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Splunk による 2019 年の予測

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Splunk による 2019 年の予測

未来に何が待っているか: 2019 年の AI、セキュリティ、IT 運用、 IoT に関する重要予測項目

“未来はすでにここにあるのだが、均等に分配されているとはとても言えない。”̶William Gibson

私たちは、次の大きな時代の変化を目前にしています。つまり、次のテクノロジーの進歩

が職場、家庭の別なく今にも私たちに影響を及ぼそうとしている一方、まだその波が届い

ていないという人々もいます。

Splunk は未来を積極的に形作ろうとしており、Splunk のエキスパートは、人工知能 (AI)、

機械学習 (ML)、IT 運用、セキュリティ、IoT の未来を予測したうえで新しい技術を取り入

れています。

多くのお客様や Splunk の専任調査チームから得られたインサイトに基づいて、Splunk の

エキスパートが 2019 年の重要予測項目としてまとめたのがこの文書です。

以下のテクノロジーの未来にぜひ注目してください。

いよいよ実社会への適用が始まる人工知能と機械学習

厳しさを増すコンプライアンス規制や進化するデジタル環境への適応に迫られるセキュリティ

アプリケーションのモバイル対応がますます重要視される IT 運用

現代の組織では欠かせない存在になりつつある IoT

導入目的が「試してみよう」から「本格的に展開しよう」に進化

人工知能と機械学習について言えば、「大げさな宣伝の

割に乏しい内容」の時代は速やかに過ぎ去ろうとしてい

ます。規模の大小を問わず、各企業は AI と ML の潜在

的可能性を探る段階から、これらのテクノロジーを購入

してデプロイする段階へと進みました。この投資が現実

的な利益をもたらすと確信しているからです。

AI 分野のベンチャーキャピタル投資は今や年間 30 億ド

ルを超え、AI テクノロジーを開発している米国内の活発

なスタートアップの数は 2000 年の 14 倍になりました。

こうした勢いがあるにもかかわらず、管理可能で高い

ROI を実現する AI および ML ベースのエンタープライズ

関連のソリューションの提供に関しては、まだ初期段階

にあります。とはいえ、早期に導入した企業はすでに大

きなメリットを享受しています。AI を早期に導入した

250 社についての Deloitte 社の調査によれば、そのうち

の 83 パーセントの企業が、幅広い企業活動において「こ

れらのテクノロジーを利用した業務からすでに中程度ま

たは高いメリットを享受している」と回答しました。また、

早期導入企業の 76 パーセントが、認識テクノロジーが

3 年以内に自社の業務に変革をもたらすと回答しており、

変革までのタイムラインが 5 年を超えるとした企業はわ

ずか 7 パーセントでした。

AI と ML は、不正行為の検出から IT の最適化まで、そ

の長年の期待に応えつつあります。2019 年は導入がさ

らに進み、「早期導入」が「当たり前」になっていくと考

えられます。

AI と機械学習

オープンソースのシステムとコミュニティが AI と ML の開発にとって不可欠に

AI および ML ベースのツールが主役になるにつれ、そ

れをサポートするツールやコミュニティの充実が求められ

るでしょう。AI および ML ベースのツールの構築を目的

とした、もっと大規模なデータやプロジェクトが必要です。

意欲のある探求者にとって、オープンソースのシステムと

コミュニティは 1 つの活動拠点となります。大規模なデー

タセットを処理するための低コストで利用しやすい手段を

(通常はクラウド経由で) 提供してくれるからです。

前向きな企業はすでに、オープン ソース ソフトウェア

(OSS) システムとコミュニティを利用して自社開発の機

能を増強しています。TensorFlow などの OSS システム

は、大規模な機械学習プロセスやディープインサイトの獲

得 (聴き取りにくい音声から言葉を識別する、それらを別

の言語に翻訳するなど) に有効です。Apache Spark の

ように、データセットに繰り返しクエリを実行して、イン

サイトを明確にしたり改善したりできるシステムもありま

す。GitHub などの OSS コミュニティでは、チームや企

業間でアイデアを共有したり意見交換したりできます。

ますます多くの組織や研究者が AI の現場に参戦している

