chukyohospnews no54

8
今「楢山節考」に 想うこと 事務部長 森田克徳 発行 平成28年4月 No.54 4 6月号 発行:独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院 名古屋市南区三条1110 払いお年寄りを大切にし命を最も尊ぶ日本人でありたい と思う。 「棄老」と言えば、楢山節考の時代背景と全く異なる現 代社会においても、老人ホームなどに親を入所させること を棄老的にとらえて罪悪感を持つ子、入所させられたこと を子に捨てられたと感じる親、少なからずそうした親、子 がいることは否めません。これらの状況がない社会であ ることが望まれます。 住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで 続けることができるように地域において医療、介護、予防、 住まい、生活支援サービスが切れ目なく提供される機能が 地域包括ケアシステムです。自宅やサービス付き高齢者向 け住宅に住まい、医療が必要な時には病院へ行き、介護 が必要な時には介護施設へ通所や入所し、いつまでも元 気に暮らすために老人クラブや自治会で集うことなどが 地域の自主性や主体性に基づき地域の特性に応じて構築 されていきます。 中京病院は高度急性期の医療機能を主に担いますが、地 域包括ケアシステム機能への貢献にも務めてまいります。 地域社会が辰平やおりんのような心をもった人で溢れるこ とを願いつつ。 神奈川県川崎市の老人ホームで職員が入所者をベランダ から突き落とし死亡させるという痛ましくあってはならな い事件が起きた。 「ご老人を突き落す」?!?……「「おっかあ、ふんとに 雪が降ったなぁ」と叫び終わった辰平がおりんを残し脱兎 のごとく山を駆け下り七谷の上のところまで来たとき、隣 の銭屋の倅が荒縄で雁字がらみに縛られた70歳の父親を 谷へ突き落としていた。」……楢山節考の一節を思い出し た。家族愛に溢れる辰平とおりんとは真逆の銭屋の倅と 父親。貧しい山村で家族が生き残るための究極の選択の 棄老であるが、それにしても銭屋の倅は何と惨い人間か と思ったものだった。老人ホームの職員の所業はこの銭 屋の倅よりも酷いものであろう。誰もが年上には敬意を 平成28年度新臨床研修医 1 中京病院ニュース

Upload: no-name-yet

Post on 11-Jan-2017

113 views

Category:

Healthcare


8 download

TRANSCRIPT

Page 1: Chukyohospnews no54

今「楢山節考」に想うこと

事務部長 森 田 克 徳

発行 平成28年4月発行 平成28年4月

No.544~6月号発行:独立行政法人地域医療機能推進機構 中京病院 名古屋市南区三条1-1-10発行:独立行政法人地域医療機能推進機構 中京病院 名古屋市南区三条1-1-10

払いお年寄りを大切にし命を最も尊ぶ日本人でありたいと思う。 「棄老」と言えば、楢山節考の時代背景と全く異なる現代社会においても、老人ホームなどに親を入所させることを棄老的にとらえて罪悪感を持つ子、入所させられたことを子に捨てられたと感じる親、少なからずそうした親、子がいることは否めません。これらの状況がない社会であることが望まれます。 住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるように地域において医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが切れ目なく提供される機能が地域包括ケアシステムです。自宅やサービス付き高齢者向け住宅に住まい、医療が必要な時には病院へ行き、介護が必要な時には介護施設へ通所や入所し、いつまでも元気に暮らすために老人クラブや自治会で集うことなどが地域の自主性や主体性に基づき地域の特性に応じて構築されていきます。 中京病院は高度急性期の医療機能を主に担いますが、地域包括ケアシステム機能への貢献にも務めてまいります。地域社会が辰平やおりんのような心をもった人で溢れることを願いつつ。

 神奈川県川崎市の老人ホームで職員が入所者をベランダから突き落とし死亡させるという痛ましくあってはならない事件が起きた。 「ご老人を突き落す」?!?……「「おっかあ、ふんとに雪が降ったなぁ」と叫び終わった辰平がおりんを残し脱兎のごとく山を駆け下り七谷の上のところまで来たとき、隣の銭屋の倅が荒縄で雁字がらみに縛られた70歳の父親を谷へ突き落としていた。」……楢山節考の一節を思い出した。家族愛に溢れる辰平とおりんとは真逆の銭屋の倅と父親。貧しい山村で家族が生き残るための究極の選択の棄老であるが、それにしても銭屋の倅は何と惨い人間かと思ったものだった。老人ホームの職員の所業はこの銭屋の倅よりも酷いものであろう。誰もが年上には敬意を

