東北地域のポテンシャルを活かした スマートコミュニティ関連 ... ·...

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-1- 東北地域のポテンシャルを活かした スマートコミュニティ関連産業の創出促進に 関する調査事業 報告書 平成 24 年 2 月 東北経済産業局 平成 23 年度 我が国情報経済社会における基盤整備

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東北地域のポテンシャルを活かした

スマートコミュニティ関連産業の創出促進に

関する調査事業

報告書

平成 24 年 2 月

東北経済産業局

平成 23 年度 我が国情報経済社会における基盤整備

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目次

第1章 事業実施報告 ........................................................................................................................ 4 1. 事業の背景と目的 ....................................................................................................................... 4 2. 事業実施概要 ............................................................................................................................... 5 2.1 調査内容 .................................................................................................................................. 5 2.2 東北地域スマートグリッド研究会の開催 .......................................................................... 6 2.3 東北地域スマートグリッド情報連絡会議・分科会の開催 .............................................. 7 2.4 スマートコミュニティ関連産業促進事業との連携 .......................................................... 9

第2章 『災害に強い街づくり』としてのスマートコミュニティに関する調査 .................. 10 I. 東日本大震災で顕在化したエネルギーに対する課題................................................................... 10 1. 災害発生時の被災地における各種トラブルの事例 ............................................................. 10 1.1 住居・避難所における各種トラブル ................................................................................ 12 1.1.1 電力 ............................................................................................................................... 12 1.1.2 ガス ............................................................................................................................... 14 1.1.3 燃料(ガソリン、軽油) ........................................................................................... 16 1.1.4 エネルギートラブルと各種機器の使用状況の相互関連の整理............................ 18 1.2 各種産業施設における各種トラブル ................................................................................ 20 1.2.1 水産業 ........................................................................................................................... 20 1.2.2 農業 ............................................................................................................................... 21 1.2.3 畜産業 ........................................................................................................................... 22 1.2.4 製造業 ........................................................................................................................... 23 1.2.5 観光業 ........................................................................................................................... 24

2. エネルギーインフラにおける課題 ......................................................................................... 25 2.1.1 電力 ............................................................................................................................... 25 2.1.2 ガス ............................................................................................................................... 27 2.1.3 燃料(ガソリン、軽油) ........................................................................................... 29

II. 課題を踏まえた『災害に強い街づくり』に必要となるエネルギー関連技術開発の方向性.. 30 1. 災害に強いエネルギー関連技術が必要となる空間と機能の整理 ..................................... 30 2. 『災害に強い街づくり』に求められるエネルギー関連の要素技術 ................................. 32

第3章 資料編.................................................................................................................................. 36 I. 被災地ヒアリングメモ....................................................................................................................... 36 1. 八戸市......................................................................................................................................... 36 2. 八戸魚市場仲買人協同組合連合会 ......................................................................................... 42 3. 八戸みなと漁業協同組合 ......................................................................................................... 44 4. 大槌町......................................................................................................................................... 47

II. 東北地域におけるエネルギー需要及び再生可能エネルギー供給に関する整理...................... 53

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1. エネルギー需給の概観 ............................................................................................................. 53 2. 再生可能エネルギー供給に関する整理 ................................................................................. 64 2.1 ポテンシャルの概要 ............................................................................................................ 64 2.1.1 国による推計結果 ....................................................................................................... 64 2.1.2 各県の推計結果 ........................................................................................................... 69 2.2 導入実績と導入目標の概要 ................................................................................................ 71 2.3 再生可能エネルギーの位置づけ ........................................................................................ 72

III. 情報連絡会議・分科会資料 ............................................................................................................ 76 1. 第 1回情報連絡会議・分科会 ................................................................................................. 76 2. 第二回情報連絡会議・分科会 ................................................................................................. 83

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事業実施報告

1.事業の背景と目的

スマートコミュニティ関連市場は、地球温暖化対策としての再生可能エネルギーの大量導入や

新興国での電力需要の急増への対応の必要性等から、今後、世界的に拡大することが見込まれて

いる。

わが国においてもスマートコミュニティ関連産業は、国の新成長戦略の「グリーン・イノベー

ションによる環境・エネルギー大国戦略」において、海外市場への進出を視野に入れた成長産業

として位置付けられている。

東北地域にあってもスマートコミュニティ関連市場に参入意欲のある中堅・中小企業が多数存

在することから、昨年度調査事業において、スマートコミュニティ関連産業振興の先鞭をつける

ために、スマートグリッドに関連する研究会及び情報連絡会議を立ち上げ、当該分野における技

術開発課題の把握と東北地域の中小企業の参入の可能性を検討したところである。

さらに、これまでの時流によるスマートコミュニティ構築の必要性に加え、平成 23 年 3 月 11

日に起こった東日本大震災により、スマートコミュニティの必要性はますます高まっている。特

に東北地域においては、震災被害地域復興のための『災害に強い街づくり』が求められており、

東北地域独自のスマートコミュニティに対するニーズが生じている。

本事業では、『災害に強い街づくり』としてのスマートコミュニティの構築の方向性の検討、必

要な要素技術等の検討を行い、情報連絡会議分科会において産学連携の基盤を強化しながら、東

北地域での技術開発、実証の域内域外の産学・企業間連携による新規プロジェクトの創出、実用

化技術開発の促進に資することを目的とする。

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2.事業実施概要

2.1 調査内容

本事業では、東日本大震災の経験を踏まえた、『災害に強い街づくり』としてのスマートコミュ

ニティの方向性を検討するため、以下の調査を実施した。

(1) 東日本大震災で顕在化したエネルギーに対する課題の整理

①被災地域へのヒアリング調査、エネルギーに関する各種トラブル状況及び

具体的なニーズの把握

② エネルギーインフラの被害・復旧状況の整理、課題の抽出

(2) 課題を踏まえた『災害に強い街づくり』に必要となるエネルギー関連技術開発

の方向性の検討

① 災害に強いエネルギー関連技術が必要となる空間と機能の整理

② 『災害に強い街づくり』に求められるエネルギー関連の要素技術の整理

(3) 『災害に強い街づくり』としてのスマートコミュニティ構築の方向性の検討

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2.2 東北地域スマートグリッド研究会の開催

本調査事業を行うにあたり、東北地域内外の学識者、有識者からなる研究会を実施し、その助

言を得ながら調査を行った。

<第 1 回研究会>

日時: 平成 23 年 8 月 23 日(火)

場所: 仙台合同庁舎 6 階 東北経済産業局第 1・2 会議室

主な議題: ・昨年度研究会の取りまとめと今年度の方向性について

・本年度の調査実施計画について

・本年度分科会の方向性について

・震災後の「スマートコミュニティを核とした街づくり」の動向

<第 2 回研究会>

日時: 平成 23 年 11 月7日(火) 場所: 仙台合同庁舎 6 階 東北経済産業局第 1・2 会議室

主な議題: ・東北地域におけるエネルギー需要及び再生可能エネルギー供給に関す

る整理

・災害時のシステムトラブルの事例整理・分析

・震災により顕在化したニーズについて

・ヒアリング調査(案)について

<第 3 回研究会>

日時: 平成 24 年 1 月 30 日(月) 場所: 仙台合同庁舎 6 階 東北経済産業局第 1・2 会議室

主な議題: ・被災自治体ヒアリング結果報告(震災時の各種ライフライン途絶の状

況及び各種設備の使用状況)

・『災害に強いまちづくり』向けたスマートコミュニティ関連技術開発

の方向性(案)

・報告書の構成について

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2.3 東北地域スマートグリッド情報連絡会議・分科会の開催

スマートグリッド及びスマートコミュニティに関心のある東北地域の企業を主な対象として、

関連する情報の提供を行い、大学、企業、自治体等が集まりコミュニケーションを深める場とす

るため、東北地域スマートグリッド情報連絡会議・分科会を開催した。

情報連絡会議は、ゲストスピーカーを招聘し、スマートグリッド及びスマートコミュニティに

関連する情報の提供を行った。分科会では東北地域スマートグリッド研究会の委員がファシリ

テーターとなり、スマートグリッドシステムに関連する個別内容についての情報交換、ディス

カッションを行った。各分科会の構成、取り扱うテーマの概要は以下の通り。

第 1 分科会 スマートグリッド化に対応した家電・蓄電池・電気自動車

に関する分科会

第 2 分科会 エネルギー管理システムに関する分科会

第 3 分科会 スマートグリッド時代に対応した住宅・ビルに関する分科

東北地域スマートグリッド情報連絡会議・分科会は 2 回開催した。各回の主な議題内容は以下

の通り。

<第 1 回:情報連絡会議、第 1・3 分科会>

日時 平成 23 年 10 月 5 日(木) 場所 ハーネル仙台

主な議題 情報連絡会議 (基調講演)

「愛知県豊田市における低炭素社会システム構築実

証プロジェクト」豊田市 総合企画部 部長 太田

稔彦 氏

(特別講演)

「平成24年度資源エネルギー関連概算要求につい

て」経済産業省東北経済産業局エネルギー課長 泉

秀明

第 1 分科会 ・分科会出席者の自己紹介、スマートグリッド関連の

取り組み内容、興味分野についてのショートプレゼ

・意見交換

第 3 分科会 ・「スマートグリッド時代に対応した住宅・ビル」の

趣旨と活動計画について

・東松島市仮設住宅の室内外環境モニタリング・暖冷

房機器制御システムの概要について

・意見交換

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<第 1 回:情報連絡会議、第 2 分科会>

※分科会委員の都合のため、情報連絡会議、第 1・3 分科会とは別日開催

日時 平成 23 年 10 月 14 日(金) 場所 仙台第 2 合同庁舎 関東・東北産業保安監督部 8 階会議室

主な議題 ・レビュー

・HEMS、太陽光発電システムの動向

・スマートセンサによる電力見える化実証実験の成果と課題

・スマートグリッド時代における電力システムの再構築に向けた方向性

<第 2 回:情報連絡会議、第 1・3 分科会>

日時 平成 24 年 1 月 26 日(木)

場所 仙台市青年文化センター

主な議題 情報連絡会議 (基調講演)

・岩沼市 未来都市構想「愛と希望の復興」岩沼市総

務部政策企画課 主幹兼企画調整係長 新妻敏幸

・東松島市 未来都市構想「東日本大震災からの復興

~あの日を忘れず ともに未来へ 東松島一新~」

東松島市復興政策課復興政策班 主査 川口貴史

第 1 分科会 ・スマートハウス構築を目指した新規格 ECHON

ET Liteについて

・東北次世代エネルギー研究開発プロジェクトにつ

いて

・意見交換

第 3 分科会 ・「スマートグリッド時代に対応した住宅・ビル」

の趣旨と活動計画

・ZEB と ZEH イメージについて

・再生可能エネルギーによる災害に強い低炭素社会

の実現

・伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)のスマー

トシティへの取り組み

・意見交換

<第 2 回:情報連絡会議、第 2 分科会>

※分科会委員の都合のため、情報連絡会議、第 1・3 分科会とは別日開催

日時 平成 24 年 2 月 10 日(金) 場所 会津大学 産学イノベーションセンター

主な議題 ・「福島県復興計画と会津大学の活動」

・「M2M 技術と Zigbee の標準化動向」

・「センサーネットワークとモジュール」

・「機能安全からみたスマートグリッド」

・意見交換

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2.4 スマートコミュニティ関連産業促進事業との連携

上述の取り組みを効果的・効率的に進めるために、スマートコミュニティ関連産業促進事業の

コーディネーターとの連携を図った。具体的な実施内容は以下の通り。

� 本事業で実施した東北地域スマートグリッド研究会にスマートコミュニティ関連産業促

進事業のコーディネーターをオブザーバーとして招聘し情報共有を図った。

� 本事業で実施した東北地域スマートグリッド情報連絡会議・分科会に、マートコミュニ

ティ関連産業促進事業関連メンバーの参加を促し、事業の企業間の交流を促した。

� スマートコミュニティ関連産業促進事業で実施した各種事業(川上川下ネットワーク会

議、グリーンイノベーションフォーラム 2012in 仙台、等)の開催案内を、本事業の情報

連絡会議・分科会参加者に対して情報提供を実施し、両事業の企業間の交流を促した。

� スマートコミュニティ関連産業促進事業において実施する、国際的大規模展示会への共

同出展に対し、本事業の情報連絡会議関連企業を紹介し、出展のアシストを行った。

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第2章 『災害に強い街づくり』としてのスマートコミュニティに関す

る調査

I. 東日本大震災で顕在化したエネルギーに対する課題

1.災害発生時の被災地における各種トラブルの事例

東日本大震において、被災地域で発生したエネルギーに関する各種トラブルの状況及び各種エ

ネルギー機器の使用状況、エネルギーに対する具体的なニーズを把握するため、被災地域の各自

治体へのヒアリング調査を実施した。ヒアリング調査の実施項目、ヒアリング項目を図表 1に、

ヒアリング先一覧を示す。

図表 1 調査の実施方法、ヒアリング項目

<実施方法>

震災被災地を含む東北各地域の自治体(一部企業・業界団体を含む)に対して、

直接面談によるヒアリング調査を実施

<実施期間>

2012 年 1 月 10 日~2012 年 1 月 24 日

<主なヒアリング項目>

○震災時の各種ライフライン途絶の状況

・ 電気、ガス、燃料、上下水、情報・通信、交通の各種ライフラインの途

絶の状況

・ 停止の影響が大きかったライフライン

○震災時の各種設備の使用状況

・ 電気、ガス、燃料機器等の各種機器が使用可能になるまでに要した日数

・ 各種機器のうち、震災後も使用可能であった機器、使用可能時間

・ 各種機器が使用できない際にとった代替策

・ エネルギーインフラの復旧にあわせて優先的に使用した機器、その理由

○震災前後の情報・連絡について

・ 通常の災害時(火事、台風等)の連絡手段

・ 震災後の状況把握と復旧の際に主に使用した連絡手段

・ ライフライン・設備の復旧で主に連絡した機関等(官公庁・企業・NPO等)

○震災時の地域コミュニティーの役割

・ 震災時に有効に働いた地域コミュニティーでの取組み

○その他

・ 震災を契機に生じたエネルギーに対するニーズ

・ 災害に強い街に望むこと

・ 平時のエネルギー消費の状況

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図表 2 ヒアリング先一覧

県 市地域特性

(産業特性)東日本大震災による被害概況

青森県八戸市(漁業共同協

会を含む)水産業地域

・沿岸部が津波の被害を受ける、漁

港、水産加工業者への被害も大きい

・震災後は市内全域にわたって停電

岩手県

久慈市 住居系地域・沿岸部が津波の被害を受ける

・震災後は市内全域にわたって停電

大槌町 住居系地域

・町内の広域にわたって津波被害を

受ける(全家屋の約 57%が被災)

・インフラ設備が流出し、長期に渡っ

てライフラインが途絶

宮城県

仙台市 住居系地域

・東部地区で大きな津波被害が発生、

各種インフラや校、重要な都市施設

に被害が発生

・市内においても広域で電気、上下水

道、ガス等のライフラインが停止

栗原市 農業地域

・内陸部のため津波の被害はなかっ

たが、今回の地震での最も大きな揺

れ(震度 7)を記録

福島県

会津若松市 観光業地域・震災による直接的な被害は小さ

かったが、震動により停電が発生

相馬市 住居系地域

・市の中心部では大きな震動はあっ

たが停電は起こらず

・沿岸部は津波被害を受け孤立チッ

クが発生した

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1.1 住居・避難所における各種トラブル

被災地域の自治体へのヒアリングに基づき、住居・避難所におけるエネルギーの途絶状況及び

各種設備の使用状況を以下に整理する。

1.1.1 電力

電力インフラの途絶・復旧状況に関しては、各自治体によって状況が異なるほか、同じ自治体

内でも地域によっても状況が異なっている。

停電時間については 24 時間以内から 1 週間以上と地域差が大きいが、1つの自治体内では、

まず行政機能が集中する中心部や大きな病院が立地する付近から復旧し、その後自治体全域に

渡って徐々に復旧していき、最後に山間部等が復旧したという状況は各地域で共通している。

電気機器の使用状況について見てみると、給水・給湯や保健衛生用途の機器の多くは水を使用

するため、電気が復旧したとしても断水のために使用が不可であった場合が見られた。

情報・通信用途の機器では、バッテリー駆動の機器の場合は、機器自体は使用可能であったが、

通信規制や基地局の被災によって使用できないという例が多く見られた。また、携帯電話等の

バッテリーはおよそ一日程度しかもたず、以降は使用ができない状況になっている。

防災拠点となる市役所や消防署、病院、避難所等の一部の重要施設では、発電機の設置があっ

たため、電気機器を使用することができているが、その場合でも、発電機用の燃料の不足や発電

機の出力の不足によって、すべての機器を動かすことはできなかった。

震災時に最低限必要になる電気機器としては、照明及び情報・通信機器という声が多く聞かれ

た。照明については、「灯りがないと不安になる」、「余震が夜中に発生したときに安全が確認で

きない」といった理由が挙げられた。情報・通信機器については、「外部の情報が得られないた

め、被害状況が分からない」、「テレビのように映像で情報を得たい」、「避難所との各種連絡や安

全確認が取れずに困った」といった意見が挙げられた。実際に震災時にも非常用発電機の使用を

照明及び情報・通信機器に集中させたことが報告されている。

また、電気は、給水給湯、厨房、冷暖房、保健衛生、情報・通信、照明等の幅広い用途に使用

されているほか、ガス機器等の他のエネルギー源を使用する機器の起動にも使用していることが

あり、電気がないと何もできないことを実感したという声が多く聞かれた。

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図表 3 住居・避難所におけるエネルギーの途絶状況及び各種設備の使用状況(電気機器)

用途 機器 種類 震災発生直後 ~1日 ~3日 ~1週間 ~2週間 ~1ヵ月

病院・中心部等から優先的に電気が復旧

一部地域を除いて電気が復旧

全域で電気の復旧

断水のため使用不可

上下水設備の復旧

非常用機器燃料供給の復旧とともに使用可

代替品 代替品なし

病院・中心部等から優先的に電気が復旧

一部地域を除いて電気が復旧

全域で電気の復旧

非常用機器燃料供給の復旧とともに使用可

代替品 カセットコンロ 炊き出し、食糧支援

病院・中心部等から優先的に電気が復旧

一部地域を除いて電気が復旧

全域で電気の復旧

非常用機器 燃料不足により発電機使用制限燃料供給の復旧とともに使用可

代替品 自衛隊等からの反射式ストーブ等の支援

病院・中心部等から優先的に電気が復旧

一部地域を除いて電気が復旧

全域で電気の復旧

断水のため使用不可

上下水設備の復旧

非常用機器非常用発電機で使用可

燃料不足により発電機使用制限燃料供給の復旧とともに使用可

代替品 代替品なし

バッテリー駆動のものは使用可(ワンセグ放送、モバイルインターネット接続、ラジオ)

電気の復旧とともに使用可

通電により、一部機器は使用可(テレビ等)

一部地域を除いて電気が復旧

全域で電気の復旧

基地局被災のため使用不可

上下水設備の復旧

非常用発電機で使用可

発電機があったにもかかわらず、通信規制により使用制限

電気の復旧とともに使用可

代替品 通信できないため、直接移動して情報伝達等 かわら版コミュニティFM立ち上げ

病院・避難所等から優先的に電気が復旧

一部地域を除いて電気が復旧

全域で電気の復旧

非常用機器

代替品 自動車のライト、懐中電灯等で代替するが機能は不十分

自動車の暖房、毛布等で代替するが、機能としては不十分

防災無線による情報発信

通信規制により使用制限または機器本体・基地局のバッテリー切れにより使用不可

給水給湯

保健衛生

★照明

厨房

冷暖房

★情報・通信

洗濯機、衣類乾燥機、換気扇、温水洗浄便座、浄化槽用ポンプ、サウナバス、空気清浄機、イオン整水器等

電気温水器、ポンプ等

エアコン、電気床暖房装置、電気カーペット等

照明器具、庭園灯等

非常用発電機で使用可

通常の機器

冷凍冷蔵庫、電子レンジ、電気レンジ、電子オーブンレンジ、食器洗い機、食器乾燥器、クッキングヒーター等

停電・断水のため使用不可

通常の機器

テレビ、ビデオ、コンピューター、ワードプロセッサー、電話、ファクシミリ等

非常用発電機で使用可

機器のバッテリー切れにより使用不可

非常用発電機で使用可

燃料不足により発電機使用制限

給水車により、避難所等で使用可

停電のため使用不可

停電のため使用不可

通常の機器

燃料不足により発電機使用制限

通常の機器停電・断水のため使用不可

通常の機器

停電・基地局被災のため使用不可

燃料不足でも非常用照明は優先的に使用

燃料不足でも優先的に使用

非常用機器

通常の機器停電のため使用不可

非常用発電機で使用可

(注)色つきは機器が使用できた時間、★はヒアリングで重要と回答があった事項を表す。

(資料)ヒアリングで得られた情報から三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング作成

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1.1.2 ガス

都市ガス供給を行っている地域では、復旧までに 1ヶ月程度の時間がかかった地域が多かった

ものの、東北地域では都市部を除いて LPガスを使用している割合が多く、災害時にも使用する

ことができた地域が多かった。

ガス機器は、給水給湯または厨房用途に多く使用されているが、LP ガス等が使用可能であっ

たとしても、一部の機器については、起動・運転時に電力を使用するため、停電のため使用でき

ない場合もあった。

給水給湯用途では、ガス・電気・水の全てが必要であるため、いずれかの供給が途絶すると使

用不可となってしまう。水道については、耐震菅の設置が進んでいる地域では被害が少なかった

が、それ以外の地域では復旧に1ヶ月以上かかった地域もあったと報告されている。

厨房用途においては、カセットコンロが代替として使用できた場合や、震災後すぐに炊き出し、

食糧支援があったため、何とか代替策で乗り切ることができたという意見が聞かれた。また、ガ

スコンロは停電時でも一般的に使用可能なことから、LP ガスを燃料としている場合は使用する

ことができた。

自治体によっては、避難所となった公民館に LPガスを使用した小型のガスエンジンを設置し

ていたことから、このガスエンジンが非常時の電源として活躍した事例が見られた。

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図表 4 住居・避難所におけるエネルギーの途絶状況及び各種設備の使用状況(ガス機器)

