心室中隔解離を伴ったたこつぼ型心筋症•...
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画論22th The Best Image in Ultrasound 2014
• 使用装置:Artida(SSH-880CV)
• 患者情報:73歳男性
• 検査目的:近医より心筋梗塞疑いで紹介された。当院で直ちに冠動脈造影を行ったが有意狭窄を認めずたこつぼ型心筋症と診断された。カテーテル中に収縮期血圧160mmHg台→60mmHg台と急激な低下を認めた。原因検索のため心エコー検査が依頼された。
画論22th The Best Image in Ultrasound 2014
Na 133 mEq/L
K 4.1 mEq/L
Cl 104 mEq/L
Ca 8.8 mg/dL
Bil 1.0 mg/dL
TP 7.6 mg/dL
ALB 3.9 mg/dL
AST 32 U/L
ALT 18 U/L
LDH 195 U/L
γGTP 57 U/L
CPK 113 U/L
CK-MB 15.8 U/L
Amy 60 U/L
Glu 92 mg/dL
BUN 15 mg/dL
Cre 0.8 mg/dL
BNP 256 pg/mL
CRP 0.55 mg/dL
TnI 0.91 ng/mL
WBC 7.1 10^3/μL
Neu 70.1 %
Lym 19.7 %
Mono 8.6 %
Eos 0.8 %
Baso 0.8 %
RBC 5.19 10^6/μL
Hb 17.2 g/dL
Ht 52.2 %
MCV 100.6 fL
MCH 33.1 pg
MCHC 32.9 %
PLT 233 10^3/μL
PT-INR 1.0
PT 100 %
APTT 30.7 sec
来院時血液検査所見
画論22th The Best Image in Ultrasound 2014
• 画像所見:Bモード上、心尖部中隔側に壁運動異常を認める。同部位は心室中隔の欠損像を呈し、心筋の解離を認める。カラードプラでは解離腔を介して左右シャント認め、連続波ドプラにて4.9m/sの高速血流を認める。心室中隔解離、心室中隔穿孔を疑う。
• クリニカルコメント:心室中隔穿孔は急性心筋梗塞の合併症として代表的な疾患の一つである。近年は本症例の様にたこつぼ型心筋症での合併報告も散見される。多くの心室中隔穿孔例では血行動態の破綻を来しうるため早期外科手術が選択されるが、本症例では呼吸・循環状態が比較的保たれていたため穿孔部の脆弱性が改善されるのを待ち2週間後に手術施行された。
• テクニカルコメント:より詳細な評価のため3D経胸壁心エコー図を追加した。3D像では心室中隔心尖部付近より中部にかけての解離が明瞭に描出される。翌日経食道心エコー図も追加し3D像を確認したが、超音波深度が深いため明瞭な画像を得られなかった。今回の症例では3D経胸壁心エコー図の方が3D経食道心エコー図より心室中隔解離像の描出には有効であった。