む)を引き起こす恐れ

があります。

ご注意をお守りいただかないと装置の故障を生じる恐れがあります。また、周辺

の機械・設備等に悪影響を与えることがあります。

ご注意をお守りいただかないと感電の恐れがあります。

尚、 または に記載した事項でも、状況によっては重大な事故に結びつく

可能性があります。いずれも重要な内容を記載していますので、必ずご注意事項を

お守り下さい。

文書№取説-2014033112 5710-02

2

お客様の安全のための重要な注意点

禁止

本製品は、防爆構造ではありません。溶剤・可燃性ガス等が存在する「危険場所」

ではご使用になれません。

ご注意

・本製品は、高電圧を使用した「静電気除去装置」です。本製品を正しくお使い

頂くために、必ずこの「取扱説明書」をよくお読み下さい。

・本製品は、電気製品です。また本製品は防塵構造ではありません。水・油・

溶剤・微粉末等が装置にかかりますと、本製品を著しく損傷させます。特に、

高電圧を使用していますので、「結露」にご注意下さい。

・本製品を酸・アルカリ・塩素ガス等の腐食性ガスのある場所に持ち込まないで

下さい。また、そのような場所では使用しないで下さい。

・本製品は、この「取扱説明書」に記載された方法で設置・ご使用下さい。

間違った取り付け方法は思わぬ事故を招くことがあります。取り付け、メンテ

ナンス等は電気配線等を含む、電気製品の取り扱いに習熟された方がとり行っ

て下さい。

・本製品には、アースが必要です。アースを接続せずに本製品を使用しないで

下さい。アースが確実に接続されていないと、性能が十分発揮できません。

また、ケーシングに触れた時、軽い電撃を受ける場合があります。

・落下その他で、本製品に著しい衝撃・損傷を与えたときは、必ず点検を行って

下さい。的確に動作しないとき、あるいは点検時等に異常を発見した場合には

必ず、必要な修理または交換を行って下さい。

・本製品が異常に損傷あるいは老朽化しますと、電気ノイズの発生・高電圧部

(高電圧ケーブル等)の焼損等を起こす可能性があります。この「取扱説明書」

をよくお読み頂き、定期的に、的確に、保守・点検を行って下さい。

・本製品について、ご不明な点やご質問がございましたら、お買い上げ頂いた

販売店もしくは、弊社・「シムコジャパン株式会社」までご連絡下さい。

3

目次

1.概要

1.1 製品概要............................ 1

1.2 各部名称............................ 1

1.3 イオナイザーバー長.................. 2

1.4 ワイヤー電極カートリッジ............ 3

2.インストレーション及び操作

2.1 セーフティインフォメーション........ 4

2.2 設置のガイドライン.................. 5

2.3 マウンティングブラケット............ 6

2.4 電気的接続.......................... 7

2.5 配線・ピンアサインメント............ 11

2.6 ガスパージ.......................... 12

3. セッティング及び操作

3.1 セッティング........................ 14

3.2 リモコン操作方法.................... 16

3.3 アラーム............................ 19

3.4 スタンバイ.......................... 20

4.メンテナンス

4.1 メンテナンス概要................... 20

4.2 ワイヤー電極のチェック............. 20

4.3 ワイヤー電極のクリーニング......... 21

4.3 電極カートリッジの脱着............. 21

5.仕様

5.1 仕様一覧............................ 22

5.2 寸法図.............................. 23

5.3 アクセサリー........................ 25

保証書 ........................ ................. .. 巻末

1

1. 概要

1.1 製品概要

モデル5710は、特許方式のμPulse(マイクロパルス)駆動方式を採用し、フラットパネル

製造工程やその他エレクトロニクス製造工程において、省エアパージによる高い除電性能や

非常に優れた省メンテナンス性を提供するイオナイザーです。

モデル5710は 以下の特徴を有しています。

・ 特許方式のマイクロパルス駆動方式による高効率なイオン供給

・ ワイヤー電極によるムラの少ないイオン供給

・ 小スイング(少逆帯電)特性の為、ワークへの近接設置が可能

・ マイクロパルス方式とワイヤー電極の組み合わせによるメンテナンスサイクルの長期化

・ コントローラ内蔵の省スペース設計

当マニュアルは 設置・操作・メンテナンスについて記載されています。

製品の保証期間は 納入後 1年間となります。

1.2 各部名称

エアパージ接続部

φ6: ~1500mm 長

φ8:1650mm~長

ワンタッチ式。1箇所

通信用 IR(赤外線)ポート 電源/通信コネクタ

(PWR/COM) 2箇所

RJ11 (RJ12) 6 極 6 芯

IO コネクタ

(SBY/ALM)

