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90 ㈱新郎か帽 東北捜業研究 鶉5号 積水 孝曇.血生P痛 彪罫キhy 仏者エ レ々客土 血甲Pヰ臆 hタ 第2図.収 益(2区平均タ/pot) た.換水による効果も相当にみられたが,これは換水に ょり水溶性硫酸及び硫酸化合物の除去による効果とみら れる.石灰中量区が枯死し石灰中正燐酸4倍品区ではか なりの生育を示したが,このことは燐酸の多量施肥によ る効果とみられるが,燐酸肥料として熔成卿巴を施用し ているため塩基の効果も考えられる. 4.摘 土壌分析の結果水溶性の硫酸及びアルミが多量に含有 され,ために土壌は強酸性(PH3)を呈し水稲枯死の原 田となっていることが明らかとなった・ 改良法としては,石灰を多用し酸度を矯正することに ょり効果を期待出来るが・石灰のみでは相当多量を要す るので,湛水下可溶性硫化物の給源となる石膏を土壌中 に沈雛させ禍を後に残すことが考えられる・従って客土 を行い石灰の立を少なく用いるか,又は滞水により硫酸 及び硫酸化合物を洗条してから石灰を施用することが望 ましいと考える. 現九州農試 八郎潟湖底土壌の地力について (秋田県農試八郎潟分場) 1.ま 干拓工事中の八郎潟は,東西12れ南北27肋,総画析 22.173加の半観潮で・干拓面掛は17・430加である・潟内 の水深は4・5刑に過ぎず・湖底は平坦である・湖底土の 土性は大部分がSiC~SiLで・周辺部にLS~Sが分布 している.昭和32・33年において,第1図に示す地点よ り埴質土2点,砂質土1点を採取し・三要素試験・窒素 用量試験を行っているので・これまでにえられた結果に ついて報告する. 2.試験設計と供試土壌の性質 土執ま,「じ上れん」をもってすくい上げ,直ちに試 験軽に充贋した・三要素試験の試験権は・面臥2,児2・ 窒素用量試験のものは0・8,柁2で,深さは何れも90C爪無底 である.試験設計を第1表,供試土壌の性質を第2表に 示す. 区第1表.試 三要素試験設計(んg/10tZ) 区区区区区区区 NNNNNNN ■;≡■ 一-_【 024∠UOOO2 1 2 3 4 5 L U 7 Nl・日.K:示 000000 0 2 4 U 8 0 2 0000000 4444444 0000000 4444444 尿素座燐l塩加 0000000 1111111 2222222 0 3 n V O 3 8 1 4 4 8 3 7 1 h U l122- 5555555 ′nT‘リノn′b′hU′■U′nV

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90

 

 

 

東北捜業研究 鶉5号

積水

孝曇.血生P痛

彪罫キhy

仏者エ

レ々客土

血甲Pヰ臆

hタ

第2図.収 益(2区平均タ/pot)

た.換水による効果も相当にみられたが,これは換水に

ょり水溶性硫酸及び硫酸化合物の除去による効果とみら

れる.石灰中量区が枯死し石灰中正燐酸4倍品区ではか

なりの生育を示したが,このことは燐酸の多量施肥によ

る効果とみられるが,燐酸肥料として熔成卿巴を施用し

ているため塩基の効果も考えられる.

4.摘    要

土壌分析の結果水溶性の硫酸及びアルミが多量に含有

され,ために土壌は強酸性(PH3)を呈し水稲枯死の原

田となっていることが明らかとなった・

改良法としては,石灰を多用し酸度を矯正することに

ょり効果を期待出来るが・石灰のみでは相当多量を要す

るので,湛水下可溶性硫化物の給源となる石膏を土壌中

に沈雛させ禍を後に残すことが考えられる・従って客土

を行い石灰の立を少なく用いるか,又は滞水により硫酸

及び硫酸化合物を洗条してから石灰を施用することが望

ましいと考える.

* 現九州農試

八郎潟湖底土壌の地力について

浦  昌  司

(秋田県農試八郎潟分場)

1.ま え が き

干拓工事中の八郎潟は,東西12れ南北27肋,総画析

22.173加の半観潮で・干拓面掛は17・430加である・潟内

の水深は4・5刑に過ぎず・湖底は平坦である・湖底土の

土性は大部分がSiC~SiLで・周辺部にLS~Sが分布

している.昭和32・33年において,第1図に示す地点よ

り埴質土2点,砂質土1点を採取し・三要素試験・窒素

用量試験を行っているので・これまでにえられた結果に

ついて報告する.

2.試験設計と供試土壌の性質

土執ま,「じ上れん」をもってすくい上げ,直ちに試

験軽に充贋した・三要素試験の試験権は・面臥2,児2・

窒素用量試験のものは0・8,柁2で,深さは何れも90C爪無底

である.試験設計を第1表,供試土壌の性質を第2表に

示す.

区第1表.試 験 設 計

三要素試験設計(んg/10tZ)

試 験 区

区区区区区区区

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東北農業研究 第5号                  引

第1図.採土地点

第2表.土壌の性質

水溶性成分

土壌IElectrica)ConductivityofSaturationExtract

7.50贋札ゐ0/珊

3.水    稲

三要素試験並びに窒素用量試験の生育及び収量調査結

果を第3表以下に示す.