平成28年度新臨床研修医

1中京病院ニュース

Page 2: Chukyohospnews no54

 また、がん看護専門看護師は病状や治療方針など伝えら

れた後に生じる、衝撃や様々な不安、気持ちのつらさに対

して、話を聴かせて頂き、患者さんの心の悩みに応じた解

決策を一緒に考えていくための面談も保険診療で行なって

います。

 状況によってはすぐに答えが出せない事もありますが、

その様な時にも共に考え、解決の糸口を見つけながら患者

さんが納得のできる支援が行える事を大切にしていきたい

と考えています。

 がん看護専門看護師とは、大学院終了後 日本看護協会

専門看護師認定審査に合格し、がん看護分野において「卓

越した看護実践能力を有することを認められた者」とされ

ています。がん看護専門看護師は、がん患者の身体的・精

神的な苦痛を理解し、患者さんとその家族に対して『生

活の質』の視点に立った水準の高い看護を提供すること

を特徴としています。当院には2名のがん看護専門看護師

が在籍し、1人は『がん化学療法看護』を、もう1人は

『緩和ケア』を専門として活動しています。

 私達が対応するがん患者さんとご家族には、闘病過程の

中で治療に関する事、生活や就業、療養の場の選択など、

様々な課題と向き合いながら意思決定をしていく場面があ

ります。私達は、医師からの治療方針や病状説明が行なわ

れる際に可能な限り同席し、必要時には面談を行ないな

がら患者さんやご家族が現状を理解できるようサポート

し意思決定支援を行なっています。

がん看護専門の看護師との面談 がん看護専門看護師 中村 啓子

がん看護専門看護師 緩和ケアチーム:酒井幸子 外来化学療法室:中村啓子

専門看護師のバッチです。専門看護師は、名札に付けています。

2 中京病院ニュース

Page 3: Chukyohospnews no54

待ち時間

施設整備等

医師

看護師

リハビリ

薬剤師

検査技師

放射線技師

受付事務員

会計事務員

清掃員

療養生活の支援

病院全体の満足度

当院を利用したい

当院を紹介したい

入院環境

食事

施設整備等

医師

看護師

リハビリ

薬剤師

検査技師

放射線技師

病棟事務員

清掃員

療養生活の支援

病院全体の満足度

当院を利用したい

当院を紹介したい

病棟の照明

病棟の騒音

病棟の臭い

病室の清潔さ

病室内の温度・湿度

病衣の料金・交換

浴室・シャワー

トイレ・洗面所

面会室(談話室)

面会時間

消灯時間

案内表示や情報の掲示

診察室

外来全体(待合廊下)

検査室

トイレ

売店・食堂

交通の便利さ

駐車場の使いやすさ

会計の流れ

1 2 3 4 5

1 2 3 4 5 1 2 3 4 5

1 2 3 4 5

 平成27年11月に全国の独立行政法人地域医療機能推進機構57病院で行われました患者満足度調査の結果を報告させて頂きます。中京病院は、全国平均を殆どの項目で上回っていましたが、待ち時間や食事、設備面等で下回った項目もありさらにより良い病院となるように改善に努力してまいります。

平成27年度 患者満足度調査 総務企画課長 井澤 廣俊

外 ●調査実施日/平成27年11月11日㈬●中 京 病 院/配布枚数:  975枚  回答数:  673枚  回収率:69.0%●全国57病院/配布枚数:16,888枚  回答数:12,987枚  回収率:76.9%

●調査実施日/平成27年11月8日㈪~11月20日㈮●中 京 病 院/配布枚数: 490枚  回答数: 338枚  回収率:68.7%●全国57病院/配布枚数:8,148枚  回答数:6,127枚  回収率:75.2%