用途 機器 種類 震災発生直後 ~1日 ~3日 ~1週間 ~2週間 ~1ヵ月

電気不使用のLPガス機器は使用可(瞬間湯沸器、風呂釜等)

通電により、LPガス機器は使用可(ガス給湯器、ガスボイラー)

一部地域を除いて電気が復旧

全域で電気の復旧

断水のため使用不可

上下水設備の復旧

都市ガス機器ガス供給の復旧とともに使用可

非常用機器

代替品 代替品なし

電気不使用のLPガス機器は使用可(ガスコンロ等)

通電により、LPガス機器は使用可(ガスレンジ、オーブン等)

一部地域を除いて電気が復旧

全域で電気の復旧

都市ガス機器 ガス供給停止、停電のため使用不可電気が復旧するも、ガス供給停止のため使用不可ガス供給の復旧とともに使用可

非常用機器 非常用なし

代替品 カセットコンロ 炊き出し、食糧支援

LPガス機器 LPガスファンヒーターは一般的ではない

都市ガス機器 ガス供給停止、停電のため使用不可電気が復旧するも、ガス供給停止のため使用不可ガス供給の復旧とともに使用可

非常用機器 非常用機器なし

代替品 自衛隊等からの反射式ストーブ等の支援

LPガス機器 LPガスエンジンは使用可 ※ただし、非常用として設置してあることを知らない例あり

都市ガス機器 ガス供給停止、停電のため使用不可電気が復旧するも、ガス供給停止のため使用不可ガス供給の復旧とともに使用可

非常用機器

代替品 代替品なし

ガスエンジン発電機時代が非常用機器として機能

自動車の暖房、毛布等で代替するが、機能としては不十分

電気が復旧するも、ガス供給停止または断水のため使用不可

ガス供給停止、停電、断水のため使用不可

発電

給湯器給水給湯

LPガス機器

非常用機器なし

給水車により、避難所等で使用可

LPガスはあったとしても、停電または断水のため使用不可

厨房ガスコンロ、ガスレンジ、オーブン

LPガスはあったとしても、停電のため使用不可

LPガス機器

ガスファンヒーター冷暖房

ガスエンジン

(注)色つきは機器が使用できた時間、★はヒアリングで重要と回答があった事項を表す。

(資料)ヒアリングで得られた情報から三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング作成

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1.1.3 燃料(ガソリン、軽油)

燃料(ガソリン、軽油)を使用する用途としては、冷暖房機器(石油ストーブ等)、自動車、

発電機(ディーゼル発電機)等がある。

阪神・淡路大震災等の過去の震災においては、大きな不足はなかったと報告がされているが、

今回の東日本大震災においては広域に渡って交通インフラが大きく被害を受けたために燃料の

供給が滞り、東北全域において燃料の不足が発生している。

燃料供給のルートは各県それぞれ異なるため(日本海側から又は太平洋側から)、各県によっ

て復旧までに要した時間は異なったようである。供給が復旧しても、各地域では1人あたりの給

油量の制限を行っていたため、正常な燃料供給に至るまでにはおおよそ1ヶ月程度の期間が必要

であった。

燃料を使用する各種機器の使用状況を見ると、冷暖房用途については、東北地方では灯油ス

トーブの使用割合が高く、寒冷地では影響が大きかった。また、ファンヒーターの割合が多いた

め、燃料が残っていたとしても停電により使用できない例が見られた。ただし、避難所等では優

先的に燃料確保を行い、また自衛隊等から電気を必要としない反射式ストーブの支援があったた

め、震災数日後には暖をとることができたところが多かった。

ガソリン、軽油の供給が不足したことから、緊急車両の稼働、避難所の運営や、ごみ収集、路

線バスの運行等にも二次的に影響が出ている。ガソリン・軽油については東北各地で供給不足が

発生しているが、LPガスについては需要量に対して比較的備蓄があり、LPガスを使用するタク

シー等の車両は、有効に働いたということである。

病院等では非常用発電機を設置しており、ある程度(1~2 日分)の燃料の備蓄は行っていた

が、これ以上の長期にわたって燃料の確保に支障がでることを想定していなかった。電力会社へ

電力の優先的な復旧要請、優先的に燃料供給と必要な機器の選択によって対応したとのことであ

る。

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- 17 -

図表 5 住居・避難所におけるエネルギーの途絶状況及び各種設備の使用状況(ガス機器)

用途 機器 種類 震災発生直後 ~1日 ~3日 ~1週間 ~2週間 ~1ヵ月

電気不使用の機器は使用可(反射式ストーブ等) 避難所等では優先的に燃料使用

燃料はあるものの、停電のため使用通電しても、燃料不足により使用制限燃料供給の復旧とともに使用可

非常用機器 非常用機器なし

代替品 自衛隊等からの反射式ストーブ等の支援

緊急車両・消防車等は優先的に燃料を使用

燃料不足により使用制限燃料供給の復旧とともに使用可

非常用機器 非常用機器なし

LPガスタクシー

公共バスは運休燃料供給の復旧とともに使用可

通常の機器 使用可燃料不足により使用制限

優先的に燃料を使用

非常用機器 ディーゼル発電機自体が非常用機器

代替品 代替品なし

公共バス復旧(ただし、燃料不足により間引き運転)

自動車の暖房、毛布等で代替するが、機能としては不十分

自動車、バイク★交通

ストーブ冷暖房

通常の機器

代替品

ディーゼル発電機★発電

通常の機器 使用可

(注)色つきは機器が使用できた時間、★はヒアリングで重要と回答があった事項を表す。

(資料)ヒアリングで得られた情報から三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング作成

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1.1.4 エネルギートラブルと各種機器の使用状況の相互関連の整理

各種用途におけるエネルギー源別機器の特徴を整理する。

給水給湯用途では、電気機器の場合、停電・断水のいずれかで使用が不可となる。ガス機器の

場合、最近は電気を使用するもとのが一般的であるため、停電・断水に加えてガス供給停止時に

も使用できなくなる。ただし、LPガス機器の場合は、ガス供給停止の可能性は低くなる。

厨房用途では、電気を使用する機器が多いが、ガスコンロにおいては、一般的に電気がなくて

も使用が可能であり、停電時にもガス供給が停止しなければ使用が可能となる。

冷暖房用途では、特に暖房用途において、現在普及しているガスまたは石油燃料を使用するス

トーブはファンヒータータイプが一般的であるため、ガスまたは石油燃料が使用できたとしても、

停電時に使用不可となる。エアコン等の電気機器の場合、停電さえしなければ使用可能であるが、

寒冷地では能力不足であることが指摘されている。

保健衛生用途では、電気機器の使用が一般的であるが、洗濯機等の一部の機器は断水で使用不

可となってしまう。

情報・通信用とでは、電気機器が一般的であるが、電気が使用可能であったとしても、通信イ

ンフラ設備が損傷した場合には使用ができなくなるほか、災害時発生時に通信が集中する場合に

は使用が制限される。

照明用途では、電気を使用することが一般的である。また、交通用途では、石油燃料が一般的

であるが、ガソリンスタンドの給油設備では電気を使用することから、停電時に給油できない可

能性がある。

発電用途では、都市ガス供給停止の場合使用不可となるため、軽油・灯油等の石油燃料を使用

するタイプが一般的である。一部では LPガスを使用するものも存在する。これらの燃料タイプ

は一般的に災害時にも供給途絶の可能性は低いが、東日本大震災では被害が広域であったため、

燃料の途絶が発生し、使用不可となった。

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- 19 -

図表 6 エネルギートラブルと各種機器の使用状況の相互関連

用途 電気 ガス 燃料

給水給湯

・電気温水器は停電・断水

のいずれかの場合に使

用不可

・ガス給湯器はガス供給停

止、停電、断水のいずれ

かの場合に使用不可(電

気不要機器は一部に限

る)

(一般的ではない)

厨房・電気があれば使用可能

な機器が多い

・ガスコンロは一般的に電

気がなくても使用可能(一般的ではない)

冷暖房

・電気が使用できればエア

コンの使用が可能である

が、寒冷地では能力不足

・ファンヒータータイプの場

合、電気がないと使用不

・ファンヒータータイプの場

合は電気がないと使用不

保健衛生

・電気があれば使用可能

な機器が多い

・洗濯機などの一部機器

は断水時にも使用不可

(一般的ではない) (一般的ではない)

情報・通信

・停電、通信インフラ設備

損傷、通信集中のいずれ

かの場合に使用不可・制

・モバイル機器は停電時に

も充電が切れるまでは使

用可能

(使用されない) (使用されない)

照明 ・停電時に使用不可 (使用されない) (使用されない)

交通 (一般的ではない) (一般的ではない)

・ガソリンスタンドの給油設

備で電気使用の可能性

あり

・東日本大震災では燃料

不足が発生

発電 (使用されない)

・都市ガスの場合、ガス供

給停止とともに使用不可

となる

・ LP ガスの場合は比較的

供給途絶は起こりにくい

・一般的に途絶は起こりに

くいが、東日本大震災で

は燃料不足が発生

(資料)ヒアリングで得られた情報から三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング作成

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1.2 各種産業施設における各種トラブル

1.2.1 水産業

八戸市でのヒアリングに基づき、水産業におけるエネルギーの利用状況及び震災の影響を整理

する。

主要なエネルギー需要機器は船舶、情報・通信施設、陸上物流施設である。各種動力には燃料

が、情報・通信設備及び製氷・冷蔵設備には電力が利用されている。漁業においては情報・通信

設備が重要な役割を果たしており、ヒアリング協力者はこれを「生命線」と表現している。

当該地域では停電が 1 週間以上継続した。多くの船舶(当該漁協には約 500 隻が登録されてお

り、うち約 300 隻が被害を受けている。)は津波を回避するために地震直後に沖合に出た。その

後は 1 か月程度、燃料調達が困難となった。

当該漁協では、高所に自家用発電機を配置していたこと、かつ 2-3 日分のディーゼル燃料を確

保していたことが奏功し、震災直後から無線を通じて船舶と連絡を取り続けることができた。た

だし外部からの情報入手手段は乏しく、自動車バッテリーで稼働するラジオ及びワンセグテレビ

に限られた。また電話が通じなくなったことで、スーパー等の小売店への商品の補充がうまくい

かなくなったと報告されている。

製氷・冷蔵設備は通電していなかったが、繁忙期ではなかったために、大きな被害は発生しな

かったとのことである。

図表 7 水産業におけるエネルギーの途絶状況及び各種設備の使用状況

用途 機器(エネルギー種) 震災発生直後 ~数日 ~数週間 ~数ヵ月

船内暖房(灯油)使用可夜まで沖合へ退避した。

1か月程度、燃料調達困難が継続。

復旧

機関(ガソリン、軽油・重油)使用可夜まで沖合へ退避した。

1か月程度、燃料調達困難が継続。

復旧

電話:主に陸上との通信

使用不可★スーパー等小売店と連絡が

つかず、適切な商品発送ができず。

復旧

テレビ・ラジオ 停電のため使用不可 復旧

カーラジオ、自動車ワンセグテレビ使用可☆自動車バッテリーの電力を

1か月程度、燃料調達困難が継続。

復旧

無線:主に漁船との通信使用可☆ディーゼル発電機の電力を

復旧

フォークリフト(軽油) 供給制限の範囲内で使用可1か月程度、燃料調達困難が継続。

復旧

製氷・冷蔵設備(電力)

停電のため使用不可★浸水後の動作確認にも時間がかかった。

★在庫の発送作業を急いだ。繁忙期でなかったため、被害は最小限だった。

復旧

トラック等(ガソリン、軽油) 使用可 燃料切れにより使用不可 供給制限内で使用可 復旧

情報・通信

船舶

陸上物流

(注)網掛け部は、その時期に機器が使用可能だったことを表している。

(資料)ヒアリングで得られた情報から三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング作成

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1.2.2 農業

栗原市でのヒアリングに基づき、農業におけるエネルギーの利用状況及び震災の影響を整理す

る。

主要なエネルギー需要機器は自走設備及び固定設備に分類できる。自走設備には軽油及びガソ

リンが、固定設備には灯油、電力及びガソリンが用いられている。機器の稼働率は季節によって

大きく変動する。トラクターのエンジンは日頃から発電機と接続して利用されている。

当該地域の停電は市域中心部で 1 週間、郊外で 2 週間程度続いた。燃料は 4 月初旬まで不足し

た。

停電により、当該地域ではビニールハウス内でスプリンクラーを稼働できないという問題が発

生した。また燃料の途絶は物流に大きな影響を与え、小売側では農産品が調達できず販売を停止

し、出荷できない生産者側が路上で農産品を販売して対応したと報告されている。

図表 8 農業におけるエネルギーの途絶状況及び各種設備の使用状況

用途 機器(エネルギー種) 震災発生直後 ~数日 ~数週間 ~数ヵ月

トラクター(軽油) 使用可 燃料切れにより使用不可 供給制限内で使用可 復旧

田植機(ガソリン) 使用可 燃料切れにより使用不可 供給制限内で使用可 復旧

コンバイン(軽油) 使用可 燃料切れにより使用不可 供給制限内で使用可 復旧

トラック(軽油) 使用可燃料切れにより使用不可。★出荷できず。路上販売する

供給制限内で使用可 復旧

乾燥機(灯油) 使用可 燃料切れにより使用不可 供給制限内で使用可 復旧

暖房器(灯油) 使用可 燃料切れにより使用不可 供給制限内で使用可 復旧

温水ボイラー(灯油) 使用可 燃料切れにより使用不可 供給制限内で使用可 復旧

育苗電熱線(電力) 停電のため使用不可

スプリンクラー(電力) 停電のため使用不可★ビニールハウス内で散水できなかった。

灌水エンジン(ガソリン) 使用可 燃料切れにより使用不可 供給制限内で使用可 復旧

自走設備

固定設備

(注)網掛け部は、その時期に機器が使用可能だったことを表している。

(資料)ヒアリングで得られた情報から三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング作成

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1.2.3 畜産業

久慈市でのヒアリングに基づき、畜産業におけるエネルギーの利用状況及び震災の影響を整理

する。

畜産業のエネルギー需要としては、牧草地管理及び物流における動力(燃料)需要と、畜舎管

理及び飼養管理における暖房(灯油)、電力需要が挙げられる。農業同様、機器の稼働率は季節

によって大きく変動する。またトラクターのエンジンは、日頃から発電機と接続して利用される。

当該地域の停電は 2 日程度で復旧したものの、ガソリンについては供給再開まで 1 週間程度か

かったうえ、供給制限が 1 か月程度継続した。軽油についてはガソリンと同様であったが、需要

がガソリン程はなかったことから、供給にはやや余裕があった。

停電及び燃料の途絶により、ブロイラーの熱管理ができない、乳牛からの搾乳ができない、と

いった問題が発生した。

この他、(主に港湾の都合で)肉牛向けの飼料を十分に調達することが一時期できなくなった

ことが、通常通りの肥育機会を逸失させ、産品の価値を棄損したと報告されている。

図表 9 畜産業におけるエネルギーの途絶状況及び各種設備の使用状況

用途 機器(エネルギー種) 震災発生直後 ~数日 ~数週間 ~数ヵ月

牧草地管理

各種トラクター(軽油) 使用可 燃料切れにより使用不可 供給制限内で使用可 復旧

洗浄用等温水ボイラー(灯油) 使用可 燃料切れにより使用不可 供給制限内で使用可 復旧

照明(電力) 停電のため使用不可 復旧

暖房(灯油) 使用可燃料切れにより使用不可。★ブロイラーで障害発生。

供給制限内で使用可 復旧

給餌システム(電力) 停電のため使用不可 復旧

搾乳機(電力)停電のため使用不可★搾乳できず。

復旧

海運(重油)

日本海側各港湾の被害のため運行に制限★飼料調達に障害発生し、肉牛の成長期に十分に給餌できず。

(復旧時期は不明) 復旧

トラック等(軽油) 使用可 燃料切れにより使用不可 供給制限内で使用可 復旧

畜舎管理

飼養管理

物流

(注)網掛け部は、その時期に機器が使用可能だったことを表している。

(資料)ヒアリングで得られた情報から三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング作成

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1.2.4 製造業

県内工業団地でのヒアリング及び文献調査に基づき、製造業(組立加工業)におけるエネルギー

の利用状況及び震災の影響を整理する。

製造業では他産業と異なり、多様なエネルギー源を利用する設備が連携し同時に稼働している。

このためエネルギー制約が強く、一つでも途絶すると生産に大きく影響する。文献調査(図表 10

では「他社事例」と表記。)で挙げられた、都市ガスの途絶でメッキ液が加温できなくなりメッ

キ工程が停止した事例、電力と重油が同時に供給されなかったためクリーンルーム環境を復旧で

きなかった事例がこれに相当する。設備代替の困難さも特徴の一つと言えるが、文献調査では故

障した NC 加工機の代わりに、ラップ盤を使用することで生産を再開させた事例が挙げられた。

また実際の震災では、エネルギーだけでなくサプライチェーンが寸断されたことにより、最終

ラインに近い製造業では長期間にわたり生産活動が停止した。この点では、震災時には多くの製

造業でエネルギー需要が大幅に低減する、とも評価できる。ただしこれについても、ヒアリング

協力社からは、生産を停止する場合でも稼働しつづける必要がある設備がある(塗料の循環ポン

プ)こと、また実際には工場が避難場所となるため、食堂等への照明・空調といった業務電力の

供給が重要となることが指摘されている。

図表 10 製造業におけるエネルギーの途絶状況及び各種設備の使用状況

用途 機器(エネルギー種) 震災発生直後 ~数日 ~数週間 ~数ヵ月

貯蔵管理・調整設備塗料循環ポンプ(電力)

一部を除き使用不可★塗料の循環ポンプだけは優先して稼働。

復旧

他社事例:加温設備(ガスボイラー)★都市ガス供給停止により、メッキ液を加温できず。

★都市ガス供給再開とともに通常運転再開

加工・組立設備一部を除き使用不可★出荷ニーズの大幅減で不要

に。

復旧

他社事例:鏡面加工設備★NC加工機の故障で作業停止

☆代替設備としてラップ盤を使用し、加工再開。

通常運転再開

搬送設備一部を除き使用不可★出荷ニーズの大幅減で不要に。

復旧

生産管理システム一部を除き使用不可★出荷ニーズの大幅減で不要に。

復旧

生産環境設備一部を除き使用不可★出荷ニーズの大幅減で不要に。

復旧

他社事例:クリーンルーム★停電のためクリーンルーム環境の維持不可

★重油途絶のため温度環境の維持不可

★重油途絶のため温度環境の維持不可

通常運転再開

照明(電力)使用不可☆食堂等は避難所として機

能。

復旧

冷暖房・空調(電力)使用不可☆食堂等は避難所として機能。

復旧

厨房機器(ガス) 使用可

物流 トラック等(軽油)使用可★出荷ニーズの大幅減で不要

燃料切れにより使用不可 供給制限内で使用可 復旧

生産設備

業務設備

(注)網掛け部は、その時期に機器が使用可能だったことを表している。

(資料)ヒアリングで得られた情報から三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング作成

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1.2.5 観光業

会津若松市でのヒアリングに基づき、観光業におけるエネルギーの利用状況及び震災の影響を

整理する。

観光業のエネルギー需要は居住エリアに類似する。温泉地の場合、暖房及び給湯需要は極端に

小さくなる。

当該地域での 2 回の停電は、いずれも 24 時間以内に復旧した。燃料供給の再開には 10 日から

2 週間程度を要し、その後も供給制限が続いた。

当該地域では、暖房機器として主にファンヒーターが利用されている。ファンヒーターはファ

ンを稼働する電力と燃焼させる灯油の両方が同時に必要となるため、当該地域では長期にわたり、

暖房の不足が発生した。エアコンも普及しているが、寒冷地であることからその容量は概して不

十分だったと報告されている。

図表 11 観光業におけるエネルギーの途絶状況及び各種設備の使用状況

用途 機器(エネルギー種) 震災発生直後 ~数日 ~数週間 ~数ヵ月

給湯器(ガス) 使用可

給湯器(ボイラー等) 使用可 燃料切れにより使用不可 供給制限内で使用可 復旧

温泉 使用可

照明 電灯(電力) 停電のため使用不可 復旧

調理器(ガス) 使用可

調理器(電気) 停電のため使用不可 復旧

給湯器(ガス) 使用可

給湯器(ボイラー等) 使用可 燃料切れにより使用不可 供給制限内で使用可 復旧

石油ファンヒーター 停電のため使用不可 燃料切れにより使用不可 供給制限内で使用可 復旧

エアコン 停電のため使用不可使用可★暖房能力としては不十分。

復旧

ストーブ(灯油)使用可

★ほとんど普及しておらず。燃料切れにより使用不可 供給制限内で使用可 復旧

ストーブ(薪・ペレット)使用可★ほとんど普及しておらず。

復旧

公共交通供給制限内で使用可(間引き運転)

