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より良い番組を制作・送出する ドラマ番組制作 音楽番組制作 番組制作技術 番組制作にはドラマ、音楽番組、ドキュメンタリーや生放送の情報番組などさまざまなジャンルがあり、視聴者の 皆さまに分かりやすく、楽しく番組を視聴いただけるよう、それぞれ異なった手法を駆使して、高品質な番組を効 率的に制作しています。 13 ■第58回紅白歌合戦 ■大型クレーンを使用した番組制作 ■公開番組「NHKのど自慢」 ■大河ドラマ「篤姫」 右は、VFX技術 ■連続テレビ小説「瞳」 放送技術の概要 より良い番組を制作・送出する 番組を全国あまねくお届けする 放送の夢をかなえる研究・開発 放送を活かし支える技術 世界に向けて発信 ドキュメンタリー・情報番組 14 ■NHKスペシャル「激流中国」 ■NHKスペシャル「謎の海洋民族モーケン」 (ミャンマー取材) ■NHKスペシャル「北極大変動」 ■「探検ロマン世界遺産」(ブラジル取材) ■コンピュータグラフィックスとのバーチャル合成 (月探査衛星「かぐや」) 第47作大河ドラマ『篤姫』は、この国が混乱を極 めていた時代に、最後まで“誇り”と“覚悟”を失わな かった篤姫の人生をたどります。彼女の原風景“薩摩” の南国情緒と江戸の活気・絢爛さ、そして篤姫の心情 を、繊細なカメラワークや照明、臨場感ある音声で表 現しています。 第78作連続テレビ小説『瞳』は東京下町を舞台と し、「家族は与えられるものではなくつくるもの」を テーマに“家族再生”を描く物語です。朝から元気が出 るドラマを目指し、心温まる作品に仕上げていきます。 2008年度新設の“ドラマ8”(木曜午後8時)は家 族で楽しめるドラマ、土曜ドラマは社会派ドラマとし て、テーマにあった魅力的な作品づくりに取り組んで います。2009年の放送開始を目指し制作を進めてい るスペシャルドラマ『坂の上の雲』では、日本人が少 年のような希望を持って国の近代化に取り組んだ明治 時代を、いままで培った特殊効果技術を基に魅力ある 映像とサラウンド音声で送り届けます。 「紅白歌合戦」や「NHK歌謡コンサート」、全国 各地を巡る「NHKのど自慢」に代表される公開番組 や「SONGS」、「きよしとこの夜」などの音楽番組、 バラエティーショーを、美しく印象的なライティング と躍動感あふれるカメラワークで、その熱気と感動と ともに世界に発信しています。BS、地上デジタル放 送では、高画質、高音質に加え「立体感」と豊かな 広がりやダイナミックな「移動感」を表現できる 「5.1サラウンド」音声で、迫力と臨場感あふれる魅 力的な番組作りに取り組んでいます。 NHKスペシャルを始めとする大型企画、ドキュメ ンタリーなど、政治、経済から国際情勢、福祉、医 療、科学にわたる幅広い分野の番組について、日本 国内はもとより地球規模で取材活動をおこない、ハ イビジョンの高品質で迫力のある映像と音声をお茶の 間にお届けしています。NHKスペシャル「激流中国」 「沸騰都市」「病の起源」「北極大変動」などでは、激 動する世界各地をさまざまなテーマで取材、また「ド キュメント・にっぽんの現場」「プロフェッショナ ル・仕事の流儀」では、社会問題や人間の生き方に 深く迫ります。 視聴者の皆さまの関心にタイムリーに応えるため 「日本のこれから」や「クローズアップ現代」などの 生放送番組についても、国内外の取材やさまざまな 制作手法を活用して、わかりやすくお伝えしていま す。また、ハイスピード撮影や高感度撮影などの特殊 撮影を駆使した 「アインシュタイン の眼」では、肉眼 では見えない身近 な世界の驚きの映 像をご紹介してい ます。 「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」、「ハイビジ ョン特集」などの自然・紀行番組では、世界のあらゆ る場所でロケをおこない、ハイビジョンならではの高 画質と5.1サラウンドで制作するとともに、潜水や山 岳撮影技術、またさまざまな特殊撮影技術を駆使して、 迫力のある番組をお届けしています。 コンピュータグラフィックスと実写映像を連動させる バーチャル合成技術、携帯電話を活用した「着信御 礼!ケータイ大喜利」など、インターネットやデータ 放送を利用した双方向技術など最新の技術を積極的に 活用して、新たな番組の創造に取り組んでいます。 健康・食生活・くらしの知恵などをテーマに、視聴 者の生活に役立つ情報をお届けする「生活ほっとモー ニング」、「ためしてガッテン」や学校教育番組、生涯 学習番組、趣味実用番組など、さまざまな番組を制作 しています。衛星放送では、全国各地と東京のスタジ オを中継で結んで、各地域の話題を集中的に紹介する 「おーい日本、私の好きな○○県」などを放送している ほか、海外向けの情報発信として国際放送番組の制作 にも取り組んでいます。 ■NHKスペシャル 「失われた文明・マヤ」 (メキシコ取材)