RJ45 8 芯

イオン発生用

ワイヤー電極カートリッジ

ステータス LED

Power: 緑

Standby:黄

Alarm:赤

マスター/スレーブ

接続用コネクタ

(TO SLAVE)

RJ45 8 芯

バー長

2

1.3 イオナイザーバー長

様々な用途に使用できるよう、各種バー長を揃えております。

推奨するバー長の選定方法は下記バー長が除電対象物の存在範囲をカバーすることです。

長さ選定にご不明な点がある場合は、シムコジャパンあるいは御購入元までお問い合わせを

お願い申し上げます。

バー長 150mm 電極

カートリッジ数

250mm 電極

カートリッジ数

マウンティング

ブラケット数

400 1 1 2

500 0 2 2

650 1 2 2

750 0 3 2

900 1 3 2

1000 0 4 2

1150 1 4 2

1250 0 5 3

1400 1 5 3

1500 0 6 3

1650 1 6 3

1750 0 7 3

1900 1 7 3

2000 0 8 3

2150 1 8 3

2250 0 9 4

2400 1 9 4

2500 0 10 4

2650 1 10 4

2750 0 11 4

2900 1 11 4

3000 0 12 4

Table 1 5710 各種バー長 構成表

3

1.4 ワイヤー電極カートリッジ

150mm 長と 250mm の2種類の電極カートリッジが用意されております。

同じ長さの電極カートリッジ間には取り付けの互換性があります。

250mm 電極カートリッジは全てのバー長構成に用いられており、150mm 電極

カートリッジ数は 0~1ヶです。

エアジェットホールは 50mm ピッチを標準とします。

600mm 未満の距離範囲においてより早い除電性能と強い気流を得ることができる

25mm ピッチ品が 1500mm 長以下のバーではオプション設定されています。

25mm ピッチ品についてはお問い合わせ下さい。

バー長 エアジェットホール数

標準 50mm ピッチ

エアジェットホール数

オプション 25mm ピッチ

400 8 14

500 10 18

650 13 23

750 15 27

900 18 32

1000 20 36

1150 23 41

1250 25 45

1400 28 50

1500 30 54

1650 33

(設定無し)

