感性から科学へ データに基づくwebサイト改善手法 2012 09-27-2
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ECのミカタセミナーフェアで講演した資料。30分の講演だったので、パフォーマンスの部分に特化して話しています。TRANSCRIPT
「感性」から「科学」へ。
データに基づくWebサイト改善手法
©2012 Keynote Systems, Inc.
2012年9月28日
Keynote Systems, Inc. Technical Business Representative
竹洞 陽一郎
日本人が知らない、しかし世界標準のWebマーケティング指標
自己紹介
Keynote Systems…Technical Business Representative 平たく言うと、日本代表
やってきた事
Layer1~7の技術
定量化・定性化分析手法(Function Point法、COCOM II)
システム最適化
Lotus Notes → Windowsのシステム構築 → Unix/Linuxのシステム構築 → メール →
Webシステム → システム開発見積り・IT不良資産 → 仮想マシン → CDN、Web高速化、ストリーミング、RMT問題 → Webコンサルティング
配信情報
Keynote Webパフォーマンスコミュニティ
(https://www.facebook.com/KeynoteSystemsJapan)
Webパフォーマンス研究会
(http://highperformanceweb.blogspot.jp/)
2012年9月28日 2 ©2012 Keynote Systems, Inc.
Keynote Systemsについて
• アメリカ合衆国カリフォルニア州サンマテオに本社を置く
• 1995年創業、1999年NASDAQ上場
• Web、モバイル、ストリーミングのパフォーマンス計測のサービスを主とする
• 計測の分野におけるマーケットリーダー
• 顧客数4,000社以上
• 計測拠点275ヵ所
• 計測用コンピュータ7,000台以上
2012年9月28日 3 ©2012 Keynote Systems, Inc.
4
New Media Automotive
Retail
Financial Services
Technology & Telecom Travel Portals/Media
Business-to-Business
Keynoteをご採用頂いているお客様
©2012 Keynote Systems, Inc. 2012年9月28日
今日、お話する事
アクセス解析とWebパフォーマンスの関係
Webサイトパフォーマンス最新動向
2012年9月28日 5 ©2012 Keynote Systems, Inc.
アクセス解析と
WEBパフォーマンスの関係
日本人は殆ど知らない、世界の常識
2012年9月28日 6 ©2012 Keynote Systems, Inc..
NUMB3RS
2012年9月28日 7 ©2012 Keynote Systems, Inc..
数学(統計学)の重要性
2012年9月28日 8 ©2012 Keynote Systems, Inc.
データを「正しく」分析すれば、未来が予測できる
太っているのか?痩せているのか?
2012年9月28日 9 ©2012 Keynote Systems, Inc.
60Kg
身長がわからなければ、太っているのか痩せているのかは、わからない
見るべき数値は足りているのか?
訪問者数、ページビュー数、直帰率、コンバージョン率の数値だけで十分なのか?
↓
身長を知らずに体重を眺めるようなもの
今期の売上の理由は?
マーケティングキャンペーンの影響?
時期?
コンテンツの改善の影響?
新商品の影響?
価格改定の影響?
ユーザーインターフェース改変の影響? 2012年9月28日 10 ©2012 Keynote Systems, Inc.
Webパフォーマンスの影響
2012年9月28日 11 ©2012 Keynote Systems, Inc..
88%
11%
7%
2倍
16%
1秒速くなる毎のブランドイメージアップ
1秒速くなる毎のCVの向上
1秒速くなる毎のPVの向上
1秒遅くなる毎の顧客満足度低下率
継続的な計測による顧客満足度向上
スピード = 価値 「今や、250msという速度が、Webにおける競争力の強みとなる特別な数字に近い。」 Harry Shum, Microsoft
売上向上
10%の売上向上
(1秒高速化される毎に)
12%の売上向上
(表示速度が6秒から1.2秒に高速化することによって)
5%の売上向上
(2秒高速化される毎に)
最速で表示された場合は50%
50%以上のPV増加
(最遅表示された場合と比較)
9%以上のトラフィック増加
(400ms向上される毎に)
生産性向上
2%の生産性向上
100%の生産性向上
(2.7秒までアプリケーションンを高速化した場合)
エラーが減少、エンジニアリングサイクルが加速、データの統一性の向上
25%の生産性向上
ライリーの小売引力の法則(W.F.Reilly, 1929)
2012年9月28日 13 ©2012 Keynote Systems, Inc.
