陥入爪とtube sprint
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陥入爪と tube sprint兵庫民医連家庭医療学センター
アドバイザー 守屋章成2011年 6月 20日
なぜ陥入爪が生じるのか陥入爪と巻き爪の違い外科治療と保存的治療保存的治療としての tube sprint
陥入爪のお話
原因は 4箇所にある(複合あり)1. 爪そのもの(爪の形状)
巻き爪2. 爪と軟部組織の形状の相関
爪を巻き込むような軟部組織の発達3. 爪の切り方
※経験的に寄与度が最も高い4. 外力(不適切な外力)
不適切な靴 強い踏み込み動作を繰り返す運動
なぜ陥入爪が生じるのか
よく混同しがち陥入爪
◦先の 4つの原因が元で爪が軟部組織に食い込んで肉芽腫性炎症と疼痛を生ずる状態
巻き爪◦爪が生理的彎曲以上の過度の彎曲・変形を呈している状態◦陥入爪を生じることがしばしば
陥入爪と巻き爪の違い
外科治療◦全抜爪◦部分抜爪
古典的術式 フェノール法
◦でも外科治療は (*´ ・ω ・ )( ・ω ・` *) ネー保存的治療
◦ Tube sprint◦条件が揃えば爪矯正
マチワイヤ, VHO
外科治療と保存的治療
経験的にはかなり有効な保存的治療治療直後から疼痛軽減が得られる用意するもの
◦硝酸銀+生理食塩水◦ 20G翼状針(のチューブ)◦ 4-0~ 5-0ナイロン糸◦ 25G注射針( 12mm?)
滅菌操作不要,抗菌薬不要
保存的治療としての tube sprint
まず爪の切り方と陥入爪の関係
実際には爪の両側は軟部組織内に埋もれて視認できない
上から見た図
爪を切ってみた(不適切な切り方)
お,キレイに切れたぞ
しかーし…
キレテナーイ!~ thornが形成されている
爪の角を斜めに丸く切ろうとするほど立派な thornを作る!
この thornが軟部組織に食い込んで陥入爪を惹起する
しかも肝心の thornは軟部組織に埋もれて視認不可能
どうする?
Thornが原因ならそれを除去しかし視認できない…
除去できないなら覆えば良い
硝酸銀 1-2mmの欠片を肉芽に置く◦摂子で把持したまま押し当てる◦普通肉芽は炎症性の滲出液を伴っているのですぐに化学反応(腐食)を起こす
30秒ぐらいで肉芽が腐食して退縮する◦真っ黒になる◦退縮が不十分なら繰り返す
ある程度退縮したら生理食塩水で中和して反応を止める◦ AgNO3 + 2NaCl → Na2NO3 + AgCl2
その前に肉芽を小さくしましょう
Tubeの加工;20G翼状針20-30mmに切り落とす
縦に切り目を入れる~ちょっとコツがいる
挿入側にベベルを作ると良い
加工した tubeを thornめがけて挿入する
横から見た図
上から見た図
斜めから見た図
正面から見た図
糸を通して固定する~この時25G針を使うと便利
糸で固定 ※ホントは図は間違い,爪の広いところに通す
挿入の実際はブラインド操作抵抗を感じたらそこが thorn Thornを tube端が超えるときが正念場
◦最も痛い瞬間だが,超えれば楽になる超えたらさらに 5mmぐらい深く挿入して糸固定する
爪の切り過ぎでどうしても糸固定するスペースがなければ生体用アロンアルファやペディキュア毎日塗布で◦脱落しやすいので反復処置する
Tube sprintのポイント
脱落しない限りはそのまま数週間放置やがて爪が伸長して, tubeに覆われた thorn部分が軟部組織外へ顔を出す
その thornを患者自身に見せる!その上で適切な爪切り指導→Facebookの守屋のアルバムへ
Tube挿入後