1750 35

1900 38

2000 40

2150 43

2250 45

2400 48

2500 50

2650 53

2750 55

2900 58

3000 60

Table 2 5710 各種バー長とエアジェットホール数

4

2. インストレーション及び操作

2.1 セーフティインフォメーション

お客様の安全の為に、製品の設置や御使用前に、下記をお読みいただき、ご理解の上で作業を

開始していただけますようお願い申し上げます。

マウンティングブラケットは、必ず Table 1 に挙げられた必要数を守って下さい。

導電性のステッカー(含む裏面のみ導電性)を本体に一切貼らないで

下さい。異常放電や製品故障の原因になる場合があります。

除電性能の低下を防ぐため、接地された金属面を電極から離し、除電対象

方向に電極が向くよう設置してください。

製品故障や人体への放電を避けるため、マウンティングブラケットはアース接地して

下さい。

電源が入った状態で電極をクリーニングしたり触らないで下さい。これらを行うと、

製品の破損・電極生成物の増加・感電等が発生します。

人体および製品へのダメージを避けるため、メンテナンスは当マニュアルに記載され

た方法に従って行って下さい。

可燃性環境や酸・アルカリ環境下で使用しないで下さい。

5

2.2 設置のガイドライン

設置に際し、以下のガイドラインをご考慮の上、設置箇所の決定をお願い申し上げます。

ご不明点は ご購入元までお問い合わせの程お願い申し上げます。

・ 設置現場での制限事項や、要求事項に従ってください。

・ 変動の少ない温湿度環境における設置はより安定した性能を発揮することに有効です。

・ イオナイザーを可動部から十分離して設置してください。

・ 可燃性ガス・液体・粉体の近辺や、水分・油分が気中に噴霧されている環境には設置しない

で下さい。

・ 塗装された接地金属面からイオナイザー電極を150mm以上離して設置して下さい。

人体や製品へのダメージや動作不良を避けるため、導電性のステッカー

(含む裏面のみ導電性)を一切本体に添付しないで下さい。

所定の性能を得るためには、イオナイザーからの気流が当たる範囲に

接地された導電物を設けないようにすることが有効です。

6

2.3 マウンティングブラケット

ブラケット SJ-32-2213 がスタンダードブラケットとして用意されており

全ての長さのバーに使用可能です。

マウンティングブラケットの取り付け間隔は、バーの反り曲がりを避けるため、ほぼ等間隔とな

ることを推奨します。1.3 章 Table 1 に必要なブラケット数を示します。

その他のブラケットとして以下が用意されています。

<中間ブラケット> 必要数は 1.3 章 Table 1 に記載

<エンドブラケット> 1150mm 以下のバー長に 1本のバーにつき2ケ使用

スタンダード(角度固定式)ブラケット

SJ-32-2213

上部取り付け用貫通穴:φ5mm

角度調整式ブラケット

32-2211-01

角度固定式ブラケット

32-2503-01

角度調整式ブラケット

32-2510-01

7

マウンティングブラケットはお客様ご自身でご用意頂くことも可能です。

2.4 電気的接続

構成により複数の接続方法があり、この章に示される接続例を参照してください。

設定リモコン(5700-HHT)が 動作パラメータの設定やステータスコードの確認に必要です。

誤って設定が変更されることを避けるため、設定リモコンは、使用しない時はイオナイザーに

接続しないことをお勧めします。

イオナイザーバーへの典型的な接続例

可能な接続例(簡便な為、試験的な使用に適する)

製品故障や人体への放電を避けるため、マウンティングブラケットは

アース接地して下さい。

設定リモコン

(有線 or 無線)

IO (ALARM,

STANDBY)入出力

IO (ALARM,

STANDBY)入出力

設定リモコン

(有線)

8

デイジーチェイン接続

デイジーチェイン接続とは、次項で説明するマスター/スレーブ接続と異なり、数珠繋ぎ的に

接続されたイオナイザーバーが、独立した動作を行うものです。1本の設定リモコンからのシリ

アル通信(有線)ラインで全てのイオナイザーバーの設定が可能です。

大3本のイオナイザーのデイジーチェイン接続が可能です。

デイジーチェインされたイオナイザーバーの 1本にアラームが発生した場合、アラームを発生し

ているイオナイザーバーのみアラームLEDが点灯します。

アラーム IO 出力は、各イオナイザーバーの SBY/ALM IO コネクタから得る必要があります。

デイジーチェインされたイオナイザーバーはそれぞれ個別のアドレス(1, 2或いは3)を設定する

必要があります。設定方法については 3.2 章を参照してください。

典型的デイジーチェイン接続例

8

ガスパージラインは各バーに接続する必要があります。1本の供給ラインから

デイジーチェイン的に供給することはできません。

デイジーチェインされたイオナイザーバーの中で同一アドレス設定がある場合、予期せぬ

通信や動作不具合を生じます。同一アドレス設定をしないよう注意を払って

下さい。

IO (ALARM, STANDBY)入出力

IO (ALARM,STANDBY)

設定リモコン(有線利用)

無線の場合通信している

バーの設定のみ可能

9

マスター/スレーブ接続

マスター/スレーブ接続とは 2 本のイオナイザーバーを数珠繋ぎし、1 本をマスター(主)も

う一本をスレーブ(従)とするものです。マスター/スレーブ接続構成を用いる典型的な用途は、

広い除電範囲に共通した除電対象が存在する場合です。マスターバーとスレーブバーの間は、バ

ーの終端にある TO SLAVE と記された RJ45 コネクタを利用します

マスター/スレーブ接続では、動作周波数設定は自動的にマスターからスレーブにコピーされ、

同期された動作を行います。ただし、出力レベル(Output)設定とイオンバランス(Balance)設定

はそれぞれのイオナイザーバーで設定が可能です。

アドレス設定は、マスターバーは M とし、スレーブバーは S とする必要があります。

アドレス Mのバーとアドレス Sのバーが接続されていないとアラームを発報します。

マスター/スレーブ接続された 2本のイオナイザーバーは、 大 1本のイオナイザーバーと

デイジーチェイン接続することが可能です。

スレーブバーにてアラームが発生している場合マスターバーにもアラームが表示され、IO 出力

がなされます。マスターバーにてアラームが発生している場合スレーブバーにはアラームは表示

されません。

典型的なマスター/スレーブ接続例

設定リモコン

(有線)

IO (ALARM, STANDBY)入出力

CAT5 RJ45

10

パワー/シグナル分配ボックス(オプション)

パワー/シグナル分配ボックスは、オプション品であり、イオナイザーバーにアクセスが困難な

場合に、オペレーターがアクセスしやすい場所にてアラームLED表示や、設定リモコンの接続

コネクタ口を設けるものです。

パワー/シグナル分配ボックス

ALARM OUPUT

接続コネクタ付属

(RIA Connect

ASP05106)