ことを考えると、こうしたオープンコラボレーションは今

後も存続し、勢いを増してゆくと思われます。AI と ML

の幅広い導入を迅速かつ効果的に行いたいなら、それ

に向けて協力することは必要不可欠です。その逆の取り

組み方は成長を妨げるだけです。

AI がデータ (およびマシン) とやり取りする新しい方法を生み出す

AI と ML が普及すると人間の仕事がなくなるという恐怖

が話題になっていますが、これは話の一部でしかありま

せん。人間参加型 (HITL) の機械学習はなくなりません。

直感、品質保証、全般的なトレーニングは、最適化さ

れた AI および ML のデプロイメントにとってきわめて重

要であり続けます。テクノロジーによって強化できても完

全に置き換えることはできない人間の仕事が存在するの

です。

HITL は、人間とマシンが共同で働くチームを管理する場

合の主要な設計パターンとして登場しました。その目標

は、AI と ML の影響を管理して、できるだけそれらによ

る違和感をなくし、テクノロジーをもっと有用で利用しや

すくすることです。また、HITL を活用すれば、AI では処

理できない限界ギリギリでの判断は人間に委ね、逆に単

調な作業はマシンに行わせることも可能になります。

では、AI と ML でどんな仕事が不要になるのでしょうか。

大量のデータ処理を伴う面倒な作業の複雑さや負荷をこ

うしたスマートテクノロジーに移行できれば、人間はもっ

と高次元の仕事に集中できます。つまりプロセスを全体と

して見れば、人間の仕事はなくなるのではなく進化しま

す。McKinsey 社の推定によれば、2030 年までに 3 億

7,500 万人の労働者、つまり世界全体の労働力の

14 パーセントが「職業別カテゴリーを変える」必要に迫

られます。ガートナー社は、2020 年には AI によって

230 万件の仕事が作り出される一方、180 万件の仕事

がなくなると予測しています。

その移行の時期には、AI および ML の効果を高めるた

め人間が監督者の役割を果たすようになります。それに

応じて、新しいスキルの習得や新しいプロセスの導入が

必要になるでしょう。こうした事態が発展し、スマートツー

ルがより多くのデータを扱い、新しいシナリオでトレー

ニングされるにしたがって、AI と ML の価値は有機的に

増大します。一般的な消費者はすでに、これら有機的な

AI の恩恵を享受しています。Amazon からおすすめの本

の情報が次々に届き、Siri との会話がどんどん自然にな

り、ESPN のフットボール予想がますます正確になるの

はその一例です。

加えて、これらのイノベーションの大半には、データサイ

エンスの博士号を持っていなくても携わることができ、実

際、学位はまったく無関係です。そもそも世の中に博士

号を取得した人はそれほど多くありません。大切なのは、

さらに直感的なインターフェイスを考え出すことです。自

然言語検索から組み込みのポイント アンド クリック モデ

ルまで、AI は限られた人のものではなくなっていきます。

扱えるシナリオが増え続けているので、ぴったりの販売

予測から的確な天気予報や渋滞予測、正確な異常検出

や自動修復まで、より実質的で具体的な結果を期待でき

ます。

医療と金融が AI および ML の新たな適用分野に

現在のところスマートテクノロジーの適用とトレーニング

は特定のビジネス状況で実施されていますが、今後は規

制の厳しい業種での適用が期待されます。

金融サービス:

• 教師なし機械学習により、銀行や保険会社は顧客を

的確に分類し、その個人に的を絞った商品を提供す

ることができます。このテクノロジーでスピードと俊

敏性も改善されるため、強化された顧客インテリ

ジェンスを活用して、専門性の高いフィンテック企業

とも競争できるようになります。

• 機械学習によってレポートの自動化、ストレス テスト

ソリューション、メールと通話記録の振る舞い分析に

基づいて顧客や従業員の疑わしい行動の識別が可能

になるため、規制へのコンプライアンスを強化できま

す。不正行為検出機能の強化、マネーロンダリング

対策の改善、信用リスクのより効果的な検出にも有

効です。

• 最後に、消費者によって絶えず生成されるデータを

機械学習で分析することによって、来年には、金融

サービス会社がバックオフィス業務を自動化し、エ

ラーを減らし、迅速にプロセスを実行できる状況が

整うでしょう。そうすれば保険会社は、状況のパターン

や誰が損害に関係しているかなどを認識して、請求

の処理を改善および自動化できます。

医療:

• 電子健康記録 (EHR) の導入を契機として、ここ数

年で医療業界におけるデータ量が増加し、多様化が

進み、処理速度が大きく向上したことはよく知られ

ています。同時にこうした大量のデータは、医学的

状態の予測と管理の改善にも利用できます。事実、

初めての AI ベースの画像診断が、4 月に FDA の

承認を受けています。多くの企業がこの流れに沿っ

た取り組みを始めており、診断プロセスに AI と ML

を導入する研究者や医師が増えるにつれて、より正

確な診断結果やオーダーメード医療などの提案を利

用できるようになると期待されています。

• 今後、自然な成り行きで AI と ML の導入が進めば、

米国の患者の大部分が AI の影響を受けます。しか

も、患者がそのことに気付かない可能性があります。

たとえば米国では、患者が知らない間に、医療機関

は臨床的判断の支援に、保険会社は入院のリスクの

予測に、製薬会社は患者とのエンゲージメントを管

理するチャットボットに、AI ソリューションが利用さ

れると予想されます。

セキュリティ

サービスの中断やリスクの原因になる相互接続

善意からなされているにもかかわらず、サービスやデバ

イス間の相互接続の増加が原因で、新たな脆弱性が生ま

れ、ハッカーの攻撃対象が広がり、不測の問題が発生す

ると考えられます。企業が相互運用性と効率を改善する

と同時に、強力なセキュリティ体制のために十分なセグ

メンテーションを維持しようとしているため、セキュリティ

は行き詰まりの様相を見せています。

来年はどうなるでしょうか。ハッカーの攻撃対象はこのま

ま広がり続けると考えられます。2019 年には、ワークフ

ローを簡素化してクラウドのメリットを強化する必要性か

らマルチクラウド化が進み、データセットとワークフローを

隔てる壁がさらに取り払われると見込んでいます。

DevOps の導入も、いったんサイロ化した機能のコラボ

レーションを促進し、さらに高機能なデジタルとオフラ

インのコラボレーションをもたらすでしょう。ユーザーの

生産性向上と利益の増大を目指して、API によるテクノ

ロジーの統合が引き続き行われます。

ところが、こうしたコラボレーション指向のテクノロジー

や手法が、一方ではサービスの中断やサーバーのダウン

タイムなど多くの問題の原因となるのです。相互接続の

メリットが落とし穴のリスクを大きく上回るとはいえ、企

業は不正な輩の餌食にならないよう注意を払いながら物

事を進める必要があります。

仮想アナリストの登場

セキュリティチームの人手不足と過重労働は深刻で、事

態がすぐに解決する見込みもありません。即戦力のセキュ

リティ専門家の中途採用は期待できないうえに、発生す

る莫大な量のアラート、イベント、インシデントに対応で

きるほどの人数をセキュリティ部門につぎ込める組織はほ

とんどありません。しかしそれは、「仮想」アナリストが

登場するまでのことです。

ビッグデータプラットフォーム、機械学習ベースの分析、

オーケストレーション、自動化テクノロジーを活用すれば、

人手不足に陥ったセキュリティチームを増強できます。

セキュリティの専門家が単調な作業から解放されて重要

度の高い業務に集中できるように、既存のリソースを拡

大できる仮想アナリストはまだ登場したばかりです。アラー

トと対応を自動化するだけで、ある程度の仮想アナリスト

はすでに実現しています。しかし、教師なし機械学習な

どの新しい機械学習手法によって、人間がほとんどある

いはまったく介入せずに、リスクのパターンを独力で (し

かも正確に) 生成できるようになれば、仮想アナリストは

さらに急速な進歩を遂げるでしょう。

以前は手動だったセキュリティワークフローの迅速化や、

ヒューマンエラーが生じやすい反復作業の正確さが向上

し、セキュリティチームは、検出から対応に至るすべての

過程でマシンスピードで動けるようになります。これらの

プロセスは、状況に応じて 1 日の時間帯を問わず自律的

に実行されるため、人間の担当者が近くにいなくてもき

わめて安全な環境を構築できます。

新しいトレンドとテクノロジーが新しい役割や機会をもたらす