三要素試験においては.作付1年日の生育は極めて旺

盛であるにも拘らず収量は低く,施肥の効果は殆んと現

われていない.作付3年目に至って窒素の効果が発現し

はじめ,作付5年日において堆肥の効果が大きくなる.

窒素用塵試験においては,砂土ははじめ窒素増施の効

果は極めて大きいが作付3年日から低下し,4年日では

第3表.三 要 素 試 験 生 育

試 験 区(G3)

区区区区区区

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試 験 区(G3)

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東北虚業研究 第5号

第4表.三要素試験収是(桓/10。)

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第5表.水秤体分析成揖

注.(全試験区平均値)

第6表.窒素用品試験収ム主(励/10‘Z)

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全くみられなくなる.D3・G3の如き埴質土では,作付1

・2年日では窒素増施によって生育品は大となるが収丑

差は′J、さい.3年日になると窒素少品区の収量が低下し

はじめ,窒素の効果は次芸削こ大きくなる傾向がみられる.

燐酸及加里の効果は明らかでない.

湖底土生育水稲の特異性を体内成分の点から知る目的

で,昭和33年度G3土壌水凹の生育水稲を,沖椚水田の

水稲と比較しつつ分析を行った.苗及耕種法は,全く同

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一である.分析結果を第2図に示す.

作付初年目の湖底土水稲は,沖離土水稲に比較して珪

酸・窒素・曹達及び苦土などの含止が高く,加里は低い.

一一三欄一右上錠

圭∴.

三二

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‾二:

-‥・二二∴ノ

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第2回.沖黄土水稲との比較における

湖底土水稲の時期別養分濃度

4.土壌に関する調査分析成績

八郎潟湖底土壌における水稲の生育が,作付1年日・

2年日は過剰生育の傾向があって施肥効果がなく,3年

日で生育相が安定し施肥効果の発現する理由は,土壌の

東北農業研究 第5号                   93

変化にあるもりと考えられる.はじめ試験梅に充唄した

土壌は非常に軟弱で透水性不良であるが,2年日になる

と表面に経10用,深さ5e椚程度の亀裂が入り,田画は約

10C孤沈下する.然し.肉眼による断面の分化は殆んどみ

られない.3年目に至ると更に細い亀裂が入り,表面か

らSc㈹位が淡灰褐色となって田面が固化し,歩行に耐へ

られるようになる.然し,下層師は依然軟弱で還元色を

皇する.4年臥 5年目においても斑鉄構造など生ぜず

土壌断面には変化がみられない.第7表に跡地土壌の屑

位別分析結果を示す.

水溶性成分として多量に含まれている塩素・曹達の溶

脱は速かで,表層部では2作跡地で約的0,4作跡地で

は 約塊0程度にまで減少する.置換性成分の変化は水

溶性成分に比して小さいが,苦土と常連が減少し,石灰

が増加する.硫昇化合物は表層部では酸化溶脱されてP

Hの低下がみられるが,下層では殆んと減少していな

い.Atterberg Limitsは何れも低下し,緊硬度も小さ

くなっている.

5.む  す  び

埴質の八郎潟湖底土壌に作付けされた水稲は過剰生育

の傾向を示し収量も低いが,作付3年日に至ると咤正常

な生育経過を示し,施肥効果も現れるに至る.生育相が

大きく変化するのは,.土壌の変化に原因していると考へ

られるが,土壌分析の結果によると,比の時期には表層

部の水溶性成分が%0程度となり,PHの低下・硫黄化

第7表.土壌の変化(1)

注.全区平均

第8表.土壌の変化(2)

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注.全区平均

食物の酸化溶脱・置換石灰の増加及び全窒素の減少など

が認められる.これらの変化は3年目以降も進むが,そ

の速度は小さく収量は安定する.かくの如き現象は実際

の干拓地においても起ることが予想されるが,安定年次

における収量は,500極/10α程度と考へられ,八郎潟干

拓地土壌の地力は極めて高いものと思われる.

寒冷地における水稲の苗播栽培に関する研究

第2報.苗播水稲の生育相

木根淵 旨 光・島 田 裕 之

(東北農試)

1.緒     言

苗播きとは室内育苗器で常法により主梓乗数1・5枚の

苗を養成したのち取り出して2′〉3日外気で硬化し,土

の部分を1.0~1.5C椛「hに縦断し,その′J、塊を1株(稚苗

3~5本を含む)として本田植代後の地表面に落下横匠

の状態から生育させるものである.■蔚播方法は当然機械

化を前掟としている.苗播栽培の初期生育,特に活着の

様想については第1報に報告したが,13℃気温下でも安

定した活着を示すことを確認した.しかし本技術を確立

させるためには適合した他部門の技術の導入と結合が必

要である.従ってその条件となる宙播水稲の生育様相の

特徴を明らかにするために行なった研兜結果について報

告することとした,本研究は農林省東海近読点試場長八

柳三郎博士の御高教による処が多く,謹んで御礼を申上

げる次第である.

2.試験の方法