AUX/ALARM

RJ45 8 芯

ガスパージ IN

装置側へ

Alarm IO 接続

設定リモコン

(有線 or 無線)

パワー/シグナル分配

ボックス配線例

ガスパージ IN

装置側へ

Alarm IO 接続

設定リモコン

(有線 or 無線)

HANDHELD

REMOTE

RJ11 6 芯

BAR

COMM/PWR

RJ11 6 芯

11

2.5 配線・ピンアサインメント

<電源/通信コネクタ (PWR/COM)>

5710イオナイザーへの主電源の供給には、PWR/COM とラベルされた電源/通信コネクタ(RJ11

6 極 6 芯) を使用してください。2つの電源/通信コネクタは、内部で接続されており、

同一機能を有します。

Pin 番号 機能

1 主電源入力 +24V DC +/- 10%, 12 W Max

2 通信用 RS485B

使用しない場合 NO Connection として下さい

3 GND

4 GND

5 通信用 RS485A

使用しない場合 NO Connection として下さい

6 主電源入力 +24V DC +/- 10%, 12 W Max

電源/通信コネクタ(PWR/COM) RJ11 ピンアサインメント

ピン1-6、 ピン3-4間は内部で接続されています。

ピン3-4は IO コネクタ(SBY/ALM)のピン4-5と電気的に接続されています。

接続には RJ11 6 極 6 芯 (22-26AWG)を使用して下さい。

Pin 1 Pin 6

連結用コネクタ(TO SLAVE)は連結用コネクタ(TO SLAVE)とのみ接続可能です。その他の

接続(主電源の供給など)は故障の原因となるため使用しないで下さい。

12

<IO コネクタ (SBY/ALM I/O)>

IO コネクタはアラーム出力とスタンバイ(一時停止)入力の機能を有します。

Pin 番号 機能

1 ALARM contact1 24V DC, 0.2 A Max

2 +24V DC Output

24VDC 入力端子として使用できません。

モデル 5710 イオナイザーのアクセサリー機器と接

続しない場合 No connection としてください

3 スタンバイ(STANDBY)入力

GND レベルで高電圧出力停止

4 Signal GND

5 Signal GND

6 将来の拡張用

No connection としてください

7 +24V DC Output

Pin 2 に同じ

8 ALARM contact2 24V DC, 0.2 A Max

IO コネクタ (SBY/ALM I/O) RJ45 ピンアサインメント

アラームは Pin 1-8 間の無極性リレー(Open/Close)出力です。5710 イオナイザーに電源が投入

されていない場合とアラーム状態及びスタンバイ状態の場合に、開 (OPEN)となります。

スタンバイ入力は、GND レベルにすることでイオン発生を一時的に停止します。

パワー/シグナル分配ボックスでは、AUX/Alarm(RJ45)コネクタのピンアサインメントは

5710 イオナイザーの IO コネクタに同じです。ALARM OUTPUT ターミナルのピンアサインメント

は以下です。

Pin 番号 機能

1 +24V DC Output (IO コネクタ pin2 に同じ)

2 ALARM contact1 24V DC, 0.2 A Max

3 ALARM contact2 24V DC, 0.2 A Max

4 Signal GND

5 スタンバイ(STANDBY)入力

(IO コネクタ pin 3 に同じ)

6 将来の拡張用

No connection としてください

パワー/シグナル分配ボックス ALARM OUTPUT ピンアサインメント

2.6 ガスパージ

パージガスは CDA(クリーンドライエア)が使用可能です。供給 CDA に含まれる

水分・油分・パーティクルを適切に除去するために用途に応じたフィルターを選定し、使用して

ください。フィルターは製品に含まれておりません。

Pin 1

イオナイザーへのガスパージラインへ流量計を設置し、供給量を管理することを

推奨します。

Pin 8

13

パージガスの供給は ワンタッチジョイト接続であり、バー長が 1500mm 以下の場合は

6mm O.D 配管、バー長が 1650mm 以上の場合は 8mm O.D 配管です。

ガスの供給は1ヶ所です。モデル 5710 イオナイザーは1ヶ所からのガス供給にて

バー長全般に渡って偏りの少ないエア流量分布が確保できる設計になっています。

必要なガス供給量は、必要な除電性能や環境(風速や設置位置等)により大きく異なります。

SIMCO-ION が想定する一般的使用例における推奨 低流量は、50mm ピッチのエアジェットホー

ル構成の場合、イオナイザー長100mmあたり 毎分 4L (150mm 長ワイヤー電極カートリッ

ジあたり毎分 6L, 250mm 長ワイヤー電極カートリッジあたり毎分 10L )です。

この場合のイオナイザーバー1本あたりの推奨 低流量は例として以下となります。

5710-500 = 20 L/分

5710-2150 = 86 L/分

14

3. セッティング及び操作

3.1 セッティング

様々な用途に 適なセッティングを行うために以下の4つのパラメータが調整可能となって

います。

・Frequency 動作周波数 (Hz)