入 院

5:満足    4:やや満足  3:どちらでもない2:やや不満  1:不満   の5段階評価

:中京病院:全国57病院

:中京病院:全国57病院

5:満足    4:やや満足  3:どちらでもない2:やや不満  1:不満   の5段階評価

3中京病院ニュース

Page 4: Chukyohospnews no54

 中等症(黄)救護所は生命に危険はないものの、足を骨折していたりして歩くことができない傷病者の診察と応急処置がおこなわれます。初期評価で重症ではなくても、のちに急変する可能性がある傷病者が含まれているため、注意深い診察が必要になります。泌尿器科の佐野医師と18病棟の髙橋看護師が中等症救護所のリーダーをつとめました。 軽症(緑)救護所はトリアージの段階で歩行可能な傷病者の診察と応急処置が行われます。中等症救護所と同様、のちに急変する可能性のある傷病者が潜んでいる可能性があります。皮膚科の河村医師と放射線部の早川看護師が軽症救護所のリーダーをつとめました。 当院は津波の際の一時避難所に指定されており、多数の避難民が駆け込むことが想定されます。 今回はじめての試みとなりましたが、講堂に避難所を設置しました。ケガは負ってなくても、大きな不安を抱えた避難民たちの相談にのることも必要になります。34病棟の竹内看護師が避難所のリーダーをつとめました。 各救護所の状況はトランシーバーなどによる院内連絡により本部で把握します。本部医療指揮長をつとめた上山救急部長の指揮のもと、転送順位の決定などがなされました。当院を支援する立場で、陶生病院(瀬戸市)の災害医療チームとごうクリニック院長の伊藤先生をはじめとする南区医師会の先生方も訓練に参加していただきました。 また、中京看護学校の看護学生たちが傷病者役を演じてくれました。 通常診療も行われるなかでの短時間の訓練のため、さまざまな制約がありましたが、訓練前の事前学習会により、多くの職員が災害医療についての知識を得る機会をもつことでカバーしました。 平時だけでなく、災害時においても、地域の皆様の頼りにされるよう、今後も訓練を継続していきます。 見学にいらしていただいた多数の方々にはこの場を借りて深く御礼申し上げます。

 甚大な被害をもたらした東日本大震災から5年が経ちました。 中京病院は海抜ゼロメートル地帯に位置し、南海トラフ地震にともなう大きな被害が予想されるため、毎年災害訓練を実施しています。 2月17日午後1時に震度6強の地震が発生し、1時間後の津波襲来により病院1階部分が浸水する想定で訓練が行われました。 地震発生とともに、絹川院長による院内一斉放送が流れ、ただちに災害対策本部が立ち上がりました。本部は院内の被災状況を把握し、国や県と通信しながら対策を講じます。災害時は通常の電話回線が使用できなくなるため、病院屋上には衛星回線のアンテナが設置され、外部との通信がおこなわれます。 津波が襲来するまでの1時間のあいだに、多数の傷病者や避難民が病院に押しよせることが予想されるため、各診療科医師、各病棟看護師、および事務職員たちを中心とした災害対策メンバーが本部に召集され、役割分担が行われました。 災害時は限られた人・モノ・場所のなかで、最大限の救命をすることが最も重要です。そのためには、多数の疾病者の重症度をすばやく見極め、治療の優先順位をつける必要があります。 傷病者の歩行可否、呼吸、循環、意識の状態を迅速に観察し、重症かどうかの評価を行います。これを「トリアージ」といいます。糖尿病内分泌内科の川口医師と35病棟の山口看護師をリーダーとしたトリアージがおこなわれました。 院内には重症度別の救護所が設置されました。 重症(赤)救護所は生命が脅かされている傷病者の診察と応急処置がおこなわれます。また、院内の重症入院患者への対応も求められます。 当院で治療を完結できない場合は、被災していない地域の病院への転送が必要になることもあり、救護所内でさらなる順位付けをしなければなりません。脳神経外科の伊藤医師と33病棟の太田看護師が重症救護所のリーダーをつとめました。

