手足症候群について -...
TRANSCRIPT
「手足症候群」とは?
• 抗がん剤の副作用のひとつです。
• 手や足の皮膚や爪に起こるもののことを言います。
• 症状は、身体の左右両側に現れます。
• 抗がん剤の種類によって症状や現れる部位が異なることがあります。
• 「手足症候群」を起こしやすい抗がん剤は、主に乳がんや大腸がん、婦人科がん、腎臓がんに用いられる一部の薬です。
• なぜ起こるかはよくわかっていません。
手足症候群を起こす可能性のある主な抗がん剤
• 5-FU® • エルプラット® • ワンタキソテール®
• アバスチン® • アービタックス®
当院採用・限定品のみ表示
注射剤
• ゼローダ®
• タシグナ®
• ティーエスワン®
• ユーエフティ®
• アフィニトール®
• インライタ®
• スーテント®
• ネクサバール®
経口剤
必ず起こるというものではありませんが、薬によっては数十%の服用者に起こると言われています。
どのような症状が出るの?
• 手や足の感覚異常(しびれ、痛み)
• 手や足の皮膚の
赤み(発赤・紅斑)、むくみ、色素沈着、
角化(皮膚が硬く厚くなりガサガサする状態)、
ひび割れ、水ぶくれ(水疱)
• 爪の変形、色素沈着
症状 グレード1 グレード2
本のページが開きづらい 手の皮がすこしつっぱる 奥側からの痛み*
お札が数えづらい ヒリヒリ感、しびれ 奥側からの痛み*
箸を持ちにくい 手の皮がすこしつっぱる 奥側からの痛み*
包丁が持ちにくい チクチク感 奥側からの痛み*
入浴時に手や足の皮膚がしみる ピリピリ感 痛み
革靴を履く時に違和感がある ゴワゴワ感 痛み
パンプスが履けない ゴワゴワ感 痛み
*「手足の皮膚表面のピリピリ感」ではなく、深部( 表面から少し奥側)に痛み
その他の症状 : 細かい化粧がしづらくなった スーパーのビニール袋が開けられない パソコンのキーボードが打ちづらくなった など
手足症候群アトラス <第3版>
症状 グレード1 グレード2
本のページが開きづらい 手の皮がすこしつっぱる 奥側からの痛み*
お札が数えづらい ヒリヒリ感、しびれ 奥側からの痛み*
箸を持ちにくい 手の皮がすこしつっぱる 奥側からの痛み*
包丁が持ちにくい チクチク感 奥側からの痛み*
入浴時に手や足の皮膚がしみる ピリピリ感 痛み
革靴を履く時に違和感がある ゴワゴワ感 痛み
パンプスが履けない ゴワゴワ感 痛み
対処
軟膏による保湿、日常生活での物理的刺激からの保護
対処
休薬、必要に応じ減量、軟膏による保湿、ステロイド外用薬による処置、日常生活での物理的刺激からの保護
*「手足の皮膚表面のピリピリ感」ではなく、深部( 表面から少し奥側)に痛み
手足症候群アトラス <第3版>
防ぐにはどうすればいいの? 《日常生活の注意点》
• 物理的刺激を避ける
足にあったやわらかい靴を履く
指や手掌に強い圧が加わる作業は避ける
• 熱刺激を避ける
熱い風呂やシャワーを控える
洗い物などの際も湯温に注意する
• 皮膚の保護
木綿の厚めの靴下を履く
やわらかい靴の中敷を使用する
• 2次感染予防
手足の洗浄など清潔を心がける
• 直射日光を避ける
外出時には日傘、帽子、手袋を使用する
露出部分には日焼け止めクリームを使用する
手袋着用
手足症候群アトラス <第3版>
• 物理的刺激を避ける
足にあったやわらかい靴を履く
指や手掌に強い圧が加わる作業は避ける
• 熱刺激を避ける
熱い風呂やシャワーを控える
洗い物などの際も湯温に注意する
• 皮膚の保護
木綿の厚めの靴下を履く
やわらかい靴の中敷を使用する
• 2次感染予防
手足の洗浄など清潔を心がける
• 直射日光を避ける
外出時には日傘、帽子、手袋を使用する
露出部分には日焼け止めクリームを使用する
手袋着用
手足症候群アトラス <第3版>
特に保湿が重要です
防ぐにはどうすればいいの? 《日常生活の注意点》
保湿の重要性
保湿剤を手足にこまめに塗ることで、 発現の回避が期待できます。 予防としては、保湿成分を含んだ市販のハンドクリームなどを使用します。
保湿剤を塗る目安
手:手洗いの後には保湿剤を塗る習慣をつけ、1日5回を目標にこまめに塗ります。 足:症状を見逃しやすいので忘れずにチェックし、朝、夕、入浴後、就寝前など 少なくとも1日2~3回、保湿剤を塗ります。 手足とも、就寝前には若干量を多めにして、 手袋、靴下を着用すると効果的です。
【保湿クリームの量】
両手の手のひらの面積に対して、人差し指の先から第一関節まで出した量を目安にする
クリーム・ローション・軟膏の 使い分け
• クリーム:日常ケア(予防)用
– 予防的に使いやすい
– 塗り心地が良い(軟膏よりもべとつかない)
– 軟膏に比べ、持続性が劣る
– 防腐剤を含有している場合は、刺激が強く湿潤面には不適
• ローション:日常ケア(予防)用
– 塗り心地が良い(軟膏よりもべとつかない)
– 軟膏に比べ、持続性が劣る
– 広範囲の塗布に適している
• 軟膏:治療用
– 持続性が高い
– クリーム、ローションに比べ、べとつくが高い保湿効果
手足症候群アトラス <第3版>
症状が出たら どうすればいいの?
• 薬を勝手に中止せず、必ず主治医に相談してください。
※ただし、手足がひどく痛い場合には、すぐに薬を中止する
必要のある場合があります。詳しくは主治医にご相談ください。
• 相談する時に、これらのことを医師に伝えてください。
「痛みの有無や程度」
「日常生活に支障を来しているかどうか」
「いつ頃から症状があったか」 などの情報
症状が出たら どうすればいいの?
• 主治医は、重症度(グレード)により、治療の継続、薬の減量・休薬・中止、治療再開の時期などを決定します。
• 対症療法として保湿剤、ステロイド含有軟膏などを使用します。
• 手足症候群は、適切な処置により改善することがわかっています。また、手足症候群によって、一時的に薬を休んでも、がんの治療効果には差がないという報告があります。
まとめ 《早期発見と早期対応のポイント》
• 抗がん剤の治療が始まったら、自分の手や足をよく観察しましょう。
• 予防のために、保湿など日常生活で出来ることを実践しましょう。
• 初期症状に気づいたら、できるだけその部位に刺激を与えず、安静を保つようにしてすぐに主治医に相談しましょう。
• 手足症候群は、症状が軽いうちに
対処すれば改善する副作用です。