正負イオン発生出力を切り替える周波数を設定します。

周波数が高い程、帯電プレートモニターに現れる電位ピークは小さくなります。

全ての場合にあてはまりませんが、一般的には、周波数が低い方が帯電プレート

モニターにおける除電時間が短くなります。

・Balance イオンバランス

イオンバランスの調整を行います。+の値に変化させるとイオンバランスが

正にシフトします。

・Positive/ Negative Power 正負イオン発生レベル

Positive Power パラメータを増加させることで正イオン量が増加します。

Negative Power パラメータを増加させることで負イオン量が増加します。

近接設置などにおいて精密なイオンバランス調整が必要であり、Balance パラメータ

にて望まれるイオンバランスが調整できない場合は、Balance パラメータで

粗調整後、Positive Power 或いは Negative Power パラメータを調整して下さい。

セットアップ例

一般的なセットアップ方法を以下に示します。

1. 複数のイオナイザーバーをデイジーチェイン接続する場合、それぞれのイオナイザー

バーのアドレスを設定(3.2 章)して下さい。

2. イオナイザーバーを設置(2.2 及び 2.3 章)し、帯電プレートモニターを除電対象位置に

設置してください。

3. クリーンドライエアを供給(2.6 章)して下さい。但し 50mm 等の近接設置の場合

ガスパージが不要な場合もあります。

4. イオナイザーバーに電源を供給(2.4 及び 2.5 章)してください。

5. 帯電プレートモニターのイオンバランス測定モードにて、電位ピーク幅が望まれる

管理幅に入っているか確認して下さい。

電位ピーク幅が大きすぎる場合、動作周波数を上げてください。(供給 CDA 流量を下げ

ることも同様の効果があります。)

6. Balance パラメータの調整を行い、イオンバランスの調整をしてください。

近接距離での設置などで、Balance パラメータで望まれる調整が出来ない場合、Balance

パラメータで粗調整後、Positive 或いは Negative Power を調整してイオンバランスを

微調整して下さい。

大限の除電効果を得るにはPositive及び Negative Powerを 80%程度に設定すること

が有効ですが、デフォルト設定の 50%にて望まれる除電環境が構築できる場合はデフ

ォルトより変更する必要はありません。

モデル 5710 イオナイザーは 24VDC 電源投入直後から高電圧を発生開始します。

15

7. 帯電プレートモニターの除電時間(Decay)測定モードにて除電時間を測定して下さい。

望まれる除電時間を満たさない場合、クリーンドライエア流量の増大が必要です。

モデル 5710 イオナイザーの除電性能は、複数の要素により決定され、以下に

代表的な要素を挙げます。

・イオナイザーバーの設定パラメータ

・イオナイザーバーからの CDA 流量

一般的には、流量が多い程、除電時間が短くなります。

・周辺気流

周辺気流(ダウンフローやサイドフロー等)が早い程、一般的には除電時間が

短くなります。

・周辺構造物

イオナイザー本体や除電対象近辺に構造物(特に設置された導電体)が

在る場合、除電対象における除電時間が長くなる場合があります。

・ワイヤー電極の状態

ワイヤー電極のクリーニングがなされていない場合、除電時間が長くなる場合

があります。

16

3.2 リモコン操作方法

モデル 5710 イオナイザーの設定変更には設定リモコン (5700-HHT)が必要です、

電源を投入すると、以下の画面が現れます。

赤外線(無線)モード

大操作距離は約 2.4m。

POINT HHT IR & PRESS ENTER と

表示されますので、

リモコンをバーの IR 受光部に向け

<Enter>を押してください

有線モード

赤外線モードの場合、リモコンの LCD 画面情報は自動的にアップデートされません。

画面のアップデートは、リモコンを 5710 イオナイザーバーの赤外線受光部に向け、

<ENTER>キーを押してください。

有線モードの場合は画面は自動的にアップデートされます。

COM/STATUS LED (緑)

