導 入 効 果課 題

パートナーとのコミュニケーションが担当ごとに属人化し、常時適切な情報提供が困難に。

商談サポートも不十分となり、パートナービジネスのさらなる成長を妨げていた。

パートナーごとに最適化した情報をポータルに掲示し、情報共有漏れのリスクを払拭。パートナーの商談を正確に把握し、活動をより円滑にサポートできるようになった。

株式会社インターネットイニシアティブ (以下、IIJ) は、IP ネットワークにおける世界有数の技術力によって日本におけるインターネット事業を「ゼロ」から作り上げてきました。設立以来、信頼性の高いインターネット関連サービスを提供し続けている IIJ では、さらなる成長を期すために、2016 年度から 5 か年で取り組む中期経営計画にパートナーによる販売ネットワークの強化を盛り込んでいます。この取り組みを支える重要なシステムとなる

「パートナー ポータル」の基盤として選ばれたのが、Microsoft Dynamics 365 の最新機能「Portal Add-On」でした。

販売パートナーとの関係強化

利用用途

連結 3,104 名単体 1,865 名 (2017 年 3 月現在 )

従業員数

Microsoft Dynamics 365 Portal Add-OnMicrosoft Dynamics 365

導入製品

インターネット接続サービス、WAN サービスおよびネットワーク関連サービスの提供、ネットワーク・システムの構築・運用保守、通信機器の開発及び販売

業務内容

株式会社インターネットイニシアティブ

販売戦略の柱となるパートナーとの関係強化から、社内の “働き方改革” までを視野に入れて Dynamics 365 を活用

「自分でデータを分析する際には、やはり Excel が便利です。Dynamics 365 は、Office 365 の Excel とスムーズに連携しますので、Web ブラウザ上でリアルタイムにデータを取り出して、慣れた操作で分析することが可能です。これはマイクロソフトにしか実現できない便利さです。一度、この機能を使って役員たちにプレゼンテーションしたのですが、その場で最新のデータを確認できるので非常にウケが良かったですよ」(谷山 氏)