災害訓練を実施しました 救急科医長 黒木 雄一

4 中京病院ニュース

Page 5: Chukyohospnews no54

どたくさんのご感想をいただきました。出演者が思いもよらないところで笑いがおこったり、拍手をいただいたりでスタッフも大いに楽しませていただきました。また病気や治療については私たち医療者にとって当たり前のことも、地域住民の方には馴染みのないことが多いので、「分かりやすく伝える事」の重要性を再認識しました。 中京病院は病気になっても安心して治療を受けることができる医療機関として、地域の皆さんに寄り添って歩み、一人ひとりの「幸せ」に繋がる医療の提供を大切にしてきました。超高齢社会となり、病院だけでは解決できない問題も増えましたが、「地域とともに生きる病院」であるように努力を続けます。医療は病院と医療を受ける皆様の協力関係のもとに成り立っています。地域住民の皆さんには改めてご自身・ご家族の健康や地域の医療に対して関心を持っていただき、皆さんと中京病院の協力のもとにより良い医療の受けられる地域づくりを目指せたらと思っています。そんな思いから生まれた「中京病院“出張”すこやか教室」はこれからも様々なテーマを楽しく学べる場として開催していく予定です。今後もたくさんの皆様のご参加をお待ちしております。

 中京病院は、2014年4月より独立行政法人・地域医療機能推進機構・中京病院として再出発をいたしました。長い名称なので英語名の頭文字をとってJCHO中京病院とよんでいただくのが良いと思います。さてJCHO中京病院と名前は変わりましたが、皆様から信頼される地域の中核病院としての役割を果たすことが私たちの重要な使命であることに変わりはありません。しかし、病院で患者さんを診療するだけではなく、地域の皆様のもとに出張して医療情報を分かりやすく説明したり、最新の治療法を紹介するなどして、地域の皆様とのつながりを強めることが大切であると考えています。その手始めとして、2016年3月5日㈯に南区役所講堂をお借りして、市民公開講座:第1回中京病院“出張”すこやか教室を開催しました。たくさんの地域の皆様のご協力と暖かな陽気に恵まれ、約190名の地域住民の方にご参加いただきました。 第1回のテーマは「楽しく学ぼう!嚥下障害 ~おいしく食べて、はつらつ毎日~」とし、前半の当院医師による講演と後半の「参加者体験型学習」の2本立てで行いました。 講演では脳卒中により嚥下障害がおこる事、日々の健康への注意により脳卒中の予防はある程度可能であり、それがおいしく食べ続ける事にもつながる事、嚥下障害の症状とその専門的な評価方法(嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査、いずれも中京病院で実施可能)などをご紹介しました。後半の「参加者体験型学習」では寸劇をとおして、「誤嚥性肺炎の発症から入院、そして治療とリハビリテーションから退院まで」を分かりやすくご覧いただけたと思います。寸劇の途中では、嚥下機能のスクリーニング検査(反復唾液嚥下テスト:30秒で何回唾液を飲み込めるか)などを参加者の皆さんにも体験していただきました。 寸劇は、講演で聞くだけでは分かりにくい部分を楽しみながら学んでいただくことを目的として、中京病院の医師・看護師・各専門職のスタッフが、患者さんとその家族を演じました。「誤嚥性肺炎の症状は? リハビリテーションはどんなことをするの? 退院後に気をつけることは?」などについて名古屋弁をまじえたセリフで演じ、聴衆の皆さんに共感していただきながら、分かりやすく伝えるように工夫をしました。 ご参加いただいた方からは、楽しかった、分かりやすかった、心当たりのあることもあった、次回も参加したいな

柴田 元博・萩野 未沙

「市民公開講座:第1回中京病院  “出張”すこやか教室」を開催して 

5中京病院ニュース

Page 6: Chukyohospnews no54

どと専門性をうたって差別化をはかっている施設もあります。それぞれの特徴は診療所の看板やホームページで標榜されている場合もありますが、患者さんが自分に必要とする医療を受けることができるかを調べることは難しいかもしれません。法律上、病院が特定の営利に基づいて特定の施設をあっせんすることは出来ませんが、その一方患者さんやサポートされる御家族の自宅住所や病状、生活環境などから、適する診療所の情報をリストアップして御提供することはできます。当院の一階玄関入って右の「地域医療連携・相談室」では、入院中の退院調整などとともに、「病診連携システム」の一環としてこうした情報提供をおこなっています。 当院は南区を中心に近隣の開業医の先生方、小規模な病院・診療所、あるいは老人保健施設やサービス付き高齢者住宅などと連携しております。ぜひ「地域医療連携・相談室」と「病診連携システム」を利用していただき、当院からの紹介先医院・クリニックが決まれば主治医からその施設宛に診療情報提供書を準備いたします。もちろん情報提供して御紹介した後も、病状に応じて必要があれば定期的な当院での画像診断や経過観察などでサポートさせていただくこともできます。その際は前述したように「かかりつけ医」から普段の状況について情報提供(紹介状)をいただければ「初診時の選定療養費」などには当たりませんし、さらに「かかりつけ医」から「病診連携システム」を通じて予約をしていただければ、予約時間の設定もでき、待ち時間をより少なくすることができます。