復旧

自動車等 使用可 燃料切れにより使用不可 供給制限内で使用可 復旧交通

冷暖房・空調

厨房機器

給湯

(注)網掛け部は、その時期に機器が使用可能だったことを表している。

(資料)ヒアリングで得られた情報から三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング作成

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2.エネルギーインフラにおける課題

東日本大震災において発生した、各種エネルギーインフラの復旧に要した大凡の時間を把握す

るため、電気、ガス、燃料の供給システムの被害・復旧状況を整理した。

2.1.1 電力

東日本大震災では、発災直後に東北地方の広域に渡って停電が発生している。東北電力の発表

によれば、青森、岩手、秋田の全域、宮城、山形のほぼ全域、福島県の一部で停電が発生し、東

北電力管内における停電戸数は、延べ 4,861,246 戸であった。

東北電力管内全体での停電からの復旧状況を見てみると、発災後 1 日で約 50%の停電が解消し、

3 日で約 80%、発災後一週間で約 94%の停電が解消している(図表 12)。

図表 12 東北各県の停電戸数の推移

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

5,000

3/11

3/13

3/15

3/17

3/19

3/21

3/23

3/25

3/27

3/29

3/31

停電

戸数

[千戸

]

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

復旧

率[%]

福島県

山形県

宮城県

秋田県

岩手県

青森県

復旧率(右軸)

(資料)東北電力 HP より MURC 作成

東北各県別の電力供給の復旧率の推移を示したのが図表 13である。今回の震災においては震

動に加えて津波の被害が大きく、太平洋側の送変電設備では,津波により設備の倒壊や流出と

いった大きな設備被害が発生している。そのため、宮城、岩手といった津波の被害が大きかった

県においては、復旧に時間を要しており、復旧作業に着手が可能な地域における回収作業が終了

したのは発災から約 3 カ月後の 6 月 18 日である。

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津波の被害を受けていない秋田、山形については発災後 1 日で停電はほぼ解消している。また、

津波の被害が受けてはいるが、宮城、岩手に比べて被害の小さかった青森では、発災後 3 日後に

約 99%の停電が解消している。

図表 13 東北各県の電力供給復旧率の推移

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

3月11日

3月13日

3月15日

3月17日

3月19日

3月21日

3月23日

3月25日

3月27日

3月29日

3月31日

復旧

青森

岩手

秋田

宮城

山形

福島

(資料)東北電力 HP より MURC 作成

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2.1.2 ガス

(1)都市ガス

都市ガス供給においては、青森、岩手、宮城、福島の 4 県で、約 42 万戸への供給が停止し

ている。導管網の被害は少なかったものの、津波によりガス製造設備が機能停止するトラブル

が発生している。

東北地域全体における都市ガスの復旧状況をみてみると、発災後 1 週間は復旧が進んでいな

い。発災後 20 日前後からようやく復旧が進み始め、20 日後の 3 月 31 日で約 20%、1 カ月後

の 4 月 11 日で約 70%の復旧率である(図表 14)。

図表 14 東北各県の都市ガス供給停止戸数の推移

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

500

3/11

3/14

3/17

3/20

3/23

3/26

3/29 4/

14/4

4/74/10

4/13

4/16

4/19

供給

停止戸

数[千

戸」

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

復旧

率[%]

福島県

宮城県

岩手県

青森県

復旧率(右軸)

(資料)日本ガス協会 HP より MURC 作成

東北各県別の都市ガス供給の復旧率の推移を示したのが図表 15である。青森においては発

災後 3 日の 3 月 14 日には約 40%が復旧し、3 月 15 日はほぼ 100%が復旧している。

一方、津波の被害が甚大であった宮城、岩手においては復旧が遅れている。宮城において復

旧率が上昇し始めたのが約 10 日後であり、復旧が大凡完了したのが 4 月 30 日である。岩手に

おいても同様に、復旧率が上昇し始めたのが約 17 日後であり、大凡復旧が完了したのが 4 月

12 日である。

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図表 15 東北各県の都市ガス供給復旧の推移

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

3/11

3/18

3/25

4/1

4/8

4/15

復旧率

青森

岩手

宮城

福島

(資料)日本ガス協会 HP より MURC 作成

(2)LPガス

東北地域においては、LP ガスを使用する家庭が多く、津波による LP ガスボンベの流出、家

屋の倒壊等がない場合は、震災後も LP ガスを使用できた場合が多い。また、家庭用の LP ガ

スは、通常 2 本の容器を需要先に設置しており、ボンベの配送時はそのうちの 1 本を交換する

システムになっている。そのため、常に在庫として 1 本分の LP ガスボンベ(50kg 容器で 1 カ

月以上の需要が賄える)が軒先にあることになる。

津波の被害が甚大であった、岩手、宮城、福島における、震災前のLPガスの供給世帯数は、

約 166 万戸であるが、4 月末までに、家屋倒壊等地域を除いて LP ガスの供給が可能となって

いる。

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- 29 -

2.1.3 燃料(ガソリン、軽油)

発災直後は、物流網への被害、燃料生産設備への被害、出荷設備への被害から、東日本の殆ど

の拠点において出荷が不可能になっている。被災地においては、緊急車両用の燃料や、病院等の

重要施設での発電機の燃料、また生活物資の調達のための移動用や暖房用の燃料が必要とされた

が、東北全域に渡って燃料の供給不足が発生している。

図表 16に震災以降の東北地域におけるガソリンスタンド(SS)の稼働状況の推移を示す。震

災発生直後の 3 月 12 日には、東北地方においては多数の SS が営業を停止しており、岩手、宮城、

福島(被災 3 県)では営業率が 6 割弱まで低下、青森、秋田、山形のその他 3 県においても 7 割

弱に低下している。販売停止の大きな理由は、停電のためであり、次いで在庫がなくなったため

となっている1。営業率が回復に転じるのは発災から約 10 日後であり、震災前の水準に戻ったの

は、約 1 カ月後の 4 月初旬である。

図表 16 東北地方の SS 営業率の推移

(注)被災 3 県は岩手、宮城、福島。その他 3 県は青森、秋田、山形。

(資料)資源エネルギー庁「平成 23 年度東日本石油製品流通調査」

1 資源エネルギー庁「平成 23 年度 東日本大震災石油製品流通調査」

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- 30 -

II. 課題を踏まえた『災害に強い街づくり』に必要となるエネルギー関連技術開発の方向性

1.災害に強いエネルギー関連技術が必要となる空間と機能の整理

被災地の自治体ヒアリング、エネルギーインフラの途絶状況の整理で見られたように、東日本

大震災発災後は、東北のほとんどの地域において、電力、ガス、燃料のエネルギー供給が停止し

ている。津波被害の有無や、その他の被災状況によって、これらのエネルギー供給の復旧状況は

地域によって異なっているが、全体的な傾向を整理した表を図表 17に示す。

図表 17 エネルギー供給の途絶・復旧状況と生活空間の変化

~3日発災直後 ~1週間 ~1カ月

エネルギー供給

電力

�広域で停電が発生 �市街中心部から徐々

に復旧(設備被害が

小さい地域)

�被害が甚大な地域の

除き、おおおよそが復

�被害が甚大な地域を

除きほとんどの地域

で復旧

ガス

� (都市ガス)広域で供給が途絶

� (LPガス)設備被害がない場合、使用可能

� (都市ガス)設備被害が小さい地域では復旧開始

� (LPガス)設備被害がない場合、使用可能

� (都市ガス)徐々に復旧

� (LPガス)設備被害がない場合、使用可能

�被害が甚大な地域を

のぞいておおよそが

復旧

燃料

�広域で供給不足が発

�引き続き供給不足が

発生

�徐々に平常化 �おおよそ平常化

生活

空間

�被災場所、又は避難

所での限られた空間

での生活

�避難所又は自宅での

限られた空間での生

� エネルギー供給の復

旧とともに徐々に平常

の生活空間に近づく

�平常の生活空間に近

づく

(資料)MURC 作成

最も復旧が早かったのが電力であるが、津波被害がなく、復旧が早かった地域においても 1~

3 日は供給が停止しており、おおよその地域で復旧が進んだのは約一週間後である。ガス(都市

ガス)については電力よりも復旧に時間を要し、発災後 1 週間程度は供給が止まっている。燃料

については、発災後約 1 週間は供給不足が発生し、平常に戻るのには約 1 カ月を要している。

このように、エネルギーインフラからのエネルギー供給は、最も復旧が早かった電力供給が復

旧するまでの約 1~3 日は完全に途絶した状況となっている。

図表 17には、エネルギー供給の途絶・復旧状況とともに、発災後の生活空間の変化について

も併記している。平時には、エネルギーインフラからのエネルギー供給を受け、自宅等を中心と

した生活であるが、発災直後はエネルギー供給の途絶、被害の回避のために避難所を中心とした

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生活となり、その生活空間もごく限られた空間に制限される。

エネルギーインフラが復旧するにつれて、避難所から自宅等に戻る場合も増えてくるが、この

場合においても通常のエネルギー供給は行まだ行われていないため、避難所又は自宅を中心とし

た限られた空間での生活となる。

震災発災後のエネルギーインフラからのエネルギー供給の途絶状況、生活空間の変化を踏まえ

ると、災害発生時には、エネルギーインフラの一部が復旧するまでの 1~3 日の間は、避難所又

は自宅等を中心とした限られた空間において、エネルギー源を自分たちで確保して自活をする必

要がある。

以上から、災害に強いエネルギー関連技術の開発コンセプトは、「エネルギーインフラからの

供給が途絶する 1~3 日間、エネルギーインフラに頼らない生活をするための技術開発」とでき

る。加えて、災害対策は平時では必要のない対策であり、基本的には追加コストを支払うことに

なるため、次の視点が重要だと考えられる。

図表 18 災害に強いエネルギー関連技術の開発コンセプトと必要な視点

想定する空間 � 避難所、住居、等の戸建内の空間

技術開発のコンセプト

� エネルギーインフラからの供給が途絶する 1~3 日間、

エネルギーインフラに頼らない生活をするための技術

開発

技術開発の視点

� 過剰な設備投資とならない、必要最低限なもの

� 災害時に特化したものではなく、平時の際も活用でき

るもの

(資料)MURC 作成

例えば、エネルギー供給機器を考える場合であれば、家庭内の全ての機器を賄う容量のもので

はコストも高くなってしまう。そのため、災害時に最低現必要となる機器が動かせるだけの容量

とすることでコストを抑えることができる。被災地ヒアリング事例からは、発災直後の緊急時に

最低限必要な機器として、照明と情報通信機器があげられている。最低限これらの機器が動くだ

けのエネルギーを確保するためのスペックとなる。

加えて、災害時に特化したものではなく、平時の生活においても組み込んで活用できるもので

あることが望ましい。非常用設備はあくまで非常用であり、日頃からメンテナンス等を行ってい

なければ、いざというときに使用できない場合がある。

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2.『災害に強い街づくり』に求められるエネルギー関連の要素技術

被災地自治体ヒアリングから得られた、震災時の各種機器の使用状況や従来の使用ができな

かった際の代替策、図表 18で整理した災害に強いエネルギー関連技術の開発コンセプトと必要

な視点を踏まえ、各種機器に求められる具体的な機能を図表 19に列挙した。

機器の分類としては、エネルギー供給機器として発電・蓄電機器、エネルギー消費機器として

電化機器・その他エネルギー消費機器をとりあげた。

移動体はエネルギー消費機器の一つであるが、今回の震災時には、移動手段として以外の使わ

れ方をした場合が見られたため、移動手段としての機能以外のものを別にとりあげている。

図表 19 『災害に強い街づくり』に求められる各種機器の機能

発電・蓄電機器

電化機器・その他エ

ネルギー消費機器

移動体※

� 必要最低限のエネルギー確保

� 独立電源としての利用

� 代替動力源による駆動、動力源の切り替え

� 限られたエネルギーの有効活用(必要機器の選択)

� 機器自身による駆動エネルギーの創出

� 個別機器の省エネ化

� 移動可能なエネルギー源としての活用

� 避難空間としての活用

� 情報収集ツールとしての活用

非常時に必要となる機能 平時の際も活用するための機能

� 系統電力、その他エネルギーとの効率的な運用

� 限られたエネルギーの有効活用(必要機器の選択)

� 機器自身による駆動エネルギーの創出

� 個別機器の省エネ化

� 移動可能なエネルギー源としての活用

� 情報収集ツールとしての活用

� 系統電力、その他エネルギーとの効率的な運用

(注)移動体については、移動手段としての機能以外のものを挙げた

(資料)MURC 作成

図表 19で整理した機能を元に、それぞれの機器での具体的な要素技術を一覧の形で整理を

行ったのが図表 20~図表 22である。

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図表 20 発電・蓄電機器における要素技術一覧

機能 要素技術 技術の概要 主なプレイーヤー 技術開発・実用化の動向

発電・蓄電機器

�必要最低源のエネルギー維持、独立電源としての利用

�小型発電機(ガソリン、ガス)

�ガソリン、ガスエンジン、スターリングエンジン等を用いた小型発電機

�Honda、等 �インバーター機構搭載により、精密電子機器への使用も可能、単相100V、200V対応、直流出力も可能

�太陽光発電(PV)の自立運転

�系統電源からの電力供給が停止した際に、PVが発電した電気を独立して使用する

�シャープ

�オムロン

�三菱電機、等

�家庭用のPVシステムはほとんどが自立運転モードを備えているが、中規模PVシステムには搭載されていない場合が多い

�使用できる電力に制限があり、機器によっては使用できないもの(ポンプ等)がある

�停電時に自動的に自立運転に切り替わるシステム、停電時のバックアップとして蓄電池を搭載し、夜間でも使用を可能にするシステムの開発が行われている

�エコウィル、エネファームの自立運転

�系統電源からの電力供給が停止した際に、機器の駆動に必要な電力をバックアップにより供給し、機器の運転を継続する

�東京ガス

�東芝

�パナソニック、等

�これまでは自立運転が不可であったが、蓄電池をバックアップ電源として用いるシステムの販売が開始される(2012年2月~)

�蓄電池を使用せず燃料電池だけで自立運転を可能にするシステム開発が行われている

�移動可能なエネルギー源としての活用

�家庭用蓄電池システム

�停電時のバックアップ電源としての使用や、太陽光発電システム等と連携して使用する、定置型の蓄電池システム

�パナソニック

�ソニー

�シャープ

�エリーパワー、等

�震災以降、国内電池メーカー、電気メーカーが家庭用の蓄電池を相次いで販売、リチウムイオン二次電池を使用したものが主流

�海外メーカーをセルを使用した蓄電池システムが家電量販店からも販売されている

�コストが高いこと、安全性の面での課題がある

�移動可能な太陽光蓄発電機

�太陽光パネルと蓄電池を組み合わせた移動式蓄発電システム

�大和ハウス

�イー・エム・エンジニアリング、等

�可搬式のリチウムイオン蓄電システムと太陽光発電パネル(可搬式または固定式)を組み合わせたパッケージが販売されている

�系統電力、その他エネルギーとの効率的な運用

�太陽光発電+蓄電知システム

�太陽光発電+ヒートポンプシステム

�発電システムとエネルギー貯蔵システム(蓄電、蓄熱)を組み合わせた、高効率なエネルギーシステム

�ダイキン工業

�大和ハウス

�太陽光発電等の再生可能エネルギーの余剰電力を電気又は熱として蓄え、効率的に活用する技術開発が行われている

�再生可能エネルギーの出力変動を抑制し、系統への悪影響を緩和する手段としても、制御方法等の開発が行われている

機能 要素技術 技術の概要 主なプレイーヤー 技術開発・実用化の動向

発電・蓄電機器

�必要最低源のエネルギー維持、独立電源としての利用

�小型発電機(ガソリン、ガス)

�ガソリン、ガスエンジン、スターリングエンジン等を用いた小型発電機

�Honda、等 �インバーター機構搭載により、精密電子機器への使用も可能、単相100V、200V対応、直流出力も可能

�太陽光発電(PV)の自立運転

�系統電源からの電力供給が停止した際に、PVが発電した電気を独立して使用する

�シャープ

�オムロン

�三菱電機、等

�家庭用のPVシステムはほとんどが自立運転モードを備えているが、中規模PVシステムには搭載されていない場合が多い

�使用できる電力に制限があり、機器によっては使用できないもの(ポンプ等)がある

�停電時に自動的に自立運転に切り替わるシステム、停電時のバックアップとして蓄電池を搭載し、夜間でも使用を可能にするシステムの開発が行われている

�エコウィル、エネファームの自立運転

�系統電源からの電力供給が停止した際に、機器の駆動に必要な電力をバックアップにより供給し、機器の運転を継続する

�東京ガス

�東芝

�パナソニック、等

�これまでは自立運転が不可であったが、蓄電池をバックアップ電源として用いるシステムの販売が開始される(2012年2月~)

�蓄電池を使用せず燃料電池だけで自立運転を可能にするシステム開発が行われている

�移動可能なエネルギー源としての活用

�家庭用蓄電池システム

�停電時のバックアップ電源としての使用や、太陽光発電システム等と連携して使用する、定置型の蓄電池システム

�パナソニック

�ソニー

�シャープ

�エリーパワー、等

�震災以降、国内電池メーカー、電気メーカーが家庭用の蓄電池を相次いで販売、リチウムイオン二次電池を使用したものが主流

�海外メーカーをセルを使用した蓄電池システムが家電量販店からも販売されている

�コストが高いこと、安全性の面での課題がある

�移動可能な太陽光蓄発電機

�太陽光パネルと蓄電池を組み合わせた移動式蓄発電システム

�大和ハウス

�イー・エム・エンジニアリング、等

�可搬式のリチウムイオン蓄電システムと太陽光発電パネル(可搬式または固定式)を組み合わせたパッケージが販売されている

�系統電力、その他エネルギーとの効率的な運用

�太陽光発電+蓄電知システム

�太陽光発電+ヒートポンプシステム

�発電システムとエネルギー貯蔵システム(蓄電、蓄熱)を組み合わせた、高効率なエネルギーシステム

�ダイキン工業

�大和ハウス

�太陽光発電等の再生可能エネルギーの余剰電力を電気又は熱として蓄え、効率的に活用する技術開発が行われている

�再生可能エネルギーの出力変動を抑制し、系統への悪影響を緩和する手段としても、制御方法等の開発が行われている

(資料)MURC 作成

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図表 21 電化機器、その他エネルギー消費機器における要素技術一覧

機能 要素技術 技術の概要 主なプレイーヤー 技術開発・実用化の動向

電化機器・その他エネルギー消費機器

�代替動力源による駆動、動力源の切り替え(バッテリー、再生可能エネルギー、人力、その他)

�バッテリー内臓の家電製品

�停電時にバッテリー駆動に切り替えることで、稼動可能にする

�東芝

�ラブロス、等

�震災後、バッテリー内臓LED電球や、バッテリー内臓テレビ等が発売されている。

� 発電機のデュアルフューエルシステム

�発電機を複数の燃料(都市ガス、LPガス、ディーゼル等)によって駆動可能にすることで、災害時の安定性を高める

�IHI�JFEエンジニアリング、等

�ガス・石油燃料(灯油・軽油)の切り替えが可能なエンジンが発売されている

�個別機器の省エネ化

� インバータによるモーター制御

�回転速度を効率よく変化させることで省電力化を達成する

�東芝

�日立、等

�モーターを使用する家電製品において、高価格品を中心に搭載が増えている。

� 省エネセンサー �人の動きや環境の状態を監視することによって、機器の運転を制御する

�ソニー

�パナソニック、等

�人の動きを監視するセンサーにより、人がいないときに自動的に電源を切る機能を搭載したテレビや、人、間取り、日射量を監視するセンサーにより冷暖房の出力や送風を制御する機能を搭載したエアコンが発売されている。

� 断熱ハウス �断熱材により冷暖房効率を高める。 �サンワホーム

�スウェーデンハウス、等

�各種ハウスメーカーは断熱性を高めた住宅を提案している

�限られたエネルギーの有効活用(必要機器の選択)

� 通信プロトコル �個別機器を制御するために通信を行う �JSCA、等 �家電用の通信規格として、欧米ではZigBee、KNX、Z-wave、日本ではECHONET Lite等が標準規格として提案されている。