Web ブラウザ上で Excel と連携して、リアルタイムにデータ分析を行うことも可能

- 2 -

株式会社インターネットイニシアティブ

各社専用のポータルから登録された情報を担当営業間で共有し

活用することで、商談のステータスを見失うことも、更新情報の

提供が漏れることもなくなります。また、システム上にすべての

情報が集められることで、各営業のナレッジも社内に共有される

こととなり、サポートの平準化も期待できます。

これまで社内に標準のお客様情報管理システムを定めて

来なかった IIJ では、このプロジェクトに最適なシステムを、

ゼロから検討。複数の製品を比較検討した結果、最終的に選択

し た の が マ イ ク ロ ソ フ ト の ク ラ ウ ド サ ー ビ ス で あ る

Dynamics 365 でした。

IIJ では、2020 年までに販売パートナーを通じた売上を 3.3 倍に

まで高める目標を掲げています。この目標達成に向けて同社が

選んだ施策の 1 つが、「パートナー ポータル」の構築です。

林 氏は次のように説明します。

「パートナー様へのサポートを確実に行うためには、お客様情報

管理システムを整備し、商談情報をステータスに沿ってしっかりと

把握・管理する必要があります。

そのシステムと連動して、各種情報共有の窓口となるパートナー

ポータルを構築することで、A 社には A 社専用の、B 社には B 社

専用の情報を、間違いなく共有できるようになります」

パートナーによる販売網の活性化のため、各社に個別最適化した情報を提供する「パートナー ポータル」を構築。商談の進捗をきめ細かくフォローできる体制の実現へ

解決施策

にある」と I I J サービスプロダクト事業部 副事業部長 兼

サービス推進部長 林 賢一郎 氏は説明します。

「従来は、パートナーとの情報共有を一元的に支える仕組みが

なかったために、商談のサポートや新サービスの案内、既存

サービスの情報更新などの提供レベルが弊社担当営業の能力に

大きく依存していました。パートナー毎に提供価格が異なっていた

案件を把握しきれずにいたケースがあるなど、パートナー様に

とっても、担当営業にとっても、大変に非効率な状態だったのです。

こうした状況を改善するには、一元的に情報が共有できる仕組み

が必要でした」

IIJ は約 700 社の販売パートナーと提携していますが、同社が提供

する多種多様な企業向けサービスの売上の多くは「直販」による

お客様です。2 0 2 0 年度までに企業向けのクラウド事業、

インターネット関連でのセキュリティ事業および MVNO 事業

において国内シェア 1 位を目指す同社では、販売パートナーに

よる販売網を強化・拡大し、IIJ が直接リーチできていないお客様

へのアプローチを増やすことを、中期経営計画の重要施策とし

て位置付けています。

これまでパートナーによる販売を拡大できなかった原因の一端

は、「パートナーとのコミュニケーションが属人化していたこと

約 700 社の販売パートナーとのコミュニケーションが営業担当ごとに属人化。パートナーとの情報共有が各担当のメール連絡に依存するなど、ダイレクトに商談成否に影響

課題

導入事例︓株式会社インターネットイニシアティブ

今回構築した「IIJ Partner Portal」では認証に IIJ 独自の IIJ ID サービスを利用しましたが、Portal Add-on では様々な外部サービスと連携し ID 管理を行うことが可能だと、JBS イノベーションサービス統括本部 小野寺 美緒 氏は説明します。「Portal Add-On には Facebook など複数の認証手段が含まれています。導入するお客様の環境に合わせて、認証管理を行えることもメリットだと思います」

お客様が社内で活用している認証システムと連携した構築が可能

- 3 -

IIJ Partner Portal　画面イメージIIJ Partner Portal　概念図

「当社としても Portal Add-On の初事例ということで、製品情報

収集を行うと同時にフィット ＆ ギャップ分析を進めました。

しかし実際にプロジェクトを開始してみると Dynamics 365 との

親和性が優れており、Dynamics 365 の項目を追加・変更した

場合でもポータルのインターフェースに難なく反映できました。

Dynamics 365 はお客様情報管理目的でも営業支援目的でも

活用できますが、どちらの場合でも Portal Add-On の機能と

うまく組み合わせながら要望を満たしてくれると思います。

また、Dynamics 365 の標準機能だけで今回の構築を実現できた

ことも迅速なサービス インに寄与しています」

IIJ は、Dynamics 365 をお客様情報管理システムとして、最新機能

である Portal Add-On を連携させたパートナーポータルを構築。

認証基盤には、自社サービスの IIJ ID サービスを利用して、社内の

システムにシングルサインオンできる環境を整えました。

Portal Add-On は、2016 年 10 月リリースの新機能ですが、

マイクロソフトのテクノロジーに精通した JBS によって

プロジェクトはスムーズに進行。2017 年 4 月にサービスインを

迎えています。JBS イノベーションサービス統括本部 ビジネス

ソリューション本部 ビジネスアプリケーション部 アシスタント

マネージャー杉本 和也 氏は、次のように説明します。

Dynamics 365 に 精 通 し た 技 術 力 で、リ リ ー ス 直 後 のPortal Add-On に も ス ム ー ズ に 対 応。標 準 機 能 を 活 か し、IIJ のリクエストを満たすパートナー ポータルを短期間で実現

導入パートナー

あたり、技術力が強みの当社としては、“自社構築”という選択肢

もありました。しかし、大切なことは、パートナー ビジネスを

スピーディに推進することであり、社内業務を支えるシステムに

そこまでの手間をかけることは効率的ではありません。既存の

クラウド サービスを活用することで構築期間は大幅に短縮

できますし、JBS という心強い IT パートナーがいたので、構築・

運用にも不安がありませんでした。加えて、Microsoft Azure

など、さまざまなサービスで提携している日本マイクロソフトの

ソリューションの社内活用を通じて製品の知見を蓄積することは、

お客様への今後の提案活動にもプラスになります」

IIJ が Dynamics 365 の導入を決定した背景には、大きく分けて

3 つの理由があると、林 氏は言います。

1. パートナー ポータルに求める機能要件をすべて備えた

　 クラウド サービスであること

2 . Dynamics 365 を熟知した I T パートナーである日本

　ビジネスシステムズ株式会社 (以下、JBS) のサポートが

受けられること

3. IIJ と日本マイクロソフトのパートナーシップの中で、今後の

　 お客様提案にも活かせる社内ショーケースとなること

「今回のお客様情報管理およびパートナーポータルの導入に

他社サービスと比較検討の末、機能要件と IT パートナーによる安心感、そして将来性まで、あらゆる面で優位性を確認し、Microsoft Dynamics 365 Portal Add-On を選択