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Page 1: tech0802

より良い番組を制作・送出する

ドラマ番組制作 音楽番組制作

番組制作技術番組制作にはドラマ、音楽番組、ドキュメンタリーや生放送の情報番組などさまざまなジャンルがあり、視聴者の皆さまに分かりやすく、楽しく番組を視聴いただけるよう、それぞれ異なった手法を駆使して、高品質な番組を効率的に制作しています。

13

■第58回紅白歌合戦

■大型クレーンを使用した番組制作

■公開番組「NHKのど自慢」

■大河ドラマ「篤姫」右は、VFX技術

■連続テレビ小説「瞳」

放送技術の概要

より良い番組を制作・送出する

番組を全国あまねくお届けする

放送の夢をかなえる研究・開発

放送を活かし支える技術

世界に向けて発信

ドキュメンタリー・情報番組

14

■NHKスペシャル「激流中国」 ■NHKスペシャル「謎の海洋民族モーケン」(ミャンマー取材)

■NHKスペシャル「北極大変動」

■「探検ロマン世界遺産」(ブラジル取材)■コンピュータグラフィックスとのバーチャル合成(月探査衛星「かぐや」)

第47作大河ドラマ『篤姫』は、この国が混乱を極めていた時代に、最後まで“誇り”と“覚悟”を失わなかった篤姫の人生をたどります。彼女の原風景“薩摩”の南国情緒と江戸の活気・絢爛さ、そして篤姫の心情を、繊細なカメラワークや照明、臨場感ある音声で表現しています。第78作連続テレビ小説『瞳』は東京下町を舞台とし、「家族は与えられるものではなくつくるもの」をテーマに“家族再生”を描く物語です。朝から元気が出るドラマを目指し、心温まる作品に仕上げていきます。2008年度新設の“ドラマ8”(木曜 午後8時)は家族で楽しめるドラマ、土曜ドラマは社会派ドラマとして、テーマにあった魅力的な作品づくりに取り組んでいます。2009年の放送開始を目指し制作を進めているスペシャルドラマ『坂の上の雲』では、日本人が少年のような希望を持って国の近代化に取り組んだ明治時代を、いままで培った特殊効果技術を基に魅力ある映像とサラウンド音声で送り届けます。

「紅白歌合戦」や「NHK歌謡コンサート」、全国各地を巡る「NHKのど自慢」に代表される公開番組や「SONGS」、「きよしとこの夜」などの音楽番組、バラエティーショーを、美しく印象的なライティングと躍動感あふれるカメラワークで、その熱気と感動とともに世界に発信しています。BS、地上デジタル放送では、高画質、高音質に加え「立体感」と豊かな広がりやダイナミックな「移動感」を表現できる「5.1サラウンド」音声で、迫力と臨場感あふれる魅力的な番組作りに取り組んでいます。