P=α*A/D^2
P=購入確率、α=係数、A=魅力、D=距離(サイト速度)
購入確率は、人口ないし品揃えに比例し、距離(サイト速度)の二乗に反比例する
結果に影響を及ぼす変数を考える
2012年9月28日 14 ©2012 Keynote Systems, Inc.
表示速度の定量評価無しでは、
PV、CV、直帰率は正しく評価できない
Webパフォーマンスと訪問者数
Internet Explorer、Firefoxの場合
2012年9月28日 15 ©2012 Keynote Systems, Inc.
Webパフォーマンスと訪問者数
iPhone、Androidの場合
2012年9月28日 16 ©2012 Keynote Systems, Inc.
Webパフォーマンスとページビュー数
Internet Explorer、Firefoxの場合
2012年9月28日 17 ©2012 Keynote Systems, Inc.
Webパフォーマンスとページビュー数
iPhone、Androidの場合
2012年9月28日 18 ©2012 Keynote Systems, Inc.
Webパフォーマンスと直帰率
Internet Explorer、Firefoxの場合
2012年9月28日 19 ©2012 Keynote Systems, Inc.
Webパフォーマンスとコンバージョンレート
Internet Explorer、Firefoxの場合
2012年9月28日 20 ©2012 Keynote Systems, Inc.
Webパフォーマンスとコンバージョンレート
iPhone、Androidの場合
2012年9月28日 21 ©2012 Keynote Systems, Inc.
Webサイトは、二頭立ての馬車
パフォーマンス コンテンツ
パフォーマンス
測定・分析
アクセスログ
解析
Webサイトのページビュー、コンバージョン率は、コンテンツの良さだけでなく、
パフォーマンスにも左右される
WebパフォーマンスとPV、CV、直帰率の強い相関関係
2012年9月28日 23 ©2012 Keynote Systems, Inc.
Webログ解析は、1回やったらそれで終わりですか?違いますよね?
しかしWebパフォーマンス計測は、Firebugなどで、時々やれば良いと思っていませんか?
「データは前後の関係によって意味を成す」
今こそ、正しい統計学の知識を!
ITは、建設業モデルから、製造業モデルへの移行が必要
何事も「不変」ではない。「計測」は重要。
正しい計測の仕方
正しいデータ解析の仕方
日本統計学会 (The Japan Statistical Society)
http://www.jss.gr.jp/ja/
統計検定
1級~統計学(大学専門分野)
2級~統計学基礎(大学基礎科目)
3級~データの分析
4級~資料の活用
統計調査士
専門統計調査士
RSS (Royal Statistical Society)試験
2012年9月28日 24 ©2012 Keynote Systems, Inc.
日本の統計学教育の立ち遅れ
大学に設立されている「統計学科」の数
アメリカ~150以上
ヨーロッパ~100以上
中国~100
韓国~50
日本~0
データに基づいて意思決定を行うためには、統計学の知識が必須
統計学の知識が無ければ、アクセス解析を正しく行うこともできないし、ビッグデータも正しく扱うこともできない
2012年9月28日 25 ©2012 Keynote Systems, Inc.
正しい知識と方法論で世界標準に追いつこう!
世界標準
Webパフォーマンスを定常的に計って、ログデータと付き合わせて、自社の場合、1秒速く/遅くなると、どれだけの影響が発生するか指標値を導き出す。
目標売上を決めたら、指標値に基づいて、どれだけ高速化するかを決め、利益額の何%をIT投資するかを分析に基づいて決める
UXテストを定期的に行って、定量・定性データとログデータを突き合わせて、売上に結びつくコンテンツとデザインを洗い出す
負荷テストを行い、Webパフォーマンスの目標閾値を超えるアクセス数を
事前に把握し、アクセス数とサイトパフォーマンスの統計データから、閾値を超える日を予測してIT投資を行う
日本の場合
アクセス解析だけ
2012年9月28日 26 ©2012 Keynote Systems, Inc.
ファーストフードのうそ (G.M.ワインバーグ)
差なし、プラス差なし、プラス差なし、プラス…は、いつかはっきりした差になる
定常計測の重要性
2012年9月28日 27 ©2012 Keynote Systems, Inc.
