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1 秋田大学 大学院理工学研究科 物質科学専攻 助教 高橋 弘樹 教授 田口 正美 CO 2 電解還元システム用 高活性カソード触媒の開発 平成 29年度 平成291114

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秋田大学 大学院理工学研究科 物質科学専攻助教 高橋 弘樹教授 田口 正美

CO2電解還元システム用高活性カソード触媒の開発

平成 29年度 平成29年11月14日

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1. 背景~大気中のCO2濃度

出典)温室効果ガスインベントリオフィス全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト(http://www.jccca.org/)より

東日本大震災原子力発電所の停止火力発電所の稼働率が上昇

大気中のCO2濃度の増大⇒種々の異常気象を誘起(洪水, 干ばつ, 酷暑, 台風)

CO2 濃度の低減は地球環境問題において極めて重要な課題

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CCS: Carbon dioxide Capture and Storage )

出典)東洋エンジニアリング株式会社ウェブサイト(http://www.toyo-eng.com/jp/ja/products/environment/ccs/)より

長い年月を経過したCO2は、

塩水に溶解したり、岩石のすき間で凝固し鉱物になる

CO2を地下1,000mより深いエリアに圧入

適した土地が少ない高コストである

CCS は長期的には有効であるが,地層中にCO2を貯蔵しているため,CO2濃度を低減したとは言えない.

電気化学的手法でCO2を他の化学物質に変換

1. 背景~CCS

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1. 背景~CO2の電解還元

CO2削減を目的とし,電気化学の技術を用いてCO2を有用な化学物質に変換する.

CO2電解還元

・CO2を削減するだけでなく,付加価値を与えることができる.・環境負荷の低減に寄与することができる.

酸水溶液中でのCO2電解還元

CO2 + 2 H+ + 2 e- CO + H2O E0 = -0.104 V vs.SHE

CO2 + 2 H+ + 2 e- HCOOH E0 = -0.171 V vs.SHE

CO2 + 4 H+ + 4 e- HCHO + H2O E0 = -0.142 V vs.SHE

CO2 + 4 H+ + 4 e- C + 2 H2O E0 = 0.207 V vs.SHE

CO2 + 6 H+ + 6 e- 1/2 C2H5OH + 3/2 H2O E0 = 0.084 V vs.SHE

CO2 + 6 H+ + 6 e- CH3OH + H2O E0 = 0.016 V vs.SHE

CO2 + 8 H+ + 8 e- CH4 + 2 H2O E0 = 0.169 V vs.SHE

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1. 背景~従来技術との比較 1

Conditions: 0.1 M KHCO3, 19°C, CO2 bubbled, bulk [H+]

= 1.55 × 10−7 M, bulk [CO2] = 3.41 × 10−2 M.)

M. Gattrell et.al., J. Electroanal. Chem., 594, 1-19(2006)

C-O結合を切断できる.

様々な生成物が得られる.

過電圧が極めて大きい.

【Cu電極によるCO2の電解還元】

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N2 (dotted line) and CO2 (solid line) atmospheres for the working and counter

electrodes, respectively. Cell temperature: 40°C, scan rate: 10 mV s-1.

S. Shironita et.al., J. Power Sources, 228, 68-74 (2013).

Region 1

H+吸着+ CO2 reduction

Region 2

H+脱離

Region 3

CO2還元生成物の再酸化

Pt上では,極めて低過電圧でCO2の還元が進行する.

PtのCO2電解還元活性は十分に高いとは言えない.

⇒ Ptよりも高活性なCO2電解還元電極の開発.

1. 背景~従来技術との比較 2

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Mater. Trans., 54(4), 582-587 (2013).

1. 背景~DMFCアノードとしてのPt酸化物

CH3OH + H2O CO2 + 6H+ + 6e- E0 = 0.016 V vs. SHE

3/2 O2 + 6H+ + 6e- 3H2O E0 = 1.229 V vs. SHE

直接メタノール型燃料電池, DMFC

電気化学的に還元したPt酸化物は,Ptを凌駕するメタノール酸化活性を示す.