� HEMS機器 �家電機器に通信機能を付加し、各機器の動作を制御する

�パナソニック

�東芝、等

�家電メーカーを中心に開発が進められている。

�センサー �HEMSの制御を判断するための情報として各種計測を行う

�オムロン

�キーエンス、等

�様々な種類のセンサーがあるため、用途の開発が進めれている。

�通信機能など各種付加機能を備えたセンサーが開発されつつある。

�機器自身による駆動エネルギーの創出

�小型太陽電池モジュール

�太陽光、各種照明機器からの光エネルギーを利用して発電する。

�ローム

�京セミ、等

�色素増感太陽電池による屋内測位インフラの開発が進められている。

� 熱電素子 �機械、配管等から発生する熱エネルギーを利用して発電する。

�東京エレクトロンデバイス

�Micropelt、等

�排熱を利用した発電機能を搭載した温度測定センサーが発売されている。

� 圧電素子 �機械、橋、道路等で発生する振動エネルギーを利用して発電する。

�村田製作所

�リニアテクノロジー、等

�スイッチを圧力で発電し、照明器具の点灯・消灯を行うシステムの開発が進められている。

機能 要素技術 技術の概要 主なプレイーヤー 技術開発・実用化の動向

電化機器・その他エネルギー消費機器

�代替動力源による駆動、動力源の切り替え(バッテリー、再生可能エネルギー、人力、その他)

�バッテリー内臓の家電製品

�停電時にバッテリー駆動に切り替えることで、稼動可能にする

�東芝

�ラブロス、等

�震災後、バッテリー内臓LED電球や、バッテリー内臓テレビ等が発売されている。

� 発電機のデュアルフューエルシステム

�発電機を複数の燃料(都市ガス、LPガス、ディーゼル等)によって駆動可能にすることで、災害時の安定性を高める

�IHI�JFEエンジニアリング、等

�ガス・石油燃料(灯油・軽油)の切り替えが可能なエンジンが発売されている

�個別機器の省エネ化

� インバータによるモーター制御

�回転速度を効率よく変化させることで省電力化を達成する

�東芝

�日立、等

�モーターを使用する家電製品において、高価格品を中心に搭載が増えている。

� 省エネセンサー �人の動きや環境の状態を監視することによって、機器の運転を制御する

�ソニー

�パナソニック、等

�人の動きを監視するセンサーにより、人がいないときに自動的に電源を切る機能を搭載したテレビや、人、間取り、日射量を監視するセンサーにより冷暖房の出力や送風を制御する機能を搭載したエアコンが発売されている。

� 断熱ハウス �断熱材により冷暖房効率を高める。 �サンワホーム

�スウェーデンハウス、等

�各種ハウスメーカーは断熱性を高めた住宅を提案している

�限られたエネルギーの有効活用(必要機器の選択)

� 通信プロトコル �個別機器を制御するために通信を行う �JSCA、等 �家電用の通信規格として、欧米ではZigBee、KNX、Z-wave、日本ではECHONET Lite等が標準規格として提案されている。

� HEMS機器 �家電機器に通信機能を付加し、各機器の動作を制御する

�パナソニック

�東芝、等

�家電メーカーを中心に開発が進められている。

�センサー �HEMSの制御を判断するための情報として各種計測を行う

�オムロン

�キーエンス、等

�様々な種類のセンサーがあるため、用途の開発が進めれている。

�通信機能など各種付加機能を備えたセンサーが開発されつつある。

�機器自身による駆動エネルギーの創出

�小型太陽電池モジュール

�太陽光、各種照明機器からの光エネルギーを利用して発電する。

�ローム

�京セミ、等

�色素増感太陽電池による屋内測位インフラの開発が進められている。

� 熱電素子 �機械、配管等から発生する熱エネルギーを利用して発電する。

�東京エレクトロンデバイス

�Micropelt、等

�排熱を利用した発電機能を搭載した温度測定センサーが発売されている。

� 圧電素子 �機械、橋、道路等で発生する振動エネルギーを利用して発電する。

�村田製作所

�リニアテクノロジー、等

�スイッチを圧力で発電し、照明器具の点灯・消灯を行うシステムの開発が進められている。

(資料)MURC 作成

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図表 22 電化機器、その他エネルギー消費機器における要素技術一覧

機能 要素技術 技術の概要 主なプレイーヤー 技術開発・実用化の動向

移動体

�移動可能なエネルギー源としての活用

� ハイブリッド車・電気自動車からの給電技術

�災害時には蓄電池からの給電が可能 �トヨタ

�日産

�三菱自動車、等

�トヨタ自動車は一部のハイブリッド車に100V電源コンセントを搭載していたが、震災時に役立ったとの声が多かったことから他の車種にも拡大予定。他社も搭載を検討中。

� 燃料電池自動車 �災害時には燃料電池を発電機として使用することによって、給電が可能

�トヨタ

�ホンダ、等

�リース販売等で、一部の車種が実験的に販売されている。

�燃料電池の低コスト化が普及の鍵となる。

�避難空間としての活用

� 路線バスの避難所利用

�路線バスを災害時の一時的な避難所として利用する

�釧路公立大学 �釧路公立大で暖房と無線がある点に着目して路線バスを避難所利用する実験が行われている。

�東日本大震災では孤立した地域で、路線バスが災害対策本部として利用された例がある。

�情報収集ツールとしての活用

� 車載用テレビチューナー

�災害時に自動車のバッテリーを利用して、テレビからの情報収集が可能となる

�パイオニア

�パナソニック、等

�地デジ、ワンセグ機能の視聴が可能な製品が各社から販売されている。

� 自動車への通信機能搭載

�自動車内で情報通信を行うことができる �パイオニア

�パナソニック、等

�交通情報のモニタリング、インターネット利用等の機能を備えたカーナビが販売されている。

� EV用情報通信システム

�自動車に関連する各種情報をマネジメントする

�日産自動車 �日産自動車が充電管理や自動車のエネルギーマネジメント等をサポートするサービスを行っている。

�携帯電話等への連携等、新たなサービスも導入されつつある。

�系統電力、その他エネルギーとの効率的な運用

� V2G(Vehicle toGrid)

�電気自動車に搭載した電池と系統を接続し、負荷変動のバックアップとして利用する

�日産自動車

�トヨタ自動車、等

�実証実験等が各地で進められている。電池の制御方法等、技術開発課題が多数ある。

�実用化するためには法的な課題がある。

� V2H(Vehicle toHome)

�電気自動車に搭載した電池と宅内を接続することによって、効率的なエネルギー利用を実現する

�日産自動車

�トヨタ自動車、等

�実証実験等が各地で進められている。電池の制御方法等、技術開発課題が多数ある。

機能 要素技術 技術の概要 主なプレイーヤー 技術開発・実用化の動向

移動体

�移動可能なエネルギー源としての活用

� ハイブリッド車・電気自動車からの給電技術

�災害時には蓄電池からの給電が可能 �トヨタ

�日産

�三菱自動車、等

�トヨタ自動車は一部のハイブリッド車に100V電源コンセントを搭載していたが、震災時に役立ったとの声が多かったことから他の車種にも拡大予定。他社も搭載を検討中。

� 燃料電池自動車 �災害時には燃料電池を発電機として使用することによって、給電が可能

�トヨタ

�ホンダ、等

�リース販売等で、一部の車種が実験的に販売されている。

�燃料電池の低コスト化が普及の鍵となる。

�避難空間としての活用

� 路線バスの避難所利用

�路線バスを災害時の一時的な避難所として利用する

�釧路公立大学 �釧路公立大で暖房と無線がある点に着目して路線バスを避難所利用する実験が行われている。

�東日本大震災では孤立した地域で、路線バスが災害対策本部として利用された例がある。

�情報収集ツールとしての活用

� 車載用テレビチューナー

�災害時に自動車のバッテリーを利用して、テレビからの情報収集が可能となる

�パイオニア

�パナソニック、等

�地デジ、ワンセグ機能の視聴が可能な製品が各社から販売されている。

� 自動車への通信機能搭載

�自動車内で情報通信を行うことができる �パイオニア

�パナソニック、等

�交通情報のモニタリング、インターネット利用等の機能を備えたカーナビが販売されている。

� EV用情報通信システム

�自動車に関連する各種情報をマネジメントする

�日産自動車 �日産自動車が充電管理や自動車のエネルギーマネジメント等をサポートするサービスを行っている。

�携帯電話等への連携等、新たなサービスも導入されつつある。

�系統電力、その他エネルギーとの効率的な運用

� V2G(Vehicle toGrid)

�電気自動車に搭載した電池と系統を接続し、負荷変動のバックアップとして利用する

�日産自動車

�トヨタ自動車、等

�実証実験等が各地で進められている。電池の制御方法等、技術開発課題が多数ある。

�実用化するためには法的な課題がある。

� V2H(Vehicle toHome)

�電気自動車に搭載した電池と宅内を接続することによって、効率的なエネルギー利用を実現する

�日産自動車

�トヨタ自動車、等

�実証実験等が各地で進められている。電池の制御方法等、技術開発課題が多数ある。

(資料)MURC 作成

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第3章 資料編

I. 被災地ヒアリングメモ

1.八戸市

日時 2012 年 1 月 12 日(木)

場所 八戸市役所

(1)震災時の各種ライフライン途絶の状況

1)電気、ガス、燃料、上下水、情報・通信、交通の各種ライフラインの途絶の状況

① 各ライフラインの復旧に要したおおよその日数

(電気)

・ 市内に大きい公的病院が 3 か所あり(青森労災病院、八戸市立市民病院、八戸赤十字

病院)、電力会社ではこれら病院への高圧線のルートを優先的に復旧したようだ(12

日に復旧)。結果としてこれらの高圧線ルートの近隣も電力の復旧が早かった。

・ 市民病院では 500 kw の発電機を 3 台、常用で使用(コージェネレーションシステムを

導入)しているが、発電機用の備蓄重油が1~2日分(一日の重油使用量は 10 kL/day)

しかなかった。

・ 13 日から津波被害地域以外での電気が復旧開始、22 日以降は津波被害地域も復旧させ

ていった。

電気の被害・復旧データ(八戸市提供)

3 月 11 日 発災直後 市内全域停電

3 月 12 日 夜 市内順次復旧 (市庁復旧 22 時 15 分)

3 月 22 日 18:00 停電件数 487 件

3 月 23 日 18:00 停電件数 487 件

3 月 25 日 08:00 停電件数 437 件

3 月 29 日 08:00 停電件数 321 件

3 月 31 日 18:00 停電件数 180 件

4 月 4 日 17:00 停電件数 56 件

4 月 5 日 16:00 停電件数 14 件

4 月 6 日 15:00 停電件数 市内全域復旧

(ガス)

・ LP ガスの基地やボンベについては被害が大きくなかったため、LP ガスは豊富にあり、

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LP ガスタクシーなどが交通手段として活用された。

・ 都市ガスについては、八戸港ポートアイランドにある LNG 基地が被災したが、14 日

~16 日に復旧している。

都市ガスの被害・復旧データ(八戸市提供)

3 月 12 日 10:00 業務用 12 件閉栓作業開始

3 月 12 日 15:00 河原木県営・市営住宅、日計市営住宅 1,259 件閉栓作業開始

3 月 13 日 業務用 35 件閉栓 述べ閉栓数 1,306 件

3 月 14 日 00:00 八戸 LNG 基地機能復旧、八戸ガス㈱製造開始

3 月 14 日 06:00 開栓作業開始

3 月 16 日 12:00 開栓作業完了

(燃料)

・ ガソリンスタンドでの燃料供給については、3月末まで行列ができていた。全国から

タンクローリーが配送されたが、関東近辺に多く供給されてしまい、東北地方になか

なか行き渡らなかったという話を聞いた。民間事業者同士(元売と小売)でどのスタ

ンドに供給するか決まっているのではないかと推測している。八戸市にも油槽所があ

るが、どこに運んでいるかは分からなかった。

・ 八戸市では、災害時に対応できるガソリンスタンドが3件しかなく、停電のため給油

できなかった例があった。

・ ガソリンスタンドによっては、全くガソリンがなかったわけではなく、次にいつガソ

リンが入ってくるかが分からないため、出し惜しみをしていたところもあったようで

ある。

・ 軽油、灯油はがれき処理の車両の燃料や暖房用として優先的に供給されたが、がれき

処理の重機等のオペレーターが自家用車のガソリン不足のため現地に行くことが困難

という状況もあった。

・ 八戸市役所では、ガソリンスタンドと災害協定は結んでいなかったが、今回の震災を

受けて8月にガソリンスタンド等(青森県石油商業協同組合八戸支部)と災害協定を

結んだ。

・ 危険物である燃料のうち、軽油はドラム缶で運べるが、ガソリンについては規制が厳

しいため車両での移動は制限された。

(上下水)

・ 上水道については、特に問題はなかった。十勝沖地震や三陸はるか地震などの過去の

地震において、電気はすぐに復旧したが、上水道設備への被害が大きく、水の供給が

遅れた経験から、八戸市とクボタが共同開発した耐震管を市内の 80%程度まで普及さ

せていた効果が出た。また、2009 年の正月にも導水管の破損から大規模な断水が起こっ

た経験から、水供給に対する対策が進んでいた。

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・ 浄水場にはバックアップ用の電源(発電機)を設置しており、停電時でも稼働するこ

とができた。

上水道の被害・復旧データ(八戸市提供)

3 月 12 日~3 月 15 日 南郷区島守地区、水源地取水停止により、島守地区簡易水

道断水

・ 下水道については、八戸市市川地区の流域下水道の中継ポンプ場が被災したため、マ

ンホールからのオーバーフローで緊急対処した。

下水道の被害・復旧データ(八戸市提供)

3 月 11 日 20:00~22:00

馬淵川流域下水道八戸汚水中継ポンプ場が停止したため、

広報車 4 台で多賀地区及び多賀台地区に節水呼びかけ

(情報・通信)

・ 発災直後は回線が込み合い、電話がつながらない状況が続いた。

・ 東京、茨城、栃木、宮城方面への通話は NTT が通信規制を行っていた。通信規制は

3/12 午前 1:30 に解除された。

・ NTT 回線は、市内にある 10 交換機のうち、6 交換機が電源断により機能しない時間が

あり、3/12~14 にかけて通話できない地域・時間帯があった。NTT はバッテリー容量

を増量することを検討しているようである。

・ 防災無線は沿岸部に設置していたが、沿岸部の 39 局中 26 局が津波により故障した。

防災無線は津波が来るまでは放送を続けていた。現在は、アナログからデジタルに変

更し、バッテリー容量についても 24 時間対応から 48 時間対応のものに変更すること

を検討している。

・ 防災無線については、電源部やアンプ等を点検しやすい下部に設置してあったために、

津波で浸水し故障したことから、今後は想定される浸水高さよりも上部に機器類を設

置することを検討している。

・ テレビについては、携帯電話のワンセグ放送が役に立った。

・ 八戸市には陸上自衛隊、海上自衛隊の基地があり、では発電機、情報通信機器を持っ

ていることから、情報収集に役立った。

情報・通信の被害・復旧データ(八戸市提供)

3 月 12 日午前 1 時 30分

東京、茨城、栃木、宮城方面で行っていた NTT の発信規制

解除

(交通)

・ 八戸市営バスの事業者である市交通部では、バスの燃料である軽油の地下タンクを 2

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カ所(30kL、10kL)保有している。

・ 軽油が不足していたため、市営バスは震災以後3月末日まで、平日ダイヤより便数が

少ない土曜・日曜・祝日ダイヤで運行したが、主な利用者である学生が学期末・春休

み中だったこともあり、さほど混乱は生じなかった。

・ 軽油不足のため収集車が動かせず、家庭ごみの収集も数週間の間は止めた。被災地域

についてはがれき等が多く出たが、一般ごみの収集については特に苦情はこなかった。

八戸市営バスの被害・復旧データ(八戸市提供)

3 月 11 日 15:00 全路線運休

3 月 12 日~23 日 日祝日ダイヤ(12 日のみ土曜ダイヤ)で運行。

ただし運休時間帯・運休区間(津波被災地域)あり

3 月 24 日~31 日 日祝日ダイヤで全路線運行再開。運休時間帯は継続

4 月 1 日~ 平日ダイヤで全路線通常運行再開

② 停止の影響が大きかったライフライン(時間経過に伴って影響が変化したか)

・ ライフライン以外だと、透析用の医療チューブが足りなくなった事例があった。生死

にかかわるため、急遽青森市から輸送した。

・ 上水道については過去の災害で供給が途絶した経験があったので、今回は止まらなく

てよかったとの声が多く聞かれる。

・ 今回の震災では燃料の供給不足が痛手であった。津波の被害を除けば、燃料の供給が

できていれば大きな問題はなかったように思われる。

(2)震災時の各種設備の使用状況

1)電気、ガス、燃料機器等の各種機器が使用可能になるまでに要した日数

・ 信号は停電により全域で止まってしまった。津波で被災した信号機は制御機が手に入

らなかったため、復旧が遅れた。4/16 に市内全域で復旧。

・ 電気の復旧については、事故防止の観点から住民等の立会をお願いした結果、手間と

時間がかかったとのことである。

2)各種機器のうち、震災後も使用可能であった機器、使用可能時間

・ 市役所には、非常用発電機電源が設置してあったため、震災後も照明と一部の電気機

器が使用可能であった。ただし、非常用電源の配線は一部のコンセントにしか繋がっ

ておらずパソコンはつなげたがハブとルーターの電源がとれなかったため、インター

ネットに接続できない等のトラブルがあった。

・ 避難所となった公民館には、八戸の LP ガス業者が寄付した LP ガスを燃料とする 700 W

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の小型発電機が設置してあった。この発電機を使用できたところでは電気の使用量に

限りはあるが、最低限のことはできたようである。一方で、発電機が設置されている

ことを知らない公民館もあり、折角発電機があっても使用されていないこともあった。

3)各種機器が使用できない際にとった代替策

・ カセットコンロやキャンプ道具等、電気が必要ない道具が役に立った。

・ LP ガスが使えたため、交通手段として LP ガスタクシーが利用される場面が多かった。

(再掲)

4)エネルギーインフラの復旧にあわせて優先的に使用した機器、その理由

(特に情報提供はなかった)

(3)震災前後の情報・連絡について

1)通常の災害時(火事、台風等)の連絡手段

(特に情報提供はなかった)

2)震災後の状況把握と復旧の際に主に使用した連絡手段

・ LP ガスの基地やボンベについては被災しなかったので、LP ガスは豊富にあり、LP ガ

スタクシーなどが交通手段として活用された。(再掲)

3)ライフライン・設備の復旧で主に連絡した機関等(官公庁・企業・NPO等)

(特に情報提供はなかった)

(4)震災時の地域コミュニティーの役割

1)震災時に有効に働いた地域コミュニティーでの取組み

① 災害情報、避難情報の共有

・ 地域コミュニティが活躍した場所は3地域あり、自主防災組織が2地域(白銀地区、

湊地区)と連合町内会が1地域(市川町多賀地区)ある。これらの地域コミュニティ

が地域の取りまとめ役になり、地域間での連携も進めた。これらの動きを受けて他の

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地域においても自主防災組織を作る動きがある。

・ 海上自衛隊が基地を解放し、避難者の受け入れを行ってくれた。自衛隊基地内の避難

者は他の避難所よりも快適に過ごせたようである。(発電機による電力・照明の確保、

風呂がある、暖房が十分、医務隊員の待機、等々)

② 燃料、食糧等の共有

・ 市内の被災者向けにリンゴ、ミカン、バナナを支給したが、リンゴは皮をむかないと

ほとんどの人は食べなかった。皮をむく手間がかからないミカンやバナナが好まれた

ようである。

・ 当市が受け取ったリンゴ 3,000 箱のうち 1,500 箱を、食料不足がより深刻な岩手に送っ

た。

・ 自衛隊が備蓄していた燃料を緊急的に一部分けてもらった場合もあった。

(5)その他

1)震災を契機に生じたエネルギーに対するニーズ

・ 住宅用太陽光発電の補助金については、約 100 件までのところ 291300 件の応募が今年

度あった。(前年度応募は 181 件)

・ ハイブリッド自動車からは 100V 電源をとることができるので、震災時にも役に立つ

だろう。

・ 今回の震災では、LP ガスが使用できたことから、LP ガスの発電機は防災対策として

優れていると感じている。

・ 電気を使わずに済む反射式ストーブの人気が高まっているようである。

・ 大型の発電機の必要性を感じているが、有事のみの使用だとコスト高となってしまう

ので、平時の際にもイベント等で利用することを検討している。太陽光発電と蓄電池

を組み合わせたシステム等についても検討していきたい。電気さえあれば、電話、ラ

ジオ、テレビ等の情報・通信機能が得られる。

2)災害に強い街に望むこと

・ 当市の基幹産業である水産業関係については、年々水揚げ高が減少しており、今後の

在り方を議論しているところである。

(以上)

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2.八戸魚市場仲買人協同組合連合会

日時 2012 年 1 月 12 日(木)

場所 八戸魚市場仲買人協同組合連合会

(1)震災時の各種ライフライン途絶の状況

1)電気、ガス、燃料、上下水、情報・通信、交通の各種ライフラインの途絶の状況

① 各ライフラインの復旧に要したおおよその日数

(電力)

・ 1週間程度で電力が復旧したが、冷凍冷蔵庫の受電・配電設備は海水を被っているた

めに通電が可能かどうかのチェックに時間を要した。通電までに約 2 週間を要した企

業もあった。

(燃料)