③おくすり手帳を作りましょう、持参しましょう 超高齢化に伴い一人の患者さんにおける併存疾患が多くなり、何種類かのお薬を、場合によっては複数の医療機関から処方されていることが多くなってきました。現在は院外処方が中心で、処方箋の一部がシールになり、いわゆる「おくすり手帳」にまとめられることも多いようです。御自分で、あるいは御家族の方がお作りになっても結構です。ともかく現在どんな薬をのんでいるかを把握することが大切です。 当院を御紹介いただき受診する際にも、持病や疾患の有無を把握し、治療薬ののみ合わせの問題がないかを確認する手段としてこの手帳は大変重要です。せっかく作ってあるのに持参されない方もいらっしゃいますが、以上のように診断・治療の際には大切な情報ですので、病院受診時には診察券とともに必ず持参するようにしてください。

 年度も改まり保険診療制度の内容に変更・改定がなされました。この機会に病を患う方、あるいはそのご家族が、当院やお近くの診療所などを受診する際の、3つのポイントについてお話したいと思います。これは医療を維持するためにも大切な3つのポイントであり、医療を受ける側である患者さんと、提供する側である病院のお互いにメリットがあります。

①かかりつけ医を持ちましょう 現在のわが国の医療システムは健康保険証さえあれば、症状の程度に関係なく個人の判断で大きな病院を受診することができます。しかしそのために大きな病院では、軽症の方も含めた患者数の増加に伴い、重症患者などに対する診療行為に専念できず、本来果たすべき機能が発揮しにくい状況が起きてしまいます。 国は直面する少子高齢化社会で高騰する国民医療費の適正化と国民健康保険の財政基盤の強化などを図るために、それぞれの地域で医療機能の分化・連携と地域包括ケアシステムの構築を進めています。そのひとつの策として「初診時の選定療養費」(=紹介状なしで大きな病院を受診する場合などの定額負担)の導入がすすめられることとなりました。「平成28年度からは紹介状なしで特定機能病院及び500床以上の病院を受診する場合などには、選定療養として、初診時又は再診時に原則的に定額負担を患者に求めることとする。」つまり、紹介状を持たないで大きな病院を受診する場合、窓口での一部負担金に追加して、定額負担(5,000円以上)の徴収が義務化されました。 この方針の背景には、症状の軽い方はまずお近くの「かかりつけ医」を受診し、そこで専門性を要すると判断された場合、当院のような大きな病院へ紹介をしていただく形をすすめて前述の機能分化を図る狙いがあります。また症状が安定したのち、専門的な治療は不要となるものの内服治療が必要である方や、在宅医療を希望される方などは、「かかりつけ医」に御紹介(逆紹介と言います)し、診療を継続していただきます。もちろん、「かかりつけ医」と呼べる医師がいらっしゃらない患者さんの場合に、御自分で探すことは大変困難な事かもしれません。そうした場合、次に述べる「地域医療連携・相談室」と「病診連携システム」を御活用いただければと思います。

②病診連携システムを活用しましょう 最近は開業医の先生や診療所でも専門化、多様化が進んで、例えば内視鏡が得意であるとか、糖尿病を中心に、な

病院のかかり方中京病院の主張WG 文責:長谷川

中京病院の主張

6 中京病院ニュース

Page 7: Chukyohospnews no54

各科診療担当表 ●担当医が変更となる場合もあります。各外来受付にご確認いただくか、 当院のホームページをご覧下さい。http://www.chukyo.jcho.go.jp

神 経 内 科( 第 一 )

       ( 第 二 )

消化器内科(第一)