[メタノール酸化反応(DMFCのアノード反応)はCO2電解還元反応の逆反応]

Pt 酸化物は優れたCO2電解還元活性を示すと期待される.

目的

反応性スパッタで作製したPt酸化物CO2 電解還元活性の調査.

CO2電解還元生成物の分析.

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2. 実験~反応性スパッタによる電極の作製

Target

Pt (purity: 99.99%)

Degree of vacuum

2.0 × 10-4 Pa

Introduced gas

100%Ar,100%O2

↓ ↓

Pt Film,Pt Oxide Film

Pressure during sputtering

2.0 Pa (10.0 ml min-1 )

Output power

100 W

Time for deposition

20 min

Conditions

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2.実験~電気化学測定

Working :回転ディスク電極Counter :Pt Black スパイラルReference :Ag / AgCl

Electrolyte :0.5 M H2SO4

Deaeration :Ar 150 ml min-1, 30 min

Gas :CO2

Temperature :298 K

Conditions

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3. 結果~化学組成と化合物相

反応性スパッタによって,組成が異なるPt酸化物を作製できた. 反応性ガスの酸素の割合を変化させることで,Pt酸化物の化学組成を調整できた.

Pt酸化物の結晶構造は六方晶系PtO2であった.

Hexagonal-PtO2

was identified.

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3. 結果~サイクリックボルタンメトリー(CV)

Without CO2 With CO2

0.5 M H2SO4水溶液中でのPt薄膜のCV曲線

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Without CO2 With CO2

H adsorption/desorption

oxidation/reduction

of Pt

CO2含む水溶液中では,0.7 V vs. NHE付近にアノード電流が観測された.

Without CO2 With CO2

0.5 M H2SO4水溶液中でのPt薄膜のCV曲線

3. 結果~サイクリックボルタンメトリー(CV)

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3. 結果~CO2の有無によるCV曲線の相違

還元生成物の酸化

CO2電解還元H吸着

0.7 V vs. NHE付近で酸化電流が観測されるということは, カソード掃引時にCO2 電解還元が起こっていることを意味する.

0.5 M H2SO4水溶液中でのPt薄膜のCV曲線

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3. 結果~Pt酸化物のCV曲線

Pt酸化物上でもCO2電解還元が起こることが確認された.

還元生成物の酸化

CO2電解還元H吸着

0.5 M H2SO4水溶液中でのPt酸化物薄膜のCV曲線

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3. 結果~PtとPt酸化物の比較

Pt酸化物上での酸化電流は,Ptよりも10倍程度大きい. Pt酸化物のCO2電解還元の電流効率は,Ptよりも2倍程度大きい.

電流効率Ceff = Q1(C) / Q2 (C)× 100

Pt thin film Ceff = 14.8% Pt oxide thin film Ceff = 36.0%

Q2 : H adsorption

CO2 reduction

Q1 : Oxidation of

reduction product

Q2

Q1

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3. 結果~還元生成物(GC-MS)

CO2電解還元後の電解液のGC-MS分析

電解液 : CO2 saturated

0.5 M H2SO4

作用極 : Pt oxide

面積 : 3 cm × 3 cm

温度 : 室温

電位 : 0.05 V vs. NHE

時間 : 6 h

条件

Ab

un

da

nce

m/z

20 30 40 50 60 70

m/z = 32

CH3OH

m/z = 44

CO2

GC-MS分析によって,CH3OHが還元生成物であることがわかった.

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3. 結果~還元電位

特定の電位で15 min保持→ 0.4 Vから1.2 V vs. NHEまでアノード分極測定

→ 酸化電気量を算出

Q2

Q1

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CO2電解還元によるCH3OHの合成は,0.2 V vs. NHEよりも卑な電位で起こる.

Q2

Q1

3. 結果~還元電位

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3. 結果~酸化電気量の比較

Pt酸化物のCO2還元生成物の酸化電気量は,いずれの温度領域においてもPtのそれよりも極めて大きい.

