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「買いたいけど買えない」 東日本産の食品に対する消費者の反応 ~インターネットユーザーの声 調査レポート第三弾~ 2011年7月 株式会社ホットリンク Copyright © Hottolink Inc. All rights reserved.

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「買いたいけど買えない」 東日本産の食品に対する消費者の反応

~インターネットユーザーの声 調査レポート第三弾~

2011年7月 株式会社ホットリンク

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INDEX

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1.調査概要

1)調査背景 ・・・・・・・・ 4

2)調査概要 ・・・・・・・・ 5

3)分類内容の説明 ・・・・・・・・ 7

2.調査内容 1)総評 ・・・・・・・・ 9

2)調査詳細 ・・・・・・・・ 10

3.参考イメージ

1)e-miningサービス概要 ・・・・・・・・ 16

2)調査イメージ ・・・・・・・・ 17

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1.調査概要

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調査背景

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東日本大震災発生以降、被災地産の食品を購入したり、食べたりすることで、復興支援を行おうという活動が広まっているように感じます。 その一方で、福島第一原子力発電所事故によって発生している放射性物質による食品汚染への不安から、東日本産(被災地周辺地域~関東地方産)の食品を避ける動きも見られます。

インターネット上でも様々な意見が飛び交う中、今回は、東日本産の食品購入の意向の有無を調査しようと考えました。しかしながら、事前調査の段階で、“リスクがあるものをわざわざ購入しない”というコメントが多いことがわかりました。

そこで、本調査では視点を切り替え、“東日本産の食品を購入する意向を持っている”コメントに焦点を当てることにいたしました。

これらのコメントを調査することで「購入を後押しする要因」や「購入意向を持っていても気になること」がわかり、食品購入を少しでも促進できるようなヒントになるのではないか、と考えたためです。

本調査が「消費者が安心して東日本産の食品を購入するために必要なことは何か」を検討する一助となれば、幸いです。

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調査概要1

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◆調査目的

東日本産の食品を “購入する意向がある” 書き込みの内容の把握。

◆調査方法

ネットモニタリングサービス“e-mining”にて、インターネット上の情報を回収し、回収デー

タを精査・分類したのち、分析を行う。

①検索キーワード

●メインキーワード : 福島県産 福島産 宮城県産 宮城産 岩手県産 岩手産

茨城県産 茨城産 千葉産 千葉県産 栃木産 栃木県産

東北産 関東産 東日本産 三陸産

●ORワード : 支援 応援 頑張れ 頑張って がんばれ がんばって

食べる 食べよう 食べている 食べてる 食べたい

買ってあげたい 買ってあげよう 買った方が など (※調査目的に沿った情報を収集するため、上記をORワードに設定しています)

●NOTワード : 2010 2009 2008 など震災前のコメントを除くワード

(※調査目的に沿わない情報を除外するため、上記をNOTワードに設定しています)

②調査期間

2011年7月3日~2011年7月6日

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◆レポート対象件数 : 650件 (「購入する意向がある」コメントのみが対象)

報告全件数: 4,102件

⇒精査件数: 3,864件

※報告全件数から、「URLは異なるがミラーサイトやコピーサイトなどによる全く同じ

文章のコピー」を除き、実際に目視で内容確認作業を行った件数

⇒精査結果 1)購入する意向がある:650件

2)購入する意向が全くない:1,045件

3)調査対象外コメント:2,169件

※調査対象外コメントには、アフィリエイトサイト、情報サイト、企業サイト、

自治体サイト、3/11に発生した震災以前に関するコメント、

ニュースのコピー&ペーストなどが含まれます。

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調査概要2

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※レポート対象件数 : 650件を上記の項目のいずれかに振り分けております。