     (第二)

   ( 午 後・第 三 )

循環器内科(第一)

     (第二)

     (午後)

呼吸器内科(第一)

     (第二)

禁 煙 外 来

緩 和 ケ ア 外 来

内分泌・糖尿病内科(第一)

        (第二)

糖尿病センター外来(午前)

甲状腺外来(午後)

血 液 ・ 腫 瘍 内 科

総合診療科(第一)

     (第二)

第 一

第 二

第 三

午 後 特 殊 外 来

腎臓病センター外来小児(午前)

腎臓病センター外来小児(午後)

     (午前)

     (午後)

第 一

第 二

第 三

女性外来(完全予約制)(午後)

第 一

特殊外来(低髄液圧)

第 二

第 三

第 一

第 一( 初 診 )

第 二(予 診・再 診)

第 三(初診・初再診)

膠原病・リウマチセンター外来

手 の 外 科 外 来

第 一

     (午後)

第   二(午後)

第 一

第 二

第      三

吉田俊一

陸 重雄

高口裕規

佐々木槙子

加藤寛之

鶴見尚樹

加田賢治

野﨑裕広

野田和司

片岡祐子

川口頌平

片岡祐子

林 正幸

白幡瑞穂

露木幹人

柴田雄介

柴田元博

宮地悠江

宮地悠江

大橋直樹

大橋直樹

澤崎直規

鳥居直矢

渋谷正人

池田 公

佐々木博勇

小坂井基史

紀平大介

馬渕まりえ

水島秀幸

水島秀幸

小寺雅也

稲坂 優

河村実穂

小寺雅也

樋口慎一

 

木村 亨

木村 亨

小松智徳

小松智徳

絹川常郎

 

辻 克和

立枩良崇

葛谷明彦

青山 功

( 午 後 )

齊藤調子

堀川麻衣

岡本知光

浅野 亮

佐伯忠賜朗

加賀達志

交 代 制

網膜・硝子体

代 務

稲垣憲彦

伊藤俊裕

綾川志保

小川靖貴

 

高木信哉

 

佐藤朋子

 

服部行紀

 

服部行紀

藤城健一郎

鈴木健吾

菅田亮太郎

井上裕介

長谷川 泉

坪井直哉

龍華祥雄

玄 崇永

交 代 制

吉本鉄介

立川和重

山川文子

林 正幸

大野稔人

半田克成

多代篤史

岩田誠子

多代篤史

大森大輔

松田眞佐男

小林真一郎

伊藤元一

竹本将也

野中利通

澤田英良

日高慧貴

安間英毅

安間英毅

午後・水島秀幸

臼田俊和

伊藤有美

田中義人

辻 克和

鶴田勝久

佐野優太

加藤 隆

佐藤元美

三浦裕子

渡邊達昭

三浦裕子

岡本知光

長井佐知

齊藤調子

横山 翔

高木麻里

交 代 制

緑 内 障

交 代 制

津久井 丹

伊藤俊裕

小川靖貴

綾川志保

高木信哉

交 代 制

服部行紀

下山芳江

服部行紀

服部行紀

鈴木健吾

吉田俊一

井上智司

長谷川 泉

戸川昭三

村上 央

坪井直哉

岡田卓也

野﨑裕広

福島 曜

山川文子

林 正幸

山川文子

山口哲士

玉腰大悟

柴田雄介

柴田元博

山森一輝

山森一輝

吉田修一朗

林 英司

塚原哲夫

午前・森山瑞紀

交 代 制

勝又次夫

交 代 制

代 務

森 俊輔

馬渕まりえ

紀平大介

安間英毅

交 代 制

浅野元志

小寺雅也

伊藤有美

交 代 制

岩田洋平

小寺雅也

樋口慎一

須藤大雅

絹川常郎

絹川常郎

鶴田勝久

鶴田勝久

石川智啓

武田有記

橋本悠作

青山 功

青山 功

( 午 後 )