・ 燃料の確保がネックであった。ガソリンスタンドでは元売りからの仕入れがいつにな

るか分からず、数量限定の販売をしたために、供給不足を招いて業務用車両、自家用

車が使用できず多大な被害を受けた。

② 停止の影響が大きかったライフライン(時間経過に伴って影響が変化したか)

・ 通信手段(電話、インターネット等)が途絶え、スーパーは在庫確認ができないため、

補充がうまくできなかった。

・ 津波により製氷工場の被害も大きかったが、盛漁期でなかったことで救われた。

・ 冷蔵冷蔵庫については、通電できないため、1週間程度は使用できなかったが、盛漁期

でなかったことで救われた。また、密閉性が高く、気温が低い時期だったため通電しな

くとも内部の商品への損傷は割合少なかった。

・ 水槽タンクに流出、破損の被害があり、新しいものを購入しようとしたが、取扱業者も

被災したため入手が困難であった。

・ 各種機械設備に被害があったが、取扱業者が三陸主要漁港に集中していたため、部品類

が確保できずに復旧に遅れを生じた。

(2)震災時の各種設備の使用状況

1)各種機器が使用できない際にとった代替策

・ 被害の少なかった工場で加工してもらったりした。また、被害のなかった工場に生産

委託などもあったようである。

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・ 包装資材(フィルム、シール等)の在庫手当が困難となり、全国各地の業者に手を回

して探す等、生産にも支障が生じた。

2)エネルギーインフラの復旧にあわせて優先的に使用した機器、その理由

・ 使用可能な機器(応急修理)による低次加工からスタートしてきた。

(3)その他

1)震災を契機に生じたエネルギーに対するニーズ

・ 事務所が停電し、一部レンタル発電機を利用した企業もあった。

2)災害に強い街に望むこと

・ 復興には二重ローンのケースもあり、かなりの資金が必要になるだろう。また、販路

の維持確保のためにもスピーディな対応が望まれる。

・ 今回の震災被害を受けて、水産加工会社1社が廃業、合併等を検討している企業もあ

る。

・ 水産業ではサプライチェーンのどこかがかけてしまうと機能しないので、水産関連企

業全体のバランスを考えた復興が重要である。

(以上)

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3.八戸みなと漁業協同組合

日時 2012 年 1 月 12 日(木)

場所 八戸みなと漁業協同組合 会議室

(1)震災時の各種ライフライン途絶の状況

1)電気、ガス、燃料、上下水、情報・通信、交通の各種ライフラインの途絶の状況

① 各ライフラインの復旧に要したおおよその日数

(電気)

・ 3~5日程度で復旧し始めたが、1週間以上かかったところもある。

(ガス)

・ 八戸市では LP ガスと一部で都市ガスを利用している。LP ガスは三陸はるか沖地震の

際もすぐに使えたことから、災害に強いエネルギー源であると認識している。

(上下水)

・ 場所にもよるが、水道は大丈夫だった。八戸市は、過去に三陸はるか地震やチリ地震

を経験していたため、その時の経験から、しばらくの間は、水道管内に残っている水

が出ることが分かっていたため、すぐにバケツや風呂に水をためた。

(燃料)

・ ガソリンについては、1週間程度は手に入りにくい状態が続き、1ヶ月くらいは制限

がかかっていた。

(情報・通信)

・ 電話は3~4日程度は使えなかった。

・ 電気が使えなかったため、テレビ・ラジオが使えず、情報を得られないことが不安で

あった。情報の入手には車のラジオ、ナビについているワンセグテレビを使用した。

・ 漁協の隣のビル(水産会館)の5階に無線局があり、発電機も高いところに設置して

あったことから(過去の津波経験を踏まえて、高い場所に設置したのではないかとの

こと)周囲は浸水したが、無線機は使用することができた。ディーゼル燃料は2~3

日分あったので、船舶との情報のやり取りは地震後も行うことができた。

(交通)

・ 信号は県内全域で停止したが、ガソリン不足から交通量が少なく、事故はなかった。

② 停止の影響が大きかったライフライン(時間経過に伴って影響が変化したか)

・ 停電により情報が入手できないことに最も不安を覚えた。無線が生きていたため、船

舶との情報のやり取りはできたが、津波の影響や家族の安否確認がとれなかった。

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(2)震災時の各種設備の使用状況

1)各種機器のうち、震災後も使用可能であった機器、使用可能時間

・ 非常用発電機があり、かつ高所に配置していたため、震災後も無線は使用可能であっ

た。無線は、漁業の生命線であり、また、今回の震災で災害対策としても有効である

と改めて実感した。今後、復興対策として無線の活用を期待している。

(3)震災前後の情報・連絡について

1)通常の災害時(火事、台風等)の連絡手段

・ 災害時の通信手順の取り決めが必要である。現状は災害時のマニュアルはないので、

作っていかなければならないと感じている。

2)震災後の状況把握と復旧の際に主に使用した連絡手段

・ 漁協に設置してある無線を活用した。

(4)その他

1)震災を契機に生じたエネルギーに対するニーズ

・ 今回の震災では、無線が非常に役に立つと実感した。現在は、八戸市内の3つの漁協

で別々のものを使用しているが、漁協と隣接する工場を含めた、地域一体的な無線シ

ステムを設置すべきではないかと考えている。石巻市では、無線設備に被害があった

ため、石巻市から6人ほど八戸市に来て、無線設備を利用しているが、このことから

も漁業にとって無線が不可欠であることがわかる。

・ また、海上にいる船舶を中継局として活用し、これを経由して、遠くまで無線通信を

飛ばすことができる。

2)災害に強い街に望むこと

・ 太平洋戦争中に、八戸市は日東化学の工場が被害を受けてボロボロな状態になったが、

それでも魚はたくさんいたため、戦争も海だけは壊せないと思った。今回の震災も同

じで、船や港に被害はあったが、魚は来ている。迅速な復旧が必要で、国・県・市の

補助等は非常に助かっている。

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・ 震災からの復興も大事だが、その後には、震災前から続く漁業の後退という大問題に

取り組んでいかなければならない。

3)漁業への影響

・ 津波を避けるため、地震直後に船舶は沖に逃げた。急いで逃げたため、食べ物をほと

んど持っていかなかったが、津波の引き波によるがれきが港湾に浮遊しているため、

港に帰港できなくなくなってしまった。夜になって、なんとか戻ることができた。

・ 冷蔵庫については海水を被る被害があったものの、扉が密閉されていたため、内部ま

で浸水することはなかった。また、イカ釣り以外は閑散期であったためよかったが、

9~11 月頃の繁忙期に震災があったら、大変だっただろう。

・ 港については、がれきだらけで船が着岸するのが困難な状態であった。3つある漁港

のうち第一市場については、震災2~3日後には船の航路分だけ瓦礫を撤去し、支援

物質の搬入を可能である状態にした。

・ リフトにも軽油を燃料として使用していたが、1 か月くらいは燃料の制限があった。

・ 船で魚を取った後、港に持っていき、仲買人に引き渡した後、必要に応じて加工され

て各地に出荷される。船は被害を受け、港はがれきで使用不可となり、工場等も被災

をした上で、それぞれの工程でガソリン、電気、燃料(重油・軽油・ガソリン)、職員

に被害が出た。

・ 3月 24 日には市場で販売するに至った。これは被害のあった他の港に比べて桁違いに

早かった。復興の物流拠点として、国が活用したかったため、早く復旧した。

� (補足)八戸市役所の話では、自衛隊基地が近くにあること等が影響していると

のことである。

・ 4月の初めに小型底引き船の水没事故があり、6 人が亡くなってしまった。証拠は見つ

かっていないが、がれきにひっかかったのではないかと思っている。

・ 船舶は、500 隻のうち、300 程度に被害があった。

(以上)

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4.大槌町

日時 2012 年 1 月 12 日(木)

場所 大槌町役場

(1)震災時の各種ライフライン途絶の状況

1)電気、ガス、燃料、上下水、情報・通信、交通の各種ライフラインの途絶の状況

① 各ライフラインの復旧に要したおおよその日数

(電気)

・ 災害対策本部である中央公民館は、施設管理者が登庁した翌 3/12 から施設内の一部で

配電が可能となった。(施設全体を賄える発電量でないため。)

・ 発災から約1週間後に避難所である大槌高校に電源車が配備された。町全体としては、

4 月中旬頃から順次復旧し、連休前に全面復旧した。

・ 防災計画で指定している避難所の被災や、収容人数の限界から通電していない作業小

屋も私設避難所として利用されていた。

・ 高台になっている城山体育館では、震災の少し前にディーゼル発電機を導入していた

ので、電気を利用することができた。その他に、大槌町では太陽光発電を各施設に導

入する計画もあったが、実際の導入には至っていなかった。

(ガス)

・ 大槌町は都市ガス整備されておらず、全域が LP ガスのボンベを使用していたため、非

被災エリアは支障がなかったが、浸水域の在宅は敷設業者が被災したため補修に時間

を要した。

・ イワタニ(岩谷産業)からカセットコンロとカセットボンベの支援を受け、配給した

ので、応急対応することができた。

・ また、各避難所では、瓦礫や薪を燃やして暖房や調理を行っていた。

(燃料)

・ 町内で経営しているガソリンスタンド8ヶ所、有事の際の灯油配給協力店舗全てが流

失したため燃料の確保は困難を極めた。

・ また、災害対応用として内陸部の遠野市(後方支援)から燃料支援があったものの、

受入容器がなく、また支援で要請してもポリ缶が店頭にないため、充分な供給を得る

ことができなかった。

・ 発災の翌日に各所から燃料の支援があったが、充分な数量は確保できず、各避難所あ

たり1台を物資運搬協力車両として 10 リットル/週の配給制を行った。

・ 発災3日後には地元ガソリンスタンド経営者(冨士見総業)から復興支援として地下

タンクの燃料全量の寄付を受け、瓦礫除去、道路復旧といった初動処理が円滑に行う

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ことができた。

・ また、地元オイルターミナルも被災したが、貯留していた燃料の流失は免れたものの、

岩手県災害対策本部が全量災害対策用として占有したため、民生燃料としての供給が

一時停止し、可能となったのは、応急処理が落ち着いた6月頃となった。

(上下水道)

・ 土地柄、沢水や湧水が豊富であったため、全町的に深刻な水不足は見受けられなかっ

た。

・ また、上水道整備については、取水井は地下水を利用していることから水質には問題

がなく、また動力(ポンプ)については、自家発電を稼働し、水道供給の体制は整え

ていたものの、配水管の損傷等の確認作業で全線通水となったのは8月付近に至った。

・ その間、神戸市水道局の協力を得て、避難所や仮設住宅の貯水槽に配水車で飲料水を

配送した。

・ 下水道については、町方地区の公共下水道処理施設、吉里吉里地区の漁業集落排水処

理設備が被災し、稼働不能となった。

・ しかし、在宅避難地区が公共下水道の受益範囲であったため、汚水の流入は続いてい

たことから、早期に復旧作業を進め、6月中旬頃に仮稼働が可能となった。

・ また、吉里吉里地区の漁業集落排水処理施設は同様に9月上旬に仮稼働が可能となっ

た。

(情報・通信)

・ 発災直後から停電及び通信回線の断絶のため、情報の送受や通信は行えず、車載のA

Mラジオからしか情報を得ることができなかった。

・ ワンセグは発災日の夕方までは視聴できたが、深夜には視聴不可となり、それと同時

に携帯電話の充電切れが相次いだ。

・ また、発電機による電力確保以降、災害用として整備した衛星携帯電話により県災対

本部や関係機関との連絡を行うことができたが、マスコミからの電話取材が集中し混

線したため、慢性疾患や救急患者への医薬品の手配や救助要請に障害が生じた。

・ 携帯電話の復旧については、NTTドコモの復旧が早く、4日後には避難所である大

槌高校に移動式中継機が設置され、利用できるようになったが、安否確認の電話が集

中したため深夜以外は回線が繋がりにくい状態が続いた。

・ インターネットへの接続については、上記と同時期に携帯系ネットワーク端末の支援

により。災害対策本部用としては復旧した。

・ 現在、仮設住宅への配線は光ケーブルを敷設している。

(交通)

・ 交通網は、当日の深夜に陸上自衛隊滝沢駐屯地の支援隊が到着したが、国道や主要地

方道の殆どが損壊したため通行不能な状態であった。

・ 自衛隊の支援隊が沿岸地域に到来したものの通行は困難であったため、道路回復処理

を進めながらの進軍となり、釜石市の国道 283 号線から国道 45 号線を経て大槌町に到

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着したのは発災から3日後であった。

・ しかし、充分な道路幅ではなく、また、橋脚の安全確認ができていないことから、当

面は緊急車両の往来に限定した通行規制が敷かれた。

・ 一般車両の往来が可能となったのは、3月末頃である。

② 停止の影響が大きかったライフライン(時間経過に伴って影響が変化したか)

・ 凸版印刷で実施した住民意識調査の結果では、7割を超える被災者が「電気がなくて

困った」と回答している。

・ 実際、支援を求めて対策本部に訪れる被災者は食料よりもローソクや乾電池、ラジオ

といった「明るさ」と「情報」を求めていた。

・ その背景として、被災していない家屋への避難や住家へ物資を求めたことから、食料

品の確保は比較的容易にできたと推察する。

・ 要望が多かった物資としては・・・・

発災当時・・・・ローソク・乾電池・灯油・衣類

1週間後・・・・乾電池・ラジオ・灯油・衣類・ガソリン・食料品・携帯充電器

1ヶ月後・・・・テレビ・発電機・食材・ガソリン・下着・衣類・衛生用品

台所用品・装飾品など

・ また、産業系においては概ね2ヶ月以降に仮復旧し事業再開しつつある会社や工場か

ら電力の早期回復の要望が集まった。

(2)震災時の各種設備の使用状況

1)電気、ガス、燃料機器等の各種機器が使用可能になるまでに要した日数

・ 3月 12 日から後方支援の遠野市から食糧(おにぎりやパン、お茶や水)、衣類、寝具

が供給された。

・ 震災以降は、食料品メーカーから菓子パンやおにぎり、弁当等の支援があり、その後

は自衛隊による炊き出し支援が。

・ 4月以降は、全国各地から食材の支援があり、各避難所で輪番制による食事を作り始

めた。

2)各種機器のうち、震災後も使用可能であった機器、使用可能時間

・ 津波により流失した機器の殆どは塩害により腐食し使用不能となった。

・ 建設会社が所有する発電機は近隣の避難所に導入され、電力を供給したものの、燃料

が枯渇し、その確保に困難を極めた。一部避難所では流失した車両から燃料を調達し

たという話も聞く。

・ 被災後の移動手段として有効だったのは自転車であり、流失した瓦礫の中から大量に

集めた。後に各々で避難所への移動や物資を調達するために自転車は活躍した。

・ また電力のない状態で暖房を得るために反射式ストーブのニーズは高かった。

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3)各種機器が使用できない際にとった代替策

・ 車両を避難所として利用した被災者が多かった。当日は寒く、停電のため正規の避難

所は暗く、寒く、情報が得られないことから、家族単位で或いは高齢者や乳幼児の避

難として車両を活用した事例を散見した。

・ また、吉里吉里小学校避難所では地元バス事業者が貸切バスを隣接させ、高齢者や津

波の被害者(衣類が濡れた方)の救援室としてバスを利用。また家庭用電源のシステ

ムから電力を体育館に供給し、照明を行った。

・ 各避難所では、段ボールを敷設して断熱材に、カーテンや暗幕を裁断して毛布に、損

壊した建材を暖房、調理用の燃料に使った。

4)エネルギーインフラの復旧にあわせて優先的に使用した機器、その理由

・ 安否情報や被災状況といった災害情報を得るためテレビ、停電による闇に対する恐怖

心の軽減のため、照明器具の整備が優先された。

(3)震災前後の情報・連絡について

1)通常の災害時(火事、台風等)の連絡手段

・ 防災行政無線及び携帯モバイルメールによる予警報の発信

2)震災後の状況把握と復旧の際に主に使用した連絡手段

・ 発災直後・・・徒歩により、口頭による連絡、指示。メモ帳による記載。

・ 数日後・・・・車両により、ペーパーによる情報交換、連絡。手書きによる浄書。

・ 10日後・・・携帯電話による情報交換、連絡。パソコンによる電子データ化。

・ 1ヶ月後・・・業務無線による連絡。回覧板による情報案内。

3)ライフライン・設備の復旧で主に連絡した機関等(官公庁・企業・NPO等)

・ 岩手県災害対策本部

・ 岩手県沿岸広域振興局

・ 経済産業省

・ 国土交通省

・ NTT関連企業

(4)震災時の地域コミュニティーの役割

1)震災時に有効に働いた地域コミュニティーでの取組み

① 災害情報、避難情報の共有

・ 大槌町災害対策本部機能が復旧するまでは、手書きによる避難者リストを避難所に掲

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示。(コピーし各所に配布)情報はもっぱらラジオによる。

② 燃料、食糧等の共有

・ 地区毎で地元建設業者の協力を得て重機を、避難した成人による瓦礫除去が各地で実

施された。また、地区内のガソリンスタンド経営者の同意を得て地下タンクから燃料

を汲み出す。

・ 避難所単位でストックしている物資リストを作成し、地域単位で融通していた。

・ 被災していない地域住民が避難所の炊き出し支援をしてくれた。

・ 山間部の農家では、農業機器に使用するための燃料(軽油、灯油など)をストックし

ていたので提供してくれた。また、自家米のストックを提供してくれたが、精米機を

稼働させるための発電機があるものの、燃料がなく精米することができなかった。

・ 各地からの燃料支援があっても、受け入れ側に保存する設備がないことが問題になっ

たので、ドラム缶などを用意しておくことが重要と感じた。

(5)その他

1)震災を契機に生じたエネルギーに対するニーズ

・ 再生可能エネルギーによるエネルギーの自給ニーズは増えていると感じる。以前から

防災用の食糧備蓄の必要性は認識されていたが、今回の震災で、エネルギーの自給の

重要性についても認識が高まった。売電して収益を得るというよりは、避難所・消防

署・警察等の重要施設に太陽電池等を設置して、有事の際でもエネルギー供給できる

ことが必要との意識が強い。したがって、多少のコストが高くてもよいという考えで

あるが、スマートグリッド技術を利用して、常時設備を利用できることが理想的であ

る。

・ IBM と凸版印刷と協力して災害に強い街づくりを目指している。具体的には、①庁舎

にリチウムイオン電池と太陽光発電設備を導入、②公共施設に太陽光発電施設を導入、

③10 年前に作成したエネルギービジョンの見直し、④いくつかのブロックごとに電気

の生産・調整・供給を行うシステムの導入(スマートグリッドの導入)、等を検討して

いる。

・ 明かりがないと不安になるため、照明は重要であると感じた。懐中電灯もあったが、

各避難所に乾電池のストックがなかったため、利用できない事例もあった。

・ 発電設備を移動できるとよい。移動して利用できる太陽電池があれば役立つのではな

いか。

・ 今回、バスがエネルギー源(照明やラジオを使用できる避難所)として利用できたが、

バスやトラックから 100V の交流電源を直接使用できるとよい。震災後に日野自動車の

幹部が来町したときに、要望を伝えた。

・ リチウムイオン電池単体だと高額なので、行政が使う車両として、電気自動車を導入

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することで災害時に電気エネルギーの貯蓄、運搬を兼ねることを検討している。

2)災害に強い街に望むこと

(上記の「震災を契機に生じたエネルギーに対するニーズ」に包含)

3)平時のエネルギー消費の状況

① 各種エネルギー消費機器の種類、使用状況

・ ガソリン…車両、発電機

・ 軽 油…車両、発電機

・ 灯 油…暖房器具

・ ガ ス…調理、暖房

・ 電 気…暖房、情報、照明

② 電気、ガス、燃料、水道等のおおよその消費量

・ 災害復旧が終了し、復興事業に移行する際、発災直後に必要と思われる石油系燃料に

ついて、地元ガソリンスタンドと災害協定を取り交わし、地下タンクに一定量の石油

燃料を備蓄することとした。(軽油 2,000 リットル、ガソリン 3,000 リットル、灯油 3,000

リットル)

・ この数量は、3.11 と同程度の被害が生じ、また、同様の避難所が開設し、支援隊の到

来まで概ね2日間を要した場合に必要と思われる燃料数量である。(但し、気温や機器

によっての変動は想定される)

(以上)

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- 53 -

II. 東北地域におけるエネルギー需要及び再生可能エネルギー供給に関する整理

総合エネルギー、これまでに作成された東北エリアの新エネルギービジョン等の資料から、東

北エリアのエネルギー需給の特徴及び再生可能エネルギーに関する検討状況を概観する。

1.エネルギー需給の概観

本節では主に総合エネルギー統計及び都道府県別エネルギー消費統計から、全国及び東北エリ

アのエネルギー需給の特徴を概観する。

全国のエネルギー供給の概況を図表 23及び図表 24に示す。一次エネルギー供給からエネル

ギー転換及び最終消費(エネルギー用途、非エネルギー利用)への配分2を見ると、再生可能・

未活用エネルギーは主にエネルギー転換部門において、電力または産業用蒸気を得るために利用

されており、一次エネルギー供給量全体の 3.0%を占めていることがわかる(図表 23)。さらに

電力について見ると、発電電力量における新エネルギー等の構成比率は 1.1%となっている(図

表 24)。

次にエネルギー消費に焦点を当てた全国と東北 6 県との比較結果を図表 25に示す3。東北 6 県

の年間エネルギー消費は約 740×103TJ、全国は約 12,378×103TJ である。東北地域で多く利用さ

れているエネルギー項目は石油製品(46.3%)、電力(36.5%)、都市ガス(8.0%)の順となる。

全国と比べ石炭製品の割合が小さく、石油製品と電力の割合がやや大きい。

図表 23 エネルギー供給・転換・消費の概要(2009 年度全国)

