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付 録 ベクトルと座標系 基底変換 ベクトルの座標変換 添字記号 領域積分と境界積分 部分積分の公式と発散定理 133 20091019日月曜日

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Page 1: ベクトルと座標系 基底変換 ベクトルの座標変換 添 …ベクトルと座標系 •ベクトルとは大きさと向きを持った量 •位置ベクトル,力,変位,速度,加速度,流速,熱流

付 録

• ベクトルと座標系• 基底変換• ベクトルの座標変換• 添字記号• 領域積分と境界積分• 部分積分の公式と発散定理

133

2009年10月19日月曜日

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ベクトルと座標系

• ベクトルとは大きさと向きを持った量

• 位置ベクトル,力,変位,速度,加速度,流速,熱流束,電界,…

• ベクトルの和:平行四辺形の法則

• ベクトルのスカラー倍:方向はそのままで大きさがスカラー倍

• 正規直交基底ベクトル(互いに直交する単位ベクトル)→成分

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2009年10月19日月曜日

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• ベクトルとは大きさと向きを持った量

• 位置ベクトル,力,変位,速度,加速度,流速,熱流束,電界,…

• ベクトルの標記:

• ベクトルの分解と基底ベクトル(平行四辺形の法則)

ベクトルと座標系

135基底ベクトル

2009年10月19日月曜日

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ユークリッド空間のベクトルの正規直交基底

ベクトルの内積

ベクトルの成分表示

基本ベクトル

ベクトルの成分と内積

各座標軸への影

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ベクトルの座標軸の回転

変換後の基本ベクトルの変換前の基本ベクトルによる成分表示

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基底変換の行列

変換後の基本ベクトルを変換前の基本ベクトルで表すと次のようになる.

変換前の基本ベクトルを変換後の基本ベクトルで表すと次のようになる.

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基底変換の行列の性質

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座標軸の回転によるベクトルの変換

140

変換前のベクトルを変換後の基本ベクトルで表す.

よって,座標軸の回転によってベクトルの変換は次式のようになる.

逆の関係式は次式のようになる.

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添字記号を用いたベクトルの表現は

添字記号

141

座標軸を x, y, z の代わりに番号をつけてx1, x2, x3 で表す.

のようになる.

(例)

添字はどんな文字を用いてもよいが,一貫していなければならない. i と書いたらそれはそのベクトルの i 成分を意味する.したがって,次のような書き方は間違い.

i は i =1, 2, 3のどれかであり,1, 2, 3のすべてを i で代表している.

××

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添字記号を用いた内積の標記法

142

添字を用いると,ベクトルの内積は次のようになる.

さらに総和の記号は省略して,次のように書く.

添字 i を繰り返し用いているが,繰り返し用いる添字については和をとるものとする(アインシュタインの総和規約).また,次のように総和をに用いる添字には何を用いてもよいはずである.

したがって,次のように書いてもよいことになる.

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添字記号を用いた行列の標記

143

行列の i j 成分を代表している.

行列とベクトルの積

j について1から3まで和をとっている.

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144

行列と行列の積

ベクトルと行列の積

添字記号では,成分を代表して標記しているだけで,それが行ベクトルか列ベクトルかは,使っている人がどちらのつもりで書いているかによって決まる.

添字記号による標記は計算のアルゴリズムになっている.

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145

クロネッカのデルタの性質

(b の添字 j を i に交換)

(a の添字 j を i に交換)

添字記号(クロネッカのデルタ)

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146

(例)

交代記号を用いたベクトルの外積の標記

のとき

添字記号で表すと

添字記号(交代記号)

2009年10月19日月曜日

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添字記号を用いた座標系の回転の公式

147

変換前のベクトルを ,変換後のベクトルを とすると,

ただし, は変換後の基本ベクトル の 座標成分.

変換前のベクトルを変換後のベクトルで表すと,次のようになる.

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148

添字記号を用いた偏微分の標記法

コンマの後ろに数字を書いて,それぞれの座標による偏微分を表す.

関数の勾配は,それぞれの座標による偏微分を成分とするベクトルであるから,次のように書ける.

2階以上の偏微分も,次のようにコンマの後ろに数字を続けて書く.

したがって,ラプラシアンは次のようになる.

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ベクトル値関数の発散

ベクトル値関数の回転

ここで,

であるから,次のように書くことができる.

eijk の添え字 jk と uk,j の添え字 k,j の順番に注意

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領域積分と境界積分

• 領域積分• 体積積分(3次元の領域(固体など)を対象とするとき)

• 面積分(2次元の領域(平面問題など)を対象とするとき)

• 境界積分(表面積分)• 曲面上の面積分(3次元の領域(固体など)を対象とするとき)

• 曲線に沿った線積分(2次元の領域(平面問題など)を対象とするとき)

2009年10月19日月曜日

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3次元問題の場合

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領域積分

境界積分

のように,表面上の点 x をパラメータ s, t で 表すと,

および

を用いて,次のようになる.

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(例)球の表面積

x

y

z

a

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2次元問題の場合

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領域積分

境界積分

のように,境界上の点 x をパラメータ s で 表すと,

より,次のようになる.

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部分積分の公式

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1次元の部分積分の公式

あるいは

また

より

部分積分により微分が f から g に移る.

2009年10月19日月曜日

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次に,2次元問題における次の領域積分を考える.

偏微分を取ってその方向の法線ベクトル成分を掛けた境界積分になる.

2009年10月19日月曜日

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2次元問題の部分積分の公式(1)

3次元問題の場合も同様に次のようになる.

他の表記法を用いた場合,次のように書ける.

2009年10月19日月曜日

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部分積分の公式(2)

他の表記法を用いた場合,次のように書ける.

関数 f の代わりに fg を考えると,次の一般の部分積分の公式が得られる.

2009年10月19日月曜日

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発散定理部分積分の公式において,関数 f の代わりに速度,変位,力などのベクトル値関数 u = (ux, uy, uz)(添え字記号を用いるとu = ui) を考える. ux, uy, uzそれぞれについて,次の公式が成り立つ.

これらを辺々加えると,次の発散定理(ガウスの定理)が得られる.

他の標記法を用いた場合は,次のようになる.

2009年10月19日月曜日

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部分積分の公式の応用例

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物体の体積を境界積分(表面積分)から計算する方法

あるいは,次のようにしても計算できる.

2009年10月19日月曜日

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物体の図心の座標を境界積分(表面積分)から計算する方法

物体の図心の座標を とすると,

ここで,

よって,

より,

よって,

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浮力の計算の部分積分の公式による説明

物体の図心の座標を とすると,

水面を z = 0 としたとき,物体の位置 (x, y, z) における水圧の大きさは, z < 0 より となる.水圧は面に垂直に内向きに作用するから,物体に作用する単位面先あたりの力のベクトルは

となる.ただし, は水の密度, z は重力加速度である.物体の浮力 f は,物体の表面に作用する力をすべて集めたものであるから,

よって,物体に働く浮力は上向きに となることが分かる.

部分積分の公式の応用例

2009年10月19日月曜日