2011 06-20-経営学授業メモ
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2011/06/20 経営学
【今日のなぜ】
今日のテーマ
① 法人格とは<
・元来、法律上、権利・義務の主体となるのは自然人だけであり、人間の集団である団体や企業は
そのままでは、権利・義務の主体とはならない。
・しかし、団体や企業に人間と同じような権利・義務を持たせないと、義務がスムーズに遂行されな
い。
② 株式会社の所有と経営分離を解説してください。
・企業の発展には限界を超え、量的、質的に発展するには出資と経営の双方に関与する協働する
システムが必要なため、出資と経営に加えて支配という要素がはいる。出資者は支配から徐々に遠
ざかり、所有ではなく専門能力を基盤にした専門経営者が支配を掌握する。
インセンティブとモチベーション
授業の目標
1.インセンティブとは何か
2.いかにしたら機能するのか
3.モチベーションとは
4.モチベーションとインセンティブ
5.戦略と組織と個人
経営管理の目的の1つ
・いかにして人間と仕事を管理するか
・とりわけ【人間の管理】が難しい
・人間の仕事に関する関心を高めること
・人間を労働という行為へ喚起させることは重要
//フォーマル組織・・・能率・効率で動いている。
//インフォーマル組織・・・ここが自由に動いている。
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インセンティブ・システム
・組織構造は協働の基本フレーム
・基本フレームだけでは人間は動かない
電車が走るためには、線路+エネルギー
・人々の協働意欲の喚起
人間の難しさ
・モノ → 機械の能力は決まっている
・カネ → 価値は変動しない
カネで買えないものもある
・ヒト → 同じヒトでも意欲次第で 組織への貢献応力が変化
ヒトの心理的エネルギー
ヒトの心理的エネルギーを引き出すのが、組織が与えるインセンティブ
ヒトをコミットさせ、やる気を起こさせる。
// 仕事が楽しくなる。給与・ボーナス、仕事への評価
バーナードの「経営者の役割」では
組織のエネルギー源は、人々の個人的努力であり、人が組織に自分の努力を提供するのはインセンティ
ブの故である。
どのような組織も十分なインセンティブを与えられるかどうかに、組織存続が疑われる。
個人のモチベーション
インセンティブ(誘因)とは、達成意欲を引き起こす源泉となるもの。
個人の欲求を刺激して
個人のモチベーション(動機づけ)を高めるのがインセンティブ(組織から与える)
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何を求める<
・人はどのような欲求を持っているのか<
・人は組織に何を求めるのか<
・組織はどのようなインセンティブを与えられるのか<
マズローの欲求五段階説(資料 P.230)
マクレガーの X理論(怠け者)・Y理論(働き者)
(資料 P.207)
X理論:人間は生来怠け者
Y理論:人間は生来働き者
古今東西 人間は同じ
衣食足りて礼節を知る /// これは余計www
組織の求めるもの
・5つの欲求すべてを企業が満たすこともないし、人間も求めていない
・組織は「経済活動の場」、「社会生活の場」
・組織は「収入を得る場」、「仕事をする場」、「人間関係を持つ場」
・生理的欲求:収入
・安全欲求:雇用の保証、仕事上の安全
・愛情欲求:仲間との連携、仲間を欲する
・尊厳欲求:自分の仕事で成果を上げたい。自由に仕事がしたい。仕事をする実感を持ちたい。意義
のある仕事に意欲を持つ。
・自己実現:仕事の面白さ、自己の実現。
インセンティブ・システム
・人間は組織に様々なものを求める。
・カネ・仲間・名誉・権力・地位・情報・仕事の面白さ・・・・・・・
・カネではない側面の重視、カネはすぐに慣れる、でも重要
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なぜインセンティブ・システムが必要か
・従業員の組織に対するコミットメントを決定
↓
それが企業における優秀な人材の確保
↓
企業業績の向上
組織が与えるインセンティブ
経営をする側からみると
・物質的インセンティブ
金銭的報酬、モノやカネを分け与える
・評価的インセンティブ
組織内の人の行動を評価する
評価が人の社会的認知度を高める。
組織が与えるインセンティブ2
・人的インセンティブ
職場の人々の人間的魅力・リーダーの人格・人間的魅力
仲間の居心地のよさ //働きやすい→長続きしない
・理想的インセンティブ
理想や価値を達成意欲の源泉とする
// 自分の理想形と非常に近しい形で達成できるもの
組織が与えるインセンティブ3
・自己実現インセンティブ
仕事の達成やそれ以外の組織への貢献に対して自分自身で満足感を得られるような状況作り。
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見えやすい・見えにくいインセンティブ
・組織での基本は
物質的インセンティブと評価的インセンティブ
仕事の成果の評価と報奨・・・見える
人事評価制度、賃金制度
業績評価と人事評価
典型的な物的なもの
・営業インセンティブ制度
・特別賞与制度’年度末に一般の賞与とは別に支払われる)
・成果配分制度(企業全体または部門ごと)
・長期インセンティブ制度(ストックオプションなど)
これまでの日本の企業では
終身雇用制、年功制度によって内部の人的資源が最も重視された。
↓
従業員が長期にわたってその会社の内部に留まり、昇進してには様々なインセンティブが用意されなけれ
ばならない。
↓
それが幹部昇進へのキャリアパスであり、年功賃金制であった。
まとめ
・インセンティブ・システムは多様である
・多様なインセンティブ・システムの中心は評価・推奨制度であることが多い・
// 本来、動機と意欲は区分して考えるべき。
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モチベーションの代表的要素
・「金銭的動機」