2009FY 全国 (単位:TJ)

エネルギー源 石 炭 石炭製品 原 油 石油製品 天然ガス 都市ガス

再生可能・

未活用エネル

ギー

事業用水力

発電原子力発電 電 力 熱 合 計

エネルギー利

非エネルギー

利用

一次エネルギー 4,395,186 12,588 8,064,639 1,769,594 3,781,300 0 654,700 662,778 2,411,197 0 0 21,751,982 20,057,194 1,694,789

20.2% 0.1% 37.1% 8.1% 17.4% 0.0% 3.0% 3.0% 11.1% 100.0%

エネルギー転換 -4,012,200 1,194,498 -8,097,982 6,766,104 -3,929,452 1,355,004 -631,831 -662,778 -2,411,197 3,359,397 626,238 -6,444,199 -6,495,653 54,201

事業用発電 -1,990,383 -158,292 -145,878 -347,191 -2,252,943 -56,124 -68,759 -582,680 -2,411,197 3,304,330 0 -4,706,371 -4,706,371 0

自家用発電 -228,998 -118,966 -65 -289,099 -24,750 -74,827 -241,288 -80,098 0 439,751 0 -618,340 -618,340 0

産業用蒸気 -205,312 -34,235 -86 -265,939 -17,664 -65,646 -315,449 0 0 0 752,681 -151,650 -151,650 0

地域熱供給 0 0 0 -320 0 -16,280 -5,904 0 0 -3,903 24,018 -2,389 -2,389 0

一般ガス製造 0 0 0 -44,360 -1,551,190 1,593,032 0 0 0 0 0 -2,518 -2,518 0

石炭製品製造 -1,662,080 1,599,261 0 -16,091 0 0 0 0 0 0 0 -78,910 -78,910 0

石油製品製造 0 0 -7,956,668 8,047,039 4,955 0 0 0 0 0 -144,832 -49,506 0 -49,506

他転換・品種振替 15,831 0 0 -19,833 0 19,833 0 0 0 0 0 15,831 0 15,831

最終エネルギー消費 327,312 1,187,328 0 7,454,241 61,950 1,355,004 22,869 0 0 3,359,378 626,238 14,394,320 12,645,331 1,748,990

産 業 306,788 1,185,213 0 2,735,646 61,291 211,497 3,400 0 0 1,046,911 603,241 6,153,988 4,439,161 1,714,827

民 生 20,524 2,115 0 1,385,198 659 1,143,507 19,469 0 0 2,242,896 22,997 4,837,365 4,837,365 0

運 輸 0 0 0 3,333,396 0 0 0 0 0 69,571 0 3,402,967 3,368,805 34,162

最終エネルギー用途消費 327,312 1,172,889 0 5,733,916 47,724 1,355,004 22,869 0 0 3,359,378 626,238 12,645,331 12,645,331 0

非エネルギー利用 0 14,439 0 1,720,325 14,226 0 0 0 0 0 0 1,748,990 0 1,748,990

※ 電力は一般用・特定用・外部用・自家発電の合計、都市ガスは一般ガス・簡易ガスの合計、熱は産業蒸気・熱供給の合計を示す。

(資料)資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」よりMURC作成

2 統計誤差等を含むため、合計が一致しない場合がある。3 原油、事業用水力発電、原子力発電は全て電力に含まれることから、図表 25の凡例からは割愛している。

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図表 24 発電電力量の推移(一般電気事業用)

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

1952

1955

1960

1965

1970

1971

1972

1973

1974

1975

1976

1977

1978

1979

1980

1981

1982

1983

1984

1985

1986

1987

1988

1989

1990

1991

1992

1993

1994

1995

1996

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

新エネ等

原子力

石油等

LNG

石炭

揚水

一般水力

(億kWh)

(年度)

原子力29.2%

石油等7.6%

LNG29.4%

揚水0.7%

石炭24.7%

一般水力7.3%

(注)71年度までは9電力会社計。

新エネ等1.1%

(資料)資源エネルギー庁ホームページ

図表 25 エネルギー供給構造(2008 年度)

3.2%

2.6%

8.1%

0.6%

41.2%

46.3%

0.5%

0.3%

10.2%

8.0%

0.0%

0.1%

31.6%

36.5%

5.2%

5.7%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

全国

12,378,019 TJ

東北6県740,070 TJ

石 炭 石炭製品 石油製品 天然ガス 都市ガス 再生可能・未活用エネルギー 電 力 熱

(資料)経済産業研究所 戒能一成「都道府県別エネルギー消費統計」よりMURC作成

エネルギー項目毎の消費構造を全国と比較すると(図表 26)、石油製品の消費に占める民生部

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- 55 -

門、特に家庭部門の割合が大きいことが分かる。

図表 26 各エネルギー項目における消費部門の割合(上表:東北、下表:全国)

(資料)経済産業研究所 戒能一成「都道府県別エネルギー消費統計」よりMURC作成

また消費部門毎にエネルギー項目の占める割合を全国と比較すると(図表 27)、製造業特に化

2008FY 100 150 250 250A 250B 250C 400 450 500 700 800 900 910 920

東北6県合計

石 炭 石炭製品 石油製品 天然ガス 都市ガス

再生可能・未活用エネルギー

電 力 熱 合 計エネルギー利用

非エネルギー利用

軽質油製品

重質油製品

石油ガス

5000 最終エネルギー消費 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100%

6000 産 業 93% 97% 20% 7% 62% 22% 100% 11% 100% 47% 100% 36% 36% 100%6100 非製造業 0% 0% 12% 6% 35% 1% 0% 4% 0% 3% 0% 7% 7% 0%

A 農林水産業 0% 0% 9% 2% 32% 0% 0% 0% 0% 1% 0% 5% 5% 0%B 建設業・鉱業 0% 0% 3% 4% 3% 0% 0% 4% 0% 1% 0% 2% 2% 0%

6500 製造業計 92% 97% 8% 1% 26% 22% 100% 7% 100% 44% 100% 29% 29% 100%A 化学・化繊・紙パ 0% 0% 2% 0% 3% 16% 0% 0% 0% 7% 85% 8% 8% 99%B 鉄鋼・非鉄・窯業土石 93% 97% 3% 0% 13% 1% 65% 0% 100% 5% 5% 7% 7% 1%C 機 械 0% 0% 0% 0% 0% 1% 6% 1% 0% 1% 0% 1% 1% 0%D 重複補正 0% 0% 0% 0% 0% 0% 29% 0% 0% 0% -1% 0% 0% 0%E 他業種・中小製造業 0% 0% 3% 1% 10% 5% 0% 6% 0% 31% 10% 14% 14% 0%

7000 民 生 7% 3% 46% 45% 38% 78% 0% 89% 0% 53% 0% 48% 49% 0%7100 家 庭 0% 0% 28% 32% 0% 65% 0% 18% 0% 26% 0% 24% 24% 0%7500 業務他 7% 3% 19% 13% 38% 12% 0% 71% 0% 27% 0% 24% 25% 0%

A 水道廃棄物 0% 0% 2% 1% 7% 0% 0% 1% 0% 2% 0% 2% 2% 0%B 商業・金融・不動産 0% 0% 3% 2% 10% 0% 0% 22% 0% 9% 0% 6% 7% 0%C 公共サービス 5% 0% 7% 5% 14% 5% 0% 22% 0% 8% 0% 8% 8% 0%D 対事業所サービス 0% 0% 1% 1% 2% 0% 0% 1% 0% 2% 0% 1% 1% 0%E 対個人サービス 1% 2% 5% 4% 4% 7% 0% 23% 0% 4% 0% 6% 6% 0%

7900 他業務・誤差 1% 0% 1% 0% 1% 0% 0% 1% 0% 2% 0% 1% 1% 0%

8000 運 輸 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0%8100 旅 客 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0%8110 乗用車 0% 0% 33% 48% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 15% 16% 0%

9500 非エネルギー利用 0% 0% 1% 0% 0% 14% 0% 0% 0% 0% 0% 1% 0% 100%9600 産業部門 0% 0% 1% 0% 0% 14% 0% 0% 0% 0% 0% 1% 0% 100%9800 民生・運輸部門他 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0%

2008FY ※ 注) 電力は一般用・特定用・外部用・自家発電の合計、都市ガスは一般ガス・簡易ガスの合計、熱は産業蒸気・熱供給の合計を示す。

2008FY 100 150 250 250A 250B 250C 400 450 500 700 800 900 910 920

石 炭 石炭製品 石油製品 天然ガス 都市ガス

再生可能・未活用エネルギー

電 力 熱 合 計エネルギー利用

非エネルギー利用

全国軽質油製品

重質油製品

石油ガス

5000 最終エネルギー消費 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100%

6000 産 業 95% 100% 47% 38% 57% 66% 100% 17% 100% 45% 96% 52% 46% 100%6100 非製造業 0% 0% 7% 5% 22% 0% 0% 3% 0% 2% 0% 4% 4% 0%

A 農林水産業 0% 0% 4% 1% 18% 0% 0% 0% 0% 1% 0% 2% 2% 0%B 建設業・鉱業 0% 0% 3% 4% 3% 0% 0% 3% 0% 1% 0% 2% 2% 0%

6500 製造業計 95% 100% 39% 33% 36% 66% 100% 15% 100% 43% 96% 48% 41% 100%A 化学・化繊・紙パ 0% 5% 32% 32% 8% 59% 49% 1% 3% 7% 77% 20% 10% 100%B 鉄鋼・非鉄・窯業土石 95% 94% 3% 0% 13% 2% 40% 6% 97% 8% 17% 16% 18% 0%C 機 械 0% 0% 0% 0% 0% 1% 5% 2% 0% 3% 0% 1% 1% 0%D 重複補正 0% 0% 0% 0% 0% 0% 6% 0% 0% 0% -6% 0% 0% 0%E 他業種・中小製造業 0% 0% 4% 1% 14% 3% 0% 6% 0% 26% 8% 11% 12% 0%

7000 民 生 5% 0% 31% 26% 43% 34% 0% 83% 0% 55% 4% 39% 44% 0%7100 家 庭 0% 0% 12% 11% 0% 28% 0% 32% 0% 26% 0% 17% 19% 0%7500 業務他 5% 0% 19% 15% 43% 6% 0% 51% 0% 28% 4% 22% 25% 0%

A 水道廃棄物 0% 0% 2% 1% 7% 0% 0% 1% 0% 2% 0% 1% 2% 0%B 商業・金融・不動産 0% 0% 4% 2% 12% 0% 0% 17% 0% 10% 2% 6% 7% 0%C 公共サービス 4% 0% 7% 5% 15% 2% 0% 14% 0% 8% 1% 7% 8% 0%D 対事業所サービス 0% 0% 1% 1% 2% 0% 0% 1% 0% 2% 0% 1% 1% 0%E 対個人サービス 1% 0% 5% 5% 5% 3% 0% 17% 0% 4% 1% 5% 6% 0%

7900 他業務・誤差 1% 0% 1% 1% 1% 0% 0% 1% 0% 3% 0% 1% 1% 0%

8000 運 輸8100 旅 客8110 乗用車 0% 0% 23% 36% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 9% 11% 0%

9500 非エネルギー利用 0% 2% 26% 32% 5% 30% 27% 0% 0% 0% 0% 11% 0% 100%9600 産業部門 0% 2% 26% 32% 5% 30% 27% 0% 0% 0% 0% 11% 0% 100%9800 民生・運輸部門他 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0%

2008FY ※ 注) 電力は一般用・特定用・外部用・自家発電の合計、都市ガスは一般ガス・簡易ガスの合計、熱は産業蒸気・熱供給の合計を示す。

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学・化繊・紙パ産業において、電力及び熱の割合が大きいこと、民生部門特に家庭において石油

製品の割合が大きいことがわかる。

図表 27 各消費部門におけるエネルギー項目の割合(上表:東北、下表:全国)

(資料)経済産業研究所 戒能一成「都道府県別エネルギー消費統計」よりMURC作成

東北地域の最新の基本統計は図表 28、図表 29のように整理できる。これらを用いて、社会・

2008FY 100 150 250 250A 250B 250C 400 450 500 700 800 900 910 920

東北6県合計

石 炭 石炭製品 石油製品 天然ガス 都市ガス

再生可能・未活用エネルギー

電 力 熱 合 計エネルギー利用

非エネルギー利用

軽質油製品

重質油製品

石油ガス

5000 最終エネルギー消費 3% 1% 46% 32% 10% 4% 0% 8% 0% 37% 6% 100% 99% 1%

6000 産 業 7% 2% 26% 6% 18% 2% 1% 2% 0% 47% 16% 100% 99% 1%6100 非製造業 0% 0% 81% 28% 53% 0% 0% 5% 0% 14% 0% 100% 100% 0%

A 農林水産業 0% 0% 88% 15% 73% 0% 0% 0% 0% 12% 0% 100% 100% 0%B 建設業・鉱業 0% 0% 67% 53% 14% 0% 0% 14% 0% 19% 0% 100% 100% 0%

6500 製造業計 8% 2% 13% 1% 9% 3% 1% 2% 0% 55% 19% 100% 98% 2%A 化学・化繊・紙パ 0% 0% 11% 0% 4% 7% 0% 0% 0% 30% 58% 100% 94% 6%B 鉄鋼・非鉄・窯業土石 35% 8% 21% 1% 19% 1% 3% 0% 1% 28% 5% 100% 100% 0%C 機 械 0% 0% 18% 9% 6% 3% 2% 10% 0% 70% 0% 100% 100% 0%D 重複補正 -43% 0% 0% 0% 0% 0% 296% 0% 0% 0% -154% 100% 100% 0%E 他業種・中小製造業 0% 0% 10% 1% 8% 1% 0% 4% 0% 82% 4% 100% 100% 0%

7000 民 生 0% 0% 44% 30% 8% 6% 0% 15% 0% 40% 0% 100% 100% 0%7100 家 庭 0% 0% 54% 43% 0% 10% 0% 6% 0% 40% 0% 100% 100% 0%7500 業務他 1% 0% 35% 17% 16% 2% 0% 23% 0% 40% 0% 100% 100% 0%

A 水道廃棄物 0% 0% 51% 10% 41% 0% 0% 6% 0% 42% 0% 100% 100% 0%B 商業・金融・不動産 0% 0% 24% 8% 16% 0% 0% 28% 0% 48% 0% 100% 100% 0%C 公共サービス 2% 0% 40% 20% 18% 2% 0% 21% 0% 37% 0% 100% 100% 0%D 対事業所サービス 1% 0% 42% 28% 13% 1% 0% 4% 0% 53% 0% 100% 100% 0%E 対個人サービス 0% 0% 38% 26% 8% 4% 0% 34% 0% 27% 0% 100% 100% 0%

7900 他業務・誤差 2% 0% 21% 13% 8% 0% 0% 9% 0% 68% 0% 100% 100% 0%

8000 運 輸8100 旅 客8110 乗用車 0% 0% 100% 100% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 100% 100% 0%

9500 非エネルギー利用 0% 0% 100% 0% 1% 99% 0% 0% 0% 0% 0% 100% 0% 100%9600 産業部門 0% 0% 100% 0% 1% 99% 0% 0% 0% 0% 0% 100% 0% 100%9800 民生・運輸部門他

2008FY ※ 注) 電力は一般用・特定用・外部用・自家発電の合計、都市ガスは一般ガス・簡易ガスの合計、熱は産業蒸気・熱供給の合計を示す。

2008FY 100 150 250 250A 250B 250C 400 450 500 700 800 900 910 920

石 炭 石炭製品 石油製品 天然ガス 都市ガス

再生可能・未活用エネルギー

電 力 熱 合 計エネルギー利用

非エネルギー利用

全国軽質油製品

重質油製品

石油ガス

5000 最終エネルギー消費 3% 8% 41% 26% 8% 7% 0% 10% 0% 32% 5% 100% 89% 11%

6000 産 業 6% 16% 37% 19% 9% 9% 1% 3% 0% 27% 10% 100% 78% 22%6100 非製造業 0% 0% 79% 33% 46% 0% 0% 7% 0% 14% 0% 100% 100% 0%

A 農林水産業 0% 0% 90% 13% 77% 0% 0% 0% 0% 10% 0% 100% 100% 0%B 建設業・鉱業 0% 0% 68% 54% 14% 0% 0% 14% 0% 19% 0% 100% 100% 0%

6500 製造業計 6% 17% 34% 18% 6% 9% 1% 3% 0% 29% 10% 100% 77% 23%A 化学・化繊・紙パ 0% 2% 66% 42% 3% 20% 1% 0% 0% 10% 20% 100% 44% 56%B 鉄鋼・非鉄・窯業土石 19% 48% 8% 0% 7% 1% 1% 4% 0% 15% 5% 100% 100% 0%C 機 械 0% 1% 11% 4% 3% 4% 2% 15% 0% 71% 0% 100% 100% 0%D 重複補正 5% -2% -6% 0% -6% 0% -10% -18% 0% 20% 110% 100% 94% 6%E 他業種・中小製造業 0% 0% 14% 2% 11% 2% 0% 5% 0% 76% 4% 100% 100% 0%

7000 民 生 0% 0% 33% 17% 9% 6% 0% 22% 0% 45% 1% 100% 100% 0%7100 家 庭 0% 0% 29% 18% 0% 12% 0% 20% 0% 51% 0% 100% 100% 0%7500 業務他 1% 0% 35% 17% 16% 2% 0% 23% 0% 40% 1% 100% 100% 0%

A 水道廃棄物 0% 0% 51% 10% 41% 0% 0% 6% 0% 42% 0% 100% 100% 0%B 商業・金融・不動産 0% 0% 24% 8% 16% 0% 0% 27% 0% 47% 1% 100% 100% 0%C 公共サービス 2% 0% 40% 20% 18% 2% 0% 21% 0% 37% 0% 100% 100% 0%D 対事業所サービス 1% 0% 42% 28% 13% 1% 0% 4% 0% 52% 1% 100% 100% 0%E 対個人サービス 0% 0% 38% 26% 8% 4% 0% 34% 0% 27% 1% 100% 100% 0%

7900 他業務・誤差 2% 0% 20% 12% 8% 0% 0% 9% 0% 67% 2% 100% 100% 0%

8000 運 輸8100 旅 客8110 乗用車 0% 0% 100% 100% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 100% 100% 0%

9500 非エネルギー利用 0% 1% 96% 75% 3% 18% 1% 0% 0% 0% 0% 100% 0% 100%9600 産業部門 0% 1% 96% 75% 3% 18% 1% 0% 0% 0% 0% 100% 0% 100%9800 民生・運輸部門他

2008FY ※ 注) 電力は一般用・特定用・外部用・自家発電の合計、都市ガスは一般ガス・簡易ガスの合計、熱は産業蒸気・熱供給の合計を示す。

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経済活動あたりのエネルギー消費量を試算し、要約したものが図表 29となる。業種や生産品目

による補正が必要だが、これらの原単位において最大で数倍程度の差があり、地域によってエネ

ルギーの利用形態・需要が異なることが示唆される。これらの詳細は、それぞれ図表 30~図表 35

の通りとなる。

図表 28 東北地域の基本社会経済統計

年次 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 出典

人口 2009年 1,417,278 1,355,205 2,330,898 1,118,735 1,185,100 2,063,769住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数

世帯数 2009年 567,780 500,973 899,364 417,941 396,212 745,762住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数

世帯当たり人員数 2009年 2.50 2.71 2.59 2.68 2.99 2.77 以上より算出

農業経営体 2005年 44,667 57,001 50,741 48,521 40,831 71,654 2010年世界農林業センサス

林業経営体 2005年 3,071 8,795 2,129 4,894 2,751 4,929 2010年世界農林業センサス

海面漁業 漁業経営体 2008年 5,146 5,313 4,006 966 416 743 2008年漁業センサス

海面漁業 個人経営体 2008年 5,003 5,204 3,860 894 398 716 2008年漁業センサス

内水面漁業 経営体数 2008年 22 83 28 42 99 73 2008年漁業センサス

農林水産業 経営体数 合計

57,909 76,396 60,764 55,317 44,495 78,115 以上を合算

鉱業、採石業、砂利採取業、建設業 事業所数

2009年 6,770 6,354 11,749 6,456 7,440 12,155 H21年経済センサス-基礎調査

製造業 事業所数 2009年 3,156 4,228 6,020 4,063 5,643 8,254 H21年経済センサス-基礎調査

製造業 製造品出荷額等(百万円)

2009年 1,457,403 2,010,170 2,944,135 1,184,799 2,391,489 4,724,529H21年工業統計表確報 従業者4人以上の事業所に関する統計表