NHKスペシャルを始めとする大型企画、ドキュメンタリーなど、政治、経済から国際情勢、福祉、医療、科学にわたる幅広い分野の番組について、日本国内はもとより地球規模で取材活動をおこない、ハイビジョンの高品質で迫力のある映像と音声をお茶の間にお届けしています。NHKスペシャル「激流中国」「沸騰都市」「病の起源」「北極大変動」などでは、激動する世界各地をさまざまなテーマで取材、また「ドキュメント・にっぽんの現場」「プロフェッショナル・仕事の流儀」では、社会問題や人間の生き方に深く迫ります。視聴者の皆さまの関心にタイムリーに応えるため

「日本のこれから」や「クローズアップ現代」などの

生放送番組についても、国内外の取材やさまざまな制作手法を活用して、わかりやすくお伝えしています。また、ハイスピード撮影や高感度撮影などの特殊撮影を駆使した「アインシュタインの眼」では、肉眼では見えない身近な世界の驚きの映像をご紹介しています。

「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」、「ハイビジョン特集」などの自然・紀行番組では、世界のあらゆる場所でロケをおこない、ハイビジョンならではの高画質と5.1サラウンドで制作するとともに、潜水や山岳撮影技術、またさまざまな特殊撮影技術を駆使して、迫力のある番組をお届けしています。コンピュータグラフィックスと実写映像を連動させるバーチャル合成技術、携帯電話を活用した「着信御礼!ケータイ大喜利」など、インターネットやデータ放送を利用した双方向技術など最新の技術を積極的に活用して、新たな番組の創造に取り組んでいます。

健康・食生活・くらしの知恵などをテーマに、視聴者の生活に役立つ情報をお届けする「生活ほっとモーニング」、「ためしてガッテン」や学校教育番組、生涯学習番組、趣味実用番組など、さまざまな番組を制作しています。衛星放送では、全国各地と東京のスタジオを中継で結んで、各地域の話題を集中的に紹介する「おーい日本、私の好きな○○県」などを放送しているほか、海外向けの情報発信として国際放送番組の制作にも取り組んでいます。

■NHKスペシャル「失われた文明・マヤ」(メキシコ取材)

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より良い番組を制作・送出する

映像ポストプロダクション

CG技術を用いた多彩な映像表現

映像ポストプロダクションでは、スタジオやロケで収録したさまざまな素材を、番組の構成に沿って編集・加工します。このとき、番組全体の画質を調整・管理し、より見やすくなるよう番組の完成度を高めます。番組をより分かりやすくご覧いただくために、文字テロップを付加しますが、これにも特殊効果を付加するなどして、より見やすく、分りやすい表現を心がけています。

VFX技術を用いた非現実映像の制作

独自に開発したシステムや高機能なVFX技術を活用して、高品質で実写のように迫力のある映像を制作しています。最新技術を用いた特殊機材での撮影や綿密に計算されたCG・映像素材を巧みに合成することで様々な時代の情景を再現したり、合成技術で数十人の集団から数千人の群集を作り出したりするなど、リアルで迫力ある映像を効率的に制作しお届けしています。

番組中に使われる解説CGの制作やCG表示システムの開発を行っています。現在では存在しない建物や街並みを本物さながらに再現するなど、実写では撮影困難なシーンをリアルに表現しています。さらにバーチャル・スタジオを使って、CGによる仮想的なスタジオセットと実際のカメラで撮影された司会者やゲストなどの実写映像を合成した番組を放送しています。