・「社会的動機」
組織の中で社会生活を営み、その中で注目や評価を受け、権力を得たいという欲求から生じる。
・「自己実現動機」
自己を成長させたい、社会的使命感を満たしたいという欲求から生じる。
ハーズバーグの衛生理論 (資料 P.231)
・人間の動機づけに関し、
不快を回避したいという欲求
と
精神心的に成長したいという欲求
とは
異質の者であり、別の要因で満たされるという仮説から研究された。
ハーズバーグ
・組織が与えるインセンティブを自己成長させたいという人間の満足に関する要因(動機づけ)と
欠落して初めて不満を感じる要因(衛生要因)に分けているところが特徴。
マズロー(五段階欲求説)とハーズバーグ(二要因説)
マズローの「人間の基本的欲求を明らかにする」主張に対し
ハーズバーグは「職務を通じてどのような欲求が充足されるか」を主張
クリス・アージェリスの管理論
・人間は自己実現欲求を満たすべく行動する存在であり、企業はこの人間の自己実現欲求に関心を払
う必要がある。
・職務拡大
・参加型リーダーシップ
↑
リーダーシップやインセンティブへ
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戦略による個人への働きかけ
・組織のマネジメント → 業務活動
学習
↑
働きかけ
働きかけの成功要因
目的・情報・思考様式・感情への働きかけ
戦略による個人への働きかけ2
・戦略の伝達は部下の情報の認識や思考様式に影響を与える。
戦略による個人への働きかけ3
戦略を理解 →
自分たちの仕事を理解 →
ターゲットセグメントのクレイムは重要と理解 →
何を自分がすればよいか考えるという思考様式が生まれる。
目標の高さ
・地域でトップの信頼を得よう
・地域のためには目先の利益にならなくても行おう
↓
職員の感情の有り様に直接影響させる。
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リーダーシップへの着目
リーダーシップとは「組織の目的を達成するための機能」
リーダーとは「組織の目的を達成するアカウンタビリティ(説明責任)を負うヒト」
優れたリーダーとは<
先人、賢人、先哲らはリーダーシップを語ってきた。
愚帝、暗君、暴君らは「反面教師」としてリーダーシップを語ってきた。
リーダーシップとは何か<
・人を統率する力
統率とは何か<
ある人が持っている「何か」の特性
・人の集団を率いていくための中心的役割の何か
統率の2つの意味
・他人をして、その人についていこうと思わせる力
・多くのヒトをまとめ上げる力
↑
そのヒトのいう事を聞くから始まる
リーダーという地位は存在する
・人が付いてこようが、嫌がろうが組織にはリーダーというポジションはある。
社長―部長―課長―――集団のリーダーである。
・組織の中の集団にはリーダーシップの有無にかかわらず、リーダーは存在する。
// 資質を持っているかは別
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外へ・内への顔
・組織を代表して外の世界へ働きかける役割
・組織や部門を代表して利害関係を主張する。同時に外界からの意見や批判を真摯に受け止め行動
する。
・発言し、行動し、外界との良好な関係を作る。
・外部との関係、内部での他部門との関係を調整する。
下向きの顔
・集団がなすべき仕事を実際に遂行できるように集団についてきてもらい、集団をまとめていくこと。
・仕事の遂行
・集団の維持
・仕事と集団の改革
リーダーへの期待:仕事を成し遂げること
・集団の基本的な任務、役割、目標を決定
・価値。行動規範を設定
・仕事の仕方を指示
・集団、部下を動機付ける
・集団、部下の仕事の結果を評価し、適切な行動をとる。
組織は仕事の場だけではない
・仕事の場
・社会的相互作用の場
・集団の学習を促進させる、教育する
・社会的な相互作用の場としての集団を維持
その人に付いて行くか、行かないか<
・人そのものの個人的人格的特性
・その人の個人としての行動
・その人の立場
人間的意味が強い
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リーダーシップの源泉
「人が付いてくる」ことが本質
「ついていくヒトたち」が決めること
ついていく人たちが、リーダーを受け入れるからこそリーダシップが発揮される。
パワーの源泉
・報奨を与える力
・懲罰を与える力
・判断への信頼感
・個人としての魅力:人間的に力・人格・思いやり・共通性・過去の恩義
・正当性
リーダーとしての信頼の醸成
・広い視野
・深い思考
・筋の通った決断
・ぶれない判断
・謙虚な態度(髙橋教授のお言葉)
・優れた実行力
リッカートのリーダーシップ論 (参考資料 P.208)
・仮説:組織のメンバに対して、友好的、支持的な監督者の方がそうでない監督者よりも有効であると
考えた。
・組織における管理システム
―独善的専制型(おれに付いてこい)
―温情的専制型(会社は家庭だ、俺は父と思え、オマエはうちの子供だ、いう事聞け)
-相談型(ウケはいいが、まとまりにくい、みんなで決めました=ほど無責任はない)
-集団参加型
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相談型が有効
(下から上へ何でも相談。上から相談するべからず。しかしリッカートの時代だが、基本的にこういうタイプ
は変わらない)
・指示的関係の原則
・集団型意思決定と管理
・高い業績目標
・上司に対する好意的態度
・高い信用と信頼
・高い相互影響力
・効果的コミュニケーション
・高い集団帰属意識
リーダーの役割
・組織内で 上位組織と下位組織との連結薬
Linking Pin (連結ピン)の役割の重要性を指摘
// 組織はサブシステムからまとまって出来ている。中間管理職は連結ピンであると考えたのはリッカート。
適材適所
なぜ必要<
ヒトと仕事のマッチング
↓
仕事の効率
意思決定の有効性
その仕事に不向きない人
と
得意(能力、適性)なヒト
// 営業得意だけど会計・経理に不向きなヒト