堀川麻衣

可世木 聡

長井佐知

松田泰輔

森 俊男

交 代 制

横山 翔

代 務

津久井 丹

伊藤俊裕

交 代 制

戸田芙美

阿部友亮

服部行紀

佐藤朋子

原 一夫

服部行紀

小野田 統

藤城健一郎

戸川昭三

金子 望

加田賢治

村上 央

柴田知之

福島 曜

山本雅美

川口頌平

片岡祐子

川口頌平

立川和重

大野稔人

田代 温

宮地悠江

岩田誠子

小児腎臓

宮地悠江

多代/宮地

谷村葉子

寺境宏介

松下雅樹

水島秀幸

安間英毅

安間英毅

水島秀幸

浅野元志

小寺雅也

伊藤有美

田中義人

富田早紀

小松智徳

小松智徳

佐野優太

佐野優太

武田有記

橋本悠作

葛谷明彦

青山 功

( 午 後 )

齊藤調子

長井佐知

可世木聡

加賀達志

交 代 制

交 代 制

交 代 制

稲垣憲彦

伊藤俊裕

綾川志保

小川靖貴

戸田芙美

木下弘幸

交 代 制

服部行紀

服部行紀

服部行紀

齋木絢加

交 代 制

飛鳥井香紀

杉村直美

岡田卓也

吉田雅博

加藤さや佳

西脇敬祐

龍華祥雄

山本雅美

林 正幸

山川文子

林 正幸

片岡祐子

山口哲士

乙竹 聡

柴田雄介

多代篤史

山森一輝

多代篤史

西川 浩

西川 浩

伊東悠子

午前・堀澤七恵

前田憲幸

中野瑞生

大沢拓哉

日高慧貴

馬渕まりえ

澤田英良

稲坂 優

河村実穂

午後・小寺雅也

代 務

辻 克和

辻 克和

木村 亨

木村 亨

加藤 隆

辻 克和

佐藤元美

三浦裕子

立枩良崇

立枩良崇

岡本知光

可世木 聡

堀川麻衣

長谷川亜里

横山吉美

津久井真紀子

交 代 制

代 務

齋藤 研

伊藤俊裕

小川靖貴

綾川志保

木下弘幸

佐藤朋子

浅井昌美

佐藤朋子

佐藤朋子

午 後 特 殊 外 来

膠原病・リウマチセンター外来

第 一

第 二

第 一( 奇 数 週 )

   ( 偶 数 週 )

第 二( 奇 数 週 )

   ( 偶 数 週 )

第 三

第 一

第 二

移 植 外 来

シ ャ ン ト 外 来

腎臓病センター外来

C A P D 外 来

第 一

第 二

妊 婦 外 来

第 一

第 二

第 三

第 四

特 殊 外 来

病 診 予 約

予 約 外

予 約

診 断・IVR( 予 約 )

治 療( 予 約 )午 前

治 療( 予 約 )午 後

装 具 外 来( 予 約 )

嚥 下 外 来( 予 約 )

第 一

第 二

第 三

午 後 特 殊 外 来

組 織 診( 午 前 )

組 織 診( 午 後 )

切 り 出 し

月 火 水 木 金 月 火 水 木 金

午 後 特 殊 外 来 ・骨粗鬆症外来(予約制)

小 線 源 治 療 外 来( 第1週 を 除く午 後 )

小 児 特 殊 外 来( 午 後 偶 数 週 )

加 藤 友 也余 語 美 奈

ペースメーカー外来第1・2・4週

小 児 神 経夏 目   淳

予 防 接 種交 代 制

予 防 接 種交 代 制

予 防 接 種交代制(奇数週)

成人先天性心疾患交 代 制

アブレーション外来大 橋 直 樹

午前 澤崎直規午後 林 英司

1・4・7・10月ペースメーカー外 来(月に2日)