(資料)各種統計よりMURC作成

図表 29 社会・経済活動あたりのエネルギー消費量試算の要約

青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島

131 94 123 56 65 70

441 399 335 330 238 25815,811 6,777 9,335 5,102 2,555 5,84834,238 14,255 19,087 17,497 6,028 10,21747,883 50,657 45,912 51,279 56,270 52,236

建設業・鉱業事業所あたり(GJ)製造業事業所あたり(GJ)

製造品出荷額等10億円あたり(GJ)1世帯あたり(MJ)

農林水産業経営体あたり(GJ)

(資料)各種統計よりMURC作成

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図表 30 青森県のエネルギーバランス簡易表(2008 年)及び社会・経済活動あたりのエネルギー消費量試算

青森 100 150 200 250 250A 250B 250C 400 450 500 550 600 700 800 900 910 920

石 炭 石炭製品 原 油 石油製品 天然ガス 都市ガス再生可能・未活用エネルギー

事業用水力発電

原子力発電

電 力 熱 合 計エネルギー利用

非エネルギー利用

軽質油製品

重質油製品

石油ガス

TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ

5000 最終エネルギー消費 12,021 3,179 0 57,200 38,098 15,582 3,519 426 7,332 184 0 0 40,577 10,610 131,528 131,528 0

6000 産 業 11,822 3,164 0 13,992 2,647 11,201 145 426 697 184 0 0 19,589 10,610 60,484 60,484 06100 非製造業 2 5 0 8,891 2,452 6,409 30 0 400 0 0 0 1,288 0 10,585 10,585 0

A 農林水産業 0 0 0 6,896 891 5,979 26 0 9 0 0 0 697 0 7,602 7,602 0B 建設業・鉱業 2 5 0 1,994 1,561 430 4 0 392 0 0 0 591 0 2,984 2,984 0

6500 製造業計 11,820 3,159 0 5,102 195 4,792 115 426 297 184 0 0 18,302 10,610 49,899 49,899 0A 化学・化繊・紙パ 0 0 0 759 -0 752 7 0 0 0 0 0 3,687 9,425 13,871 13,871 0B 鉄鋼・非鉄・窯業土石 11,796 3,159 0 3,533 98 3,434 1 30 0 184 0 0 4,324 384 23,411 23,411 0C 機 械 0 0 0 5 0 5 0 0 0 0 0 0 29 0 34 34 0D 重複補正 18 0 0 0 0 0 0 396 0 0 0 0 0 0 414 414 0E 他業種・中小製造業 6 0 0 805 97 601 107 0 297 0 0 0 10,262 800 12,169 12,169 0

7000 民 生 199 15 0 26,010 18,254 4,382 3,375 0 6,635 0 0 0 20,988 0 53,846 53,846 07100 家 庭 0 0 0 16,583 13,693 0 2,890 0 416 0 0 0 10,188 0 27,187 27,187 07500 業務他 199 15 0 9,427 4,560 4,382 485 0 6,218 0 0 0 10,800 0 26,659 26,659 0

A 水道廃棄物 7 0 0 803 162 636 5 0 98 0 0 0 654 0 1,562 1,562 0B 商業・金融・不動産 0 0 0 1,906 573 1,319 15 0 2,225 0 0 0 3,779 0 7,910 7,910 0C 公共サービス 145 0 0 3,832 1,912 1,719 202 0 1,888 0 0 0 3,318 0 9,184 9,184 0D 対事業所サービス 7 1 0 509 336 157 16 0 53 0 0 0 635 0 1,205 1,205 0E 対個人サービス 18 14 0 2,097 1,411 442 244 0 1,831 0 0 0 1,482 0 5,442 5,442 0

7900 他業務・誤差 22 0 0 279 166 109 4 0 124 0 0 0 932 0 1,356 1,356 0

8000 運 輸8100 旅 客8110 乗用車 0 0 0 17,198 17,198 0 0 0 0 0 0 0 0 0 17,198 17,198 0

9500 非エネルギー利用 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 09600 産業部門 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 09800 民生・運輸部門他 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

0 0 0 119 15 103 0 0 0 0 0 0 12 0 0 131 131 0

0 1 0 295 231 63 1 0 58 0 0 0 87 0 0 441 441 03,745 1,001 0 1,616 62 1,518 36 135 94 58 0 0 5,799 3,362 0 15,811 15,811 08,110 2,168 0 3,501 134 3,288 79 292 204 126 0 0 12,558 7,280 0 34,238 34,238 0

0 0 0 29,207 24,117 0 5,090 0 733 0 0 0 17,943 0 0 47,883 47,883 0

※ 注) 電力は一般用・特定用・外部用・自家発電の合計、都市ガスは一般ガス・簡易ガスの合計、熱は産業蒸気・熱供給の合計を示す。

農林水産業経営体あたり(GJ)建設業・鉱業事業所あたり(GJ)

製造業事業所あたり(GJ)製造品出荷額等10億円あたり(GJ)

1世帯あたり(MJ)

(資料)経済産業研究所 戒能一成「都道府県別エネルギー消費統計」よりMURC作成

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図表 31 岩手県のエネルギーバランス簡易表(2008 年)及び社会・経済活動あたりのエネルギー消費量試算

岩手 100 150 200 250 250A 250B 250C 400 450 500 550 600 700 800 900 910 920

石 炭 石炭製品 原 油 石油製品 天然ガス 都市ガス再生可能・未活用エネルギー

事業用水力発電

原子力発電

電 力 熱 合 計エネルギー利用

非エネルギー利用

軽質油製品

重質油製品

石油ガス

TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ

5000 最終エネルギー消費 4,751 18 0 52,047 34,855 13,595 3,597 121 7,086 227 0 0 36,472 2,667 103,389 103,389 0

6000 産 業 4,577 2 0 13,016 2,737 9,897 382 121 928 227 0 0 16,870 2,616 38,358 38,358 06100 非製造業 1 2 0 7,992 2,491 5,467 34 0 359 0 0 0 1,350 0 9,704 9,704 0

A 農林水産業 0 0 0 6,283 1,139 5,113 31 0 11 0 0 0 876 0 7,170 7,170 0B 建設業・鉱業 1 2 0 1,709 1,352 355 2 0 347 0 0 0 474 0 2,534 2,534 0

6500 製造業計 4,576 0 0 5,024 246 4,430 348 121 570 227 0 0 15,520 2,616 28,654 28,654 0A 化学・化繊・紙パ 0 0 0 218 11 205 2 0 0 0 0 0 894 2,062 3,174 3,174 0B 鉄鋼・非鉄・窯業土石 4,565 0 0 3,086 43 3,043 0 0 0 227 0 0 1,402 51 9,332 9,332 0C 機 械 0 0 0 184 8 34 142 121 4 0 0 0 535 0 844 844 0D 重複補正 -0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 -123 -123 -123 0E 他業種・中小製造業 11 0 0 1,536 184 1,147 204 0 566 0 0 0 12,689 626 15,428 15,428 0

7000 民 生 175 15 0 22,659 15,746 3,698 3,216 0 6,157 0 0 0 19,602 50 48,659 48,659 07100 家 庭 0 0 0 14,480 11,712 0 2,768 0 688 0 0 0 10,210 0 25,378 25,378 07500 業務他 175 15 0 8,179 4,034 3,698 448 0 5,469 0 0 0 9,392 50 23,281 23,281 0

A 水道廃棄物 7 0 0 756 152 599 4 0 92 0 0 0 616 0 1,471 1,471 0B 商業・金融・不動産 0 0 0 1,612 513 1,083 17 0 1,831 0 0 0 3,193 23 6,660 6,660 0C 公共サービス 121 0 0 2,940 1,462 1,318 160 0 1,533 0 0 0 2,655 9 7,258 7,258 0D 対事業所サービス 7 1 0 516 341 159 16 0 54 0 0 0 644 3 1,226 1,226 0E 対個人サービス 18 14 0 2,122 1,427 447 247 0 1,856 0 0 0 1,501 8 5,519 5,519 0

7900 他業務・誤差 22 0 0 232 138 91 3 0 104 0 0 0 783 6 1,147 1,147 0

8000 運 輸8100 旅 客8110 乗用車 0 0 0 16,372 16,372 0 0 0 0 0 0 0 0 0 16,372 16,372 0

9500 非エネルギー利用 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 09600 産業部門 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 09800 民生・運輸部門他 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

0 0 0 82 15 67 0 0 0 0 0 0 11 0 0 94 94 0

0 0 0 269 213 56 0 0 55 0 0 0 75 0 0 399 399 01,082 0 0 1,188 58 1,048 82 29 135 54 0 0 3,671 619 0 6,777 6,777 02,276 0 0 2,499 122 2,204 173 60 283 113 0 0 7,721 1,302 0 14,255 14,255 0

0 0 0 28,904 23,379 0 5,525 0 1,373 0 0 0 20,379 0 0 50,657 50,657 0

※ 注) 電力は一般用・特定用・外部用・自家発電の合計、都市ガスは一般ガス・簡易ガスの合計、熱は産業蒸気・熱供給の合計を示す。

農林水産業経営体あたり(GJ)建設業・鉱業事業所あたり(GJ)

製造業事業所あたり(GJ)製造品出荷額等10億円あたり(GJ)

1世帯あたり(MJ)

(資料)経済産業研究所 戒能一成「都道府県別エネルギー消費統計」よりMURC作成

Page 60: 東北地域のポテンシャルを活かした スマートコミュニティ関連 ... · 2018-01-10 · ET Lite について ・東北次世代エネルギー研究開発プロジェクトにつ

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図表 32 宮城県のエネルギーバランス簡易表(2008 年)及び社会・経済活動あたりのエネルギー消費量試算

宮城 100 150 200 250 250A 250B 250C 400 450 500 550 600 700 800 900 910 920

石 炭 石炭製品 原 油 石油製品 天然ガス 都市ガス再生可能・未活用エネルギー

事業用水力発電

原子力発電

電 力 熱 合 計エネルギー利用

非エネルギー利用

軽質油製品

重質油製品

石油ガス

TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ

5000 最終エネルギー消費 423 401 0 80,230 51,486 19,357 9,387 1,132 19,618 0 0 0 72,079 14,483 188,366 184,533 3,833

6000 産 業 33 369 0 18,281 3,248 10,289 4,744 1,132 1,347 0 0 0 32,006 14,451 67,620 63,787 3,8336100 非製造業 1 2 0 9,544 2,886 6,632 26 0 558 0 0 0 1,320 0 11,426 11,426 0

A 農林水産業 0 0 0 6,875 764 6,088 23 0 7 0 0 0 603 0 7,486 7,486 0B 建設業・鉱業 1 2 0 2,669 2,122 543 3 0 551 0 0 0 717 0 3,939 3,939 0

6500 製造業計 32 367 0 8,737 362 3,658 4,718 1,132 789 0 0 0 30,686 14,451 56,194 52,361 3,833A 化学・化繊・紙パ 0 0 0 5,457 1 1,110 4,346 0 0 0 0 0 8,276 13,491 27,224 23,412 3,812B 鉄鋼・非鉄・窯業土石 117 367 0 1,223 107 1,033 82 1,132 56 0 0 0 2,555 201 5,650 5,629 21C 機 械 0 0 0 69 15 28 26 0 0 0 0 0 405 0 474 474 0D 重複補正 -99 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 -67 -166 -166 0E 他業種・中小製造業 14 0 0 1,989 239 1,485 265 0 733 0 0 0 19,450 827 23,013 23,013 0

7000 民 生 390 32 0 36,763 23,052 9,068 4,643 0 18,271 0 0 0 40,073 32 95,560 95,560 07100 家 庭 0 0 0 17,794 14,103 0 3,691 0 5,739 0 0 0 17,759 0 41,291 41,291 07500 業務他 390 32 0 18,969 8,949 9,068 952 0 12,532 0 0 0 22,314 32 54,268 54,268 0

A 水道廃棄物 21 0 0 2,443 493 1,936 14 0 297 0 0 0 1,991 0 4,752 4,752 0B 商業・金融・不動産 0 0 0 3,962 1,213 2,720 30 0 4,578 0 0 0 7,841 14 16,395 16,395 0C 公共サービス 271 0 0 6,506 3,235 2,916 356 0 3,421 0 0 0 5,915 6 16,119 16,119 0D 対事業所サービス 15 2 0 1,074 710 331 33 0 111 0 0 0 1,340 2 2,545 2,545 0E 対個人サービス 37 29 0 4,343 2,917 916 510 0 3,841 0 0 0 3,090 5 11,345 11,345 0

7900 他業務・誤差 45 1 0 640 382 249 9 0 284 0 0 0 2,138 5 3,113 3,113 0

8000 運 輸8100 旅 客8110 乗用車 0 0 0 25,186 25,186 0 0 0 0 0 0 0 0 0 25,186 25,186 0

9500 非エネルギー利用 0 0 0 3,833 0 21 3,812 0 0 0 0 0 0 0 3,833 0 3,8339600 産業部門 0 0 0 3,833 0 21 3,812 0 0 0 0 0 0 0 3,833 0 3,8339800 民生・運輸部門他 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

0 0 0 113 13 100 0 0 0 0 0 0 10 0 0 123 123 0

0 0 0 227 181 46 0 0 47 0 0 0 61 0 0 335 335 05 61 0 1,451 60 608 784 188 131 0 0 0 5,097 2,400 0 9,335 8,698 637

11 125 0 2,968 123 1,242 1,603 384 268 0 0 0 10,423 4,908 0 19,087 17,785 1,3020 0 0 19,785 15,681 0 4,104 0 6,381 0 0 0 19,746 0 0 45,912 45,912 0

※ 注) 電力は一般用・特定用・外部用・自家発電の合計、都市ガスは一般ガス・簡易ガスの合計、熱は産業蒸気・熱供給の合計を示す。

農林水産業経営体あたり(GJ)建設業・鉱業事業所あたり(GJ)

製造業事業所あたり(GJ)製造品出荷額等10億円あたり(GJ)

1世帯あたり(MJ)

(資料)経済産業研究所 戒能一成「都道府県別エネルギー消費統計」よりMURC作成

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図表 33 秋田県のエネルギーバランス簡易表(2008 年)及び社会・経済活動あたりのエネルギー消費量試算

秋田 100 150 200 250 250A 250B 250C 400 450 500 550 600 700 800 900 910 920

石 炭 石炭製品 原 油 石油製品 天然ガス 都市ガス再生可能・未活用エネルギー

事業用水力発電

原子力発電

電 力 熱 合 計エネルギー利用

非エネルギー利用

軽質油製品

重質油製品

石油ガス

TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ

5000 最終エネルギー消費 165 580 0 38,682 29,273 6,880 2,529 4 6,315 0 0 0 29,949 5,511 81,207 81,207 0

6000 産 業 7 568 0 5,727 1,978 3,582 167 4 563 0 0 0 13,566 5,511 25,945 25,945 06100 非製造業 1 4 0 3,978 1,786 2,171 21 0 280 0 0 0 952 0 5,215 5,215 0

A 農林水産業 0 0 0 2,559 682 1,859 18 0 7 0 0 0 517 0 3,082 3,082 0B 建設業・鉱業 1 4 0 1,419 1,104 312 3 0 273 0 0 0 435 0 2,133 2,133 0

6500 製造業計 5 563 0 1,749 192 1,411 146 4 282 0 0 0 12,614 5,511 20,730 20,730 0A 化学・化繊・紙パ 0 0 0 411 0 411 0 0 0 0 0 0 1,520 5,320 7,250 7,250 0B 鉄鋼・非鉄・窯業土石 0 563 0 488 45 399 44 4 0 0 0 0 3,533 464 5,052 5,052 0C 機 械 0 0 0 89 56 33 1 0 1 0 0 0 752 0 842 842 0D 重複補正 -0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 -67 -67 -67 0E 他業種・中小製造業 5 0 0 762 92 569 101 0 281 0 0 0 6,810 -205 7,653 7,653 0

7000 民 生 158 12 0 19,058 13,398 3,298 2,362 0 5,752 0 0 0 16,383 0 41,364 41,364 07100 家 庭 0 0 0 11,964 9,978 0 1,986 0 1,170 0 0 0 8,297 0 21,431 21,431 07500 業務他 158 12 0 7,094 3,421 3,298 375 0 4,582 0 0 0 8,086 0 19,933 19,933 0

A 水道廃棄物 8 0 0 877 177 695 5 0 107 0 0 0 715 0 1,706 1,706 0B 商業・金融・不動産 0 0 0 1,260 395 854 11 0 1,441 0 0 0 2,495 0 5,196 5,196 0C 公共サービス 113 0 0 2,637 1,310 1,181 146 0 1,416 0 0 0 2,435 0 6,601 6,601 0D 対事業所サービス 6 1 0 412 272 127 13 0 43 0 0 0 514 0 975 975 0E 対個人サービス 14 11 0 1,685 1,133 355 197 0 1,479 0 0 0 1,194 0 4,382 4,382 0

7900 他業務・誤差 17 0 0 223 134 86 3 0 97 0 0 0 734 0 1,072 1,072 0

8000 運 輸8100 旅 客8110 乗用車 0 0 0 13,897 13,897 0 0 0 0 0 0 0 0 0 13,897 13,897 0

9500 非エネルギー利用 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 09600 産業部門 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 09800 民生・運輸部門他 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

0 0 0 46 12 34 0 0 0 0 0 0 9 0 0 56 56 0

0 1 0 220 171 48 0 0 42 0 0 0 67 0 0 330 330 01 139 0 431 47 347 36 1 69 0 0 0 3,105 1,356 0 5,102 5,102 05 475 0 1,477 162 1,191 123 4 238 0 0 0 10,647 4,651 0 17,497 17,497 00 0 0 28,627 23,874 0 4,753 0 2,800 0 0 0 19,852 0 0 51,279 51,279 0

※ 注) 電力は一般用・特定用・外部用・自家発電の合計、都市ガスは一般ガス・簡易ガスの合計、熱は産業蒸気・熱供給の合計を示す。

1世帯あたり(MJ)

農林水産業経営体あたり(GJ)建設業・鉱業事業所あたり(GJ)

製造業事業所あたり(GJ)製造品出荷額等10億円あたり(GJ)

(資料)経済産業研究所 戒能一成「都道府県別エネルギー消費統計」よりMURC作成

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図表 34 山形県のエネルギーバランス簡易表(2008 年)及び社会・経済活動あたりのエネルギー消費量試算

山形 100 150 200 250 250A 250B 250C 400 450 500 550 600 700 800 900 910 920

石 炭 石炭製品 原 油 石油製品 天然ガス 都市ガス再生可能・未活用エネルギー

事業用水力発電

原子力発電

電 力 熱 合 計エネルギー利用

非エネルギー利用

軽質油製品

重質油製品

石油ガス

TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ

5000 最終エネルギー消費 212 16 0 41,420 31,178 7,055 3,187 0 7,229 0 0 0 29,092 204 78,174 78,174 0

6000 産 業 14 2 0 5,985 2,183 3,525 277 0 1,431 0 0 0 11,483 172 19,086 19,086 06100 非製造業 1 2 0 3,590 1,582 1,989 19 0 244 0 0 0 833 0 4,670 4,670 0

A 農林水産業 0 0 0 2,399 646 1,737 17 0 7 0 0 0 490 0 2,896 2,896 0B 建設業・鉱業 1 2 0 1,191 936 252 2 0 237 0 0 0 343 0 1,774 1,774 0

6500 製造業計 13 0 0 2,395 601 1,536 258 0 1,187 0 0 0 10,650 172 14,416 14,416 0A 化学・化繊・紙パ 0 0 0 5 1 4 0 0 0 0 0 0 504 167 676 676 0B 鉄鋼・非鉄・窯業土石 0 0 0 128 1 124 3 0 0 0 0 0 517 0 646 646 0C 機 械 0 0 0 462 383 64 15 0 524 0 0 0 1,735 0 2,721 2,721 0D 重複補正 -0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 -13 -13 -13 0E 他業種・中小製造業 13 0 0 1,799 216 1,344 239 0 663 0 0 0 7,894 18 10,387 10,387 0

7000 民 生 199 14 0 20,450 14,009 3,530 2,911 0 5,798 0 0 0 17,609 33 44,103 44,103 07100 家 庭 0 0 0 12,411 9,959 0 2,452 0 796 0 0 0 9,088 0 22,295 22,295 07500 業務他 199 14 0 8,039 4,050 3,530 459 0 5,002 0 0 0 8,521 33 21,808 21,808 0

A 水道廃棄物 6 0 0 669 135 530 4 0 81 0 0 0 545 0 1,301 1,301 0B 商業・金融・不動産 0 0 0 1,093 366 713 14 0 1,209 0 0 0 2,163 12 4,477 4,477 0C 公共サービス 151 0 0 3,748 1,866 1,680 202 0 1,926 0 0 0 3,348 8 9,181 9,181 0D 対事業所サービス 7 1 0 464 307 143 14 0 48 0 0 0 579 2 1,101 1,101 0E 対個人サービス 16 13 0 1,902 1,279 401 222 0 1,667 0 0 0 1,347 5 4,949 4,949 0