選定理由

導入事例︓株式会社インターネットイニシアティブ

- 4 -

6155-WI1

本ケース スタディは、インターネット上でも参照できます。http://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/本ケース スタディに記載された情報は制作当時 (2017 年 6 月) のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。本ケース スタディは情報提供のみを目的としています。Microsoft は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。＊記載されている、会社名、製品名、ロゴ等は、各社の登録商標または商標です。＊製品の仕様は、予告なく変更することがあります。予めご了承ください。

日本マイクロソフト株式会社　〒108-0075 東京都港区港南 2-16-3 品川グランドセントラルタワー

Microsoft Dynamics 365 を無料で体験 - 30 日間トライアルhttp://aka.ms/crm-trial-jp

受付時間 : 9 : 00 – 17 : 30 ( 土日祝、弊社指定休業日を除く）

事例や導入に関するお問い合わせTEL︓ 0120-41-6755

小野寺 美緒 氏

日本ビジネスシステムズ株式会社イノベーションサービス統括本部 ビジネスソリューション本部ビジネスアプリケーション部 アシスタントマネージャー

「今回、パッケージの標準機能を活かし

ながら、I IJ 様のビジネスに直接貢献

できるシステムを構築できたことが、

とてもうれしいです。ビジネスのライフ

サイクルがうまく回っていく様子が、データなどで目に

見える形になっているため、今後の運用がとても楽しみです」

杉本 和也 氏

日本ビジネスシステムズ株式会社イノベーションサービス統括本部 ビジネスソリューション本部ビジネスアプリケーション部 アシスタントマネージャー

「導入する立場として 、Portal Add-On

が Dynamics 365 と非常にスムーズに

連携できることがとても良かったです。

活用の目的がお客様管理でも営業支援

でも、設定もデータも簡単に連携できますので、お客様の要望

に合わせた機能拡張が容易に行えます」

谷山 秀之 氏

株式会社インターネットイニシアティブ管理本部業務システム開発部 業務システム開発課長

「製品単体の良さは当然として、今後

社内の働き方改革に取り組んでいく上

で、社内システムを統合するプラット

フォー ムまで見えてきたことも、今回の

プロジェクトの大きな収穫です。場所にとらわれない

働き方は、クラウド ベースでなければ実現できませんから」

林 賢一郎 氏

株式会社インターネットイニシアティブサービスプロダクト事業部 副事業部長兼 サービス推進部長

「実は、社外の SaaS (Software as a

Service) に当社側のデータを載せて活用

するのは、今回のプロジェクトが初めて

なのです。さらにパートナー様に特定の

情報を開示するという、IIJ として非常に新しい仕組みが

スムーズに実現できたことは、大きな成果です」

データ分析も、ブラウザ上で Excel と連携してリアルタイムで

行えるため、経営層へのプレゼンテーションにも役立ちます」

谷山 氏は「さらに大きな可能性まで実感している」と言葉を

続けます。「今、社内で“働き方改革”の検討が始まっており、社内の

システム環境を統合していく構想があります。場所に縛られない

働き方を実践する上で、Dynamics 365 などインターネットさえ

あればいつでも活用できるシステムは非常に価値が高い。

さらに Office 365 などのソリューションとの連携も容易なため、

社内システムの統合にも役立ちます。今回の Dynamics 365

活用は、さまざまな成果につながっています」

「IIJ Partner Portal」と名付けられたパートナーポータルは、初年

度には約 100 社のパートナーを対象として運用を開始。今後、

パートナー各社の申請を受け付けながら、順次適用範囲を拡大

していく予定だと、管理本部 業務システム開発部 業務システム

開発課長 谷山 秀之 氏は言います。

「当社の販売パートナー様は約 700 社にのぼります。それだけの

数のパートナー様が一斉に利用開始することは難しく、まずは

対象を絞って運用していますが、すでに多くの効果を実感して

います。情報共有の漏れは一切なくなりましたし、商談の

ステータス管理なども、期待通りに実現しています。

リアルタイムの Excel レポートでデータ分析を活性化。パートナー ポータルの枠を超え、Office 365 との親和性の高さを活かした社内システム統合で “働き方改革” の実現まで視野に

効果

導入事例︓株式会社インターネットイニシアティブ