セキュリティアナリストの皆さん、安心してください。仮想

アナリストの登場で人間のアナリストが不要になることは

ありません。実際には、新しい AI ベースのテクノロジー

によってセキュリティの専門家に新しい役割や機会が与え

られます。セキュリティコンテンツ開発者から自動化エン

ジニアまで、セキュリティの専門家は、セキュリティのワー

クフローとツールを最適化するという新しい重要な役

目を担います。その役割を実行するには、正確で豊富な

インサイトを提供するカスタムダッシュボードやアルゴリズ

ムを使用したり、特定の対応シナリオに合わせたプレイ

ブックや、新しいツールとそのプロセスを合理化するプレ

イブックなどを使用したりすることになるでしょう。

規制の強化でさらに高まるコンプライアンスの優先順位

E.U. の一般データ保護規則 (GDPR) が 2018 年 5 月か

ら施行されましたが、当初予想されたような大混乱はほ

とんどありませんでした。しかしこれは、嵐の前の静け

さにすぎない可能性があります。2019 年に施行後 1 年を

迎える GDPR では、ヨーロッパで活動する企業がその

頃までにコンプライアンス関連業務の導入を完了している

と想定しています。

2019 年にはさらに規制が強化されると見られます。罰

金の増額と悪評で、規制違反企業の CISO (経営幹部お

よび取締役会は言うまでもなく) は、コンプライアンスの

優先順位を本気で高めるように促されるでしょう。関係

する企業には、自社のデータが安全であること、それら

のデータを処理するテクノロジーが安全に導入され、

規制に準拠していることを簡単に証明できる機能が必要

です。侵害の検出と対応を強化するためのテクノロジー

とプロセスに投資することにもなるでしょう。コンプライ

アンス違反に伴う高いコストを負担したいとは誰も思わ

ないからです。

さらに GDPR の施行がきっかけとなって、2019 年には、

HIPAA や PCI-DSS などのデータプライバシー管理の指

導的規制機関がその実施戦略をレベルアップし、コンプ

ライアンスがセキュリティ関連のプロセスと投資のいっそ

う強力な要因になる、というドミノ現象が起こるかもしれ

ません。他の地域でも同様の法規制が実施され、企業に

かかる圧力が強まる可能性が高いと思われます。

IT 運用

エンタープライズでマルチクラウド化が促進

とりわけ大規模な組織ではマルチクラウド化が必須とな

るでしょう。しかし、マルチクラウドインフラストラクチャ

全体のパフォーマンスの管理と測定は困難であるため、

ここでも AI と ML の導入が進みます。

運用面において AI と ML が占めるフットプリントが大き

くなるにつれ、企業は利用するサービスに高い柔軟性を

要求するようになるでしょう。ホスト先のプロバイダーが

異なる場合を含め、クラウド間のワークロードの移行が、

すでにアクセス性とコスト効率向上の鍵となっているから

です。ディザスタリカバリーの必要性やリスク分散のメリッ

トを考えるのは当然です。言うまでもなく、さまざまな事

業部門やそれらにまたがるインフラストラクチャの成熟

度を考えるとき、企業規模が大きくなるほどマルチクラウ

ドの現実を避けることはできません。ワークロードの収容

先が異なるプロバイダーに分散されるのは珍しいことで

はないのです。

そうは言っても、特にクラウドを利用し始めたばかりの企

業にとって、マルチクラウド化は至難の業です。クラウド

デプロイメントの上位にある管理レイヤーを抽象化しよう

とすると、運用チームの負担が大きくなります。セキュリ

ティとコンプライアンスの問題もあります。

こうした環境では、パフォーマンス、可用性、および観

測性の角度から何が起こるかをすべてのプロバイダーに

わたって把握することが最重要になりますが、同時にそ

れをスタック全体に関連付けできなければなりません。

データの観点からは、多様なデータタイプとデータソー

スからの有意義なインサイトを統合する方法を身に着け

る必要があります。あらゆるデータソースからパターンを

特定して、問題を明らかにし、状況に応じた容量管理を

支援し、起こり得る問題を予測できる AI ベースのソリュー

