グループ診療による 在宅医療の意義癌・非癌による在宅療養期間の違い...

23
グループ診療による 在宅医療の意義 本郷ヒロクリニック 裕雄

Upload: others

Post on 07-Oct-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: グループ診療による 在宅医療の意義癌・非癌による在宅療養期間の違い 疾患区分(1) 場所 平均 : 在宅日数 平均 : 入院日数 平均 : 合計

グループ診療による 在宅医療の意義 本郷ヒロクリニック 英 裕雄

Page 2: グループ診療による 在宅医療の意義癌・非癌による在宅療養期間の違い 疾患区分(1) 場所 平均 : 在宅日数 平均 : 入院日数 平均 : 合計

当法人の在宅診療体制について 常勤医師6名、非常勤医師15名 常勤看護師5名、非常勤看護師4名 理学療法士6名 常勤医、常勤看護師は交代勤務制で365日をカバーしている。

夜間当直体制(非常勤医師、非常勤看護師、アシスタント)

電話対応は基本的に主治医コールを原則とする。

Page 3: グループ診療による 在宅医療の意義癌・非癌による在宅療養期間の違い 疾患区分(1) 場所 平均 : 在宅日数 平均 : 入院日数 平均 : 合計

平成20年の実績から

65% 5%

29%

1%

死亡場所別

(看取り率)

自宅 施設

病院 その他

230 (100%)

150

11

67

2

Page 4: グループ診療による 在宅医療の意義癌・非癌による在宅療養期間の違い 疾患区分(1) 場所 平均 : 在宅日数 平均 : 入院日数 平均 : 合計

癌・非癌による在宅療養期間の違い

疾患区分(1) 場所 平均 : 在宅日数 平均 : 入院日数 平均 : 合計癌 自宅 76.5 0.0 76.5

施設 338.0 0.0 338.0病院 67.2 17.1 84.3その他 9.0 0.0 9.0癌 平均 76.9 5.3 82.2

非癌性 自宅 369.3 0.0 369.3施設 724.1 0.0 724.1病院 495.8 21.3 517.1その他 299.0 0.0 299.0非癌 平均 436.3 5.5 441.8自宅 189.7 0.0 189.7施設 653.9 0.0 653.9病院 220.7 18.6 239.4その他 154.0 0.0 154.0合計平均 220.7 5.4 226.1

Page 5: グループ診療による 在宅医療の意義癌・非癌による在宅療養期間の違い 疾患区分(1) 場所 平均 : 在宅日数 平均 : 入院日数 平均 : 合計

癌・非癌による在宅療養期間の違い

76.9

436.3

220.7

5.3

5.5

5.4

0.0

50.0

100.0

150.0

200.0

250.0

300.0

350.0

400.0

450.0

500.0

癌 平均 非癌 平均 合計平均

平均在宅日数

平均 : 入院

日数

平均 : 在宅

日数

(82.2)

(441.8)

(226.1)

(日数)

Page 6: グループ診療による 在宅医療の意義癌・非癌による在宅療養期間の違い 疾患区分(1) 場所 平均 : 在宅日数 平均 : 入院日数 平均 : 合計

在宅での医療行為 在宅療法として認められているのは、一部だが 医師が訪問して行う医療には原則制限がない

在宅療法 ・在宅酸素療法 ・在宅人工呼吸療法 ・在宅中心静脈栄養療法 ・在宅経腸栄養療法 ・在宅自己導尿 など

在宅療法以外 末梢点滴 輸血 抗生剤治療 吸引 腹水穿刺 など

癌など状態変化の著しい患者では、では在宅療法以外の対応が不可欠のため、 どうしても医療機関毎の対応に差異が生じてしまう。

Page 7: グループ診療による 在宅医療の意義癌・非癌による在宅療養期間の違い 疾患区分(1) 場所 平均 : 在宅日数 平均 : 入院日数 平均 : 合計

悪性腫瘍在宅療養の一般的推移およびその対応方法

Page 8: グループ診療による 在宅医療の意義癌・非癌による在宅療養期間の違い 疾患区分(1) 場所 平均 : 在宅日数 平均 : 入院日数 平均 : 合計
Page 9: グループ診療による 在宅医療の意義癌・非癌による在宅療養期間の違い 疾患区分(1) 場所 平均 : 在宅日数 平均 : 入院日数 平均 : 合計
Page 10: グループ診療による 在宅医療の意義癌・非癌による在宅療養期間の違い 疾患区分(1) 場所 平均 : 在宅日数 平均 : 入院日数 平均 : 合計

症状変化期

新たに生じた症状に対して、在宅で症状緩和を図るための新規の医療的対応(在宅酸素の導入や点滴の開始など)を要する時期

この段階で、本人希望を汲み取りさらに医療的状況・身体状況などを踏まえて全体の療養方針の再確認をする必要がある。

(この時期を医療者が親身に適切に速やかに対応し、本人・家族が安心して過ごすことができるかどうかで在宅ケアが継続できるかどうかがほぼ決まるようです。)