緊急報道とデジタル映像

〈客観的なデータをもとにわかりやすく〉事件・事故や自然災害など緊急報道時に、実際の

数値データに基づいたCGアニメーションや客観的なシミュレーションデータを映像化し、バーチャル・スタジオと組み合わせて制作をするなど分かりやすく解説しています。

高度な映像表現と特殊映像制作スタジオやロケで収録された映像・音声素材は、番組の構成に沿って編集や加工を行うことにより、より完成度

の高い放送番組となります。この一連の処理を、収録した“後”で行うという意味で、“ポスト”プロダクションと呼びます。このうち映像のポストプロダクションでは、CG(コンピューターグラフィックス)など、多彩なVFX(ビジュアルエフェクト)を駆使して、通常の撮影だけでは得られない、創造性豊かな映像をお届けしています。

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■ドラマ「坂の上の雲」用編集合成システム■ハイビジョン編集室

■大河ドラマ「篤姫」背景セットの一部をCGで制作し、実際のセットと違和感なく表現

■第21回参議院選挙「開票速報」リアルタイムで開票データをCGで表示するシステムを構築

■NHKスペシャル「日本とアメリカ」実写の空に、物理シミュレーションを用いたCGの海とイージス艦を合成

■NHKスペシャル「恐竜 vs.ほ乳類」実写で撮影した背景に恐竜のCGアニメーションを合成

放送技術の概要

より良い番組を制作・送出する

番組を全国あまねくお届けする

放送の夢をかなえる研究・開発

放送を活かし支える技術

世界に向けて発信

新しい音の世界 5.1サラウンドデジタル放送で、高画質のハイビジョンの魅力をより一層引き立てるのが5.1サラウンドです。5.1サラウンドで従来のステレオ放送にはない新しい音の世界が広がります。

5.1サラウンドの番組制作

16

■「N響コンサート」の5.1サラウンド収録

■「新シルクロード」ロケの5.1サラウンド収録

5.1サラウンドには次のような特長があります。

■視聴者を包み込むような拡がり感やダイナミックな移動感を表現することができる

■視聴位置が左右にずれてもせりふやコメントなどが画面の中央から聞こえる

■ 低域補強チャンネル(LFE)によって映画のような迫力ある音を家庭でも再現することができる

こうした特長を活かすことで従来のステレオ放送では味わえなかった「その場にいるような臨場感」や「映画を見るような迫力」を楽しむことができます。NHKでは「紅白歌合戦」や「ハイビジョン特集」、プロ野球をはじめとしたスポーツ中継などさまざまな番組で5.1サラウンド放送をお届けしています。PDP(プラズマディスプレー)や液晶など大画面のデジタルテレビの普及により音声にもより高い臨場感がもとめられています。5.1サラウンドは、ハイビジョンをより魅力あるソフトにするための音声表現のひとつとして効果的に使用しています。

〈従来のステレオの音場イメージ〉 〈 5.1サラウンドの音場イメージ〉

■LFE( Low Frequency Effect :低域補強チャンネル)

5.1サラウンドとは?

5.1サラウンド音声は、音声圧縮方式「MPEG-2AAC(Advanced Audio Coding)」を用いて放送しています。前方3チャンネル、後方2チャンネルの5チャンネルに加えて低音補強用のチャンネル(これを0.1チャンネルと数える)を備えています。

LL R

SL SR

R

LFEC

■ゴルフ中継における5.1サラウンド音声制作

音声ポストプロダクション

5.1サラウンド音声ポストプロダクションでは番組の仕上げとして音楽や効果音、ナレーションを加えることによって、視聴者の方々に、分かりやすく感動していただけるような番組ができあがります。現在のシステムはDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)と呼ばれる音響用のマルチトラック編集機を使い、デジタルベースで音声を加工・編集することで効率的かつ高音質のポスプロ作業が可能となっています。 ■5.1サラウンド音声ポストプロダクション

