オンラインサービス「ムビチケ」のアジャイル開発に visual...
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オンラインサービス「ムビチケ」のアジャイル開発にVisual Studio と Team Foundation Server を採用株式会社システムコンサルタントは、株式会社ムビチケ ( 本社 : 東京都港区 )が運営する映画観賞券の前売券購入と座席予約ができるオンラインサービス「ムビチケ」< http://www.movieticket.jp/ > のシステム開発において、アジャイル開発をスムーズに行うために「Visual Studio Ultimate」と「Visual Studio Team Foundation Server 」による開発体制を整備しました。同社による「ムビチケ」のシステム構築では、当初ウォーターフォールモデルでの開発を想定していましたが、複数の配給会社および興行会社が参加し、早期のサービス開始が求められる大規模な新規システムであったためアジャイルプロセスを取り入れた開発に変更しました。その際に、同社の開発フレームワークとTeam Foundation Server を組み合わせて、ソースコード管理、テスト、自動ビルドによるアジャイル開発環境を実現しました。
オンラインサービスに適したアジャイル開発の基盤にTeam Foundation Server を採用
導入の背景とねらい
株式会社システムコンサルタントは、1968年創業の老舗 IT企業で、コンサルティングから設計、開発、テスト、運用サポートに至るトータルソリューションを提供しています。同社では、オンライン映画予約チケット販売サービス「ムビチケ」のシステム開発において、これまでのウォーターフォールモデルによる開発ではなくアジャイル開発を実践しました。また、映画予約チケット販売というオンラインサービスのプラットフォームに、一時的なアクセスが集中するといった特性などを理由にMicrosoft のクラウド基盤であるWindows Azureを採用しました。
るのが、とても困難な状況でした。そこでアジャイルの手法を取り入れてしまえば、配給元とシネコンやチケット販売会社などから、新たな企画やサービスの追加があっても、柔軟に対応していけると判断したのです」ウォーターフォール型の開発モデルからアジャイル型へと舵を切りなおした同社の開発チームでは、積みあがっていく変更要求に対応できるようにするために、ソース管理や変更履歴の管理を的確に行うために、開発環境の整備に取り組みました。
その背景について、同社の第一営業部 バリュービジネス推進ユニット マネジメント・スーパーバイザーの坪田竜一課長は、次のように説明します。「当初はウォーターフォールでの開発を想定していました。しかしクラウド環境を活用した新規ビジネスを提供するサービスの開発においては、いくつかの課題がありました。まずシステムの規模の予想が困難でした。またステークホルダーからは、少しでも早期のサービス開始が求められていました。さらにそのステークホルダーの多さから、仕様を完全に決めてから開発に取り掛か
社内外の関係者が多く、クラウドも活用したオンラインサービスのシステム開発で、ウォーターフォールモデルが適さない
課題
Visual Studio とTeam Foundation Server を使用し、ソースコード管理、テスト、自動ビルドによるアジャイル開発で対応。
解決
・開発規模 プロジェクト期間 2011/1 ~ 2011/7 拠点数 ムビチケほか6社以上で レビュー・開発案件 オンラインで購入できるチケットレスの 映画前売り券販売サービスと、電子化 されたカード型の映画前売り券販売サー ビス。・開発人員 ライセンス数 20 開発人員 13 名 テスト人員 13名 その他の人員 4名
利用状況
株式会社 システム コンサルタント第一営業部 課長バリュービジネス推進ユニットマネジメント・スーパーバイザー
坪田 竜一 様
株式会社 システム コンサルタントオープンシステム統括部.NETアーキテクトグループテクノロジーアドバイザー
足利 惟 様
株式会社システムコンサルタント
Visual Studio 2010とTeam Foundation Server 2010を使用したアジャイル開発を実現するためのシステム概要について、オープンシステム統括部 .NET アーキテクトグループの足利惟テクノロジーアドバイザーは、次のように解説します。「当社の開発チームでは、開発フレームワークとして Z-EWS(Z Extend Web Solution)という開発基盤を整備していました。これは、プレゼンテーション層 (Presentation Layer) とビジネス層 (Business Layer) にデータ層(Data Access Layer) という 3 層構造の開発フレームワークです。このフレームワークに、ソース管理と変更履歴管理、そして自動ビルドやテストを行うための基盤として、Team Foundation Server 2010を導入しました」Z-EWS という開発フレームワークは、同社がオープンシステム構築手法として20年以上積み上げてきたシステム基盤・モデル・スケルトン・コンポーネントの総称です。この Z-EWS に Visual Studio 2010 と Team Foundation Server 2010 を組み合わせることによって、ムビチケの開発チームは、ソース コード管理、テスト、自動ビルドを行う基盤を整備して、アジャイル開発を推進してきました。