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HPLC測定操作について
M1 芹澤 直樹
HPLC測定手順
溶液調整、脱気
カラム平衡化
試料inject
分析
カラム洗浄、保存
移動相溶液の調整
• 混合比
• pH調整
• 脱気
メスシリンダーを用い、正確に計りとる。
例:メタノールと水を3:1で混合した移動相100 mlを作る メタノール75 mlと水25 mlをそれぞれメスシリンダー で計りとり混合
有機溶媒と混合する前に、緩衝液もしくは水溶液の段階で調整する。
超音波装置で脱気を行う時間を、毎回決まった時間にする
再現性のよい移動相溶液を調整するには、 常に同じ操作ができるように作業を標準化することが必要
移動相中の空気が引き起こす諸問題
脱気の種類
加温かくはん
オフライン脱気
オンライン脱気
アスピレーターを用いた減圧脱気
加温かくはん
気-液分離膜を用いた減圧脱気
Heパージによる脱気
アスピレーターを用いた減圧脱気
操作
アスピレーターで減圧にしながら超音波洗浄機で脱気。小さな泡が出なくなったら終了。
長所
短時間で脱気できる
短所
減圧にしすぎると溶媒組成が変化する。
Heパージによる脱気
①He流量をあげ移動相から空気を追い 出す(10~30分)②排気バルブを閉じる(分析可能)③送液によって移動相が減った分だけHe を供給
長所
溶媒1 mlに対する気体の溶解量(分圧1 atm,25 ℃)
操作
・脱気能力は最も優れている
短所
・Heガスボンベ、レギュレーター、配管が必要
・移動相ビンの口径、形状に制限
脱気方法以外サクションチューブ
サクションチューブ内の小さな気泡が、浮力によってポンプに入りにくくなる。
移動相ビン上置き
操作
移動相ビンを右図のように送液ポンプより高い位置に設置
効果
ODSカラムの洗浄
HPLC分析を行った後のODS充填剤表面には、分析に用いた物質が吸着している
そのままにしておくと、次回の分析時に影響(保持時間のずれ、安定化に長時間かかる)がでる。
ODS充填剤表面の物質を洗い流す、洗浄という作業が重要
疎水相互作用で保持されている成分の洗浄
• 極性の低い溶媒を使う• 移動相に緩衝液を用いていた場合、塩の析出に注意
緩衝液/有機溶媒の分析移動相を用いている場合
①同比率の水/有機溶媒でカラムや流路を置換②有機溶媒の比率を上げる
水素結合で吸着している成分の洗浄
ODS充填剤表面には僅かにシラノール基が存在しており、窒素上の孤立電子対などと水素結合を形成する。(弱酸性~中性移動相下)
• リン酸や酢酸を加え、やや酸性にした洗浄液を用いる
酸性の洗浄液を用いて、孤立電子対に水素を配位させ水素結合を抑制
R-NH2 → R-NH3+
イオン結合で吸着している成分の洗浄
テトラブチルアンモニウムのように,イオン半径の大きなプラスイオンの場合、解離したシラノー
ルのマイナス電荷とイオン結合が起こる
電荷密度の高さから水和が何重にも生じてマイナスイオンが近づきにくい
水和が弱くなるためマイナスイオンが近づきやすい
• 半径の大きなマイナスイオンである過塩素酸イオンを(過塩素酸ナトリウムとして)0.1M程度入れた酸性洗浄液を用いる
(無機塩にも拘わらずメタノールやアセトニトリル100%にも溶解し析出が起こりにくい)
ODSカラム洗浄
移動相に緩衝液を含む場合 移動相に緩衝液を含まない場合
同じ混合比率の有機溶媒と 酸性水で置換
分析で用いた移動相よりも極性の低く、 やや酸性にした洗浄液で洗う
有機溶媒比率を高めた酸性 洗浄液で洗浄する
洗浄液に過塩素酸ナトリウムを加え洗浄
カラムの保存
カラム固定相の劣化の原因
①結合相の脱離(とくに酸性条件)②シリカの溶解(中性、アルカリ性条件)③移動相および試料中の成分の吸着
• 充填剤やカラムに負担のない溶媒で置換する• 中の溶媒が揮発しないように密栓し、一定温度で保存
a)正常ピーク b)フロンティング c)テーリング
ピーク形状とその理由
・カラムまたはガードカラムの汚れフロンティング
・インジェクション容量が多すぎる/サンプル濃度が高すぎる(サンプルのオーバーロード)、平衡化が不十分
・移動相に対して、サンプルを溶解している溶媒が強すぎる
・カラムまたはガードカラムの汚れテーリング
・インジェクターの問題(バルブが動かない、バルブの液漏れ、ニードルのつまり、ニードルの破損、インジェクションポートのつまり)
ピーク形状の異常