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より良い番組を制作・送出する

“今”を伝える中継制作

ハイビジョン中継車から衛星伝送中継車までさまざまな中継車を駆使して、国内や海外での出来事やイベント、スポーツなど生の姿をいち早くお茶の間にお届けしています。

局外制作国内外の出来事やイベント、スポーツなど、“今”をいち早くお伝えするため、さまざまな中継技術を駆使しています。

海外からの中継

空からの中継

船上からの中継

水中からの中継移動中継

光ファイバー

オートバイカメラ

CSハンター防震カメラ

基地局

ヘリ自動追尾装置

通信衛星

地球局

NHK放送センター

ビル屋上

■ハイビジョン中継車

■衛星伝送中継車CS(通信衛星)を使って全国どこからでも放送局へ映像を送ることができる中継車

■ハイビジョン中継車内

■中国鉄道大紀行

放送技術の概要

より良い番組を制作・送出する

番組を全国あまねくお届けする

放送の夢をかなえる研究・開発

放送を活かし支える技術

世界に向けて発信

17 18

ニュースセンター

ニュースの送出

事件や事故が発生してから、ニュースとして放送されるまでには、取材に始まり、原稿作成、取材カメラでの撮影、通信衛星や回線を使用した映像伝送および編集、CGの作成、放送台本の作成など、放送の事前準備としてさまざまなプロセスがあります。こうした仕事を迅速かつ的確に行うために、ニュースセンターではコンピュータシステムを活用しています。放送はこのコンピュータシステムによって送出するシステムと、手動切り替えによって送出するシステムの2つを併用しています。

ニュースの送出ニュースは、国内外の事件や出来事を迅速かつ的確に伝えることが重要です。その最前線となる「ニュースセンター」では、最新技術を駆使して視聴者の皆さまに情報を発信しています。

■ニュースセンター

国内や海外で起こった事件や出来事などの情報は24時間NHKに入ってきます。その情報をもとにニュース・情報番組を制作・送出しているのがニュースセンターです。ニュースセンターにはハイビジョン化された3つの送出卓があり、「おはよう日本」「昼のニュース」「お元気ですか日本列島」「ニュース7」「ニュースウオッチ9」など、1日に約10時間、総合テレビで生放送をしています。このほかに教育テレビ「手話ニュース」の制作・送出、ニュース映像の編集をはじめ、ニュース字幕や天気予報、地震・津波情報画面、CGの作成、インターネットニュース作成なども実施しています。

サーバーによるニュースの送出

平成19年3月に、数百時間の収録機能を持つ大規模ハイビジョン・ビデオサーバーをBS-NCに導入し、運用を開始しました。「BSニュース」で使用するNHKの海外総支局や海外放送局から送られてくるニュースをこのビデオサーバーに収録、ノンリニア編集機で迅速な制作をし、9割強のニュースをビデオサーバーで送出しています。あわせて、ハイビジョン・ビデ

オサーバーの運用や機能の検証をすすめ、今後のニュースセンター全体におけるサーバー導入にむけた検討を進めています。

衛星ニュースセンター(BS-NC)

BS-NCは衛星放送第1(BS1)のニュース・情報番組を中心に“日本と世界の今を伝えるニュースチャンネル”として24時間対応で制作・送出をしています。その放送時間は1日15時間以上にのぼります。「BSニュース」では国内のニュースを中心に毎正時の放送を、「おはよう世界」、「きょうの世界」、「経済最前線」ではNHKの海外総支局からの最新情報を生中継を交えてお伝えしています。また、「ワールドニュースアワー」では世界各国のニュースに日本語で通訳を付けて放送(2ケ国語放送)し、「アジアクロスロード」ではゲストを交えてアジアの情報を多角的にお伝えしています。

