geb読書会 第1回 「音楽の捧げもの」
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序論 音楽=論理学の捧げもの
● バッハ『音楽の捧げもの』○ 対位法、カノンとフーガ
○ 「それ自身がひとつの大規模な知的フーガで、そのなかで数多くの着想や形式がからみあい、また
おどけた二重の意味や微妙な暗示が常套句になっているのだ」
● エッシャー○ 「『不思議の環』の概念を最も美しく力強く視覚化した」
○ 「描いている手と手」
● ゲーデル○ 不完全性定理
○ 数学における「不思議の環」
序論 音楽=論理学の捧げもの
● 本書自身について述べたメタ序論
● 本書が「音楽の捧げもの」であることを暗示している?
○ ゲーデルや数理論理学についての解説が難解だけれど、ゲーデルについては本編で詳しくやるの
で、ここでは流し読みで良いと思います。
● 「私は、ゲーデル、エッシャー、バッハという三本の永遠の黄金の組み紐を編もうと
した」
○ 永遠の黄金の組み紐=EGB
第1章 MUパズル
● 形式システムの紹介○ 「重要な点は、与えられた規則によらずには何もしてはいけない、ということである」
● M・I・U3種類の文字による文字列
● 公理○ 最初に与えられる文字列。ここでは「 MI」
● 生成規則(推論規則)○ 文字列を変えていく規則
○ 必ずこの規則に従うこと!ただし、適用する順序や位置は自由。
● 定理○ 生成規則によってできた新しい文字列
MUパズル
1. 末尾がIの場合、後ろにUを付けてよい。a. MI → MIUb. MIII → MIIIU
2. M〜という並び(〜はMの次から末尾まで)があれば、〜の部分を2倍に増やしてよ
い。a. MIU → MIUIUb. MIII → MIIIIII
3. Iが3文字続いていたら、Uに置き換えてよい。a. MIIIU → MUUb. MIIIIII → MIIIU でも MUIII でも可
4. Uが2文字続いていたら、そのU2文字を消してよい。a. MIUU → MIb. MIUUIU → MIIU
第2章 数学における意味と形
● pqシステム○ 私たちが日常的に扱っているもの (加法)と同型対応している形式システムの紹介
● 決定手続き○ 形式システムで作れる定理かどうかを確かめる手続き。
● 同型対応○ 形式システムが意味を持つ方法。
○ 現実世界の情報がそのまま形式システムに対応する。
○ 形式システムの解釈により対応付けが選ばれる。
pqシステム
● ハイフンは、MIUシステムのIで代用します。
1. 3種類の文字 p、q、― を使用する。
2. Xが―だけの列であるとき xp―qx― は公理である。
3. X、y、zがそれぞれ―だけの列であるとき、xpyqz が定理であれば、xpy―qz―も定
理である。
決定手続き
● 形式システムで作れる定理かどうかを確かめる手続き。
● pqシステムであれば、生成規則を逆に辿っていくことでより短い定理に還元して確
かめられる。○ MUパズルではどうか?
● 下から上へ(ボトムアップ)○ 公理から生成規則を組み合わせて、目標の定理が作れるか確かめる
● 上から下へ(トップダウン)○ 目標の定理を分解し、公理まで還元できることを確かめる。