7900 他業務・誤差 19 0 0 164 99 63 2 0 72 0 0 0 540 4 799 799 0

8000 運 輸8100 旅 客8110 乗用車 0 0 0 14,985 14,985 0 0 0 0 0 0 0 0 0 14,985 14,985 0

9500 非エネルギー利用 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 09600 産業部門 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 09800 民生・運輸部門他 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

0 0 0 54 15 39 0 0 0 0 0 0 11 0 0 65 65 0

0 0 0 160 126 34 0 0 32 0 0 0 46 0 0 238 238 02 0 0 424 106 272 46 0 210 0 0 0 1,887 30 0 2,555 2,555 05 0 0 1,001 251 642 108 0 496 0 0 0 4,453 72 0 6,028 6,028 00 0 0 31,323 25,135 0 6,188 0 2,009 0 0 0 22,937 0 0 56,270 56,270 0

※ 注) 電力は一般用・特定用・外部用・自家発電の合計、都市ガスは一般ガス・簡易ガスの合計、熱は産業蒸気・熱供給の合計を示す。

農林水産業経営体あたり(GJ)建設業・鉱業事業所あたり(GJ)

製造業事業所あたり(GJ)製造品出荷額等10億円あたり(GJ)

1世帯あたり(MJ)

(資料)経済産業研究所 戒能一成「都道府県別エネルギー消費統計」よりMURC作成

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図表 35 福島県のエネルギーバランス簡易表(2008 年)及び社会・経済活動あたりのエネルギー消費量試算

福島 100 150 200 250 250A 250B 250C 400 450 500 550 600 700 800 900 910 920

石 炭 石炭製品 原 油 石油製品 天然ガス 都市ガス再生可能・未活用エネルギー

事業用水力発電

原子力発電

電 力 熱 合 計エネルギー利用

非エネルギー利用

軽質油製品

重質油製品

石油ガス

TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ TJ

5000 最終エネルギー消費 1,666 30 0 72,894 53,196 13,793 5,905 271 11,759 0 0 0 62,238 8,549 157,407 157,407 0

6000 産 業 1,345 4 0 12,231 3,146 8,480 605 271 1,646 0 0 0 32,831 8,519 56,849 56,849 06100 非製造業 1 2 0 6,831 2,626 4,177 28 0 444 0 0 0 1,300 0 8,578 8,578 0

A 農林水産業 0 0 0 4,712 944 3,742 26 0 10 0 0 0 723 0 5,445 5,445 0B 建設業・鉱業 1 2 0 2,119 1,681 435 3 0 435 0 0 0 577 0 3,133 3,133 0

6500 製造業計 1,344 2 0 5,400 521 4,303 577 271 1,202 0 0 0 31,531 8,519 48,270 48,270 0A 化学・化繊・紙パ 0 0 0 136 0 129 6 0 0 0 0 0 3,603 5,390 9,129 9,129 0B 鉄鋼・非鉄・窯業土石 1,321 2 0 1,837 115 1,587 136 107 0 0 0 0 1,624 1,190 6,081 6,081 0C 機 械 0 0 0 166 14 151 1 0 0 0 0 0 416 0 581 581 0D 重複補正 -0 0 0 0 0 0 0 164 0 0 0 0 0 -19 145 145 0E 他業種・中小製造業 23 0 0 3,261 392 2,436 434 0 1,202 0 0 0 25,889 1,959 32,334 32,334 0

7000 民 生 321 26 0 33,991 23,377 5,313 5,301 0 10,113 0 0 0 29,406 29 73,886 73,886 07100 家 庭 0 0 0 21,597 17,046 0 4,550 0 1,833 0 0 0 15,508 18 38,956 38,956 07500 業務他 321 26 0 12,395 6,331 5,313 750 0 8,280 0 0 0 13,898 12 34,931 34,931 0

A 水道廃棄物 9 0 0 1,075 217 852 6 0 131 0 0 0 876 0 2,091 2,091 0B 商業・金融・不動産 0 0 0 1,811 602 1,185 23 0 2,010 0 0 0 3,585 4 7,409 7,409 0C 公共サービス 235 0 0 4,798 2,371 2,147 281 0 2,822 0 0 0 4,752 2 12,608 12,608 0D 対事業所サービス 12 2 0 862 570 266 27 0 89 0 0 0 1,075 1 2,042 2,042 0E 対個人サービス 29 23 0 3,468 2,328 731 409 0 3,078 0 0 0 2,472 2 9,072 9,072 0

7900 他業務・誤差 35 1 0 381 244 133 5 0 151 0 0 0 1,138 4 1,709 1,709 0

8000 運 輸8100 旅 客8110 乗用車 0 0 0 26,672 26,672 0 0 0 0 0 0 0 0 0 26,672 26,672 0

9500 非エネルギー利用 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 09600 産業部門 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 09800 民生・運輸部門他 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

0 0 0 60 12 48 0 0 0 0 0 0 9 0 0 70 70 0

0 0 0 174 138 36 0 0 36 0 0 0 47 0 0 258 258 0163 0 0 654 63 521 70 33 146 0 0 0 3,820 1,032 0 5,848 5,848 0285 0 0 1,143 110 911 122 57 254 0 0 0 6,674 1,803 0 10,217 10,217 0

0 0 0 28,959 22,857 0 6,102 0 2,458 0 0 0 20,795 24 0 52,236 52,236 0

※ 注) 電力は一般用・特定用・外部用・自家発電の合計、都市ガスは一般ガス・簡易ガスの合計、熱は産業蒸気・熱供給の合計を示す。

建設業・鉱業事業所あたり(GJ)製造業事業所あたり(GJ)

製造品出荷額等10億円あたり(GJ)

1世帯あたり(MJ)

農林水産業経営体あたり(GJ)

(資料)経済産業研究所 戒能一成「都道府県別エネルギー消費統計」よりMURC作成

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2.再生可能エネルギー供給に関する整理

2.1 ポテンシャルの概要

2.1.1 国による推計結果

環境省はエネルギー採取・利用の制約要因(土地の傾斜、法規制、土地利用、居住地からの

距離等)を考慮した「導入ポテンシャル」を計算し、公表している。東北エリアに関する主要

な推定結果を図表 36~図表 39に示す。

またバイオマスエネルギーに関しては、NEDO が賦存量を推計し、そのデータベースを公開

している。主要なバイオマスの推定結果を図表 40に示す。

図表 36 太陽光発電の導入ポテンシャル(合算)の分布状況(東北エリア抜粋)

(資料)環境省「再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査(平成 23 年 3月)」

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図表 37 風力(上:陸上、下:洋上)の導入ポテンシャルの分布状況(東北エリア抜粋)

(資料)環境省「再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査(平成 23 年 3月)」

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図表 38 中小水力(上:河川部、下:農業用水路)の導入ポテンシャルの分布状況(東北エリア抜粋)

(資料)環境省「再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査(平成 23 年 3月)」

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図表 39 熱水資源開発の導入ポテンシャルの分布状況(東北エリア抜粋)

(資料)環境省「再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査(平成 23 年 3月)」

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図表 40 各種バイオマスの賦存量推計(東北エリア抜粋)

(資料)NEDO データベース「バイオマス賦存量・有効利用可能量の推計」より抜粋

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2.1.2 各県の推計結果

各県が新エネルギービジョン策定において算出した賦存量のうち、現在も採用が確認され

ている 4 県分について図表 41~図表 44に抜粋する。

図表 41 新エネルギーの賦存量:青森県

(資料)青森県「青森県地域新エネルギービジョン」(平成 12 年)

図表 42 新エネルギーの期待可採量:岩手県

(資料)岩手県「岩手県新エネルギービジョン」(平成 10 年)

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図表 43 新エネルギーの賦存量:山形県

0 1,000,000 2,000,000 3,000,000 4,000,000 5,000,000 6,000,000

村山

最上

置賜

庄内

Gcal/年

太陽光発電

太陽熱利用

風力発電

廃棄物エネルギー

温度差:下水

温度差:地下水

温度差:雪氷

バイオマス:畜産

バイオマス:農産

バイオマス:林産

中小水力

地熱

波力

(資料)山形県「山形県新エネルギービジョン」(平成 10 年)より MURC 作成

図表 44 新エネルギーの賦存量及び可採量:福島県

(資料)福島県「地球と握手! うつくしま新エネビジョン」(平成 16 年)

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2.2 導入実績と導入目標の概要

東北 6 県が策定した地域新エネルギービジョン等に示された、導入実績と導入目標は図表

45のようになる。2002 年に新エネルギーに雪氷熱・バイオマスエネルギーが追加された際に

は、多くの県で雪氷熱及び木質ペレットの導入検討が進められた。

図表 45 東北 6 県における新エネルギー導入の検討状況

太陽光 7,485 kW 18,705 kW 3,200 kl 1,141 kW 200 kW 762 kl

風力 303,540 kW 67,090 kW 0 kl 62,790 kW 1,100 kW 605 kl廃棄物 18,400 kl 5,530 kW 23,500 kW 4,051 klバイオマス 26,800 kl 1,294 kW 332,100 kl 2,528 kl地熱 103,500 kW 22,400 kl 88,300 kW 65,000 kW水力 274,465 kW 89,300 kl 269,560 kW燃料電池 0 kl 0 kW太陽熱 1,518 kl 6,207 kl 13,300 kl 197 kl 11,170 kl

未利用エネルギー※ 12,304 kl 19,286 kl 1,300 kl 70,880 kl

コージェネ(合計) 74,900 kl 32,300 kl

コージェネ(発電のみ)† 55,358 kW 21,355 kW 29,000 kW 771 kW

クリーンエネルギー自動車 5,147 台 2,400 kl 549 台 1,677 台

太陽光 40,500 kW 87,000 kW 25,600 kl 25,000 kW 55,400 kW 8,421 kl

風力 600,000 kW 50,000 kW 900 kl 200,000 kW 22,000 kW 14,965 kl廃棄物 23,000 kW 10,000 kW 26,000 kW 10,100 kW 4,504 klバイオマス 130,000 kl 1,000 kW 420,000 kl 7,760 kW 9,058 kl地熱 120,000 kW 22,400 kl kW水力 285,000 kW 89,300 kl燃料電池 18,700 kl 700 kW 749 kW

太陽熱 4,200 kl 61,000 kl 81,700 kl 2,240 kl 5,500 kl 14,209 kl

未利用エネルギー※ 254,759 kl 20,000 kl 5,805 kl 2,300 kl 132,846 kl

コージェネ(電力) 90,000 kW 50,500 kW 80,800 kW 5,752 kWコージェネ(熱) 39,600 klクリーンエネルギー自動車 12,000 台 36,200 kl 6,000 台 33,600 kl 15,000 台ただしklは原油換算klを表す。

※・・・廃棄物、黒液・廃材、温度差・雪氷、バイオマス

†・・・福島県は天然ガスコージェネレーションのみの数値

主な出典

電力

高効率利用

145,000 kl 139,500 kl

目標年次

データ年次

2020年度 2010年度 2015年度

2007-2010 2008年度 2005年度

電力

高効率利用

導入目標

導入実績青森県 岩手県 福島県

青森県エネルギー産業振興戦略ロードマップ(H23発表)、P38

岩手県ホームページ 自然エネルギー等の導入促進及び省エネルギーの促進に関する基本的な計画(H17発表)、P26

秋田県新エネルギービジョン改訂版(H16発表)、P27等

山形県新エネルギービジョン(H9発表)、P24及びP43

地球と握手 うつくしま新エネビジョン(H15発表)、P28

宮城県 秋田県 山形県

2010年度 2010年度 2010年度

2002年度 不明 2002年度

(資料)各県の地域新エネルギービジョン策定等事業報告書よりMURC作成

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2.3 再生可能エネルギーの位置づけ

2010 年度を目標年次とした初期の検討においては、公共施設への率先導入を通じた、オフィス・家庭向け需要の単純な代替という視点が中心

であり、地域づくりや災害対策との関係を考慮するケースはむしろ周辺的であったが、近年は地域産業や地域固有の需要との関係の検討も進ん

でいる。図表 46には東北 6 県の新エネビジョンの概要として、目的・導入方針・重点分野を整理した他、地域開発・地域産業の支援との関係

や災害対応としての位置づけに関する記述を抜粋した。岩手県の示した地域区分は、エネルギーの地産地消を検討する際には参考になると考え

られる。またその他として、地域産業支援や地域固有の需要への適用を試みたプロジェクトを抜粋している。

青森県は、新エネルギーの導入が地域にもたらす変化のイメージについて検討している。参考までに図表 47に掲載する。

図表 46 各県が策定した地域新エネルギービジョンの概要

目的 導入方針 重点分野 地域開発・地域産業支援・災害対応に関する記述 その他:参考となるプロジェクト

青森

� 高いエネル

ギーポテン

シャルを活

かした地域

振興

� 原子力と再生

可 能 エ ネ ル

ギーとのベスト

ミックス

� エネルギー関

連先進プロジェ

クトの推進

以下の部門毎に詳細

に検討:

� 太陽エネルギー(発

電・熱利用)

� 運輸部門(省エネ)

� バイオ燃料

� EV・pHV

以下は「H18 青森県エネルギー産業振興戦略」より抜粋:

全県

ICT・・・産業、エネルギーマネジメント、ユビキタス社会

の基盤技術としてICT を推進。人材育成、ソフトウェア

関連事業等の立地・創出

森林バイオマス・・・効率的伐採システムの構築、林業

再生と関連産業振興への森林資源のエネルギー高

度活用

� 津軽エリア

アグリバイオ・・・再エネを活用した「冬の農業」、安全・

健康に対応する資源循環による地域ブランド確立。

バイオ由来石油代替資源開発等による関連産業の

高付加価値化

省エネ・雪対策・・・豪雪・原油価格高騰・高齢化に対応

できるコンパクトシティ形成への省エネ・再エネ・燃料

電池導入推進。および関連産業育成

� 県南・下北エリア

環境・エネルギー・・・再エネや水素エネルギー関連知

財・ビジネスモデル形成。新むつ小川原開発基本計

画を踏まえた国内外研究機関との連携・人材交流推

進。エネルギー関連企業・研究機関からの技術移

転。地元企業によるエネルギー関連施設のメンテナ

ンス業務等への参入促進

� 太陽エネルギー・・・寒冷地対応型植物工

場を整備し、再エネ活用を研究・実証

� 風力・・・風車メンテナンス要員研修所(六ヶ

所村)、地吹雪を利用した誘導灯

� 地熱・・・温泉熱等を利用した農・商・工連

携(むつ市「ほっと事業」)、地元開発のヒー

トポンプでのイチゴ・トマト・花卉栽培試験

� バイオマス・・・ペレット関連産業の整備(五

所川原市、中泊町「木質バイオマス燃料ビ

ジネスモデル」)

� 廃棄物熱・・・植物工場技術研究(八戸地

域)

� コージェネ・・・ホテル・民宿・温泉等による

コージェネ施設共同利用モデル(十和田湖

地域)

� 海洋・・・イカつり船・魚市場での省エネ設

備導入モデル

� 海洋(参考)・・・漁協での冷凍・冷蔵・フォー

クリフト、身焼け防止用洋上マグロ基地、海

水製氷工場、養殖向け海水循環装置、プラ

グインハイブリッド漁船(大間崎町潮流発電

実用化委員会による地元還元モデル)

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目的 導入方針 重点分野 地域開発・地域産業支援・災害対応に関する記述 その他:参考となるプロジェクト

岩手

� 安定供給

� 環境(温暖

化)対策

� エネルギー

産業・観光

産業振興

� 公共施設への

率先導入

� 木 質 バ イ オ マ

ス エ ネ ル ギ ー

の利用拡大

以下について詳細に検

討:

� 木質バイオマス

� 都市部・・・ビル冷暖房、オフィス電源への利用

� 郊外住宅地・・・家庭用電源としての太陽エネルギー利

用と住宅の高断熱化

� 農村部・・・バイオマス、太陽エネルギー、風力の利用

� 沿岸部・・・太陽エネルギー、風力の利用。波力のブイ

への利用。津波等の防災時独立電源としての太陽光

発電

� 自然公園等・・・太陽エネルギー、風力エネルギーを独

立電源として利用

� バイオマス・・・都市部エリアと郊外エリアの

導入モデル地区として、それぞれ盛岡市と

住田町を想定し、ペレット製造プラント、流

通・配送システムを包括的に検討

宮城

� 安定供給

� 環境(温暖

化)対策

� 住宅等建設時

の 設 置 誘 導

(太陽エネ)

� 関連事業者へ

の側面支援(そ

の他エネ)

� 太陽光

� 太陽熱

� 風力

� 水力(3 万 kW 以下)

� 地熱利用

� バイオマス利用

� 燃料電池

� コージェネレーション

� クリーンエネルギー

自動車

� 県内の太陽熱発電技術の実用化研究に注目。

� 運輸・物流の効率化支援、モーダルシフト等の総合交

通体系の見直しを検討

� バイオマス・・・水産加工業者の組合を中心

としたまちづくり計画と併せたバイオマス利

用検討(塩釜市)

秋田

� 安定供給

� 環境(温暖

化)対策

� 新 エ ネ 産

業・観光産

業振興

� 雪氷熱・バイオ

マス施設の公

共施設への率

先導入・評価

� ベストミックス

モデルの検討

� 民 間 に よ る 導

2010 年度の目標達成

に向け、平成 15 年度に

は以下に関する施策を

重点的に追加:

� 雪氷熱

� バイオマス

� 雪氷冷熱・・・学校や庁舎等の冷房、道の駅の併設倉

庫や農産物倉庫等の冷蔵を想定。特に農産物につい

ては、雪氷冷熱の活用により品質向上や長期保存が

可能となり、付加価値創出が期待できる、としている

� 木質バイオマス・・・重要産業である木材産業の活性化

に寄与することが期待されている

� 雪氷冷熱・・・雪エネルギーモデル検討会

(H15 年度)が、モデルケースとして観光交

流施設、福祉施設、農業倉庫、集会所、病

院待合室への導入について検討

山形

� 安定供給

� 環境(温暖

化)対策

� 地域振興

� 災害対応

� 公共施設への

率先導入

� 農 業 施 設 、 住

宅、工場、事務

所 、 自 動 車 へ

の民間導入

� 雪氷

� 風力

� 太陽光

� 太陽熱

� 廃棄物発電

� クリーンエネルギー

自動車

� 地下帯水層利用

� コージェネレーション

� 太陽光発電について、災害時の補助電源として、災害

時にエネルギー需要の大きくなる病院・福祉施設と、避

難施設となる学校・公民館・体育館等に優先導入する

としている

� 風力発電について、風車の地域観光資源効果に期待。

� 雪氷熱について、地域農業振興効果に期待

� コージェネレーションについて、市街地・ニュータウン・

工業団地開発の際に導入するとしている

� 燃料電池について、市街地や官公庁の電力貯蔵シス

テム・非常用電源として導入するとしている

� 大規模風力発電(庄内)・・・400kW。売電と

ともに面積 10a×2 のトルコキキョウ栽培用

モデル温室の熱源に利用

� 雪氷エネルギー(最上)・・・貯雪量 120t。

100m2×年間 200 時間の居室冷房と、果実

2t 程度を貯蔵できる低温貯蔵庫。ファン電

源に太陽光パネルも設置

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目的 導入方針 重点分野 地域開発・地域産業支援・災害対応に関する記述 その他:参考となるプロジェクト

福島

� 安定供給

� 環境(温暖

化)対策

� 市 街 地 活

性化

� 新 産 業 育

� 観光交流

� 雇 用 機 会

創出

� 人材育成

� 公共施設への

率先導入

� 太 陽 光 ・ 太 陽

熱の民間導入

� バイオマス・雪

氷熱に関する

産学官連携

� 太陽光

� 太陽熱

� バイオマス

� 雪氷熱

� 地域別の整理 1:機能別

都市部・・・シンボル的設備の導入による啓発。生活ご

みからのバイオガス発電

住宅地・・・太陽光、太陽熱、小型風力の導入

農漁村・・・バイオマス資源の利活用及びグリーンツー

リズムとの連携

山間部・・・木質バイオマス及び雪氷冷熱の活用

� 地域別の整理 2:方部別・・・中通りはバイオマス、会津

地方は雪氷冷熱、浜通りは太陽エネルギーを導入促進

� 目的別

中心市街地活性化・・・商店街等へのモニュメントの集

中導入等による集客

新産業育成・・・公共施設への率先導入や建築におけ

る環境配慮基準の設定による市場創出、技術開発・

実証支援

観光交流・・・県内観光資源と新エネ設備のマッチング

による付加価値向上、グリーンツーリズムとの連携

雇用機会創出・・・上記の結果としての雇用機会創出

人材育成・・・市民向け啓発活動と研究支援

防災対策・・・独立分散電源として、災害関連施設に活

� 風力発電・・・250kW。国道 49 号線 中山ト

ンネルでのロードヒーティング。余剰分は売

電(猪苗代町)

� バイオディーゼル・・・観光バスへの活用

(桧原湖周遊レトロバス(北塩原村))

� 雪氷冷熱・・・農作物貯蔵システム。雪量

216~630t を利用(西会津町、喜多方市、

南会津町)

(資料)各県の地域新エネルギービジョン策定等事業報告書よりMURC作成

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図表 47 新エネルギー導入が地域にもたらす変化のイメージ

(資料)青森県「エネルギー産業振興戦略」平成