■新潟県中越沖地震

■第26回全国都道府県対抗女子駅伝■エジプト文明・母なる大河ナイル

BSニュースセンター ビデオサーバー

ニュース映像

映像情報を入力

素材 編集済

素材

収録映像の管理

原稿作成

ビデオサーバー

映像管理 編集責任者

送出サーバー

映像と原稿を確認報道情報システム

放送

ニュース送出コントローラー

出稿

映像の共有化

原稿などを管理ネットワークで映像を共有

ノンリニア編集機で映像を編集

報道情報端末

原稿の確認

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より良い番組を制作・送出する

ットカメラや衛星伝送中継車、取材ヘリコプターなどさまざまな放送機器を全国に導入し、緊急報道の取材・中継体制の強化をはかっています。

可搬型ハイビジョン衛星伝送装置

ニュース現場から生の情報をハイビジョンでお伝えするため、小型で機動性に富んだハイビジョンニュース力一を開発しました。

ハイビジョン伝送装置などの小型化により、狭い路地にも入れる機動性の高い全長5.3mの小型ハイビジョン衛星伝送中継車を実現しました。

小型ハイビジョン衛星伝送中継車

高感度ハイビジョンカメラと小型軽量化された伝送装置を搭載した小型ヘリコプターの開発で、空からの迫力あるハイビジョン中継が可能になりました。NHKでは、全国13機のヘリコプターをハイビジョン化し(中型ヘリ×6、小型ヘリ×7)、緊急報道時のヘリコプター取材体制を確保しています。

小型ハイビジョンヘリコプター

ハイビジョンニュースカー

従来の衛星伝送装置を小型・軽量化することにより、緊急報道における機動性を飛躍的に高めたのが可搬型衛星伝送装置です。この装置は少人数によるオペレーションが可能で、離島や海外からのハイビジョン中継を行うことができます。これまでパキスタン大地震やインド洋大津波など、アジア中東圏からの海外中継に活躍しています。

放送技術の概要

より良い番組を制作・送出する

番組を全国あまねくお届けする

放送の夢をかなえる研究・開発

放送を活かし支える技術

世界に向けて発信

緊急報道の取材・中継

災害や事件・事故の緊急報道時などでは、いち早く現場の映像を視聴者の皆さまにお届けすることが、防災・減災のために非常に重要です。NHKではロボ

国民の生命と財産を守る緊急報道津波・地震や台風など非常災害から国民の生命・財産を守るのは公共放送NHKの使命です。災害発生時に、迅速、的確に視聴者の皆さまに情報をお伝えするため、最先端の技術を活用し、さまざまな装置を開発・運用しています。

19 20

NHKのネットワークと回線センター 緊急報道の送出

国内外での取材や中継の映像、全国の放送局や通信部からの映像は、光ファイバー回線や中継用無線回線、通信衛星回線などを通じてすべて、渋谷・放送センターにある回線センターに集められます。

回線センターは、ニュース・一般番組など放送で使用するTV回線の手配や接続を行い、回線の映像・音声を24時間体制で送受信しています。災害や事件・事故などの緊急報道時には、いかに早く

現場の映像を放送局に伝送するかが重要な鍵となります。このように回線センターは、NHKの迅速・的確な報道を支えています。

国際衛星 国内衛星

アメリカ

光回線太平洋光回線

(自営無線回線)

ニュースセンター、スタジオ

放送センター(回線センター)

(国内衛星回線)

光ファイバー回線

中国・韓国などアジア各国

受信基地局

国内衛星

地域放送局

イギリス・フランスなど欧州各国

■衛星回線送受信アンテナ

■回線センター

ニュースセンターでは番組放送中に「ニュース速報」をスーパーしたり、番組を中断して「緊急ニュース」を放送します。緊急報道時には、衛星伝送中継車、取材用ヘリコプター、全国各地に設置したロボットカメラなどさまざまな放送機材を使って現場の状況を中継します。最新技術を導入し、衛星電話、携帯電話、インターネットを活用した伝送機器の開発など、現場の状況をより迅速、より的確に視聴者の皆さまにお伝えできるよう取り組んでいます。