Actionable Data (実用的なデータ)
Webパフォーマンス計測の基本
変動要因の最小化(計測環境)
エンドユーザでのパフォーマンスを計測しても意味がない(環境が様々に異なる)
例えば、表示に5秒かかったのであれば、何が原因で5秒なのかを分析できなければ意味がない。変動要因を正確に把握できなければ、データの解析は難しい
定点計測
一定間隔で、同じ場所で、繰り返し計測する
長期計測
データは独立していない。サイコロを振るのとは違う。
日次パターン、週次パターン、月次パターン、年次パターンを捉える
パターンを把握しなければ、データの相対関係から、それぞれのデータの「意味」を読み解くことは不可能
2012年9月28日 28 ©2012 Keynote Systems, Inc.
WEBサイトパフォーマンス
最新動向
知ってるようで実は知らない
2012年9月28日 29 ©2012 Keynote Systems, Inc.
日本のWebサイトのパフォーマンスの現状を知る
2012年9月28日 30 ©2012 Keynote Systems, Inc.
Firefox – NTT & KDDI 2012/8/30~9/26
日本のWebサイトのパフォーマンスの現状を知る
2012年9月28日 31 ©2012 Keynote Systems, Inc.
IE9 – NTT & KDDI 2012/8/30~9/26
Keynote Performance Index:Top Retailers – September 23th, 2012
2012年9月28日 32 ©2012 Keynote Systems, Inc.
http://keynote.com/keynote_competitive_research/performance_indices/top_retailers/index.html
日本のスマートフォンサイトのパフォーマンスの現状を知る
2012年9月28日 33 ©2012 Keynote Systems, Inc.
Softbank 2012/8/29~9/25
日本のスマートフォンサイトのパフォーマンスの現状を知る
2012年9月28日 34 ©2012 Keynote Systems, Inc.
NTT DoCoMo 2012/8/29~9/25
Keynote Mobile Commerce Index – September 23rd, 2012
2012年9月28日 35 ©2012 Keynote Systems, Inc.
http://keynote.com/keynote_competitive_research/performance_indices/mobile/retail/index.html
Keynote Performance Index: Mobile Retail – World
September 23rd, 2012
2012年9月28日 36 ©2012 Keynote Systems, Inc.
http://keynote.com/keynote_competitive_research/performance_indices/mobile/retail-world/index.html
日本の化粧品業界~IE9 NTT&KDDI
2012年9月28日 37 ©2012 Keynote Systems, Inc.
Artistry、Chanel、EsteelauderはKeynoteを利用
日本の化粧品業界~iPhone SoftBank
2012年9月28日 38 ©2012 Keynote Systems, Inc.
Artistry、Chanel、EsteelauderはKeynoteを利用
モバイルを
「知っている」サイトと「知らない」サイトの違い
2012年9月28日 39 ©2012 Keynote Systems, Inc.
日本の化粧品業界~iPad2 SoftBank
2012年9月28日 40 ©2012 Keynote Systems, Inc.
Artistry、Chanel、EsteelauderはKeynoteを利用
このパフォーマンス(表示速度)の差は、何が原因なのか?
2012年9月28日 41 ©2012 Keynote Systems, Inc.
2012年9月28日 42 ©2012 Keynote Systems, Inc.
Amazon Japan
DHC 約13倍 約17倍
2012年9月28日 43 ©2012 Keynote Systems, Inc.
Amazon Japan
EC Current 約1.5倍 約2.6倍
Amazon Japanの場合
2012年9月28日 44 ©2012 Keynote Systems, Inc.
EC Currentの場合
2012年9月28日 45 ©2012 Keynote Systems, Inc.
DHCの場合
2012年9月28日 46 ©2012 Keynote Systems, Inc.
Topページのファイル数の違い
Amazon
Japan EC Current DHC
Redirect 1 4 4
HTML 1 2 3
CSS 1 3 6
JavaScript 1 10 18
画像 10 10 56
Beacon 0 1 2
XML 0 0 1
合計 14 30 90
2012年9月28日 47 ©2012 Keynote Systems, Inc.
彼を知り己を知れば百戦危うからず
(孫子の兵法)
↓
データを持っていない
↓
競合についても、自社についても、知らなさ過ぎる
↓
負けるに決まってる
2012年9月28日 48 ©2012 Keynote Systems, Inc.
何を削って、何を残すのか?