同チームが構築したソース管理では、メインのソースに対して複数の分岐を可能にし、リリース時に最適なマージを行う管理体制を確立しています。「開発とテストに関しては、Visual Studio の IDE と単体テスト機能を活用しました。当社の開発フレームワークである Z-EWS と組み合わせることで、それぞれのレイヤー単体によるテストで品質を高められます。さらにバグの影響範囲も特定しやすくなり、テストがコード化されることで、正常性の保証も容易になりました。また、毎日夜中に Team Foundation Server 2010 による自動ビルドを実行して、静的コードチェックと単体テストにコードカバレッジも自動で実行して品質チェックを行いました」と足利氏は自動ビルドの運用体制について補足します。
自社のZ-EWS( 開発フレームワーク)を組み合わせた開発環境を構築
システム概要
ステークホルダーが常に最新のアプリケーションをレビューできる環境を実現
導入効果
「今回のアジャイル開発によって、チームメンバーがコードの管理に慣れてくると、並行開発のスピードと品質が大幅にアップしました。またテストに関しては、影響範囲が特定しやすくなり、回帰テストのコード化によって、大幅な省力化を実現できました」と足利氏は具体的な導入の効果について評価します。「さらに Team Foundation Server によってビルドが自動化されただけではなく、ドロップされたパッケージファイルを定時バッチで Azure へ自動的にデプロイする方法によって、ステークホルダーが常に最新のアプリケーションをテスト環境でレビューできるようにしました。その結果、常にステークホルダーからのフィードバックが得られる状態となり、新しいアイディアが次 と々出てくるようになりました」と坪田氏は自動ビルドとクラウド環境を活用したデプロイの成果について触れます。ソースコード管理、テスト、自動ビルドを行う基盤として Team Foundation Server を使用し、開発のフレームワークを適切に組んだことで、同社ではアジャイル開発への新しい取り組みもスムーズに行うことができました。「アジャイル開発と自動デプロイによって、ムビチケでサービスを提供するステークホルダーから、新しいアイディアが多数引き出され、第一次の開発段階ではすべてをコード化できないほどでした。しかし、オンラインサービスにおけるアジャイル開発には、十分な成果があるという確信は得られました」と坪田氏はアジャイル開発の効果を話します。
「ウォーターフォール型の開発モデルとは異なり、アジャイル開発では仕様の変更や新たなサービスの追加に対しても、柔軟に対応できる開発基盤の整備が必要でした。ムビチケの開発においては、複数のステークホルダーから要求がギリギリになって出てくる、というケースがあったので、チームメンバーのストレスやモチベーションの低下を招かないためにも、アジャイルを意識した開発体制が求められていました。そこで、Team Foundation Server を活用してソース管理や変更履歴を並行に管理する仕組みを整えて、既存のバージョンに対する修正が容易になる分岐構造を構築しました」と足利氏は採用の理由について説明します。
アジャイル開発の手法を他の開発案件にも適応させていく計画
今後の展望
「今回の実績を踏まえて、2012 年末までに、「Visual Studio Ultmate 2012」と「Visual Studio Team Foundation Server 2012」にアップグレードすることを決定しました。Windows 8 アプリの開発に向けても、体制を整えていく計画です。また今回のようなオンラインでのサービス開発という案件だけではなく、エンタープライズ分野における業務アプリケーションなどの開発においても、ウォーターフォール型からアジャイル型への変化が起きています。その背景には、開発手法がサービス化している現状があります」と坪田氏はアジャイル開発の今後について触れます。「はじめは品質管理という観点から、ソースコードのバージョンを管理する必要性が出てくるのですが、その根底を探っていくと、エンタープライズ向けに開発する業務アプリケーションにも、継続的にサービスの質を上げていく取り組みが求められています。こうしたお客様側のニーズに応えていくためにも、今後はこの手法を他のプロジェクトにも取り入れ、最終的にはプロセスすべてをアジャイルにできることがゴールだと思っています。そのために開発フレームワークの生産性を生かして、アジャイル環境をよりよいものにしていけたらと思います」と坪田氏は将来に向けた抱負を語りました。
最新情報は、http://www.microsoft.com/visualstuio/jpn をご覧ください。
※Microsoft、Visual Basic、Visual Studio、Windows、 Visual Studio ロゴは米国Microsoft Corporation および、 またはその関連会社の商標です。※その他、記載されている会社名、製品名、ロゴ等は、 各社の登録商標または商標です。※記載した情報は、2012年12月現在のものです。※製品の仕様は、予告なく変更する場合があります。 あらかじめご了承ください。
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