点滅:イオナイザーと通信中

点灯:イオナイザー稼動中

FAULT LED (赤)

点滅:イオナイザーと通信が確立しない

点灯:イオナイザーがアラーム状態かスタンバイ状態に

ある。アラームコードは 3.3 章に示します。

ON/OFF スイッチ

赤外線通信(無線)モードの時は内臓9V バッテリ

ーで動作しているため、使用しないときは OFF とす

ることをお薦めします。

<Λ> <∨> キー

:パラメータの増減に使用

<<> <>> キー

:メニューの移動

<Enter> キー

:新パラメータ値の書き込み

17

BAR ADDRESS

リモコンとイオナイザーバーで通信するには、アドレス設定を正しくする必要があります。

<Λ>或いは <∨>キーを押し、リモコン側のアドレス設定を変更して下さい。アドレスが

一致しないと画面右下に Xが表示され、FAULT LED が点滅します。

SYSTEM STATUS

SYSTEM STATUS は 5710 イオナイザーの状態を示します。

FREQUENCY

動作周波数を示します

POSITIVE POWER / NEGATIVE POWER

イオナイザーバーのアドレス設定変更を行うにはリモコンが有線で接続されている

必要があります。無線接続の場合は設定変更が出来ません。

リモコンとイオナイザーバーで通信が確立すると、イオナイザーバーの3つの LED

が短時間点滅するのでイオナイザーバーのアドレスが不明の場合に活用下さい。

IONIZATION ON: 通常イオン発生状態

IONIZATION SB: スタンバイ状態

IONIZATION TS: アラームテスト状態

IONIZATION AL: アラーム状態

ALM CODE: アラームコードを示します。3.3 章に詳細を示します。

イオナイザーバーのアドレス設定変更を行うには、<Enter>キーを 5 秒間

押し、CHANGE ADDRESS 画面とし、 バーのアドレス (1,2,3,S 或いは M)

を設定して下さい。

<Λ>或いは <∨>キーにて変更し<Enter>を押して確定します。

低 0.1Hz, 大 35Hz です。

正及び負イオン発生レベルを調整します。

小 1、 大 100 です。

18

PULSE BALANCE

STANDBY

ALARM TEST

LOAD DEFAULTS

FIRMWARE VERSION

ON にすると、イオン発生が一時停止します。

その場合 SYSTEM STATUS 画面にて “SB”及び Alarm code “4”