ションが、この難しい課題を克服する鍵となるでしょう。

モバイル対応ニーズが本番環境でのコンテナの使用を促進

環境全体でアプリケーションのモバイル対応が必要にな

るにつれ、コンテナの導入が促進されるでしょう。ただし、

データ管理コストが問題になる可能性があります。ワー

クロードをコンテナ化すると、開発者は、事前の構築作

業やコストをある程度抑えながらさまざまな環境で作業

することができます (一部の GPU 依存などを除く)。加え

て、コンテナは継続的インテグレーション/継続的デプロ

イ (CI/CD) に適しているため、共有リポジトリでのコー

ド作成が容易になり、環境全体にアプリケーションを迅

速にデプロイできます。

コンテナの使用が活発化するタイミングは、デプロイメン

トの速度、柔軟性、品質の要求がこれまでにないほど高

まっている今しかありません。新しい機能や拡張に対す

る顧客の要望はとどまるところを知らず、すばやい開発サ

イクルが求められます。コンテナはそれに対応し続ける

のに有効で優れた手段です。アプリケーションを抽象化し

てデプロイメント環境から独立させると、どんな環境に対

しても一貫性を保ったままアプリケーションをデプロイで

きます。アプリケーションの分離の価値が高いことに加え

て、コンテナの軽量な特性がデプロイメントを容易にし、

オーバーヘッドを減らします。そのおかげで開発者は、ア

プリケーションのロジックとデプロイメントに特化した

IT 運用に集中できます。マルチクラウド環境について考

えるとき、これは非常に価値のあるものになります。

こうした柔軟性はすばらしいとはいえ、いくつか課題もあ

ります。それは、絶えず変化するデータや情報を監視す

る方法です。チームは、観測性を実現してパフォーマン

スと可用性を保証できるように、同じくらい動的な方法で

関連する情報を抽出する必要があります。このようなアプ

リケーションのオンデマンドな特性を考えると、適切な

データと AI/ML ベースのツールが、必要なレベルの観

測性を達成するうえで重要な役割を果たすでしょう。

アプリケーションがアクセスしているデータを管理する機

能にもコストがかかります。IT 部門は、アプリケーション

が処理を開始したり終了したりするのに合わせて、使用

されているデータやアクセスが要求されるデータを追跡

しなければなりません。そのためにも、よりスマートなテ

クノロジーが必要になります。

IT チームとその役割が急速に進化

IT 部門は、インフラストラクチャやアプリケーションの構

築と管理から、社外のアプリケーションやサービスの大

規模な導入と管理へと、その役割を進化させ続ける必要

があります。その結果、IT 部門内で製品マネージャーが

大幅に増加すると思われます。加えて、その間の急激な

イノベーションに追随するため、企業自身が社内文化を

調整し、役割とテクノロジー導入の両面における変化を

受け入れて活用できるほどの高い柔軟性を身に着ける必

要もあります。

コラボレーションとコミュニケーションを促進するソ

リューションの必要性も大いに高まるでしょう。とりわけ

DevOps と DevSecOps について考えると、開発者と

ITOps (さらにはセキュリティ ) 間のコラボレーションとコ

ミュニケーションが鍵となります。こうした透明性は、ほ

ぼ必然的に、パブリッククラウドなどのサードパーティー

ベンダー環境の導入を促進する方向にも進むでしょう。

テクノロジーの側から見ると、データサイエンティストで

ないユーザーでもデータを活用できる AI および ML ベー

スソリューションのベンダーが大成功を収めます。IT 担

当者は、観測性と柔軟性をマシンスピードで提供するツー

ルの導入を念頭に置いて、優れた戦略化のために雑音を

はねのけなければなりません。

IoT

IoT と ML が合体してビジネスを支配

モノのインターネット (IoT) に関する情報はこれまで絶え

ず伝えられてきましたが、消費者側にばかりスポットライ

トが当たってきました。2019 年にはこれが変化します。

今日では、IoT で競争力を高めている企業が数多くあり

ます。2019 年には、センサーデータの価値を認識する