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3. 結果~活性表面積

𝑆H =ሿ𝑄H [mC

ሿ0.21 [mC cm−2

𝑄H

Pt oxide

Pt酸化物の活性表面積はPtよりも大きい.→ 活性表面積が大きいことが,Pt酸化物がPtよりも優れた

CO2電解還元活性を示した要因の一つである.

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3. 結果~Specific activity(比活性)

活性表面積あたりの酸化電気量(比活性)は,PtよりもPt

酸化物の方が大きい.

「広い活性表面積」以外にも,Pt酸化物が高いCO2 電解還元活性を示した要因が存在する.

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3. 結果~活性化エネルギー

Pt酸化物上のCO2電解還元反応の活性化エネルギーは,Ptのそれよりも低い.

Pt oxide thin film

12 kJ mol-1

Pt thin film

43 kJ mol-1

反応経路の相違? 中間生成物に対する被毒耐性の相違?

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3. 結果~化学結合状態

Pt酸化物は,CVによって金属Ptに還元されるが,Pt-O結合が残存している.

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3. 結果~その場赤外分光測定

CO2 電解還元反応において,COが反応中間体または生成物として存在している.

CO耐性は重要はファクターである.

その他の反応中間体や生成物は確認できていない.

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3. 結果~CO耐性

Pt Black Pt Oxide Black

SCO=1.25 cm2

SCO=3.85 cm2

θ=1.00θ=0.53

PtはCOによってほぼ完全に被覆されるものの,Pt酸化物は半分程度しかCOで被覆されない.

Pt酸化物の優れたCO耐性が,残存酸素(XPSで確認)によってもたらされたと推察される.

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4. 結論

Pt酸化物において,CO2電解還元反応は0.2 V vs. NHEよりも低い電位領域で起こり,主な生成物はメタノールであった.

Pt酸化物はPtよりも高いCO2 電解還元活性を示した. その要因の一つとして,Pt酸化物の活性表面積がPtよりも大きいことが挙げられる.

活性表面積あたりのCO2電解還元活性を比較すると,Pt

酸化物の方がPtよりも4倍ほど大きかった.

Pt酸化物中の残存酸素が反応経路またはCO耐性に影響し,優れたCO2電解還元活性を示したと考えられる.

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従来技術・競合技術との比較

本技術で作製したPt酸化物は,広く用いられるCu系電極よりも大幅に低い過電圧でCO2還元が進行する.

Pt電極も同様にCu系電極よりも低い過電圧でCO2還元が進行するが,Pt酸化物はPt電極と比して4倍程度高いCO2電解還元活性を示した.

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新技術の特徴

反応性スパッタによって高活性なメタノール合成触媒を製造できる.

火力発電所などの大規模なCO2排出源でCO2電解処理システムを構築できる.

カチオン交換膜を用いたCO2

電解還元セルを作製できる.

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想定される用途

CO2の有用化合物への変換(高付加価値化)自然エネルギーにより得られた電気エネルギーの貯蔵Ptなどの貴金属資源の有効活用

太陽光発電 風力発電

再生可能エネルギー

電気エネルギー

CO2 CH3OH

H2O H2 O2

電気エネルギー

CO2

CO

FT合成

C + H2O → CO + H2

800℃以上

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本技術に関する知的財産権

発明の名称 :大規模な二酸化炭素排出源(火力発電所等)で貯留した二酸化炭素の電解還元・メタノール同時合成のための二酸化炭素電解処理システム

出願番号 :特願2016-115452

出願人 :秋田大学

発明者 :田口正美,高橋弘樹

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実用化に向けた課題

Pt酸化物が優れたCO2電解還元活性を有することはわかったが,その要因が明らかになっていない.

今後はその場赤外分光測定を詳細に実施することで,反応中間体やその挙動を調査し,上記の解明を図る.

実用化に向けては,微粉末化(高比表面積化)が必要であり,電極作製方法の技術を確立する必要もある.

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お問い合わせ先

秋田大学産学連携推進機構

准教授・総括URA

伊藤 慎一

TEL 018 - 889 - 2702

FAX 018 - 837 - 5356

e-mail s-ito@crc.akita-u.ac.jp