コンテンツを減らす~ユーザーの行動を分析し、モバイルでよく参照されるページ、機能に特化する
画像は極力減らす~ページの「美しさ」のための画像は削る
Simple is best ~機能をたくさんつけても使わない。本当に必要とされるものだけを実装する。「できる」からといって、実装しない
100KBルール~1ページあたり100KB前後で収める
CSS 1つ、JavaScript 1つ、Redirect 1つに収める
20KB以上のファイルはiPhoneではキャッシュされない
美しさより速さ~「1分ルール」を満たす
2012年9月28日 49 ©2012 Keynote Systems, Inc.
1分ルールとは?
スマートフォンでのブラウジングは、PCと異なる
PCは、机の前に座ってブラウジングする
スマートフォンは、1日の細切れ時間の中でブラウジングする
朝起きてベッドの中で
朝食を食べながら
通勤時間中
トイレの中
お昼ご飯
タバコを吸いながら
仕事、仕事のちょっとした合間
移動中
ちょっとした待ち時間
5分未満の細切れ時間にアクセスしてくるユーザーはコンバージョンレートが高い
1分以内に「目的を達する」ことができるようにサイトを作る
2012年9月28日 50 ©2012 Keynote Systems, Inc.
Performance Best Practice
JavaScriptをHTMLの最後に記述する
CSSをHTMLの最初に記述する
Keep aliveを使う。Keep aliveの対象数からはみ出るコンテンツがないようにする
HTMLファイル以外はキャッシュを効かせる
MIMEが”text/*”か”*javascript*”のものについては圧縮配信する
CSSを1枚にまとめる
JavaScriptを1枚にまとめる
2012年9月28日 51 ©2012 Keynote Systems, Inc.
W3C Web Mobile Best Practice
http://www.w3.org/TR/mobile-bp/
Auto refreshを使わない
レイアウトのためにTableを使わない
キャッシュを使う
フレームを使わない
テキストフリーにしない(input type=“text”)
画像のサイズを明示する(height, width)
画像のALTを明示する
ポップアップを使わない
ページタイトルを明示する
Tableの中にTableを定義しない
2012年9月28日 52 ©2012 Keynote Systems, Inc.
サイトは「美術的」デザインより「機能美」
~工業デザインとしてのWebサイト
美しさは、お金にならない
デザイナーの言う事を疑ってみること!
Webサイトは、芸術ではない、機能を提供する場
勘、経験、感性でサイトをデザインしない~大規模UXテストで定量・定性分析を行うのが世界の主流
「ポジティブバイアス」の罠
お客様の意図を「散らさない」こと
どんどんコンテンツが増えて下に伸びていく日本のサイト、どんどんコンテンツが削減されて上に縮んでいく海外のサイト
買って欲しいなら、買う事に集中できるようにする
2012年9月28日 53 ©2012 Keynote Systems, Inc.
日本のWebサイトの弱さ
Value Proposition(Why US?)が明確でないと…
サイトが複雑化
価格競争へ突入
「情報が何を消費してしまうかは、とても明白だ。受け手の関心を消費するのだ。それゆえ、豊富な情報 は関心の欠落を生む。また、溢れる情報が、『関心』を消費しようとしているとき、その『関心』を効果的に配置する必要性が生まれる。」 - ハーバート・サイモン(ノーベル賞経済学賞受賞者。チューリング賞受賞者)
2012年9月28日 54 ©2012 Keynote Systems, Inc..
2012年9月28日 55 ©2012 Keynote Systems, Inc.
2012年9月28日 56 ©2012 Keynote Systems, Inc.
最終的には、スマートフォンサイトのデザインは、
皆、似たり寄ったりになる
特徴のあるデザインのサイトより、慣れ親しんだデザインのサイト
小さな画面上で、配信できるデータ量が限られている
Thumb Friendly(親指に優しい)サイトデザイン=機能性重視
Appleの「iOSヒューマンインターフェースガイドライン」を読もう!(https://developer.apple.com/jp/devcenter/ios/library/documentation/MobileHI
G.pdf)
Familiarity(慣れ親しんでいること、熟知、精通していること)がキーワード
特徴のあるサイトは、操作性の違いから、生産性の低下を引き起こす
Eコマースの場合は、売上低下
2012年9月28日 57 ©2012 Keynote Systems, Inc.
Q&A
9/28/2012 58 ©2012 Keynote Systems, Inc.