「東日本産の食品購入への積極性」 を2項目に分類

積極的に食べる/以前と同様に食べる 食べたいが躊躇してしまう

分類内容の説明

「その理由」を下記項目に分類 理由の解説

被災地を支援するため 被災地周辺地域産の食品を購入することが、復興支援につながるというコメント

生産者を応援するため 風評被害に悩まされる生産者を応援したいというコメントや、生産者を思うといたたまれないというコメント

地元/被災地出身だから 現在住んでいる/過去に住んでいた地域産の食品だから購入するというコメント

日本経済全体のため 被災地や東日本に限らず、日本経済全体のためになるというコメント

安全性が信頼できるから 国が問題ないとしている放射性安全基準値、食品の検査数値などの情報により、安全性が信頼できるというコメント

大人/高齢者にはリスクが少ないから 大人/高齢者が食べる分にはリスクが少ないというコメント

危険性は少ないと思うから 少量または短期的な摂取であれば、放射性物質による危険性は少ないというコメント

中国産や他のものの方が害があるから 中国産の食品購入やタバコの日常摂取と比べれば、放射性物質が人体に及ぼす影響などたいしたことはないというコメント

気にしたらきりがないから 二次汚染や細かい出所などを気にしたら何も食べられなくなってしまうというコメント

好きだから/おいしいから 東日本産の食品がおいしい、以前から食べていて好きというコメント

価格が安いから 東日本産の食品が、その他の地域産の食品よりも価格が安いというコメント

安全性が信頼できないから 国が問題ないとしている放射性安全基準値、食品の検査数値などの情報により、安全性が信頼できないというコメント

子ども/若い人にはリスクがあるから 子ども/若い人が食べる分にはリスクがあるというコメント

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2.調査内容

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総評

■「積極的に食べたい」9割、でも「躊躇する」も1割 購入する意向があるコメントに絞り込んで調査をしたため「積極的に食べる/以前と同様に食べる」が9割を占めましたが、「食べたいが躊躇してしまう」が1割あることがわかりました。

■被災地支援・生産者支援のために食べたい 積極的に食べる理由は、「被災地の復興支援に協力したい」「風評被害に苦しむ生産者のために買いたい」といった、被災地や生産者を支援・応援したい思いで6割を占めました。募金以外でも直接支援できる方法として、食品購入を考えていることが読み取れました。

■「安全性が信頼できる」VS「安全性は信頼できない!」 積極的に食べる2割のコメントには、「日本の安全基準は国際基準と比較しても厳しい」という信頼感や健康に大きな影響がないこと、他食品と比較することで得られる安心感から買うという理由が見られました。一方で、安全基準への不信感や表示不足による不安感が、購入を躊躇する理由の7割を占めました。

■購入したいが、やっぱり子供の影響を考えてしまう。 「自分は良いけど、子どもには食べさせたくない」「原発に近い地域の食品は、たとえ基準値以下だとしても避けたい」といった子どもへのリスクを避けたいという理由が、「食べたいが躊躇してしまう」の理由の中で2割ありました。

これらのことから

・国の安全基準を明確にし、その安全基準を裏付けるデータを提示する。

・食品に生産地の詳細(例:地図で細かく記載)や安全基準を満たしているかを表示する。

・子どもを持つ人には、食品購入以外の形で生産者を支援できる方法を提示する。

など、上記を実施することで、消費者がより安心して東日本産の食品を手に取れるようになり、また「食べるには不安があるが支援はしたい」という消費者の思いにも応えることができるのではないでしょうか。

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東日本産の食品購入の意向の有無を見てみると「購入する意向が全くない」というコメントが約6割であり、内容は、主に「リスクがあるものをわざわざ食べない」といったものでした。 そして、「購入する意向がある」コメントは約4割でした。 「購入する意向がある」コメントの内訳を見てみると、「積極的に食べる/以前と同様に食べる」が全体の9割を占める一方、「食べたいが躊躇してしまう」コメントが1割あることがわかりました。

では、購入を後押ししている要因にはどのようなものがあるのでしょうか。また、購入する意向がありながらも購入に踏み切れないのはなぜでしょうか。 次ページからは、それぞれの詳細な理由を見ていきます。

調査詳細1 「購入する意向があるコメントの内訳」

≪購入したいが、躊躇するコメントも1割≫

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【被災地支援/生産者応援のために買いたい】

「積極的に食べる/以前と同様に食べる」というコメントのうち約6割が「被災地を支援するため」「生産者を応援するため」という理由で食品を購入する意向を持っていました。 ・被災地の復興支援に協力したい ・風評被害に苦しむ生産者のために買いたい などのコメントから、何とかして支援を行いたいというユーザーの気持ちが読み取れます。

【コメントの概要】

(被災地を支援するため)

・福島県産の野菜を買うことは、福島の被災者の方々に とって最高の支援、最高のエールになる。

・普段買っているものを東北産に変えるだけで、現地の 経済が少しでも潤うなら、迷わず東北産を選ぶ。

・東北産のものを買う。 義援金は配分まで時間がかか るようだし、募金だけではない直接的な支援をしたい。

(生産者を応援するため)

・大打撃を受けた福島の農業に少しでも貢献できたらと 思う。

・茨城県産の野菜を購入した。風評被害に負けずに頑張 って欲しい。

・今回出荷規制された地域の産物を積極的に買う事で応 援するしかない。

・風評被害に遭われている農家の方のためにも、積極的 に、福島産、茨城産の野菜を食べたい。

調査詳細2-1 「積極的に食べる/以前と同様に食べる」理由

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【安全性への信頼があるから食べる】

次に「安全性が信頼できるから」「危険性は少ないと思うから」「中国産や他のものの方が害があるから」といった理由が合計で2割ありました。

・日本の基準値は厳しいので信頼できる

・少量を摂取した程度では健康に影響がない

・中国産の方が毒性が強いものを使用している

というコメントから、ユーザーが得た情報や知見から判断を行い、購入に至っていることが読み取れます。

【コメントの概要】

(安全性が信頼できるから)