となります。IO コネクタのスタンバイ入力はリモコン操作よりも

優先されます。

IO 接続の確認のためにリモコンからアラーム状態とする機能です。

<Enter>キーを押すとアラーム状態となり 再度<Enter>キーを押すと

復帰します。

アラームテスト中は IO 状態はアラームとなりますが

イオン発生は通常動作を続けます。

デフォルト設定を読み込む機能です。

LOAD DEFAULT 画面にて <Enter>キーを押すと ARE YOU SURE?と

再確認画面が出ます。CANCEL を選ぶと元の画面に戻ります。

ACCEPT を選び<Enter>を押すとデフォルト設定になり、

DEFAULT SETTING RESTORED の画面が 2秒間表示されます。

ファームウエアのバージョンを表示します。

アドレスを指定した 5710 イオナイザーバーと使用している

リモコン 5700-HHT のファームウエアを表します。

デフォルト設定

BAR ADDRESS 1

FREQUENCY 1

POSITIVE POWER 50

NEGATIVE POWER 50

PULSE BALANCE 0

STANDBY OFF

イオンバランスの調整を行います。上下キーでイオンバランスが

シフトします。正に変化するとイオンバランスが正にシフトします。

左図の例では PULSE BALANCE 値を1増加すると 下段の+ PULSE が

1 増加し-PULSE が1減少します。またこの時 大変更レンジは +/- 65 と

なります。動作周波数によりこの値は変化します

19

3.3 アラーム

アラームコードと LED や IO 状態を以下に示します。

Table 3 ALARM CODE

スレーブユニット(アドレス:S)のアラームコードには上記のコードに 20 を追加した

コードが表示されます。例として、異常放電検知時は 28 となります。

異常放電検知により高電圧出力が停止した場合、アラームをクリアするには 24V DC 主電源を

一旦オフする必要があります。

異常放電が検知された際は、高電圧出力が即座に停止します。

20

3.4 スタンバイ

スタンバイ機能は、主電源をONとしたまま高電圧出力(イオン発生)のみをオフする機能であ

り、イオン発生が不必要な際に利用することで、ワイヤー電極への生成物付着を抑制し、メンテ

ナンスサイクルの長期化に役立ちます。

リモコンからスタンバイ操作をするには 3.2 章 STANDBY 項目を参照して下さい。

外部 IO よりスタンバイ操作するには、イオナイザー本体の IO コネクタ(SBY/ALM I/O)或いは

パワー/シグナル分配ボックスのスタンバイ入力ピンを GND に接続にして下さい。

4. メンテナンス

4.1 メンテナンス概要

メンテナンス周期は使用環境により大きく異なるため、以下の内容を参考として、

実際の使用環境でのメンテナンス内容を決定していただくようお願い申し上げます。

一般的には、1ヶ月に一度の動作チェックを推奨します。

4.2 ワイヤー電極のチェック

全てのメンテナンス作業の前に、確実にモデル 5710 イオナイザーへの電源をオフしてください。

電極の汚れや磨耗は発生するイオン量の低下や不具合を生じる場合があります。

電極の汚れは、目に見えない大気中の含有成分など様々な要因が寄与します。ワイヤー電極の

磨耗及び、ワイヤー電極と電極カートリッジ周辺の生成物の付着具合を定期的にチェックして

下さい。

IO コネクタのスタンバイ入力はリモコン操作よりも優先されます。

マスター/スレーブ接続の場合、マスターユニットにスタンバイ指令を送るとス

レーブユニットもスタンバイとなります。スレーブユニットのみスタンバイにす

る場合は、スレーブユニットに対して IO 入力で操作するか、

リモコンより操作してください。

当製品の内部構造は お客様がメンテナンス可能な部分はありません。

分解を行った場合、製品保証の対象外となり、その後の動作は保証できないもの

となり、追加の修理費を必要とする場合があります。

チェックやクリーニング前に必ず モデル 5710 イオナイザーへの主電源をオフ

してください。高電圧印加(イオン発生)中に電極のクリーニングをしないで下

さい。電気的ショックの発生やパーティクル発生の原因となる

場合があります。

21

4.3 ワイヤー電極のクリーニング

クリーニング周期は使用方法により大きく異なりますが 高クリーン環境において一般的な

目安としては6ヶ月毎、或いはそれ以上の周期です。

ワイヤー電極のクリーニングは、エミッタークリーナー(品番 22-1000 或いは ECC)を軽く

ワイヤーにあてて、ワイヤー上を滑るように走らせてください。

イオナイザーバー本体とワイヤーカートリッジグリルは 50%IPA を含ませたクリーンワイプで

クリーニングし、特にワイヤーカートリッジ周辺のバー長に渡って存在する金属プレートは

確実に吹き上げてください。

電極カートリッジは、イオナイザーバー本体より取り外して超音波洗浄することも可能です。

洗浄液は純水とし、 高 50deg C としてください。

超音波洗浄後、イオナイザーバーに組み付ける前に完全に乾燥させてください。

乾燥温度は 大 50deg C として下さい。

4.3 電極カートリッジの脱着

作業前にイオナイザーバーへの主電源をオフしてください。

取り付け方法は、電極カートリッジをイオナイザー本体側へ優しく押し、カチッとロック

させてください。

交換用電極カートリッジ品番は以下です。

33-2845-01 150mm カートリッジ

33-2855-01 250mm カートリッジ

イオナイザーバー本体と電極カートリッジグリルは 50% IPA 以外の

クリーナーを使用しないで下さい。

超音波洗浄中にワイヤー電極がどこにも触れないように注意してください。

電極カートリッジの脱着前に、必ずモデル 5710 イオナイザーへの主電源をオフ

してください。

左図矢印箇所の透明タブを、矢印方向に押すこと

で電極カートリッジが外れます。

22

5. 仕様

5.1 仕様一覧

供給電源 24V DC +/-10% 12W (max)/イオナイザーバー

電極印加電圧 約 13kVpk-pk

設置距離 50 – 2000mm 但し用途による制限在り

動作周波数 0.1 – 35 Hz

イオンバランス 調整可能。

バー長に渡り +/- 25V 以内

イオン発生方式 マイクロパルス方式コロナ放電

除電性能 平均 3.5 sec

エアジェットホールピッチ 50mm。

+/- 1kv→100v 除電時間。中心直下。600mm 距離。ダウンフロー

無し。CDA パージ量:4.7L/バー長 100mm。1hz。100% Output。

電位スイング +/- 100v 内

電極ワイヤー タングステン 80 ミクロン径

パージガス クリーンドライエア (CDA).