Page 11: グループ診療による 在宅医療の意義癌・非癌による在宅療養期間の違い 疾患区分(1) 場所 平均 : 在宅日数 平均 : 入院日数 平均 : 合計
Page 12: グループ診療による 在宅医療の意義癌・非癌による在宅療養期間の違い 疾患区分(1) 場所 平均 : 在宅日数 平均 : 入院日数 平均 : 合計
Page 13: グループ診療による 在宅医療の意義癌・非癌による在宅療養期間の違い 疾患区分(1) 場所 平均 : 在宅日数 平均 : 入院日数 平均 : 合計

悪性腫瘍在宅医療の特徴 年齢層が比較的若く、かかりつけ医を持っていないことが多い。

状態変化が著しく、医療的対応や頻回訪問が必要になることが多い。

介護する家族の病状理解やコンセンサスの構築が何より重要となる。

短期間ではあるが、患者や家族にとって最後のときを家で過ごせることの意義が高いことが多い。

Page 14: グループ診療による 在宅医療の意義癌・非癌による在宅療養期間の違い 疾患区分(1) 場所 平均 : 在宅日数 平均 : 入院日数 平均 : 合計

癌以外の在宅療養で グループ診療に適しているのは? 重度医療対応を要する慢性疾患(ALSなど神経難病や重症心不全など)

頻回訪問が必要となる事例

Page 15: グループ診療による 在宅医療の意義癌・非癌による在宅療養期間の違い 疾患区分(1) 場所 平均 : 在宅日数 平均 : 入院日数 平均 : 合計

強化型在宅療養支援診療所 ① 在宅医療を担当する常勤の医師が3名以上配置 ② 過去1年間の緊急の往診の実績を5件以上有する ③ 過去1年間の在宅における看取りの実績を2件以上有している

Page 16: グループ診療による 在宅医療の意義癌・非癌による在宅療養期間の違い 疾患区分(1) 場所 平均 : 在宅日数 平均 : 入院日数 平均 : 合計

当法人では? 連携型の強化型在宅療養支援診療所 竹田クリニック たかせクリニック 明大前アットホーム整形リハビリクリニック アットホーム表参道クリニック ホームクリニックのどか 新宿ヒロクリニック 銀座ヒロクリニック 本郷ヒロクリニック 麻布ヒロクリニック

Page 17: グループ診療による 在宅医療の意義癌・非癌による在宅療養期間の違い 疾患区分(1) 場所 平均 : 在宅日数 平均 : 入院日数 平均 : 合計

緊急往診の流れ 各クリニックの電話で受信 ⇒ 主治医判断 ⇒ センターへ往診依頼 ⇒ 主治医から出動医師への口頭指示 ⇒ 終了報告

Page 18: グループ診療による 在宅医療の意義癌・非癌による在宅療養期間の違い 疾患区分(1) 場所 平均 : 在宅日数 平均 : 入院日数 平均 : 合計

年末年始非常勤医往診体制実績 平成25年

0

1

2

3

4

5

6

7

12/29 12/30 12/31 1/1 1/2 1/3 1/4

日別訪問件数実績

往診 定期診療

(件)

Page 19: グループ診療による 在宅医療の意義癌・非癌による在宅療養期間の違い 疾患区分(1) 場所 平均 : 在宅日数 平均 : 入院日数 平均 : 合計

クリニック別訪問件数割合

52%

27%

15%

6% 新宿ヒロクリニック

竹田クリニック

アットホームクリニック赤坂

本郷ヒロクリニック

(17)

(9)

(5)

(2)

100%

(33件)

Page 20: グループ診療による 在宅医療の意義癌・非癌による在宅療養期間の違い 疾患区分(1) 場所 平均 : 在宅日数 平均 : 入院日数 平均 : 合計

出動理由の割合

31%

27%

18%

12%

6%

6%

嘔吐・発熱

状態観察(含定期処置)

経鼻胃管自己抜去

呼吸状態悪化

疼痛・不快感

食欲低下

100%

(33件)

(10)

(9)

(6)

(4)

(2)

(2)

Page 21: グループ診療による 在宅医療の意義癌・非癌による在宅療養期間の違い 疾患区分(1) 場所 平均 : 在宅日数 平均 : 入院日数 平均 : 合計

処置内容の割合

43%

18%

18%

15%

3% 3%

点滴・注射 状態観察 胃管挿入

投薬(内服) 救急搬送 死亡確認

100%

(33件) (14)

(6)

(6)

(5)

(1)

(1)

Page 22: グループ診療による 在宅医療の意義癌・非癌による在宅療養期間の違い 疾患区分(1) 場所 平均 : 在宅日数 平均 : 入院日数 平均 : 合計

【課題と反省点】

各クリニックあたりの軽費は116000円程度だった。 実際には夜間対応や看護師の出動を必要とすることがあった。

各診療行為を各診療所算定としたが、非常勤医師の雇用から考えて、翌年度は一括算定に変更した。

Page 23: グループ診療による 在宅医療の意義癌・非癌による在宅療養期間の違い 疾患区分(1) 場所 平均 : 在宅日数 平均 : 入院日数 平均 : 合計

グループ診療における在宅診療の可能性

診療所内グループ診療 重傷者在宅医療対応が可能になる。

診療所間グループ診療 1・単独開業診療所であっても、休日対応などが可能になる。

2・当直医のみならず、専門医、医療機器などの有効利用が図れる可能性がある。

3・ただし診療スタイルの違いなどから一概に利用が進むわけではない。