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より良い番組を制作・送出する

字幕、データ放送は正常に送出されて

います

サッカーは5時43分まで延伸その後2分間フィラー送出

総合テレビ速報スーパーの準備完了しました

総合テレビ番組をニュースに変更しまーす

BSのサッカー中継「流動」送出しまーす

え!地震!速報スーパーの準備お願い

各局のみなさんサッカーは…

バイパス系のチェックはOKです

総合テレビ番組をニュースに変更です

全体を指揮する人

国会終了後の番組登録を変更している

TD

番組編成責任者

番組送出責任者

編成総括

運行総括

デジタル放送送出コントロールルーム

放送技術の概要

より良い番組を制作・送出する

番組を全国あまねくお届けする

放送の夢をかなえる研究・開発

放送を活かし支える技術

世界に向けて発信

TOC(Technical Operation Center)

ラジオセンター

TOCでは、ニュース、スポーツ中継、ドラマ、音楽番組などを、放送スケジュールに基づき、コンピュータで自動的に送出しています。国会中継やスポーツ中継など放送時間が流動的な番組は、コンピュータから手動に切り替えて送出します。地震、津波などの大災害や大事件が発生した際は、ニュースセンターと連携して緊急ニュースや緊急地震速報を送出したりするなど、公共放送としての重要な使命を果たしています。

放送センター13階にあるラジオセンターは、生放送用スタジオ2室とニュース用など3つのミニスタジオがあります。ラジオ第1放送の番組はほとんどの時間帯、生放送でラジオセンターから送出しています。

番組の送出NHKでは、テレビ5波(総合テレビ、教育テレビ、衛星第1、衛星第2 各々デジタルとアナログあり、及びデジタルハイビジョン)、ラジオ3波(ラジオ第1、ラジオ第2、FM)の合計8メディアを使い、さまざまなジャンルの数多くの番組を視聴者の皆さまにお届けしています。また、地上デジタル放送の携帯・移動体向けサービス『ワンセグ』も送出しています。NHKの番組のほとんどは、渋谷・放送センターにあるTOCから放送しています。

21

主な送出機器

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字幕、データ放送は正常に送出されて

います

サッカーは5時43分まで延伸その後2分間フィラー送出

総合テレビ速報スーパーの準備完了しました

総合テレビ番組をニュースに変更しまーす

BSのサッカー中継「流動」送出しまーす

え!地震!速報スーパーの準備お願い

各局のみなさんサッカーは…

バイパス系のチェックはOKです

総合テレビ番組をニュースに変更です

全体を指揮する人

国会終了後の番組登録を変更している

TD

番組編成責任者

番組送出責任者

編成総括

運行総括

HD-BANK完成登録

TOC

入庫作業

アクセッサ

登録シールを印刷する。

登録シールを貼る。

倉庫・カートの監視

搬送路2式

2m

ロボット

ロボット

6m

14m

コンピューター

1カートにVTR5台

テープが10本入る。1秒に1.6M移動する。

PD

HD-BANK

TOCの主な仕事■番組の送出/TOCでは、テレビ、ラジオ合わせて8メディアの放送およびデータ放送、EPG(電子番組表)、文字放送、緊急ニュースや緊急警報放送を送出しています。■送出設備の運用・管理/TOCの設備は、番組送出切替え装置や制御コンピュータ・VTR・サーバーなどの機器、放送監視装置で構成されており、これらの設備の運用・管理を行っています。■コーディネーション/各地からの番組を全国に放送するため、放送局間を結ぶネットワーク回線を管理します。番組の送出のため、編成、報道、番組セクションと連絡・調整を行います。■放送用テープの管理/放送用のVTRテープや音声テープの管理を行います。

放送番組が収録された1/2インチデジタルカセットテープの再生用に「HD-BANK(バンク)」があります。テープ倉庫部とVTRカート部で構成され、VTRへのテープの出し入れから再生までほとんど無人でおこなうことができます。倉庫部には5,280巻のテープが保管でき、ハイビジョン番組にも対応しています。また、テレビのスポットなど短時間番組用には「短時間番組送出システム」、ラジオ・FM放送用には「オーディオバンク」という2つのサーバーシステムを運用しており、生放送以外はほとんどの音声番組をオーディオバンクから放送しています。今後、長時間のテレビ番組でも、カセットテープからサーバーへ移行していく予定です。