アレルギー柴 田 元 博

1ヶ月 健 診交 代 制

光 線 外 来交 代 制

ア ザ 外 来臼 田 俊 和

光 線 外 来交 代 制

光 線 外 来交 代 制

光 線 外 来交 代 制

光 線 外 来交 代 制

2 ・ 4 週 小 島 隆 司

2 ・ 4 週原   修 哉

予 約 制青 山   功

形 成 眼 科星 野 彰 宏

網 膜 ・硝子体斜視

形 成 眼 科田 邊 吉 彦

初 診木 下 弘 幸

初 診高 木 信 哉

初 診高 木 信 哉

初 診浅 野 元 志

初 診阿 部 友 亮

初 診阿 部 友 亮

形 成 眼 科田 邊 吉 彦白 内 障長谷川亜里

形 成 眼 科星 野角・結膜・白内障加 賀 達 志

網膜・硝子体斜 視白 内 障松 田 泰 輔

角 ・ 結 膜白 内 障横 山   翔

網 膜 ・硝 子 体・緑 内 障

予 防 接 種交 代 制

奇数週 池田偶数週 交代制奇数週 佐々木偶数週 池田

奇数週 櫻井 一偶数週 櫻井寛久

内 科

小 児 科

小 児循環器科

外 科

脳 神 経外 科

整形外科

精 神心 療 科

皮 膚 科

皮 膚 科

形成外科

泌尿器科

腎臓内科

産婦人科

眼 科

耳 鼻咽 喉 科

放射線科

リハビリテーション科

歯科口腔外 科

臨 床病 理 科

心臓血管外科呼吸器外科

7中京病院ニュース

■診察受付時間●紹介状のある方、ない方 ………… 8:30~11:00

●予約のない方●予約のある方

……………………… 8:00~11:30……………………… 8:00~17:00

初診受付(2階の医事課受付にて)

再診受付(玄関の再来機にて)

平成28年4月1日現在

診察の予約をされている方も必ず「再来機」で受付を行ってください。また診察券は必ずご持参ください。月に一度は最初の受診日に保険証の確認をお願いいたします。2階の1番、2番の窓口で行っています。

■予約センターをご利用下さい●窓口での受付…… 9:30~16:30●電話での受付……10:00~16:30  電話番号 052-691-6831

Page 8: Chukyohospnews no54

独立行政法人地域医療機能推進機構

中京病院〒457-8510 名古屋市南区三条1-1-10 TEL 052-691-7151(代表) FAX 052-692-5220●地域医療連携・相談室 FAX 052-691-6053 ●予約センター(10:00~16:30) TEL 052-691-6831(直通)●臨床研究支援センター FAX 052-691-7552●ホ ー ム ペ ー ジ http://chukyo.jcho.go.jp/

健康管理センター〒457-8510 名古屋市南区三条1-1-10 TEL 052-691-7151(代表) FAX 052-693-1191

独立行政法人地域医療機能推進機構

中京病院附属介護老人保健施設〒457-8510 名古屋市南区三条1-1-10 TEL 052-694-3688 FAX 052-694-3747

独立行政法人地域医療機能推進機構

中京病院附属看護専門学校〒457-8510 名古屋市南区三条1-1-10 TEL 052-692-9971 FAX 052-692-9970

Japan Com

munity Health care

Org

aniz

atio

n

患者さんへの約束

職員が留意すること

患者さんの権利と責務

J C H O 中 京 病 院 の 理 念私たちは病を得た人の気持を最も大切にし科学的で質の高い医療を提供します

●明るく親切な対応で快適な環境を整えます●みなさんの生活背景も考えた治療を提案します●納得して選択ができる丁寧な説明を心がけます●必要なら高度で先進的な医療を提供します●患者さんも参加する安全で安心な診療の仕組みを作ります

●医療に関する倫理、法令、指針を守ること●地域での適切な医療連携をはかること●自らよく学び、後進の教育も熱心に行うこと●良好なコミュニケーションで、チーム医療の質を上げること●安定した経営を念頭に、保険診療、予防医療を適切に行うこと

●患者さんの権利 ①安全で良質な医療を公平に受ける権利があります。 ②人格を尊重され、個人情報が保護される権利があります。 ③病状や医療行為について、理解できるまで十分に説明を受ける権利があります。家族への説明を求める権利も  あります。 ④医療行為を選択または拒否する権利があります。他の医師の意見(セカンド・オピニオン)を求める権利も  あります。 ⑤ご自身の診療録(カルテ)や診療費の明細(レセプト)の開示を受ける権利があります。

●患者さんの責務 ①医療に主体的に参加し、医療従事者と共同で良好な協力関係(パートナーシップ)を築いてください。 ②社会一般のマナーや当院で定めた規則をお守りください。お守りいただけない場合には、当院は医療の提供を  致しません。 ③診療費は、指定された期間内にお支払いください。

8 中京病院ニュース