企業が増え、そのグループが成長すると考えられます。

データ主導の時代には、既存の IT およびセキュリティ情

報に新しいデータの次元が追加されることで、ビジネス

の成果やセキュリティが向上します。IoT や ML テクノロ

ジーを製品やサービスに統合すると、価値が生み出され

るのです。そのため企業は、これまでにないような方法

でデータを監視および利用するための全社的な取り組み

に投資し、セキュリティプロトコル、ライブダッシュボード、

異常検出、プロセスの自動化、関連する主要業績評価指

標の生成、その他何百もの機能の導入を進めるでしょう。

2019 年も IoT は引き続き全世界で大きな関心を集め、

投資が進むでしょう。新しいアプリケーションおよびデー

タ収集手法の急速な普及を可能にするクラウドサービス

や API が注目されると思われます。エッジコンピュー

ティングおよび大規模分析が短期間で進化して、この流

れの中心要素となり、企業による IoT の管理や関連する

セキュリティリスクへの対応が強化されるでしょう。

組立製造業や輸送および物流業が引き続き IoT 導入の

最前線に立ち、運用技術 (OT) をめぐる最大の課題に取

り組むでしょう。ただし、これと似たトレンドが他の業種

にも広がっていくと考えられます。

IT と OT の間の溝を橋渡しする CIO

IT、運用技術 (OT)、IoT の融合は現実のものであり、それを

受けて CIO の執務範囲が変化しています。重工業業界で

は、テクノロジーがきわめて重要になるため、2019 年に

は CIO が OT 変革を推進するでしょう。

何年もの間、OT が製造と輸送を支配しており、IT と

OT は別々の領域で発展してきました。しかし、それも変

化しようとしています。競争に勝ち抜くためには、もはや

OT のない IT は考えられません。たとえば、工場のフロ

アにあるセンサーと OT デバイスから送信されるデータ

は、IT 運用によるワークロードの最適化とセキュリティの

強化に大きく貢献することができます。特に工業において

は、OT は今や正当な利害関係者になっています。

CIO 自身が成長して、OT テクノロジーのバイヤーとなり、

IT 環境内での OT テクノロジーの新しい用途を設計でき

るようになる必要があります。

差し迫った問題となる IoT のセキュリティ

OT と IT の融合から新しいビジネスモデルが生まれる一

方で、無視できない新しいリスクも発生しており、多くの

企業はそれらに対する備えができていません。医療、輸送、

プロセス制御業界が将来に向けた計画を立案し、IoT 変

革を組み入れているため、環境や状態を問わずすべての

デバイスとマシンから得たデータが安全であることを保証

できるよう、各企業は一致した取り組みを行う必要があり

ます。

工場の物流から製品品質に及ぶプロセスに対して、企業

はプロアクティブな分析と高度な調査に基づくセキュリ

ティ体制の強化を模索するでしょう。運用の安全を確保

しながら、こうした急速なイノベーションを導入するには、

企業自身がもっと柔軟にならなければなりません。

特に OT は独自性が高いため、企業は IoT に特化した

セキュリティの専門知識を社内で蓄積できるよう投資する

とともに、自社の資産および SCADA/ICS システムの保

護にきわめて重要な役割を果たす基準に準拠するよう注

意を払う必要があります。IT と同様に、これにはコラボ

レーションとコミュニケーションが必要です。それによっ

て通常は組織内でバラバラになっている部署間に透明

性をもたらします。

まとめ

これまでの説明で、2019 年に何が起ころうとしているかをご理解いただけたと思います。その未来に対応できるように、ぜひ Splunk をご活用ください。

Splunk のブログをぜひ定期的にご確認ください。開発現場から最新の状況をお伝えします。

Splunk が提供する AI と機械学習、ITOps、セキュリティ、IoT のソリューションについては、当社の Web サイトをご覧ください。

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