大 0.62Mpa ワンタッチジョイント接続による供給

(バー長 1500mm 以下:6mm OD 配管 1650mm 以上:8mmOD 配管)

アラーム出力 リレー開閉接点。 Max +/- 24V DC, 0.2A

クリーン度 ISO 14644-1 Class 2 (Fed Std 209E Class 1)

動作環境 15-35 deg C 30-60%RH 結露無きこと

オゾン発生量 <0.05ppm

本体材質 シャーシ:ABS 側面プレート:SUS

寸法 (Typ 値) 76H x 33 W x 400/500/650/750/900/1000/1150/1250/1400/1500

/1650/1750/1900/2000/2150/2250/2400/2500/2650/2750/2900

/3000 L mm

認証

23

5.2 寸法図

24

25

5.3 アクセサリー

RJ11 (RJ12) 6P6C ケーブル 品番 33-1710-10 (3m) -20 (6m) -40 (12m)

RJ45 CAT-5 ケーブル 6m 長 品番 SJ-25-0520

パワー/シグナル分配ボックス 品番 33-5700-01

設定リモコン 品番 91-5700-HHT-01

24VDC パワーサプライ 品番 33-5701-01

電源・通信用 RJ11(RJ12) AWG26 6 芯ストレートケーブル

ケーブル外装色は変更になる場合があります。

IO 接続・スレーブ接続用 CAT5 RJ45 ストレートケーブル

ケーブル外装色は変更になる場合があります。

RJ11(RJ12) 6 芯 ケーブル 4.5m 長 2 本付属

AC100-240V 入力対応。24V DC 1.2A output

1.8m AC コード付属。接続バー数は 大2本。

26

<中間ブラケット> 各種長さのバーに対する必要数は 1.3 章を参照して下さい

<エンドブラケット> 1150mm 以下のバー長に 1本のバーにつき2ケ使用

角度固定式ブラケット

32-2503-01

角度調整式ブラケット

32-2510-01

スタンダードブラケット

品番 SJ-32-2213

角度調整式ブラケット

品番 32-2211-01

27

保 証 書

全ての弊社製品は「性能」およびその他の出荷検査をした後に出荷されておりますが、正常

な使用状態において万一故障が発生しました時には、下記の条件にて保証されております。

〔保証期間〕弊社出荷日より1年間

〔保証内容〕取扱説明書等の注意書に基づく正常なご使用状態のもとで、製造上の責任によ

る故障が、保証期間内に万一生じました場合、無償にて修理または新品あるいは同等品と

交換させていただきます。

なお、修理、交換は本Simco-Ion製品のみに限らせて頂きます。本製品の故障によって

生じた損害については当社はその責を負わないものとします。

ご注意

1. ご使用前に必ず「取扱説明書」をお読み下さい。

2. 次のような場合は、保証期間中でも修理・調整等は有償になりますので

ご注意下さい。

保証書のご提示がない場合。

落下その他の衝撃を加えられたり、お取り扱いが適切でないために生じた

故障、損傷の場合。

お客様による分解、不当な改造、修理による故障および損傷。

火災、天災地変、あるいは異常入力電圧、水、蒸気、油、酸等の外部要因

に起因する故障、損傷の場合。

その他、その責が当社にないと判断された場合。

製 品 名 Simco-Ion 静 電 気 除 去 装 置

Model 5710 イオナイザー

出荷年月日

弊社では製品シリアル

ナンバーにて出荷日の

管理をおこなっており

ます。

保証期間

出荷日より1年間

シムコジャパン株式会社

本 社 〒650-0046 神戸市中央区港島中町1丁目2番4号 TEL.078-303-4651

シムコジャパン株式会社

本 社 神戸市中央区港島中町1-2-4 〒650-0046 TEL.078-303-4651

FAX.078-303-4655

神戸営業所 神戸市中央区港島中町1-2-4 〒650-0046 TEL.078-303-4651

FAX.078-303-4655

東京営業所 東京都墨田区両国1-3-8西川ビル 〒130-0026 TEL.03-3635-7261

FAX.03-3635-7189

仙台営業所 仙台市若林区六丁の目中町18-15 〒984-0012 斎喜六丁の目ビル

TEL.022-390-1722 FAX.022-390-1723

九州営業所 福岡県福岡市博多区東比恵2丁目2-40 〒812-0007 コロナ福岡ビル 3階

TEL.092-409-4684 FAX.082-409-4694

ホームページ: http://www.simcoion.jp/ お問い合わせ: [email protected]

文書№取説-2014033112