・よく他国の例を出して不安を煽る人がいますけど、事 故後の暫定基準値としては日本は相当厳しいです。

・健康被害が起こるレベルの食品は出荷されていない。 出荷規制された野菜だって、あのレベルならまず影響は出 ない。

(危険性は少ないと思うから)

・たまに「危険な」食材を食べてしまったとしても、総 量としては心配するほどにはならないと思う。

・毎日毎食何年もそのようなものを食べ続ければ影響は 出ると思うが現段階ではなんの問題もありません。

(中国産や他のものの方が害があるから)

・僕は中国産の毒まみれの食べ物の方が怖いと思う。と いうか福島産でも怖いなんて微塵も思っていない。

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調査詳細2-2 「積極的に食べる/以前と同様に食べる」理由

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【安全基準への不信感と食品の表示方法に不満】

「食べたいが躊躇してしまう」というコメントのうち約7割が「安全性が信頼できないから」という理由で購入に踏み切れずにいました。

・現在の国の安全基準は信用できない

・安全基準や細かい産地情報を食品に表示してほしい

というコメントから、安全基準の信頼性の根拠や、食品への詳細な情報提示を求めていることが読み取れます。

【コメントの概要】

(安全基準に対する不信感)

・検査に対する信頼があれば福島産だって買う。 ・今の政府のやり方では到底野菜を買う気にはなれない。

・流通しているものは安全だということを信用できる国で あって欲しいのにそうじゃないから買えない。

(食品の表示方法への不満)

・この際、毎日計測したデータをスーパーで表示してほし い。

・食材に安全基準を表示してくれれば福島産買って応援す る気にもなるんだが。

・基準値ギリギリクリアしている産地から全く問題ない産 地までを、もっと明確にしてほしい。

・野菜の袋に畑の場所の地図と検出されたベクレルが表記 されてて、その数値が十分低かったら余裕で買う。

調査詳細3-1 「食べたいが躊躇してしまう」理由

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【子どもへの影響を配慮し、安全だとしても買わない】

次に「子ども/若い人にはリスクがあるから」という理由が2割ありました。 ・自分は良いけど子どもには食べさせたくない ・原発に近い地域の食品はたとえ安全基準値以下だと しても避けたい これらから、放射性物質の影響を最も受けやすい子どもを持つ親として、極力リスクを避けなければという強い思いが読み取れます。

【コメントの概要】

(自分は良いが子どもには食べさせられない)

・子どもがいなければ福島県産だって平気で食べていると 思うけど、こればっかりは子の親としては譲れない。

・自分が食べる分だったら買ってあげられるが、未来ある 子には、少しでも内部被曝させたくない。

・産地を応援したい気持ちはあるけど、小さい子どもを持 つ私は「本当に大丈夫?」な疑心暗鬼が拭いきれない。

・私と旦那だけなら躊躇なく購入するが息子の食事を考え るとためらう。

(例え安全だとしても避けたい)

・乳児もちの私としては安全といわれても極力避けたい。

・幼児がいるから、いくら基準値以下でもやっぱり原発近 くの野菜は買えない。

・10年後の安全の保障など誰も出来ないのなら、せめて子 ども達の食材には出来るだけ避けるべき。

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調査詳細3-2 「食べたいが躊躇してしまう」理由

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3.参考イメージ

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抽出コメント例)

「東北産を継続的に買うことが、復興支援につながると思う」

「大量に食べるわけじゃないし、な

るべく福島県産を食べているよ」

「いずれかのNOTワード」が含まれるページを除外

除外コメント例)

「2009年*月*日 私がいつも

買っているワカメは宮城産」

メインキーワード : 福島県産 福島産 宮城県産 宮城産 東北産 関東産 など

ORワード : 支援 応援 頑張れ 頑張って 食べている 買っている など

NOTワード : 2010 2009 2008 ・・・ など日付の古いコメントを除くワード

調査イメージ1: によるデータ収集

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4,102件

3,864件

650件

e-mining報告全件数

重複を除いて 精査した件数

レポート 対象件数

コピーサイト などによる 全く同じ文章

震災以前のコメント ニュースのコピー&ペースト アフィリエイトサイト など

ツールによる重複チェック

調査イメージ2:レポート対象件数までの絞り込み過程

1,695件 東日本産の食品を購入する意向が 全くないコメント

東日本産の食品を購入する意向があるコメント 目視による

精査分類

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担当 : 工藤 篠崎

Email :[email protected]

〒102-0081 東京都千代田